探蝶逍遥記

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コツバメと戯れる(3月下旬)

 先日テングチョウを観察した谷戸を再訪問。林道を歩いていると今シーズン初見のベニシジミが飛び出しました。その子を追いかけていると別の黒い蝶がちょっかいを出して止まりました。ひょっとすると・・・と思って確認すると、やはりコツバメでした。

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D71K-34VR 、ISO=200、F11-1/500、-0.7EV、撮影時刻:10時16分

 この日は比較的低い位置でテリ張りする傾向があり、ここは魚露目で狙ってみました。
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TG2@18mm-gy8、ISO=100、F18-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時33分
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TG2@18mm-gy8、ISO=400、F18-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時46分

 3枚目は魚露目らしい仕上がりで満足しております。暗赤色のモフモフ感はこの子独特。コツバメ複眼の周囲は白く彩られていて、「小燕」ではなく「小目白」なんですね~。コツバメと言えば「縁毛ブルー幻光」が目玉ですけど、昨年は個体数が少なく撮影できず、久しぶりのチャレンジとなりました。
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GX7-Z60 、ISO=400、F5.6-1/250、-1.0EV、撮影時刻:10時04分

 結構アングルを粘ってみたものの、前翅まで光らせることには失敗。この子の縁毛の状態は完璧だっただけに残念でした。午後に入って白梅の周りで活動している個体も発見。欲張りにも白梅をコラボさせたブルー縁毛幻光を狙ってみました。
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D71K-34VR、ISO=500、F11-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時35分

 こちらの角度は申し分ないものの、縁毛が若干擦れていて光り方がイマイチ。なかなか思うような作画ができませんね。
 今年は昨年よりは個体数が多そうなので、飛翔を狙ってみました。コツバメの飛翔は殆どトライしたことがありませんが、最近、ダンダラさんが素晴らしい飛翔画像を撮影されているのに刺激を受けての挑戦。先ずはマイクロフォーサーズの高速連射で。
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GX7-10.5(トリミング)、ISO=1000、F11相当-1/4000、撮影時刻:9時46分

 枯葉からの飛び立ちの瞬間です。前翅先端の「しなり」は電子シャッターに由来する歪みでしょうね。ある程度感触が得られたのでデジ一広角飛翔にもトライ。
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D71K-20、ISO=640、F9-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:9時43分
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D71K-20(トリミング)、ISO=640、F9-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:9時46分

 一枚目は奇跡的にノートリで収まった画像。若干前ピンです。二枚目はジャスピンですが、毎度お馴染みの「ジャスピン画像画面端の法則」が適用されて苦しい仕上がり。いずれにせよ、無理と思われたデジ一で想定外の絵が撮れたので満足しております。恐らくカメラから逃げるのではなく、一度カメラに接近するような挙動をしていたお蔭で、置きピン位置にコツバメを捕捉する確率が高かったためと推測しております。こうやって、マイクロフォーサーズとAPS一眼で撮り比べてみると、センサーサイズの小さいマイクロフォーサーズ機での画像粒状性が粗いことが一目瞭然です。APSサイズで60コマ/秒の高速連射機の開発はそれほど難しいようには思えません。NIKONさん、フルサイズ一眼への開発投資を削って、管理人の期待するカメラを出してもらえませんかね~。
 さて、少し背景を華やかにする目的で、白梅周辺で活動しているコツバメを高速連射で狙ってみました。
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GX7-10.5(トリミング)、ISO=640、F8相当-1/4000、撮影時刻:13時35分

 コツバメの飛ぶ季節感を描写する、ほぼ狙い通りの絵が撮れました。ただ60コマ/秒で撮影してもコツバメの飛翔力は素晴らしく、一コマで飛ぶ距離の長いこと! 意外と良いコマが撮れなかったのが実感です。
 この日、撮影できなかった吸蜜、そしてできれば産卵も狙いたいのですが、チャンスがあるかなぁ~?
by fanseab | 2015-03-30 23:05 | | Comments(10)

モンキチョウの飛翔(3月中旬)

 21日(土曜日)は日本鱗翅学会関東支部主催の「春のつどい」に出席。知人の発表含め盛り沢山の内容で楽しめました。「中央アジアのパルナシウスと生息環境」は異国の地、それも管理人が絶対に足を踏み込めないであろう荒涼とした生息環境画像に圧倒されました。ガレ場で転落すると命を落としても不思議でない難所で、長竿を振り回す奮戦記を聞くと、本当に体力勝負が必要な世界だなぁ~と痛感しました。蝶屋には、一旦足を踏み入れると決して抜け出せない「沼」が沢山待ち構えています。パルもそうした深淵な沼の一つでしょう。この日は入ってはいけない怖い沼を遠巻きに覗いたような体験ができました。
 さて、先週は中央アジア山岳地帯とは真逆の、穏やかな多摩川縁でモンキチョウと格闘しておりました。この時期恒例の飛翔撮影トレーニングです。ここ2年程、飛翔はそれほど真面目に撮っておりませんが、いざという時に備えて置きピン感覚を取り戻すのが狙い。


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D71K-20(トリミング) 、ISO=400、F9-1/4000、-1.0EV:撮影条件は以下共通、撮影時刻:11時48分
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撮影時刻:11時55分
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撮影時刻:11時55分
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撮影時刻:11時55分
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撮影時刻:11時57分

 置きピンは少し長めの35cmに設定。それでも想定より蝶が遠目に去り、前ピン画像が続出してしまいます。まぁ、春先はこんなもんでしょうね。点景として多摩川沿線道路を走るトラック、堤防上遊歩道を歩く人物を入れる試みは成功しましたが、サイクリストは意外と少なく背景に写らず、ちょっとガッカリでした。
正直に告白すると、今回のような蝶を追いかけ回す広角飛翔撮影法も、体力的に年々厳しくなってきました。そのうち高速連射可能なマイクロフォーサーズ機での撮影法に切り替える日も覚悟せねばなりませんが、今しばらくは正統派飛翔撮影法でトライしていきたいものです。
by fanseab | 2015-03-23 23:03 | | Comments(6)

今年の初撮りはテングチョウ

 この冬は左目手術や歯の治療に専念したため、カメラに全く触れることなく過ごしてきました。ただ既にご紹介してきた通り、昨年の台湾遠征画像ストックのお蔭でブログネタに苦慮することがなかったのは幸いでした。さて、今シーズンのスタートは比較的近場の谷戸を訪れてみました。3月中旬だと未だ梅が咲いておらず、野鳥の囀りだけが、谷戸に響き渡っている状況。暫く蝶の姿はなく、9時過ぎになって、ようやく越冬明けテングチョウが姿を現しました。そこで、今日はこの子と遊ぶ、もとい、遊ばれることに・・・。
 蝶への接近感覚・アングル設定など、シーズン最初の体慣らし・カメラワークリハビリにテングは最適な蝶。最初は斜め横からパチリ。

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D71K-34VR 、ISO=200、F5.6-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:9時16分

 後翅肛角部周辺の褪色はあるものの、欠けもなく越冬個体としては比較的綺麗な部類でしょう。昨年のテングチョウ大発生の影響か、林道を歩くと、5m置きに1頭が飛び出すほどで、例年以上に越冬個体も多い感じです。そこで、表翅斑紋の個体変異がどれほどあるか、6個体を比較してみました。
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D71K-34VR(トリミング) 、ISO=100、F10-1/500、-1.0EV、撮影時刻:9時16分~10時29分

 時間の経過と共に気温が上昇し、開翅角度も徐々に狭まるので、比較画像採取も結構苦労いたしました。橙色班の面積や、翅形から全て♂だろうと思います。こうして見ると、橙色・白色班の変異幅はそれほど極端にあるものではありません。前翅1b室の微小橙色班(矢印)は僅かに出る個体と完全に消失している個体に分かれます。それより越冬個体故、翅の欠け具合・褪色の程度には相当な差異がありますね。各個体の越冬していた環境や外敵に襲われた経緯等で、翅の状態は大きく変わるのでしょう。
 マクロ撮影が一通り終了した後は、魚露目を装着したコンデジでどれだけ蝶に接近できるか?広角接写の感覚を取り戻すトレーニングです。
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TG2@18mm-gy8 、ISO=400、F18-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時51分
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TG2@18mm-gy8 、ISO=400、F18-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時53分
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TG2@18mm-gy8 、ISO=400、F18-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時56分

 一枚目のように、翅を閉じるとテングは枯葉に紛れてその存在が隠れてしまいますね。明るい陽射しの下、順光で撮影する状況だと液晶モニターが見難く、縦位置画像では蝶の配置が少し下に偏り過ぎてしまいました。TG2もバリアングルモニターがあれば使い勝手が一気に増すのですけれどね。それはともかく、魚露目レンズが触れる程度まで接近を許してくれたこの子に感謝です。
 暖かい春の陽射しで、テングチョウも嬉しそうに日光浴をしておりました。次は何を撮ろうか・・・? いつもながらの楽しいシーズンがやって参りました!!
by fanseab | 2015-03-16 23:13 | | Comments(2)

本体HPの更新(サイト開設10周年)

 久しぶりに本体HP:「東南アジアの蝶ファン倶楽部」の更新を最近実施しました。

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(1)台湾の蝶:5科16種を新規アップ、および画像追加更新。
    こちら(外部リンクから覗いて下さい。
(2)香港の蝶:5科17種を新規アップ、および画像差替え・追加更新。
    こちら(外部リンクから覗いて下さい。


 「香港の蝶」は拙ブログ遠征記で既にご紹介済の画像のみですが、「台湾の蝶」に於いては、ブログ未公開画像が一部含まれます。

 早いもので、明日3月15日をもちまして本体HPのサイトは開設10周年になります。最初の香港遠征を期に、恐る恐るサイトを作ったのが、つい昨日のように思い起こされます。3月14日時点で掲載種は308種(掲載予定種全360種)になっており、いつのまにか日本産蝶類全種を超える種類を撮影したことになります。ブログに比較するとページ作成に手間暇がかかるので、どうしても更新はシーズンオフ中に限られますが、管理人にとっては大切な写真アルバム(ブログは絵日記の位置づけ)です。これからもアルバムの中身を徐々に充実させていくつもりですので、お暇な方は時々遊びに来て頂ければと思います。
by fanseab | 2015-03-14 20:54 | Comments(4)

台湾宜蘭縣遠征記(18)エピローグ

 まだ多少遠征ネタはあるのですが、新生蝶が飛び出す時期になりましたので、本遠征記も今回をもって打ち止めといたします。
 最終日、6月1日は、レンタカー返却後、羅東バスステーションへ。

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TG2@4.5mm 、ISO=200、F2-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:11時32分(2014年6月1日)

 出発ターミナルは最近建築された綺麗な設備でした。因みに画面右上隅に「第11月臺(台)」の文字が見えます。中国語で「月台」はプラットフォームのことです。行きと同じ葛瑪蘭汽車客運のバスで台北へ。松山空港を定刻36分遅れの16時36分離陸。夕食にはキティちゃんがどんな形で登場するか、期待していると・・・・。
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TG2@4.5mm 、ISO=400、F2-1/125、撮影時刻:17時23分(6月1日)

 胡瓜のサラダに付いているカマボコとデザートのアイスクリームのみ。お味は行き同様グッドでしたよ。羽田には定刻遅れの20時34分に着陸。3回目の台湾遠征を無事終わることができました。

 最後に今回の遠征で撮影・目撃できた種名リストを下記します。学名で亜種未記載のものは名義タイプ亜種。黄色着色種は管理人の初撮影種。赤色着色種は目撃のみ。更にこのリストの学名脇に<>内に表記したのは、白水隆著、「原色台湾蝶類大図鑑」で記載されている学名を示します。この図鑑が刊行された1960年以降、特に中国本土内等における蝶相研究の進展により多くの種でタクサの見直しがなされました。そこで参考のため、新旧タクサを表記するものです。もちろん管理人の思い違いもあるかもしれません。誤記があれば、ご指摘願います。
<台湾・知本遠征観察・撮影種リスト>
【アゲハチョウ科】
(1)アサクラアゲハGraphium eurous asakurae)<Iphiclides eurous asakurae>
(2)アオスジアゲハ(G. sarpedon connectens
(3)ミカドアゲハ(G. doson postianus
(4)フトオアゲハAgehana maraho
(5)クロアゲハ(Papilio protenor)<P.protenor amaura>
(6)ナガサキアゲハ(P. memonon heronus
(7)ヤエヤマカラスアゲハP. bianor thrasymedes)<P.bianor takasago>
(8)ルリモンアゲハP. paris nakaharai
【シロチョウ科】
(1)タイワンモンシロチョウ(Pieris canidia)
(2)カワカミシロチョウ(Appias albina semperi)
(3)キチョウの一種(Eurema sp.)
【タテハチョウ科】
(1)コモンマダラ(Tirumula septentrionis)<T.hamata septentrionis>
(2)ツマムラサキマダラ(Euploea mulciber barsine)
(3)クロコノマチョウ(Melanitis phedima polishana)
(4)コウラナミジャノメ(Ypthima baldus zodina)
(5)ウラナミジャノメ(Y. multistriata)
(6)タカムクウラナミジャノメ(Y. perfecta akragas)
(7)ウラキマダラヒカゲ(Neope muirheadi nagasawae)
(8)コジャノメ(Mycalesis fransisca formosana)
(9)ワモンチョウ(Stichophthalma howqua formosana)
(10)ホソチョウ(Acraea issoria formosana)
(11)タイワンキマダラ(Cupha erymanthis)
(12)ルリタテハ(Kaniska canace)<K.canace drilon>
(13)タイワンキミスジ(Symbrethia formosana)<S.hippoclus formosana>
(14)リアエアキミスジ(S. liaea lunica)※白水図鑑には亜種lunicaの図示なし。
(15)イシガケチョウ(Crestis thyodamus formosana)
(16)スズキミスジ(Neptis soma tayalina)<N.yerburyi>
(17)ヤエヤマイチモンジ(Athyma selenophora laela)<Tacoraea selenophora laela>
(18)タイワンイチモンジ(A. cama zoroastes)<T.cama zoroastes>
(19)オスアカミスジ(Abrota ganga formosanus)
(20)テングチョウ(Libythea lepita formosana)<L.celtis formosana>
【シジミチョウ科】
(1)ウラギンシジミ(Curetis acuta formosana)
(2)キナツメアシフタオシジミ(Hypolycaena kina inari)<Chiaria kina inari>
(3)ヒメウラナミシジミ(Prosotas nora formosana)<Nacaduba nora formosana>
(4)ウスアオオナガウラナミシジミ(Catochrysops panoramus exiguus)
(5)ホリシャルリシジミ(Celastirina lavendularis himilcon)<C.limbata himilcon>
【セセリチョウ科】
(1)オオキコモンセセリ(Calaenorrhinus maculosus taiwanus)
(2)クロセセリ(Notocrypta curvifascia)
(3)タケアカセセリ幼虫(Telicota ohara formosana)

 以上、幼虫のみ確認した種も含めて合計39種。これまでの東南アジア遠征で種類数としては最低の成績でした。繰り返し記事の中で強調したように、晴れる時間帯が午前中の僅かな時間に限定されたので、仕方がないことではありました。それでも管理人初撮影種が12種あったのはせめてもの救いかな。台湾は南北に長く、かつ標高域も様々であるため蝶相は豊富です。次回の遠征先にどこを選択するか、嬉しい悩みが続きそうです。
 さて18回に渡り、ダラダラと書いて参りましたが、最後までお付き合い頂きまして有難うございました。次回遠征記もお楽しみに! <おしまい>
by fanseab | 2015-03-09 23:12 | | Comments(2)

台湾宜蘭縣遠征記(17)セセリチョウ科

 悪天候続きでセセリの方も芳しくない成績でした。何とか未撮影種に出会いたい・・・。そんな管理人の想いに応えてくれたのが、オオキコモンセセリ(Celanorrhinus maclosus taiwanus)。渓谷沿いでの収穫が無く、気分転換に急傾斜の山腹を登って行く途中、フラフラと脇道から飛び立ち、すぐに葉裏に隠れるセセリがおりました。ほぼ正面から捉えたショットです。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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GX7-Z60、ISO=800、F5.6-1/125、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時45分(5月30日)

 活動時間帯ではないのでしょう。脅かすと、グルグルと舞い、直ぐに葉裏にベタッと翅を全開して止まる、シロシタセセリ(Tagiades属)と全く同じ挙動を示します。
 液晶モニターのアングルを可変して少し下側から覗き込んでみました。
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GX7-Z60、ISO=800、F5.6-1/125、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時45分(5月30日)

 これでも未だ翅表の全貌は確認できません。バリアングルモニターではないので、縦位置だとどうも蝶を上手くモニター上に収められません(^^; 散々苦労してようやく表翅の真下から撮影することに成功。
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GX7-Z60、ISO=800、F5.6-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時47分(5月30日)

 台湾のCelanorrhinus属は全7種類が知られており、後翅表の「黄小紋」のサイズが一際大きいのが、本種とエサキキコモンセセリ(C.oscula major)。オオキコモンとエサキは地域と標高で棲み分けしているようです。いずれも落ち着いたデザインで好みのセセリですね。この子が登場した環境画像もアップしておきましょう。
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TG2@4.5mm、ISO=200、F2.8-1/160、撮影時刻:12時04分(5月30日)

 西側に開けた急傾斜地で画面中央左の草地の葉裏が隠れ家になっておりました。やや薄暗い環境ですが、これより暗い場所は嫌うようです。
 お次は日本でもお馴染みのクロセセリ(Notocrypta cruvifascia)。
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D7K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時40分(5月31日)

 雰囲気的に♀でしょう。花はショウガ科のゲットウだと思います。ゲットウだとするとこのセセリのホストから吸蜜していることになりますね。クロセセリはいつも大ぶりの花を好むような気がします。結果、吸蜜時のストローが花弁に隠れて「吸蜜している」雰囲気を出すのに苦労します。国内でも京都のポイントで良く訪花に来る芙蓉もそうですし、2011年に台東で撮影した個体も巨大なヒルガオ系花弁に首を突っ込むように吸蜜していて、「絵」にならなかったことを思いだしました。
 最後は幼虫画像。午後の降雨の中、林道を歩いていると、イネ科のSetaria palmifolia(台湾名:棕葉狗尾草)にセセリと思しき巣を発見。
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TG2@4.5mm、ISO=200、F2-1/320、-0.7EV、撮影時刻:15時13分(5月31日)

 巣を空けると、登場したのは体長30mmほどの幼虫。
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TG2@4.5mm(トリミング)、ISO=200、F2-1/320、-0.7EV、撮影時刻:15時13分(5月31日)

 頭部は一部に暗赤褐色の斑紋があるもののほぼ漆黒。尾端に黒褐色斑がないことを併せて考えるとタケアカセセリ(Telicota ohara formosana)の4齢幼虫と思われます。2011年の台東県遠征(外部リンクでも全く同じ食草の巣内から本種終齢幼虫と思しき個体を見出しております。
 丁度寄生蜂(矢印)が2匹幼虫にまとわりついておりました。その寄生蜂の拡大画像がこちら。
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TG2@18mm(トリミング)、ISO=800、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:15時23分(5月31日)

 タケアカセセリと思しき巣は沢山みつかりましたが、恐らく相当数は既に寄生されているのでしょう。
<次回へ続く>
by fanseab | 2015-03-05 21:05 | | Comments(8)

台湾宜蘭縣遠征記(16)台湾の国鳥・ヤマムスメ

 今回の遠征は雨続き。そうは言っても野鳥へレンズを向ける余裕も無く、鳥達も簡単には登場してくれません。そんな状況で、渓谷中に「ギャア~、ギャア~」と響き渡る程、喧しく鳴いている目立つ野鳥がおりました。台湾の国鳥とされているヤマムスメ(Urocissa caerulea)です。それなりに敏感で、接近戦にチャレンジできませんでした。なので大幅にトリミングしてのご紹介です。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F8-1/800、-1.0EV、撮影時刻:8時32分(5月31日)
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F5-1/800、-1.0EV、撮影時刻:8時32分(5月31日)

 この子はカラス科の仲間ですので、喧しいのは当然ですね。嘴の赤を真っ黒に塗り潰し、羽の色も黒に塗り直したらカラスそのものです。一見別嬪な佇まいですけど、鳴き声を一度聞いたら幻滅してしまう仕組みです。まぁ、そうした見た目との落差が親しみを込めて「山の娘さん」の呼び名が付けられた所以なのでしょう。
<次回へ続く>
by fanseab | 2015-03-02 23:29 | 野鳥 | Comments(4)