探蝶逍遥記

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ツマキチョウの飼育記録

 春先は同時に数種類の飼育をしておりまして、餌交換や写真撮影に大忙しでした。で、忘れないうちに記事にまとめておくことにします。多摩川縁で出会った♀の産卵直後に写したイヌガラシへの産卵状況と拡大像です。いずれも再掲載画像です。

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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月27日
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D71K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:4月30日

 5月2日に無事孵化。すぐにイヌガラシの蕾を食い始めました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月2日

 この時点での体長は1.8mm。5月5日に眠に入りました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月5日

 体長は3.5mm。黒い頭部の後ろ側に2齢の頭殻が既に形成されているようです。2齢幼虫の姿は撮り損ないましたが、色合いは初齢とよく似ていて、黄色味を帯びた緑色です。なお、2齢途中からイヌガラシの入手が困難だったので、セイヨウカラシナ(菜の花)の果実に給餌材料を変更しました。また3齢への脱皮時期も把握できず、5月10日の姿を撮影。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月10日

 体色が緑一色になり、白い側線が目立つようになります。基本、この色合いは終齢まで保持されており、先に飼育したキタキチョウとよく似た配色パターンです。5月11日に眠に入り、翌12日に4齢になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月12日

 体長は10mm。その後順調に育ち、15日に5齢(終齢)になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月16日

 体長は28mm。セイヨウカラシナの細長い果実と姿形がそっくりです。ただ厳密に言うと5齢段階よりも4齢中期の方が、体の太さまで果実に忠実で、擬態の完成度が高い感じ。その後も順調に発育し、5月20日に前蛹になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/200、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月21日

 帯蛹の糸は太く、尾鉤先端の吐糸も相当に厳重な感じで、やはり蛹越冬種として長期に渡る備えをしっかりやっているのでしょう。↑の前蛹を撮影した同日、5月21日に蛹化しました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/60、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月22日

 蛹化直後は緑色をしておりますが、一日経過すると、ご覧のように褐色に変化します。この時点では緑色のセイヨウカラシナ果実と違和感がありますが、果実が枯れてくると遠目からは蛹の存在が目立たなくなります。蛹化11日後の姿です。

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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:6月2日

 もちろん、蛹の体色は同じ褐色と言っても色々とバリエーションがあるのだと思います。さて何とか蛹まで辿りつきました。この後、一番心配なのは「ツマキ蛹の存在を忘れてしまう」こと。来年の春、気が付いたら飼育プラケースの中で羽化不全のツマキチョウが干からびていた・・・・。こんな悲劇を起こさないように注意したいと思います。もっともツマキの場合は蛹が翌春に羽化せず、2年後の春に羽化する事例もあります。そのことも含め蛹が羽化するまで注意して管理していきたいと思います。
by fanseab | 2013-06-29 21:07 | | Comments(2)

ミドリシジミの産卵(6月中旬&下旬)

 首題シーン撮影目的で拙宅近くの川崎市内のハンノキ林へ赴きました。産卵時間帯は概ね午後と判断し、初回は13時前に現地到着。ミドリシジミが好む比較的細いハンノキの樹肌をざっとチェックすると既に卵塊が付いていて♀の産卵はスタートしている模様。数本の株を見ていくうちにチラッと黒い影が飛びます。直径20cmほどの中木の根元から高さ1mほどの実生が伸びていて、この枝先に待望のミドリ♀がウロチョロしておりました。腹端を曲げ、赤い産卵器官の一部を露出させたまま、小枝を伝い歩き、好みの部位を探しております。

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D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F9-1/400、外部ストロボ、撮影時刻:13時15分

 ただ、産むべき部位が少ないと見え一向に産卵動作に至りません。樹肌と異なり細枝での産卵部位は相当限定される印象です。そのうち既に産まれている2卵塊を通り過ぎていきました。
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D71K-85VR、ISO=500、F9-1/400、外部ストロボ、撮影時刻:13時15分

 結局10分ほど小枝を数回上下動徘徊した後、チラチラと樹冠に向け飛び立っていきました。この実生をチェックしてみると、↑の2卵含め合計6卵産まれておりました。恐らく管理人が撮影する以前に殆どの産卵を終了させていたのかもしれません。この日は運よく「産卵行動シーン」には出会えたものの、あくまで「産卵シーン」撮影が目的なので、別の日に出直しです。
 2回目も産卵時間実績重視で午後1時到着。この日は夕方まで粘る作戦。その甲斐あって、ようやく「産卵シーン」撮影に成功。
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D71K-85VR、ISO=500、F9-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時28分23秒

 樹肌に産み付けられた様子です。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=500、F9-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時29分10秒

 ここでは4卵塊産み付けていたようです。一番右側は昨シーズンに産まれた卵殻なのでしょう。ご覧のように産卵直後は緑色を帯びています。この状態を前玉外し系で拡大撮影をしてみました。
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D71K-1855改@55mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=100、F22-1/400、-1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時43分02秒

 驚いたことに先ほどまで緑色だった卵が既に白色に変化しております。この間、僅か15分弱。ツマキチョウ等は産卵直後に橙色で約1日後に白色に変化します。この経験があったものですから、すぐには変色しないだろう・・・と、つい油断をしてしまいました。その後、もう少し粘って待望の多数卵塊での産卵瞬間シーンをゲットできました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F10-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時30分38秒

 右下に腹端付近の拡大像を挿入しておきました。卵より先んじて粘着物質(透明液体:写真で黒く見える)が腹端より出、ほぼ同時に卵が産み付けられる感じです。粘着物質はすぐに卵の底辺部まで拡がり卵表面には付着・固化しないように見えます。恐らく表面の棘皮が撥水性を示すため、同物質は卵表面ではなく、樹肌もしくは他の卵との接着に優先的に利用できるのでしょう。さて、最終的に産み付けられた19卵塊の様子です。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時32分

 直近に産み付けられた3卵はまだ緑色をしております。この母蝶がここで19卵塊を産み付けたのか、あるいは別個体と併せて19卵塊になったのかは確認しておりません。なお卵塊の向きは良く見られるように樹肌の北側に位置しておりました。この日は天気予報通り15時過ぎから雲行きが怪しくなり、そのうち俄雨が降ってまいりました。傘を差しながら梢を見上げていると15時30分頃から♂のテリ張り・卍飛翔がスタート。18時頃まで続いておりました。残念なことにこのポイントでは卍飛翔が地面近くまでは降りずに空中で直ぐに解けてしまうので、広角卍飛翔撮影はできず(^^; この間、♀の行動を注視しておりましたものの、産卵行動は確認できませんでした。降雨で樹肌が濡れたことを嫌うのか、あるいは♂の活動時間帯を避ける行動なのかは不明です。結局2日間で観察した結果、13時~15時に産卵行動が活発になる印象でした。前玉外しでは越冬卵の詳細構造が確認できないため、別の卵塊を超拡大撮影システムでも撮影。
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D71K-85VR-24R(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時09分

 苔にまみれていない卵はやはり綺麗です。左端の卵は既に寄生されているようです。次に越冬卵表面汚染が継時的にどう進行するかを今年1月に横浜で撮影した越冬卵と比較してみました。
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D71K-85VR-24R(トリミング+上段4コマ/下段3コマ深度合成)、ISO=上段100/下段200、F29-上段:1/320/下段1/125、-1.0EV、外部ストロボ

 苔が付着していないと棘皮先端構造・精孔内部の状況が詳細に把握できます。ミドリシジミはハンノキ林のように多湿環境で越冬しますので、苔の付着は避けられないのですね。他のゼフ越冬卵も本来産卵直後に撮影できれば御の字ですが、ウラゴ以外はなかなか難しいのが現状です。今回管理人として、ウラゴ以外に初めてゼフ産卵シーンをゲットできました。他のゼフ♀産卵シーンもできればトライしてみたいと思っております。
by fanseab | 2013-06-24 21:13 | | Comments(14)

クモガタヒョウモン等(6月中旬)

 クロミ探索をした林縁では期待していた新鮮なヒオドシチョウに会うことができました。

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D71K-34、ISO=320、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時57分

 ヘムレンさんがアップされていた(外部リンク白樺に止まった絵が理想ですが、まぁ、ここはクルミの木で我慢しときましょう。どうやら樹肌上で吐き戻し行動をしているように見えました。ヒオドシはオオムラサキが出る頃までは散発的に新鮮な個体を見ることができます。ブルー系シジミを撮影した後、帰り支度のためちょっとした広場に駐車し、車内でお握りを頬張っておりますと、前方のウツギに大型ヒョウモンが群れております。慌ててお握りを車内に置き、ウツギに突進して撮影。最初はミドリヒョウモンの♀。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時51分

 夏眠前の新鮮なミドリ♀を写す機会もそうそうないので、とても嬉しいショットになりました。暗化型ではない普通の個体。でも緑色を帯びた表翅は和名に相応しいものですね。お次はちょっと小さ目に見えるウラギンヒョウモン♂。
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D71K-34、ISO=640、F11-1/800、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時56分

 こちらはウツギではなく、ムシトリスミレでの吸蜜シーンです。残念ながら既にスレておりました。先ほどのウツギの花弁に次いで登場した大型ヒョウモンはやや淡色。期待して接近すると嬉しいことに新鮮なクモガタヒョウモンの♂でした。
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D71K-34、ISO=640、F11-1/800、-1.0EV、撮影時刻:10時58分
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D71K-34、ISO=640、F11-1/800、-0.7EV、撮影時刻:10時58分
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D71K-34、ISO=640、F9-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時00分

 実はデジタルになってからクモガタ♂を撮影するのはこれが初めてなので、昂奮して撮りまくりました。乱れの無い後翅表の豹紋と後翅裏面のスッキリ感はやはり魅力タップリです。このポイントで少し時間帯とか時期をずらせば♀の撮影も可能かもしれません。ここで付き合ってくれた♂個体は相当ウツギに執着しており、管理人がしつこく付きまとっても花弁からなかなか離れません。そこで余裕も出たので広角飛翔にチャレンジ。
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D71K-20、ISO=200、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時06分
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D71K-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時06分

 1枚目はノートリ、しかも狙って撮った「迎え撮り(飛翔個体を追いかけるのではなく正面から迎えて撮るショット)」画像なので、PC画面でモニターした時、思わず歓声を上げました。2枚目はクモガタらしい後翅裏面のスッキリ感が出せて満足できる仕上がりになりました。

 帰宅準備中の駐車タイムで思わぬタテハチョウ撮影の機会が得られたこともあり、この日はとても効率的な山梨遠征になりました。
by fanseab | 2013-06-20 21:53 | | Comments(8)

格調高きブルー(6月中旬)

 クロミ探索の後、場所替えをしてこの時期に見られるブルー、subsolanus探索です。今シーズンは例年に比較して種によらず2週間程度発生が早いので、時期はベストだろうとの判断。問題は天候で、ピーカンにならないことを祈って現地9時過ぎに到着。祈りが通じドンヨリとした曇り空。早速2-3頭の♂が飛び出してくれました。いずれも新鮮な個体。先ずは慎重に開翅を撮影。

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D71K-85VR、ISO=200、F5.6-1/400、-1.0EV、撮影時刻:9時31分

 続いて縦位置で。
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D71K-85VR、ISO=320、F10-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時22分

 これだけ鮮度が良いと翅脈から縁毛に伸びた黒線も面白いし、何より前翅前縁基部側の青白班がとても印象的です。地域によってブルーが全面に拡がった個体がもてはやされがちな本種ですが、やはり黒地に遠慮勝ちに載った青鱗粉が管理人の好みです。翅面全域ブルーならargyrognomonargusで楽しめばいいのですからね。まさに今回示した個体は「格調高きブルー」と言ってもよいでしょう。さて、♀は♂からなるべく姿を隠すが如く、茂みに潜んで時々開翅日光浴をしておりました。マクロと縦広角です。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/125、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時39分
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GXR@5.1mm、ISO=200、F6.5-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時54分

 左後翅の欠けがちょっぴり残念でした。でも曇天が幸いして♂同様、♀らしい地色が表現できたと思います。♂は♀探索に忙しく飛び回っておりましたが、♀は♂の眼を盗んで時折スイカズラに吸蜜に来ておりました。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/125、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時40分

 食草のナンテンハギの花が少ないこともあって、こちらが貴重な吸蜜源になっていたようです。できれば食草花弁とのコラボを撮りたかったのですが、スイカズラ吸蜜画像も絵になるものだと思いました。さて、昨年もチャレンジした飛翔にもトライ。
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D71K-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時04分
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D71K-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時06分

 1枚目の♂はこの日出会った中では一番ブルー鱗粉の載った個体だと思います。ウラゴ等に比べればムチャ遅い飛翔速度ですが、置きピン位置に来るかどうかは別問題で、意外と苦戦いたしました。お次は求愛飛翔を2コマ。
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D71K-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時54分
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D71K-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時04分

 絡みはあまり持続せず、交尾も観察できませんでしたが、2枚目を見ると、♂♀裏面の地色の差がよく理解できます。1時間余りの滞在にも拘らず、新鮮なブルーに囲まれて楽しい一時を過ごすことができました。次回は今回の山梨遠征で出会ったタテハチョウをご紹介予定です。
by fanseab | 2013-06-18 21:02 | | Comments(14)

クロミドリシジミ♂探索(6月中旬)

 首題シジミを求めて山梨に赴きました。諸般の事情で、今年になって初めての甲斐路探索になりました。気温が低く、時々小雨が降る・・・、こんなクロミ撮影日和を期待するものの、笹子トンネルを抜けるとむわっとした湿気が感じられます。これは駄目なパターンかも、と観念してポイントに。すると既に長竿を携えた同好の士と思われる方がクヌギの梢を眺めておられます。傍らには見覚えのある車が。そう、やはりブログ仲間の虫林さん(外部リンク)でした。早速戦果を伺うと「私も今着いたばかりでこれから叩きだし開始」とのこと。早速ご一緒して虫林さんとクヌギの梢を見上げます。ところが、叩いても蝶影がサッパリ。それでも虫林さんの誘導テクニックで何とか目的のクロミ♂1頭を降臨させることに成功。先ずは閉翅画像をきちんと撮りました。

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D71K-34、ISO=400、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:5時58分

 縁毛が擦れており、右後翅裏面中央に黒い傷がある個体。それでも♂をフィールドでこれだけの接近戦で撮れたのはこれが初めて。先ずは胸を撫で下ろしました。この後、虫林さんと小生二手に分かれて探索するも降りてくれたのはいずれも♀のみ。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:6時07分
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:6時17分

 ♀はいずれも新鮮な個体でした。まだ♂開翅には時間がかかりそうなので、一先ずこの現場を離れ、虫林さんと別ポイントの状況を見に行きました。しかし、ここでもクロミの姿は無し。どうも全般に個体数が少ない様子。特に最初のポイントでは普通クロミ以外の「外道(失礼!)」として、ミズイロオナガやウラナミアカがパラパラ飛び出すのですが、この日はそれも皆無。絶不調ならぬ「ゼフ不調」状態。所用のある虫林さんとは途中でお別れし、再度最初のポイントに戻り、♂の様子を確認します。幸いにも未だ飛び去らず、クズの葉上に鎮座しておりました。そのうち向きを変え、翅をスリスリし始めた後、待望久しい開翅の瞬間が近づきました。
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D71K-34、ISO=500、F5.6-1/640、-0.7EV、撮影時刻:7時26分

 その直後、御開帳です!
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D71K-34、ISO=500、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時27分

 気温が高いので開翅角度はこれが限界。それでもスレ品の割には表翅が綺麗なので助かりました。いずれにせよ、♂開翅撮影はこれが初体験。初めてこのポイントでクロミに出会って以来、4年越しでようやく♂開翅シーンをゲットできました。この後、クズの葉を揺らした刺激で二度ほど飛び立ちましたが、上手い具合に目線やや上に止まってくれ、今度はほぼ真正面から開翅シーンをゲットできました。
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D71K-34、ISO=500、F11-1/800、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時40分

 もう少し上方から見込みたかったのですが、管理人の所有する脚立ではこれが限界。それにしてもピンと立った長い尾状突起が恰好エエですネ! 一通り、マクロ画像が撮れたので、広角に挑戦。しかし、気配を感じたのか、すぐに翅を閉じてしまいました。ここで裏ワザ、LEDライト照射で再度開翅させようと目論んだのですが、効果無し。一旦開翅日光浴で十分体温が上がった状態では効き目がないのかもしれません。仕方なく閉翅広角画像で我慢いたしました。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F6.5-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ+LEDライト、撮影時刻:7時40分

 LEDライト併用だと、コンデジでの甘い合焦能力でもピントが迷わず対象に来るメリットがあり、助かりますね。なにはともあれ、無事目的の♂開翅シーンをゲットできて満足感に浸ったのでした。フレンドリーな♂を降臨させて頂いた虫林さんには、最近の現地情報まで色々とご教示頂き、有難うございました。この後、別の目的で移動しましたが、そちらの成果はまた別途ご紹介することにいたしましょう。
by fanseab | 2013-06-16 22:04 | | Comments(6)

続々・多摩川縁のコムラサキ探索(6月上旬)

 前回の反省からこの日は午前10時半前から現地に赴きました。午後1時過ぎ頃と推定される産卵タイムまで暫く時間があるので、ヤナギ林を暫く観察。すると樹冠付近を活発に飛ぶ個体を発見。遠目にも色合いが薄くどうやら♀のようです。暫し追っかけをした後、運よく見通しの良い場所で産卵をしてくれました!

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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時31分

 産卵時間は2秒弱でしょうか。あまりにも短く合焦が間に合わず完璧ピンボケ。でも管理人にとって記念すべきコムラサキ産卵シーン初撮影となりました。ピクセル等倍で翅形状を検してみると、左後翅肛角部に欠けがあり、どうやら前回の記事でご紹介した識別#F2個体のようです。この後、この個体の追っかけをしましたが、見失い、11時前には活動がストップした様子。仕方なく場所替えして別のヤナギポイントへ移動。ここには新鮮な♂が比較的活発に探♀飛翔を繰り返していたので、飛翔撮影に集中。何とか3枚ゲットできました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:12時00分
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:12時05分
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:12時10分

 1枚目は一番バランスが取れた画像ですが、紫色幻光はこのアングルでは期待できません。2枚目はクルミ周辺を周回飛行する個体。距離的にも近くかなり手応えを感じていたにも拘らずこのショットしか成果なし(^^; 3枚目も向こう側に飛び去るショットでガッカリ。兎に角レンズに向かうアングルで太陽とほぼ正対する位置で切り撮れれば紫色幻光を表現できるはずなのに・・・・、そんな時に限って置きピンを外れるんですねぇ~。午後1時を過ぎると♂の占有行動が活発になってきます。2頭が絡んだ場面を奇跡的にノートリで撮ることができました。
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D71K-34、ISO=640、F16-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時02分

 それにしても順光で撮れていたらなぁ~とPC画面上で溜息をつきました。さてこの日は前回観察時の産卵活動ピーク時間と思しき午後1時半には全く♀を観察できずガッカリ。やっと発見した♀はノンビリとヤナギの樹液を吸っておりました。
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D71K-34、ISO=640、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時36分

 この個体は左前翅外縁に小さな欠けがあり、別途確認した後翅裏面中室にある微小黒点が2個あることから前回確認した識別#F1とも異なる個体で#F3とすべき♀でした。この♀は14時頃吸汁を止めどこかに飛び去ったようで、この後15時過ぎまで♀は活動を休止していたように思います。これまでの3回の観察で、♀の産卵行動を確認できたのは10時半過ぎと13時半頃の2回で、14時以降は葉影で静止しているか樹液を吸っているかのどちらかで全く不活発な状態に終始していたように思います。産卵活動のピーク時間帯が上記のように2山あるのか、それとも日照や気温・湿度に応じて産卵時間を変える1山タイプなのか?今後、第2化/3化♀の挙動を継続観察して確認してみたいと思います。いずれにせよ、産卵はヤナギの樹冠付近を好むようで、今回観察したポイントで産卵シーンを撮影するのは至難の業でした。接近戦で撮るためには橋の欄干等からヤナギ樹冠を見下ろせるようなポイント開拓が必要と思われます。ネットで調べると、コムラサキ♀はヤナギの幹上や幹から発生する実生(ひこばえ)にも産卵するようです。このような場面に巡り会えたらもう少しましな産卵画像が撮れるのでしょう。それでも今回初めて真面目に継続観察した結果、コムラサキ♀の生態の一部を知ることができ、大変有意義だったと感じております。
 なお、ヤナギの樹液に比較的立派なヒラタクワガタ♂が吸汁しておりました。
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D71K-34、ISO=640、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時32分
 
 因みに多摩川縁のヤナギでヒラタを見るのは管理人初体験でした。
by fanseab | 2013-06-15 20:52 | | Comments(4)

続・多摩川縁のコムラサキ探索(6月上旬)

 前回(外部リンクに引き続き、コムラサキ♀産卵シーンを目的に多摩川を探索。
♂は既にボロ品ばかりと思いきや、新鮮な個体も混じっておりました。

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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時23分

 例によって、接近戦で紫色幻光を写せるアングルには止まっておりませんので、トリミングでのご紹介。♀は探索の結果、2頭を確認。最初の個体は比較的新鮮でした。
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D71K-34、ISO=500、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時55分

 前回同様、ヤナギの葉影でひっそりと開翅休息しております。この個体の後翅中室にある微小黒点(矢印)は1個でこの個体を識別#F1とします。微小黒点の形質、および表翅の鮮度等を総合勘案して、どうやら個体#F1が前回記事で8~9枚目の画像でご紹介したのと同一個体と推定しました。そうだとするとこのポイントにこの♀は1週間近く定住していたことになります。2頭目の個体はやや遠目からのショットで確認。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時02分

 全般にスレ気味で左後翅肛角部に欠損があり、両後翅肛角付近が白化している特徴があります。これを識別#F2とします。
 さて、問題の産卵行動ですが、この日ポイントに13時頃到着し、15時過ぎまで観察を実施したところ、どうやら13時30分頃をピークに産卵行動らしき挙動が見られました。このような行動を示すヤナギはある程度特定されていて、そのような好みの株を循環して産卵を行っているように思いました。これらの株は実は冬場にコムラサキ越冬幼虫が沢山見つかる「ご神木」と一致しており、やはり母蝶の好む産卵木に選好性のあることがハッキリしました。一方で産卵現場を確認するのは至難の業でした。母蝶はヤナギの樹冠付近を滑空しながら時折、ヤナギの内部に侵入し、葉陰に産み付けているように思います。概ね数回の産卵行動を終えると次の株に飛び立ってしまいます。最初の産卵行動を発見し、それっ!と勢いよくそのヤナギ株に突進しても、オギ群落の藪漕ぎを強いられて目的の株に到達した時には既にコムラサキはあちらの株へヒラリ~。こんな状況で結局産卵シーンは撮影できず。ただ♀が好みの株の樹冠周辺を滑空するシーンは撮影できました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F13-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:13時44分

 空バックかつ前ピンの酷い絵ですが、左後翅肛角の欠損がはっきりと確認でき、どうやら個体#F2の産卵行動であることが確認できました。
 また、この日、新鮮な♂に絡む♂の誤求愛行動も観察できました。クルミの葉上で閉翅していた個体に♂が翅を拡げて接近。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時15分00秒

 ♂の攻撃に思わず上の個体は開翅。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時15分04秒

 この際、黒光りする質感からこの個体が♀ではなく♂であることが分かりました。翅を開いた個体に強引に頭を押し込む♂です。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時15分05秒

 ようやく諦めて♂が飛び去りました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時15分09秒

 この日、下草ではキマダラセセリ♂が盛期を迎えていたようです。
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D71K-34、ISO=400、F6.3-1/800、-0.7EV、撮影時刻:13時19分

 関東が梅雨入りして暫くすると、この子が多摩川に登場することになっております。この日の探索でコムラサキ♀産卵が13時前後にあることが判明したので、再度日を改めて再トライすることにしました。<次回に続く>
by fanseab | 2013-06-13 21:39 | | Comments(6)

ハヤシミドリシジミの飼育記録

 昨年11月に富士山麓のポイントでカシワの一年枝に付いていたFavonius属の越冬卵を撮影(外部リンク、自宅に持ち帰り飼育をしてみました。越冬卵は原則現地で自然状態のまま撮影することにしておりますが、ハヤシかオオミドリかの区別が越冬卵微構造確認では判断付きかねるため、仕方なく飼育・羽化させて判定するのが目的でした。先ずは越冬卵の微構造です(再掲載)。

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D7K-85VR-24R(トリミング+深度合成処理:上段5コマ、下段6コマ)、ISO=200、F29-1/160、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影月日:2012年11月中旬

 冬場は定石通り冷蔵庫に保管しました。飼育は産まれていたカシワではなく、クヌギの花穂を前提に、近所のクヌギ芽吹き状況をウオッチしておりました。昨年クロミドリ(外部リンクアイノミドリ(外部リンク)を飼育した際、クヌギの芽吹きは4月10日頃でした。ところが本年は3月に入って異常に気温が高かったせいか、3月中旬過ぎには既に芽吹きが始まっていたので、3月20日に冷蔵庫から越冬卵を取り出し、室温保管に切り替えました。クロミの場合は冷蔵庫から出して2日後、アイノは4日後に孵化したので、今回も1週間以内に孵化するだろうと推測しておりました。ところが10日経過しても精孔部の孔開きが認められません。無精卵か死卵だったかとちょっと心配になりましたが、3月31日になってようやく孔が開きました。
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D71K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=200、F29-1/320、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影月日:3月31日

 孔は徐々に拡大し、4月2日に孵化しました。孵化直後の初齢幼虫です。
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D71K-1855@52mm(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/400、-0.3EV、外部ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月2日

 体長は1.5mm程度。クヌギの花穂へはそれほど迷わず食いついてくれてホッと一安心。実は初齢に与える餌はクヌギ等の新芽でも構わないのですが、クロミやアイノ飼育の経験から、新芽内に潜入されると初齢~2齢に至る過程の観察が困難になると思い、最初から花穂を与えたのでした。この作戦は大成功で、初齢眠から2齢に至る過程が正確に把握できました。クヌギ花穂に食いついている初齢幼虫です。
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D71K-1855@46mm(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/400、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月7日

 画面左に頭部があり、体長は約2.3mm。背面の台形模様もはっきりとしてきました。体色はクヌギの花穂にそっくりです。4月8日に眠に入り、10日に2齢になりました。
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D71K-1855@35mm(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:4月13日

 体長は6mm弱。体型が扁平化してきましたが、体色にさほど変化はありません。4月14日に眠に入りました。面白いのは眠の際、花穂から離れ、湿らしたティッシュペーパー上に移動して静止する行動です。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F7.2-1/25、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:4月15日

 自然状態では枝の分岐とかに静止して眠状態を過ごすのでしょう。この生態は終齢(4齢)まで同じでした。4月16日に3齢になりました(左が頭部)。
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D71K-85VR(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=200、F13-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月19日

 体長は10mm弱。3齢で体色にかなり変化が出てきます。全体に黒味を帯び、相対的に背面の楔型模様がくっきりと目立ってきます。第6腹節のそれは特に白く目立ちます。更に側面の白線も明確になります。4月21日に眠に入り、24日に4齢(終齢)になりました。
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D71K-85VR(トリミング+上段5コマ/下段3コマ深度合成処理)、ISO=100、F13-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月28日

 体色が更に暗化し、見た目真っ黒です。教科書(※)によれば、ハヤシの終齢幼虫の体色はバリエーションに富んでいて灰色から暗褐色まで確認されているようです。管理人の飼育個体は恐らく一番黒いタイプだったのでしょう。
※福田晴夫他、原色日本蝶類生態図鑑(Ⅲ)、p.171(保育社)
 4齢の斑紋を検して、ようやく飼育個体がオオミドリではなく、ハヤシであること確認でき、胸をなで下ろしました。オオミドリはもう少し体色が青味を帯び、第8腹節が横方向に拡がる等の特徴があるとされています。この絵では体長17mmほどですが、最終的には20mm程度まで成長し非常に巨大な印象を受けました。なお、終齢の途中で冷蔵庫保管してきたクヌギの花穂も在庫が尽きたため、最後はクヌギの若葉に切り替えました。その若葉の食痕です。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月3日

 先端から食って中脈は残し気味、葉の1/2~1/3程度食して隣の葉を食うパターン。結果、矢尻型の食痕が残されます。孵化から31日目の5月3日、前蛹となりました(左が頭部)。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段4コマ深度合成処理)、ISO=200、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月3日

 他のシジミ同様、淡い部分がピンク色を帯びています。面白いのは画面右端に写っている液体。アゲハの終齢幼虫が蛹化前に黒い液体を出すことを経験しておりますが、シジミ幼虫でもこのような体液(アゲハと異なり透明)を腹部から出すことを初めて知りました。5月5日、無事蛹化しました。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成処理)、ISO=100、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月7日

 体色は褐色、全体に小黒点が散布されていて特別特徴のある姿ではありません。5月21日あたりから翅面が黒化し、羽化の接近を知らせてくれました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月23日

 翅面が紫色を帯びたブルーに輝き、♂が羽化することを確信いたしました。そして孵化後51日目の5月23日、予想通り♂が無事羽化いたしました(蛹期は18日)。
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D71K-85VR、ISO=100、F11-1/100、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:5月23日

 カシワがないので、クヌギに何とか止まらせての記念撮影。この後、野外に移動し「飛び去るなよ~」って願掛けしながら(笑)、記念撮影。先ずは真正面からお見合い写真。
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D71K-85VR、ISO=400、F6.3-1/500、-1.0EV、撮影月日:5月23日

 実はLEDライトを照射して開翅を目論んだのですが、言うことを聞いてくれませんでした(^^; 仕方なく真正面から垣間見えるウルトラマリンの輝きをちょっぴり写し込むことに。続いて真横から。
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D71K-85VR、ISO=400、F6.3-1/500、-1.0EV、撮影月日:5月23日

 ここに至るまでの過程で結構ビュンビュン羽ばたきをして暴れていたので、縁毛もちょっぴり痛んでしまいました。僅か1個の越冬卵からの飼育は非常にリスクが高いのですが、昨年のクロミドリ、アイノに引き続きハヤシの飼育に成功し、暫し達成感を楽しんだのでした。実はハヤシの飼育は中学生以来、ん十年振りなのです。当時は神奈川県に細々と残るカシワ林から今回同様僅か1卵採卵し、何とか♀を羽化させました。その時の展翅標本は奇跡的に未だ保管できていて、いずれ標本画像をご紹介したいと思います。当時、ゼフの飼育は「これで最初で最後だろう」と思っておりましたが、いいおっさんになってから再度飼育するとは夢にも思わなかったのです。結果、前回は♀、今回は♂で「一姫二太郎(?)」と飼育仕分けが出来たのもラッキーでした(^^)
by fanseab | 2013-06-11 20:27 | | Comments(0)

キタキチョウの飼育記録

 4月に検査のため某病院を訪問した際、病院前の草地に生えているメドハギの若葉にキタキチョウの越冬個体が産卵しておりました。カメラを持参していたら背景が抜けたキタキチョウ♀産卵シーンが撮影できたのでしたが・・・。ガッカリ。で、卵をお持ち帰りして飼育してみることに。産卵状況とかは撮影し忘れたので、いきなり超拡大像から。

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D71K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月15日

 表面に刻まれた縦横方向に走る線刻模様は大変繊細な印象です。4月17日に孵化、初齢幼虫を撮り忘れて2齢を撮影。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F13-1/200、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:4月21日

 体長は3.7mm。この時期、まだメドハギの表面を舐め食いしております。黄色と緑が混ざった体色です。飼育記録上困った点は初齢からの4齢あたりまで、どうも齢変化がイマイチ不明確でした。脱皮した際の脱皮殻は幼虫が食べてしまうので、痕跡は頭殻しか証拠として残りません。この頭殻も糞にまみれて食草交換時に捨ててしまうと一貫の終わり。本来、齢を重ねると糞サイズが変化していくのでこれも齢変化の指標になるのですけど、初齢~2齢あたりは極端な糞サイズ変化もなくて困惑しました。上記事情もあって3齢は撮影できず、4齢と思しき幼虫の姿です。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F13-1/200、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:4月28日
 
 メドハギの葉のサイズとほぼ同じで見事な保護色になっています。側面の白線が目立つようになります。それと初齢を含め繊毛の先端に小さな液滴が付いているように見えます。これは一体何なのでしょうね。4齢後半の姿も撮影。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F13-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月2日

 側面の白線が明確になってきます。5/4に5齢になりました。未撮影ですが、ほぼ4齢と同様な姿形です。そして5/9に前蛹になりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月10日

 ここで問題発生!帯蛹の糸切れで「垂蛹」になってしまいました。ただキチョウではよくあるケースのようです。翌10日に蛹化。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月12日

 5月18日あたりから翅面が色づき始め、5月19日には前翅にあるキタキチョウ夏型の模様がはっきりと見えるようになりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月20日

 5月20日(孵化から33日目)、無事夏型♂が羽化いたしました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:5月20日

 縁毛の色は教科書通り、黄色一色であることがわかります。今回の飼育では標準的な帯蛹スタイルの前蛹と蛹画像を撮ることができませんでした。次回以降の課題にしたいと思います。
by fanseab | 2013-06-06 22:18 | | Comments(4)

多摩川縁のコムラサキ探索(6月上旬)

 先日ウラゴ探索でコムラサキに出会いました。近所の発生状況を確認するため多摩川縁のコムラサキポイントに出向きました。今回の主目的はズバリ♀産卵シーンの撮影。概ね♀が発生している時期だろうとの読みでひたすら♀を探します。ところが、♀はおろか♂の姿もありません。仕方なくヤナギの傍を歩き回っていると真っ白なタテハに出会いました。アカボシゴマダラの♀かなと思い、様子を眺めていると、フワフワ舞いながらヤナギの樹内に潜り込みました。樹液を発見したはずと考え接近すると、樹液を吸汁していたのは何とゴマダラチョウの春型♀でした。

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D71K-34、ISO=500、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時10分

 開翅シーンはいつも苦労します。近くにハエがやって来てゴマダラの邪魔をすると、威嚇して翅を開くのでそこがシャッターチャンスになります。ファインダーで覗きながら、ハエに向かって「ぐずぐずせんと、早うゴマダラにアタックせんかい!」と思わず激を飛ばす管理人でした。続いて閉翅。
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D71K-34、ISO=500、F7.1-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時16分

 やはり相当に白いですね。実はゴマダラ春型♀を野外で撮影するのはこれが初めて。フィールドに出れば何かしらのご褒美が貰えるのだなぁ~と思った次第。
 さて、暫く歩いてようやく探♀行動をするコムラサキ♂に出会いましたが、個体数が少ないのですぐに行方不明になって手こずります。ようやく撮影できた♂は既にスレ品でした。
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F10-1/1250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時00分

 結構高い位置で開翅しているので、紫色幻光を表現するポジションがなかなか取れず、仕方なくトリミングでのご紹介です。午後はテリ張り行動も活発化して来て、開翅する角度も水平位置より更に下げて戦闘意欲満々のポーズとなります。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-1.0EV、撮影時刻:14時58分

 たとえボロ品でもこのポーズは迫力満点ですね。個体数が少なく、探♀行動やバトルシーンの数も制限されるので、♂飛翔シーン撮影にも難儀しました。やっと撮れたのがこの絵。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:12時01分

 例によって、「ジャスピン画像画面端の法則」が見事に適用されてしまった感じです(^^;
テリ張り開翅をしている♂をファインダーで眺めていると、少し様子が異なる個体がいました。更にファインダーでじっくり検すると、紫色幻光が出ず、腹もデカく、ようやく♀であることに気が付きました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:13時02分

 体と翅の面積比も他のタテハ同様、明らかに♂とは異なります。暫く様子を伺うと陽射しが強い際は閉翅し、陽が翳るとこのように開翅しています。朝一番に開翅する性質は蝶全般に共通するように思えますが、コムラサキ♀の場合は日中でもこのように開翅ポーズを取っているようです。これが春型に特有の性質なのかどうかは不明です。また♂と比較して微妙に日陰のポジションを取っているように思います。観察中、1頭の個体がヤナギの樹冠を旋回飛翔し、ヤナギの樹内に潜り込み、樹内を探索するような行動が見られました。待望の♀産卵行動かと期待したものの、樹液を求めて飛来した♀であることが判明。風で揺れて邪魔をするヤナギの葉の隙間から何とか樹液吸汁シーンをゲット。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:13時02分


 コムラサキ♀の樹液吸汁シーンもこれが初撮影になります。この行動以外は午前中から午後3時過ぎまで基本、開翅か閉翅で翅を休めている姿が観察されました。仕方なく接近戦で♀を撮影。先ずは全開シーン。
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D71K-34、ISO=500、F10-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時33分

 お約束の「斜め上45度逆光開翅」アングルでは空抜け画像になるので、ここは「斜め10度」位に留めて撮影。コムラサキの偽瞳孔は、絵文字の(xx)みたいな「X(ペケ)」マークになるのが面白いですね。続いてやや離れて半開シーン。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時53分

 風格ある姿だと思います。静止している♀に♂が絡むシーンは1回だけ目撃。もう1回はどうも絡んだ♂の飛び方が違うなぁ~と思ったら、キタテハ♂の誤求愛行動でした。
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D71K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:12時48分

 こうして見ると、キタテハとコムラサキの体格差がよくわかります。追いかけられたこの♀個体は左前翅に破損があり、一連の開翅画像でご紹介した♀とは別個体で、このポイントで都合2頭の♀を観察したことになります。しかし、5時間余の観察にも拘らず、結局この日は産卵行動を観察できませんでした。天候の問題なのか?交尾後もう少し時間を経ないと産まないのか?疑問点が色々と湧いてきました。時間を見て更に♀の行動を追跡してみたいと思います。
by fanseab | 2013-06-04 21:15 | | Comments(2)