探蝶逍遥記

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ジャコウアゲハの交尾(6月下旬)

 久しぶりに多摩川縁を散歩撮影。いつのまにかヒカゲチョウも♂が消え、殆どが♀個体です。毎年樹液を発生しているクルミの木をボンヤリ眺めていると、黒い塊が・・・。何と初めて観察するジャコウアゲハの交尾ぺア!

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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時15分

 丁度装着していたレンズは85mmだったので、これが精一杯。折角のチャンスなので、一旦自宅に戻り、300mmを装着して再出陣。「解けるなよ~!」の願いが通じたのか、未だ動く気配が無く助かりました。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F11-1/250、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時45分

 地上高約3.5m。それにしても場所が悪く、脚立を使用しても葉被りを避けるのに苦労します(^^; 状況を広角で記録しようとミラーレスでリモート撮影をトライしたところ、カメラを接近させた瞬間に飛び立ちました。50mほど飛んだ後、運良く低い位置に着地したので、今度はやや余裕を持って撮影。
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D71K-34VR、ISO=320、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:16時05分

 この後、ちょっとしたショックで再度飛び立ち、木蔭に消えてジ・エンド。♀が力強く♂を引っ張って飛ぶシーンが印象的でした。
 ところで、アゲハチョウ科の交尾シーンはウスバシロ・ギフを除き観察し難い対象だと思っております。今回のジャコウアゲハも恥ずかしながら初体験だったのです。管理人のこれまでのストック画像を見てもPapilio属は皆無。せめてナミアゲハは撮りたいものですが・・・。次なるチャンスはいつ訪れるのでしょうか?
by fanseab | 2015-06-29 23:03 | | Comments(2)

ムラサキシジミの産卵他(6月中旬)

 ミズイロオナガの産卵シーンを撮影した日はコナラやクヌギ幼木の周辺を飛び回るムラサキシジミの個体数も大変多く、産卵シーンも数多く目撃いたしました。これまであまり真面目に本種の産卵シーンを撮影していなかったので、少し拘ってみましたが、大した絵は得られません。

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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時20分

 コナラの新芽に産み付けた場面です。種類によらず、少し真面目に写してやろうと目論むと、案外上手く撮れないものですね。咄嗟に、あるいはついでに撮影した画像の方が良い絵が撮れたりするのが悩み所。
 お次は産み付けられた卵の拡大像。
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TG2@18mm、ISO=800、F14-1/100、+2.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時26分

 微小突起を結ぶ各稜がほぼ直交するのがこの卵の特徴。ルーペで見ればムラサキの卵であることは一目瞭然ですが、肉眼レベルでは他のゼフ卵と誤認することが多いものです。キリシマミドリの産卵状況確認のため、アカガシをチェックする際、あるいはハヤシミドリの同様な調査で、カシワをチェックする際、ムラサキだと判明してガッカリさせられることが多いものです。一方、高原のカシワを確認しながら、「こんな寒冷地にもムラサキがいるのだ」、と変に感心したりもします。

 さて、この日はヒカゲチョウ♀の産卵時期がピークを迎えていたようで、雑木林の下草付近を徘徊し、ネザサに産み付けていく母蝶の姿が沢山観察されました。
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D71K-34VR、ISO=200、F10-1/320、-0.7EV、撮影時刻:15時20分

 ヒカゲチョウの産卵場面は観察頻度が多く、撮影のチャンスも多いのですけど、低い位置に産むので、腹端を表現するのが大変困難な対象です。腹端を観察できるアングルまでカメラ目線を下げると、大概葉被り画像になってしまうのです。この場面もギリギリカメラ位置を下げての作例。今年は何とかLethe属の仲間、クロヒカゲの産卵シーン撮影にもトライしたいものです。
by fanseab | 2015-06-23 23:05 | | Comments(0)

ミズイロオナガシジミの産卵(6月中旬)

 前回記事通り、ウラナミアカの産卵シーンは叶いませんでしたが、この日、思わぬ出会いがありました。クヌギ・コナラの疎林で待機中、コナラの幼木上を旋回する白っぽいシジミが登場。すぐにミズイロオナガ、それも明らかに産卵行動中の♀であると確信いたしました。もちろん、ミズイロオナガの産卵シーン撮影も昨シーズン以来の課題。胸が急に高まります。幼木上をクルクル旋回した後は、先ず葉上に舞い降りて、暫く静止しております。クヌギ葉上で休む母蝶です。

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D71K-34VR、ISO=200、F10-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時37分

 数10秒ないしは1~2分間葉上に静止した後、枝先に移動し始めます。
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D71K-34VR、ISO=200、F10-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時39分

 この後、枝伝いに歩き、好みの場所を探索して行きます。
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D71K-34VR、ISO=200、F10-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時40分

 大きなお腹が見えていますね。好みの場所を探し当てると、ようやく産卵です。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時40分

 ただ、産卵ポーズを一旦取っても、直ぐに中止して更に場所移動する行動は他のシジミチョウ♀の産卵パターンと一緒です。ミズイロオナガ越冬卵探索経験のある方なら理解できると思いますが、枝落ちした窪みの脇とか、彼女達が好みそうな産卵部位はそれほど沢山ある訳ではありません。暫く枝を歩き回って望みの部位が無いとわかると、再度飛び立ち、別の株を物色して、結構なスピードで幼木周辺を巡回飛行します。もう少し緩やかな飛行を予想しておりましたので、これにはビックリです。次はコナラの細枝表面凹部に産み付けようとするシーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時52分

 最初に母蝶を確認してから凡そ15分程産卵行動を行い、残念ながらその後、母蝶の姿を見失ってしまいました。母蝶が消え去った後で、カメラのモニター頼りに産まれた筈の卵を探索しますが、サッパリ発見できません。産卵シーン撮影ではよく経験することですけど、産卵シーン撮影に重点を置くと卵の位置確認が疎かになるパターンです。ミズイロオナガの越冬卵は撮影済ですが、「産みたて」の綺麗な卵を撮りたいのが人情。母蝶が訪問した6株を順番に検査し、最後に母蝶を確認したクヌギの幼木で、ようやく卵を発見。
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TG2@6.9mm、ISO=400、F8-1/40、+2.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時21分

 ただ、拡大像からも明らかなように、淡褐色に汚れた状態。ひょっとすると昨年産卵された未受精卵の可能性も否定できません。そこで更に調べてみると、何と同じ枝先から2卵を発見。こちらは色が真っ白で、産卵後、間もないことがわかりました。
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TG2@5.5mm、ISO=400、F8-1/40、+2.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時21分

 先ほど管理人が観察した母蝶が産んだか否かは定かではありませんが、とにかく新鮮な卵を発見できてホッといたしました。例によって、2卵の一つを超拡大撮影。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段4コマ/下段6コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/250、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影時刻:20時57分

 ユニークな金平糖形状はいつ見ても面白いですね。長径0.96mm、短径0.80mm。高さ0.37mm。同じミズイロオナガでも褐色に汚れた卵に比べ、新鮮な卵は凄く大きく感じられるものです。
 ウラナミアカシジミの産卵シーン目的で延べ2日間、クヌギ・コナラの疎林に待機・探索してみました。本年5月末からの雑木林観察では、ウラナミアカやアカの個体数が多く、逆にミズイロオナガは全く観察できておりませんでした。それが何と、今年最初に出会ったミズイロオナガ個体が産卵行動中の♀だったのは大変ラッキーでした。やはりフィールドで諦めずに粘れば、何かしらの成果が出るものだと痛感いたしました。
by fanseab | 2015-06-19 22:55 | | Comments(6)

Japonica属越冬卵(6月中旬)

 前週に引き続き川崎市内の里山公園を訪問。正午過ぎからウラナミアカシジミ産卵シーン撮影を目的にクヌギ・コナラの幼木植林地を探索しました。結局、この日目撃したJaponica属はたった1頭。遠目から目的種のウラナミアカかアカかは認識できませんでした。この1週間で対象種の個体数が激減したことを実感。産卵シーンが無理なら産卵されて間もない越冬卵でも探してみようと、無駄骨覚悟で小枝や休眠芽をチェック。やっとのことでクヌギ細枝上に産卵された1卵を発見。その状況です。

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TG2@5.5mm、ISO=400、F6.3-1/30、+1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時03分

 ルーペで表面を観察し、Japonica属の卵であることを確信いたしました。先ずはコンデジ顕微鏡モードで超拡大像を撮影。
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TG2@18mm、ISO=400、F14-1/100、+1.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時02分

 ご覧のように有難いことに母蝶の卵表面隠蔽工作が殆どされておりません。数年前からゼフ越冬卵探索を見よう見まねでトライしてきましたが、同属越冬卵は全く発見できなかったのです。もちろん、樹皮の微毛で隠蔽工作されていて発見し難いことが原因の一つ。ですので、今回のように殆ど剥きだし状態での卵に遭遇したのは極めてラッキーでした。産卵後、周囲に微毛が不足していたのか、それとも産卵直後に蜂などの外敵に襲われて隠蔽工作ができなかったのか、詳細は不明ですが、お蔭様で表面構造を詳細に把握できるチャンスが訪れました。↑のコンデジ画像でも十分表面微構造は把握できますが、自宅に持ち帰り、マイクロフォーサーズでの超拡大撮影にトライ。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段4コマ/下段5コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/250、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影時刻:20時36分

 直径は0.85mm。高さ0.42mm。ゼフの越冬卵は概ね、ウニの棘のような突起が存在するものですけど、この卵表面はほぼツルツル。まるでゴルフボールのようなディンプル(凹み)が散布されているだけです。そのディンプル直径も精孔周辺では小さく、周辺で増大する傾向が見て取れます。樹皮と卵の境界には濃褐色の接着物質がはっきり確認されます。これがウラナミアカ越冬卵なのか、それともアカなのか、管理人には知見がないので、ここではJaponica属卵として扱います。例によって、来春、飼育に供して判定を下す予定です。ゼフ研究界の権威・小岩屋敏氏の名著、「世界のゼフィルス大図鑑」を参照しても、両種卵形状の詳細な識別点については議論されておりません。寸法については、

ウラナミアカ:『日本産の卵の直径は0.82-84mm。高さは0.37mm程度。』
アカ:    『(同上)0.91-95mm。高さは0.43mm程度。』

の記述があり、平均寸法はアカが一回り大きいようです。確かブログ仲間の何方かが、「精孔部の凹み具合でアカ/ウラナミアカの識別判定可能」と述べられていたことも記憶しておりますが・・・・。さて、管理人採卵品はどちらでしょうか? 
by fanseab | 2015-06-16 22:19 | | Comments(0)

飼育失敗メモ(2015年前半戦)

 今年も春先から数種類の飼育にチャレンジしました。記事にしていない成功例がある一方、当然失敗例もあります。今後の反省も含めて前半戦の失敗例をまとめておきましょう。
 先ずは昨年秋に飼育を完了(外部リンクし、蛹越冬させたヒメクロホウジャク。半木蔭で越冬させましたが、結局羽化に至らず朽ちてしまいました。どうやら保管環境の湿度過多が原因と推察。蛹越冬種の越冬管理の難しさを実感いたしました。素直に冷蔵庫保管にするべきだったかも。
 次はジョウザンミドリシジミ。長野県でウラミスジの採卵日と同じ日に採卵(外部リンクした分です。ウラミスジと全く同じ方法で越冬管理を実施し、3月24日には精孔部が開孔。

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TG2@18mm、ISO=400、F14-1/100、+2.0EV、内蔵ストロボ、撮影月日:3月24日

 翌25日に孵化。クヌギの新芽を餌に与え、初齢幼虫はすぐに新芽に潜り込みました。30日にクヌギ花穂へ餌を交換。花穂にもすぐに潜り込み、糞のみ見える状態が続きました。
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D71K-1855改@55mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:3月31日

 4月に入り、ようやく姿を撮影することができました。
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D71K-1855改@55mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月1日

 体長は2mm。頭部をクヌギ花穂に突っ込んだ状態。これまで飼育経験のあるFavonius属(クロミドリ・ハヤシ)同様、淡褐色で特徴のない姿です。しかし、この後悲劇が・・・。餌交換をした際、どうやら古い餌と一緒に幼虫を廃棄してしまったようです。幼虫の体色はクヌギ花穂に酷似しているとは言え、不注意が招いた大失敗でした。この失敗談を経験豊富な蝶友M氏に打ち明けたところ、彼氏も同様な経験から対策案として、使用済餌を一旦、「使用済餌保管ケース」にストックしておき、誤廃棄を防止しているのだそうです。なるほど・・・と思いました。失敗の背景として、ジョウザンは採卵が楽そうだし、いつでも飼育できる等々と安易な気持ちがあったことは否定できません。再度リベンジが必要です。

 最後はウラクロシジミ。ギフチョウ観察の際、お持ち帰りしたもの(外部リンク。 このシジミ飼育上の最大の難関はホストの確保。マンサクをどう調達しようかと思案しておりましたが、前出M氏が「クヌギの花穂が代用食になる。但し羽化個体は小さい」とのご宣託を得ておりました。別に立派な標本個体を作出するのが目的ではないので、ウラミスジ/ジョウザン用に大量に確保したクヌギ花穂があれば大丈夫と大船に乗った気分で孵化を待ちました。4月17日に精孔部が開孔し、翌18日に孵化。
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TG2@18mm、ISO=400、F14-1/100、+2.0EV、内蔵ストロボ、撮影月日:3月24日

 矢印が孵化直後の初齢幼虫です。予定通り、クヌギ花穂を投入。一日様子を観察しましたが、何と全く食いつく気配がありません。流石に焦って、近所の某所より食いつかないのを覚悟でシナマンサクの新芽を調達・投入。すると何とかこれに潜入して数日後、糞を確認できて一安心。
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D71K-1855改@18mm(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月21日

 次に孵化後3日経過した初齢幼虫の姿です。
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D71K-1855改@55mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月21日

 体長は約2mm。淡緑色でシナマンサクの新芽によく溶け込む配色です。ところがシナマンサクの新芽を交換したところ、今度は全く食いつきません。慌てて通販で在来種のマンサクを発注しましたが、運悪く在庫の関係で到着が遅れ、マンサクが拙宅に届いた時には既に★様になっておりました。「シナマンサクは食わない」説はやはり本当だったのです。クヌギ花穂についても、恐らく普通に食べる個体群と拒否する個体群がいるのかもしれませんね。これもリベンジ対象。現在、拙宅庭に植えたマンサクは順調に生育しておりますので、少なくともホストの心配はいりません。卵探しに尽力するだけですが、さて、どうなりますやら・・・。
by fanseab | 2015-06-14 21:56 | | Comments(0)

ミドリシジミの産卵・飛翔など(6月上旬)

 ウラナミアカシジミの産卵シーン撮影目的に川崎市内の里山公園に出向きました。「産卵時間帯は午後」と目鼻を付けて、ノンビリと出動。クヌギの幼木が多数ある斜面がポイントと睨んで張り込みますが、ウラナミアカは木蔭や下草でお休み状態。

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GX7-Z12、ISO=400、F9-1/200、外部ストロボ、撮影時刻:14時30分

 結局、12時過ぎから18時までウロチョロしたものの、空振りに終わりました。昨年に引き続き空しく敗退。いつ産卵のトリガーがかかるのか?兆しが見えないと辛いものがあります。
 この日は丁度ミドリシジミ発生のピークでしたので、♀の挙動にも注目。ミドリシジミの産卵シーンは一昨年に初めて撮影(外部リンクしておりますので、今回は少し余裕があります。
 前回同様14時過ぎ頃からポツポツ♀がハンノキの幹を訪れ、頭部を下にして、伝い歩きで上から下へ降下しながら、産卵をしていきます。必ず上から下であって、逆はありません。一方、夏眠明けのメスグロヒョウモンは必ず幹の下から上へ飛びながら産卵して行き、逆は有りえません。種間毎に習性が異なるのは面白いですね。光線状態も良かったので、粘った末、「縁毛ブルー幻光産卵シーン」を撮影できました。
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D71K-34VR、ISO=400、F10-1/400、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時26分

 シジミチョウ産卵シーンで「縁毛幻光」まで捉えたのは初体験。これは嬉しい画像になりました。この日の♀は腹を曲げるそぶりも少なく、本当に「産卵シーン」と言い切れる画像を撮った自信がありませんでしたが、次は確実に産卵シーンと言えるものでした。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F10-1/250、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時47分37秒(左下囲みは同42秒)

 左下囲み矢印先に産卵直後の卵(緑色)が確認できます。この母蝶は腹端を曲げてから凡そ10秒要してようやく1卵を産み付けておりました。産卵時間帯は14~15時半頃が中心ですが、♂の乱舞がスタートする頃に産卵している個体もおりました。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/125、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:16時55分

 管理人が観察した中では一番遅い事例でしょう。母蝶の左側(矢印)に既に産み付けられた卵が確認できます。卵の拡大像もコンデジで撮影。
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TG2@18mm、ISO=400、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時04分

 卵塊の最大数は3。未だ少な目で、もう少し後に更に産み足されていくのでしょう。
さて、♂のテリ張りは通常梢の高い位置で撮影に苦労しますが、この日は目線以下の低い場所でテリ張りする個体も多く、助かりました。しかし、個体数も多いので、折角翅を開いても、ちょっかいを出されてすぐに追尾発進するのも厄介な問題。最初はストロボ使用で。
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D71K-34VR、ISO=640、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時07分

 続いて同じ個体をノンストロボで。
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D71K-34VR、ISO=640、F11-1/250、-1.0EV、撮影時刻:17時07分

 やはりストロボの有無で干渉色の出方や雰囲気が相当異なります。次はストロボ未使用で別のアングルから。
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D71K-34VR、ISO=640、F11-1/125、-0.3EV、撮影時刻:17時11分

 翅の輝きもブルー、背景もブルーに染まったので結構面白い絵に仕上がりました。♂テリ張りに注力した日は卍飛翔する♂が多数おりましたが、生憎その日は広角飛翔システムの持ち合わせが無く、日を改めて卍狙いで現地を訪問。しかし皮肉なもので、卍狙いで行くと今度は気温・照度の関係か、卍が殆ど成立せず、地表近くで卍を捉えるチャンスがありません。それでも何とか頑張って撮ったのがこれ。
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D71K-20(ノートリ)、ISO=640、F9-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時33分

 ノートリでいい塩梅の構図に収まったものの、明らかなピンボケ。最近古典的広角飛翔を真面目に撮影していないツケが一気に出たような(^^; ようやくジャスピンのコマが得られたと思ったら・・・。
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D71K-20(トリミング)、ISO=640、F9-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時55分

 今度は上の個体がボロボロで見栄えがしません。トホホ・・・でした。卍のチャンスが少ないのでハンノキの梢を探♀飛翔する♂に狙いを変えて撮影。こちらは飛翔速度がかなり低下するため置きピン位置に捕捉しやすく、歩留りは結構良かったです。
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D71K-20(ノートリ)、ISO=640、F9-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:18時04分
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D71K-20(ノートリ)、ISO=640、F9-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:18時05分

 ウラナミアカ産卵シーン撮影は次なる宿題になったものの、ミドリシジミの輝きを十分に楽しむことができました。なお撮影当日は多数のカメラマンの方が終結しており、特に撮影仲間のIさん、theclaさんとは楽しい蝶談義をさせて頂きました。またどこかでお会いしましょう。
by fanseab | 2015-06-10 23:15 | | Comments(6)

朽ち果てたテングチョウの蛹(5月下旬)

 先月下旬、コジャノメ産卵行動探索の際、林道のエノキを見上げると夥しい数のテングチョウの蛹が葉裏にぶら下がっておりました。しかも、殆ど全ての蛹は寄生されて変色しています。

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D71K-34VR、ISO=400、F9-1/200、外部ストロボ、撮影時刻:14時30分

 この画面上で、少なくとも11頭の蛹が確認できますが、緑色を保持しているのは、僅かに2頭。それも本当に寄生されていないかは不明です。第1化で発生するべき蛹の数は膨大なので、エノキの葉裏だけではスペースが不足するためか、周辺の灌木にも蛹が鈴なり状態。これはネザサに付いていた寄生蛹群。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/125、外部ストロボ、撮影時刻:14時33分

 ↑のネザサの画像中央には偶然寄生蜂の姿が写し込まれておりました。テングチョウ大発生のニュースが届いてからもう、2年になるでしょうか?今回の第1化蛹の数を見る限り、未だに発生数が異常に多いことが伺えます。実は拙宅庭のエノキには現在2頭のテング終齢幼虫(恐らく2化世代)が付いておりますし、多摩川縁では先日複数頭の第1化♂がテリ張りバトルをしている光景が観察されました。この近辺でかれこれ30年近く観察経験がありますが、これほど当たり前にテングを観察できるのはやはり異常事態と言えましょう。テングの数が膨大に増加すれば当然、これを狙って寄生蜂(蠅)の個体数が増加するのでしょう。一方で寄生蜂個体数が増加し過ぎれば、今度は宿主のテング個体数が不足するため寄生蜂個体数も漸減する・・・・。こうしたプロセスを経て2~3年後には両者適正な個体数で安定収束するのでしょうね。
 テング蛹を狙っているのは、何も寄生種だけとは限りません。イチモンジチョウが一箇所を周回飛行しているので、継続観察していると、開閉翅しながら、ストローを伸ばし始めました。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時43分

 木蔭で見難いのですが、どうやらイチモンジが吸蜜していたのは、テング蛹の「腐敗した死体」。餌になるものなら、情け容赦なく利用するのが自然界の掟。テングの異常増加は動物性蛋白質好みのタテハチョウにとっても有難いことなのでしょう。更にテングの朽ち果てた蛹を見ていくと、こんな光景が。
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D71K-34VR、ISO=500、F11-1/320、外部ストロボ、撮影時刻:14時08分

 新鮮なテングが朽ち果てた蛹死体から吸汁しているような・・・。イチモンジチョウのような別種ならともかく、仲間の屍から吸汁するとは、何とも不届者なのだろうと思って観察すると、どうもテングの様子がおかしいのです。ストローも出していないし、ピクリとも動きません。この画像の反対側に回ってようやく理由が分かりました。実はこのテング、左後翅が羽化不全状態で蛹から抜け出せず、そのままミイラ状態になってしまった死体でした。寄生種の襲撃から何とか逃れても、羽化の瞬間に失敗すれば空を飛べない・・・。悲しいかなこれが蝶の性(さが)。テング大発生の裏には様々なドラマが隠されております。
by fanseab | 2015-06-08 22:55 | | Comments(2)

ヤブサメ(5月下旬)

 久しぶりに野鳥の話題。先月末コジャノメ♀の姿を追跡していた場所で、「ツィツィツィツィ・・・」と甲高く聴き慣れない囀りが聞こえてきました。暗い草叢に目をやると、ゴソゴソ小さな鳥が地面近くを歩き回っています。殆どが葉被り状態になってしまい、大苦戦。それでも葉陰からちょっと顔を覗かせた瞬間を狙って、何とか3枚をゲット。ネットで調べてみると、ヤブサメのようです(誤りであれば教えて下さい)。普段、野鳥撮影時にはストロボ封印モードにしておりますが、流石に暗くて使用しました。

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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時23分
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時23分

 この子、スズメ目ウグイス科のようで、尾の短い点を除けば、確かにウグイスそっくりですね。散々歩き回って、ようやく獲物をゲット。ご満悦の表情です。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時27分

 嘴に咥えているのは、ザトウムシでしょうか。どうやら比較的暗い環境がお好みの野鳥のようで、コジャノメ第2化探索の際、再度出会うことがあるかもしれませんね。尾が短いサッパリした姿は可憐そのもの。初見で直ぐにお気に入りの野鳥になりました。
by fanseab | 2015-06-05 23:08 | 野鳥 | Comments(4)

ウラミスジシジミの飼育メモ

 昨年9月、長野県でキマダラモドキ産卵シーンを求めて彷徨っていた際、ミズナラの休眠芽よりウラミスジの越冬卵を見出しました(外部リンク)
 採卵後、ストッキングに包んで先ずは拙宅屋外で保管、11月になってから冷蔵庫保管に切り替えました。本年3月18日に冷蔵庫から取り出し室温環境へ。22日に1卵の精孔部に孔が開き、翌23日に孵化いたしました。もう1卵も25日に孵化。共にクヌギの新芽を与えました。最初は1卵孵化した状態の画像。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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TG2@18mm、ISO=400、F14-1/100、+2.0EV、内蔵ストロボ、撮影月日:3月24日

 次に初齢幼虫。クヌギ新芽に潜入中は撮影を回避し、クヌギの花穂へ餌を替えてからの撮影です。以降、終齢までクヌギの花穂で飼育を続けました。
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D71K-1855改@55mm(トリミング+上段3コマ/下段4コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:3月31日

 Favoniusの初齢幼虫は種類によらず淡褐色のモノトーンであまり特徴の無い風貌ですが、ウラミスジは初齢の段階から既に赤褐色と淡緑色のツートーンカラーを呈しております。体長は約3mm。1頭(個体#1)は4/1、もう1頭(同#2)は4/3に2齢になりました。2齢6日目の#1の画像です。
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D71K-1855改@55mm(トリミング+上段4コマ/下段3コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月7日

 体長は5mm。体毛が増え、ツートーンカラーのデザインもより明瞭になりました。4/12に2頭共に3齢へ。但し、#2は3齢直後から摂食不良となり、そのまま死亡してしまいました。以下全て個体#1で撮影。
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D71K-1855改@上段35mm/下段42mm(トリミング+上段4コマ/下段5コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月14日

 体長6.5mm。頭部から第1-2腹節までの背面の濃褐色模様、さらには第8腹節が外側にデルタ翼のように開く独特なスタイルに変身しました。このデザインはほぼ終齢(4齢)幼虫の姿を予感させるものです。17日に眠、19日に終齢になりました。
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D71K-1855改@18mm(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月21日

 体長16mm。地色は鮮やかな緑色になり、褐色部との境界線上の白色縁取りが明瞭になります。何度見ても、綺麗な幼虫だと思います。終齢末期にクヌギ等のホストの樹肌を削り取って蛹化する習性が知られているので、終齢途中からクヌギの樹肌を飼育ケースに入れておきました。
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D71K-85VR、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月25日

 すると、予測通り、樹皮の隙間に潜り込んで前蛹準備段階となりました。
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D71K-85VR(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月25日

 鮮やかな緑色部分はやや緑色を帯びた濃褐色に変色しております。この後、場所替えをして前蛹になりました。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月27日

 体長12mm。クヌギ樹肌の凹凸が激しいため、側面の全貌は撮影できません。最終的な蛹化場所を決定した段階で老熟幼虫は体が凹みにピッタリ嵌るようにクヌギの樹肌を食します。↑の画像では頭部の左側に食べて削った跡が見られます。その際出した糞がこれ。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月27日

 クヌギ花穂を食べていた時とは明らかに糞の色合いが異なります。4/29に無事蛹化。
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D71K-85VR(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月29日

 体長は11mm。蛹化直後に終齢幼虫の色調が残っているのは他のゼフと同様。数日後、蛹本来の色合いに変化しました。
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D71K-85VR(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月2日

 そして5月18日に翅が黒化、翌19日に無事♂が羽化しました。先ずは室内でスタジオ撮影。
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D71K-85VR、ISO=320、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月19日

 結構おとなしくしているようなので、屋外へ連れ出して再撮影。
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D71K-85VR、ISO=320、F7.1-1/320、撮影月日:5月19日

 LEDランプ照射でも開いてくれないので、飛び立たせて、翅表を撮りました。
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GX7-Z12(トリミング)、ISO=400、F4.5-1/3200、撮影月日:5月19日

 飛翔中にチラチラと独特なブルーが見える姿もいいもんです。ウラミスジは成功裏に終わりましたが、同時進行していたジョウザン、ウラクロは飼育に失敗しております。その辺の顛末は別途記事にでもしてみましょう。
by fanseab | 2015-06-03 23:53 | | Comments(2)