探蝶逍遥記

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台湾遠征記(26)11月23日午後その3

 午後2時を過ぎても冷たい風が吹き、気温の上昇も期待できないので、林道を戻ることにしました。途中、シロウラナミシジミ♀がセンダングサに来ているのを撮影。                                                        ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=200、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時04分

 吸蜜はしていない様子です。この後も全く蝶影が期待できず、林道入口付近の崖の南側の空間を激しく飛び回っているシジミがいました。久しぶりに見るウラフチベニシジミ(Heliophorus ila matsumurae )♂でした。
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D7K-34(トリミング)、ISO=200、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時20分

 確実にテリ張り活動で、どうやら崖のやや下の方で頑張っている♂と激しく占有合戦を繰り広げている途中でした。ご覧のようにスレており、右後翅の尾状突起も半分欠落状態でした。この近辺ではルリタテハ♂も盛んにテリを張っておりましたが、台湾産亜種の特徴である前翅中室外側のブルー班はチョッピリ顔を覗かせたに過ぎません。
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D7K-34、ISO=200、F4.5-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時24分

 低い位置にテリ張りしてくれないので仕方ありません。この後は割り切って撤収し、ホテルに帰って温泉にゆっくり浸かることに。知本温泉の湯温は高すぎず、低すぎず、とても快適なものでした。この日から予約の関係で、ホテルを移動しておりました。移動先のホテルは年代物らしく、客室内はこの通り、設備がやや古めかしいものでした。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/5、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:15時07分

 この日も夕食はいつもの小吃で。夕食の全メニューです。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F2.5-1/30、-0.7EV、撮影時刻:18時14分

 手前が炒飯(60元=約160円)、左奥がつみれ風魚団子のスープ(100元=約260円)、右はオムレツ(120元=約320円)。スープの単品拡大。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F2.5-1/34、-0.7EV、撮影時刻:18時14分

 つみれに使用されている香辛料が独特でした。スープ自体はちょっと安っぽいダシ汁で、全体としては不合格レベル。もう少し魚介類の旨味が出ているのを期待したのですけど、この小吃では期待してはいけなかったのかもしれません。         
<次回に続く>
by fanseab | 2012-10-31 21:47 | | Comments(4)

アサマ&ミヤマシジミ越冬卵の探索(10月下旬)

 前週惨敗したミヤマシジミ越冬卵探索のリベンジ、および兄弟格のアサマシジミ越冬卵のダブルゲットを画策して山梨に乗り込みました。前日夜、天気予報の綺麗なお姉さんが「絶好の行楽日和になるでしょう」と微笑んだので、彼女を信じて出発。同じ予報を皆さん聞いたのでしょう、中央高速は小仏トンネルを抜けるまでの大渋滞。しかし天気はというと、予報に反して小雨が降る有様。これは彼女に裏切られた~と思いが募ります。先ずはアサマポイントに8時5分着。冷たい風が吹く中、早速探索開始。1時間粘って卵を発見できなければ諦めることに。しかし、予定の1時間を過ぎても作業が終わらず、延長戦に突入。途中で探索すべき食樹を間違えていたことが分かり、慌ててナンテンハギを再探索。ただナンテンハギは株数が少ないのでそれなりに効率的にできます。そうして捜索開始から2時間経過した10時過ぎ、ようやく同時に2卵発見! 苦労が報われました。卵を発見した株は雨風の影響か、なぎ倒された状態にありました。                                                                                                                                ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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GXR@5.1mm、ISO=320、F7.2-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時40分

 株を立てた状態でも撮影。指でつまんでいるのがその株。
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GXR@5.1mm、ISO=320、F7.2-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時40分

 株の全高は105cm。卵は地上高27cm、45cmより2卵発見。各々の産卵状況です。
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GXR@5.1mm、ISO=320、F7.2-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時39分
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GXR@5.1mm、ISO=320、F6.5-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時44分

 地上高27cmの卵は枝の分岐基部に産み付けられており、丁度、オオミドリシジミ越冬卵が好む位置に似ています。他方はやはり枝の分岐近くで開裂した溝に産まれています。こちらは近くに新芽もあり、孵化後に新葉に辿りつくのが容易でしょうね。卵を最初に発見した時の第一印象は「とにかくデカい!」に尽きます。ツバメシジミやクロツを眺めていた目には二回り以上大きく感じました。その拡大像です。
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D7K-85VR-24R(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:10時57分

 直径は0.95mm。非常にゴツゴツとして全体に無骨なイメージです。中央部が少し凹んでいて周辺部は金平糖を想起させます。外壁はラフな構造なので、常用しているX10ルーペでも微構造がある程度確認できます。その意味ではミズイロオナガシジミの越冬卵に似た印象かもしれません。先ず無理だろうと諦めていたアサマの越冬卵が首尾よくゲットできたので、気分も晴れやかに次のミヤマポイントに向かいました。今回のポイントは管理人が初めて訪問する場所で、前回訪問ポイントよりは個体数が多いと目され、母蝶がまだ飛んでいる可能性があるため、母蝶産卵シーンとダブルゲットの欲張りな事を画策しておりました。しかし、現地に着いてみると、陽射しは改善されず、冷たい風が吹く有様。足元からミヤマ♀と思しきシジミが飛び立ちますが、飛び古したベニシジミでした。そのベニシジミも自発的に活動できる気温ではなく、モンキチョウも下草でジッと静止している状態。仮にミヤマ♀が生き残っていたとしても活動を望める状態ではありません。仕方なく、一面に生えている膨大なコマツナギと格闘せねばなりません。流石に途方に暮れました(^^;

 どの株から手をつけるべきか悩んだ末、なるべく丈の高い株を選んで探すことに。そうして30分後、コマツナギの茎上からようやく待望の1卵を発見。早速メモしようとメモ帖をゴソゴソ取り出している内に場所を見失ってしまいました。「やってしもた~」ちょっとめげましたが、同様な茎を探して更に20分後、ようやくもう1卵を発見。ヤレヤレでした。産卵状態です。
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GXR@5.1mm、ISO=320、F6.5-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時21分

 地上高3cm、意外な事に南向きに産卵されています。よほど乾燥に強いのでしょう。地表スレスレだと拡大像システムの前玉レンズを地面に擦り付けるような位置になり、結構苦労しての撮影。何とか拡大像をゲットしました。
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D7K-85VR-24R(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:13時35分

 こちらはアサマに比較してえらく小さい印象。それもそのはず、直径0.63mmはツバメシジミとほぼ同一。精孔部のある面が外壁よりかなり窪んでいて、最初卵を発見した際、寄生卵かな?と思った次第。微構造は大変特徴があって、外壁部の網目構造が卵の中心部に近い位置まで迫り出している点と網目の突起高さが高いように思います。全体の印象としてはスペインの鬼才・ガウディのデザインを彷彿とさせるものがあります。アサマとミヤマの比較像もアップしておきましょう。
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 大きさ、構造差は一目瞭然ですね。今回、所謂「ブルー3兄弟」の長兄格のアサマ、次男?のミヤマ越冬卵の撮影に成功いたしました。こうなると三男坊のヒメシジミの越冬卵撮影にトライしなくてはなりません。成虫に関しては3兄弟で最も普通種であるヒメシジミですが、卵の探索は逆に最難関となる事が予想されます。理由は食草が多岐に渡り、産卵場所もマチマチであることです。まぁ、道路が凍結するような寒波が襲来する前に何とかヒメシジミ越冬卵も料理したいと思っております。卵の微構造はアサマに酷似しているとの記述もあります。一体どんな顔付きをしているのでしょうか? 
by fanseab | 2012-10-28 23:32 | | Comments(14)

クロツバメシジミの卵他(10月20日)

 近所でツバメシジミの卵拡大撮影を実施したので、ついでに近縁のクロツの卵も撮ってみようと、久しぶりに山梨に遠征しました。クロツポイントには7時05分着。ツメレンゲの花穂は伸びて、白い花も真っ盛り。                                                                                                            ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR、ISO=100、F7.1-1/200、-0.7EV、撮影時刻:7時54分

 早速、卵探し。花穂に産まれた卵は花の白に紛れて発見が難しそうなので、葉上に絞っての探索です。30分程探索して2卵を発見。こんな感じで産まれておりました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F8.1-1/25、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時47分

 そして拡大撮影です。
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D7K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:8時26分

 産まれてから数日は経過しているのでしょう。色は白色です。微構造はツバメシジミによく似ていますが、比較図で詳しく見てみましょう。
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 直径はツバメが0.56mm、クロツが0.65mmと一回りクロツが大きく、レース細工模様も微妙に異なります。ツバメは卵殻外壁部にあるレースの結合点がビーズを入れたように尖るのに対し、クロツではツバメ卵の外壁をヤスリで擦って落としたように、やや平滑な網目になっています。なお、ツバメの卵が淡緑色なのは、産卵直後のためです。

 卵も撮影できたので、ついでに幼虫、蛹も探しましたが発見できず、唯一、葉上の蛹殻を見つけました。
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D7K-85VR、ISO=400、F16-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時26分

 成虫を撮る目的で来たのではなかったのですが、8時30分過ぎ頃から数頭がツメレンゲ群落上を舞い始めました。予想通り、殆どがスレ個体(^^; ツメレンゲの花穂にやってきた♂と思しき個体もこの通りの有様。
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D7K-85VR、ISO=400、F10-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時07分

 ツメレンゲの花の盛期とクロツの発生ピークが揃わないシンボリックな絵になってしまいました。それでもなるべく新鮮な個体を探して、逆光縁毛ブルー幻光にもチャレンジ。
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D7K-85VR、ISO=400、F7.1-1/1250、-1.3EV、撮影時刻:9時11分

 前翅の一部が何とかブルーに光ってくれました(^^) 驚いたのはこの撮影の途中に撮ったヒトコマ。
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D7K-85VR、ISO=400、F10-1/1000、-1.3EV、撮影時刻:9時10分

 左前翅表中室付近にご注目下さい。なにやらゼフ♂を思わせる金緑色幻光が微かに出現しています。通常、クロツの翅表はある角度から見込むと鈍い緑色の幻光を示すことが知られていますが、管理人もこの光り方にはビックリです。スレ品だから光るのか?それとも完品でも光るのか?再度確認してみたいと思っております。

 定番の開翅も一応撮ってみました。
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D7K-85VR、ISO=200、F6.3-1/500、-1.0EV、撮影時刻:9時15分

 この個体、別途真横から撮影した腹部端形状から♀と判断しました。クロツの♂♀判定は難易度高いです(^^;

 首尾よく、クロツ卵拡大撮影に成功したので、この日の次の目的、ミヤマシジミ越冬卵撮影のため場所を移動。母蝶が飛んでいればベストでしたけど、残念ながら最終化の発生は終わっている様子。仕方なく、河原のコマツナギの根元を睨めっこ。孤立した株、逆に密集した株。丈の低いもの、高いもの。風通しの良い枝、日陰の枝、あらゆる可能性を考えて1時間探索したものの発見には至りませんでした。元々、このポイントは個体数が少ない場所なので、現行犯逮捕(母蝶が産卵した直後の場所を確定して撮影)しなければ無理のようです。そのまま立ち去るのももったいないので、モンキチョウとヤマトシジミの産卵シーンにトライ。最初はシロツメクサに産卵するモンキチョウです。
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D7K-85VR、ISO=200、F10-1/800、-0.7EV、撮影時刻:12時09分

 モンキの産卵は本当に瞬間芸で良いカットを撮るのに苦労しました。また偶然、黄色型♀の産卵シーンに出会えたのはラッキーでした。ヒメアカタテハ産卵で確認した前脚drummingがモンキでも実行されているのか?注意深く観察しましたが、明確な行動は確認できませんでした。と言うより、モンキは着地した瞬間には既に産卵しているので、恐らく食草の適否を空中で察知できる能力があるのではと、考えさせられました。高速動画撮影でもすれば、この問題に対する回答が隠されているかもしれません。別個体のモンキがカラスノエンドウの新芽に産卵した卵を拡大撮影いたしました。
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D7K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:11時50分

 シロチョウ科の卵を拡大撮影システムで撮るのはこれが初めてです。長さは1mm、太さは0.4mmほどです。付根の部分が葉被りになったのは反省材料。モンキの卵は完璧、トウモロコシそのものですね。一見正確無比な造形に見えて、縦筋が一部分綻んでいるのが興味深いです。お次はヤマトシジミの産卵。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=320、F10-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時02分

 いつでも撮れそうなヤマト♀の産卵ですけど、いざ撮ろうとすると、結構葉被りとかあって決して易しくはありません。どなたかのブログ名ではないですが、「たかがヤマトの産卵シーン、されどヤマトの産卵シーン」と言った所でしょうか。この後、最初のクロツポイントに戻り♀産卵シーン撮影を画策しましたが、陽が翳ったためか成虫は全く姿を現さず、仕方なく撤収しました。
by fanseab | 2012-10-23 22:52 | | Comments(10)

サトキマダラヒカゲの飼育記録:その1

 9月中旬頃、サトキマの産卵行動の観察をしておりました。この際、合計9卵塊、110卵を確認したのですが、殆どは途中で食害等に遭ったためか、行方不明になり、野外での継続観察を諦めました。恐らくこんなことになるだろうと予測し、識別コードNo.8の卵塊から孵化した初齢幼虫を5頭採幼し、プラケース内で飼育をすることにしました。サトキマの飼育はかれこれ20年ほど前に一度トライしたことがあり、来シーズン予定しているヤマキマ飼育を前提に比較対象としてサトキマ飼育に再トライしたのでした。現在も飼育進行中ですので、今回は卵~3齢までの途中経過をまとめてみました。

 最初は卵。これは9/17に産卵直後に撮影したもの。再掲載画像です。                                   ++画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=500、F13-1/125、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影月日・時刻:9月17日、16時48分

 次に初齢幼虫です。孵化した日時は把握しておりませんが、他の孵化事例から9/23頃と推定されます。観察・撮影した時点では5個体となっていて3頭が行方不明状態でした。
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GXR@5.1mm、ISO=320、F6.5-1/10、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:9月26日

 ご覧の通り、葉裏に群集状態です。体長は約7mm。初齢はメダケの先端から葉の中脈も含めて食い切る特徴があり、体も頭部も透明感があります。9/28に2齢になりました(産卵後11日目)。
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D7K-1855改@19mm(トリミング)、ISO=100、F22-1/400、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月30日(産卵後13日目)

 まだ群集状態です。体長は7.6~8.3mm。頭部は不透明な褐色に変化し、胴体は緑色を帯びた褐色に、尾部にはヒカゲチョウ類の幼虫らしく1対の突起が出てきました。群集状態の個体を真正面から眺めた画像です。
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D7K-1855改@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月30日(産卵後13日目)

 よく言われているように、愛嬌がある顔つきで、S社のキャラクター、「●ティちゃん」を連想させます。頭部の突起は本当に猫の耳のように見えますね! 10月2日(産卵後15日目)に眠に入り、翌10月3日(産卵後16日目)に3齢になりました。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=100、F14-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月5日(産卵後18日目)

 体長は13mmほど。体色は緑色が消え、暗褐色を呈し、背面に斜交する黒線が明確になります。この背面パターンは特徴があり、昔飼育した個体の風貌を思い出したのでした。この幼虫画像の左側に食痕が見えています。中脈も含めて全て食い切る初齢と似たような食痕ですが、2齢後半から3齢の初期では中脈を残す食痕が普通です。
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D7K-85VR、ISO=100、F13-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月5日(産卵後18日目)

 ご覧のようにメダケの葉は乾燥して黄ばんでおりますが、サトキマ幼虫はこんな葉でも結構執着して食ってくれます。次から次へと新葉を供給しないと幼虫が食いつかない神経質な種もおりますが、サトキマはノンビリムードで飼育できて大変楽ですね。最後に頭部全面を初齢から3齢まで比較しておきましょう。なお、各齢の拡大倍率は一定ではありません。念のため。
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<撮影月日>初齢:9月26日(別の卵塊は孵化した個体:産卵後9日目と推定)、2齢:9月30日(産卵後13日目)、3齢:10月5日(産卵後18日目)

 初齢の画像はやっつけ仕事で撮ったため、酷い手振れ画像でご容赦下さい。来シーズンにでも撮り直す予定。それはともかく初齢では頭部突起がないこと、齢を重ねるに連れ、体毛の相対的な長さが縮小していくことが理解できます。先に例示した「●ティちゃん」に一番そっくりなのは、鬚の長さを考慮してやはり2齢でしょうか? 3齢になると、「額」の部分に黒い色素の沈着が出てきます。4齢以降は続報で報告いたしましょう。     <次回へ続く>
by fanseab | 2012-10-21 22:24 | | Comments(10)

ツバメシジミの産卵など(10月中旬)

 このところ、身近で観察できる蝶の産卵行動撮影に注力しております。今回はヤマトやベニと並んで普通種の代表格、ツバメシジミです。多摩川の河原にも至る所に飛んでおりますが、さて、ホストになっているマメ科植物はなんだろうか? 先ずは♂の探♀飛翔の場所を探ってみました。河原に生えているマメ科としては、シロツメクサ、メドハギ、セイヨウウマゴヤシなど、結構バリエーションがあります。今回観察したポイントではどうやらマルバヤハズソウだろうと判断しました。その群落の上を飛ぶツバメシジミの♂です。                                                                               ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-20(ノートリ)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時22分

 結構な飛翔速度で追跡するのも結構骨が折れます。そのうち、♀を見つけると求愛行動に移りますが、例によって、♀は交尾拒否行動を示し、♂の追跡を振り切るパターンになります。
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時36分

 このペア(下が♂)の場合は、かれこれ2分近くもつれあっておりましたが、最後どうなったかまでは確認しておりません。一方、交尾が成立するのはあっという間ですね。♂が腹部をねじ曲げた交尾の瞬間を捉えることができました。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=400、F9-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:12時51分

 1時間後、食草のマルバヤハズソウの上で静止するペアの姿です。
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D7K-85VR、ISO=200、F9-1/800、-0.7EV、撮影時刻:13時51分

 右側が♀ですが、結構スレ品で処女?とは思えません。ツバメは複数回交尾するんでしょうか? ♀の産卵行動はヒメシジミ族に共通するパターンだと思います。地表近くの食草の間を緩やかに飛びながら、好みの産卵ポイントを探索していきます。
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時22分
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時40分

 人間の目から見ると、マルバヤハズソウの群落は地面を這うように生えている所謂シバ型草原ですが、彼女から見ると、マルバヤハズソウのジャングルの中を飛び回っている感覚なのでしょう。好みの株に着地すると、翅をスリスリさせながら、腹部を曲げ産卵に移ります。
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D7K-85VR、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、撮影時刻:14時02分
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=400、F10-1/1600、-1.0EV、撮影時刻:14時47分
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D7K-85VR、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、撮影時刻:14時52分

 1枚目は狙って撮った訳ではありませんが、ブルー縁毛幻光も写りました。3枚の画像からお分かりのように、産卵ポイントは日光が直射する場所ではなく、半日陰のような株に産んでいきます。また、マルバヤハズソウの葉は傘を窄めたように茎に向かって傾斜しているので、♀は腹端を葉の基部側に相当無理して押し付けるような態勢を取ります。バランスが上手く取れずに、産卵の瞬間に翅の向きをくるっと回転させることも多く、撮影者泣かせの相手です。まぁ、ミヤコグサに産卵するシルビア♀でも同じ経験がありますが、葉被りも含めて本種産卵シーン撮影は意外と苦労させられました。

 例によって、卵の拡大像も撮りました。ただ屋外では葉の付根部分を上手く撮影できないので、自宅に持ち帰って室内で撮影。
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D7K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:11時03分
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D7K-85VR-24R(トリミング+2コマ深度合成処理)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:11時31分

 直径は0.56mm。全体の雰囲気は以前ご紹介したウラナミシジミの微構造にそっくりで、レース細工を思わせます。ただウラナミと比較すると、外壁の網目構造に微妙な差があって、ウラナミはほぼ正確な3回対称性(120度回転させると元図形にピッタリ合致する対称性)を示すのに対して、ツバメは対称性が曖昧な部分が多く、かつ網目のピッチがウラナミよりも細かな印象を受けます。今後、機会があればクロツバメシジミの卵も撮影し、比較できればと思っております。
by fanseab | 2012-10-18 21:09 | | Comments(8)

ヒメアカタテハの産卵(10月中旬)

 ウラナミシジミ同様、秋口になると増えるのがヒメアカタテハ。多摩川縁のキバナコスモス畑にはいつも彼らが集っています。さて、今回の狙いは♀の産卵シーン撮影。食草のヨモギは堤防沿いの至る所に生えていますが、9月末頃に堤防沿いの一斉草刈りがされ、草丈が低くなっていたので、ここに来る♀を狙い打ちにすることにしました。正午過ぎから張り込んでいると、期待通り、♀が産卵を始めました。                                                                      ++画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34(トリミング)、ISO=200、F13-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時07分

 ヨモギの葉が垂直に立っているため、腹端は葉の影になって、見えません。腹端も卵も・・・と欲張りな絵はかなり難しそうです。この後、母蝶は飛び去らずに、同じ茎に生えている隣の葉に移動し、産卵をしようとしたのですが、ここで急に前脚をバタつかせる行動に出ました。管理人が愛読している「蝶の生物学(東京大学出版会、2005)、p278」によれば、
「最終的な寄主の認知と選好は、基本的に連打行動(drumming)の最中に植物中の化学成分を前脚跗節(foretarsus)の接触化学受容器(chemotactile receptor)で感知することによって行われる」と書かれています。将にこのシーンを観察できました。その画像です。
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D7K-34(囲みはトリミング画像)、ISO=200、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時07分

 タテハチョウの前脚はご存知の通り、退化して実質的に4本脚で行動していますが、♀は産卵に重要な感覚センサーが前脚にあるため、これを有効活用している訳です。普段、タテハの前脚が↑の絵のように伸びている場面は先ず観察できません。撮影時にも気が付きましたが、素早いピッチでdrummingしていることがわかりました。できればやはり静止画ではなく動画で記録を残したいものです。面白いのは既に産卵済みの葉に隣接した葉であるにも拘らず、認知行動を愚直に取っていることです。同じ茎、それもほぼ対生状態の葉ですから、ヨモギの葉に間違いないはずです。それでも母蝶は遺伝子に刷り込まれた通り、drummingによる選好チェックを実施しているのです。drummingを実施している時間はわずか1-2秒程ですので、通常、♀が産卵態勢に入った時には既にチェックが終わっていることが多く、なかなか選好行動を撮影することができません。この時は同じ茎内で複数回産卵したので、この場面を幸運にも目撃できた訳です。それと前脚のみならず、触覚を垂直下方に降ろし、さらにストローまで伸ばしています。前脚を含めた全ての感覚器官を総動員して認知行動を取っていることが伺えます。
 別の産卵シーンもアップしておきましょう。
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D7K-34、ISO=200、F8-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時08分

 ここでも葉被りで「腹端と卵の同時写し込み」は実現できませんでした(^^; また認知行動の名残でしょうか、この絵でもストローは巻き戻す途中の状態になっています。 産卵をひとしきり終えると一旦日光浴か、近くにあるキバナコスモスで吸蜜して栄養補給です。
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D7K-34、ISO=200、F8-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時11分

 この個体は縁毛の揃った綺麗な♀。ヒメアカの♂♀判定はそれほど易しくはないですが、♀個体の方が後翅表肛角付近の青鱗粉が鮮やかに載る特徴があるようです。橙と黒を基調とするデザインにあって、このブルーが翅全体をキリリと引締めていて、大変お洒落だと思います。

 産卵された卵の拡大撮影もしてみました。最初はお手軽に前玉外しで遊びました。
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D7K-1855改@38mm(トリミング)、ISO=200、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:12時15分

 好みの葉にはこのように集中して産んでいます。次にStacked Lensでの拡大像です。
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D7K-85VR-24R(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=200、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:15時58分

 青緑色をしておりまして、離れて見た目には、ほとんどヨモギの葉と同化して見事な擬態とも言えます。形はクラゲを連想させますね。ネットで調べたら、「カブトクラゲ」に似ているような・・・。「クラゲの襞」の一部分はストロボ照射で明るく輝き、コントラストが飽和気味になって、ディテールが消えやすい傾向にあります。卵を覗きこむアングルを変え、2灯ライティングの照射位置も変えると、全体のディテール表現が少し改善できました。
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D7K-85VR-24R(トリミング+3コマ深度合成処理)、ISO=200、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:16時02分

 この近くのヨモギの若葉をチェックしてみると、3割の確率でヒメアカの卵が見つかりました。いずれ葉を綴って隠れた幼虫を観察できることでしょう。そいつはまた晩秋のブログネタになりそうです(笑)
by fanseab | 2012-10-16 21:22 | | Comments(6)

ウラナミシジミ(10月上旬~中旬)

 多摩川の河川敷はあたり一面、クズの葉で覆われています。9月中旬からいつもの通り、ウラナミシジミの姿が多くなりました。常日頃、綺麗な個体の開翅を撮ろうと思っているのですけど、♂も直ぐにスレるので、なかなか撮影チャンスがありません。個体数はとても多いので交尾ペアは見つかりやすいほうだと思います。                                         ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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GXR@5.1mm、ISO=100、F6.5-1/750、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時21分

 ♀(左の個体)の縁毛に何とか逆光ブルー幻光が写ってくれました。クズの葉を縫うように探♀飛翔する♂を狙って飛翔を撮影。ウラナミは結構不規則な飛び方をするので歩留りは相当悪いです。600コマほど撮って、ご紹介できそうなのは次の3枚だけでした。
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ。撮影時刻:9時42分
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ。撮影時刻:9時51分
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D90-20(トリミング)、ISO=200、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ。撮影時刻:9時51分

 10月も中旬になると♂のスレが目立ちます。尾状突起が欠落しているのは当たり前の世界になるので、たまに飛翔でヒット画像が出ても、見栄えが悪いですね。9月中旬頃はクズの紫色の花が咲き誇っていますが、流石に10月に入ると殆ど「豆」になってしまって殺風景な景色に変わってしまいます。クズの花にはウラギンやウラナミが卵を産み付けますが、不思議なことに豆には全く産卵しておりません。ウラナミの卵です。
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D7K-1855改@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯。撮影時刻:12時43分

 下方は二段重ねで産み付けられています。残り少なくなったクズの花弁に彼らが集中して産卵する様子が見てとれます。ウラナミの卵もヤマトシジミ同様、結構直径が小さいので、Stacked Lens法で強拡大撮影もトライしました。
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D7K-85VR+24R(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ+スレーブ1灯。撮影時刻:16時50分

 直径は0.68mm。珍しく深度合成がバシッと決まって、微構造を正確に表現できました。ヤマト卵表面微構造をマスクメロンに例えましたが、このウラナミは精巧なビーズ細工を彷彿とさせますね。ゼフの越冬卵が概ね白色で、何か無機的な構造美を示すのに対し、淡いグリーンを呈すウラナミのそれは手作りの温もりを感じさせてくれます。
by fanseab | 2012-10-13 21:07 | | Comments(8)

房総半島のシルビアシジミ(10月8日)

 3年振りに房総のシルビア探索をしました。前回は見事に玉砕したので、今回がリベンジマッチ。例によって、1/25000地形図と衛星画像からポイントを10箇所ほど絞り込み順番にチェックしていきます。殆ど似たようなシバ型草地をトボトボと歩くのも忍耐が要る作業です。「地這シジミ」探索の宿命でしょうか。ちょうど、周辺の里山ではヒガンバナの盛期。キアゲハ♀が吸蜜にやってきました。                                                                             ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR、ISO=400、F9-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:8時54分

 ブログ仲間の記事を拝見すると、今年のヒガンバナ開花は遅れ気味のようですが、なるほど体育の日あたりがピークだったのでしょう。さて、8箇所目の候補草地でヤマトの2♂にしつこく求愛されている小さ目の♀を発見。大きさと黒さからシルビアらしい個体。♂が離れた後、確認するとビンゴ!でした(^^)
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D7K-85VR、ISO=200、F5-1/1600、-1.0EV、撮影時刻:10時14分

 ご覧の通りのスレた個体。微かに逆光縁毛ブルー幻光が発現していますが、歯抜け状態の縁毛では、幻光撮影はやはり無理がありました。ちょっと飛んだ後、お約束?の開翅です。
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D7K-85VR、ISO=200、F9-1/640、-0.7EV、撮影時刻:10時17分

 あまり接近戦で撮ると可哀想なので、この程度のアップで止めときました。渋い幻光はやはりもう少し鮮度が良くないと駄目ですね。因みに青鱗粉は前後翅基部にチョロっと撒かれている程度。ほぼ漆黒の個体でございました。ド完品♀の開翅は今年5月に岡山で撮影しているので、そちらをご覧になった方がいいでしょう。


 多化性のシジミ故、鮮度がマチマチなことを期待して暫くこの近辺で探すも全てヤマトのみ。結局、シルビアはこの個体のみ。個体数が相当少ない印象です。ここにはミヤコグサはなく、ほぼ200m離れた草地にあったので、ここから飛んで来たのかもしれません。また、このあたりではシロツメクサに食草転換しているとの記録もあるので、あるいはシロツメクサ食い個体の可能性もあります。傾斜地の草地を上下しながらの探索に疲労したので、ほどほどに切り上げて、この日の次の目的、ヤマキマダラヒカゲの幼虫探索に転戦です。この時期、恐らく2齢、ひょっとすると既に3齢以上になっている可能性があります。群居する性質も3齢以降はなくなるので、今が最後のチャンスと思ってヤマキマポイントに出向きました。流石に蝶の姿は減っていて産卵をしているヒカゲチョウ♀が目につく程度。ヒメウラナミジャノメもヒメジャノメも既に姿を消していました。食痕を頼りにメダケの葉裏を捲っていく辛気臭い作業を続けていきます。しかし、結局見つけたのはヒカゲチョウの3齢と思しき幼虫のみ(^^;
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=320、F16-1/200、-0.7EV、外部ストロボ。撮影時刻:13時29分

 体長は約10mm。やはり、産卵現場を押さえて、採卵→飼育をせねば幼虫観察は厳しそうです。来春以降の課題になりました。薄暗いヤマキマポイントには、フワフワと群れ飛んでいたトンボがおりました。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=400、F10-1/125、-0.7EV、外部ストロボ。撮影時刻:13時32分

 恐らくオオアオイトトンボ(Lestes temporalis)の♂。間違っていたらご指摘願います。藪の中を音もなく飛ぶイトトンボは何か幽玄な雰囲気を感じさせますね。

 ヤマキマは春型♀が未撮影ですし、できればシルビア♂も含め、来シーズンまた房総を訪れてみたいと思っております。
by fanseab | 2012-10-10 21:51 | | Comments(8)

シジミチョウ卵の拡大撮影(9月30日)

 本年1月よりゼフ越冬卵の拡大撮影に嵌って合計8種類の画像採集に成功いたしました。その後、卵の撮影は封印しておりましたが、このところ、ジャノメチョウ亜科の卵撮影を再開したので、ついでにシジミチョウ類にも再トライいたしました。
 撮影に用いる機材は複数あって、一番お手軽なのは、所謂「前玉外し」による改造ズームレンズを用いるやり方。管理人はニコン製AF-S DX Zoom Nikkor ED18-55mmF3.5-5.6GⅡの前玉を外し、本ブログではレンズ名を「1855改」、使用焦点域を@55mmの如く、アットマークを使って略記しております。拡大率をより必要とする対象には、前玉外しではやや能力不足ですので、85mmVRマクロにシグマ製24mmF1.8を逆向きに取り付けた「Stacked lens」拡大システムを用いております。こちらは「85VR-24R」と略記します。今回両システムで撮り分けた絵をご紹介しておきます。最初は秋口に観察する機会の多いウラギンシジミの卵。ノートリミングでの比較です。                                                       ++画像はクリックで拡大されます++
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<上段> D7K-1855改@40mm、ISO=200、F29-1/125、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時55分 <下段>D7K-85VR-24R、ISO=100、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時39分(撮影日は上段と別)

 前玉外し法の利点は、拡大倍率が相対的に低いため、撮影時に視野が広くて対象の卵をファンダー中央部に容易に誘導できる点です。反面卵の表面構造を明確にするためには相応のトリミングをせねばなりません。一方、Stacked lens法は拡大率がかなり高く、おまけにイメージサークル(有効結像円)が小さくて、ファインダー内の極一部分(円形領域)しか見えません。ほぼ目の前に見えている卵なのにファインダー中央に誘導するのが難しくイライラさせられます。反面、拡大率はレンズで稼いでいるので、トリミング量は少なくて済みます。前玉外し法では長焦点端でも55mmですから、Stacked lens法に比較して焦点深度が深く、深度合成をせずに深さ方向の情報が得られやすい長所もあります。ウラギンシジミのように直径が比較的大きい卵では、前玉外しでも十分な情報が得られております。両画像の卵サイズを合致させたトリミング画像もアップしておきましょう。
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<上段> D7K-1855改@40mm(トリミング)、ISO=200、F29-1/125、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時55分 <下段>D7K-85VR-24R(トリミング)、ISO=100、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:17時39分(撮影日は上段と別)

 一方、全国的普通種、ヤマトシジミも撮り分けてみました。ヤマトの卵は結構小さくて、直径約0.5mm(ウラギンシジミのほぼ1/2)。
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<上段> D7K-1855改@55mm(トリミング)、ISO=100、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時34分 <下段>D7K-85VR-24R(2コマ深度合成+トリミング)、ISO=100、F29-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時46分

 流石にヤマトの卵になると、前玉外しでは解像力不足になり、特に中央部精孔付近の微構造がきちんと解像できておりません。それにしても、ヤマトの卵表面構造はマスクメロンそのものです。断面から見ると、饅頭を押し潰したような扁平形状なので、「饅頭」の表面にピントを合わせれば、ほぼ全体像が把握できます。
by fanseab | 2012-10-08 20:52 | | Comments(4)

台湾遠征記(25)11月23日午後その2

 林道を戻りながら色々とチェックしていく過程で中型のシロチョウに出会いました。良く眺めてみると、海外遠征で初めて出会うモンシロチョウ(Pieris rapae crucivora)。                                                      +横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時25分

 偶然、センダングサに来ていたクロボシセセリとのツーショットになりました。林道沿いに多産するルリモンジャノメの飛翔を狙って撮影。意外と難しく、ちょっと動体ブレした画像を貼っておきます。
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D7K-34(トリミング)、ISO=800、F4-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時36分

 この個体は♂。この絵を見るとルリマダラ類によく擬態しているように思えますが、マダラ類に特徴的な滑空時間が少なく、すぐに正体がバレてしまう下手糞な真似ですね。
 竹林の近くではNeopeLetheの類を期待するもなかなかおりません。かなり遠距離でようやくLetheを発見。無理やりトリミングしてのご紹介です。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F13-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時41分

 森林有樂區でも撮影したシロオビクロヒカゲ(L.verma cintamani)♂でした。露出設定を間違えてRAW現像で無理やりシャドウ部を引き上げたので、ノイジーな絵になってしまいました。直ぐにモニター上で気が付き、シャッター速度を調整してもう1枚撮影。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F13-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時41分

 ストロボの刺激で半開翅状態になりました。 このヒカゲは接近戦で撮り直したい代表格の種でございます。前日もリュウキュウアサギマダラ♀の産卵シーンを観察しておりましたが、この日も暗い林間をフワフワと漂うように食草を探索する♀を発見。彼女の探索過程を連射いたしました。
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D7K-34(トリミング)、ISO=800、F13-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時52分
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D7K-34(トリミング)、ISO=800、F13-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時52分

 1枚目は少し見難いですが、普段折りたたまれている前脚を前方に伸ばしているのが確認できます。前脚跗節についている化学センサーを機能させている証拠画像と思われます。ただ、お気に入りの食草が見つからなかったようで、2分程の観察時間内に残念ながら産卵の瞬間を撮影することはできませんでした。
 樹液にはヒョウマダラ♂が来ておりました。
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時56分

 また別の樹液酒場でシロオビヒカゲ(Lethe europa pavida)♂も発見。
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D7K-34(トリミング)、ISO=200、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時59分

 シロオビヒカゲは久しぶりに出会った感じです。因みに本種の亜種区分は日本国内産と同じ位置づけです。            <次回に続く>
by fanseab | 2012-10-07 13:17 | | Comments(4)