探蝶逍遥記

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年の瀬のご挨拶(12月30日)

 本年最後の記事更新になります。拙ブログの読者の皆様、本年も拙いブログにおつきあい頂きまして有難うございました。

 今年は忘れもしない3月11日の東日本大地震に文字通り震撼されられました。不幸にして被害に遭われた方に改めてお見舞い申し上げると共に、犠牲者のご冥福を衷心よりお悔やみ申し上げます。地震発生が丁度蝶の発生シーズンの直前であったこともあり、ノンビリと蝶の撮影を続けていいものだろうか?と多くの写真愛好家の方が自責の念にかられたかもしれません。管理人も色々と悩んだ末、春先の蝶撮影をスタートさせたことを思い出しております。

 さて、今年の年頭には「アゲハを真面目に撮る」目標の継続を掲げて、ヒメギフ等未撮影アゲハやウスバキチョウを含む北海道の蝶撮影を「翅算用」といたしました。その結果、改めて勘定してみますと、ブログに掲載・未掲載した分を含め、今シーズン、国内で観察可能なアゲハ(土着種)の準完全制覇を成し遂げたことに気が付きました。「準」と断り書きを付けたのは、ヤエヤマカラスアゲハ(Papilio junia もしくはP. bianor )のみ未撮影でして、本種を独立種とする最近の学説に則った分類によるものです。大昔?の基準、つまり国内産カラスアゲハは全てP.bianorとしていた分類に従えば「完全制覇」となります。管理人は「国内産蝶撮影の全種完全制覇」とかには全く興味がなく、好きな蝶を拘って撮るタイプですけど、今回は「アゲハを拘って撮る」自主キャンペーン活動で頑張った結果、偶々準全種制覇になりました。北海道でウスバキとヒメウスバを、アカボシゴマダラ狙いの奄美でオキナワカラスアゲハを撮影できたことが効いています。

 そんなこんなで、今年の最後もやはり、アゲハの画像で締めくくるとしましょう。初めて訪れた北海道・コマクサ平でのウスバキチョウ♂と新潟県で撮影したミヤマカラスアゲハ夏型♀羽化直画像をご紹介することにします。いずれもブログでアップできなかった、お蔵入り画像でした。                                                   ++画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=800、F5.6-1/5000、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2011年6月26日、10時11分
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D90-85VR、ISO=200、F9-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2011年8月16日、12時08分

 それでは皆様、良いお年をお迎えください!
by fanseab | 2011-12-30 23:08 | | Comments(6)

北海道遠征記(7)ホソバ&カラフトヒョウモン

 北海道に棲んでいるClossiana属として、既にコマクサ平で撮影したアサヒヒョウモン(C.freija)をご紹介しました。今回は残りの2種、ホソバ(C.thore)とカラフト(C.iphigenia)のご紹介です。遠征前に両種の区別点をそれなりに予習して現地に赴きましたが、スレ品になったりすると、結構難しくなるのは他のヒョウモン類と変わりありません。撮影は、これまたmaedaさんのご案内で楽しませて頂きました。撮影日はいずれの画像も6月25日です。

 最初はホソバ♂の吸蜜シーン。                                                      ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時12分

 このタンポポにはカラタカと交互に訪れていた記憶があります。手前のイラクサ科の葉被りが何とも残念でした。この手の小振りのヒョウモンは複眼が可愛いのが特徴ですが、ホソバも然り。特に♂は複眼が大きくて可憐な印象を受けます。お次は場所を移動して(標高を下げて)のショット。
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D90-85VR、ISO=200、F11-1/800、-0.7EV、撮影時刻:12時12分

 吸蜜しているのはバラ科の花でしょうが、両種共にお好みのようです。和名がわかる方いましたら、ご教示下さい。またこの絵はホソバとカラフトの区別点、つまり後翅裏面の特徴(※)が良く出た絵になりました。

<※ホソバとカラフトの区別点:後翅裏面の特徴>
 ホソバは;
 ①中室中央に微小黒点が出現しない(微かな白点が確認できる程度)。
 ②最外縁に三角形状の銀白色紋が出現しない(外縁に平行な銀白線状紋になる)。
 ③後翅に連なる淡黄白紋列の色はほぼ等価(カラフトは第4室が銀白色紋になる)。

 さて、次はカラフトです。最初は♂の吸蜜シーン。
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D7K-34、ISO=200、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時36分

 少し陽が翳ると不活発になって、開翅状態が続きます。上手い具合にコチャバネセセリ♀とのツーショットが撮れました。
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D7K-34、ISO=500、F11-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時42分

 両種共に完全な閉翅状態を撮るのも意外に難しいものがあります。相当粘ってようやく対角魚眼で♂閉翅をものにできました。
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D7K-10.5-X1.4TC、ISO=640、F4-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時56分

 2枚目のホソバの絵と比較して頂けると両種の斑紋差が明確になると思います。まぁ、ここまで新鮮な状態だとこの比較も楽なのですが、ボロ品になるとちょっと苦労します。次はロングショットで狙った♀。
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D7K-34(トリミング)、ISO=200、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時23分

 ハシドイからの吸蜜です。偶然、ゲンセイ?らしき甲虫の飛翔も写って、お気に入りの絵になりました。最後はフィールド図鑑プロジェクト用に♀開翅も撮影。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/320、-1.0EV、撮影時刻:12時31分

 ちょっとスレ品ですが、ベタ開翅の絵も撮り難いのでこれが限界でした。なお、2枚目以降に撮影した観察地は本来、「カラフトポイント」としてmaedaさんにご案内頂いたのですが、実はこの日、既にご紹介したようにホソバも観察されており、混棲地であることがわかったのです。これにはmaedaさんも驚いておられました。

 念のため画像処理で両者♂裏を並べて比較してみました。上記①~③の区別点が理解できますでしょうか?
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by fanseab | 2011-12-27 22:55 | | Comments(4)

アカボシゴマダラの蛹2題(12月25日)

 拙宅庭のエノキにおける首題蛹観察は、今月8日の記事 でご紹介した個体が最終でした。ただ、11月から近所の観察で終齢幼虫(もちろん長角型)数頭の行く末が気になっておりました。そのうちの1頭を本日運よく発見できました。                                 
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D7K-24、ISO=100、F10-1/320、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時41分

 エノキの葉が殆ど落ちてくれたため蛹はかなり目立ちます。しかし、残念ながら褐色に変色した死蛹でした。食害にあったようにも見えず、珍しく「野垂れ死に」のパターンかと思いました。念のため、裏側に回って写したのがこの一枚。
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D7K-24、ISO=100、F10-1/320、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時41分

 良く見ると、右側面に孔が開いており、中身の大半が食われています。アゲハに付く寄生蜂のような明確な脱出孔ではないけれど、寄生された個体だったのでしょう。この個体から200m程東側に同様に終齢幼虫を追跡調査していたエノキの実生があります。ここもチェックしてみると、こちらでは色鮮やかな蛹を発見できました。
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D7K-24、ISO=400、F11-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時51分

 この実生での終齢幼虫は今月4日まで確認しており、その後、姿が見えなくなりました。てっきりエノキを離れて別の植物の葉裏に移動したものとして、調査を打ち切っておりましたが、何と、その実生で蛹化していたのです。アカボシ蛹が見せる擬態の巧妙さには毎回唸らされます。今月5日に蛹化したと仮定して、現在の蛹期は21日。この時期の蛹期は一ケ月を超えるものも多いので、このまま順調なら、お正月過ぎに羽化するのでしょう。ただこの蛹の付いているエノキの葉は枝に吐糸固定されているものの、この日の強い北風に煽られてクルクル風車のように回っておりました。糸もほつれており、地上に落下するのも時間の問題かもしれません。今後、蛹回収等をせず、このまま様子を見守ることにしました。なお、この株には越冬型の幼虫が2頭、枝にへばり付いておりました。
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D7K-24、ISO=400、F11-1/160、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時53分

 この株から更に100mほど東側には8日の記事でご紹介した長角型越冬幼虫が幹上で無事に越冬を継続しておりました。
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D7K-24、ISO=640、F7.1-1/40、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時56分

 これから徐々に増す冷え込みに対しては、問題なく過ごせることでしょう。これまでの経験から、むしろ春先の三寒四温のような温度変動が大敵だと思います。つまり温度の単調減少には追随可能だが、急激な温度サイクルは細胞組織にとって、負荷が強いのではないかと推測しています。そこを乗り切れば成虫まで辿りつくことも考えられます。今後の経過を見守りたいと思います。
by fanseab | 2011-12-25 22:06 | | Comments(2)

北海道遠征記(6)カラフトタカネキマダラセセリ

 本年6月下旬の北海道遠征については、本命種であった、ウスバキチョウ・アサヒヒョウモン・ダイセツタカネヒカゲの3羽烏、否3巨頭をご紹介した後、その他の蝶はアップしないまま時が過ぎてしまいました。ネタにカビが生えないよう、これから台湾遠征記と同時並行でアップしていきたいと思います。今回は北国が誇るセセリの宝石、カラタカのご紹介です。

 コマクサ平に登る前日の6月25日、ブログ仲間の maedaさんにポイントを案内して頂きました。最初に向かった先はホソバヒョウモンも同時に狙える林道。最初に出迎えてくれたのは♀でした。                                              ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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データは共通:D7K-34、ISO=800、F8-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:10時07分(以下の画像は全て6月25日の撮影)

 想像していたより大き目の印象です。タンポポがお好きなようで、地色の黄金色が本当に眩しく感じられました。ここから更に林道を登って行った地点で♂にも遭遇。
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D90-85VR、ISO=400、F10-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:10時42分
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D90-85VR、ISO=200、F9-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:10時42分

 この個体はド完品で感激いたしました。前翅基部が橙色の幻光を示すこと、それと前翅と後翅の縁毛巾と色が異なる等、細やかなデザインは涙ものですね! 

 この後、ホソバやカラフトヒョウモンの撮影も視野に入れて、別のポイントへ移動。ご案内頂いた場所は爽やかな風が吹き渡る見晴しの良い斜面。ただ、徐々に雲量が増えて陽射しが翳り、蝶が全く飛ばない状況が続きます。弱い陽射しの中で何とか♀の吸蜜を85mmで撮影。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/320、-1.0EV、撮影時刻:12時33分

 少しスレ品なのが残念。最初のポイントで見た個体よりも全般に黒化が進んでいる印象です(個体変異の範囲内でしょうが・・・)。最後に蕗の葉に止まった♂を縦広角で撮影。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/125、-0.7EV、撮影時刻:13時06分

 どんな種類でもこの大きな蕗の葉に止まると、北海道で撮影した雰囲気が出せますね。タカネキマダラセセリを撮影した経験の無い管理人にとって初のCarterocephalus属の撮影。黄金色に輝くこのセセリは、やはり北海道が誇るべき小さな宝石であることを実感させられたのでした。ご案内頂いたmaedaさん、有難うございました。
by fanseab | 2011-12-21 21:31 | | Comments(8)

台湾遠征記:(2)11月21日前半その1

 朝6時半に起床。早速窓を開けて空を眺めるとドンヨリとした曇り空。おまけに冷たい風が吹いて嫌~な雰囲気。先ずは腹ごしらえ・・・とホテルの食堂へ。朝食券を渡してビュッフェスタイルで頂きます。しかし、凄い混雑にビックリ! どうやら中国大陸からの団体ツアー客の朝食タイムとバッティングした感じ。見たこともない食材もあるので、大皿の前でノンビリと見極めていると、脇から割り込まれてしまいます。ようやく円卓を確保して、落ち着きました。                                                               ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/60、-0.7EV、撮影時刻:6時50分。

 右端に見えているお粥はトッピングを自由に選べます。香港で食べる粥も旨いけど、ここのお粥もなかなかのお味でした。プレートに乗ったバナナはもちろん、台湾バナナ。見かけは悪いけど、甘さは絶品。台湾では油揚げのコシを強くしたような豆腐由来の食材を良く使いますが、野菜と併せた炒め煮は薄味で、お粥と上手くマッチングしておりました。この他に饅頭(マントウ:中国の蒸しパン)とコーヒーでお腹一杯に。更にマントウ2個にハムや例の油揚げ炒め煮を挟んでお手製サンドイッチをその場で作り、バナナ1本と併せて部屋にお持ち帰り。これを当日のランチ用としました。

 朝食後、フロントで明日、明後日に使うタクシーのチャーター手配。なんやかんやで8時50分頃ようやくホテルを出発。本日の目的地、、知本國家森林遊樂區に向かいます。以前の記事でご紹介した台湾の蝶鑑賞ガイドブック、「台灣賞蝶地圖」で推奨されていた森林公園です。ホテルからは徒歩10分程度で到着。知本渓に立派な橋が架かっており、これを渡ると入口です。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/60、-0.7EV、撮影時刻:9時01分。

 入場料80元を払って、いよいよ蝶探索。しかし、9時過ぎと言うのに陽射しは全くなく期待はできない状況。仕方なく、木の実を啄んでいる野鳥を撮影。
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D7K-34、ISO=640、F9-1/320、-0.7EV、撮影時刻:9時19分
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撮影データは上に同じ。

 黒い下嘴に配された紅色斑点がとても良いアクセントになっています。ネットで調べると、どうやら台湾特産種(それも東部~東南部に局限)でヒヨドリ科のクロガシラ(Pycnonotus taivanus)。良く似たシロガシラ(P.sinensis)は台湾西部から沖縄まで分布していて、台湾の脊梁山脈を境に東西で棲み分けがなされているようです。野鳥を撮った直後にようやくホリシャルリマダラ(Euploea tulliolus koxinga )がフワフワと出現。センダングサで吸蜜を始めました。
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D7K-34、ISO=200、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時21分

 ホリシャは南ベトナムで撮影して以来久しぶりの出会いでした。時折半開しますので、その時を狙って瑠璃色の表現が可能です。お次はマダラチョウが大好きなヒヨドリバナ(正確な種名は不明)からの吸蜜シーン。
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D7K-34、ISO=200、F9-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時23分

 気温が低いことでじっくり吸蜜してくれて助かりました。少し階段を登ったあたりに「薬草園」なるコーナーがあり、ここで探索するも全く成果なし。南側の展望コーナーに立ち寄ると、足元にセンダングサの群落が咲き誇っていて、暫く待機するとようやく黒系アゲハがやって来ました。ボロボロのシロオビモンキアゲハ(Papilio nephelus chaonulus)♂。
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D7K-34、ISO=500、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時37分

 見下ろすアングルでしか撮影できないのが辛いところ(^^; nephelusも前翅に白帯が出ないタイプ(タイワンモンキアゲハの別和名を持つ)の撮影は初めてです。しかし、同じボロにしてももうちょい、破れが少ないと良いのになぁ・・・。ここではシロオビモンキとほぼ同時に大型セセリも登場。テツイロビロウドセセリ(Hasora badra )の♀でした。
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D7K-34(トリミング)、ISO=500、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時39分

 テツイロの♀、および吸蜜シーンはこれが初体験。このセセリと格闘した後は薬草園と隣り合わせにある、ビジターセンター側に移動し、花壇へ吸蜜に来る蝶狙いで待機しました。<次回に続く>
by fanseab | 2011-12-19 22:56 | | Comments(8)

日本チョウ類保全協会主催:企画展・写真展のお知らせ

12月18日まで本記事がトップに配置されています。
本文記事は本記事の下にあります。


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『チョウが消えてゆく~絶滅の危機にあるチョウを守る~』

 本年も首題テーマでパネル展示・生態写真展覧会・ミニ講演会が開催されます。

1.日時・会場
 ・12月13日(火)~12月18日(日)9:00~16:30 (最終日は15:00まで)
 ・新宿御苑インフォメーションセンター内「アートギャラリー」(新宿御苑新宿門近く)
   
 ・入場無料

2.内容
 ・チョウ類の保全に関するパネル展示
 ・東日本大震災による昆虫への影響に関するパネル展示
 ・会員によるチョウ類の生態写真展
 ・ミニ講演会
  「チョウの写真撮影法」   (佐々木幹夫氏)
  「絶滅危惧のチョウを守る」 (中村康弘氏)
  12月17日(土) 1回目 11:00 ~ 11:45 2回目 13:00 ~ 13:45 
          3回目 15:00 ~ 15:45
  12月18日(日) 1回目 11:00 ~ 11:45 2回目 13:30 ~ 14:15
        各講演 定員 先着30名まで

 チョウの保全やチョウの生態写真の撮影などに関心のある方は、ぜひご来場ください。
by fanseab | 2011-12-18 17:00 | | Comments(8)

台湾遠征記:(1)出発から現地到着(11月20日)

 EVA航空は羽田出発便(BR191便)を選びました。
++横位置画像はクリックで拡大されます++
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この記事の画像は全てGXRで撮影 、撮影時刻:10時07分

 自宅から近い羽田便は本当に有難いです。羽田の国際線ターミナルは相当の賑わいを見せておりました。今回乗るエアバスA330-200です。
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撮影時刻:11時46分

  12:27に離陸。暫くして機内食が配布されました。飛行機の旅で一番嬉しい一時です(^^)
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撮影時刻:13時20分

 メインディッシュは甘辛タレ味のポークピカタ。まぁ、エコノミークラスとして平均的なお味でしょうね。機内で上映されていた「猿の惑星:創世記」を見終わった頃、機は降下を始めて、14時56分に台北松山空港着。ここでイミグレーションを通って両替。国際線到着ロビーを出て右手に辿り、国内線カウンターで無事UNIのチェックイン完了。2階出発ゲートで暫く待機です。
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撮影時刻:15時46分

 のんびりとした雰囲気のロビーです。搭乗予定のB7-0857便。機種はMD-90。
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撮影時刻:16時00分

 16時40分に離陸。途中、進行方向右手に雲海から突き出た山塊を望むことができました。
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撮影時刻:17時00分

 アケボノアゲハ(Atorophaneura horishana)が棲む梨山あたりでしょうか?いつか遠征したいとの思いが募ってきますね。水平飛行に移ってドリンクが配布されるとすぐに降下です。台東空港付近はドンヨリとした曇り空で嫌な感じ。17時15分着陸。飛行時間はわずか35分!到着後すぐに、インフォーメーションカウンターで2日目以降の宿の手配をトライ。出発前に調査した良さげな民宿の手配と交渉をお願いしました。しかし窓口の小姐(若い女性を意味する台湾語)は英語力が不足していて苦労します。結局漢字で筆談して、どうやら目的の民宿は夕食を提供できないことが判明。この後、知本温泉までのタクシーの標準料金を聞き出そうとしたのですけど、どうも要領を得ません。偶々窓口に来た英語が堪能なおばさんが手助けしてくれて、どうやら500元前後であることが判明。タクシー乗り場に向かった時点では、日がとっぷりと暮れておりました。タクシーの運ちゃんと料金交渉をしようとすると、運ちゃんが大声で「メーター、メーター!」と叫びます。隣にいた誘導係のおっさんもタクシー運転席脇のメーターを指さしています。「メーター制だから心配しないで早く乗れ!」との指示です。これには苦笑して乗り込みました。しかし、初乗り料金の相場を知らないと運ちゃんの言い値で仕切られる可能性もありますが、そこは諦めました。空港周辺は畑のど真ん中にあり、街灯も無い真っ暗な道路を暫く突っ走ります。メーターが「カチャ、カチャ」と音を立てる度、その数字を確認しながら、運ちゃんと二人きりの心細い時間が過ぎていきます。タクシーが急停止して、運ちゃんがナイフをちらつかせたらどうしよう?等と想像力は悪い方向に向かうばかり(^^;  そのうち、明るい幹線道路に出てホッとしました。宿泊先には18時50分着。空港からは30分、535元でした。チェックイン後、近くの小吃(食堂)を探して夕食です。無難なところで炒飯(60元:約160円)と麻婆豆腐(120元:同310円)を注文。
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撮影時刻:20時33分

 炒飯は食材に冷凍野菜セットを使用しているのが見え見えの手抜き料理ですが、味はまあまあでした。麻婆豆腐は「辛さを控えめに」指示したのが仇となったのか、殆ど刺激味がない代物。宿に帰ってから、フロントで宿泊延長交渉。ここも英語が殆ど通じず、苦労します。運よく英語が堪能なコンシェルジュのSさんが登場して、当方の希望を伝えます。「ご希望の料金は私の一存では決められないので、支配人と相談して明朝返答する」とのこと。経験上、この手の返答は『問題なくOKだが、すぐに返答すると軽く見られる』ので取る行動パターンです(^^)  予想通り、翌朝、「何とかOKしてもらえた」と恩着せがましく返答してきました。しかし、Sさんは役に立つ人物でして、滞在中タクシーの手配等、的確にやってくれて助かりました。さぁ、明日は好天気になってくれればいいのですが・・・。<次回に続く>
by fanseab | 2011-12-15 21:05 | | Comments(4)

日本蝶類学会大会出席(12月10日)

 昨年は所用で欠席した首題大会・総会・懇親会に出席してきました。昨年から講演が朝からスタートするようになったようで、それなりに早起きしての出陣です。会場は例年同様、東大・理学部2号館。丁度、赤門前のイチョウも見事に色づいて観光客がパチリ・パチリとやっておりました。                                                ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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この記事の画像は全てGXRで撮影。

 今回は特別招待講演として、NHKでも放映されたブータンシボリアゲハ(Bhutanitis ludlowi)再発見に関する2講演が目玉でした。昨今のブータンブーム?の効果は絶大で、非会員の方の参加が多かったのでしょう、会場受付は長蛇の列でビックリです。会場もほぼ満席で、立見も出る状況でした。これは休憩時の会場風景。
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 午前中の講演では、インド北部のパルナシウス(Parnassius jacquemontii)探索紀行が絶品。雄大な渓谷や花崗岩の露出した山岳風景画像は心が洗われる思いでした。パル等に手を出すと抜け出せないだろうなぁ~と妙な心配をしたりしました。また10月に逝去された、故北杜夫氏の文学作品中に登場する蝶の標本を紹介する講演も極めてタイムリーで、彼の作品をもう一度きちんと、読み返したくなりました。

 昼食・休憩後の総会では、学会賞(林賞)の授賞式が実施されました。
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 中央左側が受賞者のM.F.Braby氏(オーストラリアの生物多様性保全部)。同氏はオーストラリアの蝶相を概観できる名著:「Butterflies of Australia: Their Identification, Biology and Distribution」の編著者。右側が会長の植村好延氏。直後に行われたBraby氏の講演では18世紀から19世紀にかけて、オーストラリアでの鱗翅目発見と当時描かれた鱗翅目画像の歴史を概観するもの。写真技術が普及していなかった当時、気の遠くなるような根気さで細密画を描いた先人たちの労力にはただただ感心いたします。

 さて、午後のラストはお待ちかね、ブータンシボリアゲハの講演です。今回の発見は、日本蝶類学会の精鋭メンバーとブータン側の調査メンバーとの合同調査隊によってなされたもので、最初にブータン側の調査隊長である、S.Wangdi氏より、調査経緯・保護に向けての今後の展望をレビューする話がありました。
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 ここでは幼生期の全貌を明らかにすることはもちろん、このアゲハをどう保全していくか?差し迫ったリスク管理がポイントである点が強調されました。ズバリ、「密猟をどう阻止するか?」と言った生々しいテーマが述べられました。何とも情けない話ですが、現金収入源に乏しい現地の事情も良く理解できました。次に学会側隊員であった矢後氏より生態・生息環境に関する知見と考察が披露されました。NHKの番組では紹介されなかった、マル秘?映像も公開されて楽しかったですね。

 午後7時からは場所を移して、お楽しみの懇親会です。
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 ご覧の通りの盛況。管理人もそれほど多くの方と面識がないのですけど、この時ばかりは無礼講で、初対面の何名かの方と楽しいお話をすることができました。ブータンシボリアゲハの調査隊員も全員懇親会に出席されており、管理人も隊長の原田さんと初めてお話をすることができました。午後9時に散会、皆名残惜しそうに帰路につきました。来年の大会もまた楽しみです。なお、講演題名の詳細は、日本蝶類学会(テングアゲハ)のサイトをご覧下さい。入会も随時受け付けておりますよ。
by fanseab | 2011-12-13 20:51 | | Comments(2)

師走の天体ショー(12月10日)

 この日は終日、東大で開催された日本蝶類学会(テングアゲハ)の総会・大会・懇親会に出席。学会の様子はまた別の記事に譲るとして、帰宅する途中、自宅から最寄りの駅前で、人だかりができて皆、空を見上げ指さしております。管理人も何だろうと首を上げると、皆既月食! 慌てて自宅に急ぎ機材の準備。雲の切れ間から皆既月食の様子を観察することができました。赤道儀等の自動追尾装置もなく、手持ち撮影でしたが、雰囲気は何とか出せました。                                                              ++画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=500~1600、F4~5-1/50~80、-1.0EV、トリミングおよび画像処理

 (1)は皆既寸前、(2)・(3)は皆既中、(4)は皆既終了後の絵で、撮影時刻を日本標準時(JST)で表示してあります。今回の月食は皆既がほぼ天頂で継続し、雲はあるものの澄み切った冬空で楽しむことができました。本当に久しぶりに皆既月食を堪能しましたね。
by fanseab | 2011-12-11 15:58 | 天体 | Comments(8)

台湾遠征記:出発までの準備作業

(1)遠征先の選定
 いつものことながら、旅の楽しみは出発までのプランニングに凝縮されております。もちろん旅行中の興奮は格別のものがあるわけですけど、それにもまして未知の場所へのアクセス方法・撮影ポイントをどう絞り込むか?ネットや参考書をフルに活用して企画していく過程が最もワクワクするものです。実は9月下旬に台北を旅行した際、市内の書店を渉猟して、台湾の蝶類に関する参考書を複数調達してきました。メインとなるのが次の三冊です。                                              ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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 ①「台灣蝴蝶圖鑑」:李俊延・王效岳著、貓頭鷹出版社(2007), ISBN 978-986-7001-68-9
 ②「台灣賞蝶地圖」:張永仁著:晨星出版(2008)、ISBN 978-957-455-149-1
 ③「蝴蝶食草圖鑑」:林柏晶・林有義著、晨星出版(2008)、ISBN 978-986-177-202-8

 いずれも価格は600元前後(最新の換算レートで約1600円)とお手頃で、内容も充実したお値打ち品でした。この中で①と③は昆虫文献専門の六本脚で注文可能です。上記参考書に加え、
 ④「原色台湾蝶類大図鑑」:白水隆著、保育社(1960)
も参考に、遠征先と撮影対象種の目論見をいたしました。台湾の蝶相の特徴として、かつて中国大陸と地続きであった名残の種と、台湾島として孤立してから独自の種分化を遂げた魅力的な固有種が混在することでしょう。特に標高3952mを有する玉山(旧称新高山)等の険しい山塊があって、低緯度の割に温帯や亜寒帯に属する蝶も生息している点が挙げられます。例えば日本のブナ帯を彩るフジミドリシジミ(Shibataniozephyrus fujisanus)は、日本の固有種と思われていましたが、台湾で同属のタイワンフジミドリシジミ(S.kuafui)が発見されたのは記憶に新しいことですし、エゾシロチョウ属(Aporia)も棲んでおります。

 さて、魅力タップリの台湾のどこに赴けば良いか?思案の為所ですが、遠征時期が晩秋の11月下旬ともなると、中央高地で年一回発生の固有種は殆ど期待できません。更に台北を含む北部では多化性の種も少なからず発生していないと想定されました。そこで南部もしくは東南部に絞られました。ブログ仲間の yoda-1さんが昨年末訪問された墾丁国家公園も大変魅力的ですが、そのエリアで一番訪問したかった南仁山の林道が9月の台風で崩壊し、通行禁止になっていることを事前にネットで知りました。そんな事情もあって、東南部に絞られた候補地の中から、上記参考書②お勧めの知本温泉近傍に遠征地を決定しました。ここの狙い目はクモガタシロチョウ(Appias indra)の集団吸水が期待できること。但し、発生ピークは4月とされていて、晩秋にどれだけ見られるか不安ですが、まぁ、数頭程度の集団は観察できるだろう・・・と楽観的に考えることにしました。それに温泉好きの管理人としては、撮影後の一風呂も大変魅力的でした(笑)

(2)チケット手配等
 台北往復のチケットは国内大手旅行代理店ですんなりと手配できたのですけど、知本温泉へは、台北から国内線に乗り換え、台東空港へ飛ばねばなりません。台北往復に利用したEVA(長榮)航空との接続の便を考えて、UNI(立榮)航空を選択することにしました。しかし、ここで問題が生じました。上記旅行代理店では、「台湾国内線チケットは取り扱っておりません。お客様ご自身で手配願います」とつれない返事(^^; 実はUNIはEVAの関係会社なので、EVAの営業所にも問い合わせてみましたが、これまたNG。仕方なくUNIの公式サイトにアクセスし、何とかチケットの手配ができました。ここのサイトは英文バージョンがなく、中国語のサイトを何とか読み解きながらの手配も一苦労でした。因みに「エコノミークラス」は『經濟艙』、「往復」は『來回程』等々。クイズを読み解くような楽しさがあるとも言えましょう(笑)。e-チケットはカード決済後、UNIからのe-mailに添付され、これをダウンロードしてプリンターで印刷するスタイル(スマートフォーン等での提示でも可)。しかし、e-チケットにずらっと書いてある注意事項(当然、台湾語)も60%程度しか読解できません。
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 大意は通じても微妙なニュアンスは流石に読み取れません。例えば、台北松山空港ターミナル内にトランジット専用カウンターがあるのか?等、どうも要領が得ないのでUNIに英文メールで質問状を出すことにしました。あまり期待はしてなかったものの、サービス窓口より大変親切なメールがたちどころに帰ってきて感心しました。更なる疑問点を複数回相手にぶつけてみましたが、その都度、瞬時に的確な返答メール(英文も完璧!)が得られ安心いたしました。当初、UNI航空なる会社に(運行安全面も含めて)イマイチ不安を抱いておりましたが、お客様対応の素晴らしさにその不安は一掃されたのでした。なお、台東へは、UNI以外に、華信航空(Mandarin Airlines)の便もありますが、便数はUNIが遥かに多くて便利です。またUNIの台北~台東の往復チケット代は、正規割引料金で3600元(約9300円)でした。e-チケットと引き換えに現地のカウンターで発行された航空券がこちら。
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 紙質も悪く、流石にコストダウンが徹底されている感じですね。

宿泊については、初日と最終日前日のみ、ネットで手配して(代理店よりバウチャーをネット上で発行して貰い、これを現地ホテルのフロントに手交するスタイル)、残りの日程は現地到着後に決定し、フレキシブルに動けるようにしました。現地での移動手段としてレンタカーの選択肢もありますが、管理人は左ハンドル→右側通行にも不慣れなので、原則、タクシー・バス・徒歩を利用することに。宿泊先および観察ポイントの予察には、いつも国内で利用しているグーグルアースが大変役に立ちました。特に知本温泉近傍では、ストリートビューが利用できるポイントが多く、候補ホテル周辺の環境をバーチャルに360度見回すことができて、ホテル選択に有用でした。

(3)トラップ準備
今回はあまり真面目に準備しませんでした。初日到着が夕刻になるタイトなスケジュール故、市場での調達が厳しいことが予想されたので、今回は動物系トラップを乾燥品で済ませ、フルーツ系トラップのエキスのみ、国内で発酵調製したものを現地に持参することにしました。
<次回に続く>
by fanseab | 2011-12-10 11:54 | | Comments(4)