探蝶逍遥記

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多摩川セセリ探索:PartⅠ(8/19)

 木曽探索行:PartⅢは画像ファイル修復に手間取った関係上、更新を先送りです(^^;;
で、本日は恒例の多摩川セセリ探索。台風10号の置き土産でしょうか、今日の関東地方は関西に負けず劣らずの酷暑。熱中症にはかかりたくないので、午後3時からのススキの原探索です。それでもクソ暑い!!キタテハも暑さしのぎで草叢の中でじっとしています。一人頑張っているのがジャコウアゲハの♀、食草を丹念に探索して産卵していました。

 さて、8月中旬ともなれば、ミヤマチャバネセセリの2化が出ているはず。それが本日のメインターゲット。しかし、このところ多摩川では相性が悪く、1時間半の探索でミヤマは坊主。ガッカリです。

 では、幼虫は?と一巡り。前回テープマーキングしておいたススキの株を検すると、ほとんど行方不明状態。キマダラセセリは前蛹前に葉を食いちぎってパラシュート落下するので、やはり発見は困難です。そのうち、ススキの葉にぶら下がり状態の淡緑色の蛹を発見。
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D70S-24, ISO=500, F16-1/125、外部ストロボ

 いいかげんな巣造り、巣内の吐糸が少ないこと、頭部が尖っていること等の特徴からチャバネセセリの蛹と判断しました。念のため、この個体はお持ち帰りで後日、羽化まで確認することにしました。蛹の全体像を示します。体長は約34mmです。腹側から見るとストローが腹の先まで伸びています。本当に長いですね。
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D70S-24(トリミング), ISO=400, F14-1/500、外部ストロボ

 また、前回探索で見出したキマダラセセリ幼虫の巣を開けると、中には寄生ハエ(蜂?)の蛹が。その隣にはミイラ化した幼虫の姿と、それを求める小さな蟻達。
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D70S-24(トリミング), ISO=500, F13-1/20、外部ストロボ

 黒い幼虫頭部には、このセセリの特徴である褐色の「ハの字」模様が墓標のようにくっきりと浮かび上がっているのが印象的でした。鳥等の大型捕食外敵に対し、巣造りで対策をしていても、小さな寄生蝿(蜂)には幼虫の体は丸見え状態。ありきたりの言い方ですが、生存競争は厳しいものですね。

※追記:
翌日(8/20)、セセリについての成果が出たのでPartⅡ(ハッピーエンド?編)でご紹介します。こちらは木曽探索行:PartⅢの後に更新します。更新順序が錯綜しますが、ご期待下さい。
by fanseab | 2006-08-19 22:34 | | Comments(8)

木曽探索行(8/12-13) PartⅡ:タテハチョウ達

 PartⅠで「第3のターゲット」と書いたのが、オオミスジです。「Neptis属ファン倶楽部会員」?である管理人としては、是非ともデジタルで撮り直したい目標の一つでありました。以前から「乗鞍~木曽御岳山麓に多産・・・」の情報を得ていたので、かなり期待して出かけたのです。初日、街道沿いの集落あたりを通り過ぎると、早速雄大な滑空飛翔を目にすることができました。ただ、簡単には下に降りて来ません。やはり朝一狙いにしようと、翌日、オナガシジミを撮影した近くで待っていると、最初に飛び出したのはミスジチョウ。こちらはさすがにかなり欠けが目立ちます。やはり7月中に撮影に来るべきなのでしょう。ややあって、オオミスジ♀も飛翔開始。こちらは狙い通り、飛び始めてからすぐに下草に降り立ってくれました。少し欠けていますが、まずまずの画像が撮れてヤレヤレです。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F9-1/320

 この後はクルミの梢に飛び立ち、ジ・エンド。気持ちを切り替え、チャマの探索に向かいました。チャマ探索をした牧場や牧草地で圧倒的な個体数を誇るのがジャノメチョウ。草叢から急に飛び立って慌てさせられます。ここは広角でまず飛翔写真にトライ。この蝶、絶対的な飛翔スピードはないものの、結構不規則に方向転換するので歩留まりはそれほど上がりません。何とかど真ん中にヒットしたのを貼ります。この画像を撮影する頃から雲行きが怪しくなり、やがて雷鳴が轟き始めました。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F10-1/250、+0.3EV、内蔵ストロボ

 無尽蔵にいると思われるジャノメチョウ。当然カップルも沢山できます。朝・昼・夕方問わず多くの交尾ペアを目にすることができました。明るい草原を飛び交うジャノメですが、交尾は比較的暗目の環境で人目を忍んで過ごすようで・・・。
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D70, ISO=500, F11-1/100、+0.3EV、内蔵ストロボ

 一方、山麓に点在するスキー場は針葉樹林帯に位置し、笹がゲレンデ脇に密集しています。ここに多いのがヒメキマダラヒカゲ。ヒヨドリバナにはアサギマダラと一緒に多くの個体が吸蜜に来ておりました。ここでは結構粘って♀の開翅吸蜜シーンをゲット。後翅表に配された眼状紋は惚れ惚れする美しさだと思いませんか?
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D70, ISO=500, F8-1/800、+0.3EV

 2日目。チャマ探索も徒労に終わり、下山する直前に寄った林道脇。ヒヨドリバナの群落に、魅力的なタテハが集っていました。信州の夏の定番、クジャクチョウは何時見ても美しく、ミドリヒョウモンの橙色もそれほどスレていません。そんなヒョウモンを撮影していると、ちょっぴり大きめのヒョウモンが。おぉ!期待もしていなかったオオウラギンスジヒョウモン♀の登場です。何を隠そう、管理人にとって、ヒョウモン類の中で最もお気に入りが突然姿を現したのです!もう心臓ドキドキモード。でも優しいこの娘さん、ゆっくりと吸蜜してくれて、途中から余裕を持ってアングルを工夫した撮影ができました。久しぶり、テレコンを外した10.5mm対角魚眼で目一杯寄り、下から見上げる好みのアングルで撮影。苦労した甲斐があって、本遠征でのベストショットが撮れました。で、いつものようにちょっぴり大きめの画像を貼ります。何時見てもホンマ、格好ええタテハです。
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D70S-10.5, ISO=500, F11-1/320

 8月、信州の高原と言えば、皆さんもキベリやエルを想定されるでしょう。ただ今回の探索行では全く出会えず、ちょっと不思議な感じがしました。その代わり、ジャノメチョウやヒメキマダラヒカゲといった普段あまり真面目に取組まない蝶達に焦点を当てることができ、彼らの魅力を十分に味わうことができました。次回はオナガシジミ以外のシジミチョウをご紹介したいと思います。 (PartⅢに続く)
by fanseab | 2006-08-16 20:59 | | Comments(14)

木曽探索行(8/12-13) PartⅠ:オナガシジミ

 猛暑の関西を抜け出して、涼しい信州の高原で蝶撮影を満喫してきました。場所は管理人初体験の木曽御岳山麓。で、今回のメインターゲットは第2化のチャマダラセセリ探索です。拙ブログを開設して以来、環境省指定「絶滅危惧Ⅰ類」として、ヒョウモンモドキ、クロシジミをご紹介してきました。しかし、絶滅までのカウントダウンの観点からは、長野県のチャマ個体群が一番厳しいのではないか?と管理人は睨んでいます。Websiteで紹介されている当地での生態写真は5月中旬頃の写真が多く、8月に発生する第2化の画像は極めて稀だと思います。おまけに小生、ポイントを知っているわけでなく、今回はポイントとなりそうな牧場や牧草地を訪ねて放浪する極めて効率の悪い探索行となりました。
 もちろん、成功確率は0.1%程度と予めあまり期待せず、チャマ以外の第2、第3のターゲットも念頭に来シーズン以降の下見と割り切って高原を探索しました。
 結論から言えば、主要な牧場、牧草地を5箇所ほど丹念に調査しましたが、坊主。やはり、5月発生の第1化品に比較して難易度は上のようです。またチャマ以上に期待したホシチャ、アカセセリも坊主。スジチャ、ヘリチャ、キバネもスレが進んで撮影意欲が萎え、セセリ類に収穫はありませんでした。

 そこで、密かに第2ターゲットとしたオナガシジミで成果が出たので、初回はこの蝶についてご紹介しましょう。オナガについては、山梨県下で7月下旬~8月にかけて、結構念入りにクルミを調べた経験がありますが、出会えず。関西に拠点を変えてからは、更に珍品度が上がったので、何とかゲットしたいと長竿、脚立持参でチャマ探索の合間に根性入れてクルミ林を探索しました。

 初日に見出した2頭ばかり飛び出したクルミの木が良さげだったので、翌日朝7時半に長竿で叩き出し開始。すると、どうでしょう。次から次へと夏空にキラキラとオナガシジミが飛び出します。総数10頭ほど。どうやら「御神木」を掘り当てたようです(^^) ほとんどは真横か上に舞い戻ってしまいますが、なかには変わり者(?)もいて、下草に降りてきてくれます。この変人、いや失礼!貴重な個体をモデルに撮影を楽しめました。舞い降りたのはカボチャ畑の上。朝日を浴びたカボチャの葉の上で長い尾を風にそよがせながら、翅をスリスリし始めました。
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D70, ISO=500, F18-1/125、-0.3EV、撮影時刻:7時39分

 そのうち、いよいよご開帳。初めて見るオナガの開翅です! ビロード状の質感に朝日を浴びて、薄緑色の幻光も観察され、地味ながら深い味わいです。
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D70, ISO=500, F11-1/640、-0.3EV、撮影時刻:7時45分

 次に超広角にも挑戦。カボチャの葉が地上、かなり低い位置なので、魚眼前面レンズが泥とカボチャの葉に触れないよう、細心の注意を払っての作画になりました。バックに「御神木」が見えています。
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D70-10.5-X1.4TC, ISO=500, F10-1/320、-0.3EV、撮影時刻:7時49分

 この後、体が暖まると、舞い上がってクルミの葉上に。ここでもご開帳。この角度からは淡い紫色の幻光が見えます。一見地味に見えるオナガの翅表ですが、色々と仕掛けがあって楽しめます。
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D70S-VR84@400mm(トリミング), ISO=640, F7.1-1/1250、撮影時刻:7時53分

 11時頃、別のポイントで2mほどの高さのクルミの葉上で休息している♀を発見しました。暑さを避けて木陰に身を寄せている感じ。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F13-1/50、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時4分

 90mmマクロで撮影しようとファインダーを覘くと、ウロウロと葉の上を動き回りながら、ストローを伸ばしてなにか吸っています。おそらく吸水なのでしょう。オナガシジミのストローが黄色だってこと、読者の皆さん、ご存知でした?肛角部の橙色とセンスを合わせたような黄色のストロー。彼女、意外と洒落者です。
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D70(トリミング), ISO=500, F8-1/250、-0.3EV、内蔵ストロボ(調光-0.3EV)、撮影時刻:11時3分

 この吸水?行動。実は初日の朝9時半頃にも観察できました。また2週間前に鈴鹿山脈でキリシマ♂を観察した際にも朝方、同じようにアカガシの葉上でウロウロ歩き回りながらストローを伸ばしている姿を観察しております。ミズイロオナガやウスイロでも同じような行動を取るのか?興味のあるところです。

 今回の遠征で、これまで撮影に苦労していたのが嘘のように一気にオナガの撮影が進展しました。この高原、そこいらじゅうにクルミが生えているので、どこがポイントか困惑しますが、どうやらクルミが密集せず、南向きに開けた環境下、数本単位で生えているような場所で個体数が多い感触を得ました。次回は第3のターゲットにしていたタテハチョウの仲間をご紹介したいと思います。 (PartⅡに続く)
by fanseab | 2006-08-14 18:52 | | Comments(14)

「管理人は見た!シジミ縁毛の後光を」PartⅢ:キリシマミドリシジミ

 拙ブログの専売特許(?)、拘りの「シジミ縁毛後光現象」関連記事です。そろそろ定番化しそうなので、ここで題名にも拘ることに。
○原×子主演のTVドラマ、「家政婦は見た!」シリーズをパクって、「管理人は見た!シジミ縁毛の後光を」シリーズといたしましょう(爆)

 で、今回はシリーズ第3弾、いよいよ大物、キリシマミドリシジミのご登場でございます。2日間、鈴鹿山中で開翅シーンと格闘している最中にも、何故か冷静にこのシリーズ企画のことを考えていた管理人でありまして、午前中遅い時間帯では、逆光でのテリ張りシーンしか拝めないため、逆にこのシリーズもの撮影には絶好のチャンスとなったのでした。

 前置きが長くなりました。まずは1枚。真下やや横からの撮影。おぉ!縁毛がサファイアブルーに輝いているではないですか!?キリシマ表翅の輝きは強烈ですが、縁毛の輝きもまた素晴らしい!! 本シリーズ撮影では強アンダーの露出設定が必要です。ここでもキリシマ撮影用にアンダーに振った条件設定。それでもオリジナル画像は縁毛が1部白トビを起こしているほど強烈な輝きです。
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D70S-VR84@400mm(トリミング), ISO=640, F10-1/320、-1.0EV

 ↑の写真は全開翅に近い状態でしたが、この後、風が吹いてきて翅を閉じかけた時、今度は目を疑う現象が! なんと、裏面全体にも淡いブルーの後光が差しています! 銀白色の裏面を持つため、表翅のサファイアブルーが透けて見えるキリシマ固有の現象なのでしょうか?ともかく、どんな角度から見ても飽きさせない素晴らしい撮影対象であることを改めて思い知らされた次第です。
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D70S-VR84@400mm(トリミング), ISO=800, F7.1-1/640、-1.7EV

 ところで、これまで本シリーズで登場したシジミの縁毛、いずれも後光の色はブルーです。「ブルー以外には光らんのかな?」なる疑問もそろそろ浮かんできました。このままだと、本企画も変化に乏しく先行きが心配です(^^; どなたかブルー以外に光るネタをご存知ないでしょうか?
by fanseab | 2006-08-09 22:55 | | Comments(6)

多摩川セセリ探索(8/6)

 7/22に引き続き、神奈川のマイフィールド(多摩川河川敷)で午前中、セセリの探索です。ターゲットはお気に入りのギンイチモンジセセリ。愛読しているブログ:撮影日記のDさんの著した報文によれば、当地でのギンイチ2化発生は7月上旬~下旬で3化は8月下旬~9月中旬となっています。つまり、現在は2化成虫の生き残りが飛んでいることになります。

 朝7時半。川縁はもう30度近い暑さ。モンキチョウやヤマトシジミは活発に活動しています。意を決して、ススキの原に突入。ただ梅雨時と違ってかなり足元が乾燥しているので気分は楽です。成虫で一番目に付くのはヒメジャノメ。暑さを避けているのか、ススキの根元から飛び出してビックリさせられます。ただセセリはさっぱり。途中から幼虫探索に切り替え、最初に大型の長方形の巣を発見。
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R1@5.6mm, ISO=400, F3.6-1/500、-0.3EV
開けてみると、キマダラセセリでした。
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R1@5.6mm, ISO=400, F3.6-1/270、-0.3EV

体長は38mmもありますから終齢でしょうか?頭部斑紋に特徴があり、前から見た時、黒地の頭に褐色の「ハの字」がくっきりしていて、尾端にも黒班があります。個体数が多いセセリではないですが、今日の探索で2頭の幼虫を見出しました。

 お次は白地に真っ黒な頭部の4令と思しき個体。体長は約26mm。
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R1@5.6mm, ISO=400, F3.6-1/176、-0.3EV

 はて、これはいったい何セセリ? 前回(7/22付拙ブログ)「イチモンジセセリ」とした個体と同じ斑紋ですが、どうやらイチモンジではなさそう。イチモンジは3令以降、頭部は褐色に変化し、4令以降はその褐色頭部に「バットマンマーク」のような黒班が特徴となります。ですから黒一色のこの幼虫とは全く違います。また、頭部が二段になっているので、脱皮間近のようですが、この幼虫、どなたか同定して頂けないでしょうか?(※)

 結局、炎天下、約2時間ススキの原を彷徨ったものの、ギンイチ成虫は坊主。9時半頃、熱中症になる前に河原を退却しました(^^;; このままでは収まりがつかないので、3化が発生するとされる8月下旬~9月中旬頃、また当地で観察する予定です。

※maedaさんより、「コチャバネセセリ」とのご指摘を頂きました。maedaさん、有難うございました。
by fanseab | 2006-08-06 22:54 | | Comments(8)

キリシマの構造色を極める(7/30)

 昨日、念願の開翅画像撮影に成功したキリシマミドリシジミですが、撮影してみると、画像の質が今一歩の感が拭えませんでした。で、懲りずに本日再チャレンジです。3時起床、現地5時45分着。天気は良さそうです。実は昨日ご紹介したポイント③で2時間じっくり♂の行動パターンを観察した結果、朝の早い時間帯に限り、目線の高さで開翅が期待できるアカガシが右岸に生えていることに気がつきました。そこでポイント①、②は見向きもせず、ポイント③に直行です。彼らがテリ張りする前に、小生がこのアカガシの前に陣取ってテリを張りました(笑)。

 6時30分、まず右岸奥のアカガシ大木の梢で1頭が活動開始。続いて2頭目が予想通り、目の前のアカガシに降りてきてくれました。しかし、日の当らない所で開翅せずに飛び去ります。そしていよいよ、7時40分過ぎ、待望の1頭が陽射しを浴びたアカガシの葉上に降り立ち、待ちこがれたご開帳です。このアカガシの前には都合の良いことに足場の安定する大岩があって、脚立代わりとして手持ち撮影を可能にしてくれます。この1頭を皮切りに延べ4頭ほどが入れ替わり立ち代り、「ご神木」とも呼ぶべきこのアカガシ近辺にやって来て、開翅シーンを思う存分楽しむことができました。そこで、今回はキリシマ♂翅表が魅せる素晴らしい構造色のバリエーションを皆様にご紹介することにします。

(1)金緑色
ほぼ真横からの撮影で♂が半開翅した状況で見ることのできるCrysoらしい色だと思います。後翅が未だ金属光沢にならず、クロシジミ♂のような鈍い幻光色が観察されます。
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D70S-VR84@400mm, ISO=640, F9-1/1250、-1.3EV、撮影時刻7時43分。

(2)金緑色~サファイアブルーの中間色
ほぼ真横やや前方より見込む時に観察される色。後翅が緑色に輝き始める瞬間です。本日の観察で最も色合いのバランスが素晴らしかった角度です。この色はキリシマが飛翔する時に見せるイメージに最も近似したものだと思います。個人的には本日のベストショットなので、少し大きめの画像を貼っておきます。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F8-1/800、-1.7EV、撮影時刻9時00分。

(3)サファイアブルー:その1
側方から観察していて♂が全開するとき、魅せてくれる色です。まるでモルフォチョウの輝きを連想させますね。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F9-1/1000、-1.7EV、撮影時刻8時08分。

(4)サファイアブルー:その2
 正面やや斜めにキリシマと対峙する際、葉上に止まった♂が開翅をしようと翅を広げかけた時、もしくは強風が吹いてきて、拡げた翅を閉じる瞬間のポーズ。色合いとしてはその1よりは若干明るい爽やかブルー系統でしょうか?裏面の銀白色と翅表のブルーが同時に見える、キリシマならではの素晴らしい観察角度でもあります。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F9-1/640、-1.7EV、撮影時刻8時35分。

(5)パープルブルー
 午前9時を過ぎ、高い梢にテリ位置を移動させた後は見上げるような角度でしか♂開翅を撮影できなくなります。ところが、半開翅状態で、下方から眺めた時、なにやら不可思議な紫がかったブルーが観察できました。この色合い、他のゼフでも観察されるのでしょうか?どなたかご教示頂ければ幸いです。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F8-1/2500、-1.3EV、撮影時刻9時20分。

 キリシマ♂が魅せる構造色の多様性をお楽しみ頂けましたでしょうか?実際、撮影時にファインダーから覗き込むこれらの素晴らしい金属光沢は忘れえぬものと言えましょう。

 今日も開翅シーン撮影以外はじっくり、♂の行動を観察していました。さきほどご紹介した「ご神木」での日光浴で体温を高めた♂は9時を過ぎると、探♀行動を開始し、テリ位置を梢のかなり高い位置に移動させます。そうして、樹冠から林床にかけて、それこそ舐めるようにアカガシの周囲を飛び回ります。林床に降りてきた際には地上スレスレを飛ぶことがあります。実は昨日、この行動でてっきり腰の高さで開翅が期待できると錯覚しましたが、だまされてはいけません。彼らは下草付近にいるであろう、♀を探しに降りてきているのです。小生も♂にならって、念入りに「探♀行動」を実施しましたが、♀は発見できず、今後の課題になりました。

 ポイント③は10時に撤収。その後、ポイント①付近で再度♂のバトルを鑑賞。昨日より個体数が増加した印象です。ここでは90mmマクロで撮影可能な至近距離での開翅を拝めましたが、レンズを向けるとライバル♂がちょっかいを出す始末。「もう少し個体数が少ないといいのになあ・・・」等と贅沢な愚痴をこぼしました。

 とまれ、2日間好天に恵まれ、念願のキリシマ撮影を思う存分楽しむことができました。本日の成果で、リベンジ率は90%とアップしたことにしておきましょう。来年も素晴らしい飛翔シーンが観察できることを祈って鈴鹿を後にしました。
by fanseab | 2006-07-30 22:06 | | Comments(14)

霧島の輝きを求めて(7/29)

 気象台は優柔不断にも梅雨明け宣言してませんが、関西地方は既に完璧な真夏。熱中症にならぬよう、肝に銘じて鈴鹿山中に篭りました。狙いは当然、キリシマミドリシジミ。高所を飛ぶ相手に、首が痛くなっただけで撮影を諦めた2年前のリベンジを果たそうとの思いです。

 前回とは意図的に探索場所を変え、現地早朝5時半到着。空はカンカン照りになりそうな雰囲気。谷筋の下草にも注意を払い、時々長竿でビーディングをかましながら、林道を辿っていきます。キリシマの活動時間帯まで間があるので、ポイントになりそうなアカガシの樹高と朝日が差し込む位置を検討しながら渓谷を探索。下流から上流へポイント①、②、③を設定。7時ちょっと前、ポイント②の樹高20mほどのアカガシの樹冠にキラキラと銀白色の影が。待ちに待った主役の登場です。しかし、下に降りてくる気配がないので、ポイント①に移動。またしてもキリシマの影。今度は樹高が低い樹間に潜り込みました。400mmズームで覘いてみると、ウロウロ葉上を動き回って、吸水(吸汁?)をしているようでした。これが小生、キリシマ閉翅ポーズのファーストショット。時間は7時43分でした。
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D70S-VR84@400mm, ISO=640, F9-1/320、-0.7EV

 しかし、まだ位置が高すぎます。そこで長竿でやんわりと叩き出すとようやく400mmズームの射程距離に。止まって2秒もしない内にいきなり開翅です!慌てて渓谷に転がっている大岩を脚立代わりに何とか開翅シーンがものにできました。距離的には不満足なもののまずはリベンジ成功です。でもこのメタリックブルー、Favoniusのようにも見えるけど、キリシマ固有の色なんでしょうか?もう少しいろいろな角度から撮ってみたいものです。
f0090680_21592839.jpg
D70S-VR84@400mm, ISO=640, F7.1-1/1000、-1.0EV

 結局、この後、この個体はいつもにように樹上高く舞い上がり、ジ・エンド(^^;;
で、場所変えてポイント③に赴きます。ここは上流域で川幅が最大でも3m、アカガシが両岸から迫り出している最も良さげなポイントです。アカガシの下枝を叩くと、黒いシジミが。「あっ、キリシマの♀!」と叫びましたが後の祭り。意外なほどのすばしこさで姿を見失いました。なにせここは大岩がゴロゴロ転がる沢でして、蝶ばかり見ていると岩に転倒して骨折の危険もある難所です。マムシもゴロゴロしてますんで、苦労が絶えません。それでも個体数は抜群に多く、常時数頭のキリシマ♂がチェイシングをしている素晴らしい眺めを楽しめます。さきほどの♀に懲りて、慎重に下枝を叩き出すと今度はゆったりとした♂が飛び立ち、下枝の中に隠れました。バトルに負け、テリ場所を失って下枝に降りてきたのかもしれません。でもお陰様で比較的至近距離で、木漏れ日の下、樹間に佇むしっとりとした閉翅シーンを撮ることができました。
f0090680_2201941.jpg
D70S-VR84@400mm, ISO=500, F8-1/400、-1.7EV、内蔵ストロボ(調光補正-1/3EV)

 この個体、暫くながめていると、猫の毛づくろいのように触角を脚でしごいたり、吸汁?行為もしていました。なんとなく親しみを覚える♂でした。
f0090680_2203960.jpg
D70S-VR84@400mm(トリミング), ISO=500, F13-1/250、-1.7EV、内蔵ストロボ(調光補正-1/3EV)

 さて、9時頃を過ぎると陽射しの関係で、テリ位置が撮影には大変不向きなポイントに移動していきます。90mmマクロでも撮影可能な位置にアカガシの下枝はあるのですが、ここは陽射しが「ベタ」で当り、どうやら♂がテリを張るのを嫌うようです。好んで♂が占有行動を取る場所は、以下の条件に限定されるようです。
(1)葉上に斜光線で光が当るとか、
(2)周囲は影になっているが、葉先だけ陽があたっている
そこで、条件(2)の好例を以下に示します。
f0090680_221188.jpg
D70S-VR84@330mm(トリミング), ISO=640, F10-1/320、-1.7EV

 400mmズームでも証拠写真にしかならない距離に止まるので、本当に泣かされます。↑の画像で少し開き気味にした表翅は紫色のようにも見えます。光の当たり方でゼフの表翅は本当に七変化するのですね。

 テリ張りシーンが撮影できないとなれば、胸のすくような♂のバトルを何とかものにしたい・・・と山っ気を起こし、100ショットほど飛翔写真にトライしましたが、超高速であること、卍持続時間が1秒程度であること、飛翔の方向予測が全くつかないこと、にすぐ気がつき、トライするのがバカバカしくなって止めました。何とか撮った証拠写真はこちら。
f0090680_2213577.jpg
D70S-VR84@195mm(トリミング), ISO=500, F10-1/250、-1.7EV、内蔵ストロボ

 ともかく、キリシマの飛翔は従来技術の延長線上では駄目で、相当な工夫をせねば無理だと悟りました。で、後はじっと鑑賞するのみ。およそ1時間、延々と繰り広げられるチェーシングを堪能しました。それにしても2年前に比べ数倍以上の個体数には感動しました。アカガシの大木には少なくとも2頭が乱舞している状態でした。キリシマは当たり年とそうでない年がはっきりしているそうですが、今年は恐らく「当り」年のようです。

 「リベンジ」を掲げた今回の鈴鹿遠征。開翅画像がイマイチだったこと、♀の撮影ができなかったことを考えて、リベンジ率60%としておきます。でも撮影できない分、今回じっくり♂の生態を観察することができました。裏面斑紋の特異なことと併せ、このゼフィルスが蝶屋の憧憬対象である理由が今回の遠征でよくわかりました。
 昼前11時頃から、雷雲が広がってきたので、慌てて下山。麓に下りる頃には本降りに、更に京都南ICを過ぎる頃には土砂降り状態になっていました。気象予報士が関西の梅雨明け宣言を延ばしている理由がわかったような気がしました。

※お知らせ
 本体HP:「日本の蝶」ギャラリーにウスイロヒョウモンモドキ、ミヤマチャバネセセリの2種を追加しました。お口直しにお立ち寄りください。
by fanseab | 2006-07-29 22:08 | | Comments(10)

セセリ探索(7/22)

 梅雨空の中、神奈川のマイフィールド(多摩川河川敷)で午前中、ぶらぶらしました。
6/25付拙ブログでギンイチモンジセセリの亜終齢幼虫をご紹介しましたが、ひょっとして第2化が発生しているかもしれない・・・、これが本日のメインターゲット。で、結論から言うとヌル。
 10時頃から急に陽が差す気配ですが、飛び出すのは新鮮なヒメジャノメ、ヒメウラナミジャノメの一群。セセリで見たのはイチモンジをわずかに2頭。うーん、ここでは亜終齢~終齢の期間が長い年2化なのでしょうか?結論を出すにはさらに8~9月まで継続観察が必要のようです。

 それにしても昨日までの大雨でジトジトに湿った足元、背丈を越すススキの原を徘徊するのはイヤなもんです。これを嫌って、これまでこの時期のギンイチ撮影を控えていたのです。成虫がいないので今度は幼虫探索。でも前回のように簡単には発見できません。ようやくセセリの巣らしきものを発見。
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R1@5.6mm, ISO=400, F3.6-1/270、-0.3EV

 空けてみると、ギンイチではなく、恐らくイチモンジの3齢幼虫。
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R1@5.6mm, ISO=400, F3.6-1/133、-0.3EV

 この後、ミヤマチャバネセセリらしき幼虫巣を発見し、空けようとしたら、驚いた幼虫を草叢に落とす大失敗。セセリの巣を空ける時の鉄則:「落ちた時の発見を容易にするため足元を踏みしめる」を無視したのが敗因でした。
結局、この幼虫を見失い、あ~、ガッカリ(^^;;

 ススキの原を抜け出るとヒメジョオンの花にベニシジミ、ヒメウラナミジャノメが沢山吸蜜していました。ここでは夏型のベニシジミに注目。とびきり黒化が進んだ個体を追い回して縦位置広角でパチリ。
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R1@5.6mm, ISO=400, F5.9-1/270、-0.3EV

 ここまで、黒くなると「紅」の形容詞に違和感を覚えます。「フチベニクロシジミ」と命名しておきましょう(^^) 後翅外縁部にわずかに光る青色鱗がおしゃれですね。
by fanseab | 2006-07-22 22:20 | | Comments(12)

「クロ」2題(7/15)

 本日は少し東に進路を取って京滋方面に遠征です。まず京都南部のクロヒカゲモドキポイントへ7時前に到着。まもなく、「My Favorite Butterflies of Japan 新日記蝶」のKさんと合流し、一緒に探索しました。するとすぐに農具収納小屋の中で吸汁する新鮮な♂を発見。あっという間に本日の第一目標はクリアしました。銀塩時代、山梨・韮崎で撮影して以来何年振りでしょうか?吸汁中はかなり接近できることがわかりました。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500、F10-1/25、-0.7EV、内蔵ストロボ

 この個体、湿気の多い日陰の小屋にご執心の様子で、暫くこの子とおつきあい。下草に止まったので、久しぶりに縦位置広角でも撮るか?と、ファインダーを覘くと、「アレレ?眼状紋が見えない、変だなあ」「えっ、ひょっとして、か、か、・・・開翅している!!」ドキドキしながらもあっけなく、縦位置広角開翅画像が撮れちゃいました。小生の真後ろでは、「開翅画像の鬼」、Kさんが雄叫びを上げながら興奮状態。モニターを拝見させて頂くと、何と120度近く開いた開翅画像。さすがにその道を究めた方には脱帽でした。
f0090680_8341551.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500、F10-1/30、-0.3EV、内蔵ストロボ

 最後に縦位置広角でこの日の蒸し暑い夏空とモドキのイメージを集約した作画を試みました。「日陰蝶」の雰囲気が何とか出せたようです。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500、F11-1/160、-1.3EV、内蔵ストロボ(調光:-0.7EV)

 クロヒカゲモドキが生息しているこのポイント、他にも魅力的な蝶がいくつか。最初はオオヒカゲ。ちょっぴりスレていますが、藪の中に逃げ込んだ個体を何とか400mmズームで捉えました。出来はイマイチですが、小生本種は撮影初体験でこれがファーストショット。素直に嬉しいです。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500、F11-1/320、-0.3EV、内蔵ストロボ(調光:-0.3EV)

 お次はホソバセセリ。本種とは二年ぶりのご対面。汗で濡れた小生のリュックやシャツからしきりに吸水。ペットボトルを借景にしてみました。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500、F7.1-1/80、+0.3EV

 11時頃、次の目的地、滋賀県のクロシジミポイントへ移動です。先週、但馬の高原で♂は撮影済みなので今日の狙いは♀一本。到着するとすぐに期待の♀が多数出現してくれました。曇り勝ちの天気が幸いして開翅ポーズを披露してくれます。しかし♂と異なり、幻光が拝める訳ではなく、あくまで黒褐色の地味な装いです。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500、F11-1/30、内蔵ストロボ(調光:-0.3EV)

 Kさんが、コナラの枝先にアブラムシの集団を目敏く発見。クロオオアリとアブラムシで真っ黒になっているポイントの近くで♀がじっと様子を窺っています。
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D70, ISO=500、F10-1/200、-0.3EV、内蔵ストロボ(調光:-0.7EV)

 暫く待っていると♀が飛び立ち、待望の産卵シーン。アブラムシとのツーショットを意図した作画のため、頭隠して尻・・・になったことはご勘弁を。腹端の先にある、産み立ての薄青色の卵がご確認頂けるでしょうか?
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D70S-10.5-X1.4TC(トリミング), ISO=500、F11-1/250、-0.3EV、内蔵ストロボ

 昼食後、雲行きが怪しくなって夕立が落ちてきたので、撤収。念のため、別のポイントも探索することに。すると雨が止んでくれて、ここでも元気な♀が姿を見せてくれました。日差しの加減がよかったのか、これまでで最大角度の開翅も拝むこともできました。
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D70, ISO=640、F6.3-1/800、-0.3EV

 各個体をよく眺めてみると、裏面の個体変異は様々です。この日出会ったなかで、最も裏面白化が進んだ個体を示します。後翅の白化が著しく、前翅前縁部に本来の黒褐色が残っています。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500、F9-1/640

 クロヒカゲモドキで始まり、クロシジミで終わった京滋遠征。大変充実した撮影行となりました。終日、いろいろとお世話になりました、Kさん、本当に有難うございました。

【追記】
本体HP:「ボルネオの蝶」ギャラリーを科別編成方式に変更し、新規追加3種他、画像を増強しました。お時間があれば、どうぞお立ち寄りください。
by fanseab | 2006-07-16 08:49 | | Comments(14)

但馬の夏(7/8) 番外編

 拙ブログ愛読者の方はご記憶されているかもしれませんが、5/13付けでシジミ類の縁毛について、ひとくさり述べたことがあります。

 曰く「コツバメを逆光で撮影すると、縁毛がブルーに光る」ことに目をつけて、「スギタニもシルビアの縁毛も青く光った」と自画自賛したものでした。

 その後、本件について沙汰闇でしたが、今回、ジョウザンを逆光条件下で撮影した画像を見て驚きました。↓の画像左側前・後翅にご注目ください。なんと、ジョウザンも縁毛が「サファイアブルー」に光っています!!
f0090680_2318677.jpg
D70S-VR84@400mm, ISO=640、F7.1-1/500、-1.0EV

 テリ張り時、ジョウザンは朝日に背を向けるポーズをしがちで、このような角度で撮影せざるを得なかったのですが、ウーン、やはり光ってます。残念ながらアイノをこのポーズで撮影できなかったので、どなたか、アイノやメスアカ等のCryso系を逆光下で撮影し、縁毛が「金緑色」に光ることを検証して頂けませんか?
by fanseab | 2006-07-11 23:20 | | Comments(4)