探蝶逍遥記

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サトキマダラヒカゲの飼育記録:その3(羽化)

 昨年9月下旬に採幼した首題種飼育の続編です。
卵から3齢までをその1(外部リンクで、
4齢から蛹化までをその2(外部リンク)」で各々ご紹介しました。今回は羽化の記録です。

 飼育プラケース内には冬季の間、湿らせたティッシュペーパーを入れ、これが乾いたら、水分を補給する手法を採用し、拙宅トイレ内で保管しておりました。当初、5頭の半数を屋外放置することも計画しておりましたが、手間暇かかるので、結局全頭室内飼育を継続いたしました。これまでの蛹越冬種の飼育経験から羽化は4月上旬頃になるだろうと推測。ところが、3月8日に1♂が既に羽化、プラケース内で☆状態になっているのを発見し、驚きました。慌てて、蛹の黒化状態チェック頻度を週1回から、2-3日毎に変更しました。最初に発見した1♂(個体識別#1)は恐らく3月上旬に羽化したものと推測しました。
 #1の羽化に引き続き、#2の蛹の体色が3/20過ぎに黒化し、3/22には腹節が緩んで羽化直前の兆候を示しました。

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D71K-85VR(5コマ深度合成+トリミング)、ISO=100、F11-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:3月22日

 そして3月23日に♀が羽化しました。
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D71K-85VR、ISO=100、F11-1/80、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:3月23日

 残念ながら羽化の現場には立ち会えませんでした。撮影時には既にムチャ活発で、ジオラマ風に撮影しようとの管理人の目論見は無残にも外れ、味気ないカーテン背景の絵になってしまいました(^^; 引き続き#3、#4が3/25に羽化(共に♀)。#3の画像です。
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D71K-85VR、ISO=100、F13-1/40、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:3月25日

 この時は何とか食草のネザサ葉上に止まらせての絵が撮れました。残りの1頭は大幅に遅れて(当初の予想時期に近い)4/5に♂が羽化しました。
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D7K-85VR、ISO=200、F9-1/25、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:4月5日

 ティッシュに人工樹液(酢を添加した砂糖水)を湿らせ、これを美味しそうに吸っている光景です。吸わせる時に前翅端をつまんだため、前翅端付近の裏面鱗粉が少し剥離しております。何はともあれ、これで5頭全てが無事羽化しました。最初の1頭の羽化時期判断を間違えて、お☆様にしてしまったのは残念でした。当初、越冬蛹の湿度管理に不安を持っておりましたが、かなりいい加減な湿度管理方法でも無事羽化に辿りつけることが理解できました。更に蛹化時に懸垂器から脱落して翅面が少し変形した状態で固化した蛹は羽化不全になったりしないか?懸念があったのですが、それも心配無用だったようです。考えてみれば自然状態でも蛹化時に地面に落下する個体も多いでしょうから、結構タフな蛹なのでしょう。蛹期は105日(#1)~140日(#5)でした。できればサトキマに引き続き、房総産ヤマキマダラヒカゲの飼育にチャレンジしたいと思っております。
by fanseab | 2013-04-20 12:10 | | Comments(8)

ギンイチモンジセセリなど(4月中旬)

 ツマキチョウの新規ポイント開拓目的に東京都内の公園を訪れました。好天に恵まれた休日とあって、家族連れや学生達で大賑わい。実はネット上で「ムラサキハナナの大群落がある公園」をキーワードに検索して、この公園にやって来た次第。ほどなくその群落を見つけましたが、全般に少し日陰気味の場所。

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D71K-85VR、ISO=100、F3.5-1/1600、-0.7EV、撮影時刻:12時53分

 やや違和感を覚えながら蝶影を追いますが、一度モンシロ♂が飛んで来たきりでツマキは全くの坊主。やはり、ムラサキハナナはツマキ生息に必要条件であって、十分条件ではないのでしょう。この公園ではキタキチョウ♀が何となく産卵しそうな状況でしたが、結局産卵に至らず、タンポポ吸蜜画像でお茶を濁しました。
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D71K-85VR、ISO=200、F13-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時42分

 いつも思うことですが、キタキチョウの越冬個体って何でこんなに新鮮な状態を保持できるんでしょうね。続いて綺麗なツバメシジミ♂が飛んで来ました。今シーズン初撮影。
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D71K-85VR、ISO=100、F11-1/640、-1.0EV、撮影時刻:12時17分

 春先はこのブルーが目に沁みます。結局ツマキは撮影できず、がっかりして場所替え。多摩川縁でギンイチモンジセセリの発生状況を確認してみました。愛野緑さん(外部リンク)や、ヘムレンさん(外部リンクの記事で既に多摩川流域で発生済とのことでした。オギ群落に踏み込んでみますが、姿が見えません。30分以上探索して、ようやく1頭の♂が弱弱しく飛び立ち枯茎に止まってくれました。
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D71K-85VR、ISO=100、F5.6-1/320、-0.7EV、撮影時刻:15時02分

 縁毛もきっちり揃った新鮮な個体です。どうやらこのポイントではまだ♂の発生初期の様子。♂の最盛期は恐らく来週末になるのでしょう。それにしても多摩川で4月中旬にギンイチを撮影するのは管理人にとって初体験です。因みにミヤマチャバネセセリの姿はありませんでした。こちらの発生ももうちょい先になるのでしょう。
by fanseab | 2013-04-14 23:05 | | Comments(12)

越中ギフ初体験(4月上旬)

 ギフチョウの季節。個人的にギフはやはり日本海側で撮影したい思いが強いですね。これまで越前(福井県)、越後(新潟県)での撮影経験があるので、必然的に間チャン地域の越中に注目せざるを得ません。折しもブログ仲間のkmkurobeさん(外部リンク)虫林さん(外部リンク)から、越中ギフの素晴らしいレポートを見せて頂き、居てもたってもいられなくなり、富山県に向かいました。現地ではフキノトウ、カタクリ、ショウジョウバカマ、スミレ・・・。既に春の花が咲き誇っていて、後はギフの出番を待つばかり。10時過ぎ、期待に応えてギフが出現。ピョンピョン跳ねるように飛ぶギフの姿を見ると、やはりこちらの心も小躍りします。朝方はそれほど長距離を飛ばずに直ぐに日光浴。

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D71K-34、ISO=200、F9-1/400、-0.7EV、撮影時刻:10時14分

 ほぼ完品個体の♂に満足です。そのうち、体が温まってくると、延々と探♀飛翔状態に。カタクリの近傍で待機していても、なかなか吸蜜に来てくれません。それでも少ないチャンスを見つけて何とかゲット。
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D71K-34、ISO=200、F9-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時29分

 ほぼ満足できる仕上がり。しかも秘かに期待していた「赤上がり」の♂でした。お次は「ノーマル」な♂。
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D7K-85VR、ISO=200、F7.1-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:12時07分

 厳密に言えば、この個体も微かに「赤上がり」傾向にありますね。今シーズン、富山平野付近では既に3月下旬から♂が出現していて、その後少し寒の戻りがあったため、管理人が訪問したポイントではほぼ♂の最盛期。♀が出始めのようでした。探♀している♂を追跡中、枯葉の中にいきなりダイビング。「あれれっ」と思って、そうっと現場を覗くと、何と♀との交尾が完成しておりました。
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D7K-85VR、ISO=200、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時22分

 一見、♀の全開翅画像のようですが、♂が裏返しで張り付いたような状態で合体しております。概ねギフの交尾シーンはフォトジェニックでない恰好で見つかります。管理人は「やらせ」は嫌いなので、このままの状態で暫く観察しておりますと、後から飛来した♂がちょっかいを出した刺激で交尾が解けてしまいました。この間、15分程度。果たして無事受精(含むスフラギス作成)が完了したのでしょうか? 雪国のギフは黄色味が強い傾向にありますが、特に♀は色が濃くて、黄色と言うよりは黄橙色に近いですね。とても綺麗な♀でした。

 別ポイントに移動して桜吸蜜シーンを狙おうと車内で撮影準備をしていると、フラフラと新鮮なギフが運転席に飛び込んで来ました。唖然としていると、すぐに運転席から飛び去り、管理人を導くように桜の方向へフワフワと飛んで行きます。「吸ってくれよ~!」と願掛けて見守っていると、思いが通じたのか、吸蜜スタートです!
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D71K-34、ISO=200、F5-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時25分

 何と言っても管理人初体験の桜吸蜜シーン。興奮してシャッター押しまくり状態でした。少し冷静になってから、どうも羽ばたきがぎこちないことに気が付き、その原因が右後翅の羽化不全にあることが判明。スフラギスも付いており、既に交尾済の♀でした。続いて青空バックで撮影。
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D71K-34、ISO=320、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時28分

 このアングルからだと、右後翅の羽化不全はあまり目立ちません。それにしても残念だったのは左後翅尾状突起の欠損。桜吸蜜が撮れただけでもラッキーでしたが、撮れたら撮れたで欲が出るのが撮り屋の性(さが)。次回は是非、完品の桜吸蜜画像をものにしたいです。この♀、この後、スミレでもじっくりと吸蜜。
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D71K-34、ISO=320、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時32分

 普段は2-3秒しか滞在しないスミレ吸蜜ですが、この時はじっくりと吸ってくれました。ただこんな時に限ってアングルの制約があり、絵作りを難しくしておりました。

 最後は飛翔シーンです。昨年は中速シャッター方式で臨みましたが、今回は高速シャッター方式に戻して撮影。最初は豪雪で圧せられた笹薮上を探♀飛翔する♂です。
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D71K-20(ノートリ)、ISO=640、F7.1-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時36分

 ノートリ、しかも置きピン位置にビシッと被写体が来てくれると嬉しいですね(^^)  次はカタクリ脇を通過するシーン。
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D71K-20(トリミング)、ISO=640、F8-1/3200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時07分

 こちらはやや前ピン(^^; 常々「ピンク色のカタクリ絨毯の上を舞い飛ぶギフ」をアウトプットイメージに作画しておりますが、中々思い通りにはいきません。概ねカタクリ群落は足場の悪い急斜面に多いので、飛翔を撮るため蝶を追い回すことができないからです。ラストは秘かに狙っていた「立山連峰をバックに飛ぶギフ」をイメージして撮った絵。
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D71K-20(トリミング)、ISO=640、F7.1-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時43分

 肝心のギフはピンボケ、そして画面下辺中央部、松の幹の右側に心眼で見て頂くと微かに「雪景色の立山連峰」の山並みがご覧になれます(爆)。まぁ、立山連峰背景の飛翔画像についてはよほどロケハンをしっかりしないと駄目な事がよく理解できました。ヒルトッピングして来る♂を尾根筋で狙う好ポイントはどこか?これから暫く地図と衛星画像を睨めっこする日が続きそうです。

 初めて訪れた越中のギフ。雪国の春を満喫すると共に、里山の美しさを再認識する旅でもありました。

 なお、今回の遠征に関してはkmkurobeさんより貴重なアドバイスを多々頂きました。厚く御礼申し上げます。
by fanseab | 2013-04-08 22:00 | | Comments(16)

ボルネオ・グヌンムル公園遠征記(24)コウモリ&エピローグ

 昆虫関係は一先ず終了。最後に登場するのはコウモリです。グヌンムル訪問の主目的は以前の記事で書いた通り、「アカエリトリバネアゲハをデジタルで撮り直すこと」でした。更にサブターゲットとして「コウモリの集団飛翔をこの目で観察すること」を目論んでおりました。この公園を有名にしているのは、アカエリではなく、何と言っても石灰岩の洞窟から夕方登場するコウモリ軍団なのです。これまでにNHKの番組等で度々紹介されてきておりますので、読者の方もどこかでご覧になったことでしょう。到着した初日は時間の余裕がなかったので、2日目(3/10)の夕刻、Deer Cave入口近くにあるコウモリ観測所に到着いたしました。これが観測所の全景。


++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
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D5K-10.5-X1.4TC、ISO=200、F11-1/100、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、10時33分
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D90-10.5-X1.4TC、ISO=200、F10-1/200、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、16時15分

 1枚目は屋根付観測所の全景で、2枚目がこの反対側の光景です。コウモリ集団が飛び出す時間帯(16~18時)は雨季ですと、丁度スコールが降っている時間帯に相当します。しかも、コウモリは雨天でも飛び出してくるので、屋根付観測所が必須なのです。運良く晴れていれば、2枚目の右側に見えているベンチに座ってコウモリ見物ができる仕掛けになっています。2枚目の画面中央にぱっくりを口を開けているのがDeer Caveの入口で高さは優に100mは越えています。ここから右側に飛び出したコウモリはすぐに画面左上方に方向転換して飛び出していくため、右側のベンチが一等席になります。当日、15時過ぎ頃から急に空が暗くなり、ほどなくスコールが降ってきました。コウモリを期待する観光客は全員この屋根付観測所に避難して雨宿り(↓の絵は翌日撮影)。
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D7K-20、ISO=500、F3.5-1/20、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、17時10分

 16時30過ぎになって、幸い少し小降りになりました。そして16時45分過ぎ、急に「waoo・・・o!」と歓声が上がりました。見ると最初の軍団が飛び出してきました。こちら「人間軍団(笑)」もコウモリに負けじと小雨の中、小躍りしてベンチの方に飛び出していきます。もちろん管理人も傘も差さずに「多少、カメラが濡れても・・・」と飛び出し、それからは当たり構わず連射・連射また連射。それでも尽きることなくコウモリの群れは続きます。以下、そのショット。
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D90-85VR、ISO=500、F5-1/2000、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、16時57分
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D90-85VR、ISO=500、F3.5-1/2000、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、16時59分
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D7K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/2500、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、16時56分
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D90-20、ISO=200、F3.5-1/3200、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、17時07分

 3枚目のように超望遠で見ない限り黒い点がコウモリだとは俄かに信じられない光景で、うねるように空を駆けて行く様子は「Dragon fly or Dance(龍の舞とでも訳しときましょう)」と喩えられます。軍団総数は300万頭以上だとの説もありますが、軍団の光景を見た後では、決して誇張された数字でないと思われました。なお、この様子はきちんと動画で撮るべきでしたが、管理人はその余裕が無く、ちょっぴり残念。

 さて、翌日(3/11)は折角なので、Deer CaveとLang caveの鍾乳洞見物ツアーに参加しました(参加料:20RM≒520円/一人)。鍾乳洞内へはガイド同伴のツアーに参加しないと入場できない仕組みになっております。いずれもスケールのでかい鍾乳洞でしたが、このツアーは最後にコウモリ観察もする段取りになっています。鍾乳洞に入る前はギラギラと熱帯の太陽が輝いておりました。ところが鍾乳洞を出た途端、例によって強烈な豪雨に襲われました。ツアー客は逃げるようにしてコウモリ観測所に戻り、ここで待機。17時45分頃ようやく雨があがりました。しかし、前日とは異なりコウモリが出現する気配がありません。管理人の座ったベンチ脇には日本からやってきた熟年ツアー客もコウモリの姿を今か今か・・・と待機しておりましたが、結局、この日「Dragon fly」公演は中止となった模様。一般的なグヌンムルツアーのパッケージは2泊3日で、一日を別の鍾乳洞見物に充て、もう一日をこのDeer(&Lang) Cave見物に充てています。しかし、毎日必ずコウモリが飛び出すとは限らず、2泊3日コースではコウモリを見られないリスクが高いのです。そんな事情も知らず、本当にガッカリして、背中を落として宿舎に引き上げる熟年ツアー客の後姿が印象的でした。なお、この日、同じくベンチ脇に座っていた欧米バーダー(鳥屋さん)の方が「コウモリを襲う鷹:英名Bat Hawk(Macheiramphus alcinus)」の存在を教えてくれました。これがそのシルエット。
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D7K-34(トリミング)、ISO=200、F4-1/2000、-1.0EV、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、18時10分

 コウモリが飛ぶ高度の更に上空に出現し、軍団の飛来を待ち受けているのです。ムチャトリミングしておりますが、プロの方なら猛禽類の種類はシルエットからわかるのでしょうね。しかし、この鷹、コウモリ以外の獲物を捕らないとしたら、この日の夕食は無しですね。すきっ腹を抱えて夜をどう過ごすのでしょう。変な心配をしてしまいました。
 なお、管理人は公園到着の初日(3/9)、公園内食堂で早目の夕食を終えロッジに引き上げる途中、偶然、上空を舞うコウモリ軍団の姿を目撃しております。ロッジからDeer Caveまでは2km弱ありますが、軍団はその程度の距離は隊列を保ったまま、飛行していることになります。結局公園滞在中、2回も「Dragon fly」を見ることができたのは幸運でした。

 コウモリと出会ったは実はこの軍団だけではありませんでした。ロッジのベランダは常夜灯が灯っていて、そこに誘因される昆虫類を狙って、コウモリが飛来しておりました。公園滞在初日にアカエリ飛翔撮影の練習を兼ねて、コウモリの飛翔撮影にトライし、何とか成功したので、ご紹介しておきましょう。
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D5K-20(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月9日、19時26分
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D5K-20(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月9日、19時28分

 アカエリよりは遥かにデカいので、置きピン位置をかなり離しての撮影。しかし、ご承知の通り、コウモリはカメラの存在を超音波レーダーで察知して回避して飛翔するので、結構苦労しました。当然ですが、コウモリの飛翔画像撮影は管理人初体験です。因みにここで撮影したコウモリは洞窟から飛び出すコウモリ(ヒダクチオヒキコウモリ:Chaerephon plicatus)とは別種で、日本の人家付近で見かけるコウモリの2倍程度の大きさがありました。また、最終日、遊歩道を歩いていると、欧米人夫婦が管理人を手招きします。「ご覧、コウモリの巣だよ!」とショウガ科のロール状に巻かれた筒先を指差しました。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/32、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、10時35分

 「フラッシュを焚いたら駄目だよ!」と釘を刺されて何とか巣の内部を撮りましたが、コウモリはいかんせん黒い影(^^;
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/32、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、10時35分

 しかし、この欧米人、恐らく哺乳類の専門家なのでしょう。普通の観光客はショウガの葉内にコウモリの巣があるなんて知識がないでしょうからね。管理人も一つ勉強になりました。これからはショウガ食いのセセリの巣だと思って不用意に葉を分解したら、コウモリが飛び出すリスクも考慮しなければなりません。熱帯のファウナは一体、どこまで不可思議なのでしょうね。

 さて、昨年秋から連載してきました「グヌンムル遠征記」も今回でひとまずお終いとします。ダラダラ更新に最後までお付き合い頂いた読者の方、有難うございました。これ以外にもご紹介したい画像ストックがありますが、それらはまた別の機会にでも記事にすることにしましょう。管理人にとってボルネオは今回で3回目ですが、来るたびに新しい発見があり、魅力の尽きない撮影スポットであることを実感します。最後にこの公園を有名にしているもう一つのシンボル、Deer Cave出口付近のシルエット画像をご紹介しておきましょう。
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D90-85VR、ISO=400、F4.5-1/320、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、16時14分

 右側の岩肌にご注目下さい。某歴史上有名人物の横顔だと直ぐに気が付いた方。貴方は既に「グヌンムル公園ファン倶楽部」の正会員に相応しい資格をお持ちですよ!
<おしまい>
by fanseab | 2013-04-05 23:45 | その他の動物類 | Comments(4)

テングチョウの産卵等(3月下旬)

 コツバメの姿を求めて東京都下の谷戸を訪ねてみました。いつもテリを張っている転石の上を探してみますが、姿が見えません。陽射しが弱いことが原因かとちょっぴり諦めムードに。その後少し陽射しが回復した時にウメの梢に黒い影がやって来ました。待望久しい個体でした。


++横位置画像をクリックすると拡大画像を見ることができます++
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D71K-34、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時37分

 例によって、傾斜日光浴がてらテリを張っております。その後ウメの花で吸蜜を開始。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時37分

 管理人は恥ずかしながらコツバメの吸蜜シーンはこれが初体験。嬉しいショットになりました。後翅のブルー縁毛幻光も何とか表現できました。ただもう少し接近戦で撮らないとストローの表現が難しく、吸蜜しているか否か不明確な絵になってしまいます。コツバメを待機している間、ルリタテハが産卵モードで林縁をウロチョロしています。これはラッキーと思いながら、接近して何とかパチリ。
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D7K-85VR、ISO=200、F7.1-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時46分

 サルトリイバラの新芽付近に産んでおりました。ただ腹端のピントが甘く反省。4月中にどこかでリベンジがてら撮り直しをしたいと思います。その後、この林縁にテングチョウ♀と思しき個体が出現。こちらも産卵モードでしたので、暫く粘ってみました。最初は裏面からのショット。
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D71K-34(X1.3クロップ+トリミング)、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時13分

 ピクセル等倍では産卵管を差し込む状態が確認できます。しかし、この角度からだと腹端が見難いので、ほぼ翅を水平に見込む状態で連続写真を撮ってみました。
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D71K-34(X1.3クロップ+トリミング+画像合成)、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時22分32秒~42秒

 (1)右端から2番目のエノキ新芽に産み付け、その右に位置する新芽に産もうとしますが、体のバランスが取れないので、(2)(3)方向転換し、(4)産卵しております。一連の産卵行動では、ヒメアカタテハで観察されたような前脚連打行動(Drumming)は殆ど見られません。その代わり、触覚をしきりに下げて新芽に当てるような行動が観察されます。触覚を下げる行動はシジミチョウの産卵時に良く見られるのですが、これと良く似ております。しかし、食樹を正しく探し当てる能力は極めて低いようで、エノキ以外への誤産卵、およびそれに類した行動が観察されましたので、ご紹介しておきましょう。最初はサルトリイバラへの産卵行動。
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D71K-34(X1.3クロップ)、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時14分

 流石に腹端を曲げる行為はしませんでしたが、新芽の正体を前脚と触覚で確認しているように見えます。なお、ルリタテハの孵化殻と卵、合計3個も確認できます。お次はガマズミと思われる新芽への産卵。
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D71K-34(X1.3クロップ)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時23分

 ここでは完全に産卵管を新芽に差し込んでいます。それにしてもテングの腹端は体軸に対して120度位まで前方に曲り、せいぜい90度程度しか曲がらないタテハチョウ亜科とは様相が異なります。後でこの新芽をチェックしましたが、卵は確認できず。もっとも新芽に奥深く卵を挿入していることも考えられるので、偽産卵行動だったのか。誤産卵なのかは不明です。最後はあろうことか、イボタへの産卵行動。
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D71K-34(X1.3クロップ+トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時25分

 腹端を曲げかかっておりますが、結局産卵はしておりません。「オイオイ、お前さん、ウラゴじゃあるまいし、しっかり樹を確認してみぃ!」と思わず叫んでしまいました。どうも今回の行動を見る限りテングの母蝶は新芽と思しき物体に当たり構わず産み付けていく・・・そんな感じがします。前脚連打をきちんとやって、食草を正確に選別していたヒメアカタテハに比べるとかなりルーズな印象を受けます。やはりタテハチョウの中では進化が進まないまま現代まで生き伸びてきた「生きた化石」なのでしょうかね。
 なにはともあれ、この日はテングとルリタテハ2種の産卵シーンをゲットし、先日のモンキチョウと併せ既に3種をゲットしたことになり、幸先良いスタートになりました。

【本体HPの更新】
 およそ7ヶ月振りに本体HP:東南アジアの蝶ファン倶楽部の更新をしました(3/27)。
今回は、「台湾の蝶」、「ボルネオの蝶(3)」を新設し、「香港の蝶」への追加、その他微修正を施しました。お暇な時にこちら(外部リンクを覗いて下さい。
by fanseab | 2013-04-01 21:58 | | Comments(12)