探蝶逍遥記

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台湾台東縣遠征記(7)タテハチョウ科その1:マダラチョウ亜科

 最初は個体数の多いウスコモンマダラ(Tirumala limniace limniace)。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=400、F9-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月12日、8時09分

 トウワタで吸蜜する♂です。ここはシロチョウ科その2でご紹介したウスキシロチョウ♀が吸蜜した場所と同一ポイント。次はタイワンアサギマダラ(Parantica swinhoei)♀の吸蜜シーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F10-1/500、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、12時09分

 林道脇は急傾斜の崖地でセンダングサまで前進できず、大幅にトリミングしてのご紹介。管理人は台湾に渡航する前、現地に行けば本種が普通に見られるだろうと推測しておりましたが、実態は逆で、意外と個体数が少なくて苦労します。一方、日本国内の高原に咲くヒヨドリバナにはアサギマダラ(P.sita)の大集団が観察できます。同様に台湾でも本種の集団吸蜜が観察できるポイントがあるのかもしれませんね。この時飛翔も撮影。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F6.3-1/2500、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、12時10分

 飛翔を撮ると、赤褐色の腹部が表現できて、ようやく「タイワンアサギマダラ」らしい絵になります。左前翅は一部切断されて捲れ上がっていて、そのせいか、飛翔はどこかぎこちないものでした。次は沖縄あたりでもポピュラーなツマムラサキマダラ(Euploea mulciber barsine)。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F9-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、9時34分

 ♂の吸水シーンですが、面白いのは翅を全開にしている点。通常川床や路上では閉翅状態で吸水するのが普通で、全開状態は初めて観察しました。崖地にへばり付くようにストローを出していて、バランスを取るため開翅していたのかもしれません。次は♀の産卵行動。カメラに向かってくるシーンですが、やや後ピンです(^^;
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F9-1/320、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、13時28分

 すごく暗い環境で、残念ながら産卵シーンは撮影できず。ルリマダラ類の2番目は知本温泉付近で最も個体数の多いホリシャルリマダラ(Euploea tulliolus koxinga)。♂の吸蜜シーンを2枚。
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D71K-34VR、ISO=1600、F9-1/500、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月11日、13時55分
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/640、+0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、11時56分

 1枚目は全開シーン。全開翅を撮るのはこれが初でしたが、撮影後、ISO設定を誤って1600まで上げていることに気が付きました。その結果、通常設定でも難しい前翅瑠璃色紋の表現がちょっとノッペリしてしまいました。ISOを下げて再度全開を狙うも思い通りに開いてくれずガッカリ(^^; 2枚目は閉翅。こちらは背景がちょっとゴチャゴチャし過ぎです。次は管理人初撮影の♀吸蜜シーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、8時28分

 ルリマダラ類は♂♀判定が結構難しいものです。ここでは前後のコマで撮影した飛翔シーン等から総合判断して♀としています。通常タテハチョウでは前翅外縁部の直線性は♂の方が直線的で、♀は丸みを帯びるものです。但し、Euploea属は逆で、♂の方が丸みを帯びる傾向にあります。↑でアップした♂♀吸蜜シーンを見比べると、前翅外縁部の直線性の微妙な差異がお分かり頂けると思います。最後は管理人初撮影のルリマダラ(Euploea sylvestor swinhoei)。
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D71K-34VR、ISO=400、F8-1/400、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、8時52分
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F8-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、8時53分

 ♀の吸蜜シーンと飛翔シーンです。この子はサイズがホリシャより一回りデカいので、すぐに別種と気が付きました。それと比較的高所を飛ぶ傾向があって、なかなか射程に降りてきません。恐らく♂も飛んでいたと思いますが、撮影できませんでした。♂前翅表には二本の性標があって、一本しかないホリシャ♂と区別可能とされています。早いとこ♂も撮りたいものです。

 今回遠征で目撃・撮影したマダラチョウ亜科の種をまとめます。学名で亜種未記載のものは名義タイプ亜種。黄色着色種は管理人の初撮影種。赤色着色種は目撃のみ。
【マダラチョウ亜科】全7種
(1)ウスコモンマダラ(Tirumala limniace )
(2)タイワンアサギマダラ(Parantica swinhoei)
(3)リュウキュウアサギマダラ(Ideopsis similis)
(4)ツマムラサキマダラ(Euploea mulciber barsine)
(5)ホリシャルリマダラ(E. tulliolus koxinga)
(6)ルリマダラ(E. sylvestor swinhoei)
(7)オオゴマダラ(Idea leuconoe clara)

<次回へ続く>
by fanseab | 2015-11-29 23:40 | | Comments(4)

ムラサキツバメ越冬集団の観察その1(11月下旬)

 朝晩の冷え込みが増し、そろそろ首題観察の季節がやってきました。先日、theclaさん(外部リンクが越冬集団の記事をアップされていました。theclaさんと観察テリ張り位置が微妙に重なる(爆)管理人としては、放っておけず、ちょっぴり確認がてら「現地」を訪問しました。「現地」と言っても、恐らくtheclaさんなら、ここに来るだろう・・・と推測しての探索。ところが記事に書かれた樹種を頼りに本命と思しき場所で探しますが、坊主(^^; 仕方なく更に対象を広げてウロチョロウロチョロ・・・。そして「まさかこれではないだろう」と思った「まさか」の株に越冬集団がありました。最初に目に留まったのが3頭集団。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=500、F9-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:10時22分

 驚いたことに目線の下にありました。さて、何故「まさか」と思ったのか、それはこれまで管理人が経験してきたムラツ集団が好む環境とはかけ離れていたからです。ムラツ越冬集団が形成されるポイントの必要条件として、下記の4点が挙げられます。
(1)南に開けていて日中は比較的陽射しに恵まれている。
(2)周囲に水場・河川・池など冬期間も湿度が高めに保持できる環境にある。
(3)株の西・北・東側に樹木や建物など冬季の季節風を遮断できる環境にある。
(4)比較的大き目の常緑樹もしくは落葉樹で、集団を形成する葉の直上に「庇(ひさし)」を形成する葉がある。
今回のポイントは(1)、(2)、(4)の条件は申し分ないものの、殆ど吹き晒らし状態であった点で、「まさかこんな場所に・・・!!?」と感じたのでした。
 さて、↑の絵をtheclaさんの記事画像と比較すると、同一葉のようですが、7頭ではなく3頭に減っています。この日はどんより曇って肌寒く、ムラツが活動できる状態ではありません。ならば、別の葉に移動している可能性があるだろうと思い、探索すると、目線より上に4頭集団、更にその上に少なくとも4頭いると思しき集団を発見。最初に4頭集団の画像です。
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D71K-34VR(トリミング+6コマ深度合成)、ISO=500、F9-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:10時22分

 300mmレンズでは深度が浅いため、ここは深度合成処理で全個体にピントを合焦させています。次に最上段に潜む集団です。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F9-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:10時24分

 4もしくは5頭いるようにも見え、少し視線を上げたいところです。脚立を使わないと全貌が掴めませんが、脚立を立てると色々と問題が・・・(^^; そこでマイクロフォーサーズに対角魚眼を付け、一脚で手伸ばししてリモートインターバルタイマー撮影法で対処しました。
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GX7-P8(トリミング)、ISO=320、F13-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:10時49分

 この絵から確実に4頭ですね。実はリモート撮影に手間取り、集団が潜む葉近辺でゴソゴソカメラを動かしている途中、どうやら一番手前の個体が飛び出したようで、本来最上段には5頭いた様子。結局、上段5頭、中段4頭、下段3頭、合計12頭がこの株で越冬集団を形成していたことになります。上述したように、この場所は風の影響を受けやすく、そもそも落葉樹なので、12月に入った時点で落葉し集団は一旦消滅する運命にあります。幸い拙宅から近場ですので、次の避難場所がどこに形成されるのか?注目していきたいと思います。
by fanseab | 2015-11-23 21:22 | | Comments(4)

台湾台東縣遠征記(6)シロチョウ科その2

 シロチョウ科の続きです。最初はメスシロキチョウ(Ixias pyrene insignis)♀の吸蜜シーン。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR、ISO=500、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、10時47分

 ♀は初撮影です。表翅を撮らないと「雌白」が表現できませんね。♂もそれなりの個体に出会ったのですが、猛スピードで飛翔して吸蜜・吸水のチャンスが全くなく撮影は叶いませんでした。このシロチョウは熱帯アジアでは普通種なのに、何故か相性が悪くて撮影できないのです。相性が悪い蝶ってあるんですよね。

 次はウスキシロチョウ(Catopsilia pomona pomona)無紋型♀の吸蜜シーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月12日、7時41分

 知本森林遊樂區内の植栽トウワタ(Asclepias curassavica)やって来た個体です。本種♀は結構吸水シーンに出会いますが、吸蜜シーン撮影は恐らく初撮影。朝一番の吸蜜タイムで比較的緩慢なので、助かりました。さて、次は高速飛翔するウスキシロとは真逆にフンワリ・ノンビリ飛ぶクロテンシロチョウ(Leptosia nina niobe)の飛翔シーン。
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GX7-Z12(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/2500、撮影月日・時刻:5月14日、9時05分
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GX7-Z12、ISO=400、F5.6-1/2500、撮影月日・時刻:5月14日、9時05分
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GX7-Z12(トリミング)、ISO=400、F5.6-1/2500、撮影月日・時刻:5月14日、9時05分

 この子の飛翔スピードは大変緩やかですが、飛ぶ場所が暗いので、白飛びしないように撮影するのは結構難しい対象です。ここでは40コマ/秒の高速連射の特徴を活かして、白飛びしていないコマのみ、拾い上げてみました。
 4種類目はタイワンキチョウ(Eurema blanda arsakia)の♂。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月11日、15時43分

 そろそろ活動終了時間帯で、葉上で静止している場面。透けて見える前翅表外縁の黒褐色部に典型的な夏型♂の特徴が出ていると思います。次に♀の産卵シーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F8-1/320、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月11日、14時32分

 タイワンキチョウはキタ(ミナミ)キチョウとは異なり、卵塊で産む習性があると聞いており、産卵を大変期待して見守っておりましたが、結局産卵には至らず、大変ガッカリいたしました。やって来たホストはネムノキ属(Albizia sp.)と思われますが、現時点で同定できておりません。
 最後はキタキチョウ(Eurema mandarina)♀の産卵シーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=320、F11-1/400、+0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、10時56分
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=320、F11-1/400、+0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、10時57分

 産卵された卵の拡大像です。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング)、ISO=200、F13-1/250、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、12時04分

 東京都下で撮影した日本本土産キタキチョウ卵の拡大像と比較してみました。
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 卵1個同士での比較ですから、この絵から何か結論を得ようとするものでありません。日本本土産、南西諸島産、台湾産各々の卵の微構造に差異があるのか、調べてみると面白いかもしれません。さて、上記産卵母蝶を「キタキチョウ」と判定するには少々時間がかかりました。以下、その推論過程を詳述します。

 先ず驚いた点は産卵された植物がどう見てもマメ科とは思えない特徴を有していたからです。葉がマメ科のように対生ではなく、互生です。枝ぶりも葉の形状もマメ科らしくありません。次に母蝶の後翅外縁部形状、前翅中室基部の黒班の数、前翅外縁に拡がる黒褐色部の形状、裏面全体に散布される暗色斑点の出現状況を総合勘案して、少なくとも、ミナミキチョウ(E.hecabe)かキタキチョウのいずれかであろうと推測しました。残念ながら撮影した個体はかなり擦れた♀で、前翅縁毛色からの種判定はできません。
 ここで台湾産ミナミキチョウおよびキタキチョウが利用するホストをまとめておきます。いずれも台湾で発行した図鑑(※1※2)に記載されているホストです。
<ミナミキチョウ>
マメ科:田菁(ツノクサネム:Sesbania sesban)、合萌(クサネム:Aeschynomene indica)、合歓(ネム:Albizia julibrissin)、鉄刀木(タガヤサン:Senna siamea)、黄塊(モクセンナ:Cassia surattensis
<キタキチョウ>
クロウメモドキ科:桶鉤藤(シマクロウメモドキ:Rhamnus formosana)、中原氏鼠李(ナカハラクロウメモドキ:R. nakaharai)、小葉鼠李(イワクロウメモドキ:R.parvifolia)、雀梅藤(クロイゲ:Sageretia theezans
マメ科:鐡掃箒(メドハギ:Lespedeza juncea)、毛胡枝子(ビッチュウヤマハギ:L.thunbergii

 重要なポイントは、「ミナミキチョウはマメ科のみ食う」点です。故にマメ科以外の植物に産卵していたら、その個体はキタキチョウと判定してOKだと思った次第。もちろん、前翅裏面中室内黒班の数、表翅外縁黒褐色部パターン等から他のEurema属、特にクロウメモドキ科食いのウスイロキチョウ(E.andersoni)とはきちんと区別した上での話です。なお、キタキチョウは日本の本州では基本マメ科食いですが、南西諸島ではマメ科以外にクロウメモドキ科を食するとされています(※3)。

 残念ながら今回アップしたキタキチョウと思しき♀が産卵している植物の同定はできておりません。少なくとも上記したクロウメモドキ科のいずれの種とも葉形状が微妙に異なっております。台湾ではトウダイグサ科も食うとの報告もあるようで(※3)、何方か知見のある方、ご教示頂ければ幸いです。

【参考文献】
※1 林春吉・蘇錦平,2013.台灣蝴蝶大圖鑑.綠世界工作室,宜蘭.
※2 呂至堅・陳健仁,2014.蝴蝶生活史圖鑑.晨星出版,臺中.
※3 加藤義臣・矢田脩,2005.西南日本および台湾におけるキチョウ2型の地理的分布
           とその分類学的位置.蝶と蛾,56(3):171-183.
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<11月22日追記>
今回遠征で目撃・撮影したシロチョウ科の種をまとめます。学名で亜種未記載のものは名義タイプ亜種。赤色着色種は目撃のみ。
【シロチョウ科】全12種
(1)モンシロチョウPieris rapae crucivora
(2)タイワンモンシロチョウ(P. canidia
(3)ウスムラサキシロチョウ(Cepora nadina eunama
(4)タイワンスジグロチョウ(C. nerissa cibyra
(5)タイワンシロチョウ(Appias lyncida cleonora
(6)クモガタシロチョウ(A. indra aristoxenus
(7)メスシロキチョウ(Ixias pyrene insignis
(8)ツマベニチョウHebomoia glaucippe formosana
(9)ウスキシロチョウ(Catopsilia pomona
(10)クロテンシロチョウ(Leptosia nina niobe
(11)キタキチョウ(Eurema mandarina
(12)タイワンキチョウ(E. blanda arsakia
by fanseab | 2015-11-21 21:55 | | Comments(0)

台湾台東縣遠征記(5)シロチョウ科その1

 トップバッターはタイワンモンシロチョウ(Pieris canidia)♀。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月11日、13時58分

 文字通り、台湾では最普通種ですけど、今回遠征時期が世代の狭間なのか、個体数は少なく、上記証拠画像がやっとの有様でした。お次はウスムラサキシロチョウ(Cepora nadina eunama)♂。
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D71K-34VR、ISO=500、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、10時46分

 本種の♂は今回初撮影になります。熱帯シロチョウ♂としては裏面が例外的に暗化した種と言えましょう。次いで♀の産卵行動シーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=1000、F7.1-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、10時26分
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=1000、F7.1-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、10時27分
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=1000、F7.1-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、10時28分

 
 林道北側の急傾斜地でフワフワ飛ぶシロチョウ♀を発見。産卵挙動中の♀だろうとは思いましたが、種判定は帰国後にやっとできました。相当暗い環境で、置きピンではなく、マニュアルフォーカスで追跡・撮影するものの、やはりピンボケ画像の連発でした。2コマ目は完璧ピンボケですが、翅表確認のため証拠画像としての掲載です。母蝶は他の♀同様、ホスト確認のため前脚タッチを繰り返しながら(↑の1コマ目)飛翔していきます。本種は♂♀共に後翅裏面全体に黄色鱗粉が散布されておりますが、この♀も飛び古しており(3コマ目)、後翅基部にのみ黄色鱗粉が残っております。♀は一度腹端を曲げたように思えましたが、急傾斜地のため、産卵場所含め確認はできませんでした。ホストはフウチョウソウ科の毛瓣胡蝶木(Capparis sabiaefolia)や大果山柑(C.sikkimensis)とされています(※)。因みにスモークサーモン料理に必ず付いてくる緑褐色の粒「ケッパー」は本属の属名由来です(セイヨウフウチョウボク:C.spinosa の蕾を塩漬けしたもの)。
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<11/16追記>
 一部画像掲載を失念しておりましたので、追加アップです。ウスムラサキシロチョウと同属のタイワンスジグロチョウ(Cepora nerissa cibyra)♀です。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=320、F11-1/400、+0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、11時01分

 台湾で本種に出会ったのはこれが初めて。しかも本種を撮影するのは南ベトナム(外部リンク以来、7年振りです。更に♀撮影もこれが初めて。ウスムラサキ同様産卵行動中と判断しましたが、産卵現場の確認はできませんでした。
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 4種類目は4年前にも同じ林道で出会ったクモガタシロチョウ(Appias indra aristoxemus)♂。最初は4頭からなる吸水集団。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/400、-1.0EV、撮影月日・時刻:5月11日、13時29分

 台湾到着翌日、台風関連の雨がようやく上がった車道上に群れておりました。前回4年前は晩秋で個体数が少なく、単独吸水画像のみでしたが、今回何とか吸水に集う絵が撮れました。この近辺では2月頃、花吹雪のようなクモガタの大吸水集団が観察できるとのことで、いつか見てみたいものです。お次は単独吸水画像。
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D71K-34VR、ISO=200、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、10時09分

 この個体は鮮度がやや悪く、裏面の黄色鱗粉が少し脱落して白っぽく見えます。撮影時の気温は吸水集団の画像と比較して高いので前翅を高く上げており、かなり印象が変わって見えます。次は同じ♂の吸蜜画像。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F6.3-1/3200、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、8時56分

 残念ながらこの個体も結構スレておりますが、前翅裏面全体の斑紋を確認するには申し分ない絵になりました。この時、連射中に偶然撮れた飛翔画像がこちら。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F6.3-1/3200、-0.3EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月13日、8時56分

 「雲形」模様が出現する結構複雑な裏面に比較して、表翅は明快なシロチョウ模様ですね。本種も普段全開シーンを披露するチャンスが殆どなく、表翅は飛翔で撮るしかありません。
<次回へ続く>


<参考文献>
※ 林春吉・蘇錦平,2013.台灣蝴蝶大圖鑑.綠世界工作室,宜蘭.
by fanseab | 2015-11-14 21:05 | Comments(4)

サツマシジミ探索(10月中旬)

 台湾遠征記をちょっとお休みして国内蝶の話題。
 
 昨年に引き続き静岡でのサツマ探索。今年は蝶の発生状況が全般に大変読み難く、それでもサツマ最終化には少し早いかな、とフライング覚悟での出撃です。現地8時半到着。快晴無風で、既に樹冠に陽が当たり始めています。気温も高くそろそろ樹冠から降下するだろうと思いきや、全く影も形もありません。「こりゃ~やっぱりフライングかなぁ!」と諦めムードになった9時過ぎ、林道地表スレスレをチラチラ飛ぶシジミが出現。白い色合いからサツマと直感。吸水するそぶりを見せながら延々100m以上飛んでやっと灌木上に静止してくれました。しかし相当に敏感で、接近すると逃げられ、また接近・・・を繰り返し、ようやく最初のショットが撮れました。
 
+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時08分

 偶々光線状態が良く、縁毛ブルー幻光が撮れてしまいました(^^)/  縁毛の状態も良く、鮮度は抜群です。開翅を期待するものの、この程度がやっと(^^;
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時10分

 恐らくこれだけ天気が良いと、樹冠上で一旦開翅日光浴をして体が暖まっているので、降下してからは開翅をしてくれないのかもしれません。サツマは逆光で撮って初めて美しさが表現できるシジミです。良いアングルを探そうと動き回ると、その振動を敏感に感じ取って飛び立ち、イライラさせられます。それでも粘って何とかほぼ期待する絵が撮れました。
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D71K-34VR、ISO=320、F10-1/500、-1.0EV、撮影時刻:9時14分

 縁毛が綺麗だとブルー幻光も自然に輝き、画面が引き締まります。順光でもベタ閉翅画像を念のため撮影。
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D71K-34VR、ISO=500、F9-1/4000、-1.0EV、撮影時刻:9時18分

 この後、望遠飛翔を撮ろうと追跡している最中に姿を見失ってジ・エンド。今度は場所替えして♀狙いです。昨年♀吸蜜を確認したビワの木を訪れると、全くの坊主。更に♂ポイントへ行くもここも坊主。こちらは完全にフライングのようでした。

 さて、多少時期尚早の感もあったので、11月上旬に静岡へ再出撃。↑の♂画像を撮影したポイントでは9時半まで粘るも坊主。別の♂ポイントもこれまた坊主。♀狙いで転戦したビワの木ポイントでは何とビワの木が伐採!されていてこれには唖然。おまけに近くの♂ポイントもこれまた坊主。飛んでいる白いシジミはウラギンのみ。ダラダラ発生する最終化でも11月上旬は好適期の筈なのにこの有様。トホホです。どうやら個体数の少ない外れ年だった・・・と今シーズンのサツマ探索を諦めることにしました。

 なお、10月中旬に出撃したポイントではウラギンシジミ♂の集団吸水場面を目撃いたしました。
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GX7-P8(トリミング)、ISO=200、F14-1/160、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時54分

 画面中央付近に4頭、画面左端付近に5頭、合計9頭の♂が写っています。管理人はこれまで海外遠征含め、これだけのウラギン集団吸水場面を見たことがありません。同じポイントを11月上旬に訪問した際は、♂の単独吸水を見ただけでした。ウラギン集団吸水を目撃した日は、ウラナミシジミ♂の吸水シーンも観察できました。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/500、-0.3EV、撮影時刻:10時14分

 ウラナミの吸水シーンは管理人として初体験。今秋は多摩川縁でもウラナミを観察するチャンスが殆どなく、例年にない不作と感じておりましたので、表翅の鈍いブルーが本当に綺麗に感じたのでした。

<12月18日追記>
12月に入って、静岡在住の蝶屋さんとお話しする機会があり、サツマのことを聞いてみました。
すると、一言「全くの不作ですね~」。やはり管理人の感触は当たっていたようです。これで
変に諦めがつきました。来年はプチ豊作を期待したいものです。
by fanseab | 2015-11-08 21:15 | | Comments(2)