探蝶逍遥記

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ボルネオ・グヌンムル公園遠征記(23)ナナフシ他

 熱帯雨林は擬態昆虫の宝庫と言われています。その擬態の名人と言えば、先ず思い出されるのがナナフシでしょう。最初は国内でも見られるようなタイプ。

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D7K-34、ISO=400、F4-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、9時06分

 お次は公園内食堂の壁に張り付いていた子。
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D7K-34、ISO=640、F11-1/160、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、8時07分

 こんな場所で静止していたら、擬態もへちまもありませんね(^^) なお、この食堂の天井にはクツワムシの仲間や光に集まる諸昆虫を見ることができましたが、残念ながら鱗翅目は発見できず。ラストは今回遠征で一番インパクトのあったナナフシ。
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D7K-34、ISO=500、F13-1/100、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、10時47分

 遊歩道の頭上を何か大きな物体が横切ったと思って見上げたら、このナナフシが葉上に着地寸前でした。翅の付根にある大きな突起が凄い迫力です。帰国してから画像をチェックしていて、触覚がフレームアウトしているの気が付きました。「ナナフシの仲間は触角が長い・・・」こんな常識を知らないと構図もままならないのですね。一つ勉強になりました。ナナフシ目の親類、直翅目からはヒシバッタの親玉みたいな子をご紹介しておきましょう。体長2cmほどです。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F3.2-0.3sec.、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、11時47分

 露出設定を間違えてブレブレ画像(^^; このバッタが潜んでいた遊歩道の手摺下には色々な諸昆虫が集うスポットです。またこれらの昆虫を狙ってトカゲ類が良く出没しておりました。

 今回の遠征で甲虫類、特にクワガタ類は期待しておりましたが、灯火類をチェックするも全くの坊主。ガッカリでした。で、お終いはグヌンムルではなく、コタキナバルの道路沿いで見つけたゾウムシ交尾ペアをアップしておきましょう。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F7.4-1/111.、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月14日、6時59分

 黄色と言うよりは黄金色に近いこのゾウムシ。存在感があって、とても印象的でした。
<次回に続く>
by fanseab | 2013-03-29 22:54 | その他の昆虫類 | Comments(4)

モンキチョウの産卵(3月20日)

 ベニシジミがそろそろ出ているはずかな?との思いで多摩川縁を歩いてみました。最初に出会ったのはなんとモンキチョウの交尾ペア。幸先良いスタートです。

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D71K-85VR、ISO=100、F6.3-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時31分

 下が♀。一般的な白色型ですね。広角でもパチリ。
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D7K-20、ISO=100、F11-1/160、-0.7EV、撮影時刻:10時34分

 交通量の多い幹線道路沿いでの交尾です。環境を選ばないモンキの繁殖力を象徴するような絵ですね。モンキ♀が発生していることがわかったので、ターゲットをベニシジミ探索から♀の産卵シーンに切り替えました。今シーズンは、年初に宣言した「撮らぬ蝶の翅算用」で種によらず産卵シーン撮影を目標に掲げております。で、突破口は先ずモンキから・・・で頑張ってみました。ほどなく産卵挙動の♀を発見。追いかけ回してみました。しかし、苦戦の連続です。♀はほぼ100%カラスノエンドウの新芽に産んでいきます。ところが、高さ5cm程度の丈の低い株を好むため、葉被り必死の状況。「頭隠して尻隠さず・・・」の諺がありますが、「頭(複眼)も尻(腹端)も隠れた」状態になってしまいます。その代表的なNG画像を示します。
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D71K-85VR、ISO=320、F11-1/640、-0.7EV、撮影時刻:11時18分

 枯枝の隙間に潜り込むように産卵しており、中脚と後脚の間に産卵直後の卵の姿を確認できます。それでも何とか粘って枯茎の間からピンポイントのアングルで複眼&腹端が揃った画像をゲット。
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D71K-85VR、ISO=200、F11-1/400、-0.7EV、撮影時刻:11時11分

 更に粘ってようやく納得の行く2枚をゲット。
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D71K-85VR、ISO=320、F10-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時23分
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D71K-85VR、ISO=320、F10-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:11時23分

 いかに地表スレスレに生えている株を好むかがご理解頂けると思います。孵化してきた初齢幼虫が、なるべく柔らかい新芽を食べられるように母蝶が本能的に取る配慮なのでしょう。産卵シーンを連続観察していると、産卵前の前脚連打行動(Drumming)に気が付きました。以前、ヒメアカタテハの♀で同じ場面の瞬間映像を捉えることに成功しました(外部リンクが、今回もその様子を撮影できました。
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D71K-85VR、ISO=320、F11-1/640、-0.7EV、撮影時刻:11時18分32秒

 連打と言っても、葉を引っ掻き回す感じですね。その9秒後の産卵シーンです。
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D71K-85VR、ISO=320、F11-1/640、-0.7EV、撮影時刻:11時18分41秒

 数回の産卵が終わると傾斜日光浴か吸蜜をしておりました。ここではヒメオドリコソウからの吸蜜シーンをご紹介しましょう。
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D71K-85VR、ISO=320、F11-1/400、-0.7EV、撮影時刻:11時17分

 美味しそうに吸っていますね! シーズン開始直後、首尾良くモンキ産卵撮影のミッションを完了できました。次なる目標はモンシロの産卵ですけど、これも案外難しそう・・・。
なお、当初目的のベニシジミは結局確認できず。モンシロチョウ2♂が初見でした。それと冬の間継続観察していたコムラサキの越冬幼虫も樹肌の越冬場所から離れ樹上に登ったことを確認しました。春本番ですね。

 ところで、この日から新機種ニコンD7100を導入いたしました(撮影データ上はD71Kと略記)。今回の機種変更でD7000とD7100をメインに使っていくことになります。D7000を使用していて気になっていた「モードダイヤルが不用意に動く」欠点はロックボタンが導入され、安心して使えるようになりました。更にD7000とLiイオン電池(充電アダプター)が共用できるのもユーザーにとって嬉しい配慮です。一方で、LCDモニター左下に「(アイ)」ボタンが導入された関係で画像再生拡大/縮小ボタンの位置が上にシフトしました。これは良しとしても、問題なのは、拡大(+)ボタンと縮小(―)ボタンの上下関係が逆転したこと。これはD7000と併用する上で間違い易く、煩わしい欠点になります。何とかファームウエアの更新で、ボタン機能の上下入れ替えを是非検討して頂きたいものです。もちろん、センサー画素数が1620→2410万に増加したことにより、特にピクセル等倍で見た時の解像感がアップしているように思いました。また、D7100で採用されたローパスフィルターレスの効果(解像度アップ)については、管理人は未だ実感がありません。このタイプのセンサーでは、絞り込み過ぎるとモワレや偽色が発生しやすいとされています。超拡大撮影必須のゼフ越冬卵撮影あたりでどの程度の障害が出るか等、これからの検証材料です。
by fanseab | 2013-03-23 20:36 | | Comments(10)

ボルネオ・グヌンムル公園遠征記(22)セミとカメムシ目

 ハゴロモを紹介したついでに、同じカメムシ目(Hemiptera)つながりでセミやカメムシ類をご紹介します。最初は宿泊したロイヤルムルリゾートのフロント横にあるオープンロビーにやってきたクロテイオウゼミ(Pomponia merla)。
   
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/15、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、21時02分

 全長は10cm強あり迫力があります。この子はダナムバレーで谷間にこだまする鳴き声を聞いておりましたが、姿を見るのはこれが初めて。マレー半島・タイに棲むテイオウゼミ(P.imperatoria)とは恐らく共通祖先を持ち、ボルネオで種分化したものなのでしょう。
Pomponia属はヒグラシ(Tanna japonensis)に近縁の仲間。ヒグラシは捕まえるとクァークァーとくぐもった鳴き声を発しますが、クロテイオウゼミは「ゴワッゴワッ」とカエルが鳴くような重低音の響き声を出します。ただグヌンムル滞在中、この蝉の鳴き声は一度も聞きませんでした。恐らく結構遠くから灯火に誘われてやってきたのでしょう。同じ灯火に誘われて来た小さなセミがこちら。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/17、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、21時08分

 サイズの割に腹弁が大きく全体にクマゼミのような雰囲気を持っています。このセミは捕まえるとチーチーと喚き散らしていたので、撮影が終わると直ぐに逃がしてあげました。

 昼間、遊歩道を歩いているとセミの抜け殻に良く出会います。こちらは成虫がヒグラシと同サイズと思われる抜け殻。
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D7K-34、ISO=640、F10-1/50、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、12時49分

 お次はアブラゼミを少し小さくしたようなサイズ。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/100、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、8時12分

 ただ、帰国してから画像を良く見ると、どうも抜け殻ではなく「中身」が入っているようにも見えます。朝方羽化するものなのでしょうか?お次はアワフキムシの仲間。
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D90-85VR、ISO=200、F11-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、9時53分

 体長は15mmほどでした。そして黄橙色をしたサシガメの幼体。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F3.2-1/125、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、7時24分

 公園の食堂前での一コマです。この子が止まっている葉にはアブラムシと蟻がセットでいます。アブラムシから吸汁しているのでしょうか?お次は国内でも最近見かけるヨコヅナサシガメを彷彿とさせる種。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/100、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、10時08分

 ただし、ヨコヅナとは赤と黒の配色が真逆ですね。次の3枚はホシサシガメと思しきグループ。
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D90-85VR、ISO=400、F11-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、9時45分
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D7K-34(トリミング)、ISO=500、F10-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、11時09分
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/80、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、8時11分

 彼らは相当な個体数を観察できました。落葉が沢山堆積したジャングルの地面をウロチョロ徘徊しているのですが、暗い環境なので、腹部の鮮やかな赤と触覚先端の白しか目立ちません。胴体が無く、まるで触覚だけがゆ~らゆら動いているような怪しげな雰囲気を醸し出します。2枚目は最初の個体の幼体でしょうか?3枚目は1枚目と同属と思われる交尾ペア。常識的には右が♀かな?背面の白線模様が異なっており、1枚目の個体とは別種でしょう。最後は巨大なカメムシ。
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D90-85VR、ISO=400、F13-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、16時48分

 体長は3cmほど。恐竜のトリケラトプスを彷彿とさせる怒り肩が最大の魅力です。このカメムシ、いじくり回してもちっとも臭くありません。臭気以外の防御物質を保持しているのか、興味あるところです。とにかくグヌンムルで出会った昆虫の中でもこのカメムシは印象に残っています。
<次回に続く>
by fanseab | 2013-03-21 22:19 | 蝉類 | Comments(2)

モンキチョウの飛翔など(3月中旬)

 週末は生憎車の便がなく、近場での撮影に徹しました。先日のモンキ初撮影で飛翔は納得できる絵が撮れていなかったので、この日は多摩川縁で再トライ。陽射しも強かったのでノンストロボ、かつ高速シャッターを切るオーソドックスな手法で撮影してみました。

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D7K-20(トリミング)、ISO=400、F7.1-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:13時44分
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D7K-20(トリミング)、ISO=400、F6.3-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:13時53分
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D7K-20(トリミング)、ISO=400、F7.1-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:13時55分
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D7K-20(トリミング)、ISO=400、F7.1-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:13時55分


 モンキは多摩川堤防上の遊歩道の南側を縁に沿って直線的に飛ぶ傾向があります。カメラを低く構えて撮ると背景が綺麗に抜けてくれるのでエエ感じに仕上がります。1枚目は翅を打ち下ろした瞬間のショット。どんな蝶でもこの瞬間を捉えると一番力感が出ます。2枚目はスピード感を演出するべく、サイクリストを意図的に入れようと思って撮ったショット。アウトプットイメージとしては画面左側にモンキ、右側に自転車が入ればベストでしたが、偶然に頼る飛翔画像ではそうは上手くいきません(^^; 3枚目は浮遊感・開放感が一番描写できたショット。4枚目は恐らく右に急ターンする瞬間でしょう。この遊歩道のある堤防の傾斜は結構急で、モンキと平行して土手を駈けずり走るのは相当息が上がります。無理な姿勢が祟って右腰が軽い腰痛になってしまいました(^^; 

 モンキを追いかけていると、急停止して何かにまとわりついています。翅が伸びきっていない羽化直個体(♀としたら黄色型ですが・・・)にアタックを掛けている様子。♂が諦めて飛び去った後をみてみると、何とクサグモの仲間に拉致されておりました。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:13時34分

 翅が伸びきらない状態でクモの餌食になったのか、クモにやられて翅が伸びなかったのかは定かではありません。念のため、クモを取り除いて草の上に止まらせて様子を見ましたが、どうも翅は既に固化してこれ以上、伸びることができないようです。それでも時々モンキ♂がやってきてアタックを何度も繰り返しておりました。
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D7K-20(トリミング)、ISO=400、F7.1-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:13時41分

 蝶にとって、羽化の瞬間は本当に生きるか死ぬか、成否の分かれ目なのですね。
by fanseab | 2013-03-19 22:03 | | Comments(8)

パンスターズ彗星(3月16日)

 久しぶりに天文の話題です。今年は肉眼で観察可能な彗星が2つ来るとのことで天文ファンは心待ちにしていたのです。最初に登場するパンスターズ彗星(C/2011 L4)が3月10日に近日点を通過し、日本でも夕方の空で観察可能になりました。ところが予想光度に比較してそれほど増光せず、期待したファンをガッカリさせたのです。管理人も観察に出かけるか迷っておりましたが、大阪や東京近辺の市街地で撮影された結構綺麗な画像がネット上でアップされておりましたので、多摩川縁に陣取って観察をいたしました。
 この日の日没は17時50分。位置予報では日没後30分経過した時点で西~西北西の中間付近、高度は約10度。目標方向にはマンションがあって、このマンションの上方に位置するだろうと見当を定め、双眼鏡で捜索しますが、それらしき姿は見えません。仕方なく85mmマクロで予想位置をバシャバシャ撮影してみました。しかし、モニター上でいくら拡大しても影も形もありません。徐々に空は暗さを増していきます。最後の手段でより集光力のある300mmに交換し、同様にバシャバシャ撮影。モニターで確認すると、ヤッター! 画面の端に尾を引いた彗星の姿が! 慌てて構図を造り直してバンバン撮影。19時過ぎまで粘ってみました。苦労した撮れた画像がこちらです。                               


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D7K-34(3コマコンポジット+トリミング)、ISO=400、F4-2sec.-0.7EV、撮影時刻:18時48分57秒~49分28秒(JST)

 画面上方(天頂方向)に微かな尾を引く姿を捉えることができました。画面左下がその拡大像。撮影した時点での高度は5度前後の低空で、春霞の中ですのでコントラストはこれが限界でした。雨上がりの後あたりなら空気が澄んで最高なのですが、贅沢は言えません。帰宅後、85mmで撮影した画像を再チェックしてみると何と、こちらにもちゃんと彗星の姿(矢印)が写っておりました。
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D7K-85VR(3コマコンポジット)、ISO=400、F4.5-0.5~0.6sec.-0.7EV、撮影時刻:18時35分00秒~35分25秒(JST)

 肉眼の視覚細胞は光の瞬時値しか感じられないのに対し、カメラのCMOSセンサーは光を蓄積する能力があり、目に見えないものが写ることを改めて実感。因みに双眼鏡で彗星のいるべき位置を眺めてみましたが、双眼鏡でも確認できませんでした。この彗星はこの後北天に移動するものの、これ以上の光度増加は期待できません。やはりそうなると、11月下旬に最接近するとされるアイソン彗星(C/2012 S1)に期待したいもの。蝶の発生も終わっている頃なので彗星撮影に集中できそうです。こちらはカメラの力に頼ることなく観察できる正真正銘の「肉眼彗星」になって欲しいものです。
by fanseab | 2013-03-17 22:28 | 天体 | Comments(4)

ボルネオ・グヌンムル公園遠征記(21)ビワハゴロモと出会う

 以前、プロ昆虫写真家の海野さんが小諸日記でグヌンムルへ取材旅行された際の画像(外部リンク)を公開されております。この中で一番インパクトを受けたのがビワハゴロモでした。素晴らしくも珍奇なこの昆虫が簡単に観察できるのか?半信半疑でしたが、蝶の探索がてらビワハゴロモも丹念に探してみました。その結果、思いもかけず成果が出ましたので蝶以外の昆虫関係で真っ先にご紹介することにいたしましょう。今回ご紹介するハゴロモ類の同定は後述するサイトを参考に実施しましたが、当然誤りがあるものと思われます。その点はご承知おき下さい。最初に登場するのは最も有名と思われるテングビワハゴロモ(Pyrops intricata)。   
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D90-85VR、ISO=400、F13-1/200、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、9時48分
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/25、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、9時41分

 遊歩道脇の樹肌上で発見しました。想像していた以上にデカくてビックリ。実は標本を見た機会もなく、ついつい日本国内に棲むアオバハゴロモ(Geisha distinctissima)を少し大きくした程度かと思っておりました。それがとんでもない、ヒグラシ位のサイズに驚きました。脅かすとサッと飛び立ち、後翅の鮮やかなブルーを見せびらかせながら、ジャングルの奥に消えていきます。パスト連射等での飛翔画像は残念ながら撮影できませんでした。なお、赤鼻の「天狗」で前翅地色が緑色、その翅に黄色斑点を配する種類は5種類程度記載されていますが、テングビワハゴロモの和名が本来、Pyrops属のどの種に該当するのか?かなり曖昧な取扱いがされているような気がします。お次は赤鼻「天狗」で翅が粉を吹いたようなビワハゴロモ(P.sultana)。
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D7K-34、ISO=200、F4-1/80、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、11時02分
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D5K-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=640、F11-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、11時05分

 その風貌から「コフキテングビワハゴロモ」と勝手に和名をつけて楽しんでおりました。この子は樹肌の色と顕著に異なるため、比較的発見は容易でした。お次は棍棒状の鼻を持つコンボウビワハゴロモ(Zanna nobilis)。
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D90-85VR、ISO=200、F13-1/80、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、14時49分
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D7K-10.5-X1.4TC、ISO=200、F14-1/50、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、14時45分

 この子は派手さはないものの、微妙な突起を有する「棍棒」、そして翅に刻まれた黄色斑点の質感がとても見事でお気に入りとなりました。3番目に登場するのは「天狗の鼻」を持たないハゴロモの一種(Penthicodes farinosa)。
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D7K-85VR、ISO=200、F11-1/80、-0.3EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、6時51分
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D7K-34、ISO=640、F13-1/100、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、7時04分

 この子は宿泊したロッジから僅か数10mの樹木に静止しておりました。驚かすとツッツッと樹冠の方に速足で逃げていきます。11日の朝方発見し、翌朝再度この樹を訪ねてみると、やはり2頭が付いておりました。どうやらこのハゴロモが大好きな「ご神木」だったようです。最後は同じく鼻が伸びないタイプのハゴロモの一種(Scamandra fasciata)。
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D90-85VR、ISO=400、F10-1/125、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、19時59分
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D90-85VR、ISO=400、F10-1/125、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、20時00分

 本種は↑でご紹介したfarinosaから僅か15mの近くに潜んでいました。前翅の基部側から中央部にかけて伸びる鮮やかな緑色の配色が素晴らしい種類です。その緑色の絨毯の上には渦を巻いた黄色の模様が散布されています。管理人はこのデザインから正倉院御物として保管されている絵画の唐草模様を連想しました。ですので、本種は個人的に「テンジクハゴロモ」の和名をつけたい所です。
 ここまでご紹介した5種の中でsultanaを除き、翅や体の配色はハゴロモが付いている樹肌に擬態しているように思います。特に見事だと思ったのがnobilisfarinosaでした。farinosaはとりわけ樹肌に溶け込んでおり、地衣類や樹肌の色や風合を完璧に模倣しているように思われました。

<ハゴロモ類の同定に役立つサイト> 
 今回色々とネット上を探索したのですが、同定の手助けになるサイトは容易に見出せませんでした。何とか仏・ソルボンヌ大がアップしているビワハゴロモ科(Fulgoridae)を専門に扱うタクサのレビューサイト(外部リンクで見当をつけました。因みに同サイトによればPyrops属としてこれまで56種、Zanna属38種、Scamandra属32種、Penthicodes属14種が記載されております。一方で、このサイトは画像が未整備状態なので、補助的に「Encyclopedia of Life」なるサイトを参考(外部リンクにしました。

 この仲間は本当に魅力的な種群が多く、蝶の撮影を放棄してビワハゴロモ屋に転向しようかと本気で思うほど、惹かれるものがあります。今回の遠征で、ハゴロモが付いていそうな「ご神木(樹相)」の目安がついたので、今後、機会があれば各地で彼らの画像採集に精進したいと思います。
<次回へ続く>
by fanseab | 2013-03-13 21:07 | その他の昆虫類 | Comments(12)

モンキチョウ(3月10日)

 前日の土曜日は蝶関係学会発表で終日フィールドには出られず、翌日近くの多摩川を散策しながら新羽化成虫をチェックしました。朝方はドンヨリと曇っていて9時30分過ぎ頃からようやく陽射しが強くなる状況。突然足元から黄色い影が。おぉ、モンキチョウではないですか!薄曇りが幸いして飛び立ってもすぐに地面に静止し、傾斜日光浴しております。遅ればせながら、管理人も本年新羽化成虫をやっとゲットです。2011年および2012年共にモンキ初見は3/20でしたから、今年は大幅に早い初見記録になりました。

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D7K-85VR、ISO=100、F8-1/160、-0.7EV、撮影時刻:9時09分
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D7K-85VR、ISO=100、F4.5-1/400、-0.7EV、撮影時刻:9時14分

 毎春この時期、傾斜日光浴するモンキチョウを撮影しますが、「傾斜日光浴」を表現するのにどんなアングルが相応しいか?いつも悩みます。↑の2枚も似たようなアングルですけど、光のちょっとした当たり具合や対象からの「引き」具合が違っているだけで、2枚は微妙に雰囲気が異なります。春らしい柔らかな表情を演出できる作画にはまだまだ程遠いような気がしております。続いて少し小さ目の個体が足元から飛び立ったと思ったら、キタキチョウでした。
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D7K-85VR、ISO=100、F4.5-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:9時50分

 この子は本当に越冬個体なのだろうか?と思う位、新鮮な姿でした。10時前後はモンキの吸蜜タイムになって、探♀飛翔の途中、春の花に訪れていました。タンポポとカラスノエンドウでの吸蜜シーンです。
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D7K-85VR、ISO=100、F9-1/250、-0.7EV、撮影時刻:9時40分
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D7K-85VR、ISO=100、F6.3-1/800、-0.7EV、撮影時刻:10時10分

 狙っていたベロニカ吸蜜シーンはピンボケで失敗(^^; 一通り撮影したので、お次は久しぶりに飛翔にチャレンジ。シーズン最初は置きピン位置が定まらず四苦八苦。酷い絵ですが、一枚ノートリで収まったコマがありましたので、ご紹介しましょう。
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D90-20、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時50分

 それにしても久しぶりに蝶を追いかけ回すと息が切れますね。ヤレヤレ忙しいシーズンに突入したわい・・・と思わず溜息をつきました(笑)。
by fanseab | 2013-03-10 20:41 | | Comments(12)

ボルネオ・グヌンムル公園遠征記(20)セセリチョウ科

 ブログ仲間からは続々と新羽化成虫のレポートがなされております。このシリーズも急いで先に進行させなければ・・・。で、ようやくセセリチョウまで辿りつきました(^^;
 今回ご紹介するセセリ類は同定に苦慮するものが多く、間違いがあればご指摘願います。最初はアカオビセセリ(Koruthaialos rubecula rubecula)♂。                                       
                                                                     ++横位置画像をクリックすると画像閲覧ページに飛び、拡大画像を見ることができます++
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D90-34、ISO=400、F5.6-1/800、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、9時58分

 前翅に「赤色の帯」が入ることに因む、分かりやすい和名の付け方です。同属種sinduとの区別は相当難しく、赤帯の出方からrubeculaとしましたが、自信ありません。パルピの形状や前翅裏面の性標(♂のみ有効)を見ないと断定はできないとされています。続いて♀と思しき個体の開翅と閉翅です。
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D90-34、ISO=400、F4-1/400、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、9時48分
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D90-34、ISO=200、F11-1/80、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、9時52分

 ジャングルの林縁環境がお好みで、陽だまりを求めてチラチラと赤班を輝かせながら飛ぶ姿が大変印象的なセセリです。日光浴する時間は短く、すぐに暗い林内に入り込んでしまいます。続いて前翅に同じ赤帯が入ったデザインのアルマツスショウガセセリ(Ancistroides armatus armatus)。
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D7K-34、ISO=200、F9-1/200、-0.3EV、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、9時57分
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D7K-34、ISO=500、F10-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、10時03分

 一枚目は♂開翅、二枚目は♀と思しき個体の閉翅です。後翅裏面はストロボ光でビロウド状の紫色幻光が出現したのにはビックリしました。セセリでこのような幻光を見たのはこれが初めてですね。お次は恐ろしく地味なフリゴハネナガセセリ(Psolos fuligo fuligo)。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F9-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、9時41分

 全く無紋で茶褐色。国内のセセリで例えると、翅はホソバとギンイチの中間程度の細さですね。4種目はarmatusと同属のニグリタショウガセセリ(Ancistroides nigrita othonias)。
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D7K-34、ISO=200、F9-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、9時28分
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D7K-34、ISO=200、F9-1/320、-1.0EV、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、9時58分

 最初はバナナの花からの吸蜜シーン。バナナの茎が手前に邪魔して酷い絵ですが、このセセリの長大なストローが良く伺える画像です。二枚目は陽だまりでの開翅。このように一様な茶褐色系セセリは傷がすぐに目立ちます。ギンイチやクロツ撮影同様、完品探しはなかなか難しいものです。お次は遊歩道脇のショウガ科と思しき葉から見出したセセリの巣。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/50、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、10時03分

 巣の長さは15cmほど。慎重に中を空けると登場したのは巨大な幼虫。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/25、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月12日、10時05分

 体長は約45mm。種同定はできていません。ボルネオにはショウガ食いセセリが沢山いますけど、さて何でしょうね? 最後は南九州~南西諸島でもお馴染みのクロボシセセリ(Suastus gremius)。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/125、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月14日、7時06分

 但しこの画像はグヌンムルではなく、コタキナバルのドブ川の畔で偶然見つけました。同属のeveryxを除き、恐らくgremiusはボルネオ島本来の土着種ではなく、外来種なのだと思います。街中でもヤシ科があれば生きていける、本当に繁殖力の強いセセリなのでしょう。最後に今回、目撃・撮影できたセセリチョウ科全7種をリストアップしておきます。

<セセリチョウ科目撃・撮影種リスト(黄色字は目撃種)>
(1) キオビビロウドセセリ(Hasora schoenherr chuza)
(2) アカオビセセリ(Koruthaialos rubecula rubecula)
(3) フリゴハネナガセセリ(Psolos fuligo fuligo)
(4) ニグリタショウガセセリ(Ancistroides nigrita othonias)
(5) アルマツスショウガセセリ(Ancistroides armatus armatus)
(6) クロホシセセリ(Suastus gremius)
(7) 種不明のセセリ幼虫

 これにて19回に渡り連載してきたグヌンムル遠征記の蝶バージョンはおしまいです。今回遠征で目撃・撮影できた全71種を科別に再度まとめておきましょう。
<目撃・撮影種類数リスト(幼虫のみ観察種も含む)>
・アゲハチョウ科:11種(詳細リストはこちら
・シロチョウ科:7種(詳細リストはこちら
・シジミチョウ科:13種(詳細リストはこちら
・シジミタテハ科:2種(詳細リストはこちら)
・タテハチョウ科:31種(詳細リストはこちら)
・セセリチョウ科:7種(詳細リストは上記参照)

 滞在中、午後は殆ど雨にたたられた悪条件を勘案すれば、良い成果だったと思います。次回からは蝶以外の昆虫等のご紹介に移行します。ご期待下さい。
<次回へ続く>
by fanseab | 2013-03-07 22:50 | | Comments(4)

ボルネオ・グヌンムル公園遠征記(19)タテハチョウ科・マダラチョウ亜科

 タテハチョウ科の最終回はマダラチョウ類です。先ずはガウラヒメゴマダラ(別名:ヒメゴマダラ、Ideopsis gaura daos)。全く止まる気配が無いので飛翔を撮影。                                   
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D5K-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=400、F5-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、12時38分
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D5K-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=400、F5-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、12時42分

 Ideopsis属の中でも例えばリュウキュウアサギマダラ(I.similis)はオオゴマダラ(Idea leuconoe)とは全く似ておらず、別物のマダラチョウと言えましょう。ところが本種、gauraは将にオオゴマダラのミニチュア版と言った風情で、「小さ目の(ヒメ)オオゴマダラ」を意図して「ヒメゴマダラ」と命名されたのでしょう。グヌンムルに滞在中、色々な遊歩道を歩きましたが、目撃したのは一箇所でのみ、都合2回遭遇しました。そこはジャングルを少し切り開いたオープンランド的環境になっていて、その林縁をこのマダラが好んでフワフワと飛んでおりました。つまり暗い林縁環境は好きではないようです。これと正反対に薄暗い林縁にフワリと登場したのはストーリーオオゴマダラ(Idea stolli virgo)。
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D7K-34、ISO=400、F8-1/100、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、11時50分

 日本でも見られるオオゴマダラと異なり前後翅共に異常に細長い形状をしております。特に後翅の形は特異で、第5脈で著しく突出し、ここまで変形するとチョウトンボの翅に近いですね。このマダラはダナムバレーで一度目撃しておりましたが、撮影は今回が初めて。かなり高い位置を滑空しており、撮影後、再び暗い林内に消えて行きました。ボルネオには近似種のホソバオオゴマダラ(I.lynceus)も棲んでいますが、ここグヌンムルには分布上、stolliしかいないはず(lynceusは南西ボルネオのみ分布)なので、本種として間違いないと判断しました。一方、ルリマダラ類は大変貧弱な印象を受け、僅か2種類しか出会えませんでした。最初はクラメリルリマダラ(Euploea crameri crameri)♂。
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D7K-34、ISO=200、F5-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、11時51分

 この子も高い梢で一休みしているところを撮影。クラメリとはシンガポール遠征以来(外部リンクの出会いでした。逆光で前翅が後翅から透けて見え、独特な前翅後縁部の形状、および腹端の構造から♂と判断できますね。帰国してからこの絵をピクセル等倍に拡大して気が付きましたが、クラメリの腹端のすぐそばの葉裏に鱗翅類が開翅して隠れています。ただこれがセセリ類か蛾なのかは判別できませんでした。次に国内でもお馴染みのツマムラサキマダラ(Euploea mulciber portia)♂。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、11時51分

 ロッジの目の前で、ノボタン類と思しき花から吸蜜しておりました。これでタテハチョウ科のご紹介はおしまいです。最後に今回、目撃・撮影できたタテハチョウ科全31種をリストアップしておきましょう。

<タテハチョウ科目撃・撮影種リスト(黄色字は目撃種)>
(1) リュウキュウムラサキ(Hypolimnas bolina philippensis)
(2) イワサキタテハモドキ(Junonia hedonia ida)
(3) ハイイロタテハモドキ(Junonia atlites atlites)
(4) リンボルギコノハチョウ(Kallima limborgi boxtoni)
(5) ソトグロカギバタテハ(Rhinopalpa polynice helionice)
(6) タイワンキマダラ(Cupha erymanthis erymanthis)
(7) アルキッペウラベニヒョウモン(Phalantha alcippe alcippoides)
(8) サテリタミナミヒョウモン(Cirrochroa satelita satelita)
(9) クラリッサビロウドタテハ(Terinos clarissa praestigiosa)
(10) ラリアチビイシガケチョウ(Chersonesia rahria rahria)
(11) ドゥリョダナコミスジ(Neptis duryodana duryodana)
(12) クリニアミスジ(Neptis clinia ila)
(13) ミナミイチモンジの一種(Athyma sp.)
(14) トラフタテハ(Parthenos sylvia borneensis)
(15) ペレアもしくはムンダコイナズマ(Tanaecia pelea lutala or T. munda munda)
(16) ドゥンヤリクイナズマ(Bassarona dunya dunya)
(17) パルダリスオオイナズマ(Lexias pardalis borneensis)
(18) デコラジャノメタテハ(Amnosia decora baluana)
(19) ルリモンジャノメ(Elymnias hypermnestra nigrescens)
(20) ムカシヒカゲ(Neorina lowii lowii)
(21) オルセイスコジャノメ(Mycalesis orseis borneensis)
(22) アナピタコジャノメ(M. anapita fucentia)
(23) シマジャノメ(Ragadia makuta umbrata)
(24) グラキリスヒメワモン(Faunis glacilis glacilis)
(25) キラタヒメワモン(F. kirata kirata)
(26) アウレリウストガリバワモン(Zeuxidia aurelius euthycrite)
(27) クルギウスルリワモン(Thaumantis klugius lucipor)
(28) ガウラヒメゴマダラ(Ideopsis gaura daos)
(29) ストーリーオオゴマダラ(Idea stolli virgo)
(30) クラメリルリマダラ(Euploea crameri crameri)
(31) ツマムラサキマダラ(Euploea mulciber portia)

<次回に続く>
by fanseab | 2013-03-02 20:56 | | Comments(8)