探蝶逍遥記

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彼岸花に集う揚葉蝶(9月26日)

 今シーズン、「真面目にアゲハを撮る」ことを目標にしてきた管理人にとって、彼岸花とアゲハのツーショットはシーズンの有終の美を飾れるか?のキーポイントです。そこでネット上でアゲハの食樹である「ミカン」と「彼岸花」のキーワードで検索して数箇所のポイントを候補地として選び出し、更に1/25000地図で「果樹園」と「水田」の記号をヒントに最終候補地を選び出す綿密な作戦に出ることにしました。 場所は湘南を飛び越えて神奈川県の西部に位置する山間の里山集落です。現地7時15分過ぎ到着。台風一過の青空が拡がり、柑橘類の畑に囲まれた水田では稲刈りが進み、彼岸花も最盛期を迎えていました。ポイント到着後、いきなりナガサキアゲハ♀が登場し、心臓パクパク状態に! なにせ、管理人、東南アジア遠征でもナガサキ♀とは不思議と縁が無く、国内でも未撮影だったのです。悠々と舞って、葉上で全開翅休息です。                                                                ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-34、ISO=400、F5.6-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:7時56分

 右後翅に欠損があるものの、まずまずの鮮度の個体。そのうち期待通り、彼岸花で吸蜜してくれました。
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D90-34、ISO=400、F5-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時03分

 彼岸花とのツーショットを撮りながら、結構、蝶の複眼部が花に隠されることが多くて、難しいものだ・・・と痛感させられました。花弁の頭頂部にやって来て吸蜜する時が一番楽に撮れるようです。
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D90-34、ISO=400、F8-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時04分

 吸蜜と吸蜜の合間に偶然飛翔が撮れるのはよくあるケースですが、正面に向かって来ると流石に迫力が出ます。
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D90-34(トリミング)、ISO=400、F8-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時04分

 ナガサキ♀は本当に巨大な感じがしますね。この後、ほぼド完品の♀にも数個体出会いましたが、残念ながら撮影はできませんでした。同じ黒系アゲハのクロアゲハも♀個体に出会いました。ただ時期的にボロが多く、マクロで撮るとそれこそボロが目立つので、横広角で撮影。
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D40-10.5-X1.4TC、ISO=400、F7.1-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時13分

 ご覧の通り、ミカン畑の間に自生している彼岸花での吸蜜です。さて、黒系アゲハで全く期待していなかったのが、モンキアゲハでした。彼岸花で吸蜜している黒系アゲハに接近してみると、ほぼド完品のモンキ♀。これには興奮しました。
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D90-34、ISO=400、F5.6-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時19分

 背景も整理できて、ほぼ理想的な仕上がりに満足しております。モンキはこの個体だけかな?と思っていたのですが、撤収直前にまたまた新鮮な個体が登場して大喜び。吸蜜の途中での躍動的な飛翔シーンを捉えることができました。
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D90-34、ISO=400、F7.1-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時06分

少し余裕が出てきたので、縦広角でも狙いました。
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D40-10.5-X1.4TC、ISO=200、F7.1-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:12時20分

 刈終わった稲穂が敷かれた水田と彼岸花。「ザ・里山」とも言うべきシーンが撮れて大満足でした。

 さて、彼岸花に集うのは黒系アゲハだけではありません。キアゲハ♀の吸蜜です。背景に黄金色に色づいた稲穂をボカして入れる構図に拘ってみました。
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D90-34、ISO=400、F10-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時34分

 キアゲハは数個体飛んでいましたが、いずれもそろそろ末期状態でした。最後は青空と太陽を意図的に強調したアゲハチョウ♀の飛翔で占めましょう!
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D40-10.5-X1.4TC(ノートリ)、ISO=200、F4.5-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時45分

 綿密に立てた、机上ロケハンが効を奏して、初めての彼岸花とのツーショット撮影は、予想以上の成果を挙げることができました。この日ももちろん汗をかきましたが、流石に真夏のあの猛暑とは異なり、心地良い汗を拭うことができたのでした。
by fanseab | 2010-09-27 23:59 | | Comments(24)

初秋のPapilio達(9月19日)

 彼岸花と黒系アゲハ狙いで湘南へでかけました。このところ、朝晩は大分涼しくなってきたので、表題に「初秋」を入れましたが、昼の気温は30℃近く、結構汗だくになりました。

 彼岸花スポットに8時過ぎに到着。しかし、彼岸花の咲き具合はイマイチで、どうやら少し開花が遅れ気味のようです。そのうち車道に黒系アゲハが出現、カラスアゲハの♂が吸水を始めました。                                              ++画像はクリックで拡大されます++
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D90-34、ISO=400、F8-1/800、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時14分

 流石に時期が時期だけにすこしスレた個体ですね。多少ボロでも、今シーズンはアゲハ吸水場面をしっかりと撮影することを目指しているので、真剣に撮りました。
 彼岸花が疎らに咲く草地には湧水があって、この周りのセリの若葉にキアゲハが産卵に訪れていました。逆光と順光で撮影。
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D90-34、ISO=400、F10-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時25分
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D90-34、ISO=400、F11-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時09分

 ようやく、納得の行く、キアゲハ産卵シーンが撮れて満足です。スレ具合から判断して二枚は別個体のようです。彼岸花を求めてウロチョロするうち、綺麗なコスモス畑を見つけました。キバナコスモスにはアゲハ類が舞っていたので、少し集中して撮影。最初は今シーズン未撮影のアゲハチョウ。このアゲハこそ、「真面目に撮る」ことの少ない普通種ですね。いずれも♀です。
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D90-34、ISO=400、F11-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時54分
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D90-34、ISO=400、F13-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時58分

 2枚目は動きのあるお気に入りのショットになりました。ナミアゲハを撮影できたので、今シーズン、本州に産する全てのPapilio属を撮影したことになります。銀塩時代に蝶の写真撮影を始めて以来、1シーズン内に全てのPapilio属を制覇したのは、これが初めてです。お次はキアゲハ♂。
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D90-34、ISO=400、F13-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時56分
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D90-34、ISO=400、F11-1/1000、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時57分

 こちらの2枚目も背景はちょっとゴチャゴチャしているものの、真正面から斜め位置に吸蜜しているのと、バックにヒメアカタテハも入って秋らしい動感溢れる絵になって気に入っております。

 少し暗い林道の脇でフワフワと舞う黒系アゲハを発見。どうやらカラスアゲハの♀のようです。舞の中心には彼女達の食樹、カラスザンショウの子株があって、この♀は新芽にタッチしたり、匂いを確認したり、いかにも産卵したがっておりました。
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D90-34、ISO=400、F8-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時27分

 ところが、15分ほど、この♀におつきあいしましたものの、最後まで産卵はしませんでした。カラスザンショウも確認したのですけど、卵は発見できませんでした。何か産卵に踏み切ることのできない事情でもあったのでしょうか?

 結局、この日は目的とした彼岸花と黒系アゲハのツーショットは撮影できませんでした。出会った黒系アゲハ類もそろそろ草臥れてきていて、彼岸花の最盛期にどれだけ新鮮でいられるか?微妙な感じもします。
by fanseab | 2010-09-20 11:42 | | Comments(14)

晩夏の三浦半島にて(9月12日)

 本来の暦なら、記事名をそろそろ「晩夏」ではなく、「初秋」とすべきですが、なにせこの夏の暑さは半端ではありません。涼しげな海水浴客を後目に、こちら汗だくで蝶探しをやってきました。三浦半島と言えば、モンキアゲハのメッカです。東京で育った管理人は、小さい頃、親に連れられて捕虫網片手にこの三浦半島を訪れたものでした。狙いはモンキアゲハ。高速で飛ぶモンキは少年には難物で、思いっきり振ったネットをすり抜けて、林縁を悠々と逃げていく後姿は風格がありました。そして、奇跡的にネットインすると、網の中でバサバサ、凄い力で暴れるモンキの胸を押えるまでの苦労は忘れられません。

 そんな管理人も、長いブランクの後、ネットをカメラに持ち替えて、フィールドを歩く時、採集者の姿を見ると不機嫌になり、少年の頃ネットを振っていた事等、すっかり忘れて、彼らを疎んじているのです。まぁ、蝶屋というのは、身勝手なものですね。

 さて、現地に着いて一巡りしますが、モンキの姿はありません。コスモス畑でようやくアゲハの影を発見。近寄るとキアゲハ♂がコスモスで開翅休息。                                                                  ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-34、ISO=400、F8-640、-0.7EV、撮影時刻:8時19分

 残念ながら左の触覚が欠損しておりました(^^: 雑木林に足を踏み入れると、この地でもアカボシゴマダラが優勢でした。♀の開翅休息です。
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D90-34、ISO=400、F8-1000、-0.7EV、撮影時刻:8時24分

 遠目にはナミアゲハと錯覚してしまいますが、接近すると今度はマダラチョウの風情ですね。特に♀は緩やかな舞をしています。花壇にはキバナコスモスがもう満開でした。この花を見るともう秋を実感します。ヒメアカタテハも飛んでいましたが、これは10月まで嫌というほど撮影できるので、少し個体数少な目のアカタテハを重点的に撮影。背景ボケに拘ってみました。
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D90-34、ISO=400、F8-1250、-0.7EV、撮影時刻:8時38分
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D90-34、ISO=200、F6.3-1250、-0.7EV、撮影時刻:8時39分

 コスモスの茎同士が画面上で干渉するため、結構作画には苦労しました。さて、肝心のモンキアゲハですが、なかなか登場してくれません。暑さでヘバりかけた頃、ようやく♂の吸水場面に出会えました。
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D90-34、ISO=200、F7.1-500、-0.7EV、撮影時刻:9時25分

 カメラ目線を地面に下ろせないポジションで一苦労。結局葉被りしたこの絵しか撮れませんでした。この個体もちょっとスレ気味ですね。このポイントでは少し時期が遅かったのでしょうか?この後、吸蜜場面を求めてウロチョロしたのですけど、疲労だけ増す割にアゲハには出会えずガッカリでした。木陰にあるクヌギを見上げるとタテハの影が。樹液で吸汁していた個体を暫く観察すると、スズメバチに追いやられて、クヌギ葉上で開翅休息です。
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D90-34、ISO=500、F7.1-1000、-0.7EV、撮影時刻:11時22分

 アカボシではなく、ゴマダラのこんなシーンを見るのも久し振りに思います。吸汁途中の個体も撮影できました。
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D90-34、ISO=500、F7.1-320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時28分

 モンキ狙いで出撃したものの、ちょっと消化不良の撮影行になりました。それにしてもこの日も暑かった!
by fanseab | 2010-09-13 23:21 | | Comments(8)

シータテハ他(8月29日)

 キベリと格闘した河原では僅か1頭ですが、新鮮なシータテハが飛んでいました。キベリに比較すると圧倒的に敏感で、管理人の接近を阻んでいました。それでもある岩に相当な執着を見せていて、飛び去っても数分のうちに舞い戻ってきます。そんな行動を読みながら、シータテハを撮りました。実はシーもデジタルでまともに撮るのはこれが初体験です。最初は300mmで遠目から狙いました。                                                                          ++画像はクリックで拡大されます++
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D90-34、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、撮影時刻:10時48分
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D90-34、ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、撮影時刻:10時49分

 シーの橙色はとても透明度が高い感じがします。ファインダー越しにこのタテハの美しさを再認識した次第です。その後慎重にジリジリとにじり寄りながら、85mmマクロで裏面を撮影。
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D5K-VR85、ISO=200、F13-1/160、-0.7EV、撮影時刻:10時52分

 複雑に波打つ褐色の地に、ちょうど緑青を撒いたような暗緑色の斑紋が、とても渋いと思います。この後、シラカンバが混じる林に移動し、マルバダケブキに集まる蝶を撮影。最初はスジボソヤマキチョウの♀。
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D90-34、ISO=400、F8-1/640、-0.7EV、撮影時刻:11時18分

 この花の蜜量は結構あるのでしょう。相当長時間、吸蜜しておりました。ちょっぴり期待していたヤマキは出現せず、ちょっとがっかり。

 そのうち、林縁から巨大な黒系アゲハがやってきて吸蜜を始めました。ミヤマカラスアゲハの♀でした。
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D90-34、ISO=400、F10-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時13分
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D90-34、ISO=200、F8-1/640、-1.0EV、撮影時刻:11時32分

 今シーズン、「アゲハを真面目に撮る」ことを目標にしている管理人にとって、格好の被写体でしたが、流石に時期が遅かったようです。10日位前なら最高の絵が撮れたかもしれません。それにミヤマカラス撮影時に外部ストロボにトラブルが生じたため、ノンストロボでの撮影になってしまい、RAW現像に無理が生じたのは反省材料でした。マルバダケブキとミヤマカラスの組み合わせは絵になりますので、来年も狙ってみたい構図ですね。
by fanseab | 2010-09-04 22:42 | | Comments(18)