探蝶逍遥記

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クモガタヒョウモンの産卵など(10月中旬)

 夏眠明け大型ヒョウモン類の産卵撮影シリーズです。今回は産地が意外と限定されるクモガタ狙い。このヒョウモンは夏眠前に目撃できたポイントでも、夏眠後は必ずしも観察できない場所が多いように思います。恐らく夏眠後、低標高地に移動する等の習性があるためでしょう。そんな不安を抱きながら、東京都の某林道に向かいました。拙宅を出発する時から上空はドンヨリとした雲に覆われ、とても蝶が飛び出す雰囲気ではありません。現地に着いても状況は改善されませんが、それでも11時30分頃からやっと薄日が差し始め、キタキチョウが最初に舞い始めました。少し開けた草地で待機していると、超オンボロのメスグロヒョウモン♀が飛来し、杉の幹や人工物に産卵を開始。

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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時47分
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時12分

 しかし、確認できる高さでの産卵位置を詳細に観察するも卵は確認できません。やはり「空打ち」だったようです。余命いくばくもない♀個体の場合、腹部に産むべき卵が無くなっていても本能で腹端を曲げる動作をするのかもしれません。今シーズン、10回以上のメスグロ産卵シーンを観察しておりますが、卵を確認できたのは僅か1例に過ぎません。相当な確率で実際には産まない「空打ち」が多いように思います。
 さて、このメスグロを追跡している最中、褐色の大型ヒョウモンが飛来。開翅休息しました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分

 待望のクモガタ♀です。夏眠後もこのポイントに存在することがわかって一安心。しかも夏眠後とは思えない綺麗な個体。この子が産卵したら見栄えのする絵が撮れるなぁ~と翅算用していると、こちらの期待を見透かすように、林の奥に消えていきました。その後今度はボロ♂がアザミに吸蜜にやって参りました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時35分

 因みに夏眠明け♂個体は初撮影です。その後さきほどとは別個体の♀が飛来。今度は灌木の低い位置に止まった後、地這いを始めました。産卵行動のスタートです!しかし崩落しやすい地質の急斜面に足を取られ、灌木にカメラを引っかけたりして姿を見失ってしまいました。ガッカリして約30分後、ふと再度その斜面を覗きこむと地面をガサゴソ歩き回っている、同じ♀個体と再会!
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D71K-34、ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時25分

 地面をウロチョロしながらの産卵行動を確認。今度もブッシュと格闘しながら何とか産卵の瞬間を撮影できました(^^)
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時31分

 ここでは小さなスミレの葉裏に直接産み付けたようです。残念ながら翅面がレンズ光軸と平行になってしまい、クモガタ産卵と明確に認識できないアングルです。産卵された卵の状況もご紹介しましょう(撮影のため葉を裏返しております)。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時51分

 ヒョウモン類に共通する淡黄色ですが、メスグロに比較すると淡い色合いです。産卵の途中は定番の開翅日光浴。産卵後一旦高い位置へ移動して開翅するのではなく、地面に留まり日光浴するのが特徴のように思います。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時31分

 この後、産卵行動に移行するのですが、面白いことに後翅をブルブルと激しく震わせた後、徘徊行動する点です。まるで母蝶が「さぁ、これから産むわよ~!」と気合を入れる武者震いのようにも見えます。今度は定番の枯葉に産んだシーン。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時35分

 今度も先ほどと同様、閉じた翅面がレンズ光軸と平行になってしまい、おまけに腹端の様子も把握できないB級画像になってしまいました(^^; 背の高いブッシュがどうしても邪魔になってしまうのと、どうも太陽光線に対して翅面を平行に揃えた閉翅状態で産卵する習性があるらしく、こちらの期待するアングルで撮影することができません。ツマグロやウラギンでも葉被りの問題は生じますが、クモガタは遥かに撮影難易度が高いと感じました。もっとも、クモガタも開けた草地で産卵するケースもありそうで、そのような場合はもう少しまともな画像が撮れるのでしょうね。枯葉裏に産み付けた状況です。こちらも先ほど同様撮影の都合で枯葉を裏返しております。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時05分

 一連の産卵行動を観察した場所の近景です。
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GXR@6mm、ISO=100、F6-1/125、-0.7EV、撮影時刻:14時00分

 風通しの良い南向き斜面で、地肌はかなり崩落しやすく、ここにスミレ類が生えています。今回は証拠画像を撮影できませんでしたが、明らかに♀は前脚連打行動を行っており、確実にスミレの位置を認識した上で、周囲の枯葉等に産み付けておりました。枯葉に産まれた卵を拙宅に持ち帰り超拡大撮影を実施。
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D71K-85VR-24R(トリミング+上段3コマ下段4コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ

 最大直径1mm、高さ0.91mm。これまで撮影したヒョウモン類卵では最大です。それでも成虫の体躯を考えたら小さい卵だと思います。縦隆起条は20本。横隆起の高さはメスグロよりも低く、ツマグロ卵の雰囲気に似ております。ただ塔頂部で急に細く収束する「おむすび型」ですね。大型ヒョウモン類産卵シーンでは本来、ミドリを優先して撮影したかったのですが、意外と出会えず苦戦しております。11月までに何とかミドリとできればオオウラギンスジの産卵シーンをゲットしたいと思っております。しかし台風の連続接近予報が出されており、どうなることやら。。。。撮影の成否は天候に左右されそうです。この歳になって「照る照る坊主」を作りたい心境になってまいりました(爆)
by fanseab | 2013-10-22 21:43 | | Comments(8)

ミヤマシジミの産卵など(10月中旬)

 ミヤマシジミはご存じの通り多化性で、食草のコマツナギの花穂が付いている夏場は花穂近くや新芽に産みますが、最終世代は根際近くに越冬卵を産むとされています。産卵シーン撮影の難易度は越冬卵を産む場合で高く、挑戦し甲斐があります。昨年この目的で山梨のポイントを訪問したのは10月下旬でした。しかし、流石に遅すぎたようで産卵シーン撮影は叶わず、仕方なく越冬卵のみ撮影して帰宅した経緯があります。その反省を踏まえ、今年は2週間早めての出陣。現地9時15分着。この日は快晴ですが、風が想像以上に強く体感気温はかなり低め。予想通り蝶の活動が鈍く、ようやく飛び出したシジミを確認するとベニシジミ(^^; ミヤマの姿はありません。今年は夏場に気温高めで推移したので、最終化の発生は既に終わったのだろうか?とちょっと心配に・・・・。仕方なく先ずは越冬卵探し。昨年は1卵発見するのに30分ほどかかりましたが、今回は前回の経験が活きたのか15分ほどで数卵を発見。結局合計7卵(内3個は寄生卵)を見出しました。先ずは枝分岐に産まれた事例をご紹介しましょう。

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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時09分

 次は「根株」に産まれた事例。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時19分

 コマツナギの古い株は拳の半分程ある太い根(個人的に「根株」と表現:台場クヌギならぬ台場コマツナギかな?)から分岐して枝が派生しています。そこに直接産んでいる事例。2卵ほどありました。お次は寄生卵の事例。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時39分

 3卵共寄生されています。正常卵を超拡大撮影。
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D71K-85VR(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時52分

 直径は0.66mm。最近はヒョウモン類の卵を見慣れているので久しぶりに見るシジミの卵はとても小さいですね。特にミヤマの卵は体躯に比較してとても小さいので余計そう感じます。一通り卵撮影が終わった11時頃、ようやく気温が上昇してきて蝶影が少し活発に。ウラナミシジミ、ツバメシジミと共に待望のミヤマ♂も登場。流石にボロボロですが、何とか♀もいるだろうと期待が高まります。果たして11時30分過ぎ、ようやくボロ♀を発見。今日はこの子と心中する覚悟で付き合うことに。気温が低いせいか、開翅日光浴時間が長く、なかなか産卵行動には移行しません。それでもようやく枝先から根際に降下していく行動がスタート。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時37分
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時42分

 2枚目のように触覚を下に下げて探るような動きをする点はシジミ♀の産卵に共通する行動パターンです。ご覧のように草被り必死の環境に潜り込んでいきます。もちろん、それは覚悟の上の撮影です。何とか粘ってようやく産卵シーン撮影に成功。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時59分

 母蝶の手前側にコマツナギがあり、その近傍の地面近くに産んでおります。ここで母蝶から目を離し、卵の捜索を開始。すぐに枯茎に産まれた卵を発見。
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D71K-85VR(左下囲み画像はトリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分

 産卵直後はご覧のように淡い翡翠色でとても綺麗。6月に撮影した同属のヒメシジミもやはり産卵直後は鮮やかな翡翠色をしておりました。卵表面をよく見ると、精孔付近に緑色の液体が残っております。恐らく母蝶腹端より放出された卵接着用液体が精孔部に残留したものと思われます。この後、超拡大撮影をトライすべく枯茎を移動中、折からの強風に煽られて越冬卵は地面に紛れて行方不明に(涙) 枯葉や枯茎に産まれた卵を観察する時は本当に注意せねばなりません。先ほどの母蝶の姿を追跡しますが、どこかに雲隠れ。仕方なくスレ♂開翅を撮影。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時10分

 この個体左前翅の一部が大破しておりますので、破損が目立たないアングルで撮影しました。逆光で撮ると白い縁毛が大変綺麗ですね。ミヤマポイントで一通りの成果が出たのでクモガタヒョウモン産卵を狙って、別ポイントに移動しました。しかし、6月と異なり午後は日陰が優先し、ヒョウモン類の姿が全くありません。ガッカリしてターゲットを変更。今度はアサマシジミポイントへ移動。目的は越冬卵の再撮影。昨年撮影をしているのですが、思う所あって、再チャレンジです。昨年は初体験でもあり、最初の1卵を発見するのに2時間近く要しましたが、今回は前回の経験が活きて約15分で3卵ほど発見。いずれも地上高15cmほどのナンテンハギ茎上に産み付けられておりました。超拡大像を撮影。
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D71K-85VR(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時04分

 直径は0.83mm。ミヤマ越冬卵を観察した後ではかなり大きく感じます。なお卵直径はかなり個体変異があるようで、0.83~0.95mm程度の巾があるように思います。このポイントはセイタカアワダチソウの浸食が激しく、年々生息環境が悪化しておりますが、来年以降も継続的な成虫発生を期待したいものです。
by fanseab | 2013-10-19 22:25 | | Comments(6)

メスグロヒョウモンの孵化(10月中旬)

 以前の記事でメスグロヒョウモンの産卵シーン(外部リンク)をご紹介しました。その際、卵の拡大像は前玉外し系で撮影を完了していたのですが、より拡大率を上げた画像を撮るべくstacked lens法での再トライを計画し、丁度2週間後に現地に赴きました。図鑑(※)によれば、卵は「10-14日で孵化する」との記述がありますので、既に孵化している可能性があります。桜の樹肌に産まれた卵の発見は容易ではないので、マクロ画像を印刷し、地衣類の位置照合をしながらようやく卵を発見。ヤレヤレ未だ孵化していなかったようです。結構苦労して深度合成像を撮影完了。

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D71K-85VR-24R(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時03分

 産卵直後、鮮やかな黄色を呈していた卵は黄金色に変わっていました。撮影中、どうも卵の形状が歪で、対称性に欠けるなぁ~と思っておりました。そして途中からやっと幼虫孵化の瞬間であることを理解できました。上の画像は将に卵殻を食い破ろうとしている瞬間なのでした!卵殻を食い破った幼虫はあれよあれよと思う間もなく、卵から脱出していきます。その連続画像です。
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D71K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時11分~18分

 凡そ20分かけて卵から完全に抜け出すと、直ぐに卵殻を摂食し始めました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時25分~12時52分

 ほぼ1時間で卵殻を完食してしまいました。因みに孵化した初齢幼虫はちょっと目を離した隙にどこかに雲隠れしてしまいました(↑の画像(f))。無事地上にでも降りて越冬できると良いのですが・・・。なにせ、初齢幼虫は越冬中、無摂食で過ごすとされており、卵殻摂食は越冬前、最初で最後の食事だった訳です。現地を訪問する時間が仮に30分遅かったら、卵の超拡大撮影も叶わず、孵化の瞬間にも出会えなかったでしょう。今回は凄くラッキーだったと思います。

※福田晴夫他、1983、原色日本蝶類生態図鑑(Ⅱ)、P.97. 保育社、大阪
by fanseab | 2013-10-16 22:46 | | Comments(8)

ツマグロヒョウモン♀の前脚連打行動など(10月中旬)

 タテハチョウは皆様ご存じの通り、通常の生活は4本脚、つまり中脚と後脚のみを使用しており、前脚は事実上退化して無用の長物?になっております。しかし、♀の場合は食草認識センサーとして前脚跗節(foretarsus)を有効活用している場合があります。昨年秋、ヒメアカタテハの産卵シーンを撮影中、偶然、前脚を連打する行動(dramming)を観察することができました(外部リンク)
 今回、ツマグロヒョウモンの産卵を子細に観察していると、ヒメアカ同様、前脚連打行動を確認できましたので、撮影を試みてみました。

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D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時58分
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分

 一枚目は露岩の上に生えている苔に対して連打しております。前脚を左右交互にボクシングのジャブのように物凄いスピードで繰り返し叩くと言うよりは擦るような動作をします。ここでは左前脚を伸ばしている瞬間です。2枚目はドクダミとスミレが混生している箇所でのdrammingで、両前脚が伸びている状態。3枚目はスミレの葉上を左前脚で叩いた瞬間。4枚目のように枯葉や枯茎を叩く場面(左前脚)も観察されました。母蝶は地面をウロチョロしながら、時折drammingを実行します。このタイミングは計り難く、撮影は産卵シーン以上に難しいものです。この手の画像採取は静止画よりもむしろ動画撮影の方が効果的と思われますが、管理人は未だ動画撮影に不慣れでして、オフシーズンにでも動画撮影の勉強をしたいと思っております。

 さて、前回撮影に失敗した卵の超拡大像にもトライ。自宅に持ち帰りじっくり撮影できたので、いつもの深度合成像よりは見栄えのする絵が撮れました。
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D71K-85VR-24R(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:21時38-42分

 形状はチューリップの穂のようです。淡黄白色で高さ0.87mm、最大直径は0.82mm。縦隆起条は全21本。約半数は頂上部まで達しませんが、ウラギンと比較すると、中途で止まる高さがバラバラでです。ヒョウモン類の卵もよく似たようでいて、各々種の特徴が出ていて興味深いと思います。
by fanseab | 2013-10-12 22:16 | | Comments(8)

ツマグロヒョウモンの産卵(9月下旬)

 メスグロの産卵を狙って林縁で待機している最中、ツマグロヒョウモン♀が明るい林縁に舞い降り、産卵をスタート! 取敢えずメスグロ狙いは封印してツマグロに集中しました。

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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時11分

 ツマグロはウラギン同様、地面をウロチョロしながら草叢にある、枯葉・枯茎等に卵を産み付けていきます。当然葉被りになる場面が多く、一発必中で撮影するのは困難。そこで飛翔写真撮影と同じくバシャバシャ連射して、好みのコマを拾い上げる作戦で行かねばなりません。そうやって撮影した一コマ。
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D71K-34、ISO=500、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時18分

 途中から85mmマクロに切り替えて撮影を続行。嬉しいことに♀は産卵をドンドン継続していきます。お次は陽射しに恵まれた場所での産卵。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時27分

 産卵の継続を見計らって、一旦撮影を中断し、↑のコマの産卵箇所を捜索。直ぐに卵が見つかりました。細い枯茎に産み付けられております。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時27分

 メスグロよりは明るい淡黄色。観察を続けていると、一見乱雑に産み付けているようで、やはりスミレの存在を確認しながら産んでいるケースが多いです。こちらはスミレの株直近で産んでいる事例。
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D7K-85VR、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時31分

 そこまでスミレを認識しているなら、何故直接スミレに産まないのか、不思議ですね。次はスゲ類の葉に産み付けた事例です。ここでもスゲの周囲にはスミレが沢山生えています。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時37分

 産卵環境です。
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D7K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時39分(撮影は産卵の翌日実施)

 これを超拡大撮影しようとトライしている最中、葉と葉が擦れ合った拍子に卵が葉からどこかに飛び去ってしまいました(^^; ガックリですが、まぁ、ツマグロ産卵はもう少しチャンスがあるでしょうから、その時、超拡大にチャレンジします。その代わり、枯枝に産んだ事例をトリミングしてご紹介します。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時41分

 形態はメスグロに比較すると、横隆起は殆どなく縦隆起が目立ち、ウラギンに比較的類似しています。色はウラギンよりも明るく鮮やかなので、同じ枯枝に産まれていてもウラギンよりも発見しやすいですね。メスグロの産卵探索ついでにツマグロ産卵もゲットできてラッキーでした。ウラギン、メスグロ、ツマグロ、いずれも正午前後に産卵時間帯があり、気温が一番上昇する時間帯と一致しております。恐らくミドリヒョウモンも同様な時間帯で産卵すると推測しており、次なる探索を楽しみにしております。
by fanseab | 2013-10-06 21:40 | | Comments(6)

メスグロヒョウモンの産卵(9月下旬)

 ミドリヒョウモンの産卵を狙って多摩丘陵(東京都)に出かけました。夏眠明けの♀が山地から平地に降りてくる頃だろうとの読み。現地を着いてすぐに、ミドリではなくメスグロ♀に出会うものの、すぐに姿を見失いました。ミドリは午前中の吸蜜タイムでお花畑に来るはずなので、それらしきポイントを確認してみますが、いるのはツマグロヒョウモン♀とイチモンジセセリのみ。結局、相当広範囲に探索するもののミドリ♀の姿はなく、ガッカリです。そのうち、相当高い樹冠付近を飛翔するヒョウモン♂を目撃。

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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F7.1-1/1600、-0.7EV、撮影時刻:12時07分

 ボロボロの個体ですけど、斑紋から何とかメスグロヒョウモンと同定。時折接近するウラギンシジミを追撃しており、テリ張りをしていた様子。夏眠前にこのような高所でテリ張りする姿を目撃した事はなく、とても興味深い行動でした。その後、雑木林の林縁でフワフワ飛ぶ個体を目撃。一瞬オオミスジかぁ~と思いきや、メスグロヒョウモンの♀でした。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時17分

 先入観無しに見るとNeptisLimenitisに思えますね。葉上で暫く日光浴をしていた後、暗い林内に入っていきました。ひょっとして産卵行動かもしれないと追跡中、別のメスグロ♀がコナラの近くで怪しい行動。接近してみると、ヤッター!産卵です。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時20分

 産卵位置は地上高2m程の高さ。次に別のコナラに移動し、次第に高度を上げて産卵していきます。こちらは5m程の高さ。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時22分

 産卵したかの確認は最初の低い位置で実施してみました。しかし、コナラ樹肌の溝を丹念に探索するも坊主。どうやら産卵フェイント?だった様子。「産卵シーン」を撮影したと思ったのに、「産卵行動シーン」撮影だったのでガッカリです。その後も何回か産卵シーンを目撃しましたが、位置が高すぎて産卵有無を確認できませんでした。産卵場所の環境画像をアップしておきましょう。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F4.1-1/180、-0.7EV、撮影時刻:12時46分

 南向き斜面で、コナラ、桜等が混じる雑木林。結構暗く藪蚊もそれなりにおります(笑)  しかし、産卵が確認できないのも悔しいので、翌日リベンジマッチを実施。産卵時間帯がわかったので、昼前に到着し、この雑木林の前で待機。すると、正午過ぎ、樹冠付近から音も無く、フワフワとメスグロ♀が舞い降り、吸蜜を開始です。
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D71K-34、ISO=500、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時40分
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D71K-34、ISO=500、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時03分

 羽化してから、かれこれ3ヶ月以上経過しているはずですが、結構綺麗な個体です。それとストロボ照射で、表翅にブルーの幻光が出現し、メスグロ♀の美麗さを改めて見直した次第。この個体は十分に吸蜜した後、予想通り、産卵行動に移行。前日産んだコナラの隣の幹に産卵です。
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D71K-34、ISO=500、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時08分

 高さは1mちょっと。後で産卵確認するには理想的な高さです。その後、コナラを飛び去り斜面上の桜の大木に産卵。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時10分

 こちらも上手い具合に1.5m程の高さ。産卵後、先ほどのコナラから確認するも、こちらはまたしても坊主。暗い環境なのでストロボ照射が必須の状況で、そのストロボ光が刺激となって産卵を中断するのか?影響があるのかもしれません。仕方なく桜に移動してこちらを検します。しかし産卵場所を意外と確定できず、桜の樹肌に付いている緑青色の地衣類の斑紋パターンをジグソーパズルのように読み解いてようやく目的の卵を発見。
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D7K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時02分

 画面中央、黄色の卵が確認できますでしょうか?ちょっと拡大してみましょう。
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D7K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時01分

 仮に卵が淡青色とか淡緑色だったら、地衣類に紛れて卵の確認が相当困難であったはず。黄色の卵を産んでくれた母蝶に感謝です(^^) 前玉外しで拡大画像も撮影。
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D71K-1855改@52mm(トリミング)、ISO=200、F29-1/320、-1.0EV、LEDランプ、撮影時刻:12時09分

 卵はおむすび型で、底辺直径0.79mm、高さは0.83mm。先日ご紹介したウラギンよりもずんぐりとしており、縦隆起条と横隆起条の太さがほぼ同じため、印象がウラギンとはかなり異なります。産卵木の全景もアップしておきましょう。
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D7K-85VR、ISO=400、F3.5-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時29分

 矢印が産卵位置です。

 2日間、夏眠明けメスグロ♀を追跡してみました。暗い林内を音も無く現れ、アサギマダラのようにフワフワ舞う姿は夏眠前とは大きく異なるものでした。メスグロ♀特異な斑紋のせいで、♀の姿は非常に目立ち難いものです。産卵時も含め、外敵からの眼を逃れるため、あのような独特な暗色斑紋になったのではないか?と思わせるものでした。当初目的としたミドリヒョウモンには出会えませんでしたが、想定外のメスグロの産卵行動をじっくり観察できて有意義な2日間になりました。ミドリの産卵は別の機会にチャレンジしたいと思います。
by fanseab | 2013-10-02 21:27 | | Comments(8)