探蝶逍遥記

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ゼフ越冬卵撮影その3(1月29日)

  前回(1月14日)記事の続編です。今回は前面側レンズをシグマの28mmF1.8(PENTAX用)から同じシグマの24mmF1.8(NIKON用)に切り替えてのテストです。シグマの24mmは飛翔撮影用として愛用しているレンズですが、相当重いのが玉に傷。これにリングストロボを付けると以下の通りの重装備になります。                                                                                       ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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GXR@5.1mm

 ボディを含めた全体重量は普段愛用している300mmF4レンズ使用と同程度です。この重さでレンズ前面数cmにある、極薄の合焦域に直径1mm弱のゼフ越冬卵を捉えねばなりません。室内での予察テストでは、色収差が28mmF1.8より優れていたので期待して撮影に臨みました。最初は前回も登場したミドリシジミの4卵塊。
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D7K-85VR-24R(トリミング+深度合成処理)、ISO=400、F29-1/400~1/500、-0.3EV~-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時36分

 合成に寄与させた画像は3枚。色収差は思ったより出現していますが、元画像で見る限り光軸中心から離れた領域では全般に改善されています。一方、解像度は28mmよりやや良い程度で劇的に改善した訳ではありません。前回はあまり気にしていなかったのですけど、下の3卵の脇を橋渡しするように粘着性物質が見えています。母蝶が産卵する際、樹肌と接着するべく糊状物質を塗布することが知られていて、その塗布の名残かもしれません。

 さて、今回は何とかアカシジミ(もしくはウラナミアカ)の越冬卵を撮影したいものだ・・・と寒空の中(この日、午前中は全く陽射しが無く本当に寒かったです!)、うろつきました。そんな折、クヌギ幼木の休眠頂芽に怪しい物体を発見。
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GXR@5.1mm、ISO=160、F8.1-1/50、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時05分 
 
 ついに発見したか~!と、ぬか喜びしましたが、ルーペで検したら、明らかに越冬卵ではありませんでした。これだから素人の探索は苦労します(^^;  ネットで見る限り、アカシジミ越冬卵の色調は表面をゴミで隠蔽工作するにしても、灰色を基本とするようで、↑の絵のような黄褐色ではないようです。ガッカリしながらも更に探索を続けていくと、コナラの細枝上にオオミドリの越冬卵を発見。魚露目で周辺環境を写し込んでみました。
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D7K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=400、F22-1/50、-0.7EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:11時21分

 前回発見したのと異なり、枝の分岐ではなく側芽脇に産み付けられています。この越冬卵を拡大撮影システムで撮ろうと難儀しましたが結局撮影できず。足元が崖地になっていて一脚も上手く固定できず断念しました。何とかオオミドリを新レンズシステムで撮り直したいと思い、更に探索を続けると、コナラのひこばえ分岐部付近に合計3卵を発見。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F7.2-1/90、-1.3EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:12時28分

 中央付近に2卵、その左上に1卵見えています。左上の1卵を拡大してみました。
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D7K-85VR-24R(トリミング+深度合成処理)、ISO=400、F29-1/250~1/320、-0.3EV~-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時48分

 この事例では元画像4枚で合成。前回の反省からミクロパイルを真上から望む構図で撮ってみました。結果、色収差も殆ど出ず、出来栄えはいいのですけど、どうも棘皮の形状が崩れていて見栄えがしません。結局、オオミドリ越冬卵の画像としては前回の作例の方がベターでした。今回も含め拡大撮影では色収差に悩まされました。レンズの色収差は通常のマクロ撮影では先ず問題になりません。それは当然の話で、現在のレンズ光学では諸収差を完璧に軽減する計算に基づいて設計・製作されているからです。ただ、拡大撮影システムでは異種レンズを無理やり結合させている訳で、色収差が出るのも無理からぬことです。従ってStacked lens法では無限にあるレンズ系の組み合わせから諸収差が最小となるペアを探し出すことが重要なポイントです。と言っても我々アマチュアの手持ちレンズは限られている訳でして、今回得られた画像がまぁ、管理人としてはそろそろ限界なのかもしれません。

 ところで、前回含め撮影時の絞り値はF=29とほぼ最少絞りに設定しています。ここまで絞り込むと所謂「小絞りボケ(回折ボケ)」が生じるとされています。本来はF=8程度で撮影し、合成枚数をn=15枚程度で合成をかけるのが最高解像度を得るには合理的です。しかし、前回と今回の経験を踏まえると、とても野外の手持ち撮影元画像でn=10枚以上の合成は不可能です。せいぜい多くてn=5枚が限界でしょう。したがって回折ボケを生じることは承知の上でギリギリ絞り込んで撮影しております。センサーサイズの小さいコンデジでは同一絞り値でも焦点深度が深いことが知られています。上記回折ボケ回避の点からもコンデジは有利な訳で、APSサイズセンサー一眼で変に頑張るよりはエレガントなのですね。

 以上、ダラダラと述べましたが、今回の探索でオオミドリシジミは合計6卵(正常卵4、寄生卵2)を発見できました。ようやくオオミドリのお母さんの気持ちが理解できたような気がします。しかし、ミズイロオナガやアカ・ウラナミアカの母蝶の思いを汲むまでには更なる修行が必要なようです。また機会があったら山地性ゼフ、とりわけ造形的に素晴らしいオナガかメスアカミドリの越冬卵を拡大撮影してみたいものです。
by fanseab | 2012-01-31 22:47 | | Comments(4)

台湾遠征記:(5)11月21日前半その4

 バナナセセリの幼虫をバナナの葉に戻した後、ミニ渓流を渡ると次第に遊歩道は登り勾配に。草陰からやや大型のジャノメが飛びました。クロコノマチョウ(Melenitis phedima polishana)でした。                                 ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時22分

 メスチャヒカゲ(Lethe chandica ratnacri)あたりを期待したのですが、がっかり。日本でもどこでも、この子は葉隠れ上手ですね。ほぼ同じ場所でゆっくりと舞っていたジャノメも撮影。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時27分

 恐らくキレバヒトツメジャノメ(Mycalesis zonata)の♂でしょう。マルバヒトツメジャノメ(M.mineus)との差異は前翅端部の鋭角的な翅形ですけど、どうも該当部が微妙に丸い個体も混じっていて、正直ちょっと同定に自信がありません。以前ご紹介した♀同様、乾季型(冬季型)で眼状紋が縮退しております。

 さて、このジャノメを撮影した時点で、ようやく青空が拡がってきたようで、暫く遊歩道を進むと急に視界が開け、林縁にセンダングサの花園が開けた「美味しそうな」ポイントに着きました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/180、-0.7EV、撮影時刻:12時06分

 見上げると待望の青空も!と、思いが通じたのか、多くの蝶がこのセンダングサに訪れ始めました。最初はヒメイチモンジセセリ(Parnara bada)。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時33分

 腹部形状と翅&胴体の全体バランスから♀でしょうか?badaの撮影は管理人初体験です。
お次はコモンマダラ(Tirumula septentrionis)の♂。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/160、-0.7EV、撮影時刻:11時34分

 Tirumalaは同定がややこしいのが困ります(^^; そのうち矢のようなスピードで飛び回るアゲハが登場。コモンタイマイ(Graphium agamemnon)でした。しかし、こいつには手こずりました。とにかく俊敏で、吸蜜時間は長くて2秒程度。殆どは1秒以内で別の花弁に移動するので、フレーミングを合わせた頃には視界から消えてしまう始末・・・。トホホでした。それでも何とか撮れた3枚を張っておきましょう。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、撮影時刻:11時37分
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D7K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、撮影時刻:11時37分
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D7K-34、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、撮影時刻:11時44分

 3枚目を除き思いっきりピン甘(^^; 吸蜜時の羽ばたきも相当に敏速で、シャッター速度優先で1/1000sec.を切るべきでした。こうした事態に備えて日本国内で2シーズンに渡ってアゲハ吸蜜撮影に拘って練習してきたのでしたが、肝心の本番で露出設定を誤って反省しきりです。コモンタイマイは吸水や腐肉吸汁の場面ではノンビリと撮影できますが、花からの吸蜜撮影はこれが初体験。全く別次元の素早さには驚かされました。この後アオスジアゲハ(G.sarpedon connectens) も出現。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時52分

 コモンタイマイを撮影した後では、普段短いと感じるアオスジの吸蜜時間もとても長く感じられたのでした。今回の記事で11月21日の午前中がほぼ終了しますが、まだ正午までは10分程ありますので、午前中分を更に引っ張らせて頂きます(笑) ご期待下さい。 <次回へ続く>
by fanseab | 2012-01-28 20:13 | | Comments(8)

北海道遠征記(9)アカマダラとサカハチチョウ

 北海道特産のアカマダラももちろん初体験です。maedaさんにご案内頂いた十勝の林道で、先ず目にしたのは蝶ではなく、ヒグマの糞。maedaさん一瞥して曰く、「そんなに古くないね・・・」。地元に住む方の言葉の重みを噛みしめます。管理人は慌ててクマよけの鈴をカメラリュックに括り付け、maedaさんとの距離を空けずに探索を行いました(^^; エゾマツの隙間からヒグマが我々を監視しているのではないか?常に緊張感の漂う撮影行でした。さて、その獣糞に止まって吸汁していたのが、なんとアカマダラ春型の♂でした。                                                                     ++画像はクリックで拡大されます(1枚目だけはクリックしないほうが・・・)++
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D90-85VR、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、10時23分

 背景が汚くてすみません(^^; このような画像でアカマダラの大きさを表現するのは大変難しいですが、蝶の胴体・触覚と翅のバランスを比較して見ればこの蝶の小ささをよくご理解頂けると思います。獣糞の回りを同時に飛び回っていたコチャバネセセリとさほど違わないサイズですね。お次は路上で全開翅した♂。
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D90-85VR、ISO=400、F13-1/1250、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、10時39分

 後翅最外縁の紫色の細い縁取りが大変お洒落だと思いました。最後はこの蝶の食草と思われるエゾイラクサ(Urtica platyphylla)の葉上で開翅日光浴する♂。
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D7K-34、ISO=640、F9-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、11時16分

 今回撮影したアカマダラ♂の中ではほぼ完品で、和名の「赤斑」らしい雰囲気の個体でお気に入りの絵になりました。以上、3枚の♂個体を比較すると、翅の黒化度(赤褐色の面積)も相当個体変異があることがわかります。2枚目のように黒化が進むと混棲しているサカハチチョウ春型♂と一見区別が難しくなります。さて、お次はそのサカハチチョウ♂。集団で吸水しておりました。
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D90-85VR、ISO=400、F10-1/1250、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、10時38分

 この集団から少し離れた場所で全開翅している♀にも出会いました。
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D90-85VR、ISO=400、F13-1/1250、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2011年6月25日、10時36分

 これもド完品個体で満足です。記憶を辿ってみると、本州でもサカハチ春型♀を真面目に撮ったことが無かったような気がします。残念ながら、このポイントでアカマダラ♀には遭遇できませんでした。やや時期が早かったのかもしれません。夏型撮影も含め、次なる北海道遠征での課題でしょうか。<次回に続く>
by fanseab | 2012-01-23 22:21 | | Comments(8)

台湾遠征記:(4)11月21日前半その3

 前回ご紹介した遊歩道、「森林浴歩道」で良く目にした蝶としてルリモンジャノメ(Elymnias hypermnestra hainana)を挙げることができます。ルリモンは東南アジア全域で普通種なのですけど、どこでもウジャウジャいると言うよりは、「そこそこみかける」感じでした。ところが、この遊楽区での個体数は半端ではなく、多産しておりました。先ずは♀半開翅。                                               ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時51分

 シダ類の葉上で吸水中の場面。ご覧のように何回かストロボを焚いていると、驚いて翅を僅かに開翅します。これまでルリモンの表翅は飛翔でなければ拝めない・・・と諦めておりましたが、この手法で半開翅の場面がゲットできそうです。お次は♂。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時53分

 こちらは食樹であるヤシ科のクロツグ(Arenga engleri)上に静止しているシーン。こちらもちょっと翅を開いてくれました。♂♀の区別点は次の通り。①前翅表外縁部に出現する斑点列が♂では濃いブルー、♀では淡いブルーを帯びた灰色になる点、②その斑点列は♂の方がより外縁側に位置し、③後翅第4脈端の突出部は♀の方が顕著、etc。これらの区別点を明確にするためにも開翅撮影が必須なのですが、今後珍品Elymniasに出会った際は、ストロボ照射法で撮ってみたいと思います。ルリモンやキレバヒトツメジャノメを撮影したトレイル風景をご紹介しておきましょう。
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GXR@5.1mm、ISO=400、F3.2-1/32、-0.7EV、撮影時刻:10時39分

 画面中央奥にルリモンの食樹クロツグが見えています。とにかくクロツグの数は半端ではなく、ルリモンが多産するのも頷けます。試しにクロツグの葉をじっくり眺めていると、どうやらルリモンの食痕らしきものを発見。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F3.6-1/6、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時17分

 思いっきり手振れ画像ですみませんm(--)m この株の葉裏をちょっと捲って調べてみると、いとも簡単に幼虫を発見できました。もちろん管理人の本種幼虫発見はこれが初めて。
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GXR@5.1mm、ISO=400、F3.6-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時19分

 画面右端に幼虫の頭部拡大像もトリミングして載せておきました。体長は29mmで3齢と思われます。頭部の色を除けばクロコノマチョウにそっくりの色形ですね。85mmマクロで葉裏に付いている情景も撮りました。
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D90-85VR、ISO=400、F9-1/100、+1.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時36分

 どうも露出が上手くいきません(^^; この株ではもう1頭(2~3齢?)の幼虫を発見しましたが、蛹や卵は発見できず。さて、アップダウンを繰りかえす遊歩道を暫く歩くと小さな渓流に差しかかりました。ここでカメラリュックを下して休憩していると、遊歩道沿いにバナナの株を発見。しかも面白いものがついておりました。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時03分

 巨大なバナナセセリ(Erionota torus)の巣です。本種の巣を発見するのもこれが初体験。早速、一脚で葉を手繰り寄せ、巣を開けてみました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F2.9-1/25、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時06分

 出てきたのは巨大な終齢幼虫。体長は55mm位。幼虫に添えられた台湾の壹園玉(日本の1円玉と同じ直径20mm)と比較して頂くと大きさが想像できると思います。丸々と太ってまるでタテハチョウの終齢幼虫と同じサイズですね。画面右下に幼虫頭部の拡大像もつけておきました。ガングロ(笑:もはや死語)で、全く模様の無い味気ない?ルックスです。面白いのは幼虫が出した糞が巣の中に残されていること。人間の感覚からすると全く不衛生極まりないのですが、どのような生態的意味を持つのでしょう。通常、糞を含めた排泄物の匂いを求めて寄生蠅や蜂が群がることも予想されますので、本来糞は巣の外に出すのが外敵からの防御生態として妥当と思われますが、興味深い事実です。因みに滞在中、成虫の姿は確認できませんでした。夜明け前や黄昏時にのみ、活動するとされる本種の観察は意外と難しそうです。また、台湾でバナナセセリが発見されたのは結構最近で1986年のことだそうです。日本での本種発見は1971年とされていて米軍のベトナム戦争との関連が指摘されています。同戦争では台湾駐留米軍基地からもベトナムへの爆撃等もあったはずですが、バナナセセリの侵入は日本よりかなり遅れたことになります。<次回に続く>
by fanseab | 2012-01-20 22:25 | | Comments(6)

ゼフ越冬卵撮影その2(1月14日)

 前回、前玉外しレンズでミドリシジミの越冬卵拡大撮影の作例をご紹介しました。このレンズでの解像力に不満があったので、レンズ構成を見直して再チャレンジしてきました。最初はミドリシジミ。前回ご紹介したのと同一卵です。                                                                         ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR-28F1.8R(トリミング+深度合成画像処理)、ISO=400、F29-1/250~1/400、-0.7~-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/64、撮影時刻:8時21分

 レンズ構成を見直したこと、および深度合成法による画像処理も加えたことで、前玉外しレンズよりも大幅な解像度向上が実現できました。参考までに深度合成をかけない元画像の一例です。
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D7K-85VR-28F1.8R(トリミング)、ISO=400、F29-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/64、撮影時刻:8時21分

 お次はこの日見つけた4卵塊。
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D7K-85VR-28F1.8R(トリミング+深度合成画像処理)、ISO=400、F29-1/250~1/400、-0.7~-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/64、撮影時刻:8時34分

 やはり卵塊だと迫力が出ますね。さて、この後、クヌギ・コナラの実生(ひこばえ)を巡ってオオミドリシジミの卵探索。ようやく何とか1卵を発見。こんな雰囲気に付いていました。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F6.5-1/25、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時06分

 コナラ細枝の分岐部分(矢印)に付いていて、ほぼ教科書通りの場所です。これが管理人のオオミドリ越冬卵初発見でとても興奮しました。お次は拡大像。
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D7K-85VR-28F1.8R(トリミング+深度合成画像処理)、ISO=400、F29-1/320~1/400、-1.0~-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/64、撮影時刻:9時32分

 卵の下部が一部欠損しています。恐らく細枝の一部が何らかの原因で折れて落下し、その際、卵殻ごと欠落してしまったのかもしれません。ミドリに比較すると一回り大きくて、棘皮がより細く長いことがよくわかります。この後、アカシジミ、ミズイロオナガシジミの越冬卵を探し回りましたが坊主でした。やはり越冬卵探索経験のあるベテランの方にお師匠さんとして随行して頂かないと発見は厳しいかもしれません。なお、今回使用したレンズ構成は下記に詳述しましたが、はっきり言って、色収差が強く出るためまだまだ改良が必要です。この手の画像のお手本としてはブログ仲間の ze_phさんが究極とも言える超精細画像を発表されており、また同じブログ仲間の furuさんも昨年コンデジを使用したお手本画像を紹介されています。現時点ではこのご両人の撮影された画質が管理人の到達目標となります。ちょっと道は険しそうですが、この冬場にできるだけ頑張ってみたいと思います。

<今回用いたレンズ構成と深度合成>
(1)レンズ構成
 基本原理は Stacked lens method と呼ばれる古典的方法。上記ご両人共この手法を使われています。小生はメインレンズに85mmVRマクロレンズを、その前面に逆付で取り付けるレンズに銀塩時代に使用していたペンタックス用Sigma 28mm F1.8 Asphericalを利用しました。この手法では前面側に取り付けるレンズはフィルターリングを介して逆付するので、メインレンズとメーカーが異なっていても構わないのです。ストロボはこれまた利用価値に乏しくお蔵入りしていたリングストロボを28mmレンズのKマウントに合うように改造し装着して使用。ただ、合焦範囲は極めて薄く、フィールドではピント合わせに苦労しました。また手振れ防止のため一脚も使用しております。

(2)深度合成
 丸山宗利さんのサイト に紹介されているフリーソフト:「CombineZM」を利用。ところが本来このソフトは実体顕微鏡やベローズのように精密にフォーカスをコントロールできる機材を想定して開発されたソフトですので、今回のような実質手持ち撮影では色々と障害がありました。先ず撮影対象の焦点深度をn=10枚程度に分割して撮影する訳ですが、顕微鏡撮影と異なり深度順に撮影することは手持ちでは不可能です。従って乱射した画像ファイルを個別にPC上で確認し、深度順にラフにグルーピングした後、深度を精査して画像ファイルに深度順位付けをしました。予察として、適当に6ファイルを選び、CombineZMで合成をかけて得られた画像がこちら。
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 合成に失敗しています(^^; 背景を見ると理解しやすいのですが、各ファイルが卵を中心軸に微妙に回転ズレを起こしているため合成計算は完了したものの偽構造が出てしまいました。このソフトでは合成に寄与させる各画像ファイルのX-Y方向のズレは自動補正計算で補正しきれますが、流石に回転ズレまでは補正不可能で以上のような結果になったようです。そこでこの記事の一枚目の画像ではファイル数を3枚に減じて何とかズレなし合成に成功しました。因みに4卵塊の画像は5ファイル、オオミドリは2ファイルで合成しております。回転ズレを減らすにはなるべく越冬卵を真上から(ミクロパイルが卵の中心に来るように)撮影する工夫が必要でしょうね。こんな面倒な合成作業をやるよりは焦点深度の深いコンデジを利用する方が利口なのかもしれません。その点、前述したfuruさんの慧眼に敬意を表するものです。
by fanseab | 2012-01-15 17:06 | | Comments(16)

北海道遠征記(8)ヒメウスバシロチョウ

 ウスバキと並んで北海道特産種のアゲハです。ユーラシア大陸産との比較において、♂交尾器に有意差があるとして別種扱いとされる向きもあるようです。そうなると、我が国固有種となり、むしろウスバキよりも貴重な存在なのかもしれません。

 さて、遠征の2日目となる6月24日。この日も天気は芳しくなく冷たい風が吹いて青空が期待できません。それでも正午過ぎになって、ようやく陽射しが出てきて道路の法面にフワフワと本種が飛び出しました。この辺の生態は本州のウスバシロと殆ど同じ様子でした。下草に降りて日光浴する♂2頭を先ずパチリ。                                                                    ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-85VR、ISO=500、F11-1/640、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月24日、12時21分

 次はススキ?の葉上で開翅日光浴する単独個体。
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D5K-34、ISO=500、F10-1/1250、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月24日、12時15分

 ウスバシロと異なり襟巻部分の黄色がないため、地味に感じます。ただ朝方降った雨の名残が葉上にアクセントとして入り、水墨画のような雰囲気が出て結構お気に入りの絵になりました。この個体を逆サイドから85mmマクロでも狙ってみました。
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D90-85VR、ISO=500、F11-1/800、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月24日、12時23分

 この後、飛翔も狙ってみましたが、いい絵が得られずガッカリ。そして翌日、maedaさんにご案内頂いたカラフト/ホソバヒョウモンの混生地には♀が飛んでいました。タンポポ?からの吸蜜シーンです。
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D7K-34、ISO=640、F11-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:6月25日、12時11分

 ♀は襟巻・胴体に黄色の体毛があるため、少し華やかです。ウスバシロ♀との区別は難しいですが、ここは混生地でないので、同定は楽です(^^) ♀吸蜜シーンを別のアングルからも撮ってみました。
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D7K-34、ISO=640、F11-1/640、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月25日、12時16分

 ウスバシロ♀との区別点、「翅の付け根付近の胴体側面に黄色の体毛が生じない」特徴がよく理解できる絵になりました。その区別点画像も参考として示します。
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 なお↑でご紹介したヒメウスバ♀二画像は確か同一個体でしたが、交尾嚢(スフラギス)が無いので、未交尾個体でしょう。このポイントでも13時頃から雲が厚くなり始め、ホソバヒョウモン等の蝶は一斉に活動が鎮静化してしまいました。撮影地の様子も広角でご紹介しておきますね。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/200、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月25日、13時26分

 雲量が増加した状態が確認できます。画面中央右はご案内頂いたmaedaさん。ご覧のような伐採地でチャマのポイントでもあるそうです。流石にチャマを見るには時期遅れでしたが、別のポイントではこの時点でまだ飛んでいた模様です。maedaさんによると、近年、エゾマツの木材加工法改良により、道内産エゾマツが見直され需要増から伐採地が増加しているとのこと。その結果、伐採地でチャマダラセセリも増加しているらしいのです。さて、曇りがちで蝶が飛ばない時、林道上に思わぬ役者が登場して管理人とmaedaさんを和ませてくれました。
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D7K-10.5-X1.4TC、ISO=320、F8-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:6月25日、12時21分

 切り株の上で威嚇ポーズを取るミヤマクワガタ♂。いつも暑い夏にミヤマクワガタを観察することが多いので、ヒンヤリとした風が吹き抜ける伐採地で印象に残る姿でありました。<次回に続く>
by fanseab | 2012-01-12 22:38 | | Comments(6)

ミドリシジミの越冬卵探索他(1月8日)

 今年初めてのフィールド探索です。ブログ仲間の皆さんも今冬、ゼフの越冬卵撮影に頑張っておられます。管理人も刺激を受けてちょっと横浜まで出陣しました。主目的は新たに用意した改造レンズ(AF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mm f/3.5-5.6G EDの前玉外し品:以下1855改と略)の機能チェック。雑木林の林縁をチェックしていて最初に目に飛び込んで来たのは、枝に止まっていたゴマダラカミキリ。こちらは魚露目での撮影。
++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=200、F20-1/60、-1.0EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:8時36分

 どうも、枝につかまったまま力尽き、そのまま菌類が繁殖した姿でしょうか?寒空の下、何ともシュールな絵になりました。ハンノキ群落ではミドリシジミの越冬卵を探します。いつも母蝶が産み付ける株をチェックすると、今年も樹肌にきちんと産んでいました。
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D7K-1855改@55mm、ISO=500、F22-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:9時34分

 右下に張り付けたのが、卵の拡大画像。参考のため、4年前に作成した改造マクロレンズ(Tamron AF 28-80mm F3.5-5.6 Aspherical(277D)の前玉外し:SZMと略記)で撮影した画像も貼っておきます。
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D7K-SZM@80mm(トリミング)、ISO=500、F22-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:9時38分

 両レンズ共に望遠端での撮影拡大率はほぼ同等。解像度はやや従来品の方が勝っているようにも思えますが、従来品は色収差が強く、総合比較すると、まぁ、どちらも五十歩百歩の感じで、ゼフ越冬卵用としては、解像度がイマイチ。もう少しレンズ系構成を見直してみようと思います。ただ1855改での撮影画像は全般にHazyで、どうやらレンズ保護用に装着したUVフィルターの影響でフレアーを起こしている感じです。前玉外しの場合、後玉群レンズとレンズ筒先端の距離が長くなるため、フィルターの装着は慎重にすべきと思います。

 この後、この日一番撮影したかったウラゴの越冬卵を求めてイボタを15株ほど探索しますが、坊主。数年前、探索後わずか5分間で発見した「ご神木」は昨年だったか見事に伐採されていて、代わりのご神木を見つけることが課題でしたが、この日はクリアできずがっかりです。仕方なく、カラタチ群落でアゲハ類の越冬蛹調査。ほどなく見つけたのは蛹ではなく、「百舌鳥のはやにえ」。犠牲者はカナヘビでしょうか?
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GXR@5.1mm、ISO=100、F5.1-1/290、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時58分

 尾が長すぎて画面からはみ出てしまいました(^^; 丁度、同じ越冬蛹撮影目的で来られていた撮影者の方にお聞きすると、何でも11月頃からあるとのこと。カラタチの棘は鋭く、モズが獲物を突き刺すのには好都合ですが、喉元をブスリと突き刺れた姿は何とも哀れなものでした。さて、上記の撮影者よりご親切にも蛹の在処をご教示頂きましたので、撮影はとてもスムーズにいきました。最初はナガサキアゲハの蛹。
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D7K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=500、F22-1/320、-0.3EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:12時23分
 
 ナガサキの蛹撮影はこれが初めてです。黒系アゲハの蛹同定は結構難しいですが、頭部の二股状突起の方向が平行、かつ短めに出ているのがナガサキ、Y字形に迫り出すのがクロ、Y字が著しく伸びるのがオナガ・・・とか、色々あって、もう少し経験を積まねばなりません。それにしても背面部の微妙な凹凸は何だか張子の人形を想起させる質感がありますね。お次はナミアゲハで体色が黒褐色のタイプ。
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D7K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=500、F22-1/320、-0.3EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:12時28分
 
 背景の空に飛行機雲が入ってお気に入りの絵になりました(^^) 次は同じナミアゲハで緑色タイプ。
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D7K-85VR、ISO=640、F10-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時28分

 アゲハの蛹探索も奥が深そうです。この後、コナラやクヌギの細枝中心にオオミドリ、アカ、ミズイロオナガあたりの越冬卵を狙い目に探しましたが、管理人の実力では発見できませんでした。しかし、コナラの枝先で思わぬ宝物を発見できました。その宝物とはこちら。
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D7K-1855改@18mm、ISO=400、F22-1/60、-0.3EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:13時34分

 コミミズク(Ledropsis discolor)の幼虫です。本種は昆虫ブログに冬場よく登場するので、以前から撮影したいと思っていた対象。やはり実物の化けっぷりは見事です。頭部付近を拡大してみました。
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D7K-1855改@55mm、ISO=400、F22-1/60、-0.3EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:13時35分

 ズームマクロは見たい部分をさっとズームできるので便利ですね。コミミズクの体表面の地色はベージュで、赤褐色の微小斑点がビッシリと敷き詰められています。丁度イカの皮膚表面を思い出しました。イカは赤色色素を持つ斑点の数と密度を微妙に調整して、周囲の環境に溶け込ませる擬態の技を持っていますが、コミミズクも変化はできないものの、色調を上手く小枝とシンクロさせているのでしょう。最後に魚露目でコミミズクが付いていた環境を写し込みました。
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D7K-1855VR@55mm-gy8(トリミング)、ISO=400、F22-1/80、-1.0EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯、撮影時刻:13時49分

 魚露目の効果でコミミズクの大きさが誇張されていますが、体長はわずか10mm程度です。折角、コミミズクの幼虫を撮影できたので、次はミミズク(Ledra auditura)の幼虫も撮りたくなりました。こちらはカエルが潰されたような扁平な形で落葉の裏についているらしいです。ゴマダラの越冬幼虫探索のついであたりに探してみたいものです。
by fanseab | 2012-01-09 22:49 | | Comments(8)

台湾遠征記:(3)11月21日前半その2

「知本國家森林遊楽區」のビジターセンターは立派な造りの建物です。                                               ++横位置画像はクリックで拡大されます++ 
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/160、-0.7EV、撮影時刻:9時54分

 建物内部には教育用の資料展示等、日本国内の同様な施設と変わりないレベルでした。ここのパンフレットによれば、ビジターセンター近くで稀にキシタアゲハ(Troides aeacus formosanus)が観察できるとのこと。しかし、この日の曇り空と気温では恐らくおったとしても飛びはしないだろうと諦めました。その代り、あまり期待していなかったツマベニチョウ(Hebomoia glaucippe formosana)が樹冠を飛び回り始め、暫く待機すると、花壇で吸蜜を始めました。嬉しいことに、完品の♀です。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時03分
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D7K-34、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時03分

 吸蜜源はサンタンカ(Ixora sp.)。昨年10月の奄美遠征では♀吸蜜シーンは撮影できていなかったので、じっくりと撮影させて頂きました。ただツマベニ以外の成果はなく、ビジターセンター横から通じている遊歩道の一つ、「森林浴歩道」と名付けられたコースを辿ることにしました。遊歩道の入口には野鳥観察用の解説看板が立てられております。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/60、-0.7EV、撮影時刻:10時07分

 野鳥(特に台湾の野鳥)に関して素人の管理人とっては、何とも優しい掲示板であります。因みに公園内に蝶の案内看板はありませんでした(^^; また、遊歩道の至る所に樹木の説明パネルが幹に取り付けられていてこれも大変勉強になります。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F2.5-1/40、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時09分

 因みにこの「水同木」はクワ科イチジク属でイヌビワと近縁。今回はご紹介しませんが、この属を食うイシガケチョウの個体数はまぁ、半端でありませんでしたね。ここから先は森林浴歩道と銘打つだけあって、全体に暗い林道でジャノメ類が期待できそうな印象。そのうち足元をすばしっこく飛んで止まったのは恐らくタイワンビロードセセリの♂(Hasora taminatus)。
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D7K-34、ISO=400、F9-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時36分

 オキナワビロード(H.chromus)との区別に必要な前翅端付近の尖り具合が枝で隠され、同様に後翅肛角部もバードビークのように欠損しているため、正確な同定はできませんでした。遊歩道の脇の葉にツユムシの幼生と思しき個体が。
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D7K-34、ISO=640、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時40分

 直翅目にはからきし疎い管理人ですが、こんな姿を見るとついパチリとやってしまいます。この遊歩道で最も目立ったのがキレバヒトツメジャノメ(Mycalesis zonata)。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時46分

 本種は香港で出会って以来の撮影。眼状紋が縮退した乾季型の♀です。ストロボで何枚が撮影していると、突然飛び立ったので、翅表を撮ることができました。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時46分

 翅表の眼状紋は乾季型でもしっかりと残っており、単に裏面を枯葉に擬態させるため裏面の眼状紋を消してしまう戦略だと思われます。<次回に続く>
by fanseab | 2012-01-05 22:08 | | Comments(6)

謹賀新年


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 皆様、あけましておめでとうございます。
早いものでまた新しい年がやって参りました。昨年とは異なり平和な一年であることを祈念します。

 さて毎年、拙ブログでは、新年にその年の抱負ならぬ「撮らぬ蝶の翅算用」をご紹介してきました。しかし、今年は特別に拘るターゲットも未だ決めておりません。ただ2シーズン拘ったアゲハ類も含め、撮影難易度の高い♀産卵シーンをより多く撮りたい・・・等の漠然とした願望があります。

 また、撮影技術としては、飛翔撮影の設定条件をもう一度見直すことにしています。昨年飛翔専用ボディをD40からD7000に変え、使用する外部ストロボやディフューザーもゼロからやり直したのですが、どうもしっくり来ません。結局消化不良のままシーズンを棒に振った感じがあります。良い答えが見つかればいいなぁ~と思っております。皆さんの翅算用も是非お聞きしてみたいものです。

 相変わらずのブログですが、読者の皆様と対話しながら、楽しくやっていきたいと思います。本年もよろしくお願いします!
by fanseab | 2012-01-01 00:16 | | Comments(48)