探蝶逍遥記

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本体HPの更新(11月26日)

 およそ5か月ぶりで、本体HP の更新をしました。ブログ更新に追われて、ついつい本体HPまで手が回らなかったのは昨年同様の反省点です。

 今回は新規な蝶の掲載はなく、コンテンツの見直し。従来あったメニュー、「人気ランキング」を廃止し、代わりに「掲載種リスト」メニューを新設しました。もとより極めてニッチなテーマを扱っている拙サイトなので、人気投票をしようにも肝心の対象種が皆さんに馴染みがなければ、投票する意欲が湧かないのはある意味当然でした。そこで、読者の方の検索効率を高めるため、極めて実用的なページを作ってみました。メニュー構成が地域別であることを考慮し、蝶の科別に検索可能な表を作成しました。

 現在、拙サイトで掲載を予定している種類は全232種。このうち、既にHPを飾っている掲載画像は全136種を数えます(日本・韓国の蝶を除く)。「いつのまにやら、結構な種類を撮り貯めたなぁ~」と思っております。拙サイトは、東南アジアで普通に観察できる蝶達を気軽に検索できるWEB版図鑑を目指しておりますので、徐々にそのゴールに近づいている実感を持っております。これからオフシーズンは未掲載種を積極的にアップしていく計画ですので、拙HPを時々、覗いてみてください。

 さて、画像がないのも寂しいので、今回更新したHP表紙画像をご紹介しておきましょう。
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マネシセセリ(Hyarotis adrastus) 撮影年月日:2005年7月17日

 シンガポールで撮影したマネシセセリ(Hyarotis adrastus)です。国産セセリでは類を見ない裏面模様に特徴があります。この手の模様はスレ品だと急に見栄えがしなくなるもので、香港で出会った個体はあまりにもボロで本種とはすぐに同定できなかったことを思い出します。
by fanseab | 2007-11-26 23:23 | | Comments(11)

紅葉見物(11月23日)

 今日は勤労感謝の日でした。春~秋にかけての忙しい蝶撮影・遠征もそろそろ一段落。蝶撮影なる「勤労」も何とかそれなりの成果が上げられたことに「感謝」するべく、のんびりと紅葉でも見物するかぁ~♪ってノリで、近くの六甲山麓に出かけました。申し分のない晴天でしたが、途中から雲量が増して日が翳ると相当寒く感じられました。この夏からRAW現像に拘っての蝶撮影をスタートしたので、本日はRAW現像で、今が盛りの紅葉を如何に忠実に再現するか?いろいろとトライしてみました。
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D70S-VR84@400mm, ISO=320, F5.6-1/800、-0.7EV、撮影時刻:9時31分
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D70S-VR84@250mm, ISO=200, F5.6-1/80、-0.7EV、撮影時刻:9時36分

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D70S-VR84@210mm, ISO=500, F5.3-1/250、-1.0EV、撮影時刻:9時39分

 1枚目は平凡な構図で、2-3枚目はグラデーションを意識した作画にしてみました。いや~、蝶も難しいけど、風景写真はもっと難しいですね。暫く林道を歩くと、ススキの穂が朝日を浴びて白く光っていたので、これもパチリ。
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D70S-VR84@200mm, ISO=200, F6.3-1/1000、-1.0EV、撮影時刻:10時48分

 今日は凛とした青空にヒヨドリの鋭い鳴き声が響いていました。ヒヨドリはあまり写欲が沸かないので、林の繁みをカサコソ鳴らしている小鳥に狙いをつけていると、近くの梢に飛び移りました。ジョウビタキの雌でした。ヒタキ類雌フェチの管理人は大喜びです(^^)
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F6.3-1/1250、+0.3EV、撮影時刻:11時23分

 ↑の画像はこの秋、初めての野鳥画像となりました。紅葉見物も満喫したので、この後、神戸~芦屋市内の公園の陽だまりを歩いて見ました。狙いはムラサキツバメ。やはり蝶撮影を封印するわけには参りません。しかし意外といませんね。ムラサキシジミも極めて少なく、先日歩いた神奈川県川崎市西部あたりの公園の方がよっぽど多い印象。どちらが関西か?わかりません(^^;; 照葉樹の植栽を丹念に探していると、えらくド派手な甲虫を発見。オオキンカメムシでした。神戸の街中の公園にいるのにはビックリ。
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GX100-gy8, ISO=80, F12.6-1/200、撮影時刻:12時47分

 この虫を見るのは小生、初体験。日差しを浴びて、体側面が虹色の幻光を呈するのに、またビックリ。まるでカナブンのような体格で、ちょっと撮影におつきあいした後、どこかに飛び去りました。

 この公園内を暫く歩き回ってようやくムラシを発見。しかし、今日は風も冷たく、ちょっと繁みから飛び出した後、ヤマモモの葉陰に身を寄せて、じっとしていました。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F6.3-1/125、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時09分

 触覚を前方に揃え、前後翅も折りたたんで、どうやら、休眠モードに入っている様子です。この葉は蜘蛛の巣と枯葉屑が絡まって、一見枯葉のように見えます。「ムラサキシジミがここにいる」と言われなければ、確実に見逃すような場所でした。

 さて、遅いランチを食べた後、浜辺に出てみました。
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D70S-VR84@400mm, ISO=200, F10-1/400、-0.7EV、撮影時刻:14時52分

 大阪湾にはヨットが浮かび、人工的に作られた岩礁では家族連れで釣り糸を垂れる人達で賑わっておりました。晩秋の日差しはあっという間に弱くなり、気持ちのよい浜風を受けながら、家路につきました。
by fanseab | 2007-11-23 21:02 | 風景 | Comments(12)

アカボシゴマダラ幼虫の調査(11月18日)

<本題に入る前に愚痴を一言>

 拙ブログを昨日ご覧になった方は気づかれた通り、利用しているエキサイトブログの画像が表示されないトラブルが長時間にわたって続きました。それを遡ると、下記記事を昨日21時過ぎに投稿しようとしたら画像のアップロードが出来ず四苦八苦。実は更にその前には日中10時間以上も「メンテナンス」でブログの機能が完全に停止状態でした。エキサイトは無料で大量の画像を貼り付けることのできる優れものだと思いますが、過去にもドガログとか、新機軸の企画を実施する度に今回のような画像表示トラブルを引き起こしています。最近小生の勤めている会社でも「お客様満足度」を上げることが叫ばれています。小生もエキサイトの「お客様」です。なんとかしてくださいな・・・・って愚痴でした。

****ここから本題です****

 首題成虫はご承知の通り、神奈川県藤沢~鎌倉市で放蝶?された個体群が拡散を続け、ブログ仲間のaさんの記事によれば埼玉県・狭山丘陵でも目撃されている状況です。管理人も昨年来、神奈川県川崎市西部で市街地のエノキ幼木に重点を置いた定点観測を続けています。ただし、この春~夏にかけては、エノキ上に1頭の幼虫も見出せず、「さすがにアカボシの勢いも衰えたか?」と思っておりました。しかし、先週末と本日、ざっと調査をしたところ、将に「蔓延っている」表現がふさわしいほど、高密度で生息している状況を確認できたので、その画像を御紹介したいと思います。

 調査区域は100X770mの東西に細く延びた市街地エリアです。エノキは野鳥が好んでその実をついばみ、そこいらじゅうに「落し物」を撒き散らすので、幼木もいたるところに生えています。殆どが歩道や道路の脇に生えた高さがせいぜい1m前後のものです。今回は便宜上、観察に容易な樹高2m以内の株に限定しての観察です。その結果、調査した80%の株に幼虫が付いている状態で、将に「蔓延っている」感覚でした。その状態をストレートに表現するため、観察した幼虫全14頭をすべて御紹介しましょう。
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GX100@5.1mm(トリミング+画像処理:各個体画像の縮尺は不定です)

 写真に付与した数字は下記の通り、個体識別No.で、括弧内数字は検したエノキ幼木の識別No.。下表で個体識別No.に続く数値は、A:体長(mm)、B:エノキ樹高(cm)、C:幼虫静止高さ(cm)を示しています。

個体識別No. A/B/C
1(1)  20/200/188
2(2)  22/180/150       
3(3)   15/200/97        
4(3)  18/200/120
5(4)   10/60/40
6(5)  20/110/43
7(5)  15/110/43
8(6)   22/65/65
9(7)  19/75/40
11(8) 20/120/70 ※No,10は観察途中で行方不明
12(8)  20/120/70
13(9) 20/145/60
14(10) 20/135/83
15(11) 33/135/40
17(9)  20/145/55
16(5)  22/110/50 ※No.16/18はゴマダラチョウ幼虫
18(10)  20/135/40

 ほぼ1~2頭/1株で生息しており、母蝶が1株あたりに産み付ける卵数は少数であることが示唆される結果です。静止位置はほとんどが40~70cmと低い位置にあります。
 体長は大半が約20mmで、ほぼ同時期に産卵されて育った幼虫なのでしょうか?また、個体識別番号No.16/18はゴマダラチョウ幼虫で(↑画像の黄太線枠内)、管理人はこれまで丈の低いエノキからゴマダラの幼虫を見出す経験が乏しかったので、最初はアカボシか?と錯覚しました。株No.5/10はアカボシとゴマダラ両種幼虫が共存生息している事例になります。ここで、読者の方の参考のため、ゴマダラとアカボシ幼虫の識別ポイントを画像でまとめておきました。

(1)背面の突起対
 ゴマダラはパッと見たところ、3対構造であるのに対し、アカボシは明瞭かつ、3角形状の4対突起が特徴。ただ突起の発達形状は個体差がかなりあって(↑の幼虫集合画像参照)、著しく発達した個体では、恐竜(ステゴザウルス)の背面突起を連想させますね。因みにオオムラサキも背面に4対突起があります。
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GX100@5.1mm(トリミング+画像処理)

(2)尾端の特徴
 前述の背面突起対による識別は幼虫の個体差・齢数によっては、区別し難い場合があります。例えば、↑の幼虫集合画像で、個体識別No.3,4,5は、(1)で記載したルールに照らし合わせると、一見、ゴマダラチョウと誤認しそうな外観を呈します。これら一連の個体は越冬しない(不可能?な)非休眠型と呼ばれるタイプだと思われます。このような例外も含め、一番簡単な識別点が尾端の特徴です。ゴマダラは尾端が明瞭に「2又に開裂する」のに対しアカボシは「開裂しない」のです(黄色矢印)。従って、普通は背面突起対の数を数えなくても、尾端構造の特徴を確認することで事が足りると思います。因みにオオムラサキ幼虫の尾端はゴマダラ同様に「2又に開裂」します。更に越冬状態でのオオムラサキ幼虫の体長はゴマダラ、アカボシ、オオムラサキ3種の中で一番小さいことでも識別可能でしょう。
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GX100@5.1mm(トリミング+画像処理)

 さて、↑で御紹介した幼虫。次なる興味はそれぞれが樹上越冬のスタイルを取るか?あるいは樹下に下りて、ゴマダラ同様落葉中に潜むのか?の検証です。管理人はまだ樹上越冬パターンを観察したことがないので、楽しみにしております。また、個体No.3-5等のような非休眠型幼虫もいずれ越冬型に変化するのか?も重要な確認ポイントでしょう。果たして何頭の幼虫が無事越冬し、来年春に羽化まで辿り着けるでしょうか?
by fanseab | 2007-11-20 07:13 | | Comments(16)

南紀探索(11月3日):その(4)

 この連載の冒頭にご紹介したように、現地に到着した頃は雲量が多く、蝶の活動は遅れ気味でした。そんな中、真っ先に元気な姿を見せたのはヤマトシジミでした。この時期、青♀に注目が集まり勝ち。しかし冬の装いに変身した♂も見逃せません。
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D70, ISO=200, F6.3-1/2500、-1.0EV、撮影時刻:8時56分

 ビロード状の光沢はカバイロシジミにも通じる渋さがあるような気がします。サツマシジミが活発に飛ぶ時刻になると、吸蜜に余念がないのがヤクシマルリシジミの♀。吸蜜の合間にご開帳してくれました。
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D70, ISO=200, F8-1/800、-0.3EV、撮影時刻:9時58分

 残念ながら♀の適期は過ぎていたようで、この個体も縁毛がかすれています。お次は飛翔。
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D70(トリミング), ISO=640, F5-1/2000、-0.3EV、撮影時刻:11時26分

 こちらも右前翅が欠けていますね。林縁の陽だまりで大きなシジミが舞い降りるのを目撃。ムラサキツバメの♀で、すぐに開翅してくれました。
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D70, ISO=200, F8-1/400、-0.3EV、撮影時刻:9時54分

 こちらもかなりくたびれた個体なので、これ以上の追跡は止めました。開翅日光浴の合間には地面に降りて吸水していました。ムラサキツバメが舞い降りたあたりに樹高6m程のウバメガシによく似た樹木がありました。そこから優雅に飛び立ったのが、アサギマダラ。その数は次第に増えて、最大7頭ばかりが舞っていました。どうやら彼らの狙いはこの花弁からの吸蜜。
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D70S-24, ISO=500, F9-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時53分

 しかし、ウバメガシの花期は5月頃のはず。変だな?と帰宅してから図鑑で調べると西日本の海岸線沿いに多いとされる「ナワシログミ」の花でした。近くにはツワブキやセンダングサ等、吸蜜源は他にもあるのですが、彼らはことのほか、この花にご執心でした。優雅な舞を見れば撮りたくなるのが飛翔シーンです。
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D70S-24, ISO=500, F8-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時49分

 トリミングなしで被写体が中央に来ると嬉しいですね。この画像、よく見ると、アサギマダラの左右にサツマシジミ♀が2頭舞っており、偶然とは言え、貴重な絵になりました。この日目指したテーマは「南紀の太陽をバックに優雅に舞うアサギマダラ」。しかし太陽とのツーショットは難しいものですね。青空バックのこの程度しか写せません(^^;; 
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D70S-24(トリミング), ISO=500, F9-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時50分

 レンズのゴーストフレアが太陽を背にしていることの証拠になりましたが・・・。 また今回訪れたサツマポイントは、黒潮洗う岩礁地帯。岩場を探索すると、このような植物が生えておりました。
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GX100@5.1mm, ISO=100, F6.5-1/32、-0.3EV、撮影時刻:8時13分

 当然、海クロツ幼虫&成虫も探索しましたが、坊主でした。さて、南紀は知る人ぞ知る、「迷」の産地。黄色い蝶を見ると、つい追いかけたくなります。最近、ブログ上を賑わしているクロマダラなんちゃらとは比較にならない珍品、○シ○シキチョウの可能性を求めて思わずパチリ。
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D70, ISO=200, F8-1/400、-0.3EV、撮影時刻:11時41分

 しかし、煮ても焼いても、逆立ちしても(笑)、キタキチョウでございました。12時過ぎ、サツマポイントを後にして北上し、某市に転戦です。先月某マダラチョウが確認されているポイント付近で1時間ばかり探索しましたが、これまた坊主。そうそう旨い話は転がっておりません。「迷」の道は険しいですね。結局、この日の総走行距離525km。活動時間14時間。成果はともかく、さすがに疲れが残りました。次回は温泉に泊まり、黒潮で揉まれた海の幸をつまみながら、一泊二日の探索をしてみたいものです。 (了)
by fanseab | 2007-11-11 21:01 | | Comments(16)

南紀探索(11月3日):その(3)

 朝8時半から活動を開始したサツマシジミを追って、閉翅・開翅・吸蜜の各場面が順調に撮影できたので、お次は飛翔にチャレンジです。サツマは吸蜜の合間に飛ぶ軌道がほぼ定まっているので、比較的飛翔シーンが撮影しやすいと思いました。まずは♀から。
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D70(トリミング), ISO=640, F8-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:10時00分
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D70(トリミング), ISO=640, F4.5-1/5000、-0.3EV、撮影時刻:11時13分

 1枚目は急降下、2枚目は水平飛行の場面です。サツマ♀の前翅基部にはブルーの鱗粉が載っていて、ブルーの面積は翅全体に比較してほんの僅かに過ぎませんが、飛翔中は不思議なことに翅全体がブルーに観察されます。2枚目では条件操作を誤って1/5000のシャッター速度を切っています。しかし、結果的には1/2000の画像に比較すると、より鮮明に写っています。少しでもシャッター速度を上げると飛翔画像の質が上がることを再発見した思いで、今後の撮影条件設定のヒントにしたいと思います。

 お次は♂。
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D70(トリミング), ISO=640, F8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時32分
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D70(トリミング), ISO=640, F8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時33分

 いずれもコセンダングサ近傍で吸蜜前後のシーン。開翅シーンで苦労した♂独特のスカイブルーの再現性はむしろ飛翔画像のほうが優っているようです。しかし、何度見ても♂の白→スカイブルー→黒と続くグラデーションは本当に見事です。

 ♂撮影中に♀への求愛シーンも何回となく観察できました。♂の作戦はどうやら♀が吸蜜している最中に後側から忍び寄るパターン。
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D70, ISO=200, F4.5-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:11時35分

 このように♂開翅シーンは求愛中も撮影できることがわかりました。それにしても♂の行動はきまぐれです。♀(右)と一緒に異性には全く無関心を装って?吸蜜している(左が♂)時もあれば、
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D70, ISO=500, F8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時28分

 急に「その気になって(笑)」、猛烈に♀にアタックをかけたりします。
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D70, ISO=200, F3.5-1/2000、-0.3EV、撮影時刻:11時51分

 結局、↑の♂(右)は善戦虚しくあえなく♀にフラレました。それでも「隙あらば・・・・」と、猛烈なスピードで♀を追尾するシーンも奇跡的に撮れました。後ピンですが、仕方ないでしょう。
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D70(トリミング), ISO=640, F7.1-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時55分

 こうしてみると、♀(上)と♂(下)の色彩差がよくわかりますね。さて、サツマの生態写真としては♀産卵シーンが欲しいところ。ただ今回は♀は産卵のそぶりも見せず、また食樹として最も一般的なサンゴジュも近くになかったので、結局来シーズン以降の宿題となりました。次回はサツマシジミ以外の蝶についてご紹介したいと思います。 (次回に続く)
by fanseab | 2007-11-08 23:47 | | Comments(8)

南紀探索(11月3日):その(2)

 ♀を重点観察したポイントからさほど遠くない場所でコセンダングサとベニバナボロギクが混生している小さな草地を見出しました。下車すると白いシジミが飛び回っていました!その中から明るいブルーが鮮やかな♂を何とか見つけることができたのです。ヤッター! はやる気持ちを抑えて♂を追いかけましたが、気持ちばかり焦って殺気が感じられるのか、すぐに感づかれて飛ばれてしまいます。そこで一旦カメラを構えるのを止めて暫く観察に徹しました。すると、吸蜜の合間に結構な頻度で開翅日光浴していることに気がつきました。そこで吸蜜個体に狙いをつけ、草地で開翅を始めて数秒間待ってから接近すると、殺気が消せたようで(笑)、待望の♂開翅が撮れました。
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D70, ISO=200, F8-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時40分

 ベニバナボロギクの濃橙色の花弁とサツマブルーの絶妙な組合せの絵が得られて満足です。ただ、欲を言えば、♂前翅のブルーはパープルっぽく写っており、実際の淡いブルーとは若干異なっているのが残念な点です。次にごく普通の葉上での開翅シーンを御覧にいれましょう。
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D70, ISO=200, F9-1/500、-1.0EV、撮影時刻:11時45分

 前翅のブルーはこちらの画像のほうが現実に近い色合いに仕上がったと思います。PC上でRAW現像する際に気がついた点ですけど、♂後翅の白色部を白トビさせないように強アンダー露出をすると、前翅のブルーが紫色にくすんでしまい、RAW現像での色調整でもサツマブルーが再現できないことがわかりました。
 この現象はD70のCCD特性の限界を意味するものなのか、小生のRAW現像テクニック不足なのかはわかりません。いずれにせよ、サツマ♂は♀以上に撮影テクニックを要求される蝶だと思いました。

 一方、♂の魅力は開翅シーンだけに限定されるものではありません。半逆光下で吸蜜している場面では、表翅のブルーが純白の裏面に透けて、何とも言えない色合いを醸し出します。
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D70, ISO=200, F6.3-1/400、-1.3EV、撮影時刻:11時58分

 この色合いは♀では期待できませんね。さて、♂画像の真打は、当然「逆光縁毛幻光シーン」しかありえません。管理人が追求してきたシジミチョウのブルー幻光シーンの集大成として、少し大きめの画像でご紹介します。
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D70, ISO=200, F6.3-1/800、-1.3EV、撮影時刻:11時59分

 いかがでしょうか?読者の皆さんも「縁毛幻光撮影友の会」に入会されたくなったでしょうか?今回の遠征で、この手の画像はサツマのために用意されていたのかな?と思い知らされた次第です。次回は飛翔シーンその他の生態をご紹介しましょう。 (次回に続く)
by fanseab | 2007-11-07 00:45 | | Comments(16)

南紀探索(11月3日):その(1)

 快晴に恵まれた文化の日、サツマシジミ狙いで紀伊半島南岸を探索してきました。それなりに成果が上がったので、連載での掲載です。

 本題に入る前に先ずはこの画像をご覧下さい。紀伊半島南岸の一風景です。
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GX100@5mm, ISO=80, F9.1-1/153、-0.7EV

 実は管理人、海岸線沿いにこの地域をドライブするのは初体験。「黒潮」の名称通り、本当に黒い海であることが↑の画像で実感できると思います。険しい岩礁が次々と連続し、ワインディングロードのコーナーを曲がる度に息を呑む風景が広がります。蝶撮影目的でなくても素晴らしい場所だと思いました。

 さて、この日は午前3時5分自宅発、ポイント近くに午前7時15分着。予定よりは少し早めの到着でした。快晴無風を信じて出発したのに、東側の雲が厚いため日差しが弱く、おまけに海からの風が強く蝶の出現は遅めでした。それでも午前8時半頃、少し日差しが回復するや否や、ヤクルリ♂が樹冠から日光浴に降りてきたのを合図に活動モードにスイッチが入ったのか、ヤマトシジミ、ウラナミシジミが急に活動開始。そしてややあって、待望のサツマ♀が登場しました。管理人にとって、サツマは初体験でしたが、白がやけに目立つシジミは一目で他のシジミと区別できました。しかし、活動初期にしては、えらく敏感。そこで先ずは、少し引き気味に朝の雰囲気を出すべく逆光での撮影。
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D70, ISO=200, F10-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、調光補正-0.3EV、撮影時刻:9時27分

 画像からお分かりのようにこの時点でもまだ南~東にかけて雲が切れていません。背景は黒潮流れる太平洋です。その後、日差しが強まると、次第に開翅ポーズを取るようになります。しかし、開くには開くのですが、海風がちょっと強まるとすぐに翅を閉じてしまい、まともな絵が得られません。ようやく風の呼吸が止んだ瞬間を狙って、目的の一枚が撮れました。以下、この♀を重点的に追跡することにしました。
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D70, ISO=320, F7.1-1/1000、-1.3EV、撮影時刻:9時46分

 同じ場面を後方から覗くと、こうなります。
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D70, ISO=320, F7.1-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:9時48分

 今回の観察では、↑の画像が最大の開翅角度でした。白系シジミですから、露出はアンダー強めが基本。しかし、撮影角度によっては、すぐに白飛びして画像が没になるやっかいなシジミです。RAW現像調整も他のブルー系シジミ以上に神経を使いました。日光浴で体が温まってくると、他のシジミとは異なり、少し鈍感になるようで、調子に乗って、なんとgyorome画像まで撮影させてくれました。
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GX100-gy8, ISO=80, F12.6-1/200、撮影時刻:10時07分

 一連の♀開翅画像を整理して気がつきましたが、開翅ポーズ時に腹端を持ち上げているのがわかります。これはどんな生態学的意味があるのでしょうか?

 10時過ぎからは、ほぼ青空が広がり、♀も吸蜜に専念するようになりました。秋の空を意識して広角で切り取ってみました。
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D70S-24, ISO=200, F9-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時53分

 半逆光下、吸蜜中のベニバナボロギク(※)の花弁とサツマの頭部~ストロー部分が暗く潰れないように軽くストロボを焚いて調子を整えました。吸蜜中、時々半開翅しているシーンも観察されました。吸蜜源はコセンダングサです。<※読者の方、間違っていたら御指摘ください>

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D70, ISO=200, F5.6-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:11時34分

 ♀の特徴である、前翅前縁部の黒い縁取りが裏面の純白とコントラストをなして印象的です。
 さて、サツマシジミの撮影と言えば、逆光での撮影を忘れてはいけません。特に「逆光縁毛幻光撮影友の会会長?」を自認する管理人としては、今回の遠征で最も力を注いだのが以下のシーン。
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D70, ISO=200, F3.8-1/3200、-1.0EV、撮影時刻:11時45分

 ポッカリと白く抜けた前翅の模様がまるで影絵のようです。さらにお約束の縁毛も妖しくブルーに輝き、縁毛フェチの小生は撮影中、興奮のルツボと化したのでした(爆)

 思った以上に順調に♀の撮影を終了すると、「はてな?そう言えば♂を1頭も撮っとらんな?」と気がつきました。そこで、この後、少しポイントを移動して様子を見ることにしました。(次回に続く)
by fanseab | 2007-11-05 00:34 | | Comments(18)