探蝶逍遥記

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北ボルネオ・キナバル遠征記:(4)アンフリサスキシタアゲハ

 毎回、東南アジア遠征で期待するのがキシタアゲハグループ(Troides属)の撮影。しかし目論見通り、撮影できたためしがありません。今回の遠征地ボルネオには固有種ボルネオキシタ(T.andromache)、少し分布の広いミランダ(T. midranda)、広域分布種のヘレナ(T.helena)、アンフリサス(T.amphrysus)の4種を産します。どれかに巡り会えれば・・・との思いで探索してみました。しかし、予想通りというか、高標高地の公園本部付近では全く坊主。標高を下げたポーリン温泉付近で期待することに。

 ポーリン温泉に到着した初日の朝、ジャングル脇の林道上をフワフワ飛ぶキシタ♂(種名は不明)を発見。心臓が高鳴りますが、いつも通り吸蜜もせずに飛び去り全く撮影のチャンスは無し。引き続き♀にも遭遇しますが、♂同様に「じゃあ、またね~♪」ってなノリで飛び去って行きました(涙)。
 そして最終日(5/3)。正午前から昼食抜きでジャングルの林縁に待機し、彼らの影を追いました。14時には撤収する必要があり、残り時間はあと僅か。焦りが出てきます。そして12時過ぎ、待望の黄色い♂がジャングルの縁をパタパタと独特の飛翔で出現(蝶というよりはチョウトンボを思わせる飛翔モード)。
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D70(トリミング), ISO=640, F2.8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:5月3日、12時05分

 普段は相当な高所を飛び回る♂ですが、この個体は高さ2~3mのレベルを飛び、意外にも管理人の近くまで接近するので慌てました。30分ほど継続観察すると、どうやら探雌行動で一定の蝶道を周回飛行している様子。そこで一番距離感を合わせやすい90mmマクロを選択し、足場の良いポイントで待ち伏せすることにしました。この作戦がなんとか功を奏し、それなりの飛翔写真を撮影できました。帰国後、斑紋を検してようやくアンフリサスと判明した次第。
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D70(以下3枚は全てノートリ), ISO=640, F18-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:5月3日、13時02分
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D70, ISO=640, F18-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:5月3日、13時02分
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D70, ISO=640, F3-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:5月3日、13時04分

 2枚目はあまりにも接近したため、画面から外れそうな迫力で大慌て。ただキシタの飛翔は緩やかなので、レンズを覗きながらの追尾合焦が可能でした。4枚目はこちらに向かってくる場面。背景左に竹林が写しこまれています。撮影地ポーリン温泉の「ポーリン」は現地語で「竹」。この撮影地に相応しい絵が切り取れたのでラッキーでした。まだまだ不満が残る写真ですが、これまでのキシタ系♂飛翔画像としては最もピントが来ていて遠征した甲斐がありました。今回、キシタの飛翔ポイントが判明したので、是非リベンジをしたいと思っています。チャンスがあれば、やはり広角で青空をバックにした吸蜜シーンを狙いたいですね(次回に続く)。
by fanseab | 2008-05-29 22:09 | | Comments(6)

ダイミョウセセリの産卵行動他(5月24日)

 そろそろゼフの季節。ウラゴやミドリシジミの棲んでいそうな谷戸や湿地を求めて神奈川県北西部を探ってきました。結局、一箇所だけ発見。地図で目星をつけていても、現地に行くと宅地に化けていたりして、意外と「美味しそうな谷戸」は見つからないものですね。

 天気予報に反し、晴間も覗いた午前中、谷戸の脇でダイミョウセセリがテリ張りの真っ最中でした。新鮮な♂を追っていると、翅を立てて監視する姿を発見。
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D70、ISO=200, F7.1-1/320、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時37分

 まるでボクサーが「かかってこい!」と相手を挑発するように前脚を引き上げているポーズは迫力があります。テリ張り中のゼフ♂を彷彿とさせるポーズです。♂とは別に下草を一定の高さでゆっくりと飛翔する個体を発見。追跡するとヤマノイモで産卵を始めました! 
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D40-1855@55mm、ISO=800, F5.6-1/2500、-2.0EV、撮影時刻:11時29分

 すぐに産卵が終わるだろう・・・と思っていると、意外や意外、じっとしています。よく見ると、母蝶は腹端を大きく回転させています。かなり長時間この行動を取ってから、飛びたちました。産まれた卵を確認すると・・・
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D40-1855@55mm-gy8、ISO=1600, F32-1/160、-2.0EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:11時44分

 そうでした!産んだ卵の外側を細かい毛でカムフラージュしています。母蝶は腹端の毛をなぞって擦り付ける行為をしていたのでしょう。デジカメのEXIFデータから読み取ると、産卵に要した時間は約15秒。その大半を隠蔽作業に費やしていたものと思われます。アカシジミ♀の隠蔽行動を思い出しました。

 卵と言えば、ヒコバエのようなネムノキの葉にもキチョウ(キタキチョウ)の卵がついておりました。
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D40-1855@55mm-gy8、ISO=1600, F32-1/100、-2.0EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:11時20分

 3卵確認できますね。また小さなエノキの株が丸坊主状態なので、検すると、犯人?はテングチョウの幼虫。
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D70、ISO=200, F8-1/320、-0.7EV、撮影時刻:10時54分

 撮影で株が揺すられると、頭を持ち上げた威嚇ポーズに入ります。このあたり、ゴマダラやツマベニ幼虫と同じ行動ですね。
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D70、ISO=200, F3.5-1/800、-0.3EV、撮影時刻:10時58分

 結局ウラゴ成虫を見るにはちと、フライングだったようです。では蛹でも・・・と、イボタの葉を検すると、いたのはアブ?の幼虫のみ。このポイントにウラゴはいるのかな?一方、ハンノキはこのポイントには生えておらず、さらに湿地探索が必要だと悟りました。正午前に雨が降り出したので撤収。今日は管理人初体験のダイミョウ産卵に立ち会えたのが収穫でした。
by fanseab | 2008-05-26 23:03 | | Comments(12)

北ボルネオ・キナバル遠征記:(3)キナバルオナガタイマイ

 一口にGraphium属といっても細分化すると数属に分かれます。このうち、我々日本人にとって最も魅力的なのが、国内には生息していないPathysa亜属(オナガタイマイグループ)でしょう。文字通り尾が長く、優美で、いかにも珍品の香りが漂い、蝶屋を狂わせるのです。さて、ボルネオには固有のPathysa、キナバルオナガタイマイ(G. stratiotes)を産しており、当然、今回遠征の最大のターゲットとしたのです。キナバルミカドを撮影した初日(4/29)、一瞬ですが姿を現しました。最初は「やけに白っぽいツマベニチョウが降りてきたな・・・」との印象でアゲハとは全く想像できませんでした。
その時はキナバルミカドの撮影に集中していたので、この「シロチョウ」は軽くうっちゃっておこう・・・との軽い気持ちで眺めていたのですが、目の前を横切った前翅の斑紋を見た瞬間、「stratiotesだ!」と叫び心臓パクパク状態に。しかしつれなくあっという間に樹間に消えていきました。

 キナバル公園本部に滞在中、天候には泣かされました。朝方は通常曇りか小雨。晴間が覗くのは午前10時~正午までの僅かな時間。キナバル山頂の奇岩群を望めるのは早朝に限定されます。
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D70, ISO=200, F5.6-1/125、+0.7EV、偏光フィルター、撮影時刻:5月2日、6時31分

 そして午後は雨。単なるスコールではなく、断続的に夜半まで降り続き蝶の撮影は不可能状態に。初日にキナバルオナガを目撃したものの、2日目は曇り勝ちで全く姿を現さず、焦燥感が募ります。そして3日目。この日も11時まで粘るも晴れ間は僅かで仕方なく第二ポイントへ移動しました。俄雨のため、そのまま宿舎に引き上げようとすると、ようやく晴間が広がりそうな気配。そこで、再度エビトラップを岩上に置き直して様子を見ることにしました。するとどうでしょう!トラップを撒いて僅か5分もしないうちにキナバルオナガが姿を現しました。彼を驚かさないように木陰に隠れ、様子を伺うと、一昨日に撒いたエビトラップを一瞬味見した後、すぐにそのトラップを離れ、先ほど撒いたばかりの新鮮なトラップから吸汁を始めました。10秒程待機してから最初は保険で400mmズームで遠目から押さえ、その後、90mmマクロで狙いました。慎重に露出条件設定を確認しながら、シャッターを連射。先ずは側面からストロボを当てた画像。
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D70, ISO=400, F5.6-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:5月1日、12時10分

 想像した通りの気品あるアゲハです。続いて半開した翅の斜め上からの画像。
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D70, ISO=500, F5.6-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:5月1日、12時11分

 白粉を塗ったようなシットリとした純白の表翅。後翅肛角部に配された口紅を連想させる艶かしい紅紋。このアゲハを求めてはるばるボルネオ参りをする蝶屋の気持ちが理解できる素晴らしさです。欲を言えば、もう少し絞り込んで、シャッター速度も速めにしたいとこですが、そこまで瞬時に検討する心の余裕がありませんでした。最後に広角にトライしようとした瞬間、気配を察知したのか、樹上高く舞い上がりジエンド。この間わずか4分間。至福の時間を味わうことができました。

 4-5日目はキナバル公園からポーリン温泉に移動して撮影を続けましたが、移動先で1頭確認しただけで、結局撮影できませんでした。一方、「シロチョウ」と誤認した当初、お気楽に撮影した飛翔画像中に何とか画面端ではあるけれど、ジャスピンに近い絵が切り取れていました。
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D40-1855@18mm, ISO=1600, F11-1/3200、-0.3EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:4月29日、11時32分

 この時、連射したコマは僅か7-8コマ。通常の飛翔歩留まりを考えると、画面に入ったのは奇跡的でした。それにしても、この場面では噂のパスト連射機能を持つ、「EX-F1があったらなぁ~」とつくづく思いました。また、90mmマクロで狙う前に400mmズームでも何とか飛翔を捉えていました。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F6.3-1/500、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:5月1日、12時08分

 2枚の飛翔画像からこのアゲハの尾状突起の長さがご理解頂けると思います。次回は、いつも撮影に苦労する大型アゲハとの格闘をご紹介しましょう。
by fanseab | 2008-05-24 20:03 | | Comments(20)

多摩川縁を歩く(5月18日)

 所用で遠征はできず、近場の多摩川で遊びました。草地に踏み込むと、ヒメウラナミジャノメの最盛期。そこで、これまであまり真剣に撮影しなかった、彼らの飛翔に拘ってみることに。♂の探雌行動は草地を縫うように飛び回ります。そこで、「草地を縫うような飛翔」を上手く表現することを本日のテーマにしました。

 飛翔スピードはのんびりしていますから、単に画面の中に入れるだけなら、難易度は低いです。ただし、イネ科を含めて垂直に伸びる茎が邪魔して、「茎被り」状態で翅が隠され、当然、歩留まりは落ちます。また、ボルネオで高速ストロボ条件設定に失敗した教訓を活かして、今回は外部ストロボの閃光速度を最大限に調整し、1/4000までのシャッター速度に対応させました。

 先ずは単独飛翔。
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D40-1855@18mm(ノートリ)、ISO=1600, F9-1/2500、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:10時15分 
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D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=1600, F13-1/2500、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:10時36分 
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D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=1600, F8-1/3200、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:11時06分

 1枚目は、管理人に追跡されて草地に潜り込む直前の場面。全般に開翅状態で撮影されたコマは少なく、殆どが閉翅状態であることに気がつきます。恐らくピョンピョン飛び跳ねるような独特な飛翔モードは翅を閉じた状態での保持時間が長く、閉翅状態での撮影確率が相対的に高いのでしょう。このあたり例のEX-F1の動画モードで確認したくなります。2枚目は閉翅での典型例。茎と茎の間にギリギリ被写体が収まった事例でもあります。わずかなタイムラグで葉被りを起こして没画像が沢山できてしまいます(^^;; 3枚目は翅を打ち下ろした時の翅の「しなり」状況がよくわかる事例。前翅がアーチ状に撓って、空気を抱き込んだ感じが出ています。競泳の達人は「水を掴む」ような表現をしますが、ヒメウラナミジャノメも「空気を掴む」感覚があるのかもしれません。

 個体数が多いと2頭の絡みもよく起きます。2枚共にトリミングしています。
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D40-1855@18mm、ISO=1600, F10-1/3200、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:11時05分 
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D40-1855@18mm、ISO=1600, F11-1/3200、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:11時09分 

 高速シャッターを切る作戦はまずまずの成果を挙げたと思います。昼頃になって、土手を歩いているとジャコウアゲハ♀も登場。これまた草地を縫うようにウマノスズクサを探索しておりました。
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D40-1855@18mm(ノートリ)、ISO=1600, F6.3-1/3200、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:11時54分

 ヒメウラナミジャノメを撮影した後ではジャコウがえらく巨大に感じます。また嬉しかったのは、ボロとは言え、ミヤマチャバネセセリを撮影できたこと。
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D40-1855@55mm、ISO=200, F5.6-1/4000、-1.0EV、撮影時刻:10時40分

 慌ててシャッター優先のまま撮影した失敗作ですが、証拠写真としては十分でしょう。さらにこの日の最大の収穫は↓の画像。
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D40-1855@19mm、ISO=400, F13-1/160、-2.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:9時39分

 群居したヒオドシチョウ幼虫です。管理人は当地で20年以上、観察を続けていますが、ヒオドシは成虫も含めて目撃事例はこれまでなく、発見した時は本当にビックリしました。平地での記録があるとは言え、神奈川県ではもう少し標高を上げた地域に生息するものと思っておりました。画面中央の集団とは別に画面左下に別の集団も確認できます。ドアップにするとグロい絵になるので、控え目のアップ画像も貼りましょう。
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D70、ISO=400, F11-1/400、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時55分

 蝶屋を自認する管理人にとっても気持ち悪い眺めですね(^^;; 寄生率がかなり高いと聞いているので、果たして何頭が無事羽化することができるのでしょうか?蛹化直前、終齢幼虫がエノキの幹を一斉に降りる行動も含め、様子を見守りたいと思います。
by fanseab | 2008-05-19 23:05 | | Comments(14)

北ボルネオ・キナバル遠征記:(2)キナバルミカドアゲハ

 公園本部は標高約1600mにあるので、熱帯と言えども、気温はそれほど高くありません。それでも日差しの不足する沢沿いの林道は湿度でかなり蒸します。
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GX100

 暗い林道脇にタテハ(ジャノメ)目的のトラップを仕掛けながら、ポイントになりそうな沢の出合を探します。滑りやすい崖を下ってやっと「美味しそうな」ポイントを発見、ここで粘ることに。撮影し易い岩を選んで、「お供え物」のトラップ類を置き、「神様達」のご降臨を待ちます。10時過ぎにチャイロフタオチョウ(Charaxes bernardus)が真っ先に降りてきてくれました。管理人にとっては既に見慣れたタテハなのでパス。目的のGraphiumをひたすら待ちます。そうしてやっと1頭のGraphiumがトラップへ舞い降りてくれました!狙っていたキナバル山周辺の固有種、キナバルミカドアゲハ(Graphium procles)でした。
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D70, ISO=200, F6.3-1/500、内蔵ストロボ、撮影時刻:4月29日、12時20分

 通常のミカドアゲハ(G. doson)との斑紋差は、後翅裏面基部近くの小黒条紋に赤班(下図黄矢印の先の部分)を欠くこと。
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 それ以外はミカドそっくりです。この後2日間、比較的フレンドリーにトラップを訪問してくれ、被写体になってくれたこのアゲハには感謝です。魚眼で周囲の環境を写し込むとこんな感じ。
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D40-10.5, ISO=400, F11-1/25、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:5月1日、10時53分

 トラップが置いてある光景は不自然と思われる方もおられると思います。そこでこんな画像もご紹介しましょう。岩に生えた苔上での「吸水」シーン。
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D40-10.5, ISO=400, F7.1-1/25、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:4月30日、11時15分

 実はこの絵もトラップを使っているのです。『えっ、トラップはどこに置いてあるの?』と疑問に思われたかもしれません。種明かしをすると、管理人が自ら体内で調製した「液体トラップ(?)」を苔に散布しておいたのです。魚眼での超接近撮影では自製トラップの臭気に閉口しながらの難業苦行でもありました(^^;;

 一通り吸汁画像をゲットした後は、飛翔にトライ。先日購入したD40に広角ズームを装着し、ストロボ併用で高速シャッターを切る作戦。多量の無駄打ちが功を奏して? 迫力ある絵が切り取れました。
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D40-1855@18mm(ノートリ), ISO=1600, F10-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:4月29日、13時13分

 実は↑の絵、今回遠征で最もお気に入りの飛翔画像です。次点の飛翔画像はこちら。
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D40-1855@18mm(トリミング), ISO=1600, F6.3-1/3200、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:4月29日、13時13分

 表と裏面のバランスはこちらの絵の方がベストかもしれません。4/23付けの拙ブログでISO=1600&1/4000をストロボ併用で写し込む計画を披瀝したのですが、実は更に一工夫必要なことが現地で判明。多少条件を修正しての撮影でした。次回は今回遠征の大本命と言うべき、別のGraphiumをご紹介しましょう。
by fanseab | 2008-05-18 00:25 | | Comments(16)

北ボルネオ・キナバル遠征記:(1)プロローグ

 GWを利用してマレーシア領ボルネオ島・キナバル山麓に遠征してきました。なにぶんにも国内蝶のシーズン中ですので、ダラダラ連載になると思いますが、辛抱して最後までおつきあい頂けると有難いです。
 小生にとって、ボルネオは2002年に続き2度目の遠征。6年前は銀塩の時代でしたが、今回はデジ一3台、コンデジ1台の4台体制で乗り込みました。ターゲットとする蝶はキナバル山塊固有種の数々。昨年の南ベトナム遠征同様、今回もトラップ調達や現地までのアクセス顛末からご紹介することにしましょう。なおプロローグの記事画像は全てGX100での撮影です。

 4/28(月)、久しぶりの成田空港は意外に閑散としていました。今年のGWは休日の並びが悪いため、出国のピークが後ズレしたのでしょう。マレーシア航空・コタキナバル行き直行便:MH81は定刻通り、テイクオフ。現地まで6時間弱のフライトです。着陸態勢に入ってから左手に今回の目的地、キナバル山(標高4095m)のゴツゴツとした山容が見えてきました。
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撮影時刻:18時07分

 コタキナバル空港は改修中でゴミゴミしています。早速空港で両替。現地通貨1リンギット(以下RMと略)は約30円。タクシーチケット(20RM)を購入してネットで予約したダウンタウンの安ホテル(75RM)へ。チェックイン後、近くのセントラルマーケットへ直行。しかし、どうやら閉店状態。念のため行く前にホテルのおにいちゃんに「今の時刻(19時半過ぎ)でオープンしてるの?」と事前確認したのに・・・トホホです(^^;;
 しょうがないので、レストランで腹ごしらえ。旨そうな中華系の店に飛び込みます。ざっとメニューを見て注文したのが、下記の品々。
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撮影時刻:20時50分

 椎茸入り卵スープに海鮮焼きそば、それに鶏肉とパイナップルの炒め物。〆てRM21也。港町ですので海鮮焼きそばの具は旨いし、なにしろパイナップルの酸味が利いた鶏肉は最高でした!閉店準備をし始めたので、ホテルに戻り、再度受け付けのおねえちゃんにマーケットを聞くと、「セントラルマーケットは夕方5時半で終わりなの。遅くまで空いてるのは、こっち!」と親切に地図片手に教えてくれました。訪れたのはガイドブックにも記載されていない、セントラルマーケット西隣にある屋台市。現地の人達で大変な賑わいです。

 先ずは果物屋でパイナップルの調達。
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撮影時刻:21時43分

 お姉ちゃんに値段を聞くと、4RM。「高いから、3RMにまけろ」と交渉すると、「3RMならこっち」とかなり小ぶりのパインを示します。「じゃあ、さっきの3RM50でどうだい?」と再交渉。お姉ちゃんはNGのサイン。そこで「お姉ちゃん、とっても綺麗!(Anda, indah sekali)」とか覚えたてのマレー語をまくしたてて、ようやく3RM50で交渉成立。日本円にして120円のパイナップルを105円にする訳ですから、現地までの航空運賃を考えると時間の無駄と思われるでしょう。しかし管理人のマレー語発音検証や、あくまで旅の思い出の一つに大切なやり取りなのです。さらにランサッ(Langsat)も探すもこれは売っていないので諦めました。また、別の店でバナナ1房(↓写真左上の房)を2RMで確保。
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撮影時刻:21時49分

 通常はトラップ用にバナナは調達しませんが、今回は特別な目論見があるので、購入しました。お次はエビを求めて海産物コーナーへ。「こんなん食べれるんかいな?」と唸った熱帯魚然とした魚も売られています。
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撮影時刻:21時58分

 イカ刺しにしたら旨そうなイカは沢山売られているのに、何故か海老を売っている屋台が見つかりません。やっとのことで、1皿2RMのエビを確保。
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撮影時刻:21時54分

 ここのお兄ちゃんはしっかりしていて、値引きには一切応じませんでした。

 さて翌日(4/29)、タクシーを拾って東方郊外にある長距離バスターミナルへ。タクシーのドアを開けると、数人の客引きが一斉に管理人の袖を引っ張ります。そのうち「うちに来い!」と強引にバス会社のカードを渡されて引っ張り込まれたのが、「東馬快車」なるバス会社のチケットカウンター。
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共に撮影時刻:6時43分

 目的地のキナバル公園入り口までは、15RM。ところでこのバス会社を中国語と日本語のチャンポンで発音すると「トンマーカイシャ!」。「頓馬な会社だったらどうしよう・・・」等とくだらないことを考えているうちに定刻15分遅れの7時15分に出発。予想に反して(失礼!)、運転も穏やかで運行も正確でした。公園本部には8時50分着。早速本部受付でチェックイン。荷物を預け、いざ出発!天気も良く、キナバル山の眺めも最高です。
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撮影時刻:9時30分

 さて戦果は?これは次回以降のお楽しみということで・・・。
by fanseab | 2008-05-13 22:43 | | Comments(10)

アカボシゴマダラ幼生期の定点観察(4月27日~5月10日)

 昨年晩秋からの継続観察もいよいよ大詰めを迎えました。4/12以降、久しぶりにポイントを訪れると、ツツジが満開。さて、幼虫は?と探してみるものの、姿がありません。さては蛹化したか?とその姿を探索するもこれまた坊主。そんなはずはないが・・・と必死に探した結果、ようやく蛹を発見できました。アカボシ(個体識別No.13)、ゴマダラ(同No.21?)の蛹画像です(撮影はいずれも4/27)。
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D70、ISO=200, F3.5-1/160、-0.3EV、内蔵ストロボ
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D70、ISO=200, F5-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ

 アカボシは幼虫の色彩同様に、斜帯状の濃淡模様を有しており、腹部のギザギザ感が顕著なのが特徴。これに対し、ゴマダラは薄緑一色のあっさりとした外観です。体長はアカボシ:40mm、ゴマダラ:30mmでアカボシが一回り大きいですが(↑の画像は縮尺は合致させていません)、恐らくこのアカボシ個体は♀だと思われます。他のアカボシ蛹を検する限りでは概ね35mmでゴマダラよりは5mmほど大きい感じ。

 いずれの蛹も地上高50cm前後に位置し、ほぼ直射日光の当たらない茂みの奥ですので、探索に苦労しました。幼虫もそうですが、蛹になると更に上手くエノキの葉に擬態しているものです。特にアカボシ蛹の擬態は絶妙です。さて、歩道脇植栽のツツジの枝を払いながら、頭をエノキに突っ込んでの探索は傍から見たら相当奇異に感じられたことでしょう。いつもの撮影以上に通行人の冷たい視線に晒されての探索活動でした。
 結局、4/27に発見できた蛹はアカボシ3頭、ゴマダラ1頭に留まりました。一方、幼虫はただ1頭、アカボシ終齢幼虫(個体識別No.7?)を発見。一生懸命摂食中でした。
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D70、ISO=200, F5.6-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ

 これ以外の幼虫も恐らくこの時点ですべて蛹化したものと推測されます。それからGWをはさんで5/6に再度ポイントを訪れると、かなりの数の羽化殻を発見(羽化殻は目立つので発見は容易)。↑で図示したアカボシ、ゴマダラ各個体の羽化殻です。
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D70、ISO=400, F5.6-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ
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GX100@5.1mm、ISO=80, F9.1-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ

 いずれもGW中に羽化したものと思われます。次にアカボシの未羽化蛹(個体No.9)と羽化殻(同25)のツーショットをgyoromeでご紹介しましょう。
f0090680_14564978.jpg
D40-1855@55mm-gy8、ISO=1600, F32-1/100、-3.0EV、外部ストロボ、調光補正1/4

 アカボシは普通エノキの葉裏や枝でのみ蛹化するものと思っていましたが、植え込みのツツジで蛹化している個体(No.12の羽化殻)も発見。
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D70、ISO=200, F6.3-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ(撮影5/6)

 最後にこのポイントで継続観察していた個体につき、現時点での総括をしておきましょう。観察個体はアカボシ全19頭、ゴマダラ全9頭。このうち、羽化殻を確認したのは、アカボシ11頭、ゴマダラ3頭。また未羽化蛹はアカボシ2頭で、残りは行方不明個体です。最大の観察注目点であったアカボシ/ゴマダラ共存エノキ株での挙動ですが、特段の競合関係になく、無事両者共に羽化したようです。越冬後の必須摂食量を供給可能なエノキ株では、両者が共存可能なのでしょう。

 また5/6には、妙にでかい未羽化の蛹を発見。4/27の観察時点で幼虫だった個体識別No.7?です。
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D70、ISO=200, F11-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ

 良く見ると、腹部の付け根が異常に引き伸ばされた蛹化不全個体であることがわかります。恐らく無事羽化することは不可能でしょう。この蛹化不全が寄生に起因するものか?はもう暫く様子を見て結論つけようと思います。残念ながら、4/28-5/5まで所用でこのポイントを訪れる機会がなかったので羽化シーンは撮影できませんでした。こちらは唯一未羽化の個体No.2か、あるいは第2化以降のチャンスにトライしたいと思っています。一方、5/6は成虫の姿を求めて近所をウロチョロ探索しましたが、坊主でした。いったいどこに飛び去ったのでしょうか?
by fanseab | 2008-05-10 15:04 | | Comments(10)