探蝶逍遥記

<   2008年 02月 ( 6 )   > この月の画像一覧

ホシミスジ蛹のミイラ(2月24日)

 日曜日(2/24)は、全国的に寒波が襲来したようで、阪神地方も最高気温5℃前後で震えあがっていました。前日シンポジウムに出席したこともあって、完全休養日にしようと思ってたんですが、晴間が覗くとじっとできない性分なので、出撃です。ターゲットはムラツ越冬集団の探索。ポイントは大阪府内の大きな公園。昨年の下見で有望と思われる地点に出向いてガッカリ。そこはフェンスが出来て、立ち入り禁止になっていました(^^;; しかたなく、公園内をウロチョロ探索しましたが、坊主。連敗記録更新です(笑)。

 そこで二番目のターゲット、ホシミスジの越冬巣探索にチャレンジ。小雪が時々舞う中、1時間半程度、ユキヤナギ群落を探索しましたが、これまた坊主。心の中まで寒くなりますね。折角ですので、2年前に同じ公園で撮影した越冬巣の画像を御紹介しましょう。
f0090680_21465973.jpg
R1@5.6mm, ISO=200, F5.9-1/203、-0.7EV、撮影:2006年1月22日

 ご覧の通り、2枚の枯葉を綴った粗末な巣で、小枝と葉柄を頑丈に吐糸して固定しているのが特徴です。巣を分解すると、恐ろしく小さい幼虫が潜んでいます。
f0090680_21471997.jpg
D70-SMZ(トリミング), ISO=200, F22-1/500、内蔵ストロボ、撮影:2006年1月22日

 老眼が進んだ管理人にとって、この分解作業は極めて難しかったことを思い出します。一応、持参したピンセットで丁寧に巣を分解しましたが、寒くて手がかじかんでいるため、相当に難儀しました。

 過去画像だけではつまらないので、面白いものをお目にかけましょう。夏場では発見が困難な蛹殻も、ユキヤナギの葉が落ちた冬場には、すぐに見つけることができました。
f0090680_2147488.jpg
D70-1855-gy8-X1.4TC、ISO=500, F22-1/80、+3.0EV、外部ストロボ、調光補正1/2、撮影時刻:13時05分
 
 風が強くて、被写体ブレ抑制に苦労。蛹殻の付いている草丈を観察すると、面白いことに気づきました。地面から30cm程度のかなり低い場所にあるものと、1m程度の高い位置についているグループに二分されることです。多化性のホシミスジですので、発生時期により、蛹化場所を変えるのかもしれません。蛹殻を探索していると、羽化しきれずに干乾びた「ミイラ状態」の蛹も数多く発見できました。
f0090680_21481244.jpg
D70-1855-gy8-X1.4TC、ISO=500, F32-1/80、+2.0EV、外部ストロボ、調光補正1/2、撮影時刻:12時59分

 小雪が散らつく冬空に虚しく揺れる「ミイラ」は哀れなものでした。さらに最も哀れな姿を晒していたのが次の個体。
f0090680_21483274.jpg
D70-1855-gy8-X1.4TC、ISO=500, F32-1/100、+4.0EV、外部ストロボ、調光補正1/2、撮影時刻:13時43分

 ご覧の通り、羽化直前の状態で死んでいます。前翅中室にある破線状の白斑群がリアルなだけに、彼(彼女?)の無念さは余りあるものだったと思います。当地のホシミスジは平地で発生する特異なもので、関東出身の管理人にとって、初めて見た時はビックリしたことを思い出します。温暖な平地故、最終化は11月下旬になることもあります。ひょっとすると、↑の個体、11月末頃、暖かさに誘われて「明日羽化するぞ~」って意気込んでみたものの、翌日晩秋の寒波襲来で朽ち果てた・・・・。そんな状況かもしれません。↑の画像の通り、ユキヤナギの新芽も膨らんで、春はもうすぐそこまでやって来ています。新しい世代が「ミイラ」達の上空を軽やかにグライダー滑空する日も近いことでしょう。

 ムラツやホシミスジ越冬幼虫探索の合間に野鳥も撮影しました。思いがけず近場に出現したシロハラ雄?(同定にチョッピリ自信なし)をゲット。
f0090680_2149791.jpg
D70S-VR84@400mm、ISO=640, F8-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時23分

 少し粘って木の根元から掘り出したドングリ?を嘴に入れた瞬間の画像も運良く切り取れました。
f0090680_21492498.jpg
D70S-VR84@400mm、ISO=640, F10-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時24分
 よく見ると、オレンジ色の細い舌を丸めて、餌を嚥下しようとする様子も伺えます。シロハラについては、これまでで最も接近戦(ノートリミング)で仕留めることができたので満足感一杯で帰宅しました。
by fanseab | 2008-02-26 21:52 | | Comments(18)

「加古川のチョウを守ろう」シンポジウム出席(2月23日)

 管理人もこよなく愛する東播磨の自然と蝶を保全するため、首題シンポジウムが開催されました。管理人は加古川に住んではいませんが、同じ兵庫県民の責務として、趣旨に大いに賛同し、このキックオフミーティングに出席しました。また、管理人は日本チョウ類保全協会会員であるものの、これまで積極的な活動をしていない「不良会員?」でしたので、少しはお役に立ちたいとの思いに駆られての参画でもあります。
 第1部の「報告」では、但馬の蝶・播磨の蝶の管理人・T氏より「加古川のチョウ」の演題で加古川市域に特有の地形・自然とそこに棲む蝶類の関わりについて、平易な解説がなされました。
f0090680_9555715.jpg

 さらに、加古川の里山・ギフチョウ・ネットの管理人・t氏より、加古川市内のギフチョウの生態・保全活動の紹介がありました。特に吸蜜源に関する詳細な観察事例について興味深い報告がなされました。
 続いて、第2部は「特別講演」で、(NPO法人)日本チョウ類保全協会のNさんより、「減り行く日本のチョウと保全活動」の演題で、日本全国の絶滅危惧種の実態・保全活動の明快なレビューがなされました。会場には、加古川市民の方を中心に多くの参加者が以上の報告を真剣に聞かれている姿が印象的でした。
f0090680_9562383.jpg

 以上を受けて、第3部は「全体討論」に移りました。テーマは「ヒメヒカゲ成虫調査」です。東播磨のシンボルとも言うべき、この可憐なヒカゲチョウの生息に関して、本格的な実態調査を本年からスタートさせるにあたり、その方法論について参加者全員による熱いフリートーキングがなされました。蝶屋さんでない虫屋さんから貴重な提言がなされる等、意義深いものになりました。
 閉会後は、お楽しみの懇親会。講演された講師の方や、地域の皆さんといろいろと面白い話が聞けて、楽しい一時を過ごしました。Tさん、tさん、Nさん他の皆様、シンポ運営お疲れ様でした。
f0090680_9564073.jpg

<読者の皆さんへのお願い> 管理人は長野・愛知でのヒメヒカゲ探索経験もありますので、ここ加古川周辺の里山環境に生息する個体群は本当に貴重な財産であることを実感しています。ユーラシア大陸をルーツに持つCoenonympha属(ヒメヒカゲグループ)が何故このような温暖な低標高地域で生き残ってきたのか?貴重な自然遺産である、この生き物を大切に見守っていきたいと思います。この蝶を求めて全国から採集者が押しかけていると聞いていますが、どうか採集自粛・節度ある行動を望むものです。
by fanseab | 2008-02-24 10:01 | | Comments(14)

アカボシゴマダラ越冬幼虫の定点観察(2月17日)

 川崎市北西部での継続観察レポートです。先ずは、最大サイズの個体識別No.15ですが、2/2の時点で、株底面の台座から行方不明になっています。
f0090680_23123515.jpg
GX100@5.1mm、ISO=80、F3.6-1/380、-0.7EV、撮影時刻:11時09分

 矢印が幼虫が静止していた場所。分かりにくい写真ですが、株を真上から見込んでいます。鳥による食害の可能性大です。その他の個体は特別変化はありません。樹上越冬の中では比較的高い位置で静止している識別No.9です。
f0090680_23125523.jpg
GX100@5.1mm、ISO=80、F5.1-1/42、-0.7EV、撮影時刻:11時31分
 
 お次は識別No.13。
f0090680_23131626.jpg
GX100@5.1mm、ISO=80、F5.1-1/125、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時36分

 こちらは寄生されている注目個体ですが、少し背面の体色が部分的に黒ずんできた気がします。一方、やや離れた日当たりの悪いポイントで越冬している個体識別No.3は体を真南に向けて静止しています。
f0090680_23133367.jpg
GX100-gy8、ISO=100、F12.6-1/40、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時28分
 
 gyoromeで撮影した↑の画像を処理している途中に、何と、もう1頭が同じ株で越冬していることに気が付きました。矢印の個体です。個体識別No.19とします。樹上越冬の擬態の巧みさに今まで騙されて気が付かなかったことになります(^^;; 
by fanseab | 2008-02-18 23:15 | | Comments(10)

独りぼっちになったムラサキシジミ(2月10日)

 昨日の近畿地方は大阪市内で11年振りの積雪5cm等、雪が降り続きました。1/13の記事で述べた3頭の様子がどうなっているか?本日出かけてみました。枯葉を覗いて見ると、2頭の姿が消え、1頭が寂しそうに枯葉に止まっていました。最近マイブームのgyoromeではなく、10.5mm対角魚眼で目一杯ムラシに接近。
f0090680_20492338.jpg
D70S-10.5、ISO=500、F14-1/125、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時04分

 魚露目画像に慣れてしまっているので、久しぶり対角魚眼を使うと標準レンズのように感じられます。それにしても、周辺までビシッと決まる10.5mmの解像力は素晴らしいと再認識。枯葉の下の地面を丹念に探索しましたが、ムラシの翅は落ちていませんでした。丸ごと野鳥の餌食にでもなったのでしょうか?何とか3頭生き残って欲しかったのですが・・・・・。

 次に90mmマクロで。
f0090680_20494189.jpg
D70S、ISO=500、F7.1-1/200、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時38分
 
 久しぶりに90mmマクロで撮ると、超望遠で撮影している感覚です(笑)更にコンデジのGX100にgyoromeを装着してもう一枚。
f0090680_2050354.jpg
GX100-gy8、ISO=100、F10-1/80、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時50分

 やはり焦点深度に余裕がありますね。なお、左奥の家の屋根に昨日の残雪が見えています。ついでに比較のために、デジ一装着のgyorome像もパチリ。超接近戦はgyoromeの真骨頂です。
f0090680_20502678.jpg
D70S-1855-gy8、ISO=400、F32-1/125、+0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:11時14分

 1頭しか残っていないので、4通りのレンズシステムで撮り比べてみました。皆さんはどの絵がお好みでしょうか?最後に残った1頭は春まで頑張れるか?もう暫く継続観察してみますね。
by fanseab | 2008-02-10 20:55 | | Comments(12)

レスキューソフトで画像が復活!

 前回の記事で誤ってコンパクトフラッシュ(CF)の画像データを廃棄した失敗談を書きました。早速、親切なブログ仲間から「レスキューソフトを使えばデータ復活できますよ~♪」との励ましのコメントを頂きました。そこで、コメントに従い、愛用しているS社のCFに付属していたレスキューソフト、「RescuePRO」をインストールして復活にトライし、何とか復元に成功しました。ただ復元率100%ではなく、何とか生き残ったファイルで「イタ昆で魚露コン:PartⅡ」を御紹介しましょう。

 最初はオオゴマダラ飛翔です。
f0090680_23194441.jpg
D70-1855-gy8、ISO=400、F20-1/100、-0.3EV、外部ストロボ、調光補正1/4

 ホウライカガミに産卵途中で撮影したシーンで、「わたしの赤ちゃん、元気に大きくなってね」と書かれた札とのツーショットでちょっぴり、寓話の世界ですね(^^)

 お次はリュウキュウムラサキ。
f0090680_2320914.jpg
D70-1855-gy8、ISO=400、F20-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/4

 このタテハは白斑周辺の紫色を白トビさせないのが難しいところ。限界に近いとこまで、接近できて何とか複眼の表情も写しこめました。

 あまり目立たないのがカバタテハ。一列に並んだ光景が面白いので斜線を意識した構図でパチリ。
f0090680_23225075.jpg
D70-1855-gy8、ISO=400、F14-1/100、-0.3EV、外部ストロボ、調光補正1/4

 温室ドームの屋根の構造と相俟って、ちょっとシュールな雰囲気が演出できました。右端の個体にピントを合わせても中央の個体はちょっと前ピンです。もうちょっと絞り込まねばなりません。しかし、カバタテハのような超地味~な蝶をなんで温室で飛ばしているか?不思議です。飼育が簡単なんでしょうけど、「ちょうちょ」を楽しむ一般の見学客にとっては、不思議な存在でしょうね。
 以下、蝶園を訪れた親子の想定問答です。

子供:「かあちゃん、ここに蛾がおるでぇ!」
母親:「ほんまや~!ドアの隙間から紛れこんだとちゃうか?」
子供:「蝶とちごうて、蛾は翅を開いてとまるんやね~?」
母親:「そんなん、どうでもええねん。ええかげん、蛾なんてほっとき!ほな、あっちいこか~。蝶園なんやから、子供の夢壊さんようにして欲しいわぁ・・・」

 この会話?を聞きつけたのか、当のカバタテハが再度登場。
f0090680_2323836.jpg
D70-1855-gy8、ISO=400、F18-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/4

 「わても蝶やでぇ~、なめんといて欲しいわぁ~」と管理人に眼つけられたようで。触角を触れんばかりのショットでした。しかしカバタテハ、何度見ても地味ですわ(笑)
by fanseab | 2008-02-07 23:26 | | Comments(10)

イタ昆で魚露コン?(1月26日)

 先週土曜日に訪れたイタ昆では、先日実施された昆虫の生態写真コンクール、「いたこんでフォトコン」の応募作品展示会が開催中でした(1/28で展示会は終了)。
f0090680_2135942.jpg
 温室がオープンする10時までじっくりと鑑賞させてもらいました。ブログ仲間の作品も含め皆さんのレベルが高いことに感心。写真に添えられたU野先生の優しいコメントも素晴らしいですね。さて、温室で飛翔撮影のトレーニングの後は、魚露目を装着して温室のスター達をドアップで狙いました。いずれ劣らぬ美男・美女達のフォト展覧会、ちょっとパクらせて頂き、「イタ昆で魚露コン」の始まりぃ~、始まりぃ~♪

 先ずはオオゴマダラ。駄目もとで飛翔を狙いました。
f0090680_2141740.jpg
D70-1855-gy8、ISO=500、F20-1/200、外部ストロボ、調光補正1/4

 なかなかいい感じでしょ?欲を言えば、もう少し絞込みが必要かも。お次はポートレート風にオオゴマダラを覗き込む子供達を背景にパチリ。
f0090680_2143944.jpg
D70-1855-gy8、ISO=500、F20-1/200、外部ストロボ、調光補正1/4

 この程度の構図だと、無理やり魚露目を使わず、10.5mm対角魚眼の解像度を活かしたほうが得策のようです。温室内吸蜜ポイントのすぐ脇にはオオゴマダラの食草、ホウライカガミの鉢が置いてあり、♀が頻繁に訪れて産卵シーンが簡単に観察できます。この温室ならではの素晴らしい観察環境だと思いました。で、産卵直後を狙います。
f0090680_215355.jpg
D70-1855-gy8、ISO=500、F20-1/200、外部ストロボ、調光補正1/4

 産卵時に母蝶の体も写し込めればベストですが、ホウライカガミの葉の面積が大きくて、頭部と腹端のツーショットは難易度高いです(^^;; お次はクロテンシロチョウ。吸蜜場面は全て逃げられ、閉翅場面のみ撮影成功。
f0090680_2151961.jpg
D70-1855-gy8、ISO=200、F9-1/200、外部ストロボ、調光補正1/4

 背景が妙なボケ方をしています。像面歪曲と呼ばれるレンズ収差の影響でしょう。この魚露目システムでF9は開放に近く、光軸近接光束のみを利用するためには、かなり絞り込む必要性を示唆する画像です。その反省を活かして、今度はF32まで絞り込んだタイワンキマダラ開翅シーン。
f0090680_2153747.jpg
D70-1855-gy8、ISO=200、F32-1/100、外部ストロボ、調光補正1/4

 何とか像面歪曲は解消されています。ポインセチアとのツーショットも現実のフィールドではありえない組合せですね。しかも本来敏感なタイワンキマダラを魚露目で写せること自体、現実離れしています。飼育で人馴れし、野性を蝶が失っているのでしょうか?

 閉翅でじっとしているリュウキュウアサギマダラも結構ドアップ撮影が可能でした。
f0090680_2155563.jpg
D70-1855-gy8、ISO=500、F20-1/200、外部ストロボ、調光補正1/4

 翅面が露出オーバー気味で、このマダラチョウの持ち味であるスカイブルーが飛んでしまいました(^^;; 同様に接近戦を許してくれたのが、ツマムラサキマダラの♀。この日のベストショットだったので、、大サイズで御紹介しましょう。
f0090680_2161261.jpg
D70-1855-gy8、ISO=500、F20-1/200、外部ストロボ、調光補正1/4

 この作例、通常のマクロレンズでは困難な翅の質感描写ができたように思います。自作自演の展覧会、いかがでしたでしょうか?やはり蝶の複眼がくっきり見える程度まで接近できると、魚露目らしさが出るように思います。実はリュウキュウムラサキやカバタテハの面白いショットもあったのですが、帰宅後のデータ処理中にコンパクトフラッシュを誤って初期化してしまい、データを消失させる大失敗をやらかしました。「何でワテらを展覧会に登場させへんのや~」って、リュウムラ達からドヤされそうです・・・・(^^;;
by fanseab | 2008-02-03 21:09 | | Comments(14)