探蝶逍遥記

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佐賀研修旅行(10月16-17日)その(2)

 さて、一夜明け、宿泊先を後にして最初に向かったのが、当地では有名なお稲荷さんです。お稲荷さんと言っても、京都の清水寺を思わせる広壮な造りに驚かされました。ここで安全祈願をするのが目的。本堂は崖のような急傾斜に作られていますので、急な階段を登っていきます。その途中、右手にハギが植えられていて、キチョウとルリシジミが舞っています。「ヨッシャー!ルリシジミのベタ閉翅ゲット!」と皮算用して接近すると、意に反して、すぐに開翅です。しかしよく見てみると、尾状突起があるし、「なんや変やなぁ~」。続いて裏面の裏波模様を見て唖然としました。クマソ♂だったのです。                             ++すべての画像はクリックで拡大されます++         
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GX100@5.1mm、ISO80, F4.6-1/800、-1.0EV、撮影時刻:10月17日、8時43分

 房総半島で観察した♂に比較して、かなり小型の個体だったので、別種に見えました。周囲を見渡してもソテツの姿はありません。「どこから飛んで来たんやろう?」と考えながら、本堂に登る深紅の欄干をバックにもう一枚。
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GX100@5.1mm、ISO80, F4.6-1/1250、-1.0EV、撮影時刻:10月17日、8時56分

 2枚共に、RAW現像で調整したのですが、どうも♂本来の明るいスカイブルーが表現できませんね。色温度が紫色にカブって発色されてしまいます。クマソ♂表翅の表現、これ意外と難物のようです。さて、本堂でお参りを済ませた後、集合時間まで慌ててソテツ探索。やっと、境内の一角にそれを発見。
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 ただ、他の個体は飛んでおらず、大きな食害も受けていませんでした。佐賀県下においても、分布を相当に広げているとの情報を得ており、その実感を新たにしたのでした。その後、午前中の研修先に立ち寄り、待望のランチはトンコツラーメンで有名なラーメン店で一息入れました。
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 食したのは、ラーメン定食で750円也。前日、結構管理人にしては酒が入っていたので、意外とあっさりとしたトンコツスープは胃に優しく、美味でした。ここの駐車場でどうやらタテハモドキらしき蝶影に出会いましたが、証拠画像を撮り逃がしました。

 この後は順調に研修を終え、福岡空港発17:00で東京に戻ったのでした。かすかな蝶撮影の望みを携えた今回の研修旅行(何の研修をしたのか怪しい?・・・外野からの声が聞こえてくるようですが、それはご想像にお任せしましょう:爆)。分刻みの弾丸ツアーとも呼ぶべき慌しいバス旅行でしたが、自ら運転をしない利点で、座席から佐賀県の平野部、海岸線をつぶさに観察できて、次回の探索に有益なものとなりました。(おしまい)
by fanseab | 2009-10-21 21:46 | | Comments(14)

佐賀研修旅行(10月16-17日)  その(1)

 一泊二日の日程で、佐賀県を歩きました。今回はプライベートではなく、研修+アルファ?の団体旅行。恐らく蝶撮影の時間等ないはず・・・で、コンデジGX100を一丁腰にぶら下げてのスタイル。もしもの時に備えて、予めブログ仲間の nomusan にそれなりのポイント情報を頂きましたが、それも果たして活用できるのか?不安な状態での出撃でした。

 福岡空港に定刻9時15分着。ツアーバスで、佐賀県西部の研修視察先に。管理人はなにせ、佐賀県に足を踏み入れるのはこれが初めて。見るもの聞くもの、すべてが新鮮です。ランチは呼子で有名なイカ料理を頂きました。最初に感激したのがイカ刺し。
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 目蓋の部分が曇っておらず、輝いています。コリコリとした歯ざわりは抜群。噛むほどに甘みが出てくるのですね。お次はイカシュウマイ。
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 これ、とても上品なお味。カラシも添付されていましたが、お酢だけで頂くのが正解で、何個でも頂けそうでした(1人2個の制限付が何とも残念)。しかし、呼子と言えば、クロツの有名産地。イカも美味でしたが、もう少し時間の余裕が欲しかった! 食事の後は、磁器の生産で古くから有名な町を訪れました。ここは自由時間が多少取れるので、少し横道に逸れて探索。先ずはバス駐車場の近くに、こんなものがありました。
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 当然チェック入れるも坊主でした(^^; ここの町並みはとても雰囲気があって心もノンビリします。ちょっとした壁にも一工夫あります。
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 脇道にそれると、壊れた瓦屋根がとてもいい味を出しています。
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 古い石垣を見るとついついチェックを入れたくなるのが蝶屋の性(さが)でしょうか? こんなもんが付いていると、ギョッとします。
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 目的のシジミは坊主。住人の方に聞くと、園芸種を石垣に10年程前に移植したとのことで、可能性は低かったようです。でも、この地でイワレンゲを見ると、何か磁器で造られたかのような雰囲気がありますね。このあと、有名な温泉地で旅の垢を落として一泊。夜は団体旅行の常でして、異常に盛り上がる「あぁ、こりゃこりゃ状態」。ブログではとても公開できない、際どいハプニングもあったりして(爆)、夜は更けていきました・・・(次回に続く)。

※蝶が登場するだろうと、拙記事をお読み頂いた読者の方には申し訳ございません。ただ、次回は蝶が必ず登場しますので、ご期待ください。
by fanseab | 2009-10-18 21:04 | 風景 | Comments(8)

房総半島のクロマダラソテツシジミ(10月11日)

 「3連休は天気も良さそうだし、シルビアでも撮影しに行こうかな?でも、中央高速の帰りの渋滞も嫌だし・・・」。で、山梨のポイントを避けて、新規ポイント開拓も兼ねて房総半島南部に繰り出しました。
 現地7時10分着。田畑の畦道をじっくりミヤコグサ探索です。しかし朝日が眩しく、相当に難儀します。関西在住時、東播磨の棚田を巡っていた経験から、絶対にミヤコグサが生えていそうな環境でも意外とみつけられません。帰りしな出会った親切な採り屋さんに、ミヤコグサの生息地を教示してもらいました。わざわざ、場所まで案内頂き、感謝です。この採り屋さんも今日はnullとのこと。結局、この日は成虫共に坊主。千葉のポイント探索はあえなく敗退でした。

 されば、保険の意味で課題にしているウラナミシジミ♂を狙っていたところ、ちょうど、草地に♂が舞い降りました。ちょっとボロだけど、先ずは一枚・・・と撮ろうとして、「なんか、ウラナミのブルーとは違う個体やな~」と思いながらシャッターを押したのがコレ。                  
++すべての画像はクリックで拡大されます++          
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D90、ISO200, F14-1/320、-1.0EV、撮影時刻:7時53分

 撮影直後、翅を閉じかけて唖然としました。なんと、クロマダラソテツシジミ(以下クマソ)の♂だったのです。クマソはシンガポールで撮影して以来、国内では初体験。既にご存知の通り、西日本での2007年~2008年にかけての発見フィーバーは記憶に新しいところで、今年はさらに東進して、ブログ仲間が最近紹介している東京を始め、静岡、神奈川、千葉の沿岸部に拡散が記録されています。房総半島南部も当然、いてもおかしくないのですが、撮影ポイントが結構内陸部だったので、想定外だったのです。しかし、周囲を見渡して納得がいきました。ソテツの栽培地だったのです。南向きの丘陵斜面にこのようなソテツ栽培地が相当広範囲に散在しています。これならクマソ達にとって理想的な環境なのでしょう。この後、足元からみかけない黒っぽいシジミがよろよろと飛び立ち、下草に止まりました。羽化直の♀でした。ここは、すぐに逆光縁毛幻光を狙いました。 
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D90、ISO200, F14-1/320、-1.7EV、撮影時刻:8時03分

 光の周り方の関係か、ブルー幻光がちょっと弱いですが、裏面斑紋と合わせて、なかなか綺麗な眺めです。しかし、冷静に考えるとこのシジミの逆光幻光を房総半島で撮影していることに違和感を覚えますね。縁毛幻光の後はまともなベタ閉翅を撮影。
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D90、ISO200, F4.5-1/3200、-0.7EV、撮影時刻:8時07分

 ブログ仲間のkenkenさんが記事内でよくコメントされているように、尾状突起を有するシジミチョウの撮影では、その突起をピンと伸ばされた状態で写すのが基本です。その意味で、クマソの♀は難物だと思いました。国産のシジミ類ではヒサマツも長いのでしょうが、クマソも長く、風で上手くたなびかない限り、どうしても折れ曲がった状態で撮れてしまいます。少し陽射しが強くなったところで、遠慮がちに開帳してくれました。 
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D90、ISO200, F14-1/320、-0.7EV、撮影時刻:8時10分

 ♂よりは♀の斑紋、特に後翅外縁部の白班の載り具合は変異がありそうで、楽しめそうです。日中、♂は当然探♀行動のため、ソテツの周囲を飛び回ります。ソテツの幹に止まって日光浴するシーンを横広角でパチリ。
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GX100@5.1mm、ISO80, F9.1-1/200、-1.0EV、撮影時刻:10時41分

 ご覧のようにソテツ農園は彼らにとって、当面(農薬を撒かれないまでは)安住の地となるでしょう。最後は定番の飛翔。最初は♂同士の卍飛行。
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D40-24(トリミング)、ISO=400, F3.5-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時36分

 卍と書きましたが、実際は♂同士の誤求愛の様相ですね。しかし、秋口に夏場のゼフ卍飛翔シーン撮影の練習ができるとは想像もできませんでした(^^) お次はソテツの幹を舐めるように飛ぶ、単独飛翔。
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D40-24(トリミング)、ISO=400, F4.5-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時36分
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D40-24(トリミング)、ISO=400, F5-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:11時06分

 全般に♀は出初めで個体数は少なかったです。シルビア狙いで出かけた房総半島。しかし、クマソと格闘する思わぬ展開にビックリしました。このシジミ、いよいよ地元川崎市、それも内陸部に進出するのも時間の問題でしょう。
by fanseab | 2009-10-12 13:39 | | Comments(16)

キチョウの変則求愛行動等(10月4日)

 この日は課題としているルリシジミ♂閉翅狙いで近くの丘陵地帯の公園へ出向きました。しかし、ルリの姿はなく、ヤマトシジミのベタ開翅に注力。♂♀両者をゲットできました。              
++すべての画像派クリックで拡大されます++          
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D90、ISO=400, F13-1/160、-1.0EV、撮影時刻:7時45分
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D90、ISO=400, F13-1/200、-1.0EV、撮影時刻:8時09分

 ♀はうっすらとブルーの鱗粉が載っています。♂より開翅角度が狭いのがちょっぴり不満ですが、課題のヤマトは♂♀開翅・閉翅のセットで一応完成です。

 このポイントにはハギの株が数本あって、キチョウの♂が緩やかに飛んでいました。そこで少し真面目に飛翔に取り組むことに。管理人は飛翔撮影にストロボを常用しておりますが、ストロボ併用で一番難易度が高いのがシロチョウの飛翔シーンです。キチョウもまた然り。とにかく翅が白飛びしやすい!露出補正をアンダー気味に抑えるのは当然の処置なのですけど、そうすると背景、特にシャドウ部がノイジーになりすいのです。この辺は飛翔用愛機D40に使用されているCCDの設計が古いので仕方ありません。高感度特性に優れた最新のCMOSセンサーを有するD90で撮影する手もありますが、小型軽量で1/4000まで高速ストロボ同調可能なD40を手放す訳には参りません。そこでRAW現像である種のテクニックを使って、何とか解決してみました。ハイライト部分(キチョウの翅)の諧調を広めに調整した上で、ガンマコントロールでシャドウ部を引き上げるやり方。これで仕上げた作例をご紹介しましょう。
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D40-24(トリミング)、ISO=400, F3.5-1/2000、-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8時46分
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D40-24(トリミング)、ISO=400, F3.2-1/2000、-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8時47分

 何せ、朝方の薄暗い環境で絞りは開放に近いので翅を拡げたシーン(2枚目)ではピントが一部甘いのは仕方ありませんが、何とか翅のディティールは出せたと思います。キチョウの♂を追いかけていると、1頭の♂がハギの株の根元近くに潜り込んで止まりました。「なんだろう?」と覗き込んでみると、羽化近い蛹にぶら下がっていました。
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D40-24、ISO=200, F7.1-1/30、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時02分

 オオミスジ同様、羽化間近な♀の蛹に寄り添って、羽化と同時に交尾する作戦なのでしょう。時々別の♂個体が接近すると翅を拡げて威嚇行動を取っていました。所用で一旦帰宅し、昼過ぎに現場に戻ると♂は蛹から離れていました。流石に諦めたのでしょう。蛹の腹部はまだ蛹殻からの分離が進行していないので蛹化は翌日(10月5日)なのかもしれません。ご覧のように蛹はハギの根元に近い部分(ヨモギ?)にありました。他の株を探索してみると、やはり地上近くに別の蛹殻2個体を発見しました。
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D40-24、ISO=200, F7.1-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時04分

 ほとんど外敵から見えないような環境で蛹化して、羽化時に外敵から襲われるリスクを回避しているのでしょう。この後、この公園近くのコスモス畠でビュンビュン飛び回る、イチモンジ・チャバネセセリの飛翔に挑戦。何とかチャバネをコスモスとツーショットで入れることができました。
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D40-24(トリミング)、ISO=400, F3.5-1/2500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時16分

 やはり作画意図からすると、背景は青空であってほしいですね(^^;; パスト連射以外でこの手のセセリ飛翔は厳しいですが、これからもチャレンジするつもりです。最後に思いがけず登場したのが夏型の特徴が出たベニシジミ♂。訪花中の開翅をパチリ。
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D40、ISO=200, F11-1/60、-0.7EV、撮影時刻:14時00分

 ちょっとボロなのが残念。もうそろそろ黒ずんだベニシジミの撮影は時期的に限界かもしれません。
by fanseab | 2009-10-05 23:10 | | Comments(8)