探蝶逍遥記

カテゴリ:蛾( 10 )

ビロードハマキ(9月下旬)

久しぶりに蛾の話題です。以前から一度は観察したかったド派手な蛾、ビロードハマキ(Cerace xanthocosma)を拙宅近くのマンション植え込みで発見。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D71K-85VR,ISO=200、F10-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:15時45分

 白班の大きさ・密度から♀のようです。前翅長は26mm。クスノキの葉に下向きに止まっていました。遠目からも違和感があり、近くで見てもやはり異様な姿です。そもそも頭部が上にあるか?下にあるのか?ちょっと見、迷うデザインですね。2日後、成虫が飛び去ってから同じ場所を訪れてみました。恐らく蛾が静止していた場所は巣に違いないと思い、その確認が目的です。先ずは全体像。
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/125、外部ストロボ、撮影時刻:14時12分

 クスノキの葉4枚を結構厳重に綴っています。開封してみると、蛹殻が確認でき予想通り、ビロードハマキ終齢幼虫が使用していた巣でした。
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D71K-85VR(4コマ深度合成+トリミング),ISO=400、F10-1/125、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時12分
 
 蛹殻の体長は23mm。真っ黒な終齢幼虫頭殻も確認できました。吐糸の量も半端なく多く、繭と言っても過言ではない造巣形式ですね。他にも同じ巣がないか?チェックすると、もう一つ蛹殻が残された巣を発見。
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TG4@18mm(トリミング),ISO=100、F2.3-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時53分

 こちらの蛹殻全長は17mm。少し小さいので、♂の蛹殻でしょうか。更に同じ株から別の巣を発見。
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D71K-85VR,ISO=400、F8-1/160、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時19分

 こちらは手の届かない高さなので開封はしておりません。茶色に変色したクスノキの枯葉が樹上で不自然に残っていれば、彼らの巣のようです。それでは他の株からも巣がみつかるのか、ざっと10本ほどクスノキ株を検しましたが、全く巣を発見できず、個体数はそれほど多くないようです。この近辺は30年ほど連続観察している場所ですが、ビロードハマキを発見したのはこれが初めて。ネット上で調べると東京近辺では2003年頃を境に急速に個体数が増加しているとのこと。理由として「地球温暖化」なる安直な用語が使用されています。ただ管理人は食樹の一つ、クスノキが街路樹や庭園植栽として分布・拡大したことが東進(北上)化の一因だろうと考えています。現時点での北限は福島県南部。ホストを同じくするアオスジアゲハの生息北限が青森県なのに対し、緩やかな北上モードになっています。越冬態はアオスジが蛹、ビロードハマキが幼虫。やはり耐寒性の観点からアオスジアゲハが有利なのでしょうね。
by fanseab | 2016-10-05 22:53 | | Comments(0)

ヒメクロホウジャクの飼育メモ(蛹化まで)

 秋期に実施した鱗翅類飼育メモの第3弾です。今回はスズメガ科のヒメクロホウジャク(Macroglossum bombylans)。10月初旬、午後1時半頃、横浜市郊外の里山公園でホウジャク類♀の産卵シーンを偶然目撃しました。悔しいことにカメラを車に置いたままで産卵シーン撮影には失敗(^^;
 産卵植物はアカネ科のアカネ(Rubia argyi)でしたので、当初は絶滅危惧Ⅱ類(VU)のスキバホウジャク(Hemaris radians)と誤認しましたが、飼育が進んで終齢幼虫になった段階で、普通種のヒメクロと判明し、ちょっとガックリ。それでも蛾類で卵から蛹までのフルステージ飼育を手掛けたのはこれが初。貴重な体験となりました。最初は産卵状況。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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GX7-Z60、ISO=400、F7.1-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:10月7日

 アカネの新芽に多くの卵を産みつけておりました。とりあえず2卵を採卵。次に拡大像。
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GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+上段4コマ/下段2コマ深度合成)、ISO=200、F16-1/250、内蔵ストロボ(トリガー信号のみ)+スレーブ2灯、撮影月日:10月10日

 長径1.2mm、短径1.1mmの楕円形で、高さ0.96mm。ナミアゲハと変わらぬ大きさで、成虫の開翅長に比較して相当デカイ卵です。表面は微細な凹凸がありますが、ほぼ平滑でPapilio属の卵に類似した雰囲気。10/11に2卵ほぼ同時に孵化。初齢幼虫です。
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D71K-1855改@35mm(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成)、ISO=200、F13-1/250、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:10月13日

 体長7.4mm(尾角含まず)。頭部は模様が無く黄色、胴体も無紋でやや黄色味を帯びた緑色。尾角は漆黒。10/14に2齢。
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D71K-1855改@18mm(トリミング+上段2コマ/下段3コマ深度合成)、ISO=200、F9&13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:10月17日

 体長12mm(尾角含まず)。頭部がやや緑色を帯び、胴体全体に伸びる白い側線が目立ちます。尾角は相変わらず漆黒。2齢途中で当初採取したアカネを食い尽くしたので、代替ホストとして記録のあるアカネ科のヘクソカズラを与えましたが、全く見向きもしません。仕方なく、採卵した里山公園に出向いてアカネを探索しましたが、「西向きで日当たりが良く、かつ水はけの良い急傾斜地」以外には生えておりません。分布はかなり局地的なので、この植物をホストとする鱗翅類はホスト確保で厳しい競争に晒されるものと思われます。葉を摂食中の2齢幼虫です。
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D71K-1855改@18mm(トリミング+2コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:10月17日

 アカネは茎の長さあたりの葉の面積が小さく、幼虫は葉だけでなく茎も食べ尽くすのが特徴です。#1個体は10/19に眠、翌20日に3齢へ。#2個体は一日遅れて21日に3齢へ到達。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月21日

 体長は30mm。背面側および側面側にも2本の白色条線が走り、尾角は紺色へ変わり、その先端は黄色味を帯びています。頭部も緑色地色に淡緑色の縦線が入ります。#1は10/22に眠、10/24へ4齢(終齢)に到達。#2は10/25に4齢へ。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成)、ISO=160、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:10月26日

 体長は31mm。最終的には40mm程度まで成長しました。全体的な特徴は3齢とさほど変化はありませんが、頭部の地色がブルーに変わり、縦線が淡緑色から黄色に変化しております。また中胸・後胸部白色側線部がバラの棘のように上部に突き出る特徴があります。
 ここで初齢~4齢までの頭部性状の変化をまとめておきます。拡大倍率は各齢バラバラで縮尺は任意です。
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 なお終齢末期の食欲は大変なもので、あっという間にアカネを食い尽くすのでハラハラさせられました。#1,2共に下痢便を出した後、10/31に前蛹になりました。実はスズメガ類の蛹化は土中でなされることが多いことを知っていたのですが、飼育のノウハウは無知でした。そこで丁度10/18に開催された「日本鱗翅学会関東支部秋のつどい」で蛾類研究の大御所、K氏に教えを乞いました。すると「泥を使用せずとも新聞紙で代用可」とのご宣託。繭形成に支障がないよう、新聞紙を短冊状に切断し、これを食草のアカネに混ぜて、飼育用プラケースに敷き詰めました。#1、#2の繭形成の状況です。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/60、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月1日
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月1日

 #1はほぼアカネの葉を綴り、#2は短冊状新聞紙を綴って繭形成をしております。#1個体繭の拡大像です。
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D71K-85VR(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月1日

 茶褐色の糸は結構頑丈です。慎重に繭を切断して#2の前蛹を撮影。
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D71K-85VR(トリミング+3コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月1日

 体長29mm、蝶の前蛹と同じく体色は透明感が増し、白色側線も目立ちません。尾角を体軸に平行にしているのは蛹化時の脱皮を容易にするためでしょうか? 11/3に#1,#2共に蛹化。
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D71K-85VR(トリミング+上段3コマ/下段2コマ深度合成)、ISO=200、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:11月7日

 体長は31mm。側面から眺めた時、頭部が坊主頭のように球形をしているのがユニークです。少し刺激を与えると尾部を左右に振るのはPapilio属の蛹などと同じですね。この後、自然状態と同じく来春羽化させるため屋外に蛹を放置することにしました。プラ容器から蛹を取り出し長方形プランターに移し替え、泥の代替品として短冊状新聞紙を敷詰め、ネットでプランター上部を被せて外敵侵入防御用としました。
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TG2@4.5mm、ISO=100、F2.8-1/125、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影月日:11月7日

 これを半日陰の場所に冬期間放置することにしました。果たして来春上手く羽化することができるのでしょうか?第1化の時期が全く不明なので、3月以降、こまめにネットを外して確認する必要があります。
 ヒメクロホウジャクの次は、できれば貴重種のスキバホウジャクにもトライしたいものです。
by fanseab | 2014-12-28 22:05 | | Comments(4)

クロスジフユエダシャクの飛翔(12月初旬)

 ムラサキツバメの新規越冬集団探索を目的に、拙宅から程近い東京都下の某公園を訪ねました。ここはマテバシイの植栽密度が結構高く、以前の下見で好感触を得ていたポイントでした。ところが相当広範囲に探索するもムラツの姿はなし。マテバシイの植栽を子細にチェックすると、実生(ひこばえ)が殆ど刈り取られていて、ムラツ最終化の食痕も殆ど見当たりません。ひょっとすると植栽の管理が過剰で、越冬世代のムラツ個体数が意外と少ないのかもしれません。一方、公園内にはよく管理された雑木林があって、そこには丁度クロスジフユエダシャク(Pachyerannis obliquaria)が乱舞しておりました。うっかり冬尺に手を出すとハマリそうなので、これまで本ブログで記事にしたこともないのですが、流石にこの日は飛翔を撮ってみたくなりました。ここは雑木林の下草管理も徹底していてアズマネザサの株丈も低いため、コナラやクヌギの落葉が絨毯のように分厚く積もっております。その枯葉製絨毯の上を、まるで枯葉の化身のようにフユシャクが乱舞する姿は圧巻でした。先ずは300mmで狙ったショットの作例。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34(トリミング)、ISO=640、F4.5-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:11時08分

 ほぼアウトプットイメージ通りに撮れました。ただ見かけ以上に俊敏で、画面内に収めるのに苦労します。
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D71K-34(トリミング)、ISO=640、F4.5-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:11時08分

 この絵から分かるように、長い前脚を目一杯伸ばして飛行しております。普通、蝶類は脚を畳んで飛翔するのに対し、わざわざ風力抵抗を増加させる飛び方は独特です。ひょっとして触覚同様、前脚にも感覚器官が存在して♀のフェロモン検出に役立っているのでしょうか? それとも単に飛翔が下手糞なだけで、バランスを取るため前脚を突き出すのかな? 次はノートリ画像としてこの日のベストショット。
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D71K-34、ISO=800、F5-1/3200、-0.7EV、撮影時刻:11時13分

 枯葉の直上を飛行する雰囲気はまずまず表現できました。♂の探♀行動は梢の上まで拡大しませんが、やや高い場所に上がった個体を縦位置トリミングで表現してみました。
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D71K-34(トリミング)、ISO=640、F4.5-1/3200、-0.7EV、撮影時刻:11時11分

 彼らを観察していると、ある一定の時間間隔で数個体が一斉に飛翔するような気がします。この群飛状況を何とか表現しようと工夫してみるのですけど、これが結構難しい!やっとこさ2頭を画面の左右端に入れ込むのが精一杯でした。
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D71K-34(トリミング)、ISO=800、F5-1/3200、-0.7EV、撮影時刻:11時13分

 ほぼ連続飛翔中の♂は、時折枯葉上に降りて日光浴をします。また翅を震わせながら枯葉の上でダンスを踊るような仕草を見せることがあります。
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D71K-34(トリミング)、ISO=800、F5-1/3200、-0.7EV、撮影時刻:11時15分

 恐らくは枯葉の下に潜む♀がフェロモンを放出していて、フェロモンを嗅ぎつけた♂が興奮して翅をバタバタしていたのかもしれません。この日は残念ながら交尾ペアを発見することはできず。次に彼らが舞っている雑木林の環境描写目的にミラーレスに対角魚眼を付けて高速連射で飛翔を狙ってみました。最初は紅葉バックの絵。
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GX7-10.5、ISO=640、F8相当-1/2500、撮影時刻:10時47分

 一見緩やかに舞うクロスジはレンズが接近すると危険を察知して、敏速に上下左右に逃げていきます。最近全く広角飛翔撮影を実施していなかったので、置きピン感覚が錆びついていて、大変苦慮いたしました。
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GX7-10.5(トリミング)、ISO=640、F8相当-1/2500、撮影時刻:11時03分
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GX7-10.5(トリミング)、ISO=640、F8相当-1/2500、撮影時刻:11時03分
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GX7-10.5、ISO=640、F8相当-1/2500、撮影時刻:11時03分

 最後の絵は毎度おなじみの「ジャスピン画像画面端の法則」が完璧に適用されてしまった作例。「もうちょいカメラを上向きにしておれば・・・」と、何とも悔やみきれない画像になったのでした。これまで蛾の飛翔をこれほど真剣に実施したことはなかったのですが、息をハァハァ言わせながら飛翔を撮ると体が暖まり、冬場の運動不足解消によさそうです(^^)
by fanseab | 2014-12-06 20:28 | | Comments(6)

ヒメクロホウジャクの終齢幼虫(10月中旬)

 キタキチョウの交尾ペアを撮影する直前、草本類の茎上に大きな芋虫を発見しました。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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GX7-Z60、ISO=200、F5.6-1/400(上);1/800(下)、-0.7EV、撮影時刻:10時50分

 一瞥してスズメガ科の幼虫と判断しましたが、その場では同定できず、帰宅後イモムシハンドブック(※)を参照し、ヒメクロホウジャク(Macroglossum bombylans)の終齢幼虫と確信いたしました。根拠は次の3点。
①側線が白く鋸状に突き出ている。
②尾角が直線的に伸び、地色は濃いブルー。先端は黄色に変化。
③頭部はブルーの地色に黄色条が走る。
 特に③が同定の決め手になるようです。なお、幼虫が付いていた草本はアカネ科のアカネ(Rubia akane )。ホウジャク類はアカネ科食いの種が多いのですけど、同科のヘクソカズラ(Paederia scandens)が完璧普通種で、どこにでも繁茂しているのに対し、アカネの分布は意外と局所的だと思います。この幼虫が付いていたアカネも人為的に移植されたと思われる場所にありました。このイモムシ、何と言ってもトカゲの背中を連想させる鋸状に突き出た側線が恰好エエですね!

※安田守(2014) イモムシハンドブック3、文一総合出版、東京.
by fanseab | 2014-10-23 22:27 | | Comments(2)

ヒメアトスカシバ(8月下旬)

 久しぶりに蛾の話題。これもキマダラセセリ産卵現場探索の過程で見つけました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時33分
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時34分

 葉上に止まっているこの♀個体を見て一瞬、後ずさりしてしまいました。やはり蜂に擬態する名人には騙されます。この仲間は珍品揃いで、ブログ仲間のze_phさん(外部リンクや、spaticaさん(外部リンクのサイトに傑作画像がよく登場します。ヒメアトスカシバ(Nokona pernix)はそんなスカシバガ亜科の最普通種の位置づけ。ホストはこれまた蔓性雑草としては普通種のヘクソカズラ。 

 さて、擬態の完成度が増すほど、魅力的になるのは蝶も蛾も一緒。スカシバガ亜科でも、セスジスカシバ(Pennisetia fixsenia)はどう見てもスズメバチそのものです。恐らく管理人もフィールドでセスジに出会ったことがあるのでしょうが、脳の中で一瞬、「スズメバチだぁ~」と見切って背を向けていた可能性もあります。ヒメアトも撮影後、フワッとホバリング飛行して管理人に向かってきました。別に羽音がする訳でもないのですが、思わず後ずさりしてしまいました。「焦るな!これは蛾だ」と理解していても本能的に逃げてしまいます。それと、2枚目の画像でわかるように、♀腹端の産卵器官はいかにも毒針のようにも見えます。飛んでいる時の全体像も、接近して観察した時のディテールも、擬態の本道を行く完成度に改めて感動いたしました。
by fanseab | 2014-09-07 21:12 | | Comments(2)

クヌギの樹肌に潜む幼虫達:続編(5月下旬)

【ご注意】今回の記事にも沢山の毛虫・イモムシ画像が登場します。この手の画像がお嫌いな方は絶対に記事を読まないで下さい。仮に当該画像閲覧で読者の方が食欲不振や体調不良に陥ったとしても管理人は一切責任を負いませんので悪しからず(笑)

 前回の山梨探索から一週間経過。ウラミスジ幼虫がそろそろ蛹になっているはずなので、それを主目的に再出撃です。先ず現場に急行して縦溝を見てみると・・・・。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時56分

 アララ、蛻の殻(矢印先が前回観察時の静止位置)! 近くを隈なく捜索するも発見できません。蛹化場所として相応しくないと判断したのか、クヌギから離れて枯葉にでも潜って蛹化したのでしょう。確実視していた蛹画像が撮れずにガックリです。これは越冬卵を採卵して飼育してみなければなりませんね。同じクヌギをフト見上げるとタテハの前蛹がぶら下がっておりました。
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:8時49分

 ヒオドシチョウの前蛹でした。ヒオドシは丁度一斉に前蛹の時期を迎えたらしく多くの箇所で前蛹を観察することができました。こちらは針葉樹の枝にぶら下がった個体。
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D71K-34、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時03分

 赤い腹脚が印象的です。この個体が群居していたエノキはこの枝から約7mほど離れた場所にあり、10m程度の距離は彷徨い歩いて蛹化場所を決定するのでしょう。別のクヌギにはテングチョウの蛹が垂下しておりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時13分

 このクヌギの少なくとも半径5m以内にはエノキの株が全くなく、テング老熟幼虫も結構歩くケースが多いようです。エノキに垂蛹になった場合は保護色になる蛹の色彩も、クヌギの樹肌に付くと目立って仕方ないですね。
 ウラミスジの蛹撮影が叶わなかったので、悪あがきで再度、クロミドリ幼虫の探索も実施。しかし、既に時遅しなのか、今回も坊主でした。殆どの終齢幼虫は既に前蛹か、蛹化してしまったと納得することにしました。で、今回もじっくりクヌギの樹皮を観察したため、前回同様、多くの鱗翅類幼虫を見出しました。前回ご紹介しなかったイモムシ・毛虫を総ざらいご紹介しましょう。なお、クヌギの縦溝に潜む幼虫が多いため、画像は必然的に縦構図になってしまいます。なので、一部画像を回転させて掲載しておりますので、ご了解下さい。
 最初はマダラマルハヒロズコガ(Gaphara conspersa)。
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TG2@13.5mm(トリミング)、ISO=800、F13-1/80、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時24分

 瓢箪型をした物体は実は幼虫の「隠れ蓑」でして、幼虫はこの中に隠れております。以前、キマダラルリツバメの母蝶が産卵木としそうな桜古木の樹皮に本種の「隠れ蓑」を見出したことがあります。蟻の幼虫などを捕食するようです。お次はシラホシコヤガ(Enispa bimaculata)。
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TG2@18mm、ISO=800、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時39分
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TG2@15.4mm、ISO=800、F13-1/80、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時40分

 地衣類を身にまとっているため、動くまでは全くその存在に気が付きません。以前から一度観察してみたかった擬態の名手だったので、目の前で苔が動いた時は感激いたしました。二枚目の画像をボンヤリ見ていてもどこに幼虫がいるか分かりませんよね!
 三番バッターはオビカレハ(Malacosoma neustrium)。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F3.8-1/800、外部ストロボ、撮影時刻:13時46分

 この子の色調はかなり個体変異があるようです。4番バッターは小生も一番嫌いなタイプ(^^;
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D71K-85VR、ISO=400、F11-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時50分

 マイマイガ(Lymatria dispar)です。中胸~第4腹節背面にある瘤隆起がブルーでして、瘤が全て赤色になると、やや珍品のオオヤママイマイ(L.lucescens)なのだそうです。でも珍品と言われても、この種の手合いはちっとも見たくはありません(^^) 
 5-6番手は同定できない2種。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、外部ストロボ、撮影時刻:13時39分
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/200、外部ストロボ、撮影時刻:13時40分

 5番手はカレハガの仲間のような気もします。いずれもかなり特徴的な色彩をしておりますが、検索には掛りませんでした。どなたかご存知ないでしょうか?
 最後は幼虫ではなく、甲虫。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時01分

 アカハネムシの一種(Pseudopyrochoroa sp.)。有毒のベニボタルに擬態している甲虫で、普通種の割には生態が解明されていないとされております。
 今回もじっくりクヌギと睨めっこしたお蔭で色々な蟲達に出会うことができました。偶にはこんな撮影行も面白いと感じた次第。
by fanseab | 2014-05-26 22:45 | | Comments(6)

初夏に発生するCatocala (5月中旬)

 管理人は某鱗翅学会にも所属しておりますが、基本的に蝶を嗜好しており、蛾は種類が多すぎて敬遠気味のスタンスです。ただスズメガ、アオシャク、キシタバの仲間は時々レンズを向けております。今回はそのキシタバの話題。キシタバ類はその属名「カトカラ(Catocala)」として親しまれており、もちろん蛾屋さんの中でもファンが多い種群です。管理人もそれほど知識は持ち合わせておりませんが、その昔、山梨・韮崎で夜間オオクワガタ探索をした際、ヘッドランプに照らされた樹液に集う、ベニシタバ(C. electa)の美しさに見惚れたことがあります。今回、近所の里山公園をお散歩撮影していた時、ふと、コナラの枝先を見ると、蛾の羽化シーンに出会いました。調べてみると、アサマキシタバ(C.streckeri)。カトカラとしては一番早く発生する種のようです。羽化シーンの連続カットです。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34(トリミング)、ISO=400、F11-1/250~320、-0.7/-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時47分~12時08分

 蝶と同じく、翅の伸びるスピードは速いです。僅か15分ほどで完全に翅が伸びきりました。↑の(c)時点は蝶と同じ閉翅ポーズを取っておりましたが、すぐに(d)のような表翅を屋根型に開く蛾独特のスタイルに変化しました。キシタバの特徴は後翅表に出ますが、その特徴は(c)からも良く伺えます。大型セセリを彷彿とさせる姿は格好エエと思います。ダンダラ模様の縁毛も、自称「縁毛フェチ」の管理人を痺れさせてくれますね。さて、羽化がほぼ完了した場面を魚露目でも撮影。
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TG2@18mm-gy8、ISO=800、F18-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時07分

 羽化個体頭部のやや上にコナラの葉を粗末に綴った繭があり、その中に黒い蛹殻が隠れておりました。また周囲のコナラの葉には特徴的な幼虫の食痕が残っております。
 蝶・蛾を問わず、飼育以外で羽化途中の場面に出会うことはそう多くはありません。とてもラッキーだと思い、今回きちんと撮影をしてみました。
by fanseab | 2014-05-24 22:22 | | Comments(2)

クヌギの樹肌に潜む幼虫達(5月中旬)

【ご注意】今回の記事では沢山のイモムシ画像が登場します。この手の画像がお嫌いな方は絶対に記事を読まないで下さいね!

 先日、虫林さん(外部リンクがクロミドリシジミ終齢幼虫の観察に成功した記事を書かれていました。過去2年間連続チャレンジで見事3度目の正直で撮影に成功された由。実は管理人も隔年ですが、過去2戦連敗。虫林さんの成果にあやかって、「3度目の正直」に賭けてみました。山梨のクロミドリポイントへは10時頃到着。早速クロミが好むご神木からチェックしていきます。時期的にはそろそろ終齢(4齢)幼虫も老熟化している頃であり、クヌギの根元に近い部分から目線の高さまでじっくりと観察。静止する位置・方角に好みがあるのか?さっぱり分からないので、丹念に探すしかありません。結局2時間ほどかけて6-7本チェックした所でランチ休憩。車内でコンビニのお握りを食べながら、ふと外を見ると新鮮なクモガタヒョウモン♂が飛んでおります。しかし、この日は成虫撮影に「無駄な体力」を使うことを避け、ただ眺めるだけにしました。午後に入ってから捜索範囲を更に広げてみますが、事態は進展しません。通常ならここで諦めて撤収するのですが、「幼虫の活動は夕刻から活発化する」との図鑑記載事項がふと頭によぎり、午後5時まで粘ってみました。それでも結果は坊主でした。探索したクヌギは恐らく15本を超えていたでしょう。ひどくガッカリしましたが、探索の過程で、クヌギの樹肌、特に樹皮上、縦に裂けた溝中に潜む多くの鱗翅類その他の幼虫が観察できました。今回はその幼虫達のご紹介です。なお蛾類幼虫についてはWEB検索で調べておりますが、同定ミスが多々あるかもしれません。ご指摘頂けると幸いです。

 最初は黄色地に濃紺の斑点が鮮やかなこの子。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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TG2@18mm(トリミング)、ISO=800、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時57分

 サカハチトガリバ(Kurama mirabilis)の終齢幼虫だと思います。春~初夏に発生する年1化のカギバガ科。これだけド派手な配色だと野鳥の餌食にもなりそうですが・・・。お次はシャクガの仲間だと思いますが、同定できませんでした。
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TG2@13.5mm(トリミング)、ISO=200、F13-1/80、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時51分

 三番手に登場するのはマユミトガリバ(Neoploca arctipennis)もしくはホシボシトガリバ(Demopsestis punctigera)の中齢幼虫と思しき個体。
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TG2@13.5mm(トリミング)、ISO=200、F13-1/80、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時51分

 検索補助として「イモムシハンドブック(文一総合出版刊)」を使用しておりますが、終齢幼虫のみ掲載だと初・中齢幼虫の同定が厳しくなるのが難点ですね。四番バッターは擬態の真打とも言うべきこの子。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時17分

 縦溝にピッタリ収まるように静止していて、しかも色合いまで擬態しているかのようです。フユシャクの1種かもしれません。こんな繭(蛹)も見つけました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=100、F11-1/160、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時58分

 これも縦溝の細長い空間を見事に利用しているものだと思いました。もちろん種類は不明(^^; さて、探索の過程で一番ギョッとさせられたのは、ゼフ終齢幼虫らしい風貌をしたこの子。
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TG2@12.6mm(トリミング)、ISO=100、F11-1/60、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時42分

 実はこれ、鱗翅類の幼虫ではなく、フタスジヒラタアブ(Dasysyrphus bilineatus)の幼虫。よく見ると尾部(左側)にYの字型をした怪しげな外呼吸器官が見えております。通常捕食種はアブラムシのようですが、鱗翅類幼虫も獲物にしているようです。周りは獲物には事欠かないですから、このアブ幼虫にとっては天国のような場所でしょうね。「犠牲者リスト」にクロミドリ幼虫も入っているかもしれません。クヌギの樹皮上にはこれだけ大量の鱗翅類幼虫が暮らしている訳ですから、ヒラタアブ以外の天敵にとっても天国なようで、寄生蜂の繭も、これまた膨大な数を確認できました。
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TG2@18mm(トリミング)、ISO=200、F14-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時49分

 クヌギの大木を見上げると葉の面積はこれら鱗翅類幼虫に食されて1/2程度になっておりました。天敵がいなければ丸坊主にされていたことでしょう。
 クヌギの樹肌上には幼虫だけではなく、蛾の成虫も鎮座しておりました。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/80、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時14分

 コブガの1種でしょうか?これまた凄い擬態の名手で、頭を下にして静止しておりました。不思議なことに本種が集まるご神木があるようで、同じようなクヌギ巨木の中で極限定された株にしか観察できませんでした。

 さて、クロミ幼虫は今回も惨敗で三戦三敗の不名誉な記録を作ってしまいました。しかしゼフの神様(ゼフ:西風の神様だからおかしな表現ですが)は管理人を見捨ててはいなかったようです。この日、クヌギ樹皮縦溝から思わぬ「お宝」を掘り出しました。
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TG2@18mm(トリミング)-gy8、ISO=800、F18-1/100、+1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:12時43分

 ウラミスジシジミの老熟幼虫でした。体長は17mm。独特な形態と色彩から直感。クヌギの幹の太さは50cmを超す巨木で、地上高1m。西南向きで、↑の魚露目画像から理解できるようにやや暗い環境でした。管理人にとって本種幼虫を野外で発見するのはもちろんこれが初めて。ウラミスジの終齢幼虫は蛹化準備のため、このような樹皮上の溝を選ぶか、あるいは自ら溝を掘って前蛹になるのだそうです。85mmマクロでも撮影。
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D71K-85VR(トリミング+5コマ深度合成)、ISO=400、F11-1/125、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:13時56分

 ウラミスジ終齢幼虫の地色は本来鮮やかな緑色を呈するのですが、既に褐色を帯びております。前蛹では恐らく他のゼフ同様、ピンク色を帯びるのでしょう。クロミドリ幼虫については個体数が多いポイント故、この後3シーズンほど探索をすれば、いずれ発見できることでしょう。しかし、クロミに比較して圧倒的に個体数の少ないウラミスジ幼虫、それも樹皮に降下してきた老熟幼虫は今後いくら努力しても発見できないことでしょう。今回、クロミ幼虫発見の運はなかったものの、ウラミスジ幼虫を見出す幸運に恵まれて、ヤレヤレでした。

 クヌギの樹肌以外にもウメをチェックしてオオミスジ終齢幼虫も探しましたが、こちらも坊主。エノキからはヒオドシチョウ、テングチョウ、オオムラサキの終齢幼虫を見出しました。オオムラサキの5齢幼虫画像のみ貼っておきましょう。
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D71K-85VR(トリミング)、ISO=200、F11-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時40分

 今年も沢山の成虫を観察できるといいですね。
 都合7時間に及ぶ探索のストーリー、最後までお読み下さり有難うございました。
by fanseab | 2014-05-19 21:56 | | Comments(6)

オオスカシバ(9月23日)

 3連休の初日、午前10時頃から晴れる・・・予報を信じて、近くの多摩川縁を散歩しました。しかし、予報に反して、この日は終日雲が途切れず、肌寒い一日で蝶の活動も不活発だったようです。いつも秋口になると訪れる、キバナコスモス畑でもヒメアカタテハが1頭も飛んでいない有様。しかし、ホバリング飛行するオオスカシバは元気に飛んでいたので、少し真面目に追ってみることにしました。対角魚眼で、置きピン位置を10cm未満にセットしてトライ。いずれの画像もトリミングしております。                                                                                     ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D7K-10.5-X1.4TC、ISO=800、F8-1/2000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時49分
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D7K-10.5-X1.4TC、ISO=800、F9-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時50分
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D7K-10.5-X1.4TC、ISO=800、F11-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時52分
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D7K-10.5-X1.4TC、ISO=800、F10-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時54分

 広角で接近すると、大概逃げてしまうのですが、この個体は大変フレンドリーで、接近戦を許可してくれました。偽瞳孔がなかなか面白いキャラをしていて、表情豊かな蛾ですね。子供の頃から、この蛾のホバリングは凄いな~と思って観察していました。写真を整理していて気が付きましたが、①花から花へ移動する際、および、②ホバリング時を比較すると、ホバリング時には同じシャッター速度でも翅を写し止めることができません。反対に①では、1/1250sec.でもほぼブレずに写っています。恐らく、両者で羽ばたきの周波数が異なっていて、ホバリングではより高速度で翅をパタパタさせているのでしょうね。

 寒かったこの日、カタバミの群落ではヤマトシジミもお休みモード。強引にそこに踏み込むとフラフラと飛翔しておりましたので、接近戦で何とか一枚ゲット。
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D7K-10.5-X1.4TC(トリミング)、ISO=800、F7.1-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時30分

 これまで対角魚眼で撮影したヤマトの中では、一番の仕上がりになりました。また、この日、撮影中、上空に轟音が響きました。見上げると飛行機が着陸態勢に入っていましたので、300mmでパチリ。
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D7K-34、ISO=800、F14-1/1250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時30分

 ネットで調べると伊豆大島と調布飛行場を往復している路線に飛んでいるドルニエ228型とのこと。大島~調布間の飛行時間はわずかに25分。小型双発プロペラ機には、最近久しく乗っておりません。ジェット機と比較して、低空を低速度で飛ぶプロペラ機は、空からの眺望が楽しめると思います。そんなノンビリ飛行も良さそうですね。しかし、本能に従って予測不可能な飛び方をする蝶の飛翔撮影に比較すると、人間が操縦する飛行機の飛翔画像は本当に易しいと感じました(笑)。
by fanseab | 2011-09-26 22:31 | | Comments(6)

ヒロヘリアオイラガの繭作成観察(11月12-15日)

 拙宅のエノキに付いたアカボシゴマダラの幼虫観察をしていた今月初め、イラガの幼虫を発見し、思わずギョッとしました。
いずれの画像もクリックで拡大されます。
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GX100@5.1mm、ISO=80, F5.1-1/143、-1.3EV、撮影時刻:11月2日、13時03分

 昔からイラガの幼虫は毛嫌いしてますが(棘皮が嫌いなので、これぞホンマもんの毛嫌い!)、よ~く見るといつものイラガと異なり、橙色の棘皮があったり、背中にはブルーの幾何学模様が。ネットで調べてみると東南アジア原産のヒロヘリアオイラガ(Parasa lepida lepida)の幼虫でした。このイラガ、1960年代に人為的に持ち込まれた移入種で、関東地方にも勢力を延ばしているそうな。いつ頃蛹化(繭造り)をするのだろう?と暫く観察していると、11/10過ぎにエノキの幹をウロチョロ動き始め、11/12に地上5cmの幹上に静止し、繭作成を始めました。
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D70S、ISO=200, F13-1/125、-0.7EV、リングストロボ(調光補正1/16)、撮影時刻:11月12日、23時04分

 自分の体長よりも長い楕円形に吐糸して薄い皮膜を作っている最中です。吐糸した糸を表現するのが結構難関で、ストロボの照射角度と糸の角度が合致しないと糸が光らず苦労しました。仕事から帰宅後の夜間撮影なので、適当に切り上げました。翌朝、もう繭造りが完成していると思いきや、まだまだでした(↓の左画像)。意外と繭造りの進行が遅いのに驚きました。13日の夜にようやく、それらしい形になりましたが、まだ幼虫の緑色や橙色の棘皮が残されています(↓の右画像)。ただ橙色の棘皮の位置は本来の頭部側になく、前蛹から脱皮したようにも思えます。

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<共通データ>D70S、ISO=200、-0.7EV 左:F13-1/100リングストロボ(調光補正1/16)、右:F13-1/125、-0.7EV、リングストロボ(調光補正1/16)+スレーブ増灯(調光補正1/2)、撮影時刻:11月13日、左:6時52分 右:22時06分

 繭の外周には黒い棘皮が残されており、最後まで「刺されたら痛いでぇ~!」とアッピールしている感じです。そして3日後の11/15になって、繭はやっと褐色に変色し、完成を見たようです。
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D70S、ISO=200, F11-1/200、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11月15日、15時43分

 繭は二重構造で、最初に終齢幼虫が吐糸して造った外側の薄い繭は外敵の侵入を防止すると言うよりは、雨滴を弾いたりして、湿度調整の機能を持っているのでは?と思います。羽化は来年春と予想されますが、何月頃になるのでしょうか?それにしても拙宅のエノキで観察できる鱗翅目の幼虫がいずれも人為移入種とは!撹乱された生態系を象徴するような状況と言えましょう。
by fanseab | 2008-11-19 23:08 | | Comments(14)