探蝶逍遥記

カテゴリ:機材( 8 )

TG-4による超拡大撮影法

 オリンパス社から発売されているコンパクトデジカメ:TG-4は大変個性的なカメラで、管理人も愛用しております。最近、①ファームウエアバージョンアップデート(ver.2.0)が実施され、同時に②内蔵フラッシュ専用ディフューザー「FD-1」(以下FD1と略)が発売されました。この組合せにより、マクロ撮影時の深度合成機能が遥かに手軽に実現できるようになりました。詳細は下記、オリンパス社サイトにある

海野さんのレビュー記事(外部リンク)をご覧下さい。

 この記事を読んで、早速、管理人もFD1を購入し、ファームウエアアップデートを実施いたしました。しかし、実際にトライしようとしたら難問にぶつかりました。上記、海野さんの記事では、
『新しいファームのTG-4は、フラッシュ光の補正と露出補正を別々に設定できる』
と書かれております。しかし、撮影メニュー「アクセサリー」画面上でFD1を選択し、顕微鏡モードで、深度合成(テントウ虫マーク)しようと思っても、フラッシュ光/カメラ露出補正共に「機能しない」状態になり、焦りました。「なんだ、話が違うじゃないか!騙されたのか?」と思い、もう一度、海野さんのレビュー記事を読み直しました。

 そこには、『新しいファームのTG-4には、フラッシュのスレーブモードが加わった。これは深度合成モードで、FD-1を使う際に便利なモードだ』と書かれております。そこで上記アクセサリーメニューを再度眺めて、ハッと気が付きました。リモートフラッシュを「スレーブ」に選択すると、あら不思議、海野さん記事記載通りの機能が実現できました。
 恐らく、深度合成撮影目的で、勇んでFD1を購入されたユーザーの方も、同様に疑問を持たれたことでしょう。事実、拙ブログ愛読者の方からも関連質問が寄せられました。FD1に同梱されている説明書はお粗末な代物で、撮影手順は全く記載されておりませんし、オリンパス社サイトQ&A集にも触れられておりません。これではユーザーが迷うのも当然でしょう。そこで、老婆心ながら今回、FD1の使い勝手を含めて記事にまとめてみた次第。

(1)FD1使用による深度合成法
 FD1を装着したTG4の全景を紹介します。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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GX7-Z12,外部ストロボ

 矢印部分には内蔵フラッシュ導入光を2段階に調整可能な遮蔽版が付いており、きめ細やかな光量調整ができる工夫がされております。先ず、「撮影メニュー2」画面で、「アクセサリー」を選択します。
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GX7-Z12,外部ストロボ

 次に、「アクセサリー」画面で、「リモートフラッシュ」を「スレーブ」に設定、「FD-1」を「On」に設定。
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GX7-Z12,外部ストロボ

 これで、メニュー設定は完了。頻繁に深度合成を実施するユーザーは、「カスタム設定」を「C1」か「C2」で登録しておけば、直ぐに撮影設定条件がセットされるので、便利です。通常、レンズズームノブで、テレ端(T):X4.0表示がある側に設定します。これ以上のデジタル拡大も可能ですが、手振れ防止の観点からは、テレ端で止めておくのが無難でしょう。今回のファームウエアアップでは、上記設定完了で、自動的にISO=100に設定、絞り値も4.9に自動設定されます。またシャッタースピードも1/100sec.が切れるレベルになります。高感度特性に劣るTG4の場合、超拡大撮影をISO=100で実施することは大変重要です。また、手振れ補正が付いているとは言え、1/20sec.程度の低速シャッターでは深度合成エラーになるケースが多いので、1/100sec.のシャッター速度は必須とも言えます。後は、実際に対象を撮影し、モニターでフラッシュ・外光両光量の按配を勘案し、フラッシュ/本体双方の露出補正を実施し、好みの絵に仕上げていくだけです。

 カメラ側で自動撮影する深度合成モードは、全部で9コマを約1秒間隔で撮影していきます。この時、ビックリしたのは、内蔵フラッシュも同間隔でシャッターと同期して発光する点。これが今回ファームウエア更新中、最大の革新点だと思います。通常内蔵ストロボを1秒程度の短時間間隔で発光させると、ストロボ用コンデンサーの充電機能不足により、発光を一時停止するか、電池の消耗が激しくなるはずです。ところが、今回の改良で、恐らく内蔵ストロボの発光量制御も同時に実施して、上記コンデンサー・電池双方の負担を軽減し、連続9コマ発光撮影を実現したのだと思います。
 先日撮影したコジャノメ2卵塊の画像事例をご紹介しておきましょう。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング)、ISO=100、F4.9-1/100、内蔵ストロボ

 光沢のある対象を撮影する場合、FD1のようなリング状ディフューザーでは往々にして、対象表面にドーナツ状パターンが出現して不自然な絵に成りがちです。しかし、TG4の内蔵フラッシュの位置がカメラに向かって右側に偏位している関係上、ドーナツパターンが目立たず、自然な絵に仕上がっているのが素晴らしいです。コジャノメ卵表面の網目構造も綺麗に表現できております。

(2)LEDライトガイド「LG-1」(以下LG1と略)による深度合成

 本付属品はTG4の内蔵LEDディフューザーとして既に発売済です。本来の使い方は内蔵LED光のみで、撮影するのですが、管理人は何とかこれを内蔵フラッシュでも使用可能とするべく、自己責任で改造を加え、これまで愛用してきました。その全景がこれ。
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GX7-Z12,外部ストロボ

 市販品を装着したままの状態では、強烈なストロボ光が白破線で示したように、ライトガイドの外に漏れ出し、照明が不均一になります。そこで管理人は黒色ゴムバンドを装着して、漏れ光を遮断して使用しておりました。LED光に比較すると、明らかに豊富な光量が得られて重宝していたのですが、流石に内蔵フラッシュ専用ではないので、フラッシュ光の拡散状況に不満が残るものでした。今回のファームウエア変更では、FD1と同様な設定にすれば、LG1を装着した状態でもFD1と全く同じ深度合成撮影ができるのです。
 もちろん、本来の使い方、つまりLED光をLG1で拡散光源として深度合成も可能です。

(3)各手法による像質比較。

 先だってご紹介したウスバシロチョウ卵を対象に、複数手法で撮影した画像の像質比較をしてみました。全て手持ちでの撮影です。
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(1) TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング)、ISO=100、F4.9-1/100、+0.3EV、内蔵ストロボ(2) TG4@18mm(6コマ深度合成+トリミング)、ISO=100、F4.9-1/15、-0.7EV、内蔵ストロボ(3) TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング)、ISO=1250、F6.3-1/100、-0.7EV、内蔵LED(4) GX7-1442@42mm-P14R(4コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F13-1/250、外部ストロボ

 像質の基準はこれまで愛用してきたマイクロフォーサーズでの専用拡大システム(4)の画像です。結論から言えば、今回のTG4+FD1の組合せで、全く同等、むしろ今回の比較では(4)を凌駕する出来栄えになっております。条件(2)の像質も文句ないのですが、シャッタースピードが1/15sec.で手振れも影響して自動深度合成は殆ど失敗してしまいました。仕方なくブラケットモード(BKT)で10コマ撮影し、そこから任意の6コマを抜き出して深度合成ソフトでマニュアル合成しております。一方、内蔵LED光で撮影した(3)では、カメラが自動で手振れ補正回避する関係上、ISO=1250になってしまい、ノイズ低減画像エンジンが働いたためか、塗り絵のような気持ち悪い仕上りになっています。
 結局、蝶の卵超拡大撮影に関しては、殆どの対象でTG4を使えば事足りると思わせる結果になりました。例外は卵直径が1mmを切る一部のシジミチョウでしょう。その時は従来の拡大システムを使用していきたいと思います。

(4)TG1~TG3へのFD1の装着

 オリンパス社のサイトによれば、製造中止したTG1、TG2、TG3にもFD1は装着可能です。但し深度合成機能が可能なTG3では、TG4で実施されたファームウエアアップデートはされておりません。従って、(1)で詳述した撮影法が不可能です。TG3/TG4はメカ的に大幅な変更はないので、恐らくTG3のファームウエアアップデートは同社開発陣にとっては容易い作業だと推察します。しかし、営業戦略上、敢えてアップデートをしない方針なのでしょうね。慌ててFD1を購入したTG3ユーザーが不満を抱えるのは目に見えています。『悔しければ早くTG3からTG4へ買い換えて下さい』との意図が見え見えですね(^^)

 それはともかく、今回のTG4/FD1システムの出来栄えには海野さん以外のプロ昆虫写真家も絶賛しております。恐らく海野さんが専任アドバイザーとしてFD1開発に深く係わったのだと思います。しかし、プロ写真家の様々なリクエストを市販コンデジで具現化するためにはコスト上の様々な難題があったと推察します。それを克服して商品化までこぎつけた同社開発・製造・営業陣の英知・英断に心から拍手を送りたいと思います。同社が誇る顕微鏡を含めたマクロ・接写撮影分野での長い歴史・ノウハウ蓄積が結実した成果なのでしょう。
by fanseab | 2016-06-06 20:51 | 機材 | Comments(6)

卵の超拡大撮影:軽量化作戦

 ミラーレス機活用応用編の第1報です。ゼフの越冬卵等、蝶の卵は超拡大すると、その微構造の美しさに感動を覚えるものです。そこで、拡大像の解像度を向上させるため、これまで技法の改良を進め、既に関連記事(外部リンクで手法の詳細をご紹介しました。
 しかし、唯一の欠点は装備が重く、かさばることでした。冬場のゼフ越冬卵専用撮影はともかく、夏場の撮影行で通常の撮影機材に加え、超拡大撮影システムを持参することは現実的ではありません。そこで早速、GX7を活用した超拡大システムの軽量化検討を進め、一定の成果が出ましたので、ご紹介します。

 管理人が使用している超拡大撮影システムは「スタッキング法」と称し、マスターレンズ(焦点距離:A)の先端に広角レンズ(同:B)を逆付けし、逆付け広角レンズで拡大した空中像をマスターレンズで再拡大するものです。この時、必ず、A>Bでなければなりません。A/Bの比率を増せば、拡大率が増加しますが、極端に増加すると最終像が暗くなり過ぎ、合焦が困難になります。そこで、適当なA/B比になるレンズ系の組合せが重要になります。さらに、最終像のイメージサークル(有効結像直径)がカメラの結像センサーサイズとほぼ同等になることが望まれます。これらスタッキング法にベストな組み合わせはボディ、レンズ毎に試行錯誤で探索せねばなりません。管理人は家電量販店で、様々なレンズを物色し、手持ちで逆付け撮影テストを繰り返しながら、最適組合せを探っていきました。その結果、以下の組合せを当面のベストシステムとしました。

<従来の組合せ>
D7100-ニッコール85mm F3.5VR-シグマ24mmF1.8逆付け
<ミラーレス用改良組合せ>
GX7-ルミックス14-42mmF3.5-5.6 MEGAOIS-ルミックス14mmF2.5逆付け
※通常、マスターレンズは望遠端の42mmで使用します。そこで、この組合せを拙ブログ上では、
「GX7-P1442@42mm-P14R」と略記することにします。
両組合せのサイズ比較です。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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 ミラーレス導入によるサイズ縮小効果は一目瞭然で、システム重量も2095g→815gと圧倒的に軽量化できました。最終像拡大率は両システムで異なっており、従来組合せの方が拡大率は高くなっております。そこで実際に多摩川の土手で、スイバの茎に産まれているベニシジミの卵を撮影・比較してみました。
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上段:D71K-85VR-24R(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:15時31分(4月下旬)、下段:GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F20-1/250、内蔵ストロボ+LED、撮影時刻:15時24分(4月下旬)

 両システムでの拡大率が異なるため、最終的な拡大率が一定になるよう、トリミングして比較しております。ピクセル等倍で確認すると、やはり拡大率の高い従来システムがやや優りますが、新システムでも実用上は合格レベルの像質だと結論しました。なによりコンデジよりやや重い程度の重量・サイズなので、通常機材と同居させてもそれほど邪魔にならない点が有難いです。ただ一点、問題を挙げるとGX7のマニュアルモード撮影においてボディ側の露出補正ができない欠点があります。 外光およびストロボ光双方の調光が不可欠な超拡大撮影ではマニュアルモードでの撮影が必須です。 GX7では悲しいかな、露出補正機能は「P(プログラム)」、「A(絞り優先)」「S(シャッター優先)」に限定されてしまいます。やはり総合家電メーカー開発のカメラはカメラ専業メーカー開発品に比較して痒い所に手が届かないもどかしさを感じますね。何とかファームウエアの更新で「M」モードでも露出補正が使用可能になるようお願いしたいものです。今回の組合せも暫定的なもので、より良い組合せを随時検討していきたいと思っております。

 さて、卵の拡大撮影では、産卵環境を写し取るための道具も必要で、従来はこの目的にリコーのコンデジ:GXRを使用して参りました。しかしセンサーの設計年度も古く、高感度特性も酷いので、新たにオリンパスのTough TG-2を導入いたしました。このコンデジも多くのブログ仲間の方が使用されており、卵撮影に威力を発揮していますので購入に踏み切りました。消費税が上がる前の3月末に駆け込み購入しようとして焦りました。何と、メーカーで製造中止→在庫ゼロとのこと。何とか「○azon様」にすがり、ポチッとやって、残っていた在庫品を確保したのでございます(^^; そこでTG-2での撮影結果を新超拡大システムと比較して示します。
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上段:GX7-P1442@42mm-P14R(トリミング+4コマ深度合成)、ISO=200、F20-1/250、内蔵ストロボ+LED、撮影時刻:15時24分(4月下旬) 下段:TG2@18mm(トリミング)、ISO=200、F4.9-1/640、LED、撮影時刻:15時20分(4月下旬)

 さすがにTG2では1次拡大率が小さいのでここまで拡大すると像の破綻は明白ですが、簡便なコンデジとしては素晴らしい性能だと思いました。まぁ、ここまで拡大するよりは、先ほど述べたように産卵環境を写し込むための道具として割り切って使っていこうと思っております。なお、最近、オリンパスからTG-2の後継機種、TG-3発売のニュース(今月12日発売予定)が飛び込んできました。こちらは深度合成機能まで織り込んだ優れもののようです。海野さんのアドバイスも取り入れた共同開発的製品なので、その実用性能が気になります。
by fanseab | 2014-06-03 20:51 | 機材 | Comments(4)

初めてのミラーレス

 管理人も最近、寄る年波?の影響か、首から下げるデジ一の重さが気になり始めております。主力機種としてワーキングディスタンスが長くて便利な300mmレンズを多用し、かつ、手振れ防止のためストロボを多用するため、一眼ボディ+レンズ+外部ストロボを装着した合計重量は2.5kgにもなります。首や肩が凝って当然ですね。国内はもとより海外遠征では、航空機内に持ち込む重量制限の関係からも、この重さ(容量)は悩みの種でした。
 解決手段として小さくて軽いミラーレス導入を当然考えていたのですが、様々な機種に目移りして導入を見送ってきました。ところが最近、身近なブログ仲間の方も相次いでミラーレス、特にマイクロフォーサーズ(以下MFT)機を導入される方が増え、記事で拝見するMFT撮影画像の画質も素晴らしいので、管理人も重量苦から逃れるため、この度、パナソニック社製MFT、GX7を導入いたしました。中望遠マクロを装着した状態で、現在の主力機D7100とサイズの比較をしてみました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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TG-2で撮影

 ミラーボックスが無い分、本当にボディが薄く、コンデジの感覚で持ち運びできます。

(1)GX7購入の理由
 現在、ブログ仲間の多くの方がオリンパス製OM-D E-M1を使用されています。防塵防滴仕様でかつ5軸手振れ補正は大変魅力的です。しかし、OM-Dシリーズ発売当初から家電量販店頭でカメラを手にした時、グリップに違和感を覚えました。右手にしっとりと馴染まないのです。理由は簡単で銀塩時代のOMシリーズのデザインに固執しており、右手グリップ部分が多角形状のため、右手から滑り落ちるような不安感が拭えないのです。左手部分の感触も同様で、構えた時の安定感に欠けるものでした。一方、パナソニック社のGHシリーズは発売当初から、手に馴染むグリップ形状で好感を持てましたが、いかんせん、デジ一とさほど変わらない容量のため、またボディ内手振れ補正機構がないこともあって、これも購入を見送ってきました。ところが昨年9月に登場したGX7は何より右手グリップがしっくり来るし、電子ビューファインダー(以下EVFと略)もアングル変更可能、更には待望のボディ内手振れ補正機構もついたので、即購入としました。更には近い将来使用予定のフルハイビジョン動画記録においても60fps(毎秒60フレームでの記録可能)の仕様も魅力的でした。

(2)GX7の使用感
 まだフィールド投入後、一ケ月が経過しただけですが、使用感を述べてみたいと思います。
①解像感
 一言で言えば、現在メイン機種にしているAPS-Cデジ一よりは劣り、MFTをメイン機種に据えることはできません。現状ではあくまで「サブ機種」的扱いです。最初に神奈川でギフを撮影した際、パソコン上でRAW画像を見た時は結構綺麗だな?と思いました。しかしピクセル等倍レベルまで拡大すると、精細度に差があることがわかりガッカリしました。もちろん、ブログ等のWeb上で公開する程度の画像サイズであれば有意差が出ないでしょう。公表されているセンサー仕様から割り出したGX-7のセンサー面積当たり画素数は70386画素/mm2。一方、現在管理人の主力機としているD7100は64378画素/mm2。数値から見れば、GX7がより精細度に勝る画像を叩き出すはずですが、そうではありません。ローパスフィルター有無も含め、解像度の優劣支配因子は複雑なのですね。また、これまで使用してきたリコー社コンデジ:GX-Rと比較すると解像度は圧倒的にGX7の勝ちです。
②ティルト機構付EVF
 地面スレスレにボディを置いての撮影に威力を発揮することを期待しております。ただ広角レンズでEVFを垂直に立ててトライしたところ、順光条件では管理人の頭の影が撮影対象に被ってしまうので、望遠マクロ用として有用と思われます。広角撮影では、EVF同様ティルト可能な液晶モニターを活用すべきなのでしょう。また、フィールドで無理な態勢を強いられることの多い、卵の超拡大撮影時にEVFのティルト機構が役に立つものと期待しております。一つ問題なのは、折角のティルト機構が外部ストロボを装着すると死んでしまうこと。下図をご覧下さい。
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TG-2で撮影

 EVF、外部ストロボ装着用ホットシュー、それに内蔵ストロボはご覧のようにほぼ隙間が無いほど高密度実装がされております。この影響で、外部ストロボを装着すると、同ストロボのロック用ネジが干渉してEVFを可動できません。EVFティルト状態でのストロボ光照射は、内蔵ストロボの使用が前提になります。試しに卵の接写で複数回内蔵ストロボをトライしたのですが、電池の消耗が著しく実用的ではありませんでした。裏ワザとして、内蔵ストロボを発光させず、トリガー用信号(赤外光)のみ発光させて、外部ストロボをスレーブ発光させるしか手はなさそうです。GX7のボディを僅か5mm拡大すれば、EVFとホットシューの間隔が拡がり、外部ストロボとEVFの干渉は避けられたはずです。GX7の設計開発者は恐らく外部ストロボの使用経験の無い方だったのでしょうね。
③連射機能
 フォーカルプレーンシャッター使用時はたかだか5コマ/秒で、D7100の6コマ/秒にも劣ります。しかし、ミラーレス機の特徴である、電子シャッターを使用すると、事情は一変します。何と最大40コマ/秒での連射が可能です(画質はJPEG、持続時間は2秒に制限される)。メカシャッターでの連射音はよく「バシャバシャ・・・」と比喩されますが、40コマ/秒撮影時はボディが「ガーッ」と唸り声を上げるイメージです。新潟で60mmマクロレンズを用いて40コマ/秒連射した時のギフチョウの飛翔画像例です。
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GX7-Z60、ISO=400、F2.8-1/4000、-0.7EV、撮影時刻:10時53分(4月中旬)

 飛翔画像の常として、画面に入る確率は低いのですが、一旦、画面内に入ればしめたもの。連続して10枚以上はOKコマが得られることも多いのです。ただ、トリミングも必須ですので、画質の劣化はD7100よりも深刻です。ミヤマセセリの飛翔シーンで比較例をご覧下さい。
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GX7-20(トリミング)、ISO=800、F3.5-1/4000、撮影時刻:10時25分(4月中旬)
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D71K-20(トリミング)、ISO=640、F4.5-1/4000、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時47分(4月中旬)

 20mmレンズは(ニコンF/G-MFT)変換アダプターを装着してGX7に取り付けております。ピクセル等倍で確認すると、明らかにミヤマの解像度はD7100が優っております。MFTで過酷なトリミングをすれば画像は酷いものになりますので、トリミング量が少なくなるよう工夫すれば、かなりの戦力になると期待できます。因みに同じ電子シャッターでの連射機能を他社品と比較してみました。
パナソニック GX7 40コマ/秒
++++++++++++++++++
カシオ社   EX-10   30  〃
ニコン社   1V2/V3   60 〃
オリンパス社 OM-D   電子シャッターでの連射機能無し?

 1V2(V3)には負けておりますが、パスト連射で有名なカシオの最新機種:30コマ/秒より優っております。この機能を用い、シャッターを押してから2秒以内に蝶を飛び立たせれば、パスト連射と同じ画像が撮れる筈です。実際の検証例をご紹介します。ジャコウアゲハ♂とベニシジミ♂の事例です。
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GX7-P14、ISO=640、F4-1/4000、撮影時刻:14時36分(4月下旬)
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GX7-P14、ISO=640、F4-1/4000、撮影時刻:14時58分(4月下旬)

 パスト連射機能目的だけのコンデジとしてカシオを買う気がしなかったので、GX7の連射機能を知って、少し得をした気分でした(^^)

④ホワイトバランス
 一つ感心したのがホワイトバランスです。ニコンは伝統的に癖のある発色をします。RAWで撮影しても黄緑色のカブリが出るので、RAW現像の際、必ず色温度を低温度側にシフトする作業が必要でした。ところがGX7の発色は大変自然で、RAW撮って出しのJPEG画像でそのまま使えるのは大変有難い点です。
⑤電池の持ち
 正直、持ちは悪いです。特に内蔵ストロボを頻繁に使用するとあっという間に電池レベルが下がって焦ります。ただ最低レベル(レベル1)に到達してから意外と持つ感じですが、サブ電池は2-3個準備せねばならないと覚悟しました。EVFや液晶の消費電力がバカにならないのでしょうね。

 以上ざっと、使用感を述べてみました。今後、GX7を使いこなしていく過程で、色々とレポートしていきたいと思います。
by fanseab | 2014-05-02 22:36 | 機材 | Comments(6)

嗚呼、パソコンクラッシュ(7月19日)

 梅雨明けして、凄い猛暑がやってきました。避暑を兼ねて、17-18日と一泊で信州遠征をしてきました。大量の画像を本日整理している途中、変なメッセージがPC画面に・・・。嫌な予感でアレコレいじってみましたが、Windowsを再インストールもできない最悪の状態であることが判明。管理人の愛機は、2年前のクラッシュ時は、再インストールで何とか復帰も、いよいよご臨終のようです。Windows7でいくか、XPでいくか?新機種パソコン探索を始めなければなりません。

 という訳で、暫く更新ができません。良い出だしの3連休でしたが、最後にド壷に嵌ったようです。
トホホ・・・(^^;
by fanseab | 2010-07-19 23:59 | 機材 | Comments(10)

新レンズの試写(4月18日)

 これまで敏感で接近し難いタテハ類や、梢上に止まるゼフ類撮影用としてNikon 80-400mmVRズームを愛用してきました。このレンズ、色乗りも抜群で、海外遠征やキリシマミドリの撮影に大変重宝してきました。しかし、使い込むに連れてズームレンズ特有の切れ味の無さに徐々に不満が出てまいりました。そこでかねてより、代替望遠レンズを物色してきた結果、この度、思い切って同じNikon純正の300mmF4レンズを購入いたしました。このレンズ、VR(手ブレ防止機能)はついておらず、一抹の不安はあるのですが、5年ほど前、レンタルでレンズを試写し、抜群の切れ味に惚れ込んだこともあり、今回導入を決定しました。同じクラスでCanon社からは手ブレ防止機能(IS)付の銘玉、300mmF4 ISが販売されており、既にCanon党のブログ仲間の多くの方が愛用し、多大な成果を挙げています。かくいう管理人もNikon社の300mmF4にVRが付かないなら、思い切ってKissデジとこのIS付300mmレンズを購入しようかなぁ、と何度も思ったものでした。

 さて、試写は近くの多摩川に出てのトライ。以下アップする画像は全て手持ちです。最初のモデルはベニシジミの♀。今年、実はベニを撮るのはこれが初めて。                                                                       ++横位置画像はクリックで拡大されます++
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D90-34、ISO=200, F8-1/640、-1.7EV、撮影時刻:15時23分

 300mmレンズは35mm換算450mmに相当するので、常識的に手ブレ防止目的で、1/500sec.以上のシャッタースピードを切らねばなりません。1/640sec.の結果は特に手持ちで問題ないレベルです。次にシャッタースピードを徐々に低速側にシフトしてのトライ。1/250sec.を切ると、流石にブレが目立ってきますが、根気良くシャッターを押せば、1/160sec.でも成功例を得ることができました。
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D90-34、ISO=200, F11-1/160、-0.7EV、撮影時刻:15時25分

 この2枚共に、400mmズームでは絶対に得られない解像度が得られており、期待通りの結果に満足です。お次は絞り開放でのテスト。お休みモードに入ったヤマトシジミ。本種も本年初撮りです。
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D90-34、ISO=200, F4-1/2500、-0.7EV、撮影時刻:15時49分

 実は本レンズ導入の目的の一つが、絞り開放で積極的に背景ボケを演出する作画です。90mmクラスのマクロでも背景ボケは得られますが、やはり長焦点レンズでのボケ味は一味違います。それと開放からキリリと締まる解像感に痺れます。お次は同じ開放で、これまたお休みモードに入ったモンキチョウ♀。
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D90-34、ISO=200, F4-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:16時04分

 ただ、300mmクラスで絞り開放は、焦点深度が極めて浅いので、翅全面にピントを合わせるのは相当に厳しいですね。それでも翅や体毛の微構造が開放域でもきちんと表現できていることに、これまた満足。同じ場面をF11まで絞り込んでみたのが次の作例。
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D90-34、ISO=200, F11-1/200、-0.7EV、撮影時刻:16時05分

 相当に絞り込んでもボケ味は変化せず、あまりゴチャゴチャした印象は受けません。晴天のフィールドではシャッタースピードとの兼ね合いで、概ねF8-9程度での使用が増えるものと思われます。開放でのボケ味と切れ味が両立しているので、ついつい、次のような絵を撮ってみたくなりました。
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D90-34、ISO=200, F4-1/1600、-0.7EV、撮影時刻:15時53分

 ヒメオドリコソウを「踊り子」に見立てた作画です。このレンズの特性が良く理解できる絵になりました。このレンズ、予想通りの実力を確認しましたが、問題は曇り空等の条件の悪い時の対応です。VRなしでは、やはり一脚の使用が前提になるのかもしれません。その辺りのチェックは今後の課題です。
by fanseab | 2010-04-20 22:48 | 機材 | Comments(10)

デジタル一眼で魚露目にトライ

 前回の記事で首題システム導入に触れましたので、少し詳しく書きましょう。F社の魚露目8号は昨年の7月に導入し、直ぐにユニークな映像の虜になりました。これまではコンパクトデジカメ:GX100に装着していたのですが、使用を重ねていくなかで最大の不満は、液晶モニターから構図の確認がし難い点でした。GX100には付属品としてビューファインダー(EVF)があって、これを使用すればこの問題はある程度解決します。反面、EVFはストロボのホットシューアダプターに装着する関係上、外部ストロボとの併用はできません。逆光画像が大好きな管理人としては、これは致命的な欠陥です。それと、コンデジ特有の問題点として挙げられるのがAFの遅さ。モタモタと合焦している間に蝶が逃げたり、イライラすることも多々ありました。

 結局、解決方法としては、デジタル一眼に魚露目を装着する以外にない・・・と結論づけ、早速システムの検討に入りました。一番の課題はマスターレンズ系を決定することでした。魚露目で結像させた魚眼画像を拡大するための拡大レンズ系の選択肢は多数あって、判断に迷うところです。幸いにも魚露目ファンはネット上に多数おられるので、この方達の情報を参考にしました。最終候補は以下の2点に絞られました。

①N社純正AF-S DX Zoom Nikkor ED18-55mmF3.5-5.6GⅡ
②S社18-50mmF3.5-5.6DC/HSM(N社用)

 実勢価格は共に13000円前後です。①の重量は僅か205g。レンズ前面12cmまで合焦するマクロ機能も魅力です。プラスチックを多用したN社純正とは思えない安っぽい造りですが、ネット上での評判がいいので結局これに決めました。以下、拙ブログおよび本体HPの撮影データでは、このレンズを「1855」と略記することにします。因みに②は、ブログ仲間である青森の蝶たちのzさんがO社ボディー:E330に組み込んで使用されています。全景をご紹介します。GX100のシステムと比較してあります。
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 ご覧のように、GX100と遜色のないコンパクトな仕上がりになっています。なお、魚露目8号とマスターレンズはF社から発売されている52mmアダプターで結合しています。また、①のレンズ系では、望遠端の55mmでもケラレが生じます。X1.4のテレコンでケラレを解消する手もありますが、システムの全長が伸びるのを嫌って敢えてテレコンは装着せず、トリミングで問題解決を図ることにしました。作例は前回記事でもご紹介しておりますが、比較も大事ですので、自宅近くに生息するツマグロヒョウモン越冬幼虫でトライしてみました。このポイントはコンクリート塀に幼虫がよじ登って日向ぼっこや、湿度調整?をする面白い光景が見られ、既に拙ブログでも何回となくご紹介しております。両者共に画像処理段階で軽度のシャープネスをかけています。
<GX100での作例>
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GX100-gy8, ISO=200, F15.8-1/200、外部ストロボ、調光補正1/2、撮影時刻:13時16分(’08年1月13日)
<D70での作例>
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D70-1855-gy8, ISO=200, F32-1/160、外部ストロボ、調光補正1/2、撮影時刻:13時22分(同上)

 いかがでしょうか?さすがにGX100は(CCDサイズの違いによる)深い焦点深度で有利なようにも思えます。しかし、実際の撮影では構図確認に手間取って、失敗した撮影コマ数はGX100の方が多かったように思えます。お次は別の幼虫個体での作例です。
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D70-1855-gy8, ISO=200, F32-1/160、外部ストロボ、調光補正1/2、撮影時刻:13時27分(同上)

 中心~周辺部にかけての解像度も満足すべき仕上がりだと思います。焦点深度もこの程度あれば充分でしょう。このマスターレンズ、超音波モーター使用なので、結構AFスピードも速く満足しております。もちろん連射も効くので、「魚露目で飛翔撮影」なんて曲芸も実現できそうです。今シーズンは新しい武器で更に映像表現の幅を広げたいと思っています。

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<本体HPプレゼント:「Xデー」迫る!>
 この記事を更新した時点でのカウンターは「9875」でした。管理人が予測する、
「Xデー(笑)」は1月28日前後です。皆様そろそろご準備を!

くれぐれも自分で踏まないように気をつけなくっちゃ!(汗)
・・・・もしも管理人自ら踏んでしまった時は、前後賞?として「9999」と「10001」を踏まれた方も当選としますね!
by fanseab | 2008-01-16 23:00 | 機材 | Comments(14)

魚露目にトライ(7/22)

 「虫の目レンズ」を開発したプロの昆虫写真家・K林さんが撮影された写真は小生にとって衝撃的でした。まるで昆虫達が擬人化されたような独特な世界。特にバッタが海を眺めながら望郷の念?に耽っている写真は永遠に記憶に残ることでしょう。

 さて、その虫の目レンズを、有難いことに素人でも簡単に使いこなせるように開発してくれたのがF社で、その製品名は『魚露目8号』。既にブログ仲間では、「Nature diary」 のtyさん、「蝶と山・てくてく写日記」 のBさん、「蝶の観察記録-十勝蝶の覚書new」のmさんがこのレンズを用いて、夫々素晴らしい画像をアップされています。小生も堪えきれず、急に物欲が刺激されて、思わずネット販売で「ポチッ」をやってしまいました  (^^;;
 4月に購入したコンデジ、GX100のフードアダプターに装着した魚露目8号です。
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 なおGX100のズーム最長端(15.1mm)でもCCD上のイメージサークルが不足して、ケラレが生じますので、以下掲載する写真はすべてトリミングしております。

 7/22の日曜日、雨が上がった9時前から神奈川県・多摩川縁のマイフィールドに繰り出しました。ヒメウラナミジャノメがうじゃうじゃ飛んでいるので、まずは、こいつにレンズを向けてみました。どの程度まで接近できるか?試行錯誤です。斜め正面から一番接近できたのが、この写真。
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GX100-gy8, ISO=100, F5.6-1/270、撮影時刻:9時3分

 複眼から背景まで合焦するパンフォーカス性能はさすがです。このような逆光状況で使う専用ストロボ照射システムを工夫する必要がありそうですね。引き続き、開翅写真。
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GX100-gy8, ISO=100, F5.6-1/189、-0.3EV、撮影時刻:9時4分

 この程度の画像なら、何も虫の目を使わずとも、コンデジ単体でも実現できる映像でしょう。ただし、レンズ口径が小さいため、順光下で、被写体(表翅)に影が映りにくい特性はメリットです。

 お次はヤマトシジミ。
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GX100-gy8, ISO=100, F5.6-1/380、-0.3EV、撮影時刻:9時9分

 ヤマトはこの日、一番接近し難い相手でした。しかし体毛や、鱗粉の載り具合等、中心部の緻密な描写は期待以上で、驚きました。背景まできちんと合焦してしまうので、撮影ポイントがすぐにバレバレになってしまいますね。珍品ではブログ上でのアップが厳しくなりそうです(^^;;

 ある程度、使い方に慣れたところで、街中の公園に場所を変え、植栽のハギを観察していると、ちょうどルリシジミの♀が産卵の真っ最中。
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GX100-gy8, ISO=100, F6.3-1/350、-0.7EV、撮影時刻:10時43分

 腹端がよく見えるアングルでもう一枚。
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GX100-gy8, ISO=100, F6.3-1/270、-0.7EV、撮影時刻:10時49分

 産卵の途中、一休みする♀はよく開翅してくれます。斜め上方からのショット。
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GX100-gy8, ISO=100, F6.3-1/68、-0.7EV、撮影時刻:10時54分

 いずれも(コンデジ+虫の目)の組合せならではの、とてつもなく深い焦点深度に驚きです。ざっと使った感想を述べますと、成虫画像も無論、魅力がありますけど、むしろ卵・幼虫・蛹のような幼生期の被写体に対し、深い焦点深度を活かした環境写しこみ写真に威力を発揮してくれそうな感じです。今後、フィールドでいろいろ試してみたいと思います。

by fanseab | 2007-07-23 22:15 | 機材 | Comments(22)

AF DX Fisheye Nikkor 10.5mmF2.8EDの試写・飛翔写真

仕事の疲れも残っていて曇り空。フィールド行きは取りやめて、機材の話題です。
これまで広角接写・飛翔撮影にシグマ24mmF1.8を用いてきましたが、コンデジのCaprioR1と画角が重複することや、銀塩一眼で慣れ親しんだ対角魚眼の世界に愛着があるため、今シーズンは思い切って、首題レンズを戦力に加えました。

既に広角接写については本体HP・番外編、「越冬中のウラギンシジミ」等で使用しており、このレンズならではの画角を利用した環境描写で満足すべき結果が得られております。次なる課題は飛翔撮影での撮影条件探索です。そこで、先日、近場の伊丹市昆虫館に出向き、オオゴマダラ等を被写体に使い勝手を探ってみました。

この昆虫館は関西在住の蝶屋さんにとってはお馴染みの場所で、小生は今回が初めての訪問です。入館してまず驚いたのが蝶の生息密度の高さ。東京・多摩動物公園にある蝶園と比較すると、ケージ(ドーム)の大きさが小さいためか、蝶の撮影が極めて容易にできます。特にオオゴマダラの数は驚異的で、至る所で交尾ペアが成立しておりました。野外ではめったに遭遇しない求愛・交尾シーンの撮影練習もここでは楽にできるしかけです。有難いことです。

さて、問題の飛翔写真に挑戦です。今回は内蔵ストロボ使用を前提に、特にストロボの照射条件の探索を目的として、AE調光・スローシンクロモードで仕上がり具合の確認をしました。また、内蔵ストロボ専用に自作した簡易デュフューザーの機能も同時にチェックです。

まずは、遊歩道を歩くゲストの横を悠然と舞うオオゴマダラの作例。スローシャッターで翅が適度にブレて動感も演出でき、目論見とする情景描写ができました。オオゴマダラのような白い蝶をストロボ併用撮影する時は蝶が白トビしやすいので、少しアンダー気味に撮影しています。この事例では、蝶にかなり接近して撮影したつもりですが、それでもオオゴマダラはこの程度にしか表現されません。魚眼の場合はちょっと距離が離れると蝶が豆粒のように写ってしまうので注意が必要です。シジミやセセリではちょっと厳しいかな?
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D70-10.5, ISO=200, F20-1/80, 内蔵ストロボ+自作デュフューザー、わずかにトリミング

お次はリュウキュウアサギマダラ。上手い具合にカメラに接近してくる情景を撮影できました。魚眼ならではの描写に満足です。飛翔写真撮影では蝶を後方から「追いかける」形になって、見栄えがしない結果に終わることが多いものです。でも不意に蝶が振り向いたりして、この作例のように蝶の視線がカメラ側に向くと極めて写真に迫力が出ることが実感できました。
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D70-10.5, ISO=200, F20-1/80, +0.7EV、内蔵ストロボ+自作デュフューザー、わずかにトリミング

これ以外にもクロテンシロチョウ等、熱帯アジアのポピュラーな蝶と戯れながら、対角魚眼のいい練習ができました。野外の実戦フィールドでどんな絵作りができるのか?今から楽しみです。
by fanseab | 2006-03-18 12:13 | 機材 | Comments(8)