探蝶逍遥記

<   2006年 05月 ( 7 )   > この月の画像一覧

紫色の幻光を求めて

昨日(5/30)は久しぶりの年休。遠征の疲れも残っていて静養する予定でしたが、良い天気にじっとしていられず、大阪・淀川河川敷へコムラサキの探索に出かけてきました。

ポイントに到着してみると、沢山のヤナギが有り、いい雰囲気。でも川岸はと言うと、発泡スチロールの塊やペットボトルが山のように漂着してゴミ溜め状態。こんな環境で本当にいるのか?と訝しげに探索すると、柳の梢を黒いシルエットが・・・。やはりいました!しかし梢のてっぺんを飛翔するので首を上げたままお預け状態。そのうち1頭が柳の茂みに潜り込み、探してみると、コゴメヤナギ?の樹液を吸っていました。この時期、彼らにとって貴重な吸汁源なのでしょう。風でそよぐ茂みの間からピンポイントに蝶を狙わねばならず苦労したショットです。
f0090680_21311089.jpg
D70S-VR84@400mm, ISO=500、F11-1/400、-0.3EV、内蔵ストロボ

しばらく歩き回ると結構個体数は多いものの、テリ張り位置は川面の柳の葉上。撮影可能な場所は極めて限られます。ようやくのことで、ぎりぎり狙える角度に完品の♂が止まってくれました。それでも400mmレンズでなければ確実に撮影困難な位置で、望遠ズーム様々のショットです。光の回り込みが絶妙で、いい雰囲気に仕上がりました。
f0090680_21321699.jpg
D70S-VR84@400mm, ISO=500、F8-1/500、+0.3EV

さらにウロウロ探し回ると、上手い具合に90mmマクロの射程距離にこれまた新鮮な♂がモデルになってくれました。所謂「斜め45?度開翅」ポーズで、タテハチョウが最も凛々しい表情を見せるシーンを切り取ることができました。この角度からの写真としては、これまで小生が撮影した中でもお気に入りの作例となりましたので、少し大きめの画像でお見せしましょう。
f0090680_21325855.jpg
D70, ISO=500、F5.6-1/500、+0.3EV

さて、問題は首題幻光色の撮影です。川面に向かってテリ張りするので、今日はチャンスがないかな?と諦め半分でしたが、昼過ぎ、川岸の砂地に♂が吸水にやってきました。シャッターを押しながら、紫色が見える角度は局限されることを実感しました。何とか一番輝いた画像を貼っておきます。残念ながら、後翅肛角部が揃って欠けた(バードビークか?)個体でした。恥ずかしながら、小生、このタテハの幻光色撮影はこれが初体験。まあ最初はこんなもんでしょう。完品撮影は第2化以降のチャンスに賭けることにします。
f0090680_2135294.jpg
D70, ISO=500、F13-1/800
by fanseab | 2006-05-31 21:41 | | Comments(12)

本日もお姫様を追っかけ

午前中晴間が広がる予報を信じて、昨日と全く同じポイントへ。本日の狙いは昨日トライできなかった開翅と飛翔です。勝負時を考え、現地7時前着。朝方の雨を浴びた下草にびしょ濡れになりながらお姫様を探します。

薄日が差し始めると早速1頭目が飛び始めました。ただ開翅ポーズは簡単に披露してくれません。待てば開くと言うものではなく、止まった瞬間にパッと開いてすぐ終わりとか、どうにもタイミングがはかれません。ようやくご開帳すると、意外にスレていたり、ギンイチモンジセセリ同様、この手の暗いモノトーン表翅撮影の難しさを実感します。で、本日のベストショットはこちら。
f0090680_213467.jpg
D70, ISO=500、F7.1-1/1250、-0.3EV

お次は90mmマクロでの飛翔写真。昨日に比べると弱いものの風が収まらず、時々風に流されるため、緩い飛翔のわりには難儀しました。表と裏が見えるのを貼っておきます。
f0090680_2141631.jpg
D70, ISO=640、F5.6-1/1250、+0.3EV
f0090680_2143139.jpg
D70, ISO=640、F6.3-1/1250、+0.3EV

昨日、「眼状紋の個体変異が楽しみ」とコメントしましたので、バリエーションの1種をご紹介しましょう。後翅裏面眼状紋の内側を彩る白帯の基部側が濃く縁取られるタイプで、第2室の眼状紋内部の銀白点が欠落しています。これだけ千差万別の斑紋を見せつけられると、個体識別に利用できそうで、個体群の行動半径研究等に応用可能でしょう。
f0090680_2144836.jpg
D70, ISO=500、F14-1/320、-0.3EV

晴間が濃くなった9時半過ぎ、突風が吹き始めたので早めに撤収です。対面の山並みから「ケーン」と甲高いキジの鳴き声や「テッペンカケタカー♪・・」とホトトギスの囀りを聞きながら草原を後にしました。2日間、追い回されたお姫様達。今晩はゆっくりとお休みあれ。
by fanseab | 2006-05-28 21:08 | | Comments(10)

播磨のお姫様と遊ぶ

早朝5時半起床。窓を開けると低い雲と強い風。暫く逡巡しましたが、日曜の天気も読めないので、思い切って播磨の乾燥草原へ、ヒメヒカゲ探索に赴くことにしました。実は昨年のこの時期、パスして、他種の撮影を狙ったこともあり、デジ一できちんと撮り直そうと期するものがありました。

現地、8時前着。風が冷たく蝶が飛ぶ気配なし。フライングかな? 仕方なく、終齢幼虫と蛹の探索を延々と1時間以上続けます。当然ではありますが、結果は坊主。簡単に発見できるものではありません。少し風が弱まった9時半頃、やっと主役が登場。期待感から、ヒメジャノメのようにデカく感じられました。
f0090680_23155023.jpg
D70-24, ISO=500、F5.6-1/640、+0.3EV

兎にも角にも今日は風との戦い。手ブレではなく被写体ブレをどう防いだらいいか?試行錯誤が続きます。結局この日出会った3頭の中で、羽化したての鈍い個体が風を避けて潅木脇に止まったところで、やっと90mmマクロでのきちんとした写真が撮れました。曇り空のお陰で発色は良好です。
f0090680_23161138.jpg
D70, ISO=500、F13-1/250、-0.3EV

このヒカゲ、眼状紋の個体変異が楽しみでもあります。愛読するブログ:My Favorite Butterflies of Japan新日記蝶のkさんが本年2月4日、後翅裏面第6室に出現する眼状紋の中に「アンドロメダ星雲が見える」との記事を書かれていました。↑の写真の同じ部分を見ると、「ガリレオ衛星を2つ持つ木星」のようにも見えます。ちょっと無理があるかな?(^^)

さて、今回観察したポイントは播磨の酸性土壌をベースにする代表的な草原で、食虫植物として有名なイシモチソウも見ることができます(↓の写真)。水滴のような粘着液体で昆虫を捕まえます。試しに指に液体をつけてみると、微妙にネバネバしています。
f0090680_23173913.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=400、F4.5-1/500、+0.3EV

ヒメヒカゲもイシモチソウも環境省のレッドデータブックでは共に「絶滅危惧第Ⅱ類」に区分されています。両種が末永く、当地で観察できるよう優しく見守りたいものです。

お昼に現地を後にして、いつものようにヒメヒカゲの新規ポイント探索に。この地域では珍しい湿性湿原を見出しましたが、結果はヌル。残念な気持ちを慰めてくれたのがアサマイチモンジの♀。これも羽化したてのようで、羽ばたきの練習中の個体。前翅基部から茶色の鱗粉が翅脈に沿って散布されているのにはビックリです。
f0090680_2317554.jpg
D70, ISO=500、F10-1/250

自宅から1時間半のドライブで辿り付ける貴重なお姫様達の楽園。きっと来週の土曜日頃が見頃になることでしょう。

【お知らせ】
本体HP、「日本の蝶」にスギタニルリシジミ、ミヤマセセリ、ギンイチモンジセセリを追加しました。お口直しにお立ち寄り頂ければ幸いです。
by fanseab | 2006-05-27 23:24 | | Comments(8)

アザミに集うPapilio達

最近、飛翔写真病?に罹っておるので、心機一転、本日は90mmマクロでのオーソドックスな写真を撮影する日と決め、西播磨に車を走らせました。

快晴・無風、一年に何日かあるかないかの絶好の条件の下、まずは、オナガアゲハ♂がお出迎え。♂は盛期のようでした。オナガの翅の質感描写優先でアザミが多少白飛びしたことは仕方ないですね。

f0090680_0112420.jpg
D70、ISO=500、F5.6-1/500、+0.3EV

お次は本日の最大の狙い目、カラスアゲハの♂。数はオナガより圧倒的に少なく、希少価値満点。しばらく観察して蝶道を見切り、アザミ前で待ち伏せ、望み通りの写真をゲットできました。やはり、アキリデスは見事です。惚れ惚れします。
オナガ、カラスについては、結構な枚数を撮影しましたが、納得できるコマは少なく、定番とも言える、アゲハの吸蜜シーンの撮影はつくづく奥が深いなあ・・・これが実感です。

f0090680_0114166.jpg
D70、ISO=500、F7.1-1/500、+0.3EV

アゲハの吸蜜間隔は15-20min.空くので、その間、ウツギの花を覘いていると、青い影が目の前をよぎります。今日は撮らないと決めていた「病」が再発、こんな画像が撮れちゃいました。

f0090680_0115750.jpg
D70、ISO=500、F11-1/50、+0.3EV、内蔵ストロボ

その他、ウスバシロ、ボロのジャコウ♂、クロアゲハ♂、ツマキチョウ等、満開のアザミは蝶達の楽園状態でした。しかし、本日午前中の最大の成果はコジャノメの開翅ポーズ撮影ができたこと。めったなことでは開かないこのジャノメ。比較的新鮮な個体に狙いをつけ、30分間にらめっこ状態を続け、相手が根負けして開いたところをパチリ。ラッキーにも♀でした。後翅外縁側が薄白く飾られているのがオシャレです。

f0090680_0121430.jpg
D70、ISO=500、F13-1/400、-0.3EV

この後、少し東に移動してクロツの新規ポイント開拓に。前から「臭い」がする地域で見事生息を確認。秋の日の楽しみがまたひとつ増えました。成果が多く、真の五月晴れに万歳!でした。
by fanseab | 2006-05-21 23:50 | | Comments(12)

後光?が射したスギタニルリシジミ

本日は、お天気も芳しくなく、在庫画像ネタです。
小生が愛読するブログ: 撮影日記のDさんが、5/4付けの日記でコツバメの逆光写真を報告されています。縁毛がブルーに輝き、「トリビアの泉」ではないですけど、「ヘー」と唸ってしまいました。

ところが、先日小生が但馬に出向いて撮影したスギタニルリでも同様な現象が観察されていますので、ご報告します。下の写真をご覧下さい。


f0090680_1150269.jpg
D70, ISO=500、F11-1/400、+0.3EV

コツバメに比べると煌びやかな感じには欠けるものの、後翅縁毛が、微妙にブルーに輝いています(オリジナル画像をphotoshopのトーンカーブ補正で目一杯暗くして「後光」を強調しています)。また、胸部(背中)に生えている毛も同様に青く光っています。いったい、どのような機構で光るのでしょう?個人的には縁毛の微構造に起因する青色光の選択散乱と睨んでいますが、興味深い現象です。

そこで、ブログ仲間の皆さんに提案です。
あらゆるシジミを逆光で撮影して、「○○シジミも青く光った!」、「××シジミは全く光らない」・・・と「後光」調査をしてみたら面白いと思っています、如何でしょうか?
何ですって?「俺はそんなに暇じゃない!」・・・イヤ~ごもっともです。でも珍品狙いでヌルった時、手ブラで帰るのもしゃくな時ってありますよね?そんな時のネタに小生提案の実験をされたら如何でしょうか?
※老婆心ながら付け加えますと、「後光」撮影時は裏面を正確に描写することが目的ではないので、かなりアンダー気味(例えば-0.7EV)に設定されることをお勧めします。

因みに昨年秋、播磨地方で撮影したシルビア♂も、前翅縁毛が微妙にブルーの「後光」が射しています(↓の写真)。表翅がブルーのシジミはすべて青く光る可能性がありそうです。ということは・・・、これから発生するアカやウラナミアカではどうなる?(橙色の後光?)はたまた、Cryso系ゼフ♂では金緑色に光輝く?等々、興味は尽きません。


f0090680_11503210.jpg
D70, ISO=500、F5-1/1600、+0.3EV

【お知らせ】
本体HPの「香港の蝶」ギャラリーを科別表示方式に変更し、新規に画像を追加掲載しています。お時間がありましたら、お立ち寄りください。今後、各地域別ギャラリーを同様に科別表示方式に変更し、掲載画像を大幅に増加する予定です。ご期待ください。
by fanseab | 2006-05-13 11:53 | | Comments(10)

薫風に漂うパルナシウス

今年のGWは例年に比べ、天候に恵まれたようで、4月の土日、悪天候に辟易していたのが嘘のような、青空が続きます。5月の青空と言えば・・・、コイノボリではなく、もちろんウスバシロです。で、本日(5/5)、7年ぶりに神奈川県津久井郡のポイントに出向きました。7年の歳月でポイントが荒廃していたらとの不安がよぎりましたが、現地に到着すると心配ご無用とばかり、元気よくフワフワ舞いながら、相手が迎えてくれました。

快晴・無風。絶好のシチュエーション。このところ、レンズ沼ならぬ、「飛翔写真沼」に浸かり始めた(笑)小生としては、是非とも抑えたいのがFisheyeでの超広角画像。今回はテレコンをはずし、純粋に10.5mmの画像に拘る作戦。ストロボ未使用、ストロボ使用、さらには、ストロボ照射条件探索を延々と2時間。いくら相手の飛翔が緩いとは言え、ヘロヘロになりながら、ようやくゲットできた本日のベスト画像をアップします。ど真ん中にウスバシロが入り、バックの青空、周囲の風景、小生が狙っていたほぼベストイメージの画像です。こんな画像が偶に撮れてしまうから、飛翔写真沼の底は深いのです(笑)

f0090680_2145433.jpg
D70S-10.5, ISO=400, F11-1/500、-0.3EV、内蔵ストロボ(マニュアル発光、光量補正1/8)

一休みしていると、ポイントにデジ一眼をぶら下げた初老の男性が。早速、名刺交換すると神奈川県で有数の同好会、「○○の蝶を語る会」のAさんでした。毎年、この地域に通い詰めているAさんによれば、林道の拡幅工事等でウスバシロの好ポイントが軒並み減少しつつあるとのこと。フィールドでの蝶談義は本当に楽しいものです。Aさん、貴重なお話、有難うございました。

さて、お次は90mmマクロでの飛翔写真。通常1/1250で撮影するシャッター速度を天気が良いので1/1600に上げ、飛翔の瞬間を正確に切り取ることに腐心しました。ややアンダー気味に設定したので、「薄羽」の和名由来となっている翅の透明感が何とか表現できたと思っています。
f0090680_21461632.jpg
D70, ISO=640, F8-1/1600、-0.3EV

帰路、車道沿いを歩いていると、褐色の小型タテハが足元を飛んでいます。新鮮なサカハチチョウの春型でした。テングチョウは殆ど姿を消して、季節が確実に移っていることを実感できました。
f0090680_21464590.jpg
D70S-10.5(トリミング), ISO=640, F7.1-1/1250

吸水シーンで見せる春型表翅のエレガントなダンダラ模様も小生のお気に入りです。
f0090680_2147567.jpg
D70, ISO=500, F13-1/250、+0.3EV

実は本日の遠征、秘かにミヤマカラスアゲハ吸蜜シーンを目論んでいたんですが、カラス♂2頭、オナガ♂1頭を目撃するに留まりました。まだ早いのかな?

とまれ、成果が挙がってなにより。一日歩き詰めで喉も渇いたし、某ブログのnさんの決めゼリフではないが、「今日はビールぢゃ!!(笑)」
by fanseab | 2006-05-05 21:51 | | Comments(16)

セセリ2題: 神奈川県川崎市

GW前半は定点観測している多摩川河川敷に、ギンイチモンジセセリとミヤマチャバネセセリの様子を見に行きました(5/1および5/3)。

まずは、ギンイチです。5/1は気温の上昇が殊の外高く、8時前からパタパタ飛び始めました。ボロ♂が多く、目論見の開翅シーンはさすがに控えました。そこで半開翅でギンイチらしい画像を一つ。

f0090680_1955326.jpg
D70, ISO=500, F8-1/400

お次は飛翔写真。このセセリの生息環境はススキ原ですから、枯れたススキの間を飛ばれると追いかける度、枯茎に足元を取られ、ヨタヨタ飛ぶ蝶を追いかけるこちらもヨタヨタ(笑)。ヘロヘロになってしまいます。
翅を畳んだシーンと開いたシーンの両方を貼っておきます。

f0090680_19562084.jpg
D70, ISO=640, F6.3-1/1250、+0.3EV

f0090680_19564583.jpg
D70, ISO=640, F7.1-1/1250、+0.3EV

ギンイチは昨年に比べ、やや個体数が少なく、訪花シーンや交尾場面は残念ながら撮影できませんでした。

一方、ミヤマチャバネはいつも忽然と現れます。ススキの原が開けた見通しのいい場所でテリ張りしていました。

f0090680_19574191.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F11-1/250、+0.3EV

このポーズだと、この蝶らしくないので、裏面がはっきり見える閉翅ポーズはこちら。
第一化の個体は後翅裏面の白斑も全般に大きめで見栄えがします。

f0090680_1958866.jpg
D70, ISO=500, F13-1/250、+0.3EV

引き続き、飛翔写真にトライ。ギンイチに比較すれば、はるかにこちらは難物。テリ張りに戻ってくる際に緩やかな周回飛行に移行する時がチャンスですが、ギンイチと違って予測がつかない飛び方をするので大変。やっとこさ、視野に飛び込んできた、ピン甘の画像を貼っておきます。これが、現状の実力精一杯の結果でしょう。

f0090680_19584050.jpg
D70, ISO=640, F7.1-1/1250

このポイントは5年ほど前に河川改修で従来2本に分かれていた川の流れを強制的に一本化したため、ススキの群落が分断、減少し、ギンイチの数が激減しました。ミヤマチャバネはもともと個体数が多くない蝶なので、それほど数の変動はないのですが、両種共に今後が心配です。お役人の皆さん、何とか河川敷を無用にいじくるのは止めてほしいです。蝶屋からの切なる願いです。
by fanseab | 2006-05-03 20:01 | | Comments(12)