探蝶逍遥記

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北海道遠征記(1)プロローグ

 6月23日~28日にかけて、ウスバキチョウをメインターゲットに北海道に遠征してきました。海外遠征並みの長期撮影で多くの成果を得ることができました。画像が膨大で未だ整理がつきませんので、今回は速報で、バキの画像を取り急ぎご紹介しましょう。                                                ++画像はクリックで拡大されます++                           
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D7K-10.5-X1.4TC、ISO=200、F10-1/200、-0.7EV、撮影月日・時刻:6月27日、9時08分

 撮影地の大雪山・コマクサ平の登山道で吸水する♂。岩陰から覗く残雪は、なだらかな円錐状山頂を呈する東岳(標高2067m)です。ウスバキの撮影には鮮度も申し分なく、多数の個体に恵まれたと思います。それにもまして、撮影者の個体数もムチャ多かった(笑)のにはビックリでした。

 なお、今回の遠征につきましては、ブログ仲間の maedaさん(蝶の観察記録-十勝蝶の覚書き)Noreenさん(四季彩散歩)には特にお世話になりました。また、現地で再会したcactussさん(蝶の玉手箱)とも有益な情報交換をさせて頂きました。また現地で多くの撮影仲間の方と親しくお話をさせて頂いたことで、今回の遠征を楽しむことができました。この場を借りて御礼申し上げます。
今後、画像整理が出来次第、種別に順次ご紹介していく予定です。
by fanseab | 2011-06-30 01:15 | | Comments(12)

山梨のクロミドリシジミ探索(6月20日)

 首題シジミについては、 2008年に♀撮影に成功しそれ以来、継続的に観察しております。昨年、一昨年は当地でのオオミスジに拘って観察したこともありますが、2008年より個体数少な目でした。何とか♂を撮影したいものだ・・と早朝からの出撃です。できれば♂の卍飛行を観察する目的で午前2時過ぎ自宅発。現地3時50分着。ネットで調べてみると、「♂の活動は4時~4時30分頃の僅か30分」とありましたので、到着時間はギリギリセーフかな? クロミが好きな「御神木」のクヌギの前に佇み、ヘッドランプでクヌギの梢を見つめます。既にあたりは明るくなり始めています。しかし・・・飛びませんね。4時30分頃まで、結局、管理人の知っている5本の御神木を訪ねて、梢を見上げますが、坊主。ただ、最後に訪れた梢で、♂らしき影が3秒程度、それらしき活動をしたものの撮影チャンスは無し。うーん、難しいですね!♂の活動のトリガーになっているのが、体内時計によるものか、あるいは複眼経由でインプットする照度センサーのようなものなのか、管理人は不明です。ただ直感的に訪れるべき時間帯はもうちょっと早い時間、具体的には3時30分~4時頃だったのかな?と反省しております。この仮説が正しいかは、来シーズンの課題にしたいと思います。

 さて、飛翔は諦めて、上記した♂が飛んだと思われるご神木を長竿で叩き出してみました。やはりと言うか、それなりの♂が飛び出します。しかし、例によって、彼らはクヌギの梢の高い方、高い方に向かい、低い場所に誘導できません。それでも、何とか、クヌギの低い梢に紛れ込んだ個体の証拠画像を撮影できました。                                                                               ++横位置画像はクリックで拡大されます++                       
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D7K-34(トリミング)、ISO=1000、F4-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:5時02分

 地色の濃さ、後翅裏面外縁部の白線状紋の薄さから♂と判定しましたが、如何でしょうか?ちょっと複眼が♂にしては小さいかな?♂とすれば、管理人の初撮影になって嬉しい限りなのですが・・・。引き続き叩き出しに精を出すと、ヨロヨロと飛び出す♀も混じっています。ただ独りだと見失うケースが多くて難儀します。ようやく1頭がクズの葉上に静止してくれました。
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D7K-34、ISO=1250、F11-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:5時59分

 この個体、手前のクズの葉の破れ目と、上に位置する蔓の隙間から覗く厳しいアングルに居座っています。脚立最上段に登り、精一杯の撮影になりました。この後、85mmマクロでも何とか撮りたい・・・思いで、慎重に接近する途中、クズの葉を揺らしたショックで、この個体に飛び去られてしまいました。もう少し辛抱して開翅を待つべきでしたが、堪え性が無いもんで困ります(^^; 

 昨年の同時期、ウラナミアカが沢山目撃できましたが、この日目立ったのはミズイロオナガシジミ。およそ10m間隔に一頭程度飛び出してきます。そのうちの1頭が開翅してくれました!
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D7K-34、ISO=1250、F11-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時00分

 実は管理人はミズイロオナガの開翅は初体験。緊張しての撮影になりました。この日は早朝から結構な蒸し暑さもあって、全開には至りません。そこで、少し引き気味のアングルから全景を狙いました。
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D7K-34(トリミング)、ISO=1250、F11-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時00分

 ご覧のように、後翅肛角~外縁付近の白班の出方はウスイロオナガ並みに綺麗に出ている個体でした。前翅には微妙に青く光る幻光も出現する美しい眺めを堪能です。一方、昨年個体数の多かったウラナミアカも少ないながら観察できました。
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GXR@5.1mm、ISO=100、F9.1-1/90、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:7時46分

 暑さを避けて葉影に隠れている構図です。雑木林に囲まれたウメ林では、管理人の大好きなオオミスジ♂が今年も元気に飛んでいました。本種について、例のフィールド図鑑用画像はもう完成されていて、そんな画像を撮る心配無用なので、ここでは探♀飛翔する飛翔画像に集中。
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D7K-1855@18mm(トリミング)、ISO=500、F9-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:7時59分
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D7K-1855@20mm(トリミング)、ISO=640、F9-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時21分

 ようやく、納得の行くオオミスジ飛翔が撮れたと思います。実はこの日からNIKONのD7000(ブログ上の撮影データでは、D7Kと略記)をメイン機種として本格稼働させました。導入の目的の一つに高感度特性が挙げられます。クロミの撮影では低照度下でISO=1000以上に上げても、そこそこの粒状性が得られて納得です。更に有効画素1690万のCMOSセンサーによる画質向上にも期待しておりました。この期に飛翔用機材の見直しを行い、長年活躍した飛翔専用機D40には退役してもらいました。ただ、外部ストロボが相当に重たいので、肉体的は結構負担がきついものの、画質が上がったので、そこは我慢です。オオミスジの2枚目に特徴が出ていて、背景の飛行機雲の雰囲気描写に納得です。これまでのD40(約600万画素)だと雲のディテールが潰れてしまうことが多く、飛翔で空を入れたがる(笑)管理人の作風には、雲のディテール表現がとても重要だからです。

 オオミスジを撮影している途中、林道に新鮮なヒオドシチョウが群れている場所がありました。発生木のエノキが近くにあって、羽化した個体が群れていたのでしょうか?道路上で開翅した個体を慎重に撮影。
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D7K-1855@55mm、ISO=400、F9-1/200、-0.7EV、撮影時刻:8時40分

 管理人は、ヒオドシ開翅を接近戦で撮影したことがなかったので、羽化直個体の美しさをじっくり堪能することができました。更に林道を歩いていると、いつもオオムラサキ♂がバトルを繰り広げるエノキの周辺で、計2頭のゴマダラチョウ♂がパトロール飛行をしておりました。エノキを見下ろす位置から300mmで撮影。
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D7K-34、ISO=640、F4-1/5000、-0.7EV、撮影時刻:9時04分

 かなり後ピンですが、木漏れ日を浴びて滑空するゴマダラの雰囲気は出せたと思います。複眼のオレンジ色がアクセントになっています。やはりジャスピンで撮りたいとこですね。

 暑かったこの日、自動販売機で冷えたジュースをグイッと飲み干していると、販売機を併設している建物の壁に黒いタテハがまとわりついています。ヒオドシにしては、小さいなと思ったらクジャクチョウでした。
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D90-85VR、ISO=200、F9-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時31分

 例年、この時期、数は少ないながら、新鮮な第1化を観察することができます。恐らく越冬のため、標高の高い高原から低地に降りて来て、春に産卵し、第1化以降、次第に生息標高域を上げていくのでしょう。深夜2時起きがたたって、そろそろ体がしんどくなってきたので、午前10時は撤収しました。クロミドリ♂、今シーズンはもうチャンスが無いので、また来年リベンジすることにします。
by fanseab | 2011-06-21 22:05 | | Comments(12)

岡山県のミカドアゲハ探索(5月14-15日)

 およそ一ケ月ぶりのブログ更新になります。実は5月17日に予定していた右目の手術を行いまして、その後、治療のため暫くパソコン・TVの視聴も最小限に留めておりました。また、視力の変わった右目に対応する新しい眼鏡の調製も済んでいないことから、撮影・車の運転もできず、ストレスの続く毎日です。そうは言っても梅雨時ですので、ネタにカビの生えない?うちに先月、手術直前に遠征した記事をご紹介しておきましょう。

 今シーズン、重点を置いているアゲハ狙いもLuehdorfiaPapilio属と来れば、お次はGraphiumですね。ミカドについては以前、三重県で撮影経験がありますが、あまりパッとしない出来でして、リベンジが必要と思っておりました。今回は新規開拓と言う意味で、あまりブログでも紹介されていない岡山市内を訪ねてみました。初日は現地午前11時過ぎに到着。先ず最初のポイント(Aポイント)をルッキングして回ります。オガタマノキや吸蜜源のトベラをチェックしていきますが、トベラは未だ開花しておりません。そんな訳でミカドはおろか、アオスジも飛んでいません。そのうち、デジ一をぶら下げたカメラマンに出会いました。「ミカドの撮影ですか?」といきなり管理人の目的を見抜かれたようです。この方は管理人と同じ神奈川県から来られているUさんでした。Uさんのお話によれば、「今朝ほど別のBポイントを巡ってきたが、1頭目撃した。Aポイントは恐らくまだ未発生だろう・・・」とのこと。そこで、Uさんの手配したタクシーに分乗し、Bポイントに向かいました。早速1頭が吸蜜に来たというコデマリの株に急行し、この周りで待機します。しかし、時たまアオスジが吸蜜に訪れるものの、ミカドは姿を現しません。待ち草臥れた頃やってきたのは、第1化のナガサキアゲハ♀でした。                                                               ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-34、ISO=400、F7.1-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、12時44分

 ナガサキ♀春型は初撮影なので、これはこれで嬉しかったのです。ナガサキ♀についてはその後、飛翔も撮影。
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D5K-85VR(トリミング)、ISO=400、F3.5-1/4000、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月14日、14時38分

 コデマリ前で待機するも、肝心のミカドは一瞬姿を現してくれましたが、吸蜜に訪れる気配もなく、また個体数も極めて少ない状況でしたので、少し場所を変えてウロチョロすることにしました。ミカドの吸蜜源としては全国的にトベラが有名ですので、このBポイントでも必死に探してみたのですけど、未だ開花していない状況。また三重県のポイントのように橘(ミカン)の花もなく、ミカドの吸蜜源となる白系の花弁はどこにあるのだろう・・・と探した結果、草地に生えているハルジョオン(ヒメジョオン?)に注目。ここで待機することに。すると、先ずはアオスジが数頭訪れてくれました。
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D90-34、ISO=400、F9-1/500、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月14日、13時26分

 撮影中に気が付きましたが、この個体、中室に過剰紋が発現する軽微なエサキ型でした。しかし、肝心のミカドは訪花せず、ガッカリして別ポイントへ。Uさんと、「まさか、ツツジには来ないようねぇ~」と話していたら、やはり来たのはモンキアゲハの♂。
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D90-34、ISO=400、F5-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月14日、13時35分

 せめて、尾状突起は完全であって欲しかったのですが・・・(^^; 再度コデマリポイントに戻って待機するも徐々に風も強まって来ました。ここで暫くUさんと蝶談義。お話するうちに何とUさんはブログ仲間の kenkenさんの先輩に当たる方と判明。蝶屋の世界は意外な所で繋がるものですね。さて、当日所用で神奈川に帰宅されるUさんとは15時過ぎにお別れ。管理人はさらに粘るも結局、この日は坊主でした。

 そして翌日、朝からBポイントに直行です。前日の状況からどうもミカド♂は例年より発生が遅れていて♂個体数も多くて2-3頭であろう・・・と推測。多少個体数が増加することを期待したのですが、この日も全体の状況は前日と変化がないようでした。この時期、ミカドと粉らしいのが、ナミアゲハの♀。尾状突起が欠損していたりすると最悪ですね(笑)。
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D90-34、ISO=400、F10-1/800、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月15日、13時35分

 因みにこのナミアゲハが止まっている樹木は、カラタネオガタマ(Michelia figo)。ミカドの食樹、オガタマノキ(M.compressa)と同属ですが、開花時期が少し遅く、管理人が訪れていた日は花の終わりにも関わらず、強烈な甘い芳香を漂わせていました。果たしてミカドがカラタネオガタマを食べているか?は確認できませんでした。

 さて、この日もウロチョロしながら、本命になりそうなオガタマノキ周辺で張り込みを続けていると、9時30分過ぎ、樹冠に待望の♂が登場しました。素早く探♀行動を取る♂を300mmでバシャバシャ飛翔撮影。何とか一コマゲット。
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D90-34(トリミング)、ISO=400、F4.5-1/4000、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月15日、10時18分

 食樹の樹冠を飛び交う♂です。しかし途中であまりにも歩留りが悪いので85mmマクロでの飛翔に切り替えました。丁度、蝶道の軌道が低くなりつつあったので、何とか2コマゲットできました。
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D5K-85VR(トリミング)、ISO=400、F4-1/4000、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月15日、10時36分
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D5K-85VR(トリミング)、ISO=400、F4-1/4000、-0.7EV、撮影月日・時刻:5月15日、10時36分

 ミカドはアオスジより緩慢に飛ぶ・・・ような記述が某図鑑にありましたが、どうしてどうして、Graphiumは全般に速いので苦労することに変わりはありません。飛翔撮影ポイントの脇の土手にはヒメジョオンやシロツメクサと言った白系花弁の花も多く、秘かに吸蜜を期待しておりましたが、彼らの興味は花より♀にあるようで、下に降りる気配はありません。そのうち、11時を過ぎて微妙に陽射しが変わった頃から。パタッと探♀飛翔を止めてしまいました。ランチを取った後の出直しで、前日同様、ヒメジョオンの吸蜜狙いで土手に待機。すると全く同じ時間帯にアオスジが登場。前日と異なりノーマルタイプですが、鮮度がまぁまぁなので、撮影。
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D90-34、ISO=400、F9-1/1600、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月15日、13時03分

 アオスジの複眼って「萌え~」って感じですね。しかし、この日もミカドは来てくれませんでした(涙)。さらに場所を変えて夕刻でも日照が十分なポイントに移動します。ここでもミカドを見かけますが、吸蜜源がないので、厳しい状況に変わりありません。おまけにここにはエノキの大木もあって、時折探♀行動に出現するゴマダラチョウには悩まされました。ナミアゲハ同様、滑空飛翔がなければミカドと粉わらしいのです。
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D90-34(トリミング)、ISO=400、F4-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日・時刻:5月15日、16時04分

 エノキの実も写って、ゴマダラ滑空シーンとしてはお気に入りの画像になりました。結局、2日間粘ったのですが、至近距離でのミカド撮影は叶わず、証拠画像としての飛翔シーンを撮るのがやっとの有様でした。やはりUさんが指摘されていた通り、昨年より発生が遅れていて個体数が少なかったこと、および吸蜜源も不足していたことが原因のようです。訪問した1週間後の21日前後が恐らく♂発生のピークで撮影には好適だったものと思われます。まぁ、これに懲りず、機会があれば、また中国地方のミカドにもチャレンジしたいと思っております。なお、現地で色々とご教示頂いたUさん、本当にお世話になりました。またどこかで撮影をご一緒いたしましょう。
by fanseab | 2011-06-11 16:38 | | Comments(20)