探蝶逍遥記

カテゴリ:蝶( 887 )

キリシマ♀の探索(9/24)

 本日のターゲットはズバリ、キリシマミドリシジミ♀産卵シーンの撮影。早朝3時起床。一路鈴鹿山脈を目指します。本年4回目の鈴鹿遠征なので、慣れた道順で、現地ポイント6時25分着。早速アカガシをそっと長竿で叩き出すとヨロヨロ2頭の♀が飛び出しました。気温は13℃と低いため、真夏に比べると飛翔はゆっくりしていますが、梢の上に止まったまま動かず。この後、動き無く、仕方なく少し下流の朝日が差し込む岩場に移動すると4頭ほどの♀が一斉に飛び立ちました。どうやら、ここで日光浴と吸水をしているようです。まずは閉翅状態での日光浴シーン。翅は相当にスレてますが、キリシマの特徴はきちんと判ります。やっと♀を撮影できて一安心です。
f0090680_05233.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=400, F10-1/320、-0.7EV、撮影時刻8時21分

 引き続き開翅シーン。比較的鈍感で大サービスしてくれました。表翅の青色班のスレも仕方ないでしょう。
f0090680_052254.jpg
D70, ISO=500, F11-1/800、-0.7EV、撮影時刻9時49分

 吸水と日光浴は繰り返して行われるようです。吸水場面の望遠マクロ画像。両方の岩に脚を踏ん張って、飲んでいるのが面白いです。ストローは橙色系ですね。
f0090680_054044.jpg
D70, ISO=400, F11-1/800、-0.3EV、撮影時刻9時39分

 吸水は↑のように陽射しが強い場所だけでなく、木陰でも観察できました。
f0090680_06441.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=400, F8-1/125、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻9時52分

 この吸水ポイントで相当数の個体が戯れていましたが、少し元気な1頭が開翅日光浴した所をパチリ。
f0090680_062613.jpg
D70, ISO=400, F11-1/1000、-0.3EV、撮影時刻9時00分

 しかし、ファインダーを見て、おやと思いました。「なんや、このキリシマ、少し青色が鮮やかやし、ちょっと斑紋が変やなあ・・」とつぶやいている内に、閉翅状態に。するとどうでしょう!「あっ、これ、キリシマとちゃう、なんやろ、・・・。えっ、ヒ、ヒ、ひょっとしてヒサマツ??!!」。この後、急に心臓ドキドキモードで撮影したのが下の閉翅写真。
f0090680_065219.jpg
D70, ISO=400, F11-1/1000、-0.3EV、撮影時刻9時00分

 このシジミの特徴である、後翅裏面肛角部のV字型白線が紛れも無くヒサマツであることの証明。尾状突起が欠落していることはもうどうでもいいことです。来年以降の目標に掲げていたヒサマツミドリシジミ♀との衝撃的な出会いでした。しかし、この閉翅写真を撮った後、さっと飛び立ち梢の上に。二度と吸水には降り立ってくれませんでした。

 ヒサマツ撮影の興奮さめやらぬ中、キリシマ♀の産卵タイムを待ちます。文献によるとお昼前後が産卵時間帯とのことなので、それまでの間、アカガシの休眠芽をチェック。少し木陰にある緑色鮮やかな休眠芽を中心に、ひたすら探索。ようやく2卵を見出しました。いずれも地上高1.5m位の低い位置です。卵の色が白いので、産みたてではないようです。
f0090680_071894.jpg
D70-SMZ, ISO=500, F18-1/500、-0.3EV、内蔵ストロボ、調光補正-0.3EV

 休眠芽探索ばかりでは飽きるので、飛翔にもトライ。真夏の♂に比べれば弱々しいので、結構歩留まりは良かったです。水面上ギリギリを飛ぶ♀の姿を貼っておきましょう。
f0090680_073674.jpg
D70(トリミング), ISO=640, F11-1/1250、-0.3EV、撮影時刻10時09分

 さて、10時半頃からずっと、♀の挙動を観察していましたが、時々梢の上から降りてきたり、渓谷上を飛んだりしますが、ヒコバエに潜るとか、梢の上を歩き回る等の産卵行動を思わせる仕草は結局、見られませんでした。13時半頃、根負けして撤収です。これから産卵が加速するのか?あるいは、小生の目の届かぬ所で産卵していたのか?簡単には撮影できないことがよくわかりました。それでもようやく、♀の吸水、開翅、飛翔、卵を撮影できたのは収穫でしたし、なにより、ヒサマツ♀が撮影できたのはラッキーとしか言いようがありません。これで、今年の鈴鹿行脚もひとまず終了です。この蝶、観察すればするほど、奥深いシジミで、完全に虜になってしまいました。来年は♂飛翔、新鮮な♀撮影と、できれば産卵現場を押さえることが目標になりました。

 最後にちょっぴり悲しい画像を一つご紹介しましょう。7月中旬の羽化から2ヶ月以上の長寿命を誇るキリシマ♀ですが、当然、最後の時を彼女達も迎えることになります。水面に落ちた枯葉の上で虚しく漂う青色班が印象的でした。彼女達のミッションである産卵を終えたものと信じ、来年もここ鈴鹿でキリシマの乱舞が見られることを期待しましょう。
f0090680_075697.jpg
D70, ISO=500, F11-1/250、-0.3EV
by fanseab | 2006-09-24 23:59 | | Comments(20)

コンクリート塀で暮すツマグロヒョウモン幼虫

3/19付け拙ブログでもご紹介した兵庫県の自宅近くの首題幼虫。春から継続観察をしていたところ、今月の初めから塀下にあるスミレで目につくようになりました。5月から8月一杯は何故か、このポイントに母蝶は産卵しないようです。真西に面しているため、夏季は幼虫にとって暑すぎる環境が邪魔しているのでは?と推察しています。
 試みに9/16に計数したところ、蛹2頭、幼虫25頭が確認されました。道路沿い20mにスミレの株が10株ほどあり、一株に群がる幼虫は迫力満点です。
f0090680_22374526.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=200, F8-1/40、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時21分(9/16)

 この写真で、手前の株に5頭、向こう側に2頭、そして塀の上に1頭が静止しています。摂食以外の時間帯に静止する位置は食草上、コンクリートの地面、それに塀の上になりますが、このポイントでは圧倒的に塀の上で休んでいる個体が多いのが特徴。
f0090680_22381892.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=200, F10-1/40、+0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時20分(9/16)

 昼間はもちろん、夜間もご覧の通りです(1頭は食草上にいます)。
f0090680_2238437.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F10-1/320、内蔵ストロボ、撮影時刻:21時48分(9/11)

 毛虫嫌いの人が見たら卒倒してしまうかもしれません。雨降りの日はさすがに地面の静止では水没するのを嫌って?全個体が塀の上に避難しているようです。そして蛹も↓の写真の通り、塀の上ですが、この塀の庇(ひさし)の下も好まれるようです。蛹の色は阪神大震災でも倒壊しなかったくすんだ塀の色と同化して見事な保護色になっています。
f0090680_2239183.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=200, F8-1/80、内蔵ストロボ、撮影時刻10時22分(9/16)

 9/16以降の幼虫・蛹の個体数の推移を下記します。

   9/16 幼虫25頭、        蛹2頭
   9/18 幼虫17頭(内前蛹1頭)、蛹2頭
   9/22 幼虫3頭、         蛹8頭

 9/16を起点にした蛹化歩留りは25%です。スミレの株数(10株)はすべての幼虫を育成するには不足しているので、妥当な線でしょうか?食草からあぶれた幼虫は食草を求めて徘徊し、車に轢かれたり、小鳥に食われたり等で数を減じたのでしょう。恐らく蛹は来週前半から来月上旬にかけて一斉に羽化するものと思います。最終的な羽化率(寄生率)がどの位か?調べてみようと思います。

【お知らせ】
 本体HP:韓国の蝶のギャラリーを科別表示方式に変更し、新規に3科13種を追加しました(9/18)。掲載種の75%は日本国内と共通種ですが、「ヒメキイロミスジ(Neptis themis)」等のユーラシア大陸固有種も含みます。お時間のある時にお立ち寄りください。
by fanseab | 2006-09-22 22:43 | | Comments(9)

モンキチョウの求愛飛翔

 今日は台風の接近に伴い、目まぐるしく変化するお天気。当初、出撃を見合わせるか?逡巡するほどでしたが、小雨→曇り→晴れと急速にお天気回復。播磨地方をウロウロ探索しておりました。
 結局、めぼしい絵が撮れず、川べりで出会ったモンキチョウペアが唯一の成果。小生、未だ本種の求愛飛翔シーンをまともに撮っていなかったので、根性入れました。結局このペアは3分以上にわたって、ほぼホバリング状態で飛んでくれたお陰で、飛翔画像歩留まり80%以上の成果でした。その中のベストショットを3枚お見せしましょう。ファインダーを見ながらマニュアルフォーカスで合焦できるのは有難いです。
 データはすべて共通:D70(トリミング),ISO=640、F9-1/1250、-0.7EV、撮影時刻:11時37-38分

f0090680_2248318.jpg

f0090680_22482239.jpg

f0090680_22483477.jpg

 ♂が先導し、♀が続くこのパターン、3分以上の間、お互いの距離を約30cmに正確に保つ飛行を見せてくれました。時々♀が♂を追い越したり、♂が下方に誘導したり、駆け引きをしているのが興味深かったです。

 その他、初秋らしい画像を2つ。チャバネセセリの産卵シーンと葛の花弁に潜むウラギン幼虫です。ウラギンは終齢以外にもう1頭、若齢幼虫がいるのですが、どこにいるかお分かりになりますでしょうか?(少しこちらはピンボケですが)

f0090680_22485218.jpg
D70(トリミング), ISO=500, F11-1/400、撮影時刻:11時42分

f0090680_2249136.jpg
D70, ISO=500, F5.6-1/1250
by fanseab | 2006-09-17 22:52 | | Comments(14)

キタテハの盛衰

 キタテハについてちょっと書いてみたいと思います(添付写真はいずれも9/2-3撮影)。
 キタテハと言えば、どこにでも飛んでいる普通種のイメージですね。ところが、都市近郊では確実に減少傾向にあると感じています。小さい頃、東京都郊外で遊んでいた小生にとって、キタテハはタテハの代表で、良い遊び友達って感じでした。秋型が飛ぶ頃になると、裏面のC文字をしげしげ眺めて、「シータテハとは違うかなあ?」と何度も図鑑と照合し、「やっぱりキタテハかあ~」と落胆する・・・そんな毎日を送ってました。想いが高じて、キタテハ秋型の翅に鋏を入れてギザギザにして「偽シータテハ」を造ってボール紙とセロファンで自作した標本箱にしまったり、今から思えば涙ぐましい努力をしたものです(^^;;

 さて、先日(9/2-3)、多摩川でギンイチを探索した際、夥しい個体数のキタテハに遭遇し、ビックリしました。いつからこんなに増えたのか?それが疑問でした。多摩川畔での定点観測はかれこれ15年ほど続けていますが、7-8年前にはキタテハは殆ど見ることができず、個人的に本地域の絶滅危惧種にカウントしておりました。それが急に増えたのです。理由を考えてみました。

 一番の理由は当然ながら、食草カナムグラの復権だと思います。カナムグラは線路脇とか荒地(ちょっとした広場)に生えるツル性植物で、30年位前は、東京郊外の住宅地近辺にはどこでもはびこっていたものです。それが、いつのまにか、減ってきました。最近の公園は管理が行き届き、カナムグラのようなツル性植物はすぐに刈り取られてしまうように思えます。要は都会から「ちょっとした広場」なんて無駄な物が無くなったんですね。それと、「ちょっとした広場(原っぱ)」の主役がカナムグラやクズからセイタカアワダチソウやブタクサ等の外来植物に遷移してきたことも見逃せません。

 多摩川に話を戻すと、実は7-8年前にマイ観察ポイント付近の植生を変化させる一大イベントがありました。従来、東京都側と神奈川県側に分流していた多摩川の流れを行政が強制的に東京都側に一本化したのです。これは劇的な植生変化をもたらしました。この工事から2年間程度は川の流れ跡が沼として残っていたのですが、やがて完全に乾燥し、それまで周辺に生えていたススキは全滅、代わってそこにはセイタカアワダチソウ、ブタクサ、オオマツヨイグサ、アレチウリ等の大群落が形成されたのです。
 ススキが無くなれば、これに依存するギンイチモンジセセリ、ミヤマチャバネセセリにとって致命的です。もともと個体数が多くなかったミヤマチャバネは個体数の減少がそれほど顕著ではありませんが、ギンイチは確実に減少の一途を辿りました。

 皮肉なことに、多摩川の乾燥化で恩恵を蒙ったのがキタテハだと睨んでいます。川縁の土手とセイタカアワダチソウ等の群落の隙間に生えるカナムグラが数年前に比べ明らかに増えました。
 そして、先日のキタテハ大乱舞に出会ったのです。とにかく、モンシロやイチモンジセセリを押しのけて、咲いている花はすべて吸蜜占有しているのではないか?と思わせるほどの個体数。やっと、小学生の頃、当たり前だった光景に出会ったのでした。しかし、キタテハ増加の裏にはギンイチを大幅に減少させた乾燥化があるのです。行政が「多摩川の氾濫から住民を守る」等の名目で実施した河川工事。本音は河川管理のコストダウン(手抜き)を図りたかったのでしょう。その代償は我々蝶屋にとって、あまりにも大きかったと思います。いや、蝶屋だけではありません。それまで釣り糸を垂れていた神奈川県側住民のささやかな楽しみまで奪ってしまったのです。
 でもキタテハには何も責任はありませんね。数が多いので求愛(拒否)場面や飛翔撮影のチャンスには事欠きませんでした。各々代表的な写真を2枚貼っておきます。多摩川の植生変遷と蝶相変化の件は、いずれ某紙にでも投稿し、記録として残そうと思っています。

f0090680_21115367.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F10-1/200、撮影時刻:17時06分

f0090680_211291.jpg
D70S-10.5-X1.4TC(トリミング), ISO=500, F8-1/500、内蔵ストロボ(調光補正-0.3EV)、撮影時刻:8時20分
by fanseab | 2006-09-15 21:19 | | Comments(8)

ギンイチモンジセセリ第3化探索:(9/2-3)

 待ちに待った第3化を探しに週末の2日間を多摩川の畔で遊びました。
土曜日は所用で外出できず、夕方4時からの異例に遅い出撃です。フィールドに出ると、イチモンジセセリの数が増し、秋の訪れを感じます。空も澄み渡り、流れる雲も高く、ヒンヤリとして2週間前、うだるような暑さに辟易したことが嘘のようです。

 さて、ススキの原に足を踏み入れると、いました、いました、パタパタと独特の飛翔が目に飛び込んできました。待望のギンイチです。数は少ないものの、どちらかと言えば♀が多い感じ。一番別嬪さんにモデルになってもらい、第3化であることを強調すべく、秋雲をバックに縦位置広角でまとめてみました。
f0090680_2336917.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=800, F14-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ(調光補正-0.3EV)、撮影時刻17時32分

 この時間はそろそろ♀の休眠タイムなのでしょう。さて、♂はと言うと、17時を回っても例のごとく、探雌行動に余念がありません。それではと、飛翔狙いで追い回してみました。飛翔写真も秋の空と雲を背景に入れることに拘ってみました。3連発でのご紹介です。
f0090680_23363553.jpg
D70S-10.5-X1.4TC(トリミング), ISO=500, F11-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ(調光補正-0.3EV)、撮影時刻16時54分

f0090680_23365014.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F8-1/500、-0.3EV、内蔵ストロボ(調光補正-0.3EV)、撮影時刻17時17分

f0090680_233786.jpg
D70S-10.5-X1.4TC(トリミング), ISO=500, F8-1/320、-0.3EV、内蔵ストロボ(調光補正-0.3EV)、撮影時刻17時20分

 夕刻故,背景側光量が不足するので、どうしてもギンイチ裏面が露出オーバーになって、露出バランスが難しいものです。日も暮れたので、今日はこれにてお終い。

 さて、翌日は朝6時40分から行動開始。狙いは♂です。ところが、数は少なく苦労します。ようやくまずまず新鮮な個体を見つけ、90mmマクロで。腹端についた朝露がご愛嬌です。
f0090680_23373764.jpg
D70, ISO=500, F7.1-1/320、撮影時刻6時59分

 引き続き、開翅を狙います。結構♂は敏感で、接近戦に持ち込めません。おまけに天気はピーカン状態。ようやく撮れたショットですが、モデルになった♂はちょっとくたびれているのが残念です。♂開翅シーンはヒメヒカゲ表翅同様、本当に表現が難しいです。
f0090680_23375499.jpg
D70, ISO=500, F9-1/800、-0.3EV、撮影時刻7時56分

 その後、昼前まで粘るものの、どこかに雲隠れ状態になったので、撤収です。近くの草地ではキバナコスモスが満開。ヒメアカやキタテハが集う光景はもう完全に秋です。これらのタテハをしつこく追い回していたのがジャコウアゲハの♂。こちらはジャコウを追い回し、コスモスをバックにパチリ。
f0090680_23381448.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F14-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ(調光補正-0.3EV)

 ススキの原の入り口では、ミヤマチャバネがまだ元気な姿で日光浴。でも、もう見納めでしょうね。
f0090680_23383180.jpg
D70, ISO=500, F7.1-1/640、-0.3EV

 今日目撃したセセリはギンイチ、ミヤマチャバネ、チャバネ、イチモンジ、キマダラの5種類。当地に住むセセリがフルキャストで観察できるのも、この時期しかないようです。とにかく、好天に恵まれた週末に感謝です。 
by fanseab | 2006-09-03 23:41 | | Comments(18)

本体HPの更新(8/29)

 ブログを開設してから、本体HPの更新頻度が滞るようになってしまいました(^^;; それでも8月中に何とか1回はせねば・・・と思い、下記を更新しました。お時間がありましたら、覘いて下さい。
シンガポールの蝶
 ギャラリーの画像を科別表示方式に変更し、新規に4科7種を追加しました。個人的なお勧めは、奇怪な風貌の「マルモラタキネアシシジミ」、セセリファンにはたまらない魅力を持った「マネシセセリ」あたりでしょうか? お気に入りを探してみてください。
リンク集
 拙ブログにもコメントをお寄せ頂いているお三方、「虫林」、「BANYAN」、「furu」各氏のホームページを相互リンクさせて頂きました。いずれも魅力タップリのサイトです。リンクさせて頂いた管理人の皆さんにこの場を借りまして御礼申しあげます。
by fanseab | 2006-08-29 22:52 | | Comments(4)

鈴鹿山中での探索(8/26)

 今シーズン3回目の鈴鹿行きです。今回のターゲットは産卵前のキリシマミドリシジミ♀の生態観察。産卵は一般的に9月過ぎとされているので、発生からほぼ1ヶ月経過したこの時期、どんな様子か?探りに行きました。

 前回、見出したポイントに午前7時前着。長竿で叩き出すと、すぐに♀が飛び出してビックリ。しかし、飛び出した後、周回飛行をした後、梢の高い所に飛び去って、とても撮影できる位置ではありません。♂と異なり、独特な裏面模様(茶と白のツートーンカラー)で、アカガシの葉に止まっても、一部が茶色に変色した葉との見分けがつかず、目線を切るとすぐに見失ってしまいます。それでも目の前を飛行した際には、翅表の大きな青色班と裏面模様がフラッシングして見事な眺め。飛翔も♂に負けず劣らず俊敏で、周回飛行中、急に加速度的にスピードを上げる運動能力に脱帽です。このクイックモーションの際に飛翔方向も極端に変化するので、視界から急に消えることも多く、やっかいなシジミです。

 さらに叩き出した♀を追跡すると、葉上に30秒ほど止まった後、また直ぐに飛び立ち、林内に潜ったり、結構活発に動き回っていました。図鑑等で「♀は不活発で・・・」の記述をよくみかけますが、これは、♂の最盛期(7月下旬~8月上旬)に当てはまる事実で、8月以降~産卵時期までの間は意外とウロウロしているのかもしれません。結局、延べ6頭ほどの♀を確認しましたが、撮影はできませんでした。

 ♀を求めて叩き出しをしていると、妙に白い♀が飛び立ち驚きました。追跡してみると、何と♂!まだ生きていたのか?と二度ビックリです。盛期から1ヶ月経過していますから、それなりにスレていますが、翅表の独特なブルーは色褪せていません。
f0090680_22411384.jpg
D70S-VR84@400mm(トリミング), ISO=640, F5.6-1/800

 ↑の写真の個体の下にアカガシの休眠芽とドングリが見えています。アカガシのドングリはずんぐりむっくりの変わった形ですね。例によって複数の♂によるバトルも健在でしたが、さすがにくたびれているのか、敬老者運動会?の趣で、バトルの継続時間もすぐに終わります。探♀行動もしていましたが、この時期、ほとんどの♀は交尾済みでしょうから、徒労に終わるのでしょうか? ♂の本日の延べ観察数は7頭でした。

 ♀が産卵するアカガシの休眠芽の状況もチェックしました。全般にまだ発育段階で、やはり9月頃まで時間がかかるのでしょう。日当たりの比較的良い場所では↓の画像にように結構大きくなっていました。
f0090680_22414493.jpg
D70-SMZ, ISO=1250, F9-1/125、-0.3EV、内蔵ストロボ(調光補正-1.7EV)

 前回の探索で、イチモンジチョウの2令~終齢幼虫を見出した渓谷沿いのタニウツギ?の葉裏をチェックすると、イチモンジチョウの蛹が付いていました。残念ながら寄生個体のようですが、蛹は初撮影です。まるで蝙蝠がぶら下がっているような奇怪な風貌ですね。
f0090680_2242464.jpg
D70S-10.5-X1.4TC(トリミング), ISO=500, F8-1/250、+0.7EV、簡易レフ板使用

 今回の探索ポイントは、♀の個体数も多いようなので、9月に入ってから産卵行動の観察に再度訪れてみるつもりです。
by fanseab | 2006-08-26 22:46 | | Comments(10)

川崎市北部のアカボシゴマダラ(8/20)

 多摩川でセセリを撮影しての帰り道、ふと民家の庭先にあるエノキの小株(高さ1m)を覗くと、ゴマダラチョウの幼虫が。どれどれ・・・と手に取ると、「エッ、これ何か違うぞ。ひょっとして、え~、アカボシ・・・!!」。 頭部突起のトゲトゲ感、背面にある淡黄色突起対の特徴と数、二股に分離しない尾端の形状、紛れも無くアカボシゴマダラの終令幼虫でした。体長は頭部突起先端から尾端までの計測で54mmでした。
f0090680_2324926.jpg
D70S-24, ISO=500, F7.1-1/320

 神奈川県鎌倉市で放蝶されたとされる本種。次第に同県藤沢市、大和市、横浜市南部に勢力を伸ばしていることは周知の通りですが、まさか川崎市の北部まで進出しているとは驚きでした。いずれ、北上して東京都内・都下に進出するのも時間の問題と思っていましたが、実物がちっぽけなエノキに付いているのも見ると、「とうとう来たか!」の感がありました。

 藤沢(鎌倉)産が自力で北上したのか、それとも新たな放蝶の結果かは、わかりませんが、いずれにせよ、憂慮すべき事態に変わりはありません。暫く推移を見守りたいと思います。
by fanseab | 2006-08-23 23:25 | | Comments(14)

多摩川セセリ探索:PartⅡ(8/20)

 前日(8/19)は猛烈な暑さもあって観察時間が制限され、セセリ成虫探索は消化不良の感が残りました。そこで連チャンで多摩川での観察です。本日は朝から曇り勝ちで助かります。7時半頃から探索開始。今日も土手の草地ではジャコウアゲハ♀が産卵に一生懸命です。すると、その草叢にセセリ発見。キマダラセセリ♂です。多少スレていますが、前日、寄生されてミイラ化した幼虫を見ていただけに元気な姿を見てほっとします。
f0090680_21102211.jpg
D70S-24, ISO=500, F9-1/200

 ウロウロすると、キマダラの個体数は多く、どうやら第2化♂発生のピークのようです。朝露に濡れた下草で、交尾ペアも発見。ペアを見るのは久しぶり、デジタルでは初撮影です。
f0090680_2110515.jpg
D70S-24, ISO=500, F9-1/60

 次にススキの原に突入。ススキ群落に面したアレチウリの葉上でもキマダラ♂がさかんにテリを張っています。そのキマダラ♂が突然飛び出した大きめのセセリと一瞬絡み、大型セセリはススキの葉のてっぺんに。高さ2mを越すススキに接近すると、いました、いました、待望のミヤマチャバネセセリ♂です! まだテリ張りには時間が早いのか、動きは緩慢ですが、なにせ静止位置が高過ぎて、撮影できず。そのうち、行方を見失ってしまいました。仕方なく、少しポイントを移動すると、今度は少し開けた場所で再び大型のセセリが飛び立ち、草叢に降り立ちました。慎重に接近して確認すると、ミヤマチャバネの(恐らく)♀です。縁毛もきれいに揃っていて羽化直後と思われる綺麗な個体。バシバシ写しまくりました。まずは、縦位置でパチリ。本種第2化個体の撮影もデジタルでは初です。ホワイトバランスが青味にブレるのを防止する意味でストロボを焚きました。
f0090680_21112544.jpg
D70S-24, ISO=500, F13-1/125、外部ストロボ

 この個体、かなり接近しても逃げず、一旦飛んでもせいぜい1m位で、すぐに草叢に降り立ちます。今度は自然光下、横位置で1枚。
f0090680_21114281.jpg
D70S-24, ISO=500, F13-1/60、+0.3EV

 ゴールデンウイークの頃発生する第1化個体に比較して、後翅裏面の白斑が若干小さめになるのが第2化の特徴。本種のトレードマークである基部側の小斑点も遠慮勝ちに付いていて、より一層エレガントな印象を受けます。

 このところ、相性が悪かった多摩川のセセリ成虫探索。本日はキマダラ、ミヤマチャバネ両成虫を撮影できて、久しぶりに満足する結果となりました。9時頃、急に暗くなって俄か雨が降り出しところで撤収。帰宅後、さっとシャワーを浴びて汗を流し、ビールを軽くあおると夏バテも少し吹っ飛びました(^^)

※実は、セセリ撮影の帰り道、意外なある物を発見してビックリ仰天です。これについては、後日更新いたします。その「意外なある物」とは・・・・??
by fanseab | 2006-08-22 21:14 | | Comments(10)

木曽探索行(8/12-13) PartⅢ:シジミチョウ達

 御岳山麓は、開拓農家が苦労して開墾した畑が広がり、畑の間にはススキ野原や草原が多く残されています。そんな草原で必ず顔を出したのはヒメシジミ。ただ、8月の中旬ではさすがに時期が遅く、登場人物はいずれも、おじいさん・おばあさんの世界でした(^^)

 ところが、PartⅡでご紹介したオオウラギンスジ♀を撮影した林道脇に1頭の凛々しき青年(♂)が登場。このポイントは他の草原に比較して200mほど標高が高いので、新鮮な個体が残っていたのでしょう。実は管理人、この手のシジミ(ヒメ、アサマ、ミヤマ)は未撮影。そこで、心を込めて、この♂を追っかけました。まずは、対角魚眼で生息環境を写しこんだショット。純白の縁毛がブルーを際立たせています。
f0090680_20175237.jpg
D70S-10.5, ISO=500, F11-1/320

 この♂、ヒョウモン類と同様にヒヨドリバナが大好物。ここでは、ほぼ正面から吸蜜シーンを狙いました。全開シーンもさることながら、こんな角度からチラリと覗くブルーも美しい!
f0090680_20181233.jpg
D70, ISO=500, F8-1/800、+0.3EV

 今回のメインターゲット、チャマダラセセリの生息環境は殆ど裸地と呼べるような場所だったり、散髪用語で言えば坊主刈状態の草原になります。涼しさを求めてわざわざ信州の高原にやってきたわけですが、炎天下、牧場や牧草地を端から端まで、下を向きながらトボトボ探索すると、額から汗がポタポタ・・・。「俺は何しにこんなことしとるねん?」と辛気臭くなってしまいます。4箇所目の牧場の真ん中でやっと黒っぽい蝶の影が!地面スレスレを飛んでいる姿を見逃さないように慎重に接近すると、なんと、ベニシジミ(^^; 「頼むからベニシジミらしく、春型で登場してくださいな」トホホです。そんな辛気臭い探索作業の息抜きは牧場両端にある落葉樹林帯。長竿での叩きだしでストレスを発散させます。

 最初にシバグリ?の葉陰から褐色のゼフが飛び出し、下草に止まりました。慎重に接近して90mmマクロでパチリ。どうやらジョウザンミドリシジミの♀のようです(肛角橙色部の一部が欠損している点を判断根拠にしましたが、読者の方、同定間違いあれば指摘して下さい)。
f0090680_20183711.jpg
D70, ISO=500, F8-1/320

 数カット撮影していると、また飛び立って、今度はご開帳です。「オナガシジミさんを撮るんだったら私も撮ってね~♪」と言わんばかり。「ハイハイ、ちゃんと撮りましたよ~」
f0090680_20185264.jpg
D70, ISO=500, F8-1/320

 1週間ほど早ければもっと別嬪さんだったでしょうに。尾状突起や肛角付近に若干傷みが目立ちます。ほぼ同じ箇所からもう1頭のゼフが飛び立ちます。こちらも不活発で、すぐに下草に止まります。前翅の丸みを帯びた翅形、裏面の地色、肛角部の斑紋からミドリシジミの♀のようです(同定合ってますか?ちょっぴり自信ありません)。こちらは羞恥心の強い娘さんのようで、開翅シーンは拝めませんでした。 
f0090680_20192781.jpg
D70, ISO=500, F8-1/320

 さて、5箇所目のチャマ探索ポイントの近くで次のような環境に辿り着きました。
f0090680_20194262.jpg
D70S-10.5, ISO=500, F11-1/320

 画面中央右に深紅の花穂が! 賢明な読者の皆さんは管理人が何を期待したか想像できると思います。その蝶にとって、本当に理想的な環境に思えたのですが・・・。結局、今回遠征で第4あるいは第5のターゲットとした相手との遭遇はできませんでした。トホホ(今回遠征ではこの文言がよく登場します)。

 何かトホホの連続のようですが、別の楽しみもありました。当地は言わずと知れた蕎麦の名産地。いつもはコンビニのお握り弁当をフィールドでそそくさと済ます昼食スタイルですが、今回は探索に疲れた体を休める意味で、ちょっぴり贅沢に蕎麦を堪能しました。下の画像は二枚盛の天ザル(1900円也)。コシのある蕎麦の喉越し、瓜の天プラは絶品でした。それにしても、蝶以上に料理画像を撮るのは難しいものですね(^^; 多灯ライティングの技が必要なようです。
f0090680_2020321.jpg
D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F3.5-1/50、内蔵ストロボ

 幻のチャマダラセセリを狙った今回の遠征。将に幻に終わりましたが、副産物を沢山用意してくれるのが、信州の懐の深さ。来シーズン以降の良き下見となりました。チャマについては、5月に訪れるのも手かなあ等と思いながら、高原を後にしました。  (了)
by fanseab | 2006-08-20 20:24 | | Comments(6)