探蝶逍遥記

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ISO=1600で飛翔にトライ(4月23日)

 奇跡的にウイークデー年休が取れたので、ギンイチ狙いで近くの多摩川を探索してみました。10年以上観察を続けたポイントは徹底的な河川工事で消滅し、仕方なく別のポイント開拓の意味もあります。ススキに似たオギの群落を2時間以上歩き回ったのですが、坊主でした。昨年夏に確認した第3化♂がこの地域での最後の個体でなければいいのですが・・・・。

 ちょっとホッとしたのは、ミヤマチャバネセセリが健在だったこと。ただ、証拠写真を写すのには失敗。かなりスレ個体でしたので、例年よりも発生状況が早いと推察しました。しかしミヤマチャバネの確認個体も1頭のみ。こちらも風前の灯かもしれません。

 ただ本日の目的は実はもう一つあって、新規に導入したD40の高感度特性を確認することでした。N社デジ一眼がライバルのC社品に対して劣る最大の欠点は、高感度域でノイズが盛大に?発生することでした。ところが、最近発売のD3で、画像素子をようやくCCDから高性能CMOSセンサーに変更したことにより、巷のブログを見る限り、ISO=32000(3200ではありません!)が使用可能で、常用4000!という途方もない性能を叩き出しています。一方、APSサイズCCDのフラッグシップ機:D300は管理人がサービスセンターで試用した限りはD200からの進歩はさほど劇的ではなく、購入を見送りました。そこで高感度域のコストパーフォマンスに注目したのがエントリーモデルのD40です。

 D40はこれもネットの世界で見る限り、D300と同等、あるいはこれを凌駕する高感度ノイズ特性を有しているらしいので、思い切ってD40を購入したのです。ボディはとにかく軽いし、小さい。その上、ちゃんとLCDモニターは2.5インチとでかく、N社一眼らしく、内蔵ストロボもマニュアル設定ができる凝った造りであることが嬉しい点です。D40のISO感度は200-3200で、常用感度の最高は1600です。そこで今回はISO=1600で飛翔にトライしました。というかシャッター速度を1/3200とか1/4000を切って、さらにF値を10以上に絞りこんで被写界深度を稼ぐためには、必然的にISO=1600クラスが必要だからです。使用したレンズは今年から導入した18-55mmズームです。

 先ずは、モンシロチョウ。
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D40-1855@24mm(トリミング)、ISO=1600, F14-1/3200、-1.0EV

 1/3200で切ると、1/1000のレベルよりも明らかに「翅の動きが止まって」写っている感覚が強いですね。ノイズレベルはこれまで常用していたD70(D70S)での実用最高感度ISO=640と同等で「問題なく、使えるな!」って感じです。お次は、ベニシジミ。
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D40-1855@26mm(ノートリ)、ISO=1600, F13-1/3200、-1.0EV

 枯れたオギの茎をバックにした、この絵の雰囲気は結構気に入ってます。被写体がギンイチなら最高だったのになぁ(^^;;

 ついでにこのズームレンズの望遠端55mmでベニシジミ訪花シーンの作例。
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D40-1855@55mm、ISO=1600, F5.6-1/3200

 このような極普通のマクロ画像でも何とかISO=1600が使えそうで、D40の実力が確認できました。白い花と暗色系翅の組合せでも諧調に破綻がありません。一方、18-55mmズームはそこそこの解像度がありますが、タムロン90mmと比較するとさすがにボロが出ますね(^^)

 今回はノンストロボで飛翔にトライしてみました。実はD40のもう一つの魅力は「ストロボ同調速度が1/4000sec.まで伸びる」点なのです。この性能はN社デジ一でも最高の性能(つまり全メーカーを含めて世界最高性能)なのです。ストロボ併用の作例については、また日を改めてご紹介したいと思います。
by fanseab | 2008-04-23 22:59 | | Comments(8)

Hestina属幼虫の定点観察(4月12日)

 前回観察から2週間後の状況を確認しました。先ずは最も小サイズで越冬した個体識別No.5はやっと脱皮して背面が赤い4齢に変化していました(体長25mm)。
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D70、ISO=200, F4-1/400、-0.3EV、撮影時刻11時39分

 幼虫頭部右上の若葉に摂食跡が確認できます。既に脱皮を終えたグループに目を転じると、脱皮後から摂食量が増えたようで、丸々と太った幼虫に変化していました。まずは、ゴマダラチョウ(個体識別No.28:体長33mm)。
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D70、ISO=200, F5.6-1/800、-0.7EV、撮影時刻10時01分

 背面中央の濃褐色線が消失し、全体に緑色ベッタリの感じになりました。背面突起が赤褐色を帯びるのが特徴です。お次は、アカボシゴマダラ(個体識別No.13:体長48mm)。
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D70、ISO=200, F9-1/250、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻9時39分

 こうしてゴマダラ、アカボシ両幼虫(共に4齢?)を側面から比較すると、アカボシの緑と白の斜帯状紋がくっきりとしていることが分かります。またアカボシの背面突起はゴマダラほど目立ちません。全般にアカボシの方が、エノキの若葉に上手く紛れているような気がします。

 アカボシとゴマダラ幼虫の同定区別ポイントの一つに尾端の形状があることを既に拙ブログで解説しました。しかし、脱皮後の幼虫では、意外と両者が似た形状を示すものがあって、管理人を困らせました。ここで脱皮後幼虫の尾端を比較して図示しましょう。
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D70(トリミング+画像処理)

 一般的なアカボシの尾端は(1)タイプAのように2本の細い突起が融合するような形で、やや太めの突起が開裂する(3)ゴマダラとは明確に区別できます。ところが、アカボシには(2)タイプBのように両幼虫の中間型を示す個体がいたので、管理人を混乱させたのです。まあ、尾端だけでなく、↑で述べた幼虫側面の模様等を総合的に判断すると、この時期の幼虫の同定区別は比較的容易です。

 さて、今度は正面から幼虫の顔をアップで覗いて比較してみたいと思い、魚露目で嫌がる幼虫をなだめすかして?撮影してみました
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D40-1855-gy8(トリミング+画像処理)

 なんか眠たそうですね(^^) 一番の特徴は頭部の突起にあり、アカボシが緑色一色なのに対し、ゴマダラは基部から途中までが赤褐色を帯びていることです。つまり頭部突起の色調でも両者を区別可能なのです。さらに突起といえば、背面突起にも大きな特徴があることを見出しました。ゴマダラが赤褐色を帯びるのに対し、アカボシの突起は不明確ですが、拡大してみるとブルーの小突起の集合体であることがわかります。
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D70、ISO=500, F9-1/1000、-0.7EV、撮影時刻11時32分

 今回の撮影も通りがかりの人の冷たい視線との戦いでした(笑) 最後に魚露目でちょっぴりシュールな画像をご紹介しておきましょう。
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D40-1855-gy8、ISO=400, F32-1/80、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻11時04分

 『ママチャリに乗った、そこのお母さん!ボヤボヤしているとアカボシ幼虫に刺されますよ!』
by fanseab | 2008-04-13 15:51 | | Comments(10)

神奈川ギフとの再会:PartⅡ(4月5日)

 交尾のお次は、飛翔にトライ。しかし歩留まりは低く、90mmマクロで唯一雰囲気のある絵が撮れました。
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D70(トリミング)、ISO=500, F4.5-1/1600、-0.7EV、撮影時刻:9時55分

 ↑の個体は交尾画像でご紹介した♂でしたが、もう1頭の♂を狙っていると、別の個体が絡みました。さてはもう1ペアできるのか?と絡んだシーンを必死に撮影。
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D70、ISO=500, F7.1-1/1250、-0.3EV、撮影時刻:11時02分

 なんとPC上で確認するまで♂が追跡していたのがキアゲハとは気がつきませんでした。ギフがちょっぴり画面から消えたのは残念でした。次にミヤマセセリの飛翔にもチャレンジ。巷では、「パスト連射機能」なるデジカメが話題になっているので、ここは意地を張って、「人力パスト連射」で奮戦(笑) 
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D70S-1855@18mm(トリミング)、ISO=500, F6.3-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:9時52分
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D70S-1855@18mm(トリミング)、ISO=500, F7.1-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時58分

 昨年、外部ストロボ併用で1/500を切っても翅がブレていた 反省から1/1000に設定しましたが、それでもスピード不足のようで、もうちょい工夫が必要みたいです。ブッシュに潜り込む軌道が一定しているので、どこに行ったのか?確認してみると、モミジイチゴで吸蜜していました。
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D70S-1855@55mm、ISO=500, F9-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:11時17分

 この花との組み合わせは露出設定が難しいです。また陽だまりで日光浴している♀開翅も撮影。
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D70S-1855@32mm、ISO=500, F9-1/320、-0.7EV、撮影時刻:11時18分

 標準ズームレンズも結構便利だと思いました。解像度も満足すべきレベルです。シーズンの幕開け、交尾も撮れたし、まずは順調なスタートが切れてヤレヤレです。桜をめでる余裕もありました。
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D70、ISO=200, F2.8-1/2000、+0.3EV
by fanseab | 2008-04-09 22:39 | | Comments(18)

神奈川ギフとの再会:PartⅠ(4月5日)

 およそ、5年振りに地元、神奈川のギフ撮影に出撃です。既に関東のブログ仲間が素晴らしい画像をアップされており、ワクワクしながらポイントに向かいました。天気予報通り、晴れで微風の好コンディション。現地に7時10分過ぎに到着、スミレの吸蜜場所確認等、ロケハンを念入りに実施しました。キブシの花がシーズンの開幕を予感させてくれます。
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D70S-VR84@270mm、ISO=400, F6.3-1/500、-0.3EV

 そして午前9時過ぎ。ミヤマセセリが活動を開始。しかしギフはまだ現れません。ちょっと心配になりかけた9時40分頃、待望の1頭が飛び出しました。枯葉の上に止まったところをまず1枚。真正面からギフ君と再会のご挨拶です。
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D70、ISO=200, F7.1-1/1000、-0.7EV、撮影時刻9時59分

 毎シーズン、ギフのファーストショットはドキドキしながらシャッターを押しますね。余裕が出たところで定番の開翅シーン。
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D70、ISO=200, F7.1-1/1000、-0.7EV、撮影時刻10時04分

 ここまでは極めて順調です。開翅シーンを撮っているとファインダーにもう1頭が出現。「アッ」と思う間もなく、枯葉の上で2頭がもつれあい、電光石火の早業でペアが完成しました!思いもかけなかった交尾の瞬間に立ち会え心臓パクパク状態。それでは、この後、繰り広げられた愛の交歓風景を一挙に5パターンご紹介しましょう!
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GX100@5.1mm、ISO=80, F14-1/60、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻10時15分 
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D70、ISO=200, F8-1/160、+0.3EV、撮影時刻10時19分

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D70、ISO=320, F8-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻10時25分

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GX100@5.1mm、ISO=80, F5.7-1/330、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻10時31分 
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D70、ISO=400, F8-1/320、内蔵ストロボ、撮影時刻10時36分

 ギフの交尾シーンは銀塩時代、新潟で撮影経験があります。その時と同様、交尾ペアは相当に敏感で、ちょっとした振動ですぐに飛び立たれてしまいます。落ち着いて、愛を語りたかった彼らには申し訳ないことをしましたが、ブッシュの中を掻き分けての追跡も難行でありました。まあ、めったに無いチャンスでしたので、ラッキーとしか言いようがありません。個人的には、早春らしいヒョウタンボク?のピンクの花弁がバックに入った絵がお気に入りです。

 交尾シーンを思う存分撮影した後、スミレでの吸蜜シーンを期待したのですが、11時30分を境にパッタリと活動が途絶えたため、思い切って撤収しました。次回は、その他のトピックをご紹介しましょう(続く)。
by fanseab | 2008-04-06 22:17 | | Comments(18)