探蝶逍遥記

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東播磨地方のヒメヒカゲ調査のお知らせと御礼

 これまで拙ブログのトップページに↓のお願いを掲載しておりましたが、
6/29をもって、今年度の調査が無事完了したようです。
採集自粛も含め、調査にご協力頂いた方に厚く御礼申し上げます。
また、調査活動に参加された皆様、大変お疲れ様でした。

 詳しい調査結果は後日、関係者より報告がなされると思いますが、
これまでのまとめでは、予想以上に生息地が減少していることが判明したようです。湿地の乾燥化など生息環境の悪化に加え、依然として止まない採集圧など、ヒメヒカゲの生息を脅かす要因は種々あるようです。来年も調査は継続予定とのこと。引き続きの協力を宜しくお願いします。

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東播磨ヒメヒカゲのシーズン中は、トップページにこのお知らせを掲載します。
<本文記事はこの記事の下にあります>

 本年から兵庫県南部東播磨の一部地域におきまして、ヒメヒカゲの生息調査を行います。ご存知の通りヒメヒカゲは近年全国的に数を減らしている草原性チョウの一種です。近畿地方でもすでに多くの場所で姿を消し、東播磨地方が残された最大の生息地になっています。当地におきましても開発による生息地の消滅や過度の採集により減少傾向にあります。
 このたび減少を憂う我々有志一同は地元行政と連携しながら、また生息地を抱える集落の皆さんの協力を得ながら調査に当ります。調査はヒメヒカゲを中心に行いますが、更に広い視点から、生物多様性を示す貴重な湿地・草原環境の残存状況まで調査いたします。この時期、この地域へ採集に来られる皆さんへのお願いです。

  ● ヒメヒカゲ保全のための調査にご理解下さい
  ● ヒメヒカゲの採集自粛に協力ください
*一部生息地においては、地権者了解の下、すでにすべての動植物の採集が禁止されています。

 「蝶屋」の屋号を掲げる良識ある皆様、いつまでもこの可憐な蝶を身近に観察できるよう、よろしくご協力ください!!
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 なお、調査活動の様子がこの度神戸新聞に掲載されました。ご参考まで。
by fanseab | 2008-06-30 22:52 | | Comments(2)

山梨探索(6月28日)その(1):ゼフィルス類

 およそ5年振りにかつてのマイフィールド、山梨県北西部を訪ねました。当時、昼はオオムラサキ、夜はオオクワガタを求めて林道を隈なく走り回った結果、夜間でも地図なし走行が可能でした。しかし、それから5年、環境変化が心配です。。。。

 さて、本日の目的はゼフ、特にクロミドリシジミ探索とオオムラサキ発生地の樹液の出具合調査。午前3時26分自宅発、同4時56分現地着。関西在住時、数回通った但馬の山中に行くよりは、遥かに近いので便利です。最初のポイントに到着して唖然としました。台場クヌギの大半が伐採されて見る影もなく、園芸樹木畑に変身しておりました。嫌な不安が的中です。残されたクヌギを叩いてみても、飛び出すのはウラナミアカとオオスズメバチばかり(^^;; そこで少し離れたポイントに移動、ここで叩き出しをすると、明らかにクロミドリと思われる褐色のゼフが飛び立ちましたが、降りたはずの下草付近を捜索しても坊主。2度目の落胆です。

 更に場所を変えて、南西に500m離れた新規ポイントに移動。ここはどうやらクヌギ林の密度も濃そうなので、拘って1本1本慎重に長竿で叩き出しを行いました。クロミと思われる個体が結構飛び出しますが、大半は梢の上に登ってしまいます。それでも辛抱した甲斐あって、ようやく1頭の♀がクズの葉上に舞い降りてくれました!! 「やったね~♪♪」
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D70、ISO=400, F3.2-1/800、-0.7EV、撮影時刻:5時56分

 憧れのクロミが目の前にいる・・・、ドキドキしながらシャッターを押しました。尾状突起がツンと上を向いているのが格好エエですね? お次は少し引き気味のショットで早朝の雰囲気を出してみました。
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D70、ISO=400, F4-1/320、-0.3EV、撮影時刻:5時58分

 一通り、閉翅を撮ると、当然開翅狙いです。少し日差しが覗いて空が明るくなる頃、体も多少温まったのか?後翅に畳み込まれた前翅を引き上げて、シジミ独特のスリスリモードが始まりました。
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D70、ISO=200, F3.2-1/640、-0.7EV、撮影時刻:6時21分

 しかし・・・、悲劇はあっけなく訪れたのです。開翅した際のアングルをシミュレーションしようと管理人が姿勢を高くしたその瞬間、クズの茎に触れたショックでクロミ嬢はサッと舞い上がり、梢の上に消えました。嗚呼!なんてことでしょう(悔涙) クズ葉上のゼフは背景もスッキリしてフォトジェニックですが、繁茂した蔦が絡まりあって葉を揺らすリスクが高いのも事実。これまで何回となく経験した同じ過ちを今回もやってしまいました(^^;; まぁ、「一見さんで、開翅も撮れたら罰当り」と納得することにしました。それでも悔やみきれないので、さらにしつこく叩き出しを行うと少し明るいゼフがクズの葉上に舞い降りました。クロミの別個体か?と慎重に接近するとオオミドリの♀でした。閉翅を撮っている最中に、すぐに開翅モードに突入。
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D70、ISO=200, F9-1/125、-0.7EV、撮影時刻:6時38分

 肛角部に配されたスカイブルーの破線模様が大変お洒落だと思いました。開翅モードはあっという間に終了したので、縦位置広角でパチリ。
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GX100@5.1mm、ISO=80, F7.2-1/90、-0.7EV、撮影時刻:6時50分

 この後、林道近辺のクヌギを徹底的に捜索する中で、何となくクロミが好むクヌギの樹相が理解できるようになりました(直感的なものですけどね)。ただ、午前7時以降は叩き出しても樹冠に舞い上がってしまうので、撮影は不可能です。またクロミは数字の「8の字」を書くように不規則な独特な飛び方をするので、飛翔モードでも他のゼフと区別できるような気がします。そうして気長に叩き出しをやった結果、奇跡的に目線の高さで止まった個体を発見。
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D70S-VR84@400mm、ISO=500, F7.1-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時53分

 クヌギの葉が邪魔になって真横から狙えないアングルですが、どうやら、クロミ♀の雰囲気を持っています。昼間は葉陰でこのように休止しているものと思われます。何とかクロミ撮影も成功したので、お次はメスアカミドリシジミを求めて山梨県東部に移動です。

 予め1/25000の地図上で「美味しそうな」ポイントを調査し、現地に赴いたのですけど、なんと、ここも激しい伐採の真最中で、禿山状態に超ガッカリ(^^;; 仕方なく別の沢沿いを探索すると、弱弱しく飛ぶウラゴを発見。先ずは飛翔にトライ。
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D40-1855@18mm、ISO=800, F10-1/2000、-2.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:13時57分

 置きピン位置はもう少しレンズ側に寄せて、対象を大きく写しこむべきでした。そのうち、♀は葉上に止まり、落ち着き無い挙動を始めました。枝に潜り込む頃、やっと♀が止まっている枝がイボタであることに気がつきました。待望の産卵シーンです。
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D40-1855@55mm、ISO=400, F7.1-1/400、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:13時56分

 イボタの枝が邪魔するので、左手でイボタの枝を払い、右手一本でAFでの撮影。AFの影響で複眼にピントが来ていません(^^;; 産卵が終了した後、枝の分岐をgyoromeで観察。
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GX100@15.3mm-gy8、ISO=20, F11-1/100、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:14時17分

 少し見難いですが、全部で4卵産んでいました。円盤状の卵は本当に面白い形状ですね。♀は産卵の直後、じわっと開翅してくれました!
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D70、ISO=400, F9-1/320、-0.7EV、撮影時刻:14時09分

 飛翔中からやけに黒い個体やな?と思っていたのですが、前翅の白紋も殆ど出現せず、後翅もほぼ真っ黒な♀でした。かなりスレているけど、♀開翅シーンは初体験なので、慎重に撮影しました。

 メスアカは外れでしたが、クロミが撮影できて満足できる遠征となりました。またスレ品なのでブログ掲載を見送ったウラキンシジミも何とかゲットできたことも触れておきましょう。次回はオオムラサキ他の蝶をご紹介する予定です。(続く)

※なお、クロミドリシジミについては、ブログ仲間の虫林さんから生態に関する有用な知見を頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。
by fanseab | 2008-06-29 20:47 | | Comments(16)

アカボシゴマダラ第2化幼虫(6月21日)

 昨年秋から継続観察していたアカボシの越冬幼虫はゴールデンウイーク中および5/10過ぎに羽化したことを確認しました。その後、自宅のある川崎市北西部で第2化幼虫を探索しておりましたが、今回、自宅のエノキ(樹高3m)で発見することができました。
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D40、ISO=400, F7.1-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ+外部ストロボスレーブ増灯(調光補正1/16)、撮影時刻:16時35分

 体長は約40mmで、4齢だと思います。他に2齢と4齢各1頭を見出しました。これまでにも自宅エノキでのアカボシ幼虫は何回か観察しておりますが、第2化は初めてで、この地域(川崎市北西部)では完全に定着した実感を強くしました。このまま順調に生育すれば、7月10日前後に第2化が飛ぶことでしょう。ただ不思議と自宅近くで成虫と遭遇するチャンスがありません。

 ところで、環境省は慎重居士で、本種をまだ外来生物法の規制対象ではなく、「要注意外来生物」扱いとしています。更にいつの時点で「要注意」から「法規制対象」へ格上げするのか?そのガイドラインもあまり明確にしていません。管理人の推測では「ゴマダラとの自然雑交個体が発見される事態」まで、指を咥えているような気がします。しかし、それでは時既に遅し・・・の感もありますね。いずれにせよ、本種の拡散動向と同様に同省の対応が注目されます。
by fanseab | 2008-06-24 23:40 | | Comments(6)

北ボルネオ・キナバル遠征記:(5)ムラサキマネシアゲハ

 しばらく、平地性ゼフの追っかけをしていたので、久しぶりのキナバル遠征記です。
 このアゲハ(Chilasa paradoxa telesicles )については、前回のボルネオ遠征でもダナムバレーの河畔で遭遇し、その完璧なまでのEuploea(ルリマダラ)への擬態に騙されました。今回、恥ずかしながら再度騙されたのでその顛末をひとくさり。
 ポーリン温泉滞在の2日目。吸水集団のシロチョウ飛翔画像にトライしていると、1頭の「ルリマダラ」が登場。緩やかに飛ぶ個体を広角レンズで撮影しながら斑紋を確認します。どうやら普通種のツマムラサキマダラ(E. mulciber)のようですが、イマイチ自信ありません。そのうち、地面に降りて吸水をし始めたので、90mmマクロで撮影しました。
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D70, ISO=400, F6.3-1/250、+0.3EV、撮影時刻:5月3日、11時09分

 さて、帰国してからこの写真をパッと見て、①先端にかけてアーチ状になる触角形状、②タテハチョウの証である、「前脚が退化した4本脚」ではなく「6本脚!」に気がつきました。この時点で「また、こいつに騙されたかぁ~」と溜息が出ました。初めて騙された時は、「騙される楽しみを味わうのもいいものだ・・・」と余裕で流しましたが、さすがに二度騙されると悔しいものです(^^;;

 その完璧に似せた飛翔画像もご紹介しておきましょう。
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D40-10.5-X1.4TC(トリミング), ISO=800, F3.5-1/4000、-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:5月3日、12時06分
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D40-10.5-X1.4TC(トリミング), ISO=800, F2.8-1/4000、-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:5月3日、12時06分
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D40-10.5-X1.4TC(トリミング), ISO=800, F2.8-1/4000、-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:5月3日、12時07分

 瑠璃色幻光の似せ方は本当に絶妙でした。更に白状すると、前日5/2にはヤエヤマムラサキ(Hypolimnas anomala )をEuploeaと誤認する失敗をしており、2日連続の屈辱でした(^^;; ↓は葉影に隠れたそのヤエヤマムラサキ。
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D70, ISO=200, F9-1/500、内蔵ストロボ、撮影時刻:5月2日、13時07分

 Euploeaは、このような葉裏での半開翅ポーズは取りません。ところで彼ら擬態種のモデルとなった「本物の」Euploea属を今回遠征では一切目撃できませんでした。昨年の南ベトナム遠征では夥しい数のルリマダラに出会っただけに、「所変われば・・・」の諺を深く噛みしめたのでした。(次回に続く)

※なお、マレー半島産亜種(ssp. aenigma )については、愛読ブログ、「青森の蝶たち」に素晴らしい生態写真が掲載されています。ご参考まで。
by fanseab | 2008-06-21 21:40 | | Comments(8)

緑系ゼフを楽しむ(6月15日):(2)オオミドリシジミ

 この日は薄曇で、少し陽が差す絶好の撮影日和でした。ミドリシジミの撮影を終えた9時頃、以前ウラゴ探索の際、目をつけていたポイントに移動しました。オオミドリが生息しているとすれば、「♂のテリ張りに絶好だな?」と睨んでいた地形条件を備えていたからです。果たして長竿で叩き出すまでもなく、銀色のシルエットがコナラの樹上を猛スピードで飛び回っているのが眼に入りました。しかし、いかんせん距離が遠すぎます。暫く待って、ようやく400mmズームの射程に入ったので、ここぞと連射です。
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D70S-VR84@400mm、ISO=400, F7.1-1/640、-1.7EV、撮影時刻:9時37分
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D70S-VR84@400mm、ISO=400, F7.1-1/1250、-1.7EV、撮影時刻:9時40分
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D70S-VR84@400mm、ISO=400, F7.1-1/1000、-1.7EV、撮影時刻:9時41分

 静止する位置は結構高く、持参した脚立を使用したものの、斜面で脚立上のバランスが取り難く、曲芸的な撮影でした(^^;; 管理人にとっては、久しぶりのオオミドリでして、これまたデジ一を使い始めてから初撮影。ちょっぴりスレ品ですけど、輝きは強烈! キリシマ並みに強アンダーに露出補正しないとハイライトが飽和してしまいます。1枚目、全開シーンでは翅の痛みが目立ちます。2枚目は光の周り方が管理人好みに仕上がってお気に入り画像となりました。3枚目、カメラを睨みつけ、前脚を上げた戦闘ポーズも大好きです。しかし何とか接近戦に持ち込めないか?しばらく格闘するうちに、ようやく90mmマクロの射程に降りてきてくれました。
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D70、ISO=200, F5.6-1/400、-0.3EV、撮影時刻:9時52分

 ただこのポジションだと全開では表翅を写しこめず、半開翅が限界です。ところで、管理人は自称「逆光縁毛幻光撮影友の会」会長ですので、「斜め45度開翅逆光・・・」もとい、「斜め75度?開翅逆光」画像にもトライ。
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D70、ISO=400, F8-1/1000、-1.7EV、撮影時刻:9時54分

 今シーズン初めてのブルー幻光をゲットして嬉しかったです。なお、↑の画像は、縁毛幻光を強調するため、意図的にローキートーンに仕上げています。それにしても、ファボニウス♂は翅の痛みが早いですね。縁毛幻光を含め、撮影の適期は、1週間ほど前だったようです。10時近くになると、ようやく彼らの活動タイムも終わりを迎えたのか?少し動きも緩慢になってきました。そこで脚立最上段によじ登り、更に腕を目一杯上方に伸ばし、コンデジで斜め上方から彼らの輝きを捉える作戦を敢行。
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GX100@5.1mm、ISO=80, F5.7-1/250、-1.3EV、撮影時刻:9時56分
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GX100@5.1mm、ISO=80, F5.7-1/380、-1.3EV、撮影時刻:9時59分

 苦労した甲斐あって、2枚目の構造色はオオミドリらしい仕上がりになりました。早朝から約5時間、ミドリとオオミドリの平地性緑系ゼフを存分に堪能して、10時半に撤退しました。(了)
by fanseab | 2008-06-18 22:12 | | Comments(16)

緑系ゼフを楽しむ(6月15日):(1)ミドリシジミ

 ミドリシジミの輝きを求めて、先日ウラゴを撮影したポイントに出向きました。実はブログ仲間のtさんよりミドリシジミ情報を事前に頂いておりましたが、♂の鮮度が心配と思い、悩んだ末にウラゴポイントに赴くことに。現地5時10分着。ハンノキ周辺を探索すると、低い潅木に静止する♂を発見。
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D70、ISO=200, F3.5-1/200、-0.7EV、撮影時刻:5時34分

 暫く様子を伺いましたが、開翅には未だ間があると考え、別のハンノキ群落もチェックすることに。するとやや距離があるアオキの葉上に静止している個体を発見。
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D70、ISO=200, F5-1/250、-0.3EV、撮影時刻:6時16分

 こちらのポイントは、朝日が早く到達しそうなので、開翅まで粘ってみることにしました。すると、突然、もう1頭が飛来し、最初の個体のすぐ後ろに止まりました。
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D70、ISO=320, F9-1/160、-0.7EV、撮影時刻:6時36分

「すわっ、求愛行動か!」と、期待に胸ふくらませて見守るのですが、2頭目は♀に遠慮してか?ちょっかいを出そうとしません。おかしな♂だな?と疑問に思い始めた頃、突然、その2頭目が開翅しました!
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D70、ISO=320, F5-1/640、-0.7EV、撮影時刻:6時39分

 なんと、B型♀でした。「なんじゃ!お前♀かいな・・・」と唖然とする管理人を尻目にもっと驚く事態が。前に位置する個体も開翅したのです。
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D70、ISO=320, F5.6-1/500、-0.7EV、撮影時刻:6時39分

 なんと、これはたまげた!! 1頭目の個体はO型♀でした。結果、B型・O型のダブル開翅の完成です!「ちょっとカメラを向けている貴方~、私と彼女とどっちが綺麗~?」って二人の囁き声が聞こえるようです。「そりゃ、あなた、B型の方が・・・・」と言いかけて、「いや、お二人共どちらも別嬪さんですよ~♪」って心の中で答えてあげました(^^) とにかく、これまで長野県の山中でO型♀しか開翅画像撮影経験のない管理人にとって、役満級のラッキー画像となりました。

 ♀のダブル開翅に満足して、冒頭の♂静止ポイントに戻るとアララ、姿を消しています(^^;; これにはちょっと焦りました。それこそ必死で探索していると、樹上からチラチラと黒い影が舞い降りてきて、撮影に手頃な葉上に止まり、すぐに開翅をしてくれました。以下、異なる角度からの構造色変化をアップします。
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D70、ISO=200, F14-1/100、-0.7EV、撮影時刻6時51分
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D70、ISO=200, F5-1/640、-0.7EV、撮影時刻:6時58分
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D70、ISO=200, F7.1-1/320、-0.7EV、撮影時刻:6時59分

 息を呑むような美しさに震えながら、シャッターを切りました。極めてフレンドリーに至近距離からの撮影に付き合ってくれた♂に乾杯です。翅全体が光り輝くのは、やはり1枚目の斜め前方、やや上から見込む角度がベストのようです。ただ、3枚目のようにメタリックグリーンに輝き始める角度も捨て難いです。とにかく、銀塩時代を通じて、ミドリシジミ♂開翅は初体験。十分に堪能することができました。この後、別のハンノキ群落に出向き、ややロングショットでも撮影。
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D70、ISO=400, F3.2-1/800、-0.7EV、撮影時刻:7時57分

遠目から見込むサファイアブルーもとびきり綺麗ですね!所用で午前中には切り上げたため、卍飛翔撮影は次回以降の課題になりました。実はこの日、ミドリシジミ撮影を終えた後、丁度、別の緑系ゼフのテリ張り時間帯だったので、その探索もしてみました。その話は次回にアップします。(続く)
by fanseab | 2008-06-16 22:33 | | Comments(21)

ミズイロオナガシジミ等(6月11日)

 ようやく週の半ばに年休が取れたので、多摩丘陵の谷戸に直行です。本日のターゲットはミドリシジミ。と言っても初めてのポイントなので、まずは「美味しそうな」ハンノキ群落の調査。まずまずのポイントを見出しましたが、残念ながら成虫は未発生の様子でした。幼虫が作る「餃子?」も発見できず。おまけに沼地で足を取られ転倒、ズボンとカメラリュックが泥だらけに(^^;; 湿地の撮影は苦労します。

 泥で濡れたズボンを乾かす目的で暫く谷戸の脇のコナラ林を探索すると、もう一つのターゲット、ミズイロオナガシジミを発見。
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GX100@5.1mm、ISO=80, F7.2-1/25、-1.0EV、撮影時刻:6時01分

 止まっているのはコナラ林に隣接するキャベツ畑のキャベツの葉です。反対側から90mmマクロでも。
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D70、ISO=200, F4.5-1/320、-0.7EV、撮影時刻:6時44分

 どうやら右前翅の一部は微妙な羽化不全の様子です。関東エリアで、デジ一によるミズイロオナガ撮影は今回が初めて。素直に嬉しかったです。ミズイロオナガはいずれも新鮮、かつ個体数が多かったので、斑紋のバリエーション狙いをしてみることに。と言ってもさほど意外性のあるものは無く、↑の個体よりもチョッピリ前翅外縁部がくっきりして黒条紋が太い子をアップします。
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D70、ISO=200, F5.6-1/400、-0.7EV、撮影時刻:8時57分

 結局、この日、ミズイロオナガ以外にゼフは坊主。ウラゴが絶対にいそうな環境なのにいないし、アカやウラナミアカも全くいないのも不思議でした。さて、ゼフを除いて本日最も綺麗だなぁ~と思ったのがルリシジミ♂。丁度、第2化の走りなのでしょう、とびきり新鮮なブルーが楽しめました。その「突き抜けるような明るいブルー」を飛翔で何とか表現できないか? 暫く吸水に来たルリシジミを追跡してみました。
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D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=800, F5.6-1/1600、-2.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8時15分
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D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=800, F8-1/1600、-2.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8時17分
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D40-1855@18mm(ノートリ)、ISO=800, F8-1/2000、-2.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8時35分
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D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=800, F7.1-1/2000、-2.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8時36分

 1枚目は翅表と裏面を同時に写しこんだ絵。これ相当に歩留まり悪いです。ルリシジミの場合、むしろ翅表が写しこめるシーンの歩留まりが高いようです。2枚目はこの日のベストショット。ほぼ見たままの「明るいブルー」が表現できて満足しています。3枚目はノートリでの情景描写。湿った黒い農道にルリシジミのブルーが本当に鮮やかでした。最後はアクロバチックなヒトコマ。翅を打ち下ろした瞬間を後方から撮影したコマ。垂直下方に翅を極限まで打ち下ろしていることがわかります。

 雨も降らず、薄日が射す絶好の撮影日和で谷戸の自然を満喫できた半日でした。次回は何とかミドリシジミの成虫を写したいものです。
by fanseab | 2008-06-11 23:04 | | Comments(14)

多摩川お散歩撮影(6月8日)

 近所でお気楽撮影です。この日はドンヨリと曇って典型的な梅雨空。先ずは5/18に発見したヒオドシチョウ幼虫のその後をチェック。既に蛹になっているタイミングでしたが、エノキ周辺を捜索したにも拘らず、坊主(^^;; やはり継続観察するには間が空きすぎたことを反省。寄生率が高いので全滅の可能性もあります。

 草地を歩いてみました。 5/18には沸くように群れていたヒメウラナミジャノメの姿も殆どありません。草叢から飛び立った茶色のジャノメはヒメジャノメ♀でした。少しスレ品ですが、ここは丁寧に撮影。
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D70、ISO=400, F3.8-1/500、-0.7EV、撮影時刻:8時56分

 ややあって、チラチラと開く気配。かなりこちらの動きに敏感で、開きそうになって、慌ててファインダーを覗き込むと、その僅かな動きを察知して翅を閉じてしまいます。ならば・・・と、ファインダーを覗きっぱなしで待機することに。この作戦が成功して開翅シーンをゲット。
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D70、ISO=400, F8-1/125、撮影時刻:9時04分

 開翅はやはりもう少し完品のほうがいいですね。続いて飛翔にもトライ。偶然、歩行者が背景に入ってお気に入りの絵になりました。
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D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=800, F8-1/1600、-2.0EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時21分

 この日、驚いたのはモンシロチョウの個体数の多さ。恐らく河川工事の影響で、食草であるアブラナ科植物が大量に繁茂したのが原因と睨んでいます。管理人が過去にあまり経験のない数です。で、モンシロチョウの飛翔に拘って撮影することに。
 ところで、モンシロの飛翔をトライされた方なら、経験がおありでしょうが、これ、意外と難物です。飛翔スピードは楽勝で緩いのだけれど、白トビし易いので、モンシロチョウの微妙なグラデーションが吹っ飛んでしまうからです。特にストロボ照射を基本撮影スタイルとする管理人にとって、「白トビさせずにストロボ併用でモンシロを綺麗に撮る」のは課題でもありました。今日はおまけに曇り空。挑戦するには願ってもない悪条件です(笑) 悪戦苦闘して得られた3枚を貼ります。
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D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=800, F18-1/1600、-2.0EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時35分
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D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=800, F14-1/1600、-2.0EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時57分
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D40-1855@18mm(ノートリ)、ISO=800, F8-1/1600、-2.0EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時17分

 一枚目は熱心に吸蜜していたネズミモチの梢をバックにもつれあうモンシロ2頭とスジグロ1頭の絡み。偶然3頭が密に重なり、面白い絵になりました。2枚目は2頭の絡み。左手前の個体はギリギリ白トビしないで撮れました。曇り空で空をバックに写すのはかなり難易度高いです。3枚目はこの日のベストショット。外部ストロボ照射量を極限まで絞った効果で、何とかモンシロ裏面のディテールが綺麗に出ました。いつもノートリでこんな調子で切り取れればいいのですが・・・。

 さて、この日、驚いたのは次の場面。
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D40-1855@18mm、ISO=800, F4-1/1600、-2.0EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:9時45分

 なんと、サトキマダラヒカゲがネズミモチで吸蜜していた(※)のです!サトキマは通常樹液か獣糞等での吸汁が基本スタイル。管理人が花からの吸蜜を確認したのはこれが初めてです。90mmマクロに切り替えようと準備した瞬間、逃げられました。まあ、証拠写真で良しとしましょう。近場の散歩でもいろいろと新しい発見があるものです。

<※6/10追記>
↑の画像では本当に吸蜜しているか?不明瞭なので、ストロー部分が明確になるようにトリミング画像を追加記載します。これで確実に吸蜜していることが理解できると思います。

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by fanseab | 2008-06-09 21:47 | | Comments(10)

ダイミョウセセリの産卵行動:Part2(6月1日)

 ウラゴを撮影した当日、5/24に引き続き再びダイミョウの産卵を目撃・撮影することができました。以下はその連続画像。腹端部の動きを明確にするため、トリミング後、組み写真としました。
f0090680_22123169.jpg
<共通撮影データ>>D70、ISO=400, F9-1/640~1/1000、-0.7EV、撮影時刻:左上→右上→左下→右下の順で、各々10時34分49.9秒、51.9秒、53.9秒、58.7秒

 ピンボケ画像についてはご容赦ください。産卵継続時間は8.8秒。前回記録:15sec.の約1/2でした。ただ、母蝶が腹端をグルグル回転させる隠蔽行動は一緒でした。↑の連続画像から微妙な腹端回転の様子がご理解できると思います。愛読ブログ、「蝶と山・てくてく写日記」のBさんの記事では「5秒未満で産卵は完了した」とコメントされています。もう少しブログ仲間の観察事例を増やして、平均的な産卵継続時間を割り出したいものです。しかも、今回の♀は産卵時にベタッとした開翅ではなく、ほぼ翅を立てており、産卵姿勢も個体差があるようです。今回は産まれた卵を魚露目ではなく、90mmマクロで撮影しました。なお、隠蔽した毛が明確になるように撮影アングルを工夫しております。
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D70(トリミング)、ISO=200, F9-1/500、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時40分

 また、この日は、嬉しいことにキチョウの産卵シーンも撮影できました。
f0090680_22462750.jpg
D70、ISO=200, F9-1/1250、-1.0EV、撮影時刻:10時28分
f0090680_22464136.jpg
D70、ISO=200, F9-1/800、-1.0EV、撮影時刻:10時29分

 このシーン、管理人にとっては、ウラゴ開翅シーンよりも撮影できた喜びを感じました。これまでの経験から、キチョウの産卵シーンは意外と難しい感触を得ていたからです。特にネムノキの葉は微妙にカールしていたり、相互の葉が交差していて母蝶の腹端を隠します。その結果、産卵シーンらしい画像歩留まりが低下するのですね。
by fanseab | 2008-06-05 22:48 | | Comments(20)

ウラゴマダラシジミ(6月1日)

 本日(6/2)、関東も梅雨入り。しかし、昨日の関東はムチャエエ天気でした。先週訪れた谷戸はスキップしてウラゴが確実に見られそうな神奈川県南部のポイントにでかけました。

 フィールドで真っ先に登場したのは、新鮮なテングチョウ。
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D70、ISO=200, F3.5-1/3200、-0.7EV、撮影時刻:7時48分

 テングは越冬明け個体以外、きちんと撮影していないので、丁寧に撮影しました。いかにも眠たそうな癒し系キャラのテング複眼は管理人の密かなお気に入りです(^^)

 ウラゴを求めて歩いていると、木陰にオレンジの影が。本年初見のアカシジミ。
f0090680_22475710.jpg
D70、ISO=500, F5-1/320、-0.7EV、撮影時刻:8時03分

 かなりのオンボロ個体ですが、久しぶりに見るアカシジミのオレンジは鮮烈ですね!その後、ダイコン?の花に小さなモンシロチョウがまとわりついているのを発見。「えらく黒い個体やなぁ~」と近づいて確認してみると、何と吸蜜していたのはウラゴでした!
f0090680_22482136.jpg
D70、ISO=200, F5-1/500、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時11分

 これまたかなりのスレ個体はともかく、幸先の良いスタートです。しかしこの場面、風が強く撮影は苦労しました。このポイント付近でウラゴを数頭確認できましたが、枝を揺らすと結構高い梢の先に飛んでいってしまいました。またウロチョロ探索をしていると、木陰からヨロヨロ飛び出したのはカラスアゲハの♀。ガマズミの葉上で開翅日光浴を始めました。枝をそっと左手で手繰り寄せ、右手一本で撮影。
f0090680_2248546.jpg
D70、ISO=200, F8-1/500、-1.0EV、撮影時刻:8時21分

 いつみても国産アキリデスの螺鈿細工は綺麗だと思います。

 その後、さきほどウラゴが逃げたと思しき地点を藪漕ぎ追跡していたら、オレンジが飛び出しました。超新鮮なアカシジミ。
f0090680_22491210.jpg
D70、ISO=200, F14-1/200、-0.7EV、撮影時刻:8時31分

 なかなか敏感で接近戦に持ち込めません。さて、本命であるウラゴの新鮮な個体はどこにおるんかいなぁと半分諦めながら、湿地の脇を通り抜けた時、木陰からこれまでで一番フレッシュな子が登場。撮影に好適な低い葉上に止まりました。暫く観察しているとシジミ独特のモジモジモードを始め、待望の開翅シーンが撮れました!。
f0090680_22494183.jpg
D70、ISO=500, F5.6-1/500、-0.7EV、撮影時刻:9時32分

 木陰で絞り込めないので苦労します。少し体が温まったのか?日向に移動して再度開翅してくれました。
f0090680_22495875.jpg
D70、ISO=200, F8-1/250、-0.7EV、撮影時刻:9時35分

 ちとピンが甘いです(^^;; そのうち、完全に体が温まると、翅を閉じ、高い梢の上に移動しました。管理人はこれまでウラゴとの相性が悪く、デジ一できちんと撮影するチャンスがありませんでしたが、何とかこの日の目論見をクリアーして満足することができました。

 撤収準備で帰ろかな・・・と思ってる時、葉陰からデカいシロチョウが飛び出しました。何かと思ったら、やはりコイツでした。
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D70S-VR84@300mm、ISO=400, F9-1/500、-0.7EV、撮影時刻:11時02分

 管理人は今シーズン、アカボシの越冬幼虫観察を続けてきましたが、成虫を目撃するのはこれが初体験。樹間を漂う様はまるでオオゴマダラですね。当然、いるだろうとは予想していましたが、やはり違和感あります。アカボシゴマダラは原産地中国で本来里山の蝶。ウラゴが棲んでいるような環境は彼らにとっても安住の地なのでしょう。完全に定着しているなぁ~との実感を強くしたのでした。
by fanseab | 2008-06-02 22:53 | | Comments(10)