探蝶逍遥記

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クロセセリとの格闘(8月25日)

 本体HP:「東南アジアの蝶ファン倶楽部」をアップしている管理人ですが、これまで国内外でクロセセリグループ(Notocrypta属)の撮影経験は恥ずかしながらありません。そこできちんと撮ろうと京都市内のポイントにでかけました。相手はこの仲間の広域分布種であるN.curvifascia(和名クロセセリ)です。ポイントには8時前に到着。早速芙蓉の花に1頭それらしき影が現れた後、姿を消しました。吸蜜タイムがわからないので、しばらく近くにある食草のミョウガ群落で幼虫探し。
巣はすぐに見つかりました。
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GX100@5.1mm, ISO=80, F5.7-1/30、撮影時刻:8時30分

 中央手前とその左(葉が折れて下向きのもの)に2つの巣がありました。中央の巣を明けてみると、とても大きな終齢幼虫が現れました。10円玉と比較してみてください。体長は約40mmあります。
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GX100@5.1mm, ISO=80, F3.6-1/13、-0.7EV、撮影時刻:8時44分

 セセリ幼虫をみつけると必ず画像採集するのが幼虫頭部の拡大画像。今回は魚露目を使ってパチリ。
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GX100-gy8, ISO=80, F7.1-1/25、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:8時38分

 幼虫頭部を様々なキャラに見立てるのが小生の趣味ですが、クロセセリは果たして何に見えますかな?「三角鼻の禿親父」と言ったら怒られますか?とにかく独特な斑紋であることは確かです。薄暗い環境下にあるミョウガ群落は薮蚊の巣窟でもあります。幼虫撮影中、容赦無い薮蚊の攻撃にさらされ、小生の顔は無残な姿に膨れ上がりました(^^;;

 さて、最初の芙蓉ポイントに戻って成虫を追いかけ始めた時、「こんにちは~」とカメラマンが登場。どなたかと思いきや、ブログ仲間、 My Favorite Butterflies of Japan のkさんでした。そう言えば、kさんは地元京都にお住まい。早速蝶談義がてらミニ撮影会に突入。ところがモデルのクロセセリ成虫はかなり気まぐれでして、芙蓉に来訪しても、高い枝先の花だったり、突然、林内に姿をくらます等、二人してセセリに弄ばれた感じでした。それでも9時30分頃から徐々に低い位置に来てくれるようになりました。これまでブログ仲間の芙蓉吸蜜シーンを拝見してある程度は覚悟していましたが、撮影は相当に難易度が高いものでした。①クロセセリに対して花弁が大きいので、花に潜りこむと、頭部が写らず翅のみの画像となること。それにセセリ吸蜜シーンのポイントである、②ストローを写しこむことが至難。さらには③薄ピンク色の花弁と真っ黒なクロセセリの露出補正バランスが大変難しい点も挙げられます。悪戦苦闘してようやく得られた吸蜜シーンを2枚貼っときましょう。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F8-1/500、内蔵ストロボ、調光補正-0.7EV、撮影時刻:9時50分
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D70, ISO=500, F5-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時12分

 通常は最初の絵のようにストローが隠れて見えません。2枚目では、何とか超長いストローを写しこめました。この時、撮影アングルを確保できるようにkさんに枝を手繰り寄せるよう協力して頂きました。kさん、お手数をかけました。

 吸蜜の途中は翅を休めてタテハのようにゆっくりと翅を開閉します。この時、アンテナを片方づつ、ゆっくり上げ下げする仕草が可愛いですね。吸蜜よりは楽なシーンですが、翅の質感表現は結構難易度が高いです。
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D70, ISO=500, F6.3-1/200、+0.3EV、撮影時刻:9時52分
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D70, ISO=500, F6.3-1/160、+0.3EV、撮影時刻:9時53分

 クロセセリに悪戦苦闘している最中、「気分転換に僕でも写したらぁ~♪」って登場したのが超新鮮なキマダラセセリ♂。ここは芙蓉の花をバックに魚露目でパチリ。
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GX100-gy8, ISO=80, F4.4-1/64、-0.7EV、撮影時刻:10時50分

 この後、別の撮影ポイントに移動しましたが、こちらは坊主。kさんとは正午にご挨拶して別れ、更にミョウガ群落を求めてウロチョロ探索しました。この日の京都市内は36℃の猛暑が続き、さすがにヘロヘロになって午後2時に撤収です。初物のクロセセリ、相当に難易度が高く、特に吸蜜シーンは再トライが必要ですね。最後に撮影会場でカメラマン助手役他、お世話頂いたkさん、いろいろと有難うございました。
by fanseab | 2007-08-26 18:46 | | Comments(16)

広島県東部の青ゴマ探索(8月18日~19日):その(3)

 ゴマ探索をした広島県の高原台地は水はけが良く、乾燥した気候も相まって果物の名産地でもあります。ブドウやリンゴ等、果樹園が点在している高原のドライブはとても気持ちの良いものでした。
 さて、ゴマのいそうな候補ポイントには、必ず登場する蝶がいました。ツマグロキチョウです。ツマグロは環境省のレッドデータカテゴリーでゴマシジミと同じ「絶滅危惧第Ⅱ類」にランクされていますが、当地では本当にウジャウジャ飛んでいて、絶滅危惧種とは思えない多産状態でした。そうは言っても地元兵庫県南部では稀有な本種。少し拘って撮りました。

 最初に訪れたポイントでの飛翔シーン。食草のカワラケツメイも丁度黄色い花弁をつけており、蝶も含めて緑と黄色の世界でした。
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D70S-24, ISO=500, F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時54分
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D70S-24, ISO=500, F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時55分(2枚共8月18日)

 真夏の草原での飛翔撮影は本当に息が切れます。熱中症を考えて、ほどほどで止めときました。草原上で鮮やかな黄色を誇るのは♂。反対に薄白い♀は下草低くを弱々しく飛んでカワラケツメイへ産卵をし、時々、葉陰で休止しておりました。その休止シーンをgyoromeでパチリ。
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GX100-gy8, ISO=100, F7.1-1/760、-0.7EV、撮影時刻:10時58分(8月18日)

 何気なく♀が掴まっている葉もカワラケツメイです。ツマグロも暑そうですが、撮影している本人はもっと暑かった!!草原の下草にうずくまり、汗ダラダラで液晶モニターを眺めている撮影風景は、はたから見たら「可愛そうにのぉ~、暑さで気が触れたんかいのぉ~」と同情されそうです(^^;;

 一方、アゲハ類はただ木陰で休むことなく、路上に染み出た水の吸水にも精を出していました。カラスアゲハ♂の吸水シーンです。ポンピング挙動の証拠である腹端の水滴を何とか写しこむことができました。
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D70S-VR84@400mm, ISO=640, F8-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:13時15分(8月18日)

 暑さ凌ぎと言えば、コムラサキも葉上でこんなポーズを取っておりました。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F11-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:10時40分(8月19日)

 この場面の直前、黄色いストローを出し入れして葉上の水分?を吸い上げる行動を取っていたのです。

 最後はコチャバネセセリの吸い戻し行動。
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D70, ISO=400, F5.0-1/640、-0.3EV、撮影時刻:9時11分(8月19日)

 実は吸っている物体は獣の落し物で、「落し物」らしく見えないので敢えて掲載しました。これなら食事前後の方も安心してご覧になれるかと・・・・。コチャバネは意外と完品個体に恵まれないもの。小生にとっては、このド完品画像、ゴマ開翅よりも嬉しいシーンとなりました。今回ご紹介した蝶以外にもヒロオビやクロミドリシジミ♀の生き残り、更には広島県下での幻のムモンアカポイント発見?の淡い期待も抱いて探索しましたが、所詮、体力が続きませんでした(^^;; それはともかく、ゴマ探しを通して広島県東部の素晴らしいフィールドを知ることができ、収穫のある遠征になりました。 (了)

<更新裏話>

 今回のゴマ探索記事は3部作としました。1部と2部を分割したのは、意図的に2部構成にしたものではありません。これまで小生、デジ一(D70&D70S)の撮影記録モードはすべてお気楽なJPEG形式でしたが、今回、開翅シーンを中心に初めてRAW形式を本格的に実施しました。ところが、実際にRAWファイルを現像する段になって、現像パラメーターをアレコレいじくり始めたところ、相当に時間を消費したため、2回に分割更新せざるを得なかった・・・・これが実情です。因みに第2部でご紹介した画像で、gyoromeと超広角画像以外はすべてRAWモードでの撮影です。

 さて実際にRAW現像してみると、JPEGの画像処理に比べて、色調を微妙にコントロールできるし、ハイライトやシャドウ部の補正が上手くできるのに驚きました。今後、開翅画像のような静的な絵に対してどしどし、試みていこうと思っております。ただ本来バシャバシャ撮影していくスタイルの管理人にとって、RAWモード撮影をメインにするにはD70(D70S)ではバッファーへの書き込み速度が明らかに不足しています。ここはN社の販売戦略に乗せられて、D200(D300も11月にリリースされる!)へのグレードアップを真剣に考慮せねばと思いました。
by fanseab | 2007-08-24 23:48 | | Comments(6)

広島県東部の青ゴマ探索(8月18日~19日):その(2)

 さて、2日目です。起床して東の空を見ると上手い按配にどんよりと雲がかかっています。「へへへ。開翅、開翅、今日こそたのんまっせ~♪」と独り盛り上がって朝食をしっかりと食べました。行き先は第4ポイント。現地6時40分着。しかし・・・・、困ったことに雲が切れてきました。昨日同様なカンカン照りかぁ~と一気に気持ちが萎えてきました。潅木の下草から♀が飛び立ったので、追跡して下草に降りたところで30分じっと待ちましたが、朝日を浴びて翅をスリスリするだけで結局開かず(^^;;

 早朝と言えども、♀は相当に敏感で、1m以内に接近すると飛ばれてしまいます。しかたなく、産卵シーンの撮り直しを目的に暫く待機することに。そのうち、気温が上がって♂の探♀行動がスタートしました。追跡中の1頭の飛翔スピードが急に弱まって草上に止まりました。5m程度の距離からなにげなく覗いてみると・・・。
「か、か、開翅ぢゃ~!」開いています!思いがけない出来事に慌てふためき、慎重に下草を踏みながら接近、接近のショックで一旦翅を閉じかけて肝を冷やしましたが、再度ご開帳してくれました(^^)
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D70, ISO=400, F7.1-1/500、-0.3EV、撮影時刻:8時50分

 やったー!このシーン撮影のためだけに広島まで来たんですからね。「開けゴマ~」の呪文を唱えなくても、開く時は開いてくれるんですねぇ。ただ、ふと空を見上げると、雲が太陽にかかり、少し陽射しが弱まっていることに気づきました。陽射しの強さも開翅の重要なポイントのようです。

 これで何とか2日目のターゲットをゲットできたので、♀産卵シーン撮影に重点を切り替えました。90mmマクロで狙うも初日同様、納得のいく画像が得られず、少し発想を変えて、gyoromeで狙うことに。腹端を曲げた産卵行動に突入すると、♀の警戒心が緩むのか?魚露目8号のレンズ先端を接近させても逃げる気配がありません。通常の広角レンズでは絶対に拝めないアングルからの絵が切り取れました。
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GX100-gy8, ISO=100, F7.1-1/250、-0.7EV、撮影時刻:9時42分

 こうして拡大してみると、ゴマの複眼は黒ベッタリ。まさに「黒ゴマ」のようで異様な雰囲気ですね(笑)この♀、木陰を好んで飛び回っていましたが、突如、日向に出て下草の茎に止まりました。そしてアッと思う間もなく、何と全開してくれました!
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D70, ISO=500, F8-1/640、-0.7EV、撮影時刻:9時50分

 体を下向きにしての開翅に惑わされ、ピンが来たのはこのヒトコマだけ。♂に引き続いての開翅ゲットで本当に幸せな気分でした(^^) これでかなり気持ちに余裕が出てきたので、昨日に引き続き、ワレモコウに執着して飛ぶ♀飛翔にチャレンジ。初日はギラつく太陽を浴びた雰囲気の飛翔シーンでしたので、ここは木陰にあるワレモコウを背景に据えてみました。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F10-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:9時53分

 ワレモコウの真紅とゴマシジミのブルーが想像以上にマッチしたお気に入りの絵になりましたので、少し大きめの画像を貼っています。サービス精神旺盛のこの個体、産卵後、木陰にある枯れかけたウツギの枝先に。「さては誤産卵行動か!」と固唾を呑んでカメラを構えると、な、な、なんとまたまたご開帳です!!たまたま飛翔用に超広角レンズを手にしていたのが功を奏し、意外と冷静にアングルを計算しながらのショットとなりました。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F10-1/200、-0.7EV、撮影時刻:9時55分

 「産卵の途中、木陰に入っての休息開翅」こんな開翅パターンがあるとは知りませんでした。この後、暫くこの♀を追跡しましたが、二度とは開いてくれず、草原の彼方に消えました。

 ところで、この2日間、♀の産卵シーンを嫌というほど観察できました。しかし、実際に産まれた卵を確認することはできませんでした。少なくとも花穂表面に産まれた卵は前回の記事冒頭でご紹介した写真だけです。花穂内部に産み付けられたとすると、花穂を分解する点検作業が必要なのでしょうね。これに関連し、90mmマクロで撮影した下の画像をご覧ください。
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D70, ISO=500, F6.3-1/800、-0.3EV、撮影時刻:9時56分
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D70, ISO=500, F8-1/640、-0.7EV、撮影時刻:9時55分

 一枚目は撮影後、PCモニター上で初めて「吸蜜シーン」であることに気が付きました(ゴマのストローって本当に細いですね!)。腹端をワレモコウの穂先につけたままの吸蜜です。産卵中に吸蜜する器用なシジミ等いないでしょうから、腹端を付けているのは産卵を中断しているのかな?また、二枚目は「産卵行動」直後の腹端がはっきり見えるように多少トリミングした画像で、産卵器官(暗褐色)の延長線上の穂先に卵は見えておらず、この場面は明らかに「花穂内産卵」か、「擬似産卵行動」シーンのどちらかでしょう。今回の複数♀個体の観察から、どうやらかなりの個体が一つの穂先に複数個の卵を産みつけている様子も確認できました。でも検証にはすべての穂先を分解せねばならず、これはちょっと気が遠くなる作業ですね。読者の方で、一連の行動に詳しい方がおられたら、コメント頂きたいところです。

 さて、今回遠征最大の目的である開翅シーンを幸運にも♂♀ダブルゲットできたので、気が緩み、昨日からの疲れが急にドッと出てきました。そこでこのポイントでの撮影を終え、南東部に80km離れた第7ポイントに移動です。途中、車をゆっくり流しながらナラガシワ・クヌギ(アベマキ)巨木の分布も調査。これ、来シーズンのゼフ撮影に備えたこの日の重要な探索テーマでもありました。実は「第7ポイント 」と書きましたが、正確には「第7ゾーン」と言ったほうがいいかもしれません。なにせこの地域は頼みにしている衛星画像の解像度が何故か低く、第1~6ポイントのようなピンポイント探索ができません。仕方なく地形図から高原状と判断されるゾーンに絞ってウロチョロしましたが、結局ゴマについては、めぼしい成果がなく、午後3時に撤収です。

 熱中症と隣り合わせの青ゴマ探索。幸運にも当初目論んでいた画像をすべてゲットでき、気分よく帰宅できました。次回はゴマ以外の蝶についてご紹介しましょう。
by fanseab | 2007-08-22 22:04 | | Comments(20)

広島県東部の青ゴマ探索(8月18日~19日):その(1)

 お盆の時期恒例のゴマ探しです。それなりの成果が得られたので3部作とします。
 中国地方のゴマシジミについては、関西に拠点を構えてから、3年前に鳥取で撮影済。今回は初体験の広島産青ゴマに拘って、猛暑の続く中、1泊2日で粘ってみました。と言っても、正確なポイントは未知なので、例によって1/25000地図で候補を絞り、これに衛星画像(航空写真)から得た情報を加味して予め7ポイントほど、探索候補地点を決定しました。
 
 初日は午前10時頃から最初のポイント探索。ワレモコウもそこそこ生えていて良さげな雰囲気。しかしゴマはいてません。草原状のポイントは草いきれと強烈な日差しで時々クラクラしてきます。熱中症になっては洒落にならないので、ペットボトルをいつもより多めに補給しました。結局第4番目のポイントで、ゴマ♂らしき個体を目撃。俄然、元気が出てまいりました(笑), 何気なくワレモコウを覗くと、しっかりと卵が確認できました。
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GX100@5.1mm, ISO=100, F9.1-1/440、-0.7EV、撮影時刻:13時27分

 そのうち、複数の♀が登場。♂は少なく、どうやら♀の適期の様子。久しぶりに見るゴマは大きくて、とてもシジミチョウとは思えません。ワレモコウに絡む♀の飛翔でスタートです。
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D70S-24, ISO=500, F11-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:13時48分

 閉じかけた翅の隙間からチラリとブルーが覗き、夏空の雰囲気も表現できた納得のいく作画になりました。このあと♀の産卵シーンを撮影するも、満足な絵が得られません。しかし、この暑いのに♀は暇さえあれば産卵している状態でした。それでもカンカン照りは堪えるのか?産卵の前後では木陰で体温調節?している様子。笹の葉が日傘代わりですね。
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GX100@5.1mm, ISO=80, F5.7-1/380、-0.3EV、撮影時刻:14時17分

 次に同じ場面、gyoromeを使ってゴマシジミの視点で捉えたフィールドの情景をご紹介しましょう。
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GX100-gy8, ISO=80, F10-1/153、-0.7EV、撮影時刻:14時19分

 ゴマ嬢も暑さに辟易して「こう暑うと産むのもしゅわい(しんどい)のぉ~」と広島弁のボヤキが聞こえてくるようです(笑)
 
 ♂はボロしかいないので、諦めていたところ、思わぬ場面で新鮮な個体に出会えました。ワレモコウで産卵中の♀に敢然と交尾を仕掛けた♂が絡んだ連続シーンで、♂表翅の印象的なブルーを拝むこともできました。
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D70, ISO=500, F4.5-1/2000、-0.3EV、撮影時刻:14時8分58秒
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D70, ISO=500, F7.1-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:14時9分01秒

 2枚目では♂がワレモコウの茎に体を当てて翅をたたきつけ、必死に♀に迫るシーンは涙ものです(結局♀にフラレちゃったけど)。この地域(中国地方)産の特長である、①明るいブルー、②ブルーと外縁部黒褐色との境界線がくっきりしている点が、美しさを際立たせています。求愛飛翔シーンで目的の「青」ゴマ画像を撮れましたが、やはり狙いは開翅シーンでしょう。しかし、このカンカン照りでは、開翅は望むべくもありませんね。ここはきっぱりと諦めて残りの候補ポイントをウロチョロしました。何とか明日は曇って陽射しが弱まれば・・・。こんな期待に胸を膨らませながら、早く床につきました。(次回に続く)
by fanseab | 2007-08-20 21:40 | | Comments(22)

ギンイチモンジセセリ第3化の探索(8月16日)

 今日の暑さも半端ではなく、埼玉県・熊谷市では日本最高温度の40.9℃を記録したとか。よせばいいのに、この暑さの中、神奈川県川崎市の多摩川縁でギンイチ探索です。これまで10年以上継続観察してきた自宅から徒歩3分のマイポイントは本年2月の記事でご紹介した通り、跡形も無い状態です。そこで、このポイントから結構離れたオギ(ススキに似たイネ科植物)の群落を探ってみました。朝7時観察開始。いや~、想像はしていましたが暑いです! 5分も歩くとヘロヘロになる暑さ。暑期の北タイのような感じかな?飛び出すのはバッタやツチイナゴの類。オギの葉に残る食痕はセセリではなく、いずれもバッタによるもの。30分位歩いた時、前方に黄金色の影がチラチラ飛んでいます。いました!!ギンイチの第3化♂です。しかし、数秒の後、藪の中に消えていきました。この時期、藪に入られてはどうしようもありません。見送るだけです。結局1時間探索して延べ2頭の♂を目撃。証拠写真は撮れませんでしたが、確実に生息していることがわかりホッとしました。

 探索の途中、藪をくぐった瞬間、顔の右側に激痛が走りました。気がつくと、どうやらアシナガバチの巣を刺激したらしく、右耳下を刺されていました。蜂に刺されるのも久しぶりです。真夏の草原探索は障害が多いですね(^^;;

 この後、駄目もとでマイポイントに戻り、30分ほど探索。しかし、ギンイチはおろか、この時期ある程度期待したミヤマチャバネ、さらにはキマダラセセリの影もありません。この近辺から「セセリチョウ」が姿を消してしまったのです。もちろん、秋口になれば、チャバネやイチモンジは飛ぶでしょうが、多摩川縁の楽しみである豊富なセセリ群はもう過去物語になってしまうのでしょうか?ちょっと寂しい気分です。ススキやオギが減少した代わりに繁茂しているのがクズやアレチウリ。クズを見てみると、もう紫色の花弁をつけていました。早速ウラギン幼虫を探索すると、こちらは直ぐに発見できました。
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GX100@5.1mm, ISO=100, F6.5-1/97、撮影時刻:8時14分

 いつ見ても、この幼虫の保護色の素晴らしさには驚かされますね。どう見ても、ウミウシとかアメフラシといった磯の軟体動物を連想してしまいます。この日のカンカン照りの空を入れてもう一枚。
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GX100@5.1mm, ISO=80, F9.1-1/250、-1.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時20分

 尋常でない暑さとの戦いでもあったこの日の探索。8時半に限界に達し、帰宅してシャワーを浴びるとようやく生き返った気がしました(笑)
by fanseab | 2007-08-16 22:10 | | Comments(12)

ゴマダラチョウ幼虫の脱皮(8月15日)

 猛暑が続く川崎市内。ようやく涼しくなった夕方になってから、買い物がてら、道路脇のエノキとマテバシイ探索です。この春~夏にかけてマテバシイを結構丹念に見てますが、ムラサキツバメ幼虫は発見できません。一昨年夏の豊作が嘘のようです。やはり春先の異常気象(2月の高温と3月の低温)が影響しているのでしょうか?

 さて、小さなエノキの株を検すると、ゴマダラチョウの3令?幼虫が葉先に止まっていました。頭部の一部が割れて脱皮がスタートしているところでした。 
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GX100@5.1mm,ISO=80,F8.1-1/24,-1.0EV、撮影時刻:16時46分

 買い物を済ませて帰りしな、再び幼虫を覗いて見ると、なんともう完全に脱皮してました。
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GX100@5.1mm,ISO=100,F9.1-1/18,-0.7EV、撮影時刻:17時27分

 脱皮直後の頭部突起は異様ですね。一瞬、アカボシかとも思いましたが、尾端の突起が二股に割れているのでゴマダラに間違いありません。真上から見た脱皮直後の4令?幼虫です。体長は14mm程度。
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GX100@5.1mm,ISO=100,F5.7-1/26,-0.3EV、撮影時刻:17時29分

 アカボシについても春先から機会あるごとにエノキの観察をしていますが、今のところ坊主。「蔓延っている」感触ではありません。しかし油断は禁物。これからも観察を継続していきます。
by fanseab | 2007-08-15 22:55 | | Comments(4)

キリシマリベンジ:三度目の正直か?(8月9日)

 今年最初の夏休みを平日に取り、懲りずに鈴鹿山脈に篭りました。今シーズンは、これが三回目の遠征。午前3時自宅発、マイポイントに5時50分着。前日激しい夕立があったのでしょう、梢はタップリ水を吸っています。そこで、長竿を封印して、ひたすらルッキングで♀を探索。今回は双眼鏡も動員してじっくり探しましたが坊主(^^;; 埒が明かないので、長竿でペシペシやると、少数の♀が飛び立って、梢の上に・・・・。毎度お馴染みのパターンに泣けてきます。ガスも山並を覆い始めたため、結局、このポイントは8時過ぎに撤収。先日♂をじっくり撮影したポイントには、影も形もありませんでした。

 せっかくの休暇がこれでは台無しなので、先々週に下見した新規ポイントに転戦しました。3箇所のポイント(ポイントA,B,Cと仮に呼びましょう)を順番に巡ります。ポイントA,Bは♂の姿もありません。しかたなく、Cポイントに向かう途中、東向きの谷あいに銀白色のフラッシングを発見!!早速下車すると、2頭の♂が追尾飛翔(チェーシング)の真最中。チェーシングする2頭同士が交錯して、全4頭で追飛する、「4頭立て」の豪華シーンも拝むことができました。昨年は腐るほど?観察できた「4頭立て」も今年はこのポイントでようやく出会えた感じです。

 しかし、いかんせん、彼らの運動会場となっているアカガシまで水平距離で30m、垂直距離15m程度離れているため、仕方なく飛翔1本に集中しました。今回は新たな試みとして、400mmズームに外部ストロボを装着し、連射可能な状態で露光不足を補う作戦に出ました。合計で480ショットほど打って、何とかお見せできるものが3ショットありましたので、アップしましょう。
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D70S-VR84@400mm, ISO=640, F5.6-1/1000、+1.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時52分
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D70S-VR84@200mm, ISO=640, F5.3-1/1000、+2.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時12分
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D70S-VR84@240mm, ISO=640, F5.3-1/1000、+3.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時28分

 ♂の飛翔シーンは本年の重点課題のひとつでした。まだまだ理想像にはほど遠いですけど、昨年の酷い画像からは少し進歩したように思えます。

 さて、飛翔オンリーにも少し飽きてきたので、最後にCポイントに向かいました。ここは比較的接近戦で♂開翅を撮影できる可能性があります。淡い期待も虚しく、♂は坊主。仕方なく、アカガシの下枝を軽く叩くとチラチラとゼフが飛び出しました。特徴のある裏面模様が見え隠れして、間違いなくキリシマの♀!運良く至近距離の下枝に留まってくれました。高まる心臓の鼓動を押さえながら、大急ぎで400mmズームをセット。慎重にピントを合わせると、何と開翅してくれました!「やったー!」
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D70S-VR84@370mm, ISO=640, F8-1/200、-1.0EV、撮影時刻:11時48分

 ボロの♀開翅は昨年9月に撮影済みですが、新鮮な♀開翅はもちろん初体験。キリシマに関しての本年最大目標がクリアできて、最高に嬉しい場面でした。この♀、変化する日差しの強弱に応じて、一旦翅を閉じた後、別の角度でまた惜しげもなくご開帳してくれました(^^)
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D70S-VR84@370mm, ISO=640, F8-1/200、-1.0EV、撮影時刻:11時48分
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D70S-VR84@370mm, ISO=500, F5.6-1/640、-1.7EV、撮影時刻:11時51分

 開翅が終わった後、♀はアカガシの周りを緩やかに飛行。葉上に止まると、静かに茎に歩いて行きます。間違いなく、産卵行動です!キリシマの産卵はお盆過ぎ~9月と聞いていたので慌てました。♀は枝を歩きながら、触覚を下げて休眠芽の状態を丁寧に確認するような仕草をしています。
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D70S-VR84@400mm, ISO=640, F7.1-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時00分
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D70S-VR84@400mm, ISO=640, F7.1-1/500、+0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時05分

 好みの休眠芽を見つけると休眠芽を脚で抱えるようにして産卵です。
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D70S-VR84@400mm, ISO=640, F7.1-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時59分55秒
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D70S-VR84@400mm, ISO=640, F7.1-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時00分07秒

 ただし、一連の画像から産卵された卵を確認できませんでした。産卵木のアカガシは樹高2m程の低木。しかし、崖地に生えているため、産卵後の休眠芽を手に取って卵を確認することもできません。それと、最後から4枚目の♀画像中央上に写っている休眠芽が発育不良であることが気にかかります。ひょっとすると、♀は産卵していなかった可能性もあります。この場合、下記の可能性が考えられます。
①交尾済みの♀が擬似産卵行動をしていた。
②実際の産卵行動だったが、休眠芽の発育不良のため、産卵を回避した。
 小生は何となく今回撮影した個体は②ではなかったのか?と推察しています。とにかく、昨年からの懸案テーマであったキリシマ♀産卵シーンが撮影でき、休暇取得が報われた感じです。9月下旬まで、まだまだ産卵シーン撮影のチャンスはあるので、次回は腹端と卵が同時に写った証拠画像を是非撮りたいと思っています。
by fanseab | 2007-08-10 21:44 | | Comments(24)

真夏のホオジロ(7/29)

 今日(8/4)の兵庫県南部は、台風が通り過ぎてムチャ蒸し暑い一日でした。夕方から出勤ってこともあって、本日は休養日にしました。午前2時出発の遠征等をやっていると、ちと体がしんどく、ここで一休みです。で、画像は先週末の在庫から・・・。

 7/28のキリシマ探索で♀&♂開翅画像にフラれたので、実は日曜日(7/29)も連荘で鈴鹿に篭っていたのです。この日はマイポイントではなく、新規ポイント開拓を目的に、数箇所をウロチョロしてました。朝方、長竿での叩き出しの合間、澄んだ囀りが山間に響き渡りました。しばし、長竿を置いて耳を澄ませると、小生の前方、マンサクの樹間にソプラノボイスの主人公がおりました。ホオジロです。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F6.3-1/500、+0.7EV、内蔵ストロボ、調光補正-0.7EV、撮影時刻:6時43分(7/29)

 今年の冬場から、野鳥撮影をスタートさせた小生、蝶の観察シーズンの真っ先中に野鳥を撮るのはこれが初めて。嘴を空に向けて精一杯鳴いている姿は健気ですね。「早くパートナーを見つけろよ~♪」って激励したくなりました。この小鳥、正面から見ると、とたんに威嚇するような面構えになるのも面白いです。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F8-1/400、+0.7EV、内蔵ストロボ、調光補正-0.7EV、撮影時刻:6時43分(7/29)

 この日は結局、3箇所のキリシマ撮影ポイントを発見することができました。しかし、残念ながら、至近距離で狙える場所ではありませんでした。ようやく撮影できた証拠画像をお見せしましょう。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F9-1/160、-0.7EV、撮影時刻:10時36分(7/29)

 脚立にもよじ登って、輝くサファイアブルーエメラルドグリーン(※)を何とか拝めましたが、この有様です。でも、これからキリシマにチャレンジされる方に敢えて申し上げますが、↑の画像が平均的に得られる♂開翅画像だと思ってください。長玉を駆使しても通常この程度です。野鳥撮影でよく使用されるデジスコなら効率良く撮影できるかもしれません。

 実は↑の画像撮影後、長竿ネットマンが数人このポイントに押しかけてきたため、退却を余儀なくされたのでした(涙)。最近、アカガシの樹高・枝ぶりから、キリシマが好きそうなポイントの雰囲気が何となく分かるようになりました。このポイントも「小生が独自開拓した場所だ、へへへ・・・」とほくそえんでいたのですが、どうやら有名ポイントだったのかもしれません。

 今シーズン、夏が続く限り、まだまだ小生のキリシマ挑戦は続きます。

※(8/5追記)
表翅の色合いを宝石に例えるのは難しいですね。現時点では「パライバトルマリン」がキリシマ♂にピッタリかもしれません。
by fanseab | 2007-08-04 23:29 | 野鳥 | Comments(8)