探蝶逍遥記

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コヒョウモンモドキの産卵行動を探る(7月下旬)

 首題目的で、前回訪問した北信地方のポイントへ出向きました。本種の産卵時間帯は不明確ですが、ネット上で「長野県某所標高1600m付近、8月2日、12時20分産卵」のExif記録を見出しました。これを参考に正午前後に狙いを絞り、現地には8:00到着。ただ少し上空に寒気が入った影響か、雲量が多く、陽射しが不足しております。前回♂が群れ飛んだエリアには全くモドキの姿がありません。相当細かく探してやっと、一頭の♀を発見。オカトラノオの穂先に開翅休息しておりました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR、ISO=400、F8-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時12分

 吸蜜はしておりません。結構暗化した個体です。この後、複数個体を見出しましたので、これを個体Aとしておきます。Aの脇に座り込んでひたすら動きを待ちました。10時30分頃から陽射しが戻ってきて、ようやく吸蜜を開始。ある程度温まってくると、止まっていた穂先を飛び出し、別の穂先でまた吸蜜を繰り返していきます。
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D71K-85VR、ISO=200、F10-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時00分

 ここはミドリヒョウモン♂と一緒に吸蜜するシーン。モドキより大型のミドリやメスグロが来訪すると少し場所を避けながら健気に吸蜜する姿は可愛いものですね。この個体は12時頃まで吸蜜を続け、正午過ぎに灌木に飛び移り、前脚連打行動らしき姿を確認できました。「すわっ、産卵か!」とこの子を追跡するも足場の悪い灌木帯に遮られ、姿を見失ってしまいました。ガックリです(^^; 行方を追跡していくと、ようやくオカトラノオで吸蜜する個体を発見。
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D71K-85VR、ISO=200、F10-1/250、-0.7EV、撮影時刻:12時11分

 しかし、よくよく斑紋をチェックすると、これは追跡していたはずの個体Aではなく、表翅がやや明るめの別個体(B)でした。どこで入れ替わってしまったのか? 今度はBに着目して追跡するも吸蜜に執着して、ようやく飛んでも産卵行動に移行しません。そのうちBを見失う始末(嗚呼!)。更にガサゴソ灌木帯を探索すると、下草内で吸蜜する羽化不全気味の個体(C)を発見。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、撮影時刻:12時49分

 この子もひたすら吸蜜に執着しており、産卵行動に移行しません。仕方なく前回♂が多数舞っていた場所に戻ると、今度は個体Dが吸蜜しておりました。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時16分

 この時点で既に13時を過ぎており、些か不安になって参りました。そのうちこの個体のすぐ傍に個体Eも出現。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、撮影時刻:14時14分

 この子も憎たらしい?ことに吸蜜を止めることはありませんでした。15時以降は気温が低下しそうでもあり、結局14時30分に観察を止め撤収しました。撤収直前の個体Eの姿です。
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D71K-85VR、ISO=200、F5-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時21分

 この頃にはすっかり夏空が戻っておりました。結局、5時間におよぶ継続観察で、産卵現場の確認は失敗に終わりました。とにかく♀は暇さえあればオカトラノオで吸蜜しており、一旦開翅休息して再び吸蜜のパターンでした。当初予想した「吸蜜→産卵→休息→吸蜜→産卵」パターンを見ることができなかったのは意外でもありました。実は今回、このポイントで産卵現場の確認に執着したのは、このポイントでのホスト確認も目的の一つでした。コヒョウモンモドキのホストはゴマノハグサ科のクガイソウもしくはヒメトラノオとされています。これは母蝶が産卵する草本でして、越冬した幼虫が翌春食べる草本はこれに加えて、同じゴマノハグサ科のオオイヌノフグリ、キク科のオトコヨモギ、オオバコ科のオオバコ等の記録があります(※)。このポイントで不思議なのは、クガイソウやヒメトラノオが確認できない点。ですので、ゴマノハグサ科以外の草本に産卵している可能性が高いと睨んで、今回の探索になったのですが、目論見は失敗でした。先に紹介した文献(※)によると、「本州中部の多くの産地では、産卵は8月に入ってから行われる」と記載してあります。つまり交尾後、相当時間経過して、♀の卵細胞成熟を待って産むタイプのようです。今回管理人が訪問した時期は産卵観察にとって早すぎたのか?それとも産む時間帯推測が間違っていたのか? 今後の検討課題です。

※福田晴夫他、1983.原色日本蝶類生態図鑑(Ⅱ).保育社、大阪.
by fanseab | 2014-07-30 22:20 | | Comments(0)

海野先生の写真展(7月19日)

 首題写真展を見学に東京・新御茶ノ水まで出向きました。今回は、『毎日更新15年「小諸日記」Since1999』をテーマにご存じ、小諸日記(外部リンク)」にこれまでアップされてきた写真(単純計算で365X15=5475枚!) の中から、選りすぐりの作品を集めた催し。
 先生の写真展にはこれまで何回となく足を運んでおりますが、毎日更新される「小諸日記」の掲載分だけに、見覚えのあるインパクトある絵が目白押しです。しかも引き伸ばしサイズが相当大きいので、websiteで拝見するのとは全く別物の印象を受けます。魚露目で撮影したオオスズメバチの威嚇シーンとか、TG3で深度合成したスズメバチ頭部の拡大画像は思わず、写真から後ずさりするほどの迫力を感じます。もちろん、プロならではの隅々までビシッと決まったピントや構図の巧妙さが無ければ、こんな感動は覚えないでしょう。

 この日は午後からの先生のトークショー目的で出かけたのですが、相変わらず面白い話で、1時間があっという間に過ぎていきました。展示されている画像を一枚ずつ、その撮影意図や工夫点を分かりやすく解説して頂けるのは有難いことです。さて、トークショーの後は質疑応答の時間で、小生もTG2に付けるLEDライトガイドの改造方法について実演を含めた個別レクチャーをして頂きました。先生持参の改造品と管理人改造品を現場で比較撮影された後、管理人改造品使用の絵には「少し照明ムラが出ているなぁ~!」とその原因と対策法を直ちに伝授して頂きました。偉ぶらず、奢らず・・・いつも優しくアマチュアカメラマンの目線に立って解説して頂ける姿勢に改めて感動いたしました。皆さんも是非、写真展に足を運ばれたら如何でしょうか?

 写真展は東京・神田小川町にあるオリンパスプラザ東京(外部リンクで、今月30日まで開催。
また、大阪西区阿波座にあるオリンパスプラザ大阪(外部リンクで、8月18日~28日開催。先生のプレトークショーは8月8日開催。

 画像がないのも寂しいので、海野先生お気に入りのアゲハ、アカエリトリバネアゲハの飛翔画像でも貼っておきましょう。このアゲハは管理人のお気に入りでもあります。もちろん、先生の画像を借用はできませんので、不肖、管理人の撮影でございます。(画像はクリックで拡大されます)
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D7K-10.5(トリミング)、ISO=400、F10-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、11時33分、撮影地:ボルネオ・グヌンムル国立公園
by fanseab | 2014-07-19 23:21 | | Comments(8)

コヒョウモンモドキ(7月上旬)

 今回の信州遠征で朝一番に訪問したのがコヒョウモンモドキのポイント。本来、この子の産卵シーンも欲張りに画策しておりましたが、どうやら本種の産卵時期は発生の後半戦らしいので、今回は下見と割り切っての訪問に切り替えました。現地に立ち入ると早速数頭の♂がヒラヒラと舞いあがります。先ずは♂の開翅画像から。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR、ISO=640、F10-1/320、-0.7EV、撮影時刻:7時32分

 開翅角度が180度以上にもなるので、両翅端にまでピントを合わせるのが結構苦労します。新鮮な個体でのみ味わえる縁毛の美しさは、Melitaea属の一番の見どころですね。同じ♂でも表翅黒班は結構変異があるようで、かなり黒班が縮退した個体もおりました。
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D71K-85VR、ISO=400、F5-1/800、-1.0EV、撮影時刻:7時38分

 これが文字通りの「ウスイロヒョウモンモドキ」だったりして(笑)  それと、やはりこの属の美点は後翅裏面のモザイク模様でしょう。下草に静止している個体を見上げるアングルで、モザイク模様を表現してみました。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時34分

 暗い背景に破線模様の縁毛も浮かび上がり、お気に入りの画像になりました(^^) 魚露目で多少デフォルメした画像もパチリ。
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TG2@18mm-gy8、ISO=250、F18-1/100、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:7時47分

 続いて真正面からのマクロ画像。
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D71K-85VR、ISO=400、F10-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:7時52分

 タテハチョウ亜科の♂だと、ギラギラとした迫力が出る角度ですが、コヒョウモンモドキの場合は、棘が抜かれたような穏やかな雰囲気の絵になってしまいます。本種の「ゆるキャラ」的性格が絵にも出てしまうのでしょう。
 まだ♀は不発かと思いきや、綺麗な個体がおりました。最初は閉翅。
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D71K-85VR、ISO=400、F7.1-1/400、-0.7EV、撮影時刻:8時11分

 本種は直ぐに翅を開いてしまうので、側面からの閉翅画像は撮り難いものがあります。案の定、直ぐに開翅パターンに移行しました。
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D71K-85VR、ISO=400、F6.3-1/320、-0.7EV、撮影時刻:8時16分

 縁毛フェチを自認する管理人が酔いしれるような素晴らしい姿です。さて、現地では新鮮なメスグロヒョウモン♂もおりました。出始めのヒョウモン類は種類を問わず、思わずレンズを向けてしまいますね。
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D71K-85VR、ISO=400、F10-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時59分

 次回は本来の目的である♀産卵狙いで、現地を再訪予定です。今回の遠征でお世話になりましたkさんに改めて御礼申し上げます。
by fanseab | 2014-07-15 22:05 | | Comments(8)

ホシミスジの交尾(7月上旬)

 ヒメシロの産卵撮影前に立ち寄った草地にシモツケ群落があり、恐らくホシミスジがいるのではないか?と思ってウロチョロすると、程なく数頭の個体が舞いあがりました。気温の上昇と共に数を増し、全体では10頭ほど確認することができました。蛹や終齢幼虫もいるかもしれないと思い、枝先を仔細にチェックしていくと、何と交尾ペアが鎮座しておりました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR、ISO=400、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時36分

 上が♀。Neptis属の交尾画像はオオミスジに次いで2番目。ホシミスジは初体験。因みに普通種のコミスジは未撮影だったと思います。交尾ペアがいれば、必ず♂がちょっかいを出しに来ます。魚露目でその場面をパチリ。
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TG2@18mm-gy8、ISO=250、F18-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時44分

 TG2と魚露目の組合せは周辺のボケが少ないので、縦位置構図でも像破綻が少なく重宝します。♂が去った後で、♀が開翅した瞬間を広角で。
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TG2@4.5mm、ISO=400、F8-1/320、+0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時48分

 この日は♀の羽化ラッシュだったらしく、新鮮な個体が目立ちました。かつて真剣に写したフィールド図鑑用開翅アングルで一枚。
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D71K-85VR、ISO=500、F6.3-1/320、-0.7EV、撮影時刻:9時09分

 縁毛は完璧ですが、右前翅に多少の傷がありました。どんなNeptisでも♀はサイズがデカい分、風格がありますね。ここでは先ほどの交尾ペアとは別のペアも見出しました。この日は交尾ラッシュでもあった訳です。そのペアを無理やり飛ばして交尾飛翔を撮りました。
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GX7-10.5(トリミング)、ISO=640、F4-1/3200、撮影時刻:9時05分

 ホストのシモツケから離れないで飛んでおります。飛翔パターンは←♀+♂です。次いで40コマ/秒で連射撮影した連続する4コマをGIF動画にしてみました。撮影間隔は250msec.です。
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GX7-10.5(トリミング+4コマGIF動画合成)、ISO=640、F4-1/3200、撮影時刻:9時05分

 40コマ/秒連射のお蔭で、GIF動画での羽ばたきも比較的スムーズに表現されております。ご覧の通り、♂は交尾中、ずっと頭を下にしている訳で、交尾飛翔中もこんな態勢で♀に導かれるままに翅を羽ばたくことなく、じっと我慢しています。交尾は最低でも2時間近くは持続するのですから、人間だったら頭に血が逆流してフラフラになるでしょうね。♀にさんざんアタックしてフラれ、ようやく「大願成就」して♀と交尾完了しても、♂は苦難の姿勢を強いられる訳です。国民的映画、寅●郎シリーズに譬えれば、「男はつらいよ、交尾大願成就編」ってとこでしょうか。
 さて、この日はできればホシミスジ産卵シーンも狙いたい所ですが、時間的な制約もありましたので、後ろ髪を引かれつつ、ヒメシロポイントへ向かいました。次回は更に時計を巻戻して、朝一番に訪問したコヒョウモンモドキについてアップいたしましょう。
by fanseab | 2014-07-12 20:32 | | Comments(2)

ヒメシロチョウの産卵など(7月上旬)

 アサマの産卵シーンを狙ったこの日は、早朝コヒョウモンモドキのポイントを訪問(後日記事にアップ予定)、その後ヒメシロポイントへ移動し、更にアサマポイントへと分刻みのスケジュールで撮影しておりました。もっともアサマの産卵シーン撮影を主目的にしていたので、ヒメシロポイントには正午までしか滞在できません。しかも、ヒメシロの産卵時間帯は正午前後にあるため、午前中に産卵してくれる個体に期待するしかありません。現地には午前10時過ぎに到着。飛んでいるシロチョウはモンキのみでヒメシロの姿がありません。周辺の草地を飛び交っているヒョウモン類を撮影しながら待機していると、ようやく10時30分頃からヒメシロが飛ぶようになりました。ただ第2化発生初期のためか個体数は非常に少なく、厳しい状況。それでもツルフジバカマを求めて飛ぶ♀をようやく発見し、何とか産卵シーン撮影に成功しました。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時45分

 この絵は正直B級ショット(^^; もう少しスッキリした場面で撮りたかったのですが、この時期はススキも含め他の草本類の草丈も高く、草叢内に潜り込むように産卵するので、結構アングルが規制されて難しいものですね。その後この母蝶は連続産卵することなく、飛び去っていきました。この母蝶を追跡後、産卵場所に戻ってみましたが、産卵位置を確認できず、卵の拡大撮影には失敗。産卵シーンを優先してしまうと卵画像が撮れない敗戦パターンです。ヒメシロの飛翔はご存知の通り、フワフワと緩やかで、♂の探♀飛翔と♀の産卵行動中の飛翔パターンが酷似しているため、遠目から♀を見分けるのが難しいものだとつくづく思いました。結局相手に接近して前翅端の黒班の状態を観察して♀個体を追跡するしかなく、探索効率が下がります。結局1時間30分滞在中、産卵シーンを観察できたのは僅かに一回でした。ここでもダラダラと発生が続きそうですし、第3化品で再度産卵シーンを狙うことにしました。個体数が少なかったものの、♂が♀(下)に言い寄る求愛シーンはここでも観察できました。
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/500、-1.0EV、撮影時刻:11時03分

 ♂の「大願成就」はならず、「感情移入」のみで終わったのはいつものパターンですね。さて、♀はノンビリと吸蜜に専念することが多かったので、これまできちんと撮影していなかった吸蜜シーンも撮影。
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D71K-85VR、ISO=200、F5.6-1/1600、-1.0EV、撮影時刻:11時26分

 ヒメシロ以外のシロチョウとしては、スジボソヤマキの♂♀を撮影。
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/500、-1.0EV、撮影時刻:10時52分
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D71K-85VR、ISO=200、F7.1-1/1600、-0.3EV、撮影時刻:11時35分

 ヤマキ類裏面には翅脈間に繊細な襞模様があります。上質な和紙を連想させる皺模様は、いつ見ても不思議な美しさだと思います。
 さて、ヒョウモン類では圧倒的にウラギンが多く、その次にメスグロ♂♀、ミドリ♂、数が少ないもののオオウラギンスジ♂を確認。
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D71K-85VR、ISO=500、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時22分

 この手の個体を見ると、贔屓目でどうしても「ウラギンスジ」だと思いたくなりますが、残念ながらオオウラギンスジでした。その他、クモガタ♀もおりました。
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時32分

 夏眠前のクモガタ♀もあまり撮影した記憶がありません。後翅への「花被り」がちと残念!ヒョウモン類が群れ飛ぶ草地にはヒメシジミも、それこそ蠅が飛ぶように多数群れておりました。で、すぐに交尾ペアを発見。
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時55分

 ヒメシジミの交尾シーンって、ヤマトシジミのそれよりも観察頻度が多いような気がします。次回は時計を更に巻き戻して朝方実施したホシミスジの観察結果についてご紹介したいと思います。
by fanseab | 2014-07-10 21:07 | | Comments(4)

アサマシジミの産卵行動を探る(7月上旬)

 巷で「ブルー三兄弟」と言われるPlebejus属3種、ヒメ、ミヤマ、アサマシジミについて一昨年より越冬卵の撮影等に注力してきました。昨年はヒメ(外部リンクミヤマ(外部リンクの母蝶を追跡し、産卵シーン撮影に何とか成功。
 そこで、今年は残るアサマについてトライすることにしました。今回は例年観察を行っているナンテンハギ食いの山梨県産ではなく、エビラフジ食いの長野県産でチャレンジしてみることにしました。ヒメとミヤマの産卵時間帯の実績を踏まえ、現地には13時に到着し、15時40分頃まで粘ってみました。しかし、結論から言えば産卵シーンに出会えずガッカリでした。このポイントはヒメとアサマが混棲しているため、♀を先ず識別した上でエビラフジに執着する個体を追跡してきました。最初に追跡したのはエビラフジで吸蜜していた個体(下記画像上の個体)。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時14分

 吸蜜が終わるとフワリと飛んでエビラフジやその他の葉上で開翅休息します。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時38分

 いつ産卵行動のトリガーがかかるのか?全く読めないまま時間が過ぎていきました。もちろん、この個体のみ監視していたのでは効率が悪いので、全部で3-4個体ほど監視対象に含めましたが、いずれも吸蜜に熱心で当てが外れました(^^; この日は蒸し暑く産卵には最適と思われたのですが、時間帯が少し違う(例えば午前11時頃にピークがある?)のか、雲量が少な目の日を選ぶのか?今後の検討課題です。

 ♀の産卵行動追跡の合間にエビラフジの茎をチェックし、卵の確認をしました。先ず直ぐに地上高さ13cmほどにある2卵を発見。
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TG2@18mm-gy8、ISO=800、F18-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時02分

 すぐ脇の株からは根際に4卵産み付けられておりました。
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TG2@18mm、ISO=1600、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時44分

 更にエビラフジの株周辺のスギ枯葉上にも数卵産み付けられておりました。
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TG2@18mm、ISO=1250、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時44分

 ホストとは直接関係のない枯葉等に産み付ける習性はヒメやミヤマに共通するのですね。これらの卵を確認したエビラフジの株は林道脇の陽射しの良い環境にあり、アサマ母蝶にとって大変好ましい場所だったらしく、この株周辺だけで15卵ほど卵を確認できました。一番最初にご紹介した茎上2卵の一つを先ずはTG2で超拡大撮影。
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TG2@18mm、ISO=800、F14-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時59分

 オリンパスから最近発売されたLEDライトガイド「LG-1」を改造し、内蔵ストロボの光も回るようにしてみました。これまでは自作ディフューザーで光拡散を実施しておりましたが、やはりリングライト状に光を回すと、自然光照明に近いエエ感じに仕上がりました。次いで、ミラーレスでの超拡大システムでの撮影。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=800、F14-1/200、内蔵ストロボ+LEDライト、撮影時刻:14時31~36分

 現地でスレーブストロボが故障した影響で、照明が不自然になったのと、相変わらず深度合成が不調で仕上がりは悪いです(^^; 卵直径0.83mm、高さ0.33mm。小枝の分岐に産み付けられた卵も撮りました。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=800、F14-1/200、内蔵ストロボ+LEDライト、撮影時刻:14時31~36分

 やはり産卵後時間経過の少ない卵の表面構造は大変綺麗です。しかし、できれば産卵直後の翡翠色を呈した卵を撮りたいものです。今回は♀産卵をメインにしたため、♂を楽しむには時期がもちろん遅かったのですが、ヒメシジミと吸蜜に集う♂(左端の個体)も参考までにご紹介しておきましょう。
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D71K-85VR、ISO=500、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時15分

 ブルー部分の拡がりはさほどではない個体ですね。ヒメとの体格差が良くわかる画像になりました。また、このポイントに腐るほど群れていたヒメシジミ♀については、ヨモギの枯葉に産卵する場面に出会いました。
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D71K-85VR、ISO=400、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時27分

 但し疑似産卵行動だったようで、卵は確認できませんでした。なお、このポイントでキバネセセリ♀との嬉しい出会いもありました。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時24分

 キバネの♀についてはこれまでまともな画像がなかったので思わずニンマリしてしまいました。アサマの産卵については高標高地でまだチャンスがあるかもしれませんが、基本、来シーズンの課題にしたいと思います。アサマの発生時期は梅雨と重なり、♀産卵シーンのような場面を狙うには大変難しい対象であると再認識しました。次回はこのポイントを訪れる直前に観察したヒメシロチョウの産卵シーンについてご紹介したいと思います。
※今回の遠征ではいつもお世話になっているkさんより多くのアドバイスを頂きました。改めて御礼申し上げます。
by fanseab | 2014-07-08 23:39 | | Comments(6)

拙宅で発生したテングチョウ(6月中~下旬)

 今年はテングチョウが大発生したシーズンとされており、各地から関連ニュースが伝えられています。先日クロミドリ探索で訪問した山梨の林道でもテングが確かに沢山飛び交っておりました。実の所、管理人は「テングも多いが、ヒオドシの個体数が異常に多いなぁ~」と感じたのですけれどね。
 さて、拙宅に生えているエノキは2株ありまして、先月中旬、そのうちの一株の剪定中、緑色の芋虫がポロッと地面に落ちました。チェックしたら、何とテングチョウの終齢幼虫! テングチョウは川崎市の拙宅近くでは大珍品で、ここ30年程の定点観察で成虫を目撃したのはわずか3回ほど。幼虫はもちろん記録されておりません。拙宅から車で15分程の多摩丘陵に行けば普通種ですが、多摩川に近い平野部の住宅街では相当な珍品なので、幼虫発見にビックリしたのでした。この子は直ぐに前蛹になり、前蛹画像を撮ろうと思っていたら、アッと言う間に蛹化しておりました。蛹化直後の画像です。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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GX7-Z60(トリミング)、ISO=640、F5.6-1/125、-0.7EV、撮影月日:6月15日

 蛹化直後はエノキ裏面にほぼ垂直にぶら下がる格好ですが、その後、尾端から90度近く折れ曲がる独特なスタイルに変化しました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月21日

 エノキ葉裏の葉脈の似せ方とか、本当に見事な擬態です。この子は残念ながら6月30日頃食害に遭ったらしく、羽化(蛹殻)は確認できませんでした。いずれにせよ、拙宅でテングが産卵し、蛹化まで至ったのは大変珍しく記録として残した次第。今年は春先に生き残っていたテングの個体数が多く、第1化品がエノキを食い尽くす勢いで食害が進んだため、萌芽促進も著しく、第2化個体の発生も多いのではないでしょうか?先日の山梨での観察では、ヒオドシやテングとホストが競合するオオムラサキの終齢幼虫・蛹の個体数が一昨年・昨年に比較して少ないように思いました。大好きなオオムラサキが不作でなければ良いのですが。。。。
by fanseab | 2014-07-04 20:47 | | Comments(2)