探蝶逍遥記

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ゴマシジミ@北杜市の保全活動へご協力のお願い

※8月一杯、このお願い文が冒頭に配されています。本文はこの記事の下にあります。

 山梨県茅ヶ岳周辺には、かつてはゴマシジミが広く分布していましたが、近年急速に個体数を減らし、現在でも生息が確認されている場所はごく限られている状況です。
 そこで、この地域のゴマシジミの生息地である山梨県北杜市の2ヵ所(旧明野村で1ヶ所、旧須玉町で1ヶ所)で、2009年よりゴマシジミの生息環境の保全活動が、地元、 北杜市オオムラサキセンター日本チョウ類保全協会により行われています。

 この保全活動では、ゴマシジミの生息に配慮した環境の維持・管理を行っており、草刈りの際に食草のワレモコウを残すように留意しているほか、寄主アリの調査なども行っています。
旧明野村の生息地では、地元の財産区管理会が、保全活動地域でのゴマシジミ採集を禁止する旨の看板を設置し、ゴマシジミを守る活動への協力をお願いしております。また、旧須玉町の生息地は、農地でもあり、棚田の畔が崩れやすいこともあるため、採集だけでなく写真撮影なども含め、地元農家の許可なく棚田に立入ることをご遠慮いただいております。(こちらも看板を設置しております)
 おかげさまで、昨年は、ワレモコウの生育状況も良好になり、特に旧須玉町では、活動区域でゴマシジミの産卵も多く観察できました。皆様のご理解・ご協力に厚くお礼申し上げます。
しかしながら、これらの地域のゴマシジミの発生は、いまだ厳しい状況に変わりはなく、同地域でゴマシジミが将来にわたって見られるよう、保全活動を進めてまいりますので、今後ともご理解・ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

 また、保全活動を進めるにあたり、草刈りなどの管理活動にご協力いただけるボランティアを募集しております。本活動にご協力いただける方は、ご連絡をお願いいたします。


NPO法人 日本チョウ類保全協会
〒140-0014 東京都品川区大井1-36-1-301
TEL:080-5127-1696

北杜市オオムラサキセンター
 〒408-0024 山梨県北杜市長坂町富岡2812
TEL:0551-32-6648

 添付画像は、昨年青森・下北半島で撮影した♂の縁毛ブルー幻光です。
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D5K-85VR、ISO=400、F9-1/1600、-1.0EV、撮影年月日・時刻:2010年8月14日、15時02分
by fanseab | 2011-08-31 23:59 | | Comments(0)

多摩川のセセリ探索(8月27日)

 夏型ギンイチとミヤマチャバネの観察目的に多摩川縁に繰り出しました。ギンイチは自宅近くのポイントが消滅したため、少し上流側に車で出動。前日の大雨で多摩川は異常に増水しておりました。増水を想定しての長靴持参。これが正解。ポイントまでは川沿いを歩くのですけど、かなりの距離が冠水していて、水深20cmの池をジャブジャブと渡渉を強いられます。やっとの思いでポイントに到達し、ススキの原に分け入ると、早速ミヤマチャバネセセリ♀がお出迎えです。                                                                                                   ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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GXR@5.1mm、ISO=100、F3.6-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時35分

 羽化直に近い新鮮な個体。大きなお腹には卵が一杯詰まっているのでしょう。ギンイチ♂も目撃するも、深追い不可能なススキの原に消えました。そこで少し草丈の低い場所に移動。ここで粘ってみました。敏速に飛んでいたのは、ミヤマチャバネの♂。
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D90-85VR、ISO=320、F10-1/160、-0.7EV、撮影時刻:11時25分

 こちらは相当スレています。まぁ、夏型♂の撮影適期はお盆の頃ですから、仕方ありません。ミヤマチャバネ♂を追跡していると、新鮮なギンイチ♂が飛び立ちました。大雨の後、急に気温が下がったこの日、あまり活発でないので助かりました。先ずは閉翅。
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D90-85VR、ISO=500、F6.3-1/640、-0.7EV、撮影時刻:11時07分

 結構敏感です。背景がスッキリとしたシーンを撮るため、相当苦労しました。この絵を撮って30分後位から、延々と飛ぶ探♀モードに突入。同時に空が少し明るくなったためか、飛翔を止めると、直ぐに開翅をするシーンが多くなりました。
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D90-85VR、ISO=400、F13-1/125、-0.7EV、撮影時刻:11時56分

 ギンイチの翅表は傷が目立ちやすいのですけど、この個体はほぼ完品。これまで管理人が撮影した中では最良の仕上がりになりました。曇り空もシットリとした質感を出すには好都合でした。そのうち♀も発見。ただ意外と鮮度が悪くて、接近戦での撮影を諦め、ロングショットでのご紹介。
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D90-85VR、ISO=200、F6.3-1/320、-0.7EV、撮影時刻:11時41分

 水滴をアクセントに入れてみました。産卵シーンも目撃しましたが、こちらは撮影に失敗(^^; ギンイチの産卵時間は本当に短くて苦労します。一通りマクロで撮影できたので、♂飛翔にトライ。
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D7K-24(トリミング)、ISO=640、F4.5-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時15分
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D7K-24(トリミング)、ISO=640、F5-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時15分
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D7K-24(トリミング)、ISO=640、F6.3-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時15分

 1枚目はススキの「ジャングル」を縫って飛ぶ雰囲気が出て、この日一番のお気に入りショットです。2枚目は無傷の翅表が表現できました。3枚目はズバリ置きピン位置に来てくれたショット。視界の開ける草丈の低い場所での飛行。ギンイチの腹はまるでトンボの様に細いですね。「セセリチョウスリムボディコンテスト」をしたらダントツのチャンピオンになるでしょう。他のライバル達は揃ってメタボな腹ですから、殆ど無敵かも・・・。

 さて、ギンイチを追跡している途中、想定外の宝物に出会うことができました。ミヤマチャバネの交尾ペアです!
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D90-85VR、ISO=200、F13-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時27分

 右が♀。管理人は多摩川縁のミヤマチャバネをかれこれ20年以上は観察しておりますが、交尾ペアに出会ったのはこれが初めて。本当に嬉しい出会いでした。撮影中、不用意に接近したためか、思いの他、高速度で飛び去られてしまいました。流石セセリです。暫く探索しましたが行方を見失いました。その途中、今度はイチモンジセセリの交尾ペアに出会いました。こちらも右♀。
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D90-85VR、ISO=400、F10-1/400、-0.7EV、撮影時刻:12時38分

 まぁ、ついている時は交尾ペアに連続して出会えるものなのですね。イチモンジのペアもそうそうお目にかかることができませんから。ウロチョロしている内にようやく先ほどのミヤマチャバネのペアを再発見。今度は強制的に飛ばせて、交尾飛翔を撮影。
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D7K-24(トリミング)、ISO=640、F9.1-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時40分

 交尾飛翔形式が、既に報じられているように、←♀+♂であることを証明できました。露岩の上に舞い降りた所を今度は横広角でパチリ。臨場感を出すため少し大きめの画像でのご紹介です。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時46分

 ペアの向こう側、僅か10m先には水嵩を増した多摩川の急流があります。もう後1mも水嵩が増せば、このポイントも確実に水没することでしょう。さて、この広角画像を9枚目のマクロ画像と比較してみると、どうも♂の斑紋と鱗粉の剥離状況がちょっと違います。♀も微妙に違うので、別の交尾ペアなのかもしれません。もしも同一だとしたら、交尾時間は少なくとも1時間15分はあることになりますが・・・・。褐色のセセリばかりと思いきや、キマダラセセリも登場。♀でしょう。
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D90-85VR、ISO=400、F13-1/200、-0.7EV、撮影時刻:12時05分

 まずまずの鮮度です。ミヤマチャバネとイチモンジの交尾ペアを発見できたので、「二度あることは三度ある・・・」と勝手に妄想してギンイチもしくはキマダラのペアを探しましたが、そう簡単ではありません。こちらは見事に坊主でした。今にも雨が降り出しそうなこの日、体感湿度は100%。吹き出す汗に眼鏡もファインダーも曇りながらの悪戦苦闘でした。しかし、ミヤマチャバネ交尾ペアに出会えたので、帰り道の池渡渉も苦にならず、「・・・♪(チャップチャップ)ジャブジャブランランラン♪・・・」と意気揚々と帰宅したのでした。
by fanseab | 2011-08-31 20:19 | | Comments(14)

信州のベニヒカゲ(8月18日)

 昨年もお盆休みに八ヶ岳山麓でベニヒカゲを撮影しておりました。今年は少し場所を変えてのErebia探索です。18日前後は天候が読めず苦労しました。早朝は小雨が降っており、山間部にはガスがかかる状態。ポイントに着くと薄日が差しており、ヤレヤレと胸をなで下ろします。7時40分を過ぎてようやく1頭の♂が出現。先ずはこの個体を追いかけてパチリ。                                                                                        ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F10-1/400、-0.7EV、撮影時刻:7時53分

 前夜からの雨がまだ笹の葉上に残っております。朝方は比較的おとなしいので、助かりますね。ちょっと舞っては直ぐに開翅してくれました。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時56分

 活発になってくると、こんなベタ開翅画像を撮るのも敏感で一苦労しますが、ここは未だそんな状態ではありませんでした。この時期、♂が最盛期で、♀は出始めの印象です。♀は極めて不活発で、笹原の上をヨロヨロと飛んでは直ぐに開翅です。
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D90-85VR、ISO=640、F5-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:8時41分

 2枚目の♂と比較すると、腹の太さ、体幹と翅のバランス、やはり♂との翅形差がはっきりしています。それよりなにより今回撮影して気が付いたのが、縁毛の色差です。♀は綺麗な白色(厳密には薄いベージュ)で縁取られるのに対し、♂は翅の地色と同じで縁毛があまり目立ちません。縁毛フェチの管理人としては、どうしても♀に感情移入してしまいます(^^) いつも思うのですけど、縁毛の色とか幅の微妙な差は標本を図示している図鑑では殆ど表現できていません。図鑑の背景色は標本全体の色調を正確に表現するため、通常白色で編集されています。一方、縁毛色は通常白~ベージュ色なので、図鑑上では背景色の白に紛れて、縁毛の幅や形状を評価することが殆ど不可能なのです。ベニヒカゲも然り。G社出版の「日本産蝶類標準図鑑」を参照しても、上述したベニの縁毛の違い等、全く読み取ることはできません。この図鑑でも不思議なことにツマジロウラジャノメの図版(#101-102)では背景色がグレーになっているため、縁毛の差がハッキリと読み取れます。

 ちょっと縁毛で脱線してしまいました。さて、綺麗な♂を追跡途中、急に葉上にダイビングするように落ちました。「変だな~」と思ったら、何と、交尾個体にアタックをかけていたのでした。
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D90-85VR、ISO=400、F9-1/500、-0.7EV、撮影時刻:9時47分

 右の2個体が交尾ペア。一番デカいのが割り込みをした♂です。この♂は直ぐに諦めて飛び立ち、その際のショックで、交尾ペアは下草に落ちました。
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D90-85VR、ISO=200、F9-1/320、-0.7EV、撮影時刻:9時51分

 管理人はベニヒカゲの交尾事例を観察するのはこれが初めて。興奮しての撮影でした。上♀、下♂です。♀のこの裏面、褐色の地色にグラデーションがかかり、何とも言えない上品な味があります。ベニヒカゲの裏面がこんなに綺麗だとは想像もできませんでした。また後翅を貫く帯紋は黄色型です。白色型と2型あるようですが、黄色型なので、上品さがより際立っているように思いました。撮影後、試しに交尾ペアを飛ばそうとしても、♀主導で動きはしますが殆ど飛べないようです。この後、約1時間して現場に戻ってみると、既にペアの姿は消えていました。

 ♂は陽射しが強くなった午前8時頃から延々と探♀活動を始め、なかなか静止してくれません。それでも10時頃から探♀の途中に吸蜜に訪れる時間が増えたように思います。最初はアザミでの♂吸蜜。
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D7K-24、ISO=500、F11-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時30分

 この絵、完璧な露出失敗(シャッター速度が速すぎた!)作品です。それは置いといて、ベニの眼状紋にご注目ください。前翅第2室の眼状紋が完全に消失し、同第4,5室のそれもかなり縮退しております。2枚目の♂、3枚目の♀の眼状紋と比較すると、その変異が明らかです。ベニの場合はこうした眼状紋の変化を楽しむのが正道なのでしょう。「各山塊毎に亜種がある・・・」との説もあるくらいですから。お次はヤマハハコからの吸蜜。
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GXR@5.1mm(トリミング)、ISO=100、F9.1-1/160、-0.7EV、撮影時刻:11時22分

 ヤマハハコは地味ながら、いかにも高所に咲く風情があって、ベニの吸蜜シーンとして、お気に入りの絵になりました。締めは飛翔です。ここのベニは八ヶ岳山麓の個体と異なり不規則な飛び方をしないので、比較的楽に撮影できたと思います。なお撮影個体はいずれも♂だと思います。
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D7K-24(ノートリ)、ISO=640、F10-1/5000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時18分
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D7K-24(トリミング)、ISO=1000、F9-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時00分
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D7K-24(ノートリ)、ISO=640、F6.3-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時59分

 1枚目は食草であるスゲ類の小穂(しょうすい)で翅面が隠されています。いつもなら没画像にしますが、ベニヒカゲの探♀飛翔の特徴が良く出た絵なので、採用しました。2枚目は画面の端に入った個体を活かすべく、縦位置トリミングしたもの。管理人は「ジャスピン個体、画面端の法則」と呼んでおりますが、不思議なことにジャスピンで撮れる飛翔個体は画面の端に写っていることが多いのです。3枚目は少し雲行きが怪しくなってきた頃の飛翔個体。ワラビ類の上も含め、♂のパトロール範囲は相当広範囲に及ぶようです。十分にベニヒカゲの撮影を楽しんだので、正午前にポイントを後にしました。

 なお、現地では、この地域の個体群に詳しいIさんご夫妻に詳細な情報提供含め、大変お世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
by fanseab | 2011-08-28 21:51 | | Comments(14)

高原を彩るヒョウモンチョウ(8月16日・18日)

 信州の標高1000mを超える高原では、沢山のヒョウモンチョウ達が管理人と遊んでくれました。16日に訪れた高原で最も目立ったのがメスグロヒョウモンの♂。                                                             ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=400、F7.1-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:8月16日、11時45分

 吸蜜しているのは、セリ科のオオバセンキュウあたりでしょうか? メスグロ♂は数が多いものの、殆どがスレ品でした。一方、♀は中々姿を見せてくれません。吸蜜に来る時間帯が違うのかもしれませんね。やっと見つけても♂の眼を眩ますように、葉影に隠れてしまいます。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:8月16日、8時52分

 メスグロ♂とよく似ているのがオオウラギンスジヒョウモンの♂。前翅端が尖っている分、こちらの方がやはりカッコイイですね。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:8月16日、9時03分

 そして次に登場したのが、管理人一押しの本種♀。
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D7K-34、ISO=400、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:8月16日、9時48分

 オオウラギンを簡単に見ることができない現状では、オオウラギンスジ♀が管理人の最も好きなヒョウモンだと言えます。とにかくでかくて恰好エエ! ここでは定番の「斜め45度開翅逆光」ではなく、「斜め15度・・・」で狙ってみました。まぁ、どの角度であろうと威厳を持つお姿に変わりはありません。♂とは少し異なる環境下(少し暗目の林縁)を飛んでいたように思います。お次はミドリヒョウモンの♂。
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D7K-34、ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:8月16日、9時51分

 本種の鮮度はマチマチでしたが、完品は何故か被写体に収まってくれませんでした(^^; また、この画像でも裏面のディテール表現を補助するため、ストロボを当ててるのですけど、ミドリ♂の場合はストロボ照射により、裏面の緑色が消えてピンクがかった不自然な色に表現されてしまいました。やはりストロボ不要のアングルで撮るべきでした。本種の♀も林縁から殆ど明るい所に飛び出さない印象があり、撮影には苦労しました。それでも粘って何とか85mmマクロの被写体になってくれました。
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D90-85VR、ISO=400、F3.8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:8月16日、13時59分

 ミドリの♀を撮影したあたりから天候が急変し、雨が落ちて来て撮影は終了。山の天気は変わりやすいです。さて、2日後の18日はベニヒカゲを撮影した高原に移動してヒョウモン類も狙いました。ここは種類が限定されていて、ウラギンとギンボシしかおりません。先ずはウラギンヒョウモンの♀。
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D90-85VR、ISO=400、F9-1/800、-0.7EV、撮影月日・時刻:8月18日、9時40分

 アザミでの吸蜜は定番とは言え、何度撮っても気分が良いものです。お次はギンボシの♀。
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D90-85VR、ISO=400、F6.3-1/2500、-0.7EV、撮影月日・時刻:8月18日、10時10分

 偶然、アザミにハナバチの1種(ケブカハナバチ?)が飛来したため、画面が大変引き締まり、お気に入りの絵に仕上がりました。なお、ウラギン・ギンボシ共に♂も飛んでおりましたが、既にボロボロ状態であり、撮影するのは回避いたしました。低地では夏眠するヒョウモン類も高原では夏眠しないため、特にウラギン♂あたりを綺麗に撮るには7月中でないと駄目でしょうね。

 盛夏の高原で、ヒョウモン類を撮影することは本当にストレス解消になります。撮影直後、高原を渡る風を受けてヒョウモン類が颯爽と飛び去る姿を追いかける・・・、撮影者冥利に尽きる瞬間です。
by fanseab | 2011-08-25 21:08 | | Comments(10)

キベリタテハ(8月18日)

 当初の予定を変更してキベリの記事です。この時期、信州の高標高域では旬のタテハですね。ベニヒカゲを撮影した後、ちょっと移動した場所での撮影。例によって、背景は人工物ばかりです。最初は道路上での吸水シーン。                                                                              ++画像はクリックで拡大されます++
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D7K-24、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時57分

 ここでは都合3頭が吸水しておりましたが、撮影の寸前1頭が逃げ出して2頭の吸水シーンです。いつもキベリを撮るとこんな背景になってしまいますね。お次は管理人のマイカーのタイヤにへばりついて吸汁開翅するキベリです。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時54分

 タイヤのゴムには色々な無機分散剤が入っていて、一部はミネラルを含有しておりますので、吸水したタイヤはタテハにとって、美味しいご馳走なのだと思います。この個体は完品で助かりました。キベリの小豆色の部分は本当に傷が目立つので、このように無傷だと背景の良し悪しはともかく、大変嬉しいものです。最後に飛翔です。
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D7K-24(ノートリ)、ISO=640、F9-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時55分
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D7K-24(トリミング)、ISO=640、F9-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時58分

 1枚目はこれまで管理人が撮影できたキベリ飛翔シーンでベストの仕上がりになりました。置きピン位置と撮影時の距離感がピッタシだと上手くいくものです。この場面、実は汗臭い管理人にまとわりつくようにキベリが周回飛行していたので、距離感も上手く捉えることができました。人間の汗もタテハ類にとっては、最良のトラップでしょうね。
by fanseab | 2011-08-23 20:29 | | Comments(4)

クサギの花に集うアキリデス(8月17日)

 毎年お盆休みの時期はゴマシジミの撮影に充てています。昨年は青森産にチャレンジし、偶然、青森で出会ったブログ仲間の虫林さんとご一緒して撮影したりしました。今年は既知ポイントでの撮影も面白くないので、新潟・長野両県で新規ポイント探索を行っておりました。結果は坊主。まぁ、キリシマミドリの探索と異なり難易度は遥かに上ですね。この顛末の詳細はまた別の機会に譲るとして、探索の途中で出会った蝶達を順次ご紹介していくことにします。

 新潟県のとある林道を車で流していると、道路脇に見事なクサギの群落がありました。長さ30mに渡ってベルト状に続き、まるで花壇の植え込みのような立派な群落です。車を止めると、狙い通り、アキリデス(カラスアゲハの仲間)が朝一番の吸蜜に訪れておりました。常時10頭以上が群れておりましたので、新鮮な個体を狙う余裕がありました。

 最初はカラスアゲハ♂。                                                                              ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-34、ISO=500、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時27分

 カラスは♂♀共に、あまり鮮度が良い個体がなくて残念でした。お次はミヤマカラスの♂。
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D7K-34、ISO=500、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時30分
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D7K-34、ISO=500、F9-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時35分

 飛翔並みにバシャバシャ連射しても、翅の開き具合がベストのショットは少ないのに苦労されられます。それにしても、カラスやミヤカラ♂の前翅表の性標はきりりと太く、まるで眉毛の濃い九州男児を思わせる凛々しさがあると思います。続いてミヤマカラスの♀。
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D7K-34、ISO=500、F9-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時35分
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D7K-34、ISO=500、F9-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時35分

 久しぶりに完品のミヤマカラス♀に出会ったような気がします。黄金色の幻光が出る前翅の輝きと後翅の渋い紫色の対比が絶品ですね。一通り、吸蜜シーンが撮れたので、広角で吸蜜途中の飛翔にチャレンジ。最初はミヤマカラス♀。
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D7K-24(ノートリ)、ISO=800、F5.6-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時43分
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D7K-24(トリミング)、ISO=800、F5.6-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時43分

 1枚目は今回飛翔のベストショットなので、少し大きめの画像でのご紹介(画面クリックで拡大して参照願います)。2枚目は置きピンがジャストフィットした感じで臨場感が良く出ました。最後はカラスの♂
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D7K-24(トリミング)、ISO=800、F2-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時43分

 飛翔に使用している24mmレンズの開放F値はF=1.8。このレンズの特性通り、背景の丸ボケが綺麗に出て浮遊感のある面白い絵に仕上がりました。

 これまでクサギの花に集う黒系アゲハの撮影は、デジタルに切り替えた2004年頃、トライした記憶があります。その頃は花の咲くタイミングと蝶の鮮度が上手く合致せず、大した絵が撮れませんでしたが、今回はクサギの花も新鮮、これに集うアゲハの鮮度も良好で、とても気分良く撮影できました。昨年から拘っているアゲハ達の撮影も少しずつですが、手応えを感じております。次回はお盆の時期に発生する別の定番、ベニヒカゲについてご紹介しましょう。
by fanseab | 2011-08-20 22:08 | | Comments(14)

キリシマミドリ飛翔に再挑戦(8月13日)

 7/30の記事で300mmでの飛翔画像をご紹介しました。もう少し近距離で飛翔を撮りたいと思い、85mmマクロで撮れるポイントを更に開拓しようと、静岡県内をウロチョロしてみました。何とか新規ポイントを見出し、ここで85mmでの飛翔を狙ってみました。

 このポイントは道路沿いに高さ15m程度のアカガシ(早朝の叩き出しで1♂1♀を確認済)が生えていて、尾根筋からポッカリ空いた谷筋を望むポジションになっています。キリシマ♂のテリ位置はどうやら谷間の奥にあるらしく、間欠的に彼らが尾根筋までパトロールにやってくる周回地点になっています。巡回周期は短い時で5分、長い時は20分程度。85mmで狙える距離が限定される上に、「迎え撮り」で撮るため、置きピン位置を猛スピードで通過するキリシマを捕捉するのも難物。朝9時前から11時まで2時間粘ってやっと撮れた3枚をアップしましょう。当然のことながら、いずれの画像も強トリミングしております。                               ++画像はクリックで拡大されます++
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D7K-85VR、ISO=800、F3.5-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:9時21分
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D7K-85VR、ISO=800、F3.5-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:9時27分
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D7K-85VR、ISO=800、F3.5-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:9時27分

 はっきり言って、前回を凌駕する絵の出来ではありません。遠目の位置から300mmで水平飛行する彼らを追尾する方がよほど楽なのです。ただ2枚目で面白いのは、キリシマの進行方向に飛んでいる虻?です。撮影中は当然この虻の存在には気づきませんでした。しかし、キリシマの複眼はしっかりこの「敵」を見つめているように思います。キリシマ♂がパトロール飛行中、突然進行方向を変える時がよくありますが、案外、こうした観察者からは認識できない飛行物体に敏感に反応しているのかもしれません。3枚目は今回撮影した中ではベストショット。真正面に飛んできた彼らをピンポイントで置きピン位置に捉えるのは厳しいですが、翅を目一杯振り下ろした姿に彼らの超高速飛翔の迫力を感じます。おしまいに残念賞(超ピンボケ画像)の1コマをご紹介します。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=800、F3.5-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:9時21分

 画面中央やや右下にボケた個体が写っています。右翅はCrysoらしい金緑色、左翅はブルーに光る絶妙の位置でした。「ジャスピンだったらなぁ~」と暫くパソコンの前で溜息をつきました(^^;

 時期的にはこれで今シーズンのキリシマ♂飛翔シーンへの挑戦は終了です。また来年彼らと「決闘」をして更にいい絵を撮りたいものです。さて、このポイントでキリシマ♂を待機している間、新鮮なダイミョウセセリ♀が産卵挙動をしておりました。追跡してパチリ。
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D7K-85VR、ISO=1250、F9-1/400、-0.7EV、撮影時刻:9時54分

 ダイミョウの産卵は翅を水平に開く姿勢とやや閉じた姿勢で産む場合とがあります。以前、翅を閉じ気味での産卵で、食草であるヤマノイモの葉に産み付けられた卵の表面に腹端の毛を擦り付けてカムフラージュする行動を観察したことがあります。今回は翅全開のパターンですので、腹端の様子が見えず、一見産卵シーンには見えないのが難点ですね。

 また、キリシマ撮影中、目の前にあるカラスザンショウの上をゴマダラチョウが周回飛行しておりました。ゴマダラにしてはややイチモンジチョウ的飛翔で少し変だな?と思って撮ったのが次の飛翔画像。
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D7K-85VR(トリミング)、ISO=1250、F5.6-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時55分

 撮影後、LCDモニターで見てビックリ!何とゴマダラではなく、アカボシゴマダラでした。某昆虫同好会誌上で、静岡県下でのこのタテハの採集(目撃?)報告を目にしておりましたが、実際にこの目で確認して愕然としました。「とうとう、箱根を超えて静岡県まで到達したのかと・・・」。このタテハの分布拡散スピードを考えるとどこまで西進するのか?末恐ろしいものがあります。これ以上、余計な放蝶は是非回避してほしいものです。

 炎天下のキリシマ撮影で流石にぐったりしたので、このポイントから程近い林道の木陰に移動しました。ここはカラスアゲハ♂の吸水が良く見られます。この日は林道表面がかなり乾燥しておりましたが、崖から染みだした水を求めて新鮮な♂個体が数頭吸水に来ておりました。
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D7K-34、ISO=500、F8-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時32分
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D7K-34、ISO=640、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時38分

 彼らの吸水を見て、管理人も涼しさを分けて頂いた気分でした。それにしても暑いですね。どこか信州の高原に行こうかな!
by fanseab | 2011-08-15 22:55 | | Comments(14)

アブラゼミの羽化(8月2日)

 拙宅庭のエノキにはアカボシゴマダラ、ゴマダラチョウが時々産卵に来て、ブログネタを提供してくれます(笑)。さて、このエノキ、17年程前に自宅に引っ越しした際、植えた小さなひこばえが成長したもので、現在では高さ約3m、幹の太さ7cm程に成長しました。これまでこのエノキから発生した、セミの羽化は全く観察できませんでしたが、先日、自宅玄関ドアにアブラゼミの羽化殻を発見。発生木としてはこのエノキしか有り得ないので、連日、注目していると、偶然羽化の現場に立ち会うことができました。

 アブラゼミの羽化シーンは銀塩時代に結構撮影しましたが、久しぶりにデジタルで再トライしてみました。                                                                                     
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D7K-24、ISO=320、F10-1/25、-0.7EV、(内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ2灯増灯)、撮影時刻:21時12分

 夜間のセミ羽化シーンでは、ストロボを多灯処理して雰囲気描写をするのが鉄則です。特に翅の背面からストロボを当てるのがキーポイントですが、残りの2灯との照射バランスが難しく、なかなかプロの昆虫写真家が撮るような絵は得られません。少し向きを変えて撮ったのが次の画像。
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D7K-24、ISO=320、F10-1/25、-0.7EV、(内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ2灯増灯)、撮影時刻:21時25分

 1枚目の絵に比較すると、左上方からの発光量が不足して画面の締まりがありません。それにセミの複眼中央にキャッチライトが来ていないので、セミの表情が「死んでいます」。対象にかなり接近するマクロ撮影では、レンズから離れたストロボの発光面が障害物に邪魔されて所定の光量が得られないことがよくあります。今回は恐らくエノキの葉が発光面を隠し、照射バランスを崩したのではと推定しております。ある程度、外光が期待できる日中ですと、多少の誤魔化しが効きますが、夜間の撮影は周到な準備と経験が必要な世界ですね。

<追記>
この撮影をした2日後、8/4の夜、近所のマンションの植え込みを巡ってみますと、僅か30分の観察時間の間に20匹余りのアブラゼミの羽化を確認しました。どうやら彼らの羽化のピークを迎えたようです。
by fanseab | 2011-08-05 22:40 | 蝉類 | Comments(4)

林道のアキリデス(7月30日)

 キリシマ探索をした当日、林道上では、煌びやかなアキリデス(カラスアゲハの一群)が舞っておりました。吸水集団も期待できるので、林道上の一角に秘薬を撒いて、集団形成の手助けをしておきました。先ずはキリシマポイントに到着してすぐ、開翅休息しているミヤマカラスアゲハ♂を発見。                                                ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-85VR、ISO=500、F7.1-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:6時49分

 夏型♂開翅画像はこれが今回初撮影。完品でよかったです。夏型は春型の煌びやかさとは異なる落ち着いた螺鈿細工の雰囲気ですね。キリシマの撮影途中、さきほど秘薬を撒いた路面上で5頭程の集団が形成されておりました。シメシメ・・・(^^) しかし、慎重に接近したつもりでも、1頭が管理人の殺気で飛び離れると、集団はすぐにバラけてしまいます。それでも2頭を何とか1画面に収めてみました。
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D7K-34、ISO=500、F7.1-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時50分

 左は前翅白帯の拡がり方、前翅の尖り方から判断して、カラス♂でしょう。右のミヤマカラス個体はかなりのスレ品で残念でした。しかし、カラスとミヤカラの異種共演吸水シーンは昔から憧れていたので、まずまず満足しました。10頭以上の集団をどこかで撮影したいものです。お次はミヤカラ2頭の競演。
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D7K-34、ISO=500、F9-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時15分

 右は2枚目の右個体と同一です。左右の♂は開翅角度が異なるため、その輝きはまるで別種のように異なっています。これもアキリデス画像の奥の深いところでしょう。左の個体に着目して、表翅と裏面をバランス良く入れる構図にしてパチリ。
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D7K-34、ISO=500、F9-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時15分

 こうして見ると、ミヤカラ後翅白帯の出方は本当に個体差が多いと感じます。春型だとこのような変異差をあまり感じないのですけど・・・。最後に飛翔です。撮影時に手応えはあったのだけれど、仕上がりはイマイチでした(^^;
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D7K-1855VR@18mm(トリミング)、ISO=800、F5-1/3200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時45分
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D7K-1855VR@18mm(トリミング)、ISO=800、F5.6-1/3200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時45分

 今年はカラスアゲハ♀の綺麗な画像を撮りたいと思っています。残念ながら、このフィールドでは彼女達が来そうな吸蜜源が全くなく、その姿を見かけることはありませんでした。どこかポイントを変えて撮影したいものです。
by fanseab | 2011-08-03 20:44 | | Comments(2)