探蝶逍遥記

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ムラサキツバメ越冬集団(11月下旬)

 例年通り、この時期は首題集団の探索が楽しみです。昨年は不調に終わり、ビワ葉上の
4頭集団を見出したのが精一杯(外部リンク)
でした。今年は何とか10頭以上の集団発見を目標に、神奈川県湘南地域の某谷戸に出向きました。ここは実は昨年も訪問したのですが、坊主。あまり期待せずに出かけてみました。ノンビリ出動で、現地正午着。この時間帯は塒から三々五々飛び出しているはずで、果たしてカシ類やシュロ等の梢上をビュンビュン飛んでいます。飛翔している個体数は昨年より明らかに多く期待が持てます。塒に戻るであろう時間帯まで少し時間があるので、その間、ムラシの塒探しで暇潰し。枯葉にかくれんぼした個体を発見する「鬼ごっこ遊び」です。管理人が勝手にルールを作り、「2頭発見したら管理人の勝ち」として、さぁ、ゲームスタート! ほぼ2分で最初の個体見っけ!

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D71K-34、ISO=400、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時58分

 蜘蛛の巣に絡まった複数の枯葉に潜む典型的なパターンです。ムラツが活発に活動する時間帯なのに、ムラシは既に活動を終了しているのが興味深いですね。2頭目はちょっと苦労しましたが、首尾よく発見。このゲーム、管理人の勝ち(笑)
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GXR@5.1mm、ISO=320、F2.9-1/125、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時04分

 こちらは葉の途中から変色した部分に鎮座している個体。ちょうどルーミスの越冬個体が好むような半枯葉の上です。
 さて、ムラツの方ですが、梢のかなり高い場所を飛び回っていた個体も徐々に低空飛行に変わり、目線より低い場所で開翅するチャンスも増えました。♂が意外に多かったので、♂に狙いを絞り、何とか♂本来の深みのあるブルーが表現できました。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、撮影時刻:12時36分

 実はこれまで♂翅表の色相表現には相当悩んでおりました。原因の一つがRAW現像で見たままの色合いを再現できないこと。本件で以前、ブログ仲間のze_phさん(外部リンクに相談したことがあり、現像ソフト:Photoshop Lightroomを使用するテクニックをご教示頂いておりました。今回、初めてLightroomで現像し、かなり記憶色に近い色相が再現できたような気がします。参考までに普段使用しているソフト:SILKYPIX Developerとの現像結果との比較をご覧にいれます。
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 SILKYPIXではファインカラーコントロール機能を駆使してもムラツ翅表の紫色が「赤紫色」にカブってしまい、見た目の「青紫色」にならないのです。以前、ダンダラさん(外部リンクにお伺いした際、NIKONデジ一では「RAWではなく、JPEG撮って出しで撮影するとムラツの色調再現性が良い」とのことでした。RAW現像ソフトのアルゴリズム上、色調表現の得手不得手がどうもあるようです。また♂同様、♀の紫色表現も意外と難しいのですが、今回はSILKYPIX使用でも、まずまずの色合いが再現できました。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時02分

 この♀個体は前翅の紫色部分の面積が比較的小さく、却ってエレガントな印象で、好ましい印象を受けました。
 さて、13時過ぎになって、そろそろ塒に集まり始めている頃だろうと推測し、ウロチョロすると、アジサイの葉上で8頭集団を発見。有難いことに目線の高さ。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時23分

 広角でも撮影。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F6.5-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時47分

 アジサイの葉はもちろん落葉しますので、一時的な塒でしょう。恐らく近くにある常緑のアオキの葉あたりに塒を移動するものと思われます。現地では複数のカメラマンの方にお会いしました。特に現地のムラツを詳しく観察されているNさんから別ポイントを紹介頂いたので、そちらに移動。と言ってもピンポイント情報ではないので、40分程探索に要しました。それでも何とか執念で集団を発見。嬉しいことに12頭集団! 目的の二桁集団ゲットです。やった~! 高さ4mほどのマテバシイの葉が塒。先ずは300mmで見上げる角度でパチリ。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時58分

 正確には11頭と隣の葉に1頭が集まっています。これだけ集まるとすぐに個体数が勘定できない嬉しさがありますね。広角も撮影すべくコンデジを一脚に取り付け、慣れないインターバル撮影。石垣に登り、手を目一杯伸ばしてやっと届く高さ故、さんざん苦労してやっと望みの一枚をゲット。
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GXR@5.1mm、ISO=400、F5.1-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:15時35分

 もたもた撮影している内に手前の1頭がどこかに飛んでいってしまったようです。このポイントはマテバシイの植栽密度がかなり高いので、恐らく今回見出した集団以外にも複数の集団が存在している可能性を感じました。なにはともあれ念願の2桁集団を発見し、満足して帰宅できました。今回貴重な情報をご提供頂いたNさんには、この場を借りて厚く御礼申し上げます。また、かなりマニアックなRAW現像ノウハウをご教示頂いたze_phさんにも御礼申し上げます。
by fanseab | 2013-11-26 20:33 | | Comments(8)

ヤマキマダラヒカゲ房総半島産亜種の飼育メモ(蛹化まで)

 9月中旬に首題ヒカゲ(Neope niphonica kiyosumiensis)の産卵現場を観察(外部リンク)し、その際産まれた虎の子の1卵を拙宅に持ち帰り、飼育を行ってきました。その後無事蛹化いたしましたので、記録がてらご紹介することにします。孵化は9月18日。初齢幼虫の姿です。

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D71K-85VR(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月18日

 体長は4mm。体色は淡いベージュ。摂食すると緑色に変化します。2日後の姿です。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月20日

 食痕もご紹介します。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月20日

 サトキマ初齢幼虫が集団で摂食する際、ネザサの先端部より食い始めるのに対し、この子は中齢幼虫と同様に縁から食べています。9月23日に眠に入り、25日に2齢になりました。
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D71K-85VR(トリミング+上段のみ3コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:9月25日

 体色が淡褐色に変化し、ジャノメの幼虫らしく頭部と尾部に一対の突起が出ました。体長は6.5mm。29日に眠、翌30日に3齢に。
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D71K-85VR(トリミング+上段4コマ/下段3コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月3日

 体長は15.5mmまで成長。Neope属らしい幼虫の姿になりました。後で詳細を述べますが、この時点で房総半島産ヤマキマの特徴である、背線に破線状濃淡が付くパターンが出現。なお、「ヤマキマ幼虫は暑さに大変弱い」との報告があったので、3齢頃までは飼育プラケースを夜間のみ屋外に放置し、朝方回収して部屋内再保管するよう、一手間かけてみました。10月4日に眠、翌5日に4齢に成長。
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D71K-85VR(トリミング+上段4コマ/下段3コマ深度合成)、ISO=400/200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月8日/9日

 撮影日の時点で体長は19mm。体色、斑紋は3齢とさほど変化はありません。10日に眠、翌11日に5齢(終齢)に到達。
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D71K-85VR(トリミング+上段4コマ/下段3コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月21日

 体長は33mm。4齢に比較して斑紋が淡くなりました。サトキマ同様メタボ体型なのですが、サトと比較するとややスリムな印象です。ここで、3齢以降に明確になるサト/房総半島産ヤマの斑紋比較をしておきましょう。アップした画像は4齢での比較。
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 先に触れたように、房総半島産ヤマは背面中央を走る背線(A)が濃淡の強弱が付いて、断続的になること。特に第4腹節あたりの黒点が目立ちます。一方、サトは背線がほぼ連続しています。次に背線のすぐ両脇を断続的に走る亜背線(B)がサトでは明確ですが、房総半島産ヤマでは拡散して不明確になります。それと体色が全般にヤマは淡い印象です。もちろん、房総半島産でも個体変異があることは当然ですが、静岡、山梨、栃木、鹿児島産ヤマキマ幼虫(いずれも名義タイプ亜種)には出現しない形質のようです(※)。
※高橋真弓、蝶と蛾、38(4):251-258、1987

 さて、ここで各齢幼虫頭部の形状・斑紋変化をまとめてご紹介しましょう。撮影倍率は一定になるよう調整しております。
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 いわゆる「猫顔」になるのは2-3齢の期間だけで、「耳」が完全に消失してしまう5齢は何とも味気ない姿になります。個人的に一番可愛さがあるのは2齢だと思っておりますが、皆様は如何でしょうか? その後、5齢幼虫は順調に発育し、10月25日に前蛹になりました。
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D71K-85VR(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月25日

 体長は19.5mm。ネザサの葉裏ではなくプラケースの壁面から垂下しました。尾鉤の発達が弱いので、蛹化時に脱落することが心配でしたが、無事27日に蛹化いたしました。
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D71K-85VR(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月18日

 体長は15mm。昨年飼育したサトキマ蛹よりは少し小さ目。ヤマキマ蛹は「翅面の黒班が全般に明確にならない」特徴があるようですが、サトキマ蛹の翅面斑紋も結構個体変異があるので、上記形質はヤマキマ名義タイプ亜種等も飼育して確認してみないと実感できませんね。
 なにはともあれ、虎の子の1頭を飼育し、何とか蛹まで到達しました。サトキマ飼育の経験に倣い、来年春までは室内で保管しようと思っております。無事羽化してくれればいいのですが。。。。

※羽化の記事こちら外部リンク
by fanseab | 2013-11-23 12:48 | | Comments(6)

アイソン&ラブジョイ彗星

 久しぶり天文の話題。今年は大物彗星の当たり年とされていて、3月中旬にはパンスターズ彗星(C/2011 L4)が夕方西の空に姿を現しました。管理人も何とかその姿をカメラに収めることができました(外部リンク。ただ、期待された光度には到達せず、天文ファンをガッカリさせたのでした。でもって、「本命」と目されたのがアイソン彗星(C/2012 S1)です。「世紀の大彗星」になるかもしれない・・・との報道もあって、秘かに期待しておりましたが、10月頃、「予想を下回る光度」との報道もあってヤキモキさせられました。彗星については、「前評判が高すぎると明るくならない」法則があるようで、どうも今回もこの法則に従ったようです。それでも11月中旬になって、急に増光したとのニュースをキャッチし、夜明け前の星空に挑戦しました。撮影地の横須賀市に午前3時前に到着。ガイド撮影のセッティング等をしながら、空の様子をチェック。生憎、月明かり(月齢12.6)が邪魔して暗い星までは観察できません。おまけにアイソン彗星が上がってくる東南東方向は房総半島の町灯りの影響で、低空がかなり明るく気持ちが萎えます。目印になるおとめ座のスピカ(α Vir)が地平線上に上がった頃を見計らい、双眼鏡で捜索。同座θ星(θ Vir)の脇にボンヤリ光る天体を発見。目が慣れると黄道に沿って僅かに尾が伸びている様子も確認できました。85mmマクロで撮影したアイソン彗星です。
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D71K-85VR(トリミング+コンポジット処理)、スカイメモRで自動ガイド、ISO=1600、F3.5-30sec.X5コマ、-0.7EV、撮影時刻:11月16日04時42分49秒(JST)

 やはり双眼鏡観察よりも尾ははっきりと写りました。尾の構造を更に詳細に撮影するべく300mmでもトライしたのですが、恥ずかしながら方向を間違えて撮影に失敗orz  そうこうするうちに天文薄明が始まってしまいジ・エンド。低空・光害・月明かりの悪条件三点セットで撮影難易度は相当高かったですね。この彗星は11月29日に太陽に最接近した後、12月上旬に再度夜明け前の東の空に登場予定です。太陽に接近後、彗星核が分解して大規模な尾が発生することも期待されています、おまけに12月3日が新月ですので、月明かりの心配なくアイソン彗星を観察可能です。今度はもう少し透明度の良い山梨県あたりで観察したいと思っております。
 さて、やや期待外れだったアイソン彗星に対し、期待以上に明るくなったのがラブジョイ彗星(C/2013 R1)です。こちらは11月中旬頃、「こじし座」付近を通過中でして、アイソンに比較して天頂近くに位置するため光害の影響を受けにくいのです。実際、アイソンが地平から上がってくるまでの間、ラブジョイを探索し、こちらはすぐにボーッとした姿を双眼鏡で捉えることができました。アイソン同様、85mmで撮影。
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D71K-85VR(トリミング+コンポジット処理)、スカイメモRで自動ガイド、ISO=1600、F3.5-15sec.X9コマ、-0.7EV、撮影時刻:11月16日03時44分54秒(JST)

 画像を詳細に見ると、僅かに拡散した尾が確認できます。光度は5-6等級で、光害の無い場所なら肉眼でも確認できそうです。
by fanseab | 2013-11-19 21:17 | 天体 | Comments(2)

クモガタヒョウモンの孵化

 先月、クモガタヒョウモンの産卵をご紹介いたしました(外部リンク)。この時、拙宅に持ち帰り保管していた卵が先日無事孵化いたしました。産卵後5日ほど経過すると、黄色を呈していた卵は淡赤褐色に変化し、そのうち精孔部付近に初齢幼虫頭部に相当する黒色領域が出現して参りました。孵化の1週間前の様子です。

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D71K-85VR-24R(トリミング+上段4コマ/下段3コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月3日

 異なるアングルから撮影してみました。そして11月9日に無事孵化しました(孵化の瞬間は残念ながら目撃できず)。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月10日

 体長は約1.7mm。卵殻は全て食べ尽くして跡形も残っておりませんでした。産卵から孵化までは22日要したことになります。文献(※)によれば標準的な卵期のようです。孵化した幼虫は枯葉に付いており、園芸用ビオラ(Viola sp.)の脇に水苔にくるんだ枯葉を置き、屋外越冬させることにしました。越冬成功率は大変低いかもしれず、虎の子の1頭が無事越冬できるか不安ですが、トライしてみることにします。

※参考文献
福田晴夫他、1983、原色日本蝶類生態図鑑(Ⅱ). p.95、保育社、大阪.
by fanseab | 2013-11-13 22:19 | | Comments(6)

ヤマトシジミ・ベニシジミの産卵(11月上旬)

 今シーズンは種類によらず、産卵シーン撮影を重点課題に挙げて取り組んできましたが、流石に11月に入り撮影対象が限定されてきました。ハイシーズン中、後回しにしてきた首題両種について、慌てて撮影にトライ(^^; ヤマトはともかく、ベニシジミはこの時期結構個体数が減っていて♀を見つけて産卵シーン撮影まで手掛けると結構シンドイものがあります。先ずはヤマト。カタバミに潜り込むように産卵するので、概ね次のようなカットにしかなりません。

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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時11分

 複眼・腹端両部分が隠れずに写すのが精一杯になります。それでも何とか粘って葉被りの無い場面をゲットできました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時16分53秒

 産卵直後の画像です。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時16分55秒

 矢印先に卵が見えています。お次は双葉に産んだシーン。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時28分

 この日は陽射しが弱く、最後のカットを撮影した後は急激に気温が下がって母蝶は産卵どころではありませんでした。11月になると、産卵時間帯が夏場に比較してかなり短くなるようです。

 さて、今度はベニシジミ。こちらはヤマト以上にやっかいです。今回撮影した母蝶はスイバに産卵しておりました。同じホストでもギシギシに比較して葉が地面に平行に重畳するため、葉被りの頻度が増し、撮影の難易度はヤマトより遥かに高いです。葉被りを避けるため、必然的に真上から見込むようなアングルでしか撮影できません。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時24分

 ここは茎に産み付けております。ベニシジミは産卵時の前脚連打行動が明確にわかる種ですね。静止画では上手く表現できませんが、前脚連打を行い、触覚を下げながら食草探索を行う様子が観察できます。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時31分

 最後は完璧に腹端が葉被りになったB級ショット。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時35分

 翅面をきちんと表現するアングルからだと、腹端か複眼いずれかが葉被りになってしまうリスクが高いのです。今回は何とかシーズン終盤の「帳尻合わせ」みたいな感覚で撮影を完了しましたが、ベニシジミについてはもう少しまともな画像撮影を来シーズンの課題にしたいと思います。
by fanseab | 2013-11-10 22:08 | | Comments(2)

Hestina属第4化(11月上旬)

 拙宅の玄関前には樹高2.5m程のエノキが植えてあり、毎朝ポストから新聞を取り出す際にアカボシやゴマダラチョウの幼生期観察を行っております。拙宅で初めてアカボシ幼虫を見出したのは2006年の8月下旬のことでした(外部リンク)
 それから早7年。今では川崎は言うに及ばず関東全体に分布を拡げてしまいました。アカボシが進出する以前は、上記エノキに付くHestina属幼虫はもちろんゴマダラチョウのみでした。
 多摩川縁が主たる活動域のゴマダラですが、時々住宅街近くまで飛来して産卵を行ないます。ただその頻度は低く、このエノキでゴマダラ幼虫が確認されるのは2年に一度程度でした。ところが、今年は秋口になって、一度に母蝶が多数の卵を産みつけたようで、これまでで最も多くの終齢幼虫・蛹を確認でき、続々と羽化しております。ゴマダラは概ね9月上・中旬に第3化の発生ピークを迎えますので、現在羽化しているのは第4化に相当します。一方、アカボシも同じくこの時期の羽化個体は第4化です。因みに拙宅で記録された第4化の最遅羽化日はゴマダラで12月9日、アカボシで12月2日です(外部リンク)

 先ずはアカボシの10月の羽化記録をまとめてみましょう。
1日(1♂)、4日(1♂)、6日(1♂2♀)、7日(1個体:性別不明)、9日(1個体:同左)、13日(1個体:同左)、14日(1♀)、15日(1♂1♀)、16日(1♀)、19日(1♀)、
23日(1♂)、27日(1♀)、31日(1♀)

 以上合計16個体。実はここ数年の観察経験から、例年10月の羽化個体は稀で、今年は異常に多い羽化数でした。一方、ゴマダラは10/25に1♂。その後、11月に入って1日(1♀)、2日(1♂)、3日(1♂)の3個体が羽化しました。ゴマダラ♂♀の羽化画像をアップしておきましょう。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時24分
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D71K-85VR、ISO=400、F8-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時25分

 この2-3日、肌寒い日が続いており、上記羽化個体も直ぐには飛び立つことができず、日中、気温が20℃近くになって、ようやく飛び去っていきました。多摩川縁でいつもゴマダラやアカボシがテリ張りをやっているポイントでもこの時期は全くその姿を見ることができません。恐らく気温が低いこともあって、第4化の活動は極めて不活発で、ひっそりとその生涯を終えていくのでしょう。現在、アカボシ・ゴマダラ両種中齢・終齢幼虫がエノキに付いており、これらがいつ羽化するのか(できるのか)を注目しているところです。

 なお、今回アカボシとゴマダラの蛹形状を比較するべく、少し真面目に蛹画像を撮影してみました。
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D71K-85VR(アカボシ:トリミング+2コマ深度合成、ゴマダラ:トリミング+4コマ深度合成)、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影:10月中旬

 両種の識別点は下記にまとめられます。
(1)色調
 アカボシは青白色を基調とした緑色。白く粉を吹いたような表面性状のため青白く見えます。一方、ゴマダラは黄色味を帯びた緑色。腹節背面稜や前翅内縁部が黄色く縁取られるため、黄色味が強く印象づけられます。
(2)体長
 アップした画像は各々のスケールが異なりますが、ゴマダラチョウの体長(31mm前後)はアカボシ(34mm前後)よりも短い。
(3)背面稜の突起
 よく言われるようにアカボシの方が強く突出します。また(1)で触れたように、ゴマダラの背面稜突起は黄色であることも特徴の一つ。
(4)腹節~尾鉤部までの形状
 ゴマダラチョウでは腹節部が強く屈曲して尾鉤部に連なります。これに対し、アカボシでは腹節全体がより滑らかに曲り尾鉤部へ移行する印象。この結果、背面稜のアール(回転半径:カーブの強弱指標)を比較すると、ゴマダラはアールが短い。

 終齢幼虫についても複数の識別点がありますが、それはまた別の機会に記事にします。

★11/7追記★

 11月6日の夜、別のゴマダラチョウ♀個体が羽化いたしました。この個体の裏面はかなり白化が進行しておりましたので、先にアップした個体と比較して図示します。
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 なお、昨年12月に室内で羽化した個体は裏面が完璧に白化(外部リンク)しておりましたので、今回の個体はそれに比較すればまだ黒色部が残留していることになります。
by fanseab | 2013-11-03 23:32 | | Comments(4)