探蝶逍遥記

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ツマグロヒョウモンの羽化(10月24日)

 この日は所用で休暇を取っていました。快晴無風の絶好のコンディション。ただ、フィールドに出られない事情があり、自宅から徒歩圏内での観察です。いつも通勤途上にチェックしているコンクリート塀にツマグロヒョウモンの蛹が2頭付いているのが気になっていました。この塀、既に拙ブログで、複数回ご紹介しているポイントで、幼虫が食草のスミレから離れて塀の上で休んでいる光景がよく見られます。今年も9月半ばから複数頭の幼虫が観察され、確か今月10日過ぎに蛹化したのを覚えていて、そろそろ羽化かな?と予想していました。50m先から件の塀を望むと電柱脇に褐色の翅が見えており、羽化したなと直感しました。近寄ると今朝羽化した♀でした。
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GX100@5.1mm, ISO=80, F9.1-1/90、-0.3EV、撮影時刻:10時40分

 いつか、ここでの羽化シーンをgyoromeで撮りたいと思っていたので、願ってもないチャンスでした。
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GX100-gy8, ISO=80, F12.6-1/200、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時48分

 予想通りの仕上がりに満足です。触覚を後方に下げた羽化直後のポーズはいつ見ても感動ものです。魚露目の撮影でちょっとレンズを接近し過ぎた拍子にパタパタとぎこちなく飛んで、道路上に降り立ちました。開翅しているところをパチリ。
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GX100-gy8, ISO=80, F12.6-1/160、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時51分

 地面すれすれのアングルからの絵はgyoromeならではですね。この個体、左前翅の一部が羽化不全のようです。再び塀の上に歩きながら登って一休みしてくれました。
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GX100-gy8, ISO=80, F12.6-1/160、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時53分

 このような完全逆光シーンでは、蝶を暗く潰さず写し込むためのストロボ補助光が必須です。gyoromeレンズを購入してからずっと懸案であった外部ストロボシステムがようやく完成し、↑の絵のようにようやく上手く調光した画像が得られるようになりました。

 最後に塀の最上部の「庇(ひさし)」にぶら下がっている未だ羽化していない蛹もgyoromeで撮りました。
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GX100-gy8, ISO=80, F12.6-1/160、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:10時55分

 このアングルからの絵はこれまた(コンデジ+gyorome)の組合せでしか撮れないものです。デジ一対角魚眼でも以前トライしたのですが、一眼ボディーと魚眼の前面レンズが共に塀に当たってしまうので断念したことがあります。この蛹画像、実はこれまで撮影してきた魚露目の絵の中でも個人的には会心作なのです。

 さて、所用を終えて午後3時過ぎにこのポイントに戻って見ると♀は姿を消していました。秋空の下、無事何処かに飛んでいったのでしょう。
by fanseab | 2007-10-28 10:15 | | Comments(18)

阪南~和歌山西部の探索(10月21日):その(2)

 和歌山でのターゲットはズバリ、サツマシジミです。サツマを確実に狙うには三重県~和歌山県南岸部が最適。しかし、敢えてより北方に位置する産地探索をしてみました。この日は、前日よりも風が弱まることを期待して遠征日を日曜に選択したのですが、11時頃から強風が時折吹くようになって当てが外れました。狙っていた小高い山の山腹に美味しそうなセイタカアワダチソウの大群落があったので、暫し探索。しかし、飛んでいるのはチャバネセセリのみでガッカリ。林道を進むと見晴らしのよい尾根筋に出ました。下車して調査すると、なんとセンダングサにブルーのシジミが数頭戯れています!眼を吊り上げて接近してみると、残念ながらサツマではなく、ヤクルリでした。しかしこの時間帯、彼らは樹上でテリ張りの真っ最中のはず。どうやら、風に吹き上げられて稜線上に集まってきた集団のようです。♂に混じって♀もいたので、吸蜜シーンを撮影。
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D70, ISO=200, F6.3-1/640、-0.3EV、撮影時刻:11時29分

 吹き上げる強風で吸蜜個体の向きがクルクル変わり、証拠写真程度の出来でした(^^;;
お次は未だきちんと撮影したことのない、♂吸蜜シーン。これも狙いが外れて、花弁から花弁に移動途中の情景描写になってしまいました。
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D70, ISO=200, F9-1/640、-1.0EV、撮影時刻:11時30分

 でもチラリと覗くヤクルリブルーは何時見ても惚れ惚れします。また、吸蜜の途中では、思いがけない時間帯での♂開翅も撮影できました。
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D70, ISO=200, F9-1/800、-1.0EV、撮影時刻:11時33分

 この後、ヤマモモ新芽への♀産卵シーンを目撃するものの、撮影には失敗。ところで、熱帯アジアの樹冠に潜む珍品シジミの採集法に「稜線上吹き上げポイントでの待機作戦」があることを思い出しました。将にここは「吹き上げポイント」なのでしょう。

 少し日影の林道脇では、フワフワ飛ぶアサギマダラ♀を発見。アザミでの吸蜜シーンです。
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D70, ISO=200, F8-1/400、-0.3EV、撮影時刻:11時50分

 お次は吸蜜途中での開翅シーン。
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D70, ISO=200, F8-1/250、-0.7EV、撮影時刻:11時51分

 個人的には、夏より秋口に観察するアサギマダラはなんとなく風情があって好きです。近くで三角缶を持たれていない初老のネットマンに出会いました。御挨拶して聞いてみると、アサギマダラのマーキング調査に来られているとのこと。真面目な調査活動をされている方に出会うとホッとします。このポイントは本州中部から南方への渡りの途中に立ち寄る彼らの中継基地のような役割を果たしているとのこと。集団のピークはもう過ぎて、この日マーキングしたのは10頭程度に留まった様子。↑で小生が撮影した♀もそろそろ、遥か南方へ旅立つのでしょう。

 さて、目的のサツマは結局坊主でした。風除けとなる方角の林道沿いでも発見できません。代わりに弱々しく舞っていたのはモンキチョウ♀。
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D70, ISO=640, F8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:12時23分

 背景にナナカマド?の赤い葉も写りこみ、季節感タップリの飛翔シーンになりました。陽だまりの林道脇にどきつい色合いの実を発見。
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GX100@5.1mm, ISO=80, F9.1-1/143、-0.7EV、撮影時刻:12時19分

 帰宅してネットで調べたらクサギの実でした。晩夏にアゲハチョウを集める花弁からは想像もできない造形美ですね。サツマは空振りに終わりましたが、秋の一日、これまでのストレスを存分に解放することができました。サツマについては、より確実なポイントで再度チャレンジ予定です。
by fanseab | 2007-10-25 23:51 | | Comments(12)

阪南~和歌山西部の探索(10月21日):その(1)

 9月末から週末利用の宿泊研修、更には親族の弔事等で、3週間全く動けず、秋の青空を横目で見ながら悶々とした生活を送っておりました(涙)。で、溜まったストレスを解き放つべく、先ずは大阪府南部のヤクルリ定点観測ポイントに出撃です。昨年の拙ブログを振り返ってみると、ちょうど一年前、ヤクルリを観察していた のですね。今シーズンの発生動向はどうなのか?比較する意味でも期待してでかけたのです。

 自宅5時55分発、現地7時00分着。さすがに10月も後半になると寒いですね。天気は申し分ないので、休息中の個体から探索しました。しかし姿が見えません。いつも彼らがねぐらにしているカナメモチ?の葉裏で銀白色に光っていたのはウラギンの♀でした。
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GX100@5mm, ISO=80, F7.2-1/133、-1.0EV、撮影時刻:8時04分

 これは坊主か?と少し不安感が出始めた8時半過ぎ、見慣れた濃いブルーがどこからともなく現れ、ホッとしました。すぐに開翅日光浴です。撮影ポイントの雰囲気が出るように広角でパチリ。
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GX100@5mm, ISO=80, F7.2-1/310、-0.7EV、撮影時刻:8時37分

 魚露目でもトライしようとしますが、流石に敏感で無理でした(^^;;
お次はオーソドックスに90mmマクロで開翅を狙います。
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D70, ISO=200, F6.3-1/800、-0.7EV、撮影時刻:8時41分

 開翅シーンはこれまでにも撮影していますが、♂の新鮮な個体にはなかなか出会えないもの。撮影した個体は今まで管理人が撮影した中でもベストに入る美しさでしょう。特にこのシジミは前翅縁毛が結構細目で、白黒破線状縁毛の美しさを表現するのに苦労します。今回の個体はその意味でもほぼ完璧でした。PC上でRAW現像する過程で気づきましたが、どうやらこの♂、開翅と同時に葉の上の水分?を吸っています。朝一番に体を温めながらの朝食タイムなのでしょう。

 時々飛び始めたヤマトシジミを追撃しながら体が温まってきたようです。閉翅で裏面を。
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D70, ISO=200, F3.8-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:8時42分

 9時前になって梢の上に位置を変えるともう、追撃体制満々のテリ張りモードに突入。こうなると、低い位置での撮影は困難ですので、♂には見切りをつけて♀探索です。しかし残念ながらこの日は坊主。昨年とはちょっと発生周期がずれていたようです。

 朝日を浴びた植栽を探索しているとモンシロチョウが体を温めていました。
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D70, ISO=200, F5-1/800、-1.3EV、撮影時刻:9時00分

 蝶関連ブログでも春先にしか取り上げられない普通種。しかし実はこの被写体をきちんと写すのは相当に苦労します。順光での表現が特に難しいので、ここでは定番の逆光で雰囲気描写に徹底し、RAW現像でも敢えてハイキートーンに調整してみました。

 同じく普通種のヤマトシジミ♂。ヤクルリブルーとの違いを読者の皆様にインプットするため、撮影してみました。
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D70, ISO=200, F9-1/640、-1.0EV、撮影時刻:9時04分

 ↑のヤクルリ開翅シーンと比較すると、ヤクルリブルーは深みのある色合いはもちろん、翅の全面が極めて均一な濃度であることが分かります。晩秋になるとヤマト♂の翅表が白化傾向になるので、ヤクルリ♂は現地ですぐに識別できるようになりますね。

 さて、秋口のシジミと言えばウラナミシジミにも登場してもらいましょう。最近、再挑戦している背景ボケに拘った作風での吸蜜シーン。
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D70, ISO=200, F5-1/1250、-0.3EV、撮影時刻:9時33分

 お次は全開シーン。ちょっとボロ品過ぎましたね(^^;; 
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D70, ISO=200, F6.3-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:9時36分

 ヤクルリ♀も見当たらず、ウバメガシ・ヤマモモの食樹で幼虫・卵探索するも、この日は坊主。全般に昨年同時期よりも不作の感がありました。未だ午前10時。雲一つ無い快晴の空、このまま帰宅するのももったいないので、以前より訪ねてみたかった和歌山県西岸部に転戦することにしました。 (続く)
by fanseab | 2007-10-23 22:26 | | Comments(14)