探蝶逍遥記

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クヌギの樹肌に潜む幼虫達:続編(5月下旬)

【ご注意】今回の記事にも沢山の毛虫・イモムシ画像が登場します。この手の画像がお嫌いな方は絶対に記事を読まないで下さい。仮に当該画像閲覧で読者の方が食欲不振や体調不良に陥ったとしても管理人は一切責任を負いませんので悪しからず(笑)

 前回の山梨探索から一週間経過。ウラミスジ幼虫がそろそろ蛹になっているはずなので、それを主目的に再出撃です。先ず現場に急行して縦溝を見てみると・・・・。

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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時56分

 アララ、蛻の殻(矢印先が前回観察時の静止位置)! 近くを隈なく捜索するも発見できません。蛹化場所として相応しくないと判断したのか、クヌギから離れて枯葉にでも潜って蛹化したのでしょう。確実視していた蛹画像が撮れずにガックリです。これは越冬卵を採卵して飼育してみなければなりませんね。同じクヌギをフト見上げるとタテハの前蛹がぶら下がっておりました。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時49分

 ヒオドシチョウの前蛹でした。ヒオドシは丁度一斉に前蛹の時期を迎えたらしく多くの箇所で前蛹を観察することができました。こちらは針葉樹の枝にぶら下がった個体。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時03分

 赤い腹脚が印象的です。この個体が群居していたエノキはこの枝から約7mほど離れた場所にあり、10m程度の距離は彷徨い歩いて蛹化場所を決定するのでしょう。別のクヌギにはテングチョウの蛹が垂下しておりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時13分

 このクヌギの少なくとも半径5m以内にはエノキの株が全くなく、テング老熟幼虫も結構歩くケースが多いようです。エノキに垂蛹になった場合は保護色になる蛹の色彩も、クヌギの樹肌に付くと目立って仕方ないですね。
 ウラミスジの蛹撮影が叶わなかったので、悪あがきで再度、クロミドリ幼虫の探索も実施。しかし、既に時遅しなのか、今回も坊主でした。殆どの終齢幼虫は既に前蛹か、蛹化してしまったと納得することにしました。で、今回もじっくりクヌギの樹皮を観察したため、前回同様、多くの鱗翅類幼虫を見出しました。前回ご紹介しなかったイモムシ・毛虫を総ざらいご紹介しましょう。なお、クヌギの縦溝に潜む幼虫が多いため、画像は必然的に縦構図になってしまいます。なので、一部画像を回転させて掲載しておりますので、ご了解下さい。
 最初はマダラマルハヒロズコガ(Gaphara conspersa)。
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TG2@13.5mm(トリミング)、ISO=800、F13-1/80、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時24分

 瓢箪型をした物体は実は幼虫の「隠れ蓑」でして、幼虫はこの中に隠れております。以前、キマダラルリツバメの母蝶が産卵木としそうな桜古木の樹皮に本種の「隠れ蓑」を見出したことがあります。蟻の幼虫などを捕食するようです。お次はシラホシコヤガ(Enispa bimaculata)。
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TG2@18mm、ISO=800、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時39分
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TG2@15.4mm、ISO=800、F13-1/80、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時40分

 地衣類を身にまとっているため、動くまでは全くその存在に気が付きません。以前から一度観察してみたかった擬態の名手だったので、目の前で苔が動いた時は感激いたしました。二枚目の画像をボンヤリ見ていてもどこに幼虫がいるか分かりませんよね!
 三番バッターはオビカレハ(Malacosoma neustrium)。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F3.8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:13時46分

 この子の色調はかなり個体変異があるようです。4番バッターは小生も一番嫌いなタイプ(^^;
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時50分

 マイマイガ(Lymatria dispar)です。中胸~第4腹節背面にある瘤隆起がブルーでして、瘤が全て赤色になると、やや珍品のオオヤママイマイ(L.lucescens)なのだそうです。でも珍品と言われても、この種の手合いはちっとも見たくはありません(^^) 
 5-6番手は同定できない2種。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、外部ストロボ、撮影時刻:13時39分
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/200、外部ストロボ、撮影時刻:13時40分

 5番手はカレハガの仲間のような気もします。いずれもかなり特徴的な色彩をしておりますが、検索には掛りませんでした。どなたかご存知ないでしょうか?
 最後は幼虫ではなく、甲虫。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時01分

 アカハネムシの一種(Pseudopyrochoroa sp.)。有毒のベニボタルに擬態している甲虫で、普通種の割には生態が解明されていないとされております。
 今回もじっくりクヌギと睨めっこしたお蔭で色々な蟲達に出会うことができました。偶にはこんな撮影行も面白いと感じた次第。
by fanseab | 2014-05-26 22:45 | | Comments(6)

初夏に発生するCatocala (5月中旬)

 管理人は某鱗翅学会にも所属しておりますが、基本的に蝶を嗜好しており、蛾は種類が多すぎて敬遠気味のスタンスです。ただスズメガ、アオシャク、キシタバの仲間は時々レンズを向けております。今回はそのキシタバの話題。キシタバ類はその属名「カトカラ(Catocala)」として親しまれており、もちろん蛾屋さんの中でもファンが多い種群です。管理人もそれほど知識は持ち合わせておりませんが、その昔、山梨・韮崎で夜間オオクワガタ探索をした際、ヘッドランプに照らされた樹液に集う、ベニシタバ(C. electa)の美しさに見惚れたことがあります。今回、近所の里山公園をお散歩撮影していた時、ふと、コナラの枝先を見ると、蛾の羽化シーンに出会いました。調べてみると、アサマキシタバ(C.streckeri)。カトカラとしては一番早く発生する種のようです。羽化シーンの連続カットです。

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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/250~320、-0.7/-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時47分~12時08分

 蝶と同じく、翅の伸びるスピードは速いです。僅か15分ほどで完全に翅が伸びきりました。↑の(c)時点は蝶と同じ閉翅ポーズを取っておりましたが、すぐに(d)のような表翅を屋根型に開く蛾独特のスタイルに変化しました。キシタバの特徴は後翅表に出ますが、その特徴は(c)からも良く伺えます。大型セセリを彷彿とさせる姿は格好エエと思います。ダンダラ模様の縁毛も、自称「縁毛フェチ」の管理人を痺れさせてくれますね。さて、羽化がほぼ完了した場面を魚露目でも撮影。
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TG2@18mm-gy8、ISO=800、F18-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時07分

 羽化個体頭部のやや上にコナラの葉を粗末に綴った繭があり、その中に黒い蛹殻が隠れておりました。また周囲のコナラの葉には特徴的な幼虫の食痕が残っております。
 蝶・蛾を問わず、飼育以外で羽化途中の場面に出会うことはそう多くはありません。とてもラッキーだと思い、今回きちんと撮影をしてみました。
by fanseab | 2014-05-24 22:22 | | Comments(2)

Hestina属第1化(5月中旬)

 多摩川縁のマイフィールドでゴマダラとアカボシゴマダラ探索です。10時過ぎから♂の探♀飛翔がスタートしました。もちろん全く止まらないので飛翔撮影しかありません。いつもの通り、歩留りは悪く、900カットほど撮影して見られるのは10コマ程度。最初はゴマダラ4連発。

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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時51分
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時51分
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時51分
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D71K-34(ノートリ)、ISO=400、F9-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時53分

 一枚目は最もスピード感が出た絵。最後はノートリで奇跡的に収まってくれました。お次はアカボシ。
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D71K-34(ノートリ)、ISO=400、F9-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時29分
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時00分

 一枚目は「赤星」が消失している一般的な白化型個体。2枚目はピンボケかつフレームアウトですが、夏型に近い「赤星」が明確に残るタイプ。こちらは証拠画像としてのご紹介です。夏型同様、後翅赤班があると、アサギマダラと誤認しやすいです。ゴマダラ、アカボシ両種♂の探♀飛翔を見比べてみると、両者は微妙に挙動が異なります。ゴマダラは比較的丹念に♀を探索していく個体が多く、時に2m四方のエリアを数10秒かけて念入りに確認していきます。一方、アカボシはサラッと調べ、♀を見つけることが主眼ではなく、パトロール領域全体をラフに調査している感じ。この挙動差から飛翔撮影は当然、ゴマダラの方がチャンスは圧倒的に多いのです。

 ♂の飛翔撮影中、突然、デカくて白いアカボシ♀がフワリと堤防上の遊歩道に出現。暫く追跡するとエノキで産卵です。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時13分

 アカボシ第1化の産卵シーンはこれが初撮影。次いでエノキに纏わりついたフジの枯茎に移動し、産卵の素振りを見せてくれました。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時14分

 しかし、こちらは誤産卵せず、飛び去っていきました。気温が高かったのか、別のポイントではゴマダラチョウ♀が地面で吸水しておりました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時08分

 ゴマダラ♀の吸水シーン撮影はこれが初めてです。ここはワンちゃん達の散歩コースでもあるので、「吸水」ではなく、「吸アンモニウム塩(ワンちゃん達の落し物)」なのかもしれません。ゴマダラ♂の飛翔はこれまでで一番いい感じで撮れました。できればゴマダラ第1化の産卵シーンもゲットしたいところです。
by fanseab | 2014-05-21 21:39 | | Comments(6)

クヌギの樹肌に潜む幼虫達(5月中旬)

【ご注意】今回の記事では沢山のイモムシ画像が登場します。この手の画像がお嫌いな方は絶対に記事を読まないで下さいね!

 先日、虫林さん(外部リンクがクロミドリシジミ終齢幼虫の観察に成功した記事を書かれていました。過去2年間連続チャレンジで見事3度目の正直で撮影に成功された由。実は管理人も隔年ですが、過去2戦連敗。虫林さんの成果にあやかって、「3度目の正直」に賭けてみました。山梨のクロミドリポイントへは10時頃到着。早速クロミが好むご神木からチェックしていきます。時期的にはそろそろ終齢(4齢)幼虫も老熟化している頃であり、クヌギの根元に近い部分から目線の高さまでじっくりと観察。静止する位置・方角に好みがあるのか?さっぱり分からないので、丹念に探すしかありません。結局2時間ほどかけて6-7本チェックした所でランチ休憩。車内でコンビニのお握りを食べながら、ふと外を見ると新鮮なクモガタヒョウモン♂が飛んでおります。しかし、この日は成虫撮影に「無駄な体力」を使うことを避け、ただ眺めるだけにしました。午後に入ってから捜索範囲を更に広げてみますが、事態は進展しません。通常ならここで諦めて撤収するのですが、「幼虫の活動は夕刻から活発化する」との図鑑記載事項がふと頭によぎり、午後5時まで粘ってみました。それでも結果は坊主でした。探索したクヌギは恐らく15本を超えていたでしょう。ひどくガッカリしましたが、探索の過程で、クヌギの樹肌、特に樹皮上、縦に裂けた溝中に潜む多くの鱗翅類その他の幼虫が観察できました。今回はその幼虫達のご紹介です。なお蛾類幼虫についてはWEB検索で調べておりますが、同定ミスが多々あるかもしれません。ご指摘頂けると幸いです。

 最初は黄色地に濃紺の斑点が鮮やかなこの子。

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TG2@18mm(トリミング)、ISO=800、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時57分

 サカハチトガリバ(Kurama mirabilis)の終齢幼虫だと思います。春~初夏に発生する年1化のカギバガ科。これだけド派手な配色だと野鳥の餌食にもなりそうですが・・・。お次はシャクガの仲間だと思いますが、同定できませんでした。
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TG2@13.5mm(トリミング)、ISO=200、F13-1/80、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時51分

 三番手に登場するのはマユミトガリバ(Neoploca arctipennis)もしくはホシボシトガリバ(Demopsestis punctigera)の中齢幼虫と思しき個体。
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TG2@13.5mm(トリミング)、ISO=200、F13-1/80、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時51分

 検索補助として「イモムシハンドブック(文一総合出版刊)」を使用しておりますが、終齢幼虫のみ掲載だと初・中齢幼虫の同定が厳しくなるのが難点ですね。四番バッターは擬態の真打とも言うべきこの子。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時17分

 縦溝にピッタリ収まるように静止していて、しかも色合いまで擬態しているかのようです。フユシャクの1種かもしれません。こんな繭(蛹)も見つけました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時58分

 これも縦溝の細長い空間を見事に利用しているものだと思いました。もちろん種類は不明(^^; さて、探索の過程で一番ギョッとさせられたのは、ゼフ終齢幼虫らしい風貌をしたこの子。
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TG2@12.6mm(トリミング)、ISO=100、F11-1/60、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時42分

 実はこれ、鱗翅類の幼虫ではなく、フタスジヒラタアブ(Dasysyrphus bilineatus)の幼虫。よく見ると尾部(左側)にYの字型をした怪しげな外呼吸器官が見えております。通常捕食種はアブラムシのようですが、鱗翅類幼虫も獲物にしているようです。周りは獲物には事欠かないですから、このアブ幼虫にとっては天国のような場所でしょうね。「犠牲者リスト」にクロミドリ幼虫も入っているかもしれません。クヌギの樹皮上にはこれだけ大量の鱗翅類幼虫が暮らしている訳ですから、ヒラタアブ以外の天敵にとっても天国なようで、寄生蜂の繭も、これまた膨大な数を確認できました。
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TG2@18mm(トリミング)、ISO=200、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時49分

 クヌギの大木を見上げると葉の面積はこれら鱗翅類幼虫に食されて1/2程度になっておりました。天敵がいなければ丸坊主にされていたことでしょう。
 クヌギの樹肌上には幼虫だけではなく、蛾の成虫も鎮座しておりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時14分

 コブガの1種でしょうか?これまた凄い擬態の名手で、頭を下にして静止しておりました。不思議なことに本種が集まるご神木があるようで、同じようなクヌギ巨木の中で極限定された株にしか観察できませんでした。

 さて、クロミ幼虫は今回も惨敗で三戦三敗の不名誉な記録を作ってしまいました。しかしゼフの神様(ゼフ:西風の神様だからおかしな表現ですが)は管理人を見捨ててはいなかったようです。この日、クヌギ樹皮縦溝から思わぬ「お宝」を掘り出しました。
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TG2@18mm(トリミング)-gy8、ISO=800、F18-1/100、+1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時43分

 ウラミスジシジミの老熟幼虫でした。体長は17mm。独特な形態と色彩から直感。クヌギの幹の太さは50cmを超す巨木で、地上高1m。西南向きで、↑の魚露目画像から理解できるようにやや暗い環境でした。管理人にとって本種幼虫を野外で発見するのはもちろんこれが初めて。ウラミスジの終齢幼虫は蛹化準備のため、このような樹皮上の溝を選ぶか、あるいは自ら溝を掘って前蛹になるのだそうです。85mmマクロでも撮影。
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D71K-85VR(トリミング+5コマ深度合成)、ISO=400、F11-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時56分

 ウラミスジ終齢幼虫の地色は本来鮮やかな緑色を呈するのですが、既に褐色を帯びております。前蛹では恐らく他のゼフ同様、ピンク色を帯びるのでしょう。クロミドリ幼虫については個体数が多いポイント故、この後3シーズンほど探索をすれば、いずれ発見できることでしょう。しかし、クロミに比較して圧倒的に個体数の少ないウラミスジ幼虫、それも樹皮に降下してきた老熟幼虫は今後いくら努力しても発見できないことでしょう。今回、クロミ幼虫発見の運はなかったものの、ウラミスジ幼虫を見出す幸運に恵まれて、ヤレヤレでした。

 クヌギの樹肌以外にもウメをチェックしてオオミスジ終齢幼虫も探しましたが、こちらも坊主。エノキからはヒオドシチョウ、テングチョウ、オオムラサキの終齢幼虫を見出しました。オオムラサキの5齢幼虫画像のみ貼っておきましょう。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時40分

 今年も沢山の成虫を観察できるといいですね。
 都合7時間に及ぶ探索のストーリー、最後までお読み下さり有難うございました。
by fanseab | 2014-05-19 21:56 | | Comments(6)

コジャノメ第1化とアカタテハ産卵(5月中旬)

 ウスバシロ産卵撮影に集中していた日、現地でお会いしたMさんがコジャノメ第1化を見つけてくれました。喜んで撮影。ド完品の♂でした。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR、ISO=400、F7.1-1/200、-0.7EV、撮影時刻:14時01分

 相当敏感な対象ですね。ちょっとしたショックで飛び去り、すぐに葉上に止まってくれます。紫色を帯びた裏面白帯を表現したくて、ストロボ光を使用しますが、発光の瞬間に飛び立ってしまいます。それでも数回トライするうち、ストロボ光に慣れたのか、じっとしてくれるようになりました。
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D71K-85VR、ISO=400、F7.1-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時02分

 ほぼ目論見通りの色合いが出せたと思います。ヒメジャノメに先んじて本種が出始めると、本当に初夏を感じさせてくれます。コジャノメはどこでも撮影できる対象ではありません。次回は♀の産卵を狙いたいところです。
 さて、明るい草地ではウスバシロに混じってアカタテハ♀も産卵に忙しく飛び回っておりました。本種産卵シーンは既に撮影済でしたが、葉被りの酷い画像だったので、「ここはリベンジしたる!」と張り切って♀を追跡。何とか腹端まで写った画像をゲットできました。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時33分

 また、通常とは異なり、葉裏に産卵する場面も撮影できました。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時30分

 葉裏産卵シーン撮影はこれが初めてです。ようやく満足のいくアカタテハ産卵シーン画像が撮れてホッといたしました。
by fanseab | 2014-05-17 22:41 | | Comments(4)

ウスバシロチョウの産卵・交尾など(5月中旬)

 ウスバシロの産卵狙いで、東京都下の谷戸へ出撃。ゴールデンウイーク前半戦から既に♂が飛び始めていることは確認済ですので、♀狙いには丁度良いとの判断です。現地に出向くとムチャ多数の♂が飛翔しております。昨年は個体数が激減していたので、心配しておりましたが、ここ数年で最も豊作の年と思われ、一安心。♂は見向きもしないで、ひたすら♀探索。原則、白色鱗粉少な目が♀の特徴ですが、中には♂同様白い個体もいて、騙されます。ようやく黄色味を帯びた♀を発見。フワフワ飛びながら、突然ストンと落ちるように草叢に降下します。これが産卵行動開始のシグナルです。落下後、ガサゴソ草叢の中を動き回り、枯葉や枯茎の類を見つけると前脚で確認作業を行っていきます。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時28分

 残念ながらこの枯葉は好みでないようで、パスしていきました。その直後、今度は草丈の高い草本(恐らくキンポウゲ科のタガラシ)の根際に潜り込み産卵です!
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時30分

 しかし、露出を間違え大幅アンダー。おまけに葉被りで酷い画像ですが、腹部を曲げている産卵ポーズが何とか写せた証拠画像です(^^; 産卵場所の全景がこちら。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/800、-0.7EV、撮影時刻:10時28分

 矢印で示した根際の枯れたスギの蕾上に3卵産んでおりました。卵の拡大像も撮影。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段のみ2コマ深度合成)、ISO=640、F20-1/125、LEDライト、撮影時刻:13時46分

 照明方法の差でかなり様相が異なるものの、表面は他のアゲハチョウとはまるで異なり、シジミチョウの卵を連想させる細かな表面模様が特徴的です。直径も1.51mmで、ナガサキアゲハと同等の巨大なサイズ。なお、この撮影はミラーレス用に新たにレンズ系を改良した超拡大撮影システムを用いました。手法の詳細は別途記事でご紹介したいと思います。産卵直後はピンク色で、直ぐにご覧のようなクリーム色に変化します。更に時間が経過すると白色に変わり、越冬状態でも同じ色相のはずです。

 この後、2時間近く♀を追跡しました。しかし、草叢に潜入するシーンは目撃するものの、肝心の産卵挙動には至らないケースのみで、結局↑の画像以外は撮影できませんでした。とにかく産卵場所として日陰を好むのと、草叢に潜入する産卵スタイルなので、撮影はアゲハチョウ科の中でも極めて難しい部類に属すると思います。いずれ再撮影にチャレンジしなければなりません。同じParnassiusでも大雪山で観察したウスバキチョウは燦々と陽が降り注ぐ露岩上に産み付けるので、よほど撮影は楽だと思いました。
※以前撮影に成功したウスバシロ♀の産卵シーンは こちら(外部リンク)

 ♀を追跡しながら、♂の飛翔も撮影。風薫る五月晴れの空の下、フワフワ飛ぶウスバシロは無性に飛翔を撮りたくなる対象ですね。
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GX7-10.5(ノートリ)、ISO=200、F4.5-1/3200、撮影時刻:10時14分
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GX7-10.5(トリミング)、ISO=200、F5.6-1/3200、撮影時刻:10時14分
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GX7-10.5(トリミング)、ISO=200、F5.6-1/3200、撮影時刻:10時20分

 いずれも40コマ/秒連射によるもので、操作法にも慣れてきたので、戦力になってきました。1枚目のようにノートリで撮影できれば画質はなかなかのものです。3枚目は♀の飛翔。♀の飛翔画像はこれまでの画像ストックの中になかったので、これは嬉しい絵になりました。定番のハルジオン吸蜜シーンも撮影。
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D71K-85VR、ISO=200、F8-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:11時24分

 さて、♀を追跡中、フト地面を見るとバタバタしているウスバシロを発見。団子状態になっている求愛中の2頭の♂と♀(中央左上)でした。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時36分

 そのうち、1頭の♂は諦めて飛び去り、交尾成立。♂がバルバを引っ掛ける直前のシーンです。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時36分

 交尾中の姿(上が♀)をTG2に魚露目を付けて撮影。
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TG2@18mm-gy8、ISO=400、F18-1/100、内蔵ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:13時12分

 他のブログ仲間の画像から期待しておりましたが、魚露目との相性は良好のようです。♀の左後翅には赤褐色の小斑点が付いております。恐らく羽化後に放つ赤褐色の蛹便が付着したのでしょう。羽化直に♂に襲われてもがいている最中に蛹便が翅を汚したと推察されます。読者の方はご存知の通り、ウスバシロの♀腹端には交尾後、♂の分泌物質により交尾栓(スフラギス)が形成されます。ここで交尾後36分および99分後の結合部(下が♂)を比較してみました。
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D71K-85VR(トリミング+画像合成)、ISO=400、F8~11-1/320~1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時12分および14時15分

 36分後には何もついておりません。交尾時間が2時間だとして、後半戦から♂が分泌を始めるのでしょうか?次回チャンスがあればスフラギス形成の詳細過程を連続撮影したいものです。ご覧のようにスフラギスは形成直後、半透明の寒天細工のような風合いをしております。これが継時的に白色→褐色→黒色に変化していくのですね。スフラギスがほぼ白色の個体も追跡しましたが、産卵挙動を行ったものは皆無でした。ある程度スフラギスが黒化した個体でないと、産卵行動をスタートできないのかもしれません。なお、この日、現地では保全協会でお馴染みの撮影仲間、Mさんも訪問されておりました。時間の経過も忘れてMさんと蝶談義をしながらの撮影を楽しみました。
by fanseab | 2014-05-14 21:46 | | Comments(4)

和歌山のクロツバメシジミ(5月上旬)

 ゴールデンウイークの最終盤は久しぶりに和歌山県でクロツ探索。全部で5箇所のポイント(各々A,B,C.D,Eと表記)で確認を行いました。最初にAポイントへ。ここは数年前に新たに発生が確認された場所。ツメレンゲの状況はまあまあですが、成虫が飛んでおりません。ヤマトシジミも飛んでいないので、低温の影響でしょうか?未発生かどうかはイマイチ不明確です。次いでB,Cポイントへ。ここは古民家の屋根瓦に着生したツメレンゲが発生環境になっております。前日の雨の影響か、気温が低く、ここでも観察に失敗。古民家の屋根瓦も最新の瓦に葺き替えられたり、更地になったりで、環境は悪化していることは事実ですが、消滅したかはわかりません。次いでDポイントへ。ここは10年前に訪問した超有名ポイント。ツメレンゲの状態はさほど悪化しておりませんが、ここでも蝶影なし。4戦4敗だと流石に焦ってきます。願掛けをしながら最後のEポイントへ向かいます。お昼過ぎから気温がようやく上昇してきて期待が持てます。こちらの願いが通じたのか、やっと1頭の♀が登場。結局1時間以上みっちり探索して2♀を確認。ここも状況は厳しい感じ。しかもここは放蝶の疑いのある場所なので、少し複雑な気持ちで撮影を実施。先ずは開翅。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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GX7-Z60、ISO=400、F6.3-1/640、-0.7EV、撮影時刻:12時55分

 縁毛も揃った綺麗な個体です。少し接近して横向きで撮影。
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GX7-Z60、ISO=200、F6.3-1/320、-0.7EV、撮影時刻:12時58分

 遠目には完品に見えてもドアップにすると、小さな傷が目立つのが、クロツ撮影の難しさですね。続いて丁度満開になっていたタイトゴメの黄色い花をバックに撮影。
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GX7-Z60、ISO=400、F3.5-1/125、+0.3EV、撮影時刻:13時19分

 ズイコーマクロのボケ味を活かして、開放気味で狙ってみました。意図通りの絵が得られて満足しております。続いて産卵。
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GX7-Z60(トリミング)、ISO=400、F8-1/500、-0.7EV、撮影時刻:12時28分
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GX7-Z60(トリミング)、ISO=400、F7.1-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:12時37分

 崖地なので、頭上のツメレンゲ方向に腕を伸ばし、液晶画面を遠く眺めながらの厳しい撮影状況でした。急傾斜の環境だけにリスクを冒しての卵の確認・拡大撮影は中止。
 冒頭、「ここは放蝶の疑いあり」と述べましたが、同じ和歌山県産の移植なら、まぁ、許されるかもしれません。そこで、Eポイントから比較的距離の近いDポイントで、管理人が2004年に撮影した個体と裏面の斑点比較を行ってみました。
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 管理人はクロツの地域毎の斑紋特徴(広義の亜種、shojiiの地域個体群毎の変異)にそれほど詳しくはありませんが、この3個体を見る限り斑紋の特徴はまずまず一致していて、仮にEポイント撮影品が放蝶由来個体だとしても和歌山県内からの移植品の可能性が高いのかもしれません。

 海沿いの長閑な街並みを歩きながらのクロツ探索は、心を穏やかにしてくれました。
by fanseab | 2014-05-12 23:25 | | Comments(4)

ギンイチとミヤマチャバネセセリの産卵

 ゴールデンウイーク期間中は信州でのLuehdorfia撮影をキッパリ諦めて、ひたすら多摩川縁でギンイチモンジセセリの産卵シーン撮影に注力していました。都合、3日ほど追いかけ回しましたが、例によって相当苦労しました。例年、ギンイチは4月中旬から発生しているので、既に♂はボロ状態。♀も同様でした。そんな中、何とかピカピカの♀を発見。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34、ISO=200、F7.1-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:9時58分(5月上旬)

 この♀を追跡しようと待機しておりましたが、♂に追撃された瞬間、居場所を見失ってしまいました(嗚呼!)。仕方なく、別の♀を探索。ややあって、産卵挙動中のボロ♀を発見。何とか現場を仕留めました。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時09分(5月上旬)

 昨年も第1化品の産卵シーンをゲットしておりますが、翅の向きが酷く、今回ようやく翅面が横向きで撮ることに成功。ただ、欲を言えば、もう少し左側に寄って、腹端と葉が接している場面を撮りたかったです。この後、複数回産卵シーンを目撃するのですが、オートフォーカスが迷ったり、完全葉被り状態になったりで、結局追加撮影はできませんでした。春先のギンイチは産卵位置が低めなので、本当に難しいと感じます。別の♀個体が産んだ卵の拡大像です。
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TG2@18mm(トリミング)、ISO=400、F4.9-1/400、撮影時刻:11時49分(5月上旬)

 産卵位置は地上高20cm程度。 ボロ♂を単独で撮るのも寂しいので、吸蜜シーンのみ狙って撮影。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時12分(4月下旬)
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D71K-34、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時25分(5月上旬)

 吸蜜源はそれぞれ、カタバミとアメリカフウロだと思います。僅かに羽化不全なるも結構新鮮な♂を偶然見つけたので、パスト連射風飛翔撮影にトライ。
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GX7-10.5、ISO=640、F3.5-1/4000、撮影時刻:11時42分(4月下旬)

 この場面、蝶を画面左中央下に配置し、左側から刺激を与え、前方に飛び立ったギンイチを画面中央に捉える作戦で、画面中央に置きピンして撮影しております。ところがギンイチは静止位置からほぼ垂直に飛び上がり、のけ反るような恰好で、画面左側に逃げていきました。自発的に飛び出す場合と撮影者が意図的に刺激を加えて驚かして飛ぶ場合とでは、飛翔モードが異なっております。これは先日、ダンダラさんからコメントを頂いた通りで、自然な画像ではありません。ただ、40コマ/秒高速連射のお蔭で、普段観察できないギンイチ前翅裏面の黒色部分が強調された飛翔画像が撮れました。後翅裏面の「銀一文字」模様と対照的な前翅裏面が対比される絵が撮れて、これはこれで満足しております。また、パスト連射方式だと、画像トリミングが不要なので、APS-C一眼と同レベルのシャープな画像も魅力です。なお、今回はデジ一広角飛翔でかつて多用したニコンの10.5mm対角魚眼を使用しました。MFT(マイクロフォーサーズ)用の広角レンズは残念な事に距離目盛がありません。従って置きピン操作が大変煩雑になります。GX7の場合、フォーカスモードをAF→MFに切り替え、レンズの距離環を廻すと簡易距離表示バーがEVF内に出ます。距離環を廻して置きピン位置相当位置に固定し、飛翔撮影をします。ところが、電源を切ると、置きピン設定がリセットされてしまうので、撮影の度毎に置きピン設定を繰りかえす必要があり、実用的ではありません。結局、距離目盛環付のAPS-C用広角レンズを使用せざるを得ないのですが、センサーサイズが小さいこともあって、広角飛翔撮影に最適な焦点距離を有するレンズは意外とありません。10.5mmの場合は、フィルム換算21mmになるので、飛翔用広角レンズとしては結構使い道が広いように思いました。

 ギンイチと並んでこの時期、多摩川縁にはミヤマチャバネセセリ第1化も出現します。例年ギンイチよりは発生時期がやや遅れるので、こちらは比較的新鮮な個体に恵まれました。先ずは。テリ張りする♂。
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D71K-34、ISO=400、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時33分(5月上旬)

 嬉しいことにギンイチ♀を探索中、偶然、ミヤチャ♀の産卵シーンに遭遇。何とか撮影に成功!
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時12分(5月上旬)

 産卵状況です。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時13分(5月上旬)

 オギ群落の縁にある葉裏に産んでいました。葉の中央部でなく、縁に産むのがミヤチャの特徴。地上高は85cm。最近、ブログ仲間のBANYANさん(外部リンクもミヤチャ♀第1化産卵シーン撮影に成功されています。こちらの産卵時刻は12時半頃だったようです。管理人が昨年9月上旬に第3化個体の産卵シーンを観察・撮影した時は15時前後でした。ゴールデンウイークの頃は午後風が強くなるとか、雲が拡がることも多く、気温の関係で、産卵時間帯が前ズレするのかもしれません。ギンイチと異なり、ミヤチャは産卵位置が高く、ホバリングしながら産卵する葉を決定すると、特別身動きもせず産卵します。しかも産卵時間はギンイチよりもやや長め。一方、個体数は圧倒的にミヤチャが少ないので、第1化ミヤチャの産卵シーンに遭遇するのは至難の業です。従って、運よくミヤチャ産卵シーンに出会えれば、撮影はミヤチャの方が楽だと思います。ミヤチャが産卵しそうな株を求めて暫く探索し、別のオギ葉上の卵を発見。
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TG2@8.9mm、ISO=400、F13-1/500、-0.7EV、撮影時刻:12時37分(5月上旬):囲み内はD71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時33分(5月上旬)

 こちらは地上高60cm。一般的にミヤチャはオギの孤立株に産むことが多いのですが、ここは群落の中心にありました。ミヤチャの卵は白くてデカく、目線の高い位置に産まれているので、このように卵単独での探索でも何とか発見可能です。一方、ギンイチは先に述べたように産卵位置が根際に近いので、産卵現場を「現行犯逮捕」する以外、卵を見出すのは困難ですね。ギンイチ産卵を3日間かけて追い回した結果、副産物のミヤチャ産卵シーンも幸運にもゲットできて、私的には将に「ゴールデン」ウイークになりました。
by fanseab | 2014-05-10 21:24 | | Comments(6)

キアゲハとアカタテハの産卵(4月下旬)

 スジグロシロチョウの撮影目的で訪問した東京都下の谷戸で、首題2種♀の産卵シーンを目撃。キアゲハは10時過ぎから既に産卵態勢に入っておりました。セリ類の若葉に産み付けようとしますが、好みの葉がないと見え、産卵撮影のチャンスが意外とありません。次のカットが精一杯でした。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/800、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時07分
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D71K-34、ISO=400、F11-1/800、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時03分

 2枚目は右前翅端がフレームアウト(^^; 腹端の葉被りがどうしても解消できませんね。丁度、近所のおばさん達が山菜取りで谷戸に入っておりました。彼女達もセリ摘みが目的の一つだったようです。人間から見れば美味しそうなセリの若葉は豊富にあるのですけど、キアゲハ母蝶にとっては、殆どの株は我が子を産み落とすには不合格と考えているのでしょう。産みそうで産まない・・・・。イライラして諦めかけてカメラを収納すると、突然産んだりするものですから困ります。

 一方アカタテハの産卵もこの時期よく目撃します。主なホストである、カラムシを探して地表スレスレを滑空しておりました。アカタテハ産卵も葉被りしやすい撮影対象ですけど、今回も悲しいかな葉被り(^^;
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D71K-34、ISO=400、F11-1/800、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時13分

 産み付けられた卵を今シーズン新規導入したコンデジ、TG2のスーパーマクロモードで撮影。
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TG2@18mm(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/640、-0.7EV、撮影時刻:12時21分

 このコンデジ、噂に違わぬ実力の持ち主でした。
さて、今シーズンも種類によらず産卵シーン撮影に拘る予定で、今回何とか2種をゲット。実は4月中~下旬はミヤマセセリの産卵シーン探索に拘っておりましたが、こちらは失敗。そもそも産卵シーンの目撃すら叶いませんでした。少し標高を上げれば未だ間に合うかもしれませんが、正直、来年春までの課題になりそうです。
by fanseab | 2014-05-08 20:30 | | Comments(0)

初めてのミラーレス

 管理人も最近、寄る年波?の影響か、首から下げるデジ一の重さが気になり始めております。主力機種としてワーキングディスタンスが長くて便利な300mmレンズを多用し、かつ、手振れ防止のためストロボを多用するため、一眼ボディ+レンズ+外部ストロボを装着した合計重量は2.5kgにもなります。首や肩が凝って当然ですね。国内はもとより海外遠征では、航空機内に持ち込む重量制限の関係からも、この重さ(容量)は悩みの種でした。
 解決手段として小さくて軽いミラーレス導入を当然考えていたのですが、様々な機種に目移りして導入を見送ってきました。ところが最近、身近なブログ仲間の方も相次いでミラーレス、特にマイクロフォーサーズ(以下MFT)機を導入される方が増え、記事で拝見するMFT撮影画像の画質も素晴らしいので、管理人も重量苦から逃れるため、この度、パナソニック社製MFT、GX7を導入いたしました。中望遠マクロを装着した状態で、現在の主力機D7100とサイズの比較をしてみました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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TG-2で撮影

 ミラーボックスが無い分、本当にボディが薄く、コンデジの感覚で持ち運びできます。

(1)GX7購入の理由
 現在、ブログ仲間の多くの方がオリンパス製OM-D E-M1を使用されています。防塵防滴仕様でかつ5軸手振れ補正は大変魅力的です。しかし、OM-Dシリーズ発売当初から家電量販店頭でカメラを手にした時、グリップに違和感を覚えました。右手にしっとりと馴染まないのです。理由は簡単で銀塩時代のOMシリーズのデザインに固執しており、右手グリップ部分が多角形状のため、右手から滑り落ちるような不安感が拭えないのです。左手部分の感触も同様で、構えた時の安定感に欠けるものでした。一方、パナソニック社のGHシリーズは発売当初から、手に馴染むグリップ形状で好感を持てましたが、いかんせん、デジ一とさほど変わらない容量のため、またボディ内手振れ補正機構がないこともあって、これも購入を見送ってきました。ところが昨年9月に登場したGX7は何より右手グリップがしっくり来るし、電子ビューファインダー(以下EVFと略)もアングル変更可能、更には待望のボディ内手振れ補正機構もついたので、即購入としました。更には近い将来使用予定のフルハイビジョン動画記録においても60fps(毎秒60フレームでの記録可能)の仕様も魅力的でした。

(2)GX7の使用感
 まだフィールド投入後、一ケ月が経過しただけですが、使用感を述べてみたいと思います。
①解像感
 一言で言えば、現在メイン機種にしているAPS-Cデジ一よりは劣り、MFTをメイン機種に据えることはできません。現状ではあくまで「サブ機種」的扱いです。最初に神奈川でギフを撮影した際、パソコン上でRAW画像を見た時は結構綺麗だな?と思いました。しかしピクセル等倍レベルまで拡大すると、精細度に差があることがわかりガッカリしました。もちろん、ブログ等のWeb上で公開する程度の画像サイズであれば有意差が出ないでしょう。公表されているセンサー仕様から割り出したGX-7のセンサー面積当たり画素数は70386画素/mm2。一方、現在管理人の主力機としているD7100は64378画素/mm2。数値から見れば、GX7がより精細度に勝る画像を叩き出すはずですが、そうではありません。ローパスフィルター有無も含め、解像度の優劣支配因子は複雑なのですね。また、これまで使用してきたリコー社コンデジ:GX-Rと比較すると解像度は圧倒的にGX7の勝ちです。
②ティルト機構付EVF
 地面スレスレにボディを置いての撮影に威力を発揮することを期待しております。ただ広角レンズでEVFを垂直に立ててトライしたところ、順光条件では管理人の頭の影が撮影対象に被ってしまうので、望遠マクロ用として有用と思われます。広角撮影では、EVF同様ティルト可能な液晶モニターを活用すべきなのでしょう。また、フィールドで無理な態勢を強いられることの多い、卵の超拡大撮影時にEVFのティルト機構が役に立つものと期待しております。一つ問題なのは、折角のティルト機構が外部ストロボを装着すると死んでしまうこと。下図をご覧下さい。
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TG-2で撮影

 EVF、外部ストロボ装着用ホットシュー、それに内蔵ストロボはご覧のようにほぼ隙間が無いほど高密度実装がされております。この影響で、外部ストロボを装着すると、同ストロボのロック用ネジが干渉してEVFを可動できません。EVFティルト状態でのストロボ光照射は、内蔵ストロボの使用が前提になります。試しに卵の接写で複数回内蔵ストロボをトライしたのですが、電池の消耗が著しく実用的ではありませんでした。裏ワザとして、内蔵ストロボを発光させず、トリガー用信号(赤外光)のみ発光させて、外部ストロボをスレーブ発光させるしか手はなさそうです。GX7のボディを僅か5mm拡大すれば、EVFとホットシューの間隔が拡がり、外部ストロボとEVFの干渉は避けられたはずです。GX7の設計開発者は恐らく外部ストロボの使用経験の無い方だったのでしょうね。
③連射機能
 フォーカルプレーンシャッター使用時はたかだか5コマ/秒で、D7100の6コマ/秒にも劣ります。しかし、ミラーレス機の特徴である、電子シャッターを使用すると、事情は一変します。何と最大40コマ/秒での連射が可能です(画質はJPEG、持続時間は2秒に制限される)。メカシャッターでの連射音はよく「バシャバシャ・・・」と比喩されますが、40コマ/秒撮影時はボディが「ガーッ」と唸り声を上げるイメージです。新潟で60mmマクロレンズを用いて40コマ/秒連射した時のギフチョウの飛翔画像例です。
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GX7-Z60、ISO=400、F2.8-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時53分(4月中旬)

 飛翔画像の常として、画面に入る確率は低いのですが、一旦、画面内に入ればしめたもの。連続して10枚以上はOKコマが得られることも多いのです。ただ、トリミングも必須ですので、画質の劣化はD7100よりも深刻です。ミヤマセセリの飛翔シーンで比較例をご覧下さい。
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GX7-20(トリミング)、ISO=800、F3.5-1/4000、撮影時刻:10時25分(4月中旬)
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D71K-20(トリミング)、ISO=640、F4.5-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時47分(4月中旬)

 20mmレンズは(ニコンF/G-MFT)変換アダプターを装着してGX7に取り付けております。ピクセル等倍で確認すると、明らかにミヤマの解像度はD7100が優っております。MFTで過酷なトリミングをすれば画像は酷いものになりますので、トリミング量が少なくなるよう工夫すれば、かなりの戦力になると期待できます。因みに同じ電子シャッターでの連射機能を他社品と比較してみました。
パナソニック GX7 40コマ/秒
++++++++++++++++++
カシオ社   EX-10   30  〃
ニコン社   1V2/V3   60 〃
オリンパス社 OM-D   電子シャッターでの連射機能無し?

 1V2(V3)には負けておりますが、パスト連射で有名なカシオの最新機種:30コマ/秒より優っております。この機能を用い、シャッターを押してから2秒以内に蝶を飛び立たせれば、パスト連射と同じ画像が撮れる筈です。実際の検証例をご紹介します。ジャコウアゲハ♂とベニシジミ♂の事例です。
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GX7-P14、ISO=640、F4-1/4000、撮影時刻:14時36分(4月下旬)
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GX7-P14、ISO=640、F4-1/4000、撮影時刻:14時58分(4月下旬)

 パスト連射機能目的だけのコンデジとしてカシオを買う気がしなかったので、GX7の連射機能を知って、少し得をした気分でした(^^)

④ホワイトバランス
 一つ感心したのがホワイトバランスです。ニコンは伝統的に癖のある発色をします。RAWで撮影しても黄緑色のカブリが出るので、RAW現像の際、必ず色温度を低温度側にシフトする作業が必要でした。ところがGX7の発色は大変自然で、RAW撮って出しのJPEG画像でそのまま使えるのは大変有難い点です。
⑤電池の持ち
 正直、持ちは悪いです。特に内蔵ストロボを頻繁に使用するとあっという間に電池レベルが下がって焦ります。ただ最低レベル(レベル1)に到達してから意外と持つ感じですが、サブ電池は2-3個準備せねばならないと覚悟しました。EVFや液晶の消費電力がバカにならないのでしょうね。

 以上ざっと、使用感を述べてみました。今後、GX7を使いこなしていく過程で、色々とレポートしていきたいと思います。
by fanseab | 2014-05-02 22:36 | 機材 | Comments(6)