探蝶逍遥記

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年の瀬のご挨拶

 拙ブログの読者の皆様、本年も拙いブログにおつきあい頂きまして有難うございました。
2006年3月にブログをスタートさせた時、こんなに長く続けられるとは思ってもいませんでしたが、読者の皆様の暖かいコメントの数々に励まされ、ここまで来れたと思っております。

 さて、今年は「アゲハを真面目に撮る」なる目標を掲げて、それまで食わず嫌いだったアゲハ、特にPapilio属をきっちり撮ろうとトライしてきました。それなりに成果は出たと思っていますが、まだまだ食い足らない点が多く、撮れば撮るほど難しさを感じております。

 それと、忘れてはならないのが、シーズンがスタートした3月、ミヤマセセリを不用意に追跡して転倒、左手に大きな刺し傷を負って、4月中盤まで撮影活動ができなかった失態を演じた点でした。これまで海外も含めて結構危ない橋を渡っていたのは確かですが、この怪我以来、愛用のカメラリュックには負傷した際のバンドエイド、包帯、ピンセット等を携行する習慣がつきました。またミヤマセセリの飛翔撮影で負傷した反省から、カシオのパスト連射機も購入して無理せず飛翔を撮る試みも始めました。

 そんなこんなで、今年の最後はやはり、アゲハの画像で締めくくるとしましょう。蝶撮影を開始してから憧れであったミヤマカラスアゲハ春型が撮れたことが今シーズン最大の思い出ですので、その画像をご紹介することにします。撮影地は神奈川県内です。                                             ++画像はクリックで拡大されます++
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D5K-85VR、ISO=200、F10-1/200、-0.3EV、撮影年月日・時刻:2010年5月16日、12時16分

 この絵が撮れた時、左手を負傷した忌まわしい思い出は吹っ飛び、蝶を撮影することの喜びをこの時ほど感じたことはありません。

 それでは皆様、良いお年をお迎えください!
by fanseab | 2010-12-29 22:33 | | Comments(4)

香港遠征日記(3)4月30日後半その1

 朝方の今にも雨が降りそうな天候も、徐々に回復して11時過ぎにはピーカンの天気になりました。鳳園で10時20分頃まで撮影した後、公園の入口で待ち合わせをしていた香港蝶類学会の重鎮、J・Yさんと落ち合いました。J・Yさんは、英文図鑑「The Butterflies of Hong Kong」掲載のほぼ全ての画像を撮影されている方です。香港に生息する蝶の生活史を網羅的に明らかにされている権威で、いつかお会いしたいと思っておりました。とてもフランクな方でしたので、初対面で、すぐに打ち解けることができました。鳳園からはJ・Yさんの愛車、スバルに同乗して、同氏お勧めの蝶観察コースを案内して頂きました。ここはバスも通じていないポイントなので、貴重な体験をすることができました。

 歩き始めてすぐに、ブルー系のシジミが路上の吸水に訪れていました。久しぶりに出会うヤクシマルリシジミ(Acytolepis puspa gisca)の♂でした。                                                ++画像はクリックで拡大されます++                          
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D5K-85VR、ISO=200、F9-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時40分

 相当に敏感で、路上の吸水場面は撮影できず、葉上でストローを延ばしている場面です。
丈の低い草原に出ると、Ypthima属が沢山飛んでいます。コウラナミジャノメ(Y.baldus)と思って撮影しましたが、後翅眼状紋の並びから判断して、どうやらリサンドラウラナミジャノメ(Y. lisandra lisandra)のようです。
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D5K-85VR、ISO=200、F9-1/320、-0.3EV、撮影時刻:10時53分

 リサンドラは初撮影で嬉しい限り。香港ではコウラナミよりも分布が局地的とされています。時折、梢で白くヒラヒラ不規則に飛ぶのがイシカゲチョウ(Cyrestis thyodamas chinensis)です。そのうち地上に降りて吸水。
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D90-34、ISO=400、F11-1/1250、-1.7EV、撮影時刻:10時56分

 普段、吸水時に展翅標本のように全開翅するタテハなので、このように裏面を撮影できる機会は少なくラッキーでした。それにしても、よく見ると、このタテハの複眼って、上下半分で色分けされた不思議な雰囲気がありますね。特に上半分の偽瞳孔が上向きなので、そんな感じがするのかもしれません。暫く歩くと、徐々に尾根筋の登りが続き、寝不足の管理人に厳しい状況になりました。先を行くJ・Yさんの姿を追って必死に歩きます。喘ぎ喘ぎ坂を上る途中、梢の先に小さなシジミの影を見つけました。どうやらテリを張っているような挙動です。眩しい陽光を手のひらで遮りながら観察すると、キネンシスカニアシジミ(Miletis chinensis chinensis)♂でした。
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D90-34、ISO=400、F11-1/2000、-2.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時14分

 このシジミは前回遠征で、馬鞍山麓の薄暗いススキで観察した のですけど、その環境とは全く異なる明るい林縁での活動に驚きました。こうして眺めると、脚の途中から先が毒々しい橙色を呈していて、存在感のあるシジミだと思います。脚立があれば、もう少し横から撮影できたのですが、これが精一杯でした。少し開けた尾根筋には中型のミスジが飛んでいました。飛翔を撮るかマクロを撮るか迷っているうち、梢の高い場所に止まったので、300mmで撮影。
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D90-34、ISO=200、F11-1/1000、-2.0EV、撮影時刻:11時25分

 中室の棍棒状白班の形状からミナミオオミスジ(Phaedyma columella columella)と同定。このミスジはシンガポールで撮り逃がしていただけに、何とかリベンジができました。しかし、アングルも中途半端だし、ちょっとボロですね。これは再リベンジすることにしましょう。この後、湿地帯の横を通り抜ける時、ヒカゲの姿がちらっと見えました。追跡すると、ヒメシロオビヒカゲ(Lethe confusa confusa)でした。
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D90-34、ISO=200、F11-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時31分

 もうちょい、きちんと寄って撮りたかったところですが、沼地でこれ以上アングルがどうにもなりませんでした。この後も結構色々な蝶に出会いましたので、次回ご紹介しましょう。<続く>
by fanseab | 2010-12-26 09:43 | | Comments(4)

企画展『チョウは語る~「里山」の変化と消えゆく生きもの』

12/22一杯、この記事を先頭にアップしています。
本文記事はこの記事の下にあります。
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東京都有楽町駅近くの、「自然環境情報ひろば 丸の内さえずり
館」にて、下記の企画展示を行います。パネルや写真の展示のほか、
セミナーも行われます。多くの方々のご来場をお待ちしております。
 詳しくは、こちら  をご覧ください。

11/15 (月) ~ 12/22 (水)  

日本チョウ類保全協会
「チョウは語る~「里山」の変化と消えゆく生きもの」

かつては随所に広がっていた、草原や雑木林など「里山」の風景。人々の生活の
変化によって「里山」の環境が変わり、身近な場所に生息していた生きものの多
くが姿を消しつつあります。
チョウもまた、例外ではありません。
昔の「里山」とは、どのような自然環境だったのか。また、チョウを取り巻く環
境は、どのように変化しているのか。写真や豊富な調査データを読み解き、チョ
ウという観点から、人と自然の共存のあり方を考えてみませんか。

★Special 1
セミナー「なぜチョウがいなくなるのか」
12/1 (水) 19:00~20:30
スピーカー:中村 康弘(日本チョウ類保全協会 事務局長)

★Special 2
セミナー「日本の原風景を探す旅~「里山」ができる前」
12/7 (火) 19:00~20:30
スピーカー:永幡 嘉之(自然写真家)

※なお、写真展示ではブログ仲間の方が撮影された画像も展示されております。
展示内容は、11/15~12/3、12/3~12/22と二回に分けて紹介される
予定ですので、2回に分けて訪問されるのが良いと思います。

 画像が無いのも寂しいので、畑地で追尾するウスバシロチョウ♂の飛翔画像をご紹介しておきましょう。撮影地は神奈川県内の里山です。神奈川県内でも昔ながらの里山が減少していますが、このウスバシロは次第に生息地が拡がっているように思います。薫風を受けて5月の空にウスバシロが舞う光景を、いつまでも大事にしたいと思っているのは管理人だけではないでしょう。
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FC150@6.4mm(トリミング)、ISO=400, F3.6-1/2000、-1.0EV、撮影年月日・時刻:2010年5月8日、14時11分                               
by fanseab | 2010-12-22 23:59 | | Comments(4)

香港遠征日記(2)4月30日前半

 翌朝5時30分起床。ホテルの部屋のカーテンを開けると外はドン曇り。や~な感じです。
とりあえず外に出て腹ごしらえ。本日の朝食はお粥屋。熱いお粥でお腹を温めます。            ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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GX100、撮影時刻:6時00分

 向かって右側がお粥(12 HK$=138円)。茶色の塊は豚の血をゼリー状に固めたもの(豚紅と表記します)。ちょっと気色悪いですが、それほど生臭い感じはしません。左側は管理人お気に入りの腸粉(8HK$=92円)。ワンタンの皮を細長く巻いて茹でたもの。丁度、腸のように細長いことが名前の由来でしょう。少し甘めの醤油ダレがかかっていて、これが旨いのです。

 さて、このあと、徒歩でKCR鉄道・旺角駅へ向かいます。7時10分乗車で目的の大埔墟駅には7時30分着。本日の撮影ポイントはこの駅からアクセスする鳳園です。鳳園は前回香港遠征で香港蝶類学会の会長さんに案内して頂いたポイントで、NPOと第三セクター的機関がコラボして蝶保全公園として市民に開放されている場所です。今回の遠征期間は実質2泊3日で期間が短いことから、遠征の主目的をキシタアゲハの撮影および普通種を丁寧に撮影することに置いたのです。その点で、あまり冒険ができないので、確実に撮影ができる当地を選んだのでした。大埔墟からはバスに乗り換えます。数系統のバスが走っていますが、この日は275系統に乗りました。
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GX100、撮影時刻:7時44分

 最寄りの停留所は「鳳園路」ですが、少し乗り過ごして「下坑」で下車。ここから徒歩1.5kmで鳳園に到着。ウロチョロ歩きながら、最初にエノキ上にアカボシゴマダラの終齢幼虫を発見。
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GX100@5.1mm、ISO=100、F5.1-1/100、-0.7EV、撮影時刻:8時40分

 国外で、と言うか、この幼虫を原産地で観察したのはこれが初めてでした。林縁ではホシシジミタテハ(Zemeros flegyas)が既に活発に活動を開始しています。そのうち、褐色のヒカゲがのっそりと登場。ピカピカのルリモンジャノメ(Elymnias hypermnestra hainana)♀でした。ルリモンは相当に敏感なジャノメですが、この子は比較的フレンドリーで、300mmの視野一杯に撮影させてくれました。
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D90-34、ISO=500、F8-1/500、-0.7EV、撮影時刻:9時00分

 管理人にとって♀は初撮影。喜びもひとしおでした。ついでに何とか、縦広角も撮影することができました。
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GX100@5.1mm、ISO=800、F5.1-1/320、-0.7EV、撮影時刻:9時08分

 9時を過ぎて徐々に登場する蝶も増加してきます。ミネウスコジャノメ(Mycalesis mineus mineus )♂の開翅を撮影。
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D5K-85VR、ISO=200、F9-1/200、-0.7EV、撮影時刻:9時08分

 もう少し全開気味に開いてくれればよかったのですが・・・。この後、この公園で最も蝶見に優れたお花畑ポイントへ移動。フワフワと舞うリュウキュウアサギマダラ(Ideopsis similis similis)を丁寧に撮影しました。
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D90-34、ISO=400、F6.3-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時28分

 いつでも撮影できそうな本種ですけど、今回ほど拘って撮影したのはこれが初めてでした。アングルに拘って撮影すると意外と没画像ばっかりで、結構難しいものですね。難しいと言えば、シロスソビキアゲハ(Lamproptera curius walkeri)の吸蜜も難題です。ホウジャクみたいにホバリングしながら短時間の吸蜜を繰り返す本種は、その長い尾と複眼までの全貌をフォーカスする難しさに加えて、ホバリングの翅を止めて写す技術が要求されます。ここは敢えて絞り解放で雰囲気描写に徹しました。
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D5K-85VR、ISO=200、F3.8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:9時51分

 これまでの遠征で見向きもしなかったタイワンモンシロチョウ(Artogeia canidia canidia)♀もそれなりに丁寧に撮影。
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D90-34、ISO=400、F8-1/2500、-2.0EV、撮影時刻:10時11分

 ただ、真面目に撮影しようとすると、対象個体がスレていることが多いです(^^; この個体もちょっとくたびれていますね。タイワンモンシロを撮影した直ぐ傍に黄色いミスジを発見。キンミスジ(Pantoporia hordonia hordonia)でした。
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D5K-85VR、ISO=200、F3.8-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:10時13分

 このミスジを香港で撮影するのはこれが初めて。遠くから見てキミスジ(Symbrenthia liaea lunica)として見逃していた個体も多かったのかもしれません。もうちょっと絞り込めばよかったかな?次回は午後の部を中心にご紹介しましょう。<続く>
by fanseab | 2010-12-19 11:03 | | Comments(8)

香港遠征日記(1)初日:4月29日

 オフシーズン企画として、今年のゴールデンウイークに遠征した香港の蝶探索紀行をご紹介していきたいと思います。拙ブログでこの手の記事を書く時は、これまで蝶の科別にご紹介してきましたが、今回は時系列で日記風に書くことにします。

 さて、初日。いつもながら成田は人で溢れかえっていました。それでも管理人の使うANAの出発は空港第一ターミナルなので、酷い混み具合ではありませんでした。ANA909便は定刻出発も滑走路の順番待ちでテイクオフは10時33分。機内食は豚の広東風炒め物。本当はキャセイの機内食を食べたかったけど、チケットが高くて断念。それでも結構イケてましたよ。                                     ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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GX100、撮影時刻:12時14分

 ほぼ順調なフライトでしたが、香港上空で着陸順番待ちでグルグルと待機飛行。結局、着陸は定刻1時間遅れの15時07分(現地時間)でした。入国手続きを終えて外に出ると物凄い土砂降り。今回はこの日の気分でエアポートエクスプレスではなく、リムジンバスを選択したのですが、チケット売り場にまで強い雨が降りこんできてトホホです。ようやく二階建てA21系統のリムジン(旺角まで33HK$=380円)に乗り込んでヤレヤレ。天気が良ければ見通しの良い二階建てバスも、雨だとご覧の通りで景色も望めず残念でした。
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GX100、撮影時刻:16時31分

 いつも通り、旺角のホテルにチェックインしたのは、17時25分。すぐにホテル裏の路上マーケットに買い出しです。傘を差しての買い物になりました。
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FH-150@6.4mm、撮影時刻:17時48分

 最初は果物屋でパイナップルを物色。
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FH-150@6.4mm、撮影時刻:17時57分

 値切り交渉で暫く遊んだ後、購入。その場でカットしてもらい、トラップ用にします。次は魚屋でエビもしくはカニ探索。結局エビを皿一杯購入。ここは魚屋のおばさんにモデルになってもらいました。ニッコリとピースサイン。
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FH-150@6.4mm、撮影時刻:18時05分

 やっぱり、魚屋さんは元気じゃなくっちゃいけませんね。この後、コンビニで蒸留酒を購入。広東省仏山製のこんなお酒。
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FH-150@6.4mm、撮影時刻:18時28分

 アルコール分は29.5%。これはトラップ用で管理人が飲むためではありません。この後、マーケットで購入したエビとパイナップルをタッパーウエアに入れ、蒸留酒を注いで浴室に放置しました。一晩も置けば微発酵が進むのです。トラップ調製が済んだら、また街中に繰り出して夕食。香港に来たらいつも麺類のはしごです。今晩は牛アバラ肉入り麺。
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FH-150@6.4mm、撮影時刻:18時50分

 トッピングに空芯菜を頼みました。サイドメニューは一風変わったかまぼこ。香港ではどんなお店に入っても、麺類にそれほど当たり外れはありません。麺は細麺で相当に歯応えがある独特なものですね。ブラブラ歩いて甘いもの屋で香港名物のエッグタルト(確か4HK$=45円位)とマンゴープリンを買い、ホテルの一室でデザート。何故か店の名前が「桜島!?」
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FH-150@6.4mm、撮影時刻:19時12分

 エッグタルトはオーブン焼きたてのを売っていて熱々を頂きます。甘党の管理人には堪らない旨さです。マンゴープリンもコクがあって本当に旨かったです。この日は21時には就寝。さぁ、明日から蝶撮りです。次回をご期待ください。<続く>
by fanseab | 2010-12-13 22:52 | | Comments(4)

アカボシゴマダラの羽化(12月10日)

 前回の記事で触れた室内に回収した蛹が12月10日の深夜、無事羽化しました。                                ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-85VR、ISO=200、F13-1/200、-0.7EV、(内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯)、撮影時刻:1時1分

 また♂でした。記録上は最遅ですが、室内回収個体のため、あくまで参考記録です。翌日、屋外に放したのですけど、気温が低くてすぐには飛べない状況でした。11時過ぎになって、開翅日光浴を繰り返していました。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/250、-0.7EV、撮影年月日・時刻:12月11日11時26分

 結局、12時過ぎになって、ようやくどこかに飛び去りました。ただ吸汁源も殆ど無いでしょうから、この個体も哀れな運命を辿ることでしょう。

 さて、エノキ樹上には最後まで残った短角型幼虫が枝に静止しておりました。
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D90-85VR、ISO=200、F10-1/500、-0.7EV、撮影年月日・時刻:12月11日11時33分

 この幼虫はこの絵の撮影直後、根際の枯葉に潜り込んだようです。こうして拙宅庭のエノキ上から、蛹、幼虫すべてが消え、今シーズンの拙宅でのアカボシ観察はこれにて終了となりました。
by fanseab | 2010-12-11 21:57 | | Comments(4)

アカボシゴマダラの羽化(12月2日)

 先月19日の記事に引き続き、自宅庭エノキでの観察です。とうとう12月羽化の記録が出ました!11月6日に蛹化した個体が12月2日に無事羽化したのです。
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D90-85VR、ISO=200、F13-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:22時11分

 羽化個体は♂で蛹期は26日でした。管理人が観察できたこれまでの最遅羽化記録、「11月27日」を5日更新したことになります。またご覧のように、この個体はエノキの葉裏ではなく、幹に直接蛹化した珍しい事例です。これまでゴマダラ、アカボシ合わせて25例近く蛹化を観察してきておりますが、幹上直接蛹化を観察したのはこれが初めてでした。なお、この日の前日、12月1日にも1♂の羽化を記録しております。

 さて、12月2日時点では、まだエノキおよび周囲の灌木上に合計10個体の蛹が確認されていましたが、翌3日は、全国的に強風と大雨の大荒れの天気で、この影響で5個体ほど、枯葉毎、地上に落下したのか、行方不明になりました。何とか地上を探索して1個体を回収し、現在室内で保管中です。また、5日の時点で更に4個体が行方不明になり、6日には最後に残った1個体が消失してしまいました。5日以降に消えた個体はどうやら野鳥による食害ではないか?と睨んでおります。元来夏場に羽化することを前提に、葉裏に吐糸固定して垂蛹になるアカボシですので、垂蛹になった時点で緑色の葉が、黄色く色づき、枯葉毎落下することまでは想定外なのでしょう。やはり12月の壁は相当に厚く、よほどのことが無い限り、12月中旬といった羽化記録は出そうにないようです。
by fanseab | 2010-12-08 00:10 | | Comments(4)