探蝶逍遥記

<   2013年 08月 ( 7 )   > この月の画像一覧

イチモンジセセリの産卵(8月下旬)

 セセリ類で最普通種と言えばイチモンジで決まりでしょう。ところが8月まではそれほど個体数は多くなく、産卵撮影のチャンスは意外とありませんでした。久しぶりにホームグラウンドの多摩川縁を散策してみると、いるいる!あたり一面イチモンジセセリが飛んでおります。虫屋は「虫が湧く」等の表現はあまり使わないでしょうが、将にイチモンジセセリが「降って湧いてきた」感覚です。そこいらじゅうで求愛シーンが観察できます。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
f0090680_21483681.jpg
D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時41分

 左側2頭の♂が♀の奪い合いです(^^)
♂A:「オイ、割り込みはいかんで!ワテが先にプロボーズしたんやで」
♂B:「アホ!どっちが先だろうが、気に入ったもん勝ちやろ・・・」
もちろん、お決まりの結末でA,B共にフラれてしまいましたとさ。
 交尾も観察(右が♀)。
f0090680_21484498.jpg
D71K-85VR、ISO=200、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時48分

 ♀はスレた個体であり、複数回交尾の可能性がありますね。さて、目的の産卵行動はこれまでの経験から夕方だろうと推定し、15時過ぎから♀の様子を観察しておりました。概ね16時頃、産卵活動がピークを迎えるような感じでした。もちろん季節や照度が違えば産卵時間帯は多少ずれるのでしょう。最初は300mmで撮影。
f0090680_21485690.jpg
D71K-34、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:16時17分22秒

 ここは葉裏に産んでおります。葉のカーリングの仕方とその時の母蝶の止まる位置関係で葉の裏に産むか表に産むかが決定されるようです。産卵の瞬間の拡大像です。
f0090680_2149735.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:16時17分45秒

 腹端から赤褐色の産卵器官が突出し、葉に押し付けております。触覚を葉に押し付けているのは体のバランスを取るためなのでしょうか? アップした1枚目と2枚目の撮影間隔は23秒で、実はこの間にもう一回産卵行動を取っております。イチモンジセセリの産卵はかなり継続的に行われていきます。1卵産んで一休みするタイプではなく、次から次へと産んでいくので、それなりにシャッターチャンスがあります。またPapilio属のように産卵態勢を取ってから僅か1秒程度で産卵が完了するのとは異なり、イチモンジの場合は産卵態勢セットから産卵完了まで約2.5秒程度あるので、撮影アングルを微調整できる余裕があるのは助かります。85mmマクロでも撮影。
f0090680_21495036.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時45分

 その時の産卵状況です。
f0090680_21495840.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時45分

 イチモンジの卵は産卵直後からくすんだチョコレート色で、遠目には目立たず、産卵現場を確認していないと、先ず卵だけ探索しての単独発見は不可能ですね。ストロボを当てたこの画像ではやけに卵が目立ちますが、実際はもっと地味な感じです。この卵は拙宅に持ち帰り、後日超拡大像撮影を実施。
f0090680_21502855.jpg
D71K-85VR-24R(トリミング:上段のみ3コマ深度合成)、ISO=100、F29-1/400、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:22時12分

 精孔部が凹んだ饅頭型です。底辺直径0.92mm。高さは0.46mm。表面には網目状の微構造を有しております。拡大撮影に関し、最初は前玉外しでお茶を濁すか・・・と考えておりましたが、前玉外し撮影をトライすると、何と表面に微細構造を発見したため、真面目に超拡大撮影を実施した次第。実は現在、イチモンジよりもチャバネセセリの卵を必死に探しているのですが、母蝶がなかなか見つかりません(^^; 概ね100頭のイチモンジを検すると1頭チャバネが混在している程度です。もう少し秋が深まればチャバネの個体数も増加することが期待できるので、今は時間待ち・・・の心境でございます。
by fanseab | 2013-08-30 21:51 | | Comments(10)

鈴鹿のキリシマ探索(8月下旬)

 ♀産卵シーン撮影目的に今シーズン3回目の鈴鹿詣で。キリシマの産卵は8月中旬~9月中旬頃までとされており、丁度適期だろうとの判断での参戦。現地8時35分着。先ずはアカガシ休眠芽を探索します。ある程度成長した休眠芽を探していくと、いきなり5卵塊に出会いました。予想通り、既に産卵は始まっておりました。その休眠芽の周辺環境です。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
f0090680_0174668.jpg
GXR@8mm、ISO=200、F6.2-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時12分

 矢印の先が休眠芽の位置。ご覧のように午前中ある程度日が差し込む環境です。枝高さは1.2mほど。この画像に見えている範囲で成長した休眠芽はこの芽だけなので、♀が集中的に産んだ(複数個体による可能性もあり)ものと思われます。5卵塊の状況です。
f0090680_0175767.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/400、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時49分

 例によって超拡大像も撮影。
f0090680_018816.jpg
D71K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/400、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時03分

 直径は0.87mm。Favoniusの越冬卵を見慣れた目には、表面突起が太く鈍く、かなり違和感があります。どんなゼフ卵でもそうですが、産んでから間もない卵は表面汚れも無く、とても綺麗ですね。ただ真夏に撮影するのは眼鏡が曇ったり、結構シンドイですけど(^^; キリシマの越冬卵微構造はメスアカやアイノとは全く異なる形状です。以前、キリシマがChrysozephyrus属とされていた時代、越冬卵微構造の差異からメスアカやアイノとは別属の可能性を指摘された方も恐らくいたのではないかと推察します。成虫の斑紋が酷似した台湾特産種、ホウライミドリシジミ(Thermozephyrus lingi)の越冬卵も機会があれば撮影・比較したいものです。

 さて、休眠芽の状況を更に調査するとある程度休眠芽が発達した株はかなり限定されることがわかりました。前回の訪問で♂が集うご神木周辺の状況も確認してみると、ご神木(幹直径30cm、樹高8mほど)から生えたヒコバエ先端の休眠芽に2卵確認できました。
f0090680_0183552.jpg
GXR@5.1mm、ISO=200、F4.1-1/90、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時25分

 矢印先端に休眠芽があり、地上高は2mほど。午前中は完全に日陰ですが、午後はご覧のようにある程度日が差し込みます。6年前に鈴鹿で産卵状況調査をした時の経験も踏まえると、概ね類似した環境にある休眠芽に産卵されているケースが多いように思います。発達した休眠芽の付いたアカガシ株が把握できたので、そこで待機して母蝶の飛来を待つことにしました。キリシマ♀の産卵時間帯は10時30分~13時30分頃とされているので、この間、複数のアカガシ株を巡回しながら、様子を見ておりました。すると、最初に「ご神木」近辺にチラチラと♀が舞い降りてきました。
f0090680_0185361.jpg
D71K-34、ISO=200、F11-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時52分

 羽化からかれこれ1ヶ月以上経過しているので、流石に縁毛は擦れておりますが、尾状突起は2本共揃っております。ただ産卵時間には時間があるためか、この後サッと飛び立って見失ってしまいました。5卵塊が産み付けられていた株近くに戻ると、今度は下草の至近距離に♀を発見。脅かさないように慎重に撮影。
f0090680_019717.jpg
D71K-34、ISO=200、F11-1/60、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時44分

 ストロボ光にはそれほど敏感ではありませんが、人影には極めて敏感で、こちらの動きが速いと翅の向きを微妙に変えてしまいます。暑さを避けるためなのか、止まっている下草は殆ど地上スレスレで、こんな低い位置に止まっている♀を観察するのは初めてです。広角で撮ろうとしたら流石に嫌がって飛び去ってしまいました。再度、ご神木に戻ると、今度はその下枝に♀が飛来しました。
f0090680_0191924.jpg
D71K-34、ISO=400、F9-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時13分

 産卵時間帯も近いことだし、例のヒコバエに産むために来てくれたのかなぁ~と勝手に妄想して期待してしまいます。10時30分過ぎ。驚いたことにもう1頭の♀(左)が出現し、先ほどの♀(右)にほど近い位置に止まりました。
f0090680_0193136.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=640、F7.1-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時32分

 面白いことに共に南西方向を向いており、時間の経過と共に日時計の如く、翅面の向きを2頭共変え,
常に太陽光に対し垂直を保つ動きをしておりました。この頃、空を見上げると怪しげな入道雲が出現し、雷の予感も(^^; 早いとこ産卵してくれないかなぁ~とジリジリしてきました。11時20分過ぎ。最初に止まった1頭に動きが。
f0090680_0195452.jpg
D71K-34、ISO=640、F6.3-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時22分

 それまで頭を下向きにしていたのですが、葉柄側に変え、翅をスリスリし始めました。産卵開始の行動だろうと推察。その直後、サッと飛び立ち、正面右奥の茂みの中に消えていきました。目論んだ休眠芽に飛来せず、ガックリです。こうなるともう1頭の動きに賭けるしかありません。11時40分過ぎ、別個体がモゾモゾ動き始め、サッと開翅しました。撮影しようとカメラを構えた瞬間、無情にも管理人側にビュッと飛び立ち、姿を見失ってしまいました。2頭の動向から恐らく産卵行動のトリガーが掛ったのだと思いました。

 さて、♀の動きを注視している途中、下草の上を擦れたウラギンシジミが飛んでまいりました。しかし、ウラギンにしては輝きがおかしいな?と思いきや、なんと擦れたキリシマ♂でした。
f0090680_02092.jpg
D71K-34、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時21分

 大破した翅から表翅の金緑色の輝きが見えています。その後♂は活発化し、上空を見上げると最大3頭の♂による「空中運動会」が繰り広げられておりました。チェイスするスピードは全盛期とさほど変わりはありませんが、サファイアブルーの輝きは失せて、金緑色が勝っているのが違いです。ご神木の樹冠付近は♂にとって最高のテリ張り位置で、ここに頑張っている♂の姿も撮影。
f0090680_0203521.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時45分

 
 嬉しいことに縁毛ブルー幻光が確認できます。キリシマの縁毛ブルー幻光を撮影するのは6年振りでしょうか? 「空中運動会」が一先ず終わった頃、1頭の♂が急に下草付近に潜り込みました。探してみると、先ほど紹介した♀同様、想定外の低い位置で静止しておりました。
f0090680_0205493.jpg
GXR@5.1mm、ISO=400、F6.5-1/60、-0.7EV、内蔵ストロボ+LEDライト、撮影時刻:13時19分

 キリシマ♂をコンデジの接写距離で撮影可能なのもこの時期ならではかな?左前翅端に欠けがある特徴から、撮影した個体は↑の縁毛幻光撮影個体と同一のようです。活動時間帯以外は樹冠で翅を休めていると思っていた♂ですが、下草で休息する生態を見出したのも収穫の一つでした。雷や豪雨に遭うのも嫌なので、ほぼ産卵時間帯が終了する13時30分過ぎに撤収いたしました。残念ながら今回♀の産卵シーン撮影は叶いませんでしたが、来シーズン撮影の色々なヒントを得ることができました。

【8/27追記】
アカガシの林縁でキリシマ♀を追跡していると、ちょっぴり小ぶりな個体に出くわしました。何だ?と
思って確認すると、ムラサキシジミの♀。。
f0090680_2243724.jpg
D71K-34、ISO=320、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時44分

 共にアカガシをホストにするので居て当然なのですが、ギョッとさせられることがあります。それにこの個体、裏面の斑紋にメリハリがあり、後翅亜外縁のブルー幻光まで出現したりして魅力的な個体だったので追加掲載します。
by fanseab | 2013-08-27 00:25 | | Comments(8)

アゲハチョウの飼育記録

 Papilio属最普通種も飼育してみました。ただ飼育を行った4月下旬~5月下旬にかけては複数種の飼育を併行実施したため、ナミアゲハについては記録・撮影含め個体管理がやや雑になったことは否めません。また今回の記事でご紹介する画像は各ステージを必ずしも時系列で撮影したものではありません。最初はサンショウへの産卵状況と卵の拡大像です。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
f0090680_21555090.jpg
D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:6月上旬、[拡大像] D71K-1855改@55mm(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:6月上旬

 卵の直径は1.2mm。別途4月19日に孵化した初齢幼虫を22日に撮影。
f0090680_21561728.jpg
D71K-85VR(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/200、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:4月22日

 体長は3.2mm。後に飼育を実施したクロアゲハ、ナガサキアゲハ、カラスアゲハと比較すると、ナミアゲハの初齢幼虫は「最も黒い」印象です。詳細比較については別記事でご紹介することにします。2齢幼虫は別の個体で撮影。
f0090680_2156411.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月2日

 体長は11.5mm。中央部の腹節を斜めによぎる白色帯が明確になり、所謂「鳥の糞」状態になります。この個体は5/4に眠、翌5/5に3齢に到達。
f0090680_21305188.jpg
D71K-85VR(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月5日

 3齢も基本2齢と類似したパターン。第7-8腹節の白班が顕著になる感じでしょうか?この時点の体長は14mm。本個体の4齢幼虫の撮影を失念したので別個体で撮影。
f0090680_2131372.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F13-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月12日

 深度合成をしないとやはりピン甘ですね。それと体長測定も失念しておりました(^^;  3齢でご紹介した個体は5月11日に終齢(5齢)に到達。
f0090680_21311924.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月12日

 見慣れたナミアゲハの終齢幼虫の姿です。この後順調に育って5/19に前蛹になりました。
f0090680_21313371.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/30、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月20日

 室内の壁面に取りつきました。5/21に無事蛹化。
f0090680_2131442.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/80、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月21日

 緑色タイプです。ところが、この後5/29に尾端から黒い体液が出るトラブル発生。結局翅面が色づくステージまで到達したのですが、そのまま★になってしまいました。
f0090680_2131542.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:6月4日

 まぁ、何とも無残な結末になってしまいました。これまでPapilio属の飼育を数種類手がけた乏しい経験から、フルステージ飼育最大のリスクは前蛹→蛹化時にあるような気がします。一見正常に前蛹になったとしても蛹化の途中で息絶えるケースとか、蛹化後に体液が出てしまう場合もありました。プラケースで飼育する場合、前蛹になる予兆の「下痢便(糞)」を見逃さないで、即枝に止まらせる配慮をしないと、無駄な体力を消耗して蛹化不全を生じることが多いように思います。
by fanseab | 2013-08-19 21:32 | | Comments(2)

ミヤマカラスシジミの産卵(8月中旬)

 猛暑に耐え切れず、富士山麓の高原で避暑がてらの撮影です。現地には7時15分に到着。このポイントに入るのは初めてで、先ずは産卵木のクロツバラがどこにあるのかを探します。それらしき灌木が直ぐに見つかったので、一脚でちょっとペシペシやってみると、いきなりミヤマカラスが飛び出しました。別の灌木を同じように試みるとここでも1頭が飛び出し、なるほどこれがクロツバラかぁ~と納得。冬場には真っ黒に色付くクロツバラの実もこの時期は緑色です。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
f0090680_2021182.jpg
GXR@5.1mm、ISO=100、F6.5-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時16分

 先ずは飛び出して葉上に止まった♀個体を撮影。恥ずかしながら管理人にとって♀のファーストショットです。
f0090680_20213461.jpg
D71K-34、ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時30分

 帰宅してから画像をチェックすると、ストローを出して葉上から吸水しているようです。ストローの色は真っ黒ですね。朝方の時間帯に傾斜日光浴をするのは、この属に共通する性質のようです。広角で撮ってみました。
f0090680_20215353.jpg
GXR@5.1mm、ISO=200、F6.5-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:7時41分

 これも♀ですが、相当に大破した個体。それでも探してみると、鮮度の良い個体もおりました。
f0090680_2022791.jpg
D71K-34、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時55分

 ♀は本当に食樹に執着して離れようとしませんね。まるでキリシマの♀がアカガシに固執するのとよく似ております。一方、♂は流石に超スレ個体ばかりでした。
f0090680_2022272.jpg
D71K-34、ISO=400、F9-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時50分

 これだけスレ品になっても前翅の性標(膨らみ)がハッキリとしているので、♂♀判別が楽で助かります(もちろん腹の形状も細くて♀とは異なります)。

 さて、目的の産卵がスタートするのは正午前後だろうと推測し、一旦このポイントを離れクロシジミのマイポイントに移動しました。クロシジミは10時過ぎから産卵する場合もあるので時間の節約のための移動です。ところが現地に着いてみると、どうも様子がおかしいのです。管理人の記憶が曖昧になったのか、ポイントを探し出せません。相当歩き回ってある風景を見た時、急にガックリきたのです。何とマイポイントは開発で完全に消失しておりました。トホホ・・・。数年前にようやく独自開発したポイントだけに、落胆で疲れがドッと出ました。仕方なく正午過ぎにミヤマカラスポイントに戻りました。クロツバラをチェックしていくと、早速怪しげな挙動をしている♀に出会いましたので、この個体を追跡していくことに。昼間のクソ暑い時間帯に傾斜日光浴なんぞをしております。その後、急に葉から移動し、触覚を上下させ始めました。シジミ類に共通する産卵行動開始の合図です。
f0090680_20233155.jpg
D71K-34、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時35分

 葉先でUターンすると枝に移動し、腹端を曲げたまま産卵態勢を取っていきます。
f0090680_20234913.jpg
D71K-34、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時38分

 こうした態勢も他のシジミ♀と類似しております。腹端の様子を拡大してみましょう。
f0090680_2024394.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時38分

 枝の窪みに赤褐色の産卵器官を伸ばしております。この場所には不具合があったらしく結局パスして産卵しませんでした。この時点で300mmだと葉被り必死な状況に気づき、急遽85mmにレンズ交換。何とか産卵シーンをゲットできました。
f0090680_20242937.jpg
D71K-85VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時41分

 腹部を枝に巻きつけるようにしてレンズと反対側に産み付けたようです。産卵スタートから6分程経過した後、急に下草に落下し、暫しの休息タイムに入りました。
f0090680_20244725.jpg
D71K-85VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時43分

 暑さを避けての休息のようです。その後、サッと飛び立って別の株に移動し、ここで2分ほど産卵行動を取った後、数メートル先の株に移動。この後、母蝶の姿を見失ってしまいました。最初の株に戻って卵を探索すると、見つけることができました。産卵状況です。
f0090680_20251815.jpg
D71K-85VR、ISO=200、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時48分

 翡翠色の卵が枝の中央に産み付けられております。産卵位置は地上高95cmで方角は北向きです。因みに産卵木の株高は1.5mほど。この時はいずれも丈の低い株に連続して産卵しておりましたが、丈の高い株にも同じように産むのかは今後確認していきたいと思います。例によって超拡大像も撮影。
f0090680_20254124.jpg
D71K-85VR-24R(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時23分

 直径は0.73mm。表面微構造は独特で、ゼフ卵のような特徴ある彫刻が目立たず、非常にノッペリとした印象を与えます。事実、拡大像を撮影中、ピントの山を掴むのに相当苦労しました。シジミ卵の拡大像をこれまで数多く撮影してきましたが、一番合焦に苦労させられました。また母蝶が産卵時に接着剤として使用する糊状物質が一部卵の左上に被さっているようです。卵の色合いもまた独特で、甘党の管理人としては、上質の求肥で作られた蓬餅を連想してしまいます。京都の老舗和菓子屋さんの店先に並んでいるような錯覚も起こしますね。何とか目的の産卵シーン・卵拡大撮影にも成功したのと、お盆のUターン渋滞に巻き込まれるのを嫌って即撤収いたしました。

 さてポイントの草原にはジャノメチョウが腐るほど飛んでおりました。この子の産卵シーンもいつか撮りたいものですが、ミヤマカラスシジミに比較して相当難易度が高いと思われ躊躇してしまいますね。この日は♀のアザミ吸蜜シーンだけを撮りました。
f0090680_2026317.jpg
D71K-34、ISO=200、F11-1/400、-1.0EV、撮影時刻:8時07分

 どんなジャノメ類でも♀は風格があっていいですね。それと「ミヤマ」繋がりでミヤマチャバネセセリの♀もアップしておきましょう。
f0090680_20264538.jpg
D71K-34、ISO=400、F11-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時05分

 拙宅近くの多摩川縁ではそろそろ本種の第3化が飛ぶシーズンですが、涼しい高原で見るのも格別です。炎天下の多摩川での撮影は骨が折れますからね。またこのポイントではホソバも結構散見しましたが、発生末期で♂♀共にボロボロだったことも付け加えておきましょう。
by fanseab | 2013-08-16 20:30 | | Comments(6)

アオスジアゲハの飼育記録

 ジャコウと平行して、国内に棲むGraphium属普通種も飼育してみました。先ずはクスノキ新芽に産み付けられた卵と孵化前日の卵の拡大像です。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
f0090680_2126584.jpg
D7K-85VR、ISO=400、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月13日、[拡大像] D71K-1855改@40mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月14日

 卵の拡大像では孵化する初齢幼虫の毛(Yの字型棘毛)が透けて見えております。5月15日に孵化し、直ぐに卵殻を食べ始めました。
f0090680_21271692.jpg
D71K-1855改@40mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月15日

 この時点での体長は2.9mm。全身毛むくじゃらの幼虫です。孵化後食樹からの摂食が進むとふっくらとした体形に変化します。孵化後2日後の初齢幼虫です。
f0090680_21273372.jpg
D71K-1855改@28mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月17日

 体長は4.8mm。5月18日に2齢。
f0090680_21274562.jpg
D71K-1855改@18mm(トリミング)、ISO=100、F11-1/125、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月19日

 体長は7.1mm。前・中・後胸部に黒色の突起を残し、腹節にあった棘毛は第10腹節を除き、全て消失しております。この頃は葉裏生活者で、クスノキ若葉の赤褐色に類似した体色です。5月21日前後に3齢になった模様(撮影は失念)で、25日に眠に入り、26日~27日に4齢になりました。なお3齢から葉表生活に変わっています。
f0090680_2128978.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月29日

 体長は24mm。後胸部にある一対の突起を結ぶ細い黄色線が出現。体が太くなったため胸部の突起も相対的に目立たなくなります。5月31日に眠に入り、翌6月1日に終齢(5齢)に到達。
f0090680_21282432.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:6月2日

 体長は37mm。胸部にあった突起は完全に消失。後胸部の突起は小さな眼状紋に変化しております。終齢幼虫は順調に発育し、6月9日に前蛹になりました。
f0090680_21284382.jpg
D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月2日

 体長は32mmに縮小。頭部をクスノキの葉柄側に向けています。これはアオスジの特徴で、同属のミカドは反対に尾端を葉柄側に向けるのが普通。翌10日、無事蛹化しました。
f0090680_2129093.jpg
D71K-85VR、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月10日

 体長は33mm。葉表に相当量の吐糸がされていることがわかります。通常ですと、ほぼ10日~2週間後の6月末頃には羽化する筈でしたが、現時点でも未だ羽化しておりません。死蛹でもないので、どうやら休眠蛹になったようです。アオスジにしろ、ミカドにせよ幼生期の日長長短で非休眠と休眠蛹に分かれるとされています。意図した訳ではありませんが、管理人の飼育条件が短日条件に相当したのでしょう。休眠時間は個体差があるようで、ひょっとすると来年の5月までこのまま眠っているかもしれませんし、あるいは9-10月頃羽化するかもしれません。今回久しぶりにアオスジの飼育を実施して、Graphium属蛹の休眠性について改めて考えさせられる機会となりました。
by fanseab | 2013-08-13 21:31 | | Comments(2)

ジャコウアゲハの飼育記録

 5-6月にかけて行った飼育記録です。最初はオオバウマノスズクサ葉裏への産卵状況と卵の拡大像。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
f0090680_2224487.jpg
D7K-20、ISO=500、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時43分(5月上旬)、[拡大像] D71K-1855@55mm(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月12日

 卵の直径は1.6mm、高さ1.9mmです。孵化直前にはかなり黒化してきます。
f0090680_22241761.jpg
D71K-1855@55mm(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月16日

 翌17日に孵化しました。孵化当日の初齢幼虫の姿です。
f0090680_22243430.jpg
D71K-1855@55mm(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月16日

 体長は4.7mm。19日に眠に入りました。眠状態の初齢幼虫です。
f0090680_22244912.jpg
D71K-1855@18mm(トリミング+上段3コマ/下段4コマ深度合成)、ISO=100、F11-1/160~250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月19日

 体長は5.3mm。孵化直後よりもかなりメタボ体型(笑)。21日に2齢になりました。
f0090680_2225940.jpg
D71K-85VR(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/180、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:5月21日

 地色が赤褐色からチョコレート色に変化しました。この地色は終齢まで保持され、この段階で既に沢山の突起を備えた特徴のある姿を呈しています。5月23日に眠に入り、翌24日に3齢になりました。なお、それまではオオバウマノスズクサで何とか飼育してきましたが、流石に萎れてきたので、ウマノスズクサに食餌を変更しました。食い付きに心配したものの、普通に食べてくれてホッとしました。眠状態の3齢幼虫の姿。
f0090680_22255057.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月29日

 3齢より体をよぎる白帯模様および背面を走る白線模様が明確になってきます。5月30日に4齢となりました。
f0090680_22261013.jpg
D71K-85VR(トリミング+上段2コマ/下段3コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月2日

 体長は25mm。3齢と比較して斑紋パターンにそれほどの変化はありませんが、各腹節をよぎる灰色の斜帯が顕著になり、地色も全般に黒化した感じです。6月4日に眠に入り、6日に5齢(終齢)に到達。
f0090680_22262363.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月10日

 体長は43mm。流石に大きくなった感じです。斑紋パターンは突起先端の赤色が顕著になる以外は4齢とさほど変化はありません。6月13日に下痢便(糞)を出し、翌14日に無事前蛹になりました。
f0090680_22264841.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月15日

 体長は28mm。吐糸した糸が黒いのに驚きました。16日に無事蛹化。
f0090680_2227254.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月17日

 じっくり見れば見るほど、「お菊虫」と名付けられた理由がよくわかります。6月28日になって蛹が少し色づき始め29日には翅の模様が透き出て参りました。羽化直前の姿です。
f0090680_22271592.jpg
D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月30日

 
 ジャコウ独特の毒々しい胴体の色合いも透けて見えます。この後、無事♀が羽化いたしました(例によって羽化の瞬間には出会えず)。
f0090680_22272440.jpg
D71K-85VR、ISO=400、F9-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月30日

 この♀、結構立派な体躯で、多摩川縁で見るジャコウ(食草:ウマノスズクサ)♀よりも巨大な感じがします。オオバウマノスズクサ食いとウマノスズクサ食いの個体群では翅長に有意差があるのだろうか?とちょっと疑問が湧いてきました。ともあれ、何とかフルステージ飼育が終わってホッといたしました。
by fanseab | 2013-08-08 22:31 | | Comments(8)

鈴鹿のキリシマ君(8月上旬)

 ♂が活発化する時期を見計らい、鈴鹿で♂撮影に再トライです。前回ご神木を見出しているので現地6時着とやや遅めの出動。件のアカガシを叩くと何と、キリシマはおろか、トンボさえ飛び出しません(^^; どうやらどこかに移動した様子。ここでこのポイントはキッパリと諦めました。後述するように結果的にこの判断は正解でした。この後、保険の意味で事前確認しておいた3つの林道を攻めてみますが、アカガシの繁殖密度が低すぎるので、いずれもNGでした。さてどうしよう・・・と考え、全く別の山塊へ移動してみました。こちらは針葉樹の植林密度も少なく照葉樹も多く期待が持てます。果たして9時30分過ぎ、見慣れたキリシマ♂の飛翔が目に入ってきました。ただ単発で飛び、他個体との絡みもなく苦戦します。それでも何とか♂の姿を写すことができました。

++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
f0090680_21443339.jpg
D71K-34、ISO=400、F10-1/800、-1.0EV、撮影時刻:10時09分

 もちろん距離は遠いですが、それでも近年撮影したショットとしては近い方です(笑) 更に探索を続けるとアカガシの密度がかなり濃い小渓谷を発見。ここに足を踏み入れて長竿でペシペシやると低い枝先から♀が3頭いきなり飛び出しました!予想通り、良い環境のようです。♀撮影は失敗しましたが、少し奥に進んだ時、思わず息を呑みました。最大5頭の♂がもつれるように林内・林縁を飛んでいます。暗がりにポッカリ空いた空間では卍が成立し、その卍に突撃する♂がいるは、卍がばらけた後、3-4頭で追尾飛行が始まるやら、とにかく凄い♂の密度と活動です。暫くは撮影をせずにこの光景に見入ってしまいました。将に2006年に鈴鹿で見た光景の再現でした。さて、我に返って撮影の準備。とにかく静止する間もなく追尾をしかけるので、飛翔モードで狙ってみました。
f0090680_21444599.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-1.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時41分

 タブノキの上を飛んでいる場面で、照葉樹林を飛ぶキリシマのイメージが撮影できてうれしいショットになりました。この日、驚いたことに卍はキリシマとしては相当長時間持続し、まるでメスアカの卍を彷彿させるものでしたので、300mmで卍にもトライ。
f0090680_2144553.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-1.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時41分
f0090680_2145447.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-1.7EV、撮影時刻:10時42分
f0090680_21451255.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-1.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時44分

 1枚目は樹林内の茂みで卍飛翔をする2頭です。左個体の輝きはモルフォを彷彿とさせますね。2-3枚目は露出補正をアンダー過剰にしたためやや画面が荒れたのが難点。でも何とかキリシマ♂独特の裏面のディテールは表現できました。ある程度300mmで手応えを得たので広角飛翔にもチャレンジ。キリシマ♂は青白い輝きを魅せながら暗い林床を猛スピードで探♀飛翔していきます。この行動は他のゼフにはないもので、以前から何とか撮影したいと思っておりましたが、低速シャッターで何とか雰囲気が出せたのが次のショット。
f0090680_21453160.jpg
D7K-20(トリミング)、ISO=500、F13-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時38分

 ここでは中途半端に背景がブレておりまして、いっそのこと、流し撮りをすればもっとスピード感が出たかもしれません。ただキリシマのスピードに翻弄されて、そこまでカメラをコントロールすることはできませんね。暫く彼らの飛翔行動を観察しておりますと、ある特定の樹木(樹種不明:アカガシではない)の根元付近を舐めるように♂が飛んでいきます。恐らく♀が潜んでいそうな直感が働くのでしょう。薄暗い根元を探索する♂の姿も何とかキャッチすることに成功。
f0090680_21454067.jpg
D7K-20(トリミング)、ISO=500、F11-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時58分

 ビュンビュン飛び回る彼らも、もちろん占有位置を確保すれば暫し葉先に止まります。少し遠目のアカガシ葉上に止まった1頭。
f0090680_21455286.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/1000、-1.0EV、撮影時刻:11時45分

 右前翅端が何故か外側に折れ曲がっています。バトルで曲がったとは考え難いので、羽化不全なのでしょうか?でもこの子、ハンディキャップを感じさせないバトルを展開しておりました。有難いことに接近戦でのチャンスは都合3回ありました。最初は金緑色が望める最高の状況でしたが、カメラを向けた瞬間、別の♂にアタックされてジ・エンド(^^; 本当にトホホ状態。この文章を書いている途中でも撮り逃がした悔しさが拭えません。2回目はほぼ正面から半開画像を撮影。しかしピンボケ(^^; やはり接近戦ではアドレナリン出まくりで冷静に撮影できません。そしてようやく3度目の正直で撮影できたのがこの絵。
f0090680_2146227.jpg
D71K-34、ISO=640、F11-1/800、-1.0EV、撮影時刻:11時21分

 ノートリで♂をこの距離感で撮影できたのは2006年以来7年振りです。このアングルから見込む表翅の色合いは、ほぼ飛翔中のキリシマのイメージに近いものがありますね。裏面の調子を整えようとストロボ照射で撮影をトライした瞬間、またまた別の♂襲撃に遭って、接近戦はお終い。♂個体数が多いとバトルに敗けた♂が低い位置に降りてきてくれるメリットがある反面、開翅中に他の♂に再攻撃されるデメリットがあって、なかなか上手くいきません。それでも再度まずまずの接近戦で♂閉翅が撮れました。
f0090680_21461029.jpg
D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時49分

 こうして子細に見ると、歴戦で翅が相当傷んでおり、右後翅の尾状突起は欠落しています。それでもキリシマ♂独特の裏面ディテールは大変魅力的です。正午頃、急に怪しげな雲が湧きたち夕立の接近が示唆されたのと、キリシマの活動も一旦収束したので、撤収いたしました。キリシマは仮に撮影できなくても、素晴らしい飛翔を見るだけでもスカッとした気分になります。今回は幸運にも「お宝スポット」を発見でき、タップリ2時間その姿を見ながら至福の時間を過ごすことができました。なお今回発見したポイントでは♀産卵も狙えそうなので、機会がありましたら、再訪したいと思っております。
by fanseab | 2013-08-04 21:46 | | Comments(6)