探蝶逍遥記

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台湾宜蘭縣遠征記(15)民宿生活を楽しむ

 蝶の話題はちょっと一休み。
 今回の遠征では初日を除き、民宿に連泊いたしました。台湾の民宿に泊まるのはこれが初体験。実は当初別のモーテルを予約したはずが、管理人の勘違いで予約できておらず、出発直前に慌てて民宿に予約を入れ直して何とか凌いだ顛末があります。結果的にはこの民宿を選んだのが大正解。
 台湾の「民宿」は日本のペンションに似ておりますが、基本はB&B(朝食付き素泊まり)。夕食が必要な場合は事前予約が必要なシステム。地方毎に民宿組合のような組織があり、このサイト(外部リンクにリンクされている各民宿個別のサイトに飛んで、部屋の雰囲気等を推定することができます。
 先ずは管理人が連泊した部屋。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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TG2@4.5mm、ISO=800、F2-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:17時19分(5月28日)

 ご覧の通り、管理人のようなおっさんには場違いな雰囲気。概ね新婚カップルが喜びそうなデザインの民宿が多く、事前に確認したサイト画像からある程度覚悟はしておりましたが、流石に初日は落ち着かず、寝付けませんでした(爆) それでも部屋の窓から眺める景色は最高です。
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TG2@9.6mm、ISO=100、F2.4-1/60、-0.7EV, 撮影時刻:5時26分(6月1日)

 長閑な里山風景が広がっております。今回はレンタカーですし、夕食は民宿から程近い食堂に移動して・・・と思っておりましたが、初日の夜はどうもお勧めの場所は全て休業状態の様子。困った管理人を見かねて、オーナーの奥さんが「じゃあ、夕食作ってあげる・・・」と豪華なもてなしを楽しむことができました。これがその全景。
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TG2@4.5mm、ISO=200、F2-1/50、-0.7EV, 撮影時刻:18時37分(5月28日)

 メニューを画像に付与した番号順にご説明いたしましょう。
#1:苦花魚(クーファーイー)なる川魚のグリル。古来、原住民の泰雅(タイヤル)族が好んで食した良質の蛋白源だったようで、川魚らしい臭みが全くない旨い魚でした。好みで#6の山椒入り塩を振りかけて食します。
#2:きゅうりの漬物。隠し味にどうやらニンニクを使用している模様。これだけでご飯が進みます。
#3:煮鶏。煮豚のような作り方かな。薄めの味付けのせいか、鶏の旨みがじわっと出る逸品。常備菜として重用されているようです。
#4:韮炒め:ニンニクの香りを効かしたシャキシャキ感タップリに一品。韮は大同郷の名産品のようで、奥さんがしきりと「美味しいでしょ!」と念を押しておりました。
#5:海苔と卵のスープ。
 いずれも美味で満足でした。ただ唯一欠点を挙げるとすると、硬い白米でしょうか。こればかりは仕方ありませんね。食後、
「あの~、夕食はいくらお支払いすればいいのですか?」と恐る恐る伺うと、
「いいわよ、サービス、サービス」とのことで、恐縮して「謝謝」を連発する管理人でした。
 さて、次は29日の朝食メニュー。
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TG2@4.5mm、ISO=400、F2-1/200、撮影時刻:7時05分(5月29日)

 包子(肉饅)、葱油餅(葱入りお好み焼き)、ゆで卵、果物の甘露煮(※)、
デザートとして紅肉李(小ぶりのプラム)、それに紅茶。
※未熟果パパイヤ(木瓜)とパッションフルーツ(百香果)の含め煮:ゴマ粒のように見える黒い粒はパッションフルーツの種。
 葱油餅も大同郷のお隣、三星郷の名物料理。油を吸っているせいか、大きさの割りに意外と腹持ちが良いものでした。翌30日の朝食は豪華版。
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TG2@4.5mm、ISO=800、F2.8-1/250、撮影時刻:7時06分(5月30日)

#1:葱入り卵焼き
#2:豚レバーの煮付け
#3:キャベツと人参の炒め物
#4:デザート用の瓜
#5:キュウリの漬物
#6:瓜入りのお粥
#7:昆布の煮付け

 台湾・香港で朝食に食べるお粥の旨さは最高です。#6の瓜入りお粥も初めて食しましたが、本当にお腹に優しい朝食用の逸品だと思います。#4のデザートを含め、瓜の種類が多様なことに驚かされました。この日の夕食もどうするか、悩みましたが、オーナーの旦那さんが弁当を買って来てくれるとのことで、ご好意に甘えました。さて、その弁当とは「鰻丼」! 
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TG2@4.5mm、ISO=200、F2-1/40、-0.3EV 撮影時刻:18時14分(5月30日)

 日本の鰻丼とは全く別物ですが、意外とこれが美味しかったのです。鰻を蒸さない関西風の焼き方。身の大きさから判断して、ひょっとして田鰻なのかもしれません。野趣タップリの旨みの詰まった味に感激。今回は流石に実費精算。何と80NT$(約270円)也。コストパフォーマンスも満点でした。
 宿泊最終日(31日)の夜は、幸運なことにオーナーご夫妻のご結婚29周年記念パーティにゲスト参加することに。会費は無料でしたよ! オーナー(右側)が懇意にされている友人ご夫妻(左)と先ずは記念写真。
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TG2@4.5mm、ISO=400、F2-1/40、-0.7EV, 内蔵ストロボ、撮影時刻:17時54分(5月31日)

 続いて食卓に並んだ豪華なパーティメニュー。
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TG2@4.5mm、ISO=400、F2-1/80、-0.7EV, 撮影時刻:17時56分(5月31日)

#1:ツナサラダ赤ピーマン添え(幸運を運ぶ船に見立てたもので、お祝い事の定番料理とのこと)
#2:三星郷の有名店(味珍香ト肉)からテイクアウトしてきた豚肉の天麩羅
#3:インゲン豆の炒め物
#4:瓜のサラダ
#5:白身魚の天麩羅
#6:瓜の漬物(#4とは瓜の種類が異なる)

 これ以外にワンタンと葱のスープ、オーナー直々に漬け込んだ果実酒が振舞われました。
「さぁ、どんどん食べなさい・・・」
と勧められたので、本当に満腹いたしました。こちらの北京語会話能力は貧弱なので、基本筆談で色々なテーマで歓談させて頂きました。オーナーの友人ご夫妻は数回の日本渡航経験があるようで、日本の名所旧跡に関して話しが弾みました。帰りしな、管理人には数冊の貴重な宣蘭縣紹介の書籍までお土産に頂いて恐縮しきりでした。
 今回の管理人滞在期間中、客人は管理人一人のみ。そんなこともあって、オーナーご夫妻とも大変親しくさせて頂き、貴重な体験をさせて頂きました。もちろん、「地球の歩き方」にも掲載されていない、とても辺鄙な土地柄故、管理人が恐らくこの民宿に泊まった最初の日本人だろうと思っておりました。そこで奥さんに質問してみると、
「いや、貴方で3人目よ!」
とのこと。いやはや日本人の行動半径は意外と広いものだと思い知らされました。
 因みに今回の宿泊料は約7200円/1泊朝食で、それほど安いものではありません。概ね避暑地や観光地の民宿も相場は似たようなものです。<次回へ続く>
by fanseab | 2015-02-24 23:15 | 旅行記 | Comments(10)

台湾宜蘭縣遠征記(14)シジミチョウ科

 最初は日本でもお馴染みのウラギンシジミ(Curetis acuta formosana)。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F8-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:8時51分(6月1日)

 日本産亜種paracutaとの有意差は少なくとも裏面にはないような・・・。撮影した日のみ目撃しただけでした。台湾特産種のタイワンウラギンシジミ(C.brunnea)にも一度出会ってみたいものです。
 お次はキナツメアシフタオシジミ(別名:フタオルリシジミHypolycaena kina inari)の♂。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F8-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時05分(5月29日)

 縁毛も完全に揃った羽化直品です。胡蝶蘭などを食う贅沢三昧?のシジミ。実はこの日も河原でフトオアゲハを狙って待機中、現地カメラマンと談笑している際、「こんな物も撮ったよ!」と液晶モニターで本種を見せてくれてビックリ!早速撮影ポイントを伺い、何とかゲットできました。この現地カメラマンに感謝です。Hypolycaena属に出会うのは本当に久しぶりで、調べてみたら7年前南ベトナムでamasa(外部リンク)を撮影した時以来でした。開翅も期待しておりましたが、突然樹冠方向に飛び去り、姿を見失ってしまいました。
 河原の吸水ポイントではGraphiumに混じって小さく蠅のように飛ぶヒメウラナミシジミ(Prosotas nora formosana)の姿を確認。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F7.1-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時34分(5月29日)

 最近、動体視力が殊更衰えたことを実感する管理人でありまして、暗灰色に彩られた渓谷の底辺を這うように飛ぶ黒っぽいヒメウラナミを追跡するに苦労しました。結局後ろ向きの酷いピンボケ証拠画像が一コマ残っただけ(^^;
 さて、河原では瑠璃色のシジミが多数吸水に来訪しているのも目撃できました。数種類は期待していたのですけど、帰国後の調査でいずれもホリシャルリシジミ(Celatstrina lavendularis himilcon)♂であることが判明。
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D71K-34、ISO=400、F10-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時06分(5月31日)

 本種は管理人にとって初物。スリランカ・タイ・インドシナ半島を経てニューギニアまで達する広域分布種です。八重山で迷蝶としての記録がありますが、タッパンルリ(Udara dilecta)が迷蝶としてやって来るのですから、この子が日本に来たとしても不思議ではないでしょう。河原で吸水する♂個体数は多いものの、殆どはスレており、綺麗な個体を探しての撮影。結構敏感なので、苦労いたしました。この子は吸水のみならず、仕掛けた海老トラップにもやって来ました。
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GX7-Z60、ISO=400、F3.5-1/200、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時38分(5月31日)

 UdaraCelastrina属は甲殻類の死骸が殊更お気に入りで、東南アジア遠征の先々で彼らが甲殻系トラップに吸引されている光景を目にします。なお、台湾には日本では普通種のルリシジミ(C. argiolus caphis)も棲んでおりますが、ホリシャに比較して遥かに珍品で、生息地が限定されております。どうやら宜蘭縣には生息していないようです。 <次回へ続く>
by fanseab | 2015-02-19 23:14 | | Comments(2)

台湾宜蘭縣遠征記(13)イチモンジチョウ亜科

 トップバッターはお馴染みのイシガケチョウ(Cyrestis thyodamas formosana)。
いつもこの子に対してはお座なりの撮影に終始してしまいます。今回もこの通り(^^;

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/800、-1.0EV、撮影時刻:7時56分(6月1日)

 個体数は少なかったように思います。お次はスズキミスジ(Neptis soma tayalina)♂。
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D71K-34、ISO=400、F10-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時45分(5月29日)
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時46分(5月29日)

 河原に吸水にやって来た個体。数は少ないものの、ほぼ毎日観察できたように思います。実は本種の同定にはいささか苦労させられました。台湾のNeptis属は全14種。このうち小型の5種が同定に難儀するグループ。更にこの5種は前翅中室白条の太さによって、2群に分離可能です。同中室白条は途中で中断されるため、丁度「筆」を思わせる形状になります。管理人は筆の太さ・「穂先」の太さに着目して下記の通り識別用の区分(※)をしております。

<太筆グループ>
・コミスジ(N.sappho formosana
・リュウキュウミスジ(N.hylas luclenta
・スズキミスジ(N. soma tayalina
<細筆グループ>
・タイワンミスジ(N. nata lutatia
・ミヤジマミスジ(N.reducta
※交尾器に着目した正式区分はsappho,hylashylas群、nata,soma,reductanata群に分類される。

 もちろん、各々個体変異があって、「筆の柄・穂先の太さ」にはバラツキがありますが、まぁ、ある程度の傾向があるので、この識別法は便利です。Neptisは概ね止まると直ぐに開翅するので、先ずは前翅中室白条に着目して撮影対象種か否かを区別することが必須なので、上記区分が有用となるのです。
 さて、今回は当初撮影個体をリュウキュウミスジかな、と思いましたが、帰国後詳細に検討してスズキミスジと判定いたしました。識別点をまとめた画像がこちら。
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 本画像を用いて、同定の難しい3種(コミスジ、リュウキュウ、スズキ)の識別点をまとめてみました。
(1)前翅裏面亜外縁部の白班:第4室(A2)と第5室(A1)の大小関係
コミスジ、リュウキュウ:A2<A1だがA2は顕著に出現
スズキ:A2<<A1で、時にA2は消失
(2)後翅中央白帯Bと外側白帯Cに挟まれた暗褐色部の巾F
3種共に後翅前縁部側で狭まる傾向にあるが、スズキが最も顕著に狭まる
(3)後翅亜外縁白条Dの位置(外側白帯Cとの距離)
リュウキュウ→コミスジ→スズキの順で外側白帯Cに接近する。
(4)後翅裏面外縁白条Eの性状
コミスジ・リュウキュウ:ほぼ連続した破線
スズキ:第3室後半~第4室前半にかけて一旦消失する傾向を示す

 もちろん、個体変異はありますので、(1)~(4)を総合的に勘案して同定の決めてとします。一番根拠にしやすいのは(3)の形質で、表翅にもDが出現しますので、開翅した状態でも先ず一発判定できそうです。上記形質差を判断する上でも裏面を撮影することが大変大事です。Neptisは吸水場面以外、裏面を撮影することが難しいのですけど、撮影後の同定作業に無駄な労力を費やすよりは、頑張って裏面撮影に努力を振り向けるべきだと思いました。
 次はミナミイチモンジ群(Athyma属)。代表種のヤエヤマイチモンジ(A.selenophora laela)♂。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時00分(5月31日)

 この日は正午過ぎに一旦雨が止み、到着翌日から目を付けていた「美味しそうな」林道を歩いてみました。途中の一角に本種が数頭群れている場所を発見。生憎再び雨足が強くなり、ビニール傘を差しての撮影となりました。本種と混飛していたのが、タイワンイチモンジ(A.cama zoroastes)♂。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時02分(5月31日)

 前翅端の橙色班が目印。「俺はヤエヤマとは違うよ!」と主張しているようですね。
Athymaとしては、ヒラヤマミスジ(A.opalina hirayamai)、ナカグロミスジ(A.asura baelia)、ララサンミスジ(A.fortuna kodahirai)などの未撮影種に期待したのですが、天候のせいなのかサッパリ出現してくれませんでした。
 サッパリと言えば、ちょっぴり期待したEuthalia(イナズマチョウ)の一群も全くの坊主。そんな中、嬉しかったのはオスアカミスジ(Abrota ganga formosana)♂と出会えたこと。5月30日、仕掛けたパイナップルトラップ付近に2頭のタイワンキマダラを発見。慎重に接近してファインダーを覗くと、どうも左側の個体がやけに大きくて翅形も異なることに気が付きました。そのうちこの個体が翅を開き、オスアカと判明。慌てて撮影を開始しました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時25分(5月30日)
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時34分(5月30日)

 翅を完全に開翅する場面を期待して待機するものの、2枚目の半開翅状態が精一杯でした。最後に魚露目で。
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TG2@18mm-gy8、ISO=800、F4.9-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時44分(5月30日)

 背景が魚露目で撮っても面白みのない場所だったのは残念至極。オスアカミスジは和名の通り、表翅は♂♀異形で♀はAthymaそっくりの風貌をしております。系統樹の何処に本種を位置づけるか?古来研究者を悩ましてきましたが、故五十嵐遭氏らが幼生期を解明し(幼虫がイナズマチョウ同様のゲジゲジムシ)、Euthalia群に位置づけたことは記憶に新しいところです(※)。いつか♀を撮影してみたいものです。本種は年1化で、管理人が訪問した5月下旬は発生の走りだったようで、♀撮影にはもう少し時期を遅らせた方が良いことを帰国後知りました。 <次回へ続く>

※五十嵐邁・張連浩(1994) 台湾産オスアカミスジの生活史とその分類学的位置.Butterflies(Teinopalpus)9:47-55.
by fanseab | 2015-02-16 23:11 | | Comments(0)

<第11回 チョウ類の保全を考える集い ご案内>

 2月15日まで、本記事をトップに配置します。最新記事は本記事の下にあります。
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 日本チョウ類保全協会が主催する首題イベント、「チョウ類の保全を考える集い」を、今年も下記の要領で開催しますので、ご案内いたします。
 どなたでも参加できますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。

 2015年2月14~15日 国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都代々木)
            開催場所詳細はこちら(外部リンク)
2/14(土)  会場:研修室311(センター棟3階)

 13:30~    チョウ類の保全を考える集い 受付開始
 14:00~14:15  開会 代表理事あいさつ 諸注意
 14:15~14:45  チョウの民俗学  今井 彰(蝶の民俗館)
 14:45~17:45  ~チョウ類保全の方向と可能性を考える ~
(16:00~16:20、休憩)
 当協会の設立から約10年が経過しました。多くのご協力をいただきながら、全国各地で様々な保全活動を展開してきましたが、地権者への配慮、あるいは希少種の生息情報の扱いなどの事情から、各地域での取り組みを会員の皆様に詳細にご報告することができない場面も多々ありました。時間の経過とともに、一定の対策が進んだ現在、皆様に、これまでの取り組みの詳細をご報告するとともに、現在何が問題になっているのか、今後どのように進めれば可能性があるのかを、集中討議して考える場を企画しました。
 なかでも、自然環境の保全にあたって多くの方が疑問を抱く、「どの状態への復元を目指すのか」、「草原の草刈りはなぜ続けなければならないのか」、「人が手を加えていない高山のお花畑の管理をなぜしなければならないのか」といった課題について、それぞれの現場で悩み続け、考え続けた会員からの話題提供をもとに、今後の展望までを、会員のみなさまと、参加型の議論によって考えていきたいと思います。

話題提供
 ・チョウ類の詳細な保全状況と課題、今後の見通し
  ~ヒョウモンモドキ、ヒメチャマダラセセリ、チャマダラセセリを例に~
                  中村康弘(日本チョウ類保全協会事務局)ほか
 ・日本の過去の草原環境とは、そしてどの状態への復元を目指すべきか
                  永幡嘉之(自然写真家)
 ・行政における生物多様性の保全はどこまで可能なのか~絶滅危惧種の保全を中心にし
て~
                  三宅悠介(環境省野生生物課希少種保全推進室)

 18:00~20:00  懇親会(同会場内のレストラン「カフェフレンズ」) 会費3,000円


2/15(日)  会場:研修室310(センター棟3階)

 9:30~     受付
 9:45~11:00  チョウ類の状況および保全活動報告
             奈良県御所市におけるギフチョウの保全活動
                 宮平絹枝(大和葛城山の自然を大切にする会)
             民間による地域単位での生物多様性保全の仕組みづくり
                 三輪芳明(ニホンミツバチ協会)
 11:00~12:00 外来の新たなチョウ、ムシャクロツバメシジミの駆除とその後
                 間野隆裕(豊田市矢作川研究所)       
 12:00~13:00   昼食
 13:00~13:20  活動報告
            保全活動参加体験:ツシマウラボシシジミの飼育繁殖活動
                 内田秀雄・塩昭夫・田中歌織・永井信・益永葉
 13:20~14:00  庭のチョウプロジェクトとその紹介と進め方
             庭のチョウ類調査に取り組んでみて      井上晴子
 14:00~15:00  グループワーク
 15:00      閉会

■参加申し込み
 参加費:1,000円
 参加ご希望の方は、人数を把握したいため、なるべく事前のお申し込みをお願いします(2月10日締切)。なお、当日参加も受け付けます。
 また、14日(土)の終了後、18:00頃~同会場内のレストランにて懇親会を開催します(会費3,000円)。懇親会に参加を希望される方は、必ず2月8日までにお申し込みをお願
いいたします。

■会場までの道順
 国立オリンピック記念青少年総合センター:東京都渋谷区代々木神園町3-1
   TEL03-3469-2525

●鉄道利用の場合
・小田急線 参宮橋駅下車 徒歩約7分(急行は停車しないため、各駅電車を利用のこと)。
・乗車時間の目安:新宿-参宮橋間は、小田急線で約5分。

●車利用の場合
 都高速4号線 代々木ランプより(三宅坂方面のみ) 約100m、初台ランプより(高井戸方面のみ) 約2km、新宿ランプより(大型バスの場合) 約2km。
 ※駐車場はありますが、駐車料金もかかります(30分150円)ので、できるだけ公共交通機関でお越しください。

■宿泊案内
 会場となる参宮橋近くの新宿駅などには多くのビジネスホテルがあります。参加者ご自身で宿泊のご予約をお願いいたします。

 当日の議題にも登場するツシマウラボシシジミ飼育品の吸蜜シーンを貼っておきます(画像はクリックで拡大)。
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  特定非営利活動法人 日本チョウ類保全協会 事務局
  140-0014 東京都品川区大井1-36-1 曽根プラザ301号
  TEL 080-5127-1696
  Email:jbcs@japan-inter.net
  http://www.japan-inter.net/jbcs/
  協会ブログ:http://jbcs.exblog.jp/
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by fanseab | 2015-02-15 18:00 | | Comments(2)

台湾宜蘭縣遠征記(12)ドクチョウ亜科

 最初は初撮影のホソチョウ(Acraea issoria formosana)。5月28日は正午過ぎからガスがかかってきて小雨が降り始めました。少し標高を上げてポイントを探索するも本降りとなり、仕方なく下る途中、雨が小休止したので、林道脇の傾斜地に駐車して様子を伺っていると、フワフワと飛ぶ褐色の蝶がおりました。これが初対面のホソチョウでした。まるでマダラチョウのように中々止まらず、イライラしながら少し前方を見ると何と交尾ペアが止まっておりました。

+++縦位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34、ISO=200、F10-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時29分(5月28日)

 左が♂だと思います。♀はどうやっても頭部が葉陰になってしまうので、これが精一杯の構図です。♀のすぐ隣に結構派手な模様の蛹殻があって、羽化直に♂に襲われたのでしょう。このペアの近くを探索すると蛹(および蛹殻)を数頭発見できました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時31分(5月28日)

 翅部分が橙色を帯びており、どうやら羽化が近い個体と思われましたので、この子をお持ちかえりすることにしました。日本に棲むドクチョウ亜科の代表はヒョウモン類ですけど、ホソチョウの蛹形状はヒョウモン類蛹とは似ても似つかぬ風体で、むしろタテハチョウ亜科のMelitaea属の蛹に類似している点が興味深い点です。
 蛹は車内に放置しておいたのですが、翌朝には既に車内で羽化しており、羽化シーンは目撃できず。仕方なく車外へ移動させて記念撮影。♀でした。
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GX7-Z60、ISO=400、F10-1/30、-1.0EV、撮影時刻:8時14分(5月29日)
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GX7-Z60、ISO=500、F8-1/60、-1.0EV、撮影時刻:8時18分(5月29日)

 こうして見ると、本当に和名通り、翅が細長いですね。それと腹部は無毛でParnassiusのようにでっぷりと太っております。首には赤い襟巻がある独特の風貌。ホソチョウは東南アジアに広く分布しておりますが、分布が局地的なこともあって、管理人はこれまで出会うチャンスがありませんでした。もっとも本種は正直食指が動く風貌ではないので、敢えて必死に探して撮ろうとは思わなかったことも事実です。元来アフリカで大繁栄を遂げている仲間でして、同大陸のホソチョウ族は200種以上が記録されております。サバンナのような高温乾燥地域を好み、多量の降雨がある熱帯雨林地帯は避ける傾向にあるため、東南アジアではArcaea属はわずか4種しかおりません。♂♀判定が難しい種ですが、次回は♂の撮影が宿題となります。
 お次はお馴染みのタイワンキマダラ(Cupha erymanthis)。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時24分(5月30日)

 普通種ですが、今回遠征ではこの時限り。海老トラップにやって来た♂個体です。「台湾」を和名に冠した画像コレクションが一つ増加したのは嬉しいのですが、後ろ向きで酷い絵です。実はこの子の隣に結構珍品が吸汁しており、そちらの撮影に本腰を入れたので、タイワンキマダラ画像はやっつけ仕事になってしまった・・・とでも言い訳をしておきましょう(^^; <次回へ続く>
by fanseab | 2015-02-12 23:08 | | Comments(2)

台湾宜蘭縣遠征記(11)タテハチョウ亜科およびテングチョウ

 タテハチョウ亜科のトップバッターは日本でもお馴染みのルリタテハ(Kaniska canece canace)。雨上がりの木陰で占有行動中の♂です。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34、ISO=500、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時49分(5月31日)

 この子のすぐ傍で鍔迫り合いをしていたのが、別個体の♂。
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D71K-34、ISO=500、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時50分(5月31日)

 こちらは無傷の完品個体。とても綺麗ですね! ここで日本本土産♂との比較図をご紹介しましょう。
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日本本土産亜種は5月中旬に羽化した飼育個体

 両者で光線状態が違うため、微妙な色彩差は上手く表現できていないことはご承知おき下さい。識別点は比較図に記載した通りですが、最大の識別点は前翅中室端の斑紋Cの色彩。ここが白いのが日本本土産亜種の特徴で台湾産(名義タイプ亜種)はブルーになります。台湾産はA,B部分の巾が広いこともあって、文字通りの「瑠璃タテハ」の外観を呈します。
 次はSymbrenthia(キミスジ)属。台湾には従来、キミスジ(S.lilaea)とヒメキミスジ(S.hypselis)の2種が知られており、キミスジは中国南部亜種lunicaと台湾固有亜種formosanaが記録されております。ところが、最近の研究でキミスジ台湾産亜種を独立種(S.formosana)とする見解が出ております。ここではそれに従い、キミスジ属2種、lilaeaformosanaをご紹介します。formosanaについては現在和名が定着していないので、ここでは仮に「タイワンキミスジ」としておきます。
 最初はタイワンキミスジの♀。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時15分(5月29日)

 既に産卵モードに入っておりましたが、肝心のシーンは撮影できずガックリ(^^; 個体数は結構多かったように思います。次は求愛シーンの後、小休止した♀♂ペア(左が♀)。
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D71K-34、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時10分(5月29日)

 両個体共、羽化直に近い新鮮さでした。次はキミスジ♂。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時53分(5月29日)

 この子も将に羽化直で、左後翅尾状突起付近の葉上に淡いチョコレート色の蛹便が確認できます。実はこのキミスジの2m先にはタイワンキミスジ♀が飛んでおり、両種は確実に混棲しておりました。ここで、タイワンキミスジとキミスジの識別用比較図をアップしておきましょう。ストック画像の関係で、タイワンキミスジは♀個体、キミスジは♂個体を使用している点はご容赦下さい。
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識別点は下記の通り。
(1)前翅中室棍棒状橙色班:A部分
タイワンキミスジは分断。キミスジは連続する。
(2)前翅1b室および2室亜外縁の橙色班:B部分
タイワンキミスジは分断傾向。キミスジは融合傾向。
(3)後翅中央橙色帯:C部分
タイワンキミスジは翅脈で分断され、各室斑がM字もしくは逆U字型パターンになる。一方、キミスジは翅脈で分断されることなく連続する。
 全般に黄橙色班がタイワンキミスジでは縮退傾向にあります。またここでは図示しませんが、後翅裏面中央の暗赤色条にも両種で明確な形態差があります。更に面白いことに、幼生期にも下記のような明らかな有意差が確認されております。
(4)卵の色と産卵様態
タイワンキミスジ:緑色で単独卵、キミスジ:淡黄色で卵塊形成
(5)幼虫の生活様式
タイワンキミスジ:単独生活、キミスジ:若齢時に群集

 管理人は種formosanaの原記載論文を直接検しておりませんので、lilaeaとの交尾器の有意差等については理解できておりません。なお、八重山群島で2005-08年に採集された「キミスジ」個体群は斑紋検証の結果、台湾からの飛来ではなく、中国大陸からの飛来もしくは人為的移動だろうと推定されております(※)。翻って、台湾に生息している亜種lunicaも本来は台湾に生息せず、外来種として台湾島内に拡散中と推定されます。島内固有種であるformosanaと食草(イラクサ科)は競合しており、外来種が台湾固有種を侵略している過程なのかもしれません。
 最後はお馴染みのテングチョウ(Libythea lepita formosana)。
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D71K-34、ISO=250、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時11分(5月30日)

 台湾亜種は表翅橙色班の面積が日本本土産亜種celtoidesに比較して縮退するようですが、残念ながら翅を開いてくれなかったので、↑の画像からは両亜種の区別ができかねます。個体数は少なく、発生の端境期だった可能性があります。<次回へ続く>

※斉藤光太郎, 2009.八重山で採集されたキミスジの飛来源の推測.やどりが(219):2-8.
by fanseab | 2015-02-08 14:32 | | Comments(6)

台湾宜蘭縣遠征記(10)ワモンチョウ

 全般的に成果の出なかった今回遠征で、想定外の宝物に出会うことができました。管理人未撮影のワモンチョウ(Stichophthalma howqua formosana)です。東南アジアに棲むワモンチョウ族の中でも特に巨大な、Stichophtalma属は憧れの存在でした。現地で連泊していた民宿には比較的大きな砂利敷の駐車場があって、その東側および南側が雑木林に囲まれた立地でした。タテハ類誘引目的で海老およびパイナップルトラップをその林縁に仕掛け、毎朝様子を伺っておりましたが、食いついて来たのは「なめくじ」の類のみで蝶はサッパリ。5月30日の早朝もトラップの様子をチェックするも成果なし。仕方なく宿に帰ろうとふと草地を見ると、白っぽくデカいジャノメが止まっています。これがワモンと分かった時は心臓パクパクで、慌ててカメラを取りに宿に引き返し、「逃げるなよ~」って念じながら戻ると、幸いにもじっとしておりました。どうやら果実酒の廃棄品があって、これが彼らにとって絶好のトラップになっていたようです。慎重に接近してパチリ。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34、ISO=400、F11-1/500、外部ストロボ、撮影時刻:6時46分(5月30日)

 裏面斑紋から♀と判定しました。概ねタテハ類は♀が珍品ですから、二度嬉しかったですね。翌日も再会期待で早起きして現場を確認するも登場せず。最終日にもう一度出会いましたが、アングルが悪く格闘している間に逃げられ、林縁に止まった姿を写すのが精一杯でした。
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D71K-34(トリミング)、ISO=640、F4.5-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:5時58分(6月1日)

 何とか飛翔で表翅を写したい・・・思いも実現せず、この後すぐに林内奥深く消えて行きました。一旦驚かせると始末に負えないのはワモン類の習性です。彼女の行先には恐らく食樹となる竹林があるのでしょう。ワモン類の活動時刻は概ね早朝と薄暮時に限定されておりますが、今回の遠征では夕刻はほぼ土砂振り状態が続いたため観察チャンスが限定されたのは誠に残念でした。それにしてもフワフワと舞う巨大ワモンの姿は雄大で、写真を見る度に当時の情景を思い出しております。<次回へ続く>
by fanseab | 2015-02-04 22:57 | | Comments(0)

台湾宜蘭縣遠征記(9)ジャノメチョウ亜科

 タテハチョウ科の続きです。期待していたのはLethe属の未撮影種。しかし全くの坊主でガックリ。最初は前回遠征でも撮影した普通種のウラキマダラヒカゲ(Neope muirheadi nagasawae)♂。

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D71K-34(トリミング)、ISO=640、F11-1/500、外部ストロボ、撮影時刻:6時42分(5月30日)

 アングルも酷く、トリミングで何とか凌いだ証拠写真です。この子は♀を撮りたいのですけどね。♂♀共に活発になりそうな夕刻は毎日土砂降りで、撮影は叶いませんでした。
 次は日本でもお馴染みのコジャノメ(Mycalesis fransisca formosana)。古びた海老トラップにやってきた♂です。
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D71K-34、ISO=640、F5-1/640、-0.7EV、撮影時刻:7時10分(5月31日)

 裏面中央帯の藍紫色を正確に表現するため、ノンストロボで何とか撮影してみました。この個体は眼状紋が大きく発達した高温期型で、高温期型は日本産亜種perdiccasとさほど有意差はありません。しかし、低温期型での眼状紋縮退はperdiccasよりは遥かに顕著なことが台湾産の特徴。低温期型の特徴に近い中間型?個体の事例こちら外部リンクを参照。
 次いで、これまた国内でもお馴染みのクロコノマチョウ(Melanitis phedima polishana)。
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D71K-34、ISO=500、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時56分(6月1日)

 梅系トラップに吸引された個体です。クロコノマは細かく亜種区分されておりますが、管理人には国内産亜種oitensisとの有意差がさっぱり分かりません。翅を開くと分かりやすいのかな?
 続いてYpthima属。最初は普通種のコウラナミジャノメ(Y.baldus zodina)♂。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時13分(5月30日)

 アングルが最悪の絵です。実は開翅を期待してこのアングルで仮撮り。開翅するまでもなく逃げられたのが実態でした(^^; お次は後翅眼状紋が3個のグループ。トップバッターはウラナミジャノメ(Y. multistriata)♂。
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D71K-34(トリミング)、ISO=200、F11-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時57分(5月30日)
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D71K-34(トリミング)、ISO=200、F11-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時56分(5月30日)

 かなりスレた♂です。続いて今回初撮影のタカムクウラナミジャノメ(Y. perfecta akragas)。
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D71K-34、ISO=200、F9-1/200、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時36分(5月31日)

 恐らく♂だと思います。フトオを狙っていた渓谷の底は天候が芳しくなく、仕方なく標高を上げて雲海の上に出ればどうなるだろうか、とひたすら林道を上り詰めていったのですが、霧は益々深くなり、ついには視界が僅か10m以下になってしまいました。中央分離帯がなければ車道がどこにあるか見えない有様。標高約1200mまで到達した時点で諦め、すごすごと林道を引き返すことにしました。途中、少し霧が晴れてきたので、路側帯に駐車し、林縁をチェックしていく時に登場したのが本種。この子は標高域1000m以上に分布とされるので、僅かに期待をかけておりました。裏面を確認して「タカムク」と判明した時はとても嬉しかったのですよ! ただ少しスレ気味で、縁毛が完全でないのが残念でした。中国大陸西南部に分布する蝶が飛び離れて台湾島高標高域に棲んでいる事例が多くあります。かつて大陸と地続きであったことの証でもありますが、この子もその1種。後翅をよぎる白帯が顕著なのが本種の一大特徴で、日本の固有種、マサキウラナミジャノメ(Y.masakii)にそっくりです。系統樹としてはウラナミジャノメ、マサキ、タカムク、リュウキュウは同じグループ(multistiriata群)ですから当然と言えば、当然です。台湾に棲む三つ目(後翅裏面眼状紋が3個)グループの詳細については、こちら(外部リンクも参照下さい。
<次回へ続く>
by fanseab | 2015-02-01 20:40 | | Comments(0)