探蝶逍遥記

カテゴリ:花( 3 )

北ボルネオ・キナバル遠征記:(7)キナバルバルサム

 キナバル公園本部周辺での撮影は天候との我慢比べでした。雨が降らなくても、日が差さないとGraphium等は全く飛ばないので、手持無沙汰状態に。そんな時、谷あいで管理人を慰めてくれたのが、キナバル山固有種のキナバルバルサム(Impatiens kinabaluensis)の花。
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D70, ISO=400, F3.2-1/200、-0.3EV 、撮影日:2008年4月29日 
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D40-10.5, ISO=400, F11-1/20、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4 、撮影日:2008年5月1日

 日陰でひっそりと咲く、落ち着いたピンク色の花弁は「清楚」の一言。本種は2005年にマレーシアに広く分布するI. platypetalaの亜種扱いから独立種として記載された経緯があります。それだけ研究者を拘らせるだけの魅力があったのでしょう。本種の所属する「インパティエンス属」はアフリカ~熱帯アジアの山地に広く分布するツリフネソウ科の仲間。キナバルバルサムの花弁もよく眺めてみると、花屋でも人気のある園芸種「インパティエンス」を彷彿とさせる花弁構造を持っています。

 キナバルを代表する清楚な花に敬意を表したのでしょう、公園本部前にあるレストランの名前はスバリ、「バルサムカフェ!」。公園内ロッジに宿泊した管理人は毎朝、ここのオープンデッキで朝日を浴びながら朝食をとりました。
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GX100 、撮影日・時刻:2008年5月2日、6時47分

 バイキング形式の朝食はまずまずでしたよ。ただ、このレストランから残念ながらキナバル山の頂を望むことはできません。丁度正面に高木があって眺めを阻害しているのです。と言ってもここは世界遺産にも登録された国立公園。ゲストに迎合してこの木を切るわけにはいかないのでしょうね。

 さて、キナバルバルサムを例外として、ジャングル内で咲く花は意外と目立たない地味なものが多いのです。さらに独特な葉の形状に目を奪われるため、花弁を発見するのも結構至難です。その中で、見つけた可憐な花達をご紹介しましょう。
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GX100, ISO=80, F5.1-1/15、-1.3EV、撮影日:2008年5月1日

 これは恐らくセロジネ属のラン(Coelogyne papillosa)だと思います。キナバル山麓は高温・多湿ですから、ランの愛好者にとっては、楽園のような世界。しかし残念ながら、管理人はランの世界にも疎いので、猫に小判状態でした(^^;;

お次は、十字架状の白い花弁。葉の形状が独特で、渓流沿いに結構沢山生えていました。
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GX100, ISO=200, F5.1-1/80、-1.3EV、撮影日:2008年5月1日

 最後は、これまた種名不明の橙色の花。茎から直接花弁が突き出している潅木はイチジクやコーヒー等、熱帯ではよく遭遇しますね。
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GX100, ISO=80, F5.1-1/10、-1.7EV、撮影日:2008年5月1日

 どなたか詳しい方、種名をご教示頂ければ有難いです。しかし、天候が良ければ、蝶を追い掛け回して、目立たない花にこれほど目を向けることはなかったはずです。まぁ、怪我の功名とでも言えましょうか?さて、次回からはシロチョウ科の仲間を順次ご紹介しましょう。
by fanseab | 2008-07-26 22:38 | | Comments(4)

ロケハン(9月29日)

 昨日の関西地方は気温がグッと下がって、肌寒いくらいでした。前日の残業が遅くなり、帰宅したのは午前1時。ぐっすり眠って起床は9時。外を見ると、天気予報通りの曇り空。小雨も降りそうだし、今日は完全休養日やな・・・と思いつつ、「フィールドへ行かんと後悔するで~」との天の声?に従い、10時過ぎ、ゆっくりと近場の里山に出陣です。

 今日のターゲットは固有の種を追い求めるのではなく、撮影に適した場所の探索(ロケハン)です。この時期、蝶関連ブログでは彼岸花に集うアゲハのシーンがよく紹介されています。ところが、小生、関西に来てから彼岸花のベストポイントを知らず、各ブログの画像に溜息をついていたわけです。そこでいつものマイフィールドを車でウロウロ1時間。やっと「The 里山」と言うべき絶好のポイントを発見。90mmマクロ、400mmズームで様々なアングル・焦点距離でシミュレーションを実施しました。その作例を3点ご紹介しましょう。
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D70, ISO=400, F3.2-1/1000、撮影時刻:12時48分
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D70S-VR84@165mm, ISO=200, F5.3-1/400、-0.3EV、撮影時刻:12時59分
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D70S-VR84@300mm, ISO=200, F6.3-1/250、-0.3EV、撮影時刻:13時00分

 さて、本番では上手くアゲハが来てくれるでしょうか?こればっかりはわかりませんね(笑)目論見としては、彼岸花にベストマッチの黒系アゲハを期待したいところです。

 今日はほとんど蝶影が期待できないので、珍しく草花にもカメラを向けました。まずは、ツリガネニンジン。秋らしい色合いと風情があります。
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D70, ISO=400, F4-1/1000、-1.0EV、撮影時刻:11時17分

 お次はゲンノショウコ。
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D70, ISO=400, F4-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時24分

 管理人は草花の知識に疎いので同定間違いがあれば指摘してください。蝶と違って動かない草花を写すのも難しいものだと痛感しました。

 「ロケハン」と言いつつ、もちろん蝶が飛び出せばシャッターを切りましたよ!休耕田で緩やかに飛ぶキチョウ(キタキチョウ)の飛翔です。
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D70, ISO=640, F3.5-1/2000、-0.3EV、撮影時刻:11時12分
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D70, ISO=640, F4.5-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:11時13分

 曇り空で飛翔スピードが緩く、画面中央に入る確率は増しましたが、曇り空の影響で、絞りが開放に近く、微妙なピンボケで歩留りはそれほど高くはありませんでした。

 一方、木陰から急に飛び出した黒いジャノメチョウ、どうも変な飛び方だと追跡したら、クロコノマチョウでした。秋型♂でしょうかね?岩肌で休んでいるところを慎重に接近し、広角とマクロで撮影。
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GX100@9mm, ISO=200, F5.9-1/68、+0.3EV、撮影時刻:12時06分
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D70, ISO=500, F5-1/160、撮影時刻:12時02分

 小生、これまでクロコノマについては、越冬明けのボロ個体しか撮影経験が無く、今回ようやく新鮮な個体が撮影できて、実は大変嬉しかったのです。それにしても、殆ど真っ黒に感じられたこの個体、将に「黒」コノマチョウでした。午後1時過ぎから本格的な小雨模様になったので撤収。自宅に戻ってから休日出勤・・・と慌しい土曜日でありました。
by fanseab | 2007-09-30 15:36 | | Comments(16)

ビョウヤナギ

本日は花の話題です。
小生の居住地、兵庫県・六甲山麓は阪神大震災の影響で町並みが大きく変わったとされています。震災の教訓から、立て込んだ住宅の周囲に延焼を防止するための小公園や緑地が計画的に配置され、幹線国道沿いにも緑が積極的に植えられています。丁度、現在、国道沿いの緑地に「ビョウヤナギ」の黄色い花が咲き誇っています。茶筅(せん)のように密集した細長いオシベが大変艶やかな花です。
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D70-10.5-X1.4TC, ISO=400、F11-1/250、+0.3EV

↑の写真のように、トラックの運行規制がかかるほど交通量の多い国道脇で、すさまじい排気ガスに晒されながら元気に咲くタフな花でもあるのです。ネットで調べてみると、この花、江戸時代に中国からもたらされたオトギリソウ科の草本で、和名は「未央柳」もしくは「美容柳」の当て字が使われるとか。カタカナで「ビョウ」ですから、当初、小生は画鋲の「鋲」を連想し、「鋲柳」と勝手に漢字をあてがっていました。何故この花が鋲に似ているんだろう?と暫く合点がいきませんでしたが、美容と聞いて納得です。でも「美容」なら『ビョウ』ではなく『ビヨウ』と『ヨ』を全角で書くべきだろ、とついツッコミを入れたくなります。

さて、丁度この花が咲き始める頃、関西ではウラゴマダラシジミやアカシジミといった平地性ゼフィルスが出現し始めます。そうして艶やかな黄色い花が色褪せて枯れる頃、関西の平地~低山地産ゼフも発生末期を迎えていることでしょう。ウラゴあたりの撮影に出撃したいのはやまやまですが、今週は自宅でゴロゴロしながら、のんびりとブログ仲間の画像を楽しみたいと思います。もちろん、お目当ては出始めのゼフ達。皆さん素敵な写真を期待してますよ~♪
by fanseab | 2006-06-03 20:04 | | Comments(2)