探蝶逍遥記

カテゴリ:蝶( 869 )

モンキチョウの飼育メモ

 近所で観察できるシロチョウ科普通種で、唯一飼育未経験のモンキチョウにトライしてみました。食草は全てアカツメクサを使用。8月21日に採卵(産卵日不明)。24日に孵化。初齢幼虫の姿です。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D71K-1855改@55mm(2コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/320、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:8月24日

 体長は2.4mm。頭殻は黒褐色。幼虫の食痕もアップしておきましょう。
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TG4@18mm(自動深度合成),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:8月25日

 葉の表面を削るように食べる、「なめ食い」形式の食痕ですね。葉脈の中央に静止しております。26日に2齢に。
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D71K-1855改@55mm(4コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:8月28日

 体長4.2mm。頭殻は淡褐色に変化。体毛密度も増えています。2齢時の食痕も示します。
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D71K-1855改@18mm(2コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:8月28日

 葉が黄色く変色しても、嫌がらずに食べています。29日に眠、翌30日に3齢へ。
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D71K-1855改@45mm(4コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:9月1日

 体長7mm。頭殻は少し緑色を呈し、白い気門線が出現しました。2~3齢を通じ、モンシロチョウ等の若齢幼虫に見られる体毛先端の球形物が無いのが特徴と言えます。撮影した9月1日に眠、翌2日に4齢へ。
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D71K-1855改@35mm(3コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:9月3日

 体長11mm。頭殻の色はほぼ胴体と同じになりました。気門線の白色もより明確になっています。この子は9月4日に無事5齢(終齢)に到達しましたが、どうやらウイルス性疾患と思われる症状で病死。普通種でも、結構デリケートに扱わないと駄目だと悟りました。仕方なく、屋外で4齢幼虫の探索をスタート。9月16日に、何とか2頭を確保しました。共に18日に終齢へ。
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D71K-85VR(上段2コマ/下段4コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月24日

 体長22mm。背面は腹節を際立たせる特徴も無く、全体にのっぺりとした印象。特徴は側面にあって、白色気門線に黄橙色の斑点が載っています。露光の関係で黄橙色斑点が少し淡く写っていますが、実物を見た印象はもう少し濃い感じでしょうか。撮影時は相当敏感で、少し食草を触ると、頭胸部を強く前方に屈曲させたポーズを取ります。
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D71K-85VR(4コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月24日

 そのため、自然なポーズでの側面画像を撮影するのに相当苦労いたしました。↑の画像を撮影した当日、前蛹になりました。
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D71K-85VR(4コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F11-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月24日

 体長18mm。飼育ケースの壁面に蛹化準備したのにはガックリ。翌25日に無事蛹化。
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D71K-85VR(左2コマ/右4コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F11-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月27日

 体長18mm。モンシロチョウやスジグロシロチョウに比較して突起物が少なく、全体にズングリした印象です。終齢幼虫同様、刺激に敏感で、尾端を左右に振って、振った状態のまま静止しております。30日頃翅面が色づき始め、10月1日に♂が羽化しました。しかし、事前に帯蛹の糸が切れた状態で飼育ケースの底に置いていたことが原因で、羽化不全で哀れな姿で発見されました。ですので、羽化直シーンはここでは割愛。最後の最後で飼育の詰めを誤り、ガックリ・・・。後味の悪い飼育メモとなりました。

 ところで、途中で採幼した2頭の4齢幼虫の1頭は寄生されておりました。5齢を待たずに寄生蜂の繭が形成され、9月23日前後に繭から蜂(未同定)が出てきました。
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D71K-85VR(トリミング),ISO=100、F11-1/250、-1.0EV、外部ストロボ、撮影月日:9月27日

 また、屋外で採幼した際、アカツメクサ葉上には、寄生されたと思われる変色した4齢幼虫も観察できました。
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TG4@5.5mm(自動深度合成),ISO=100、F3.2-1/500、-0.7EV、撮影月日:9月21日

 ウジャウジャ飛んでいるモンキチョウですから、これに寄生する蜂もウジャウジャいるのですね。寄生率の高さを思い知らされました。
by fanseab | 2016-12-09 22:26 | | Comments(0)

晩秋のルリタテハ

 秋も深まると寒気の影響か、晴間が簡単には拝めなくなります。天気予報で「晴れ」と出ていても、朝からドン曇り・・・、午後になってやっと陽が差すこともしょっちゅうです。
 さて、拙宅近くの里山公園でブラブラ蝶探索をしていると、頭の付近をビューっとかすめ飛ぶ黒い影が。反射的にカメラを向けると、そこには日向ぼっこしているルリタテハの姿がありました。

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D71K-34VR,ISO=100、F8-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:14時40分(11月中旬)

 午後になって陽射しが強くなって飛び出してきたのでしょう。テリ張り圏内に管理人が侵入してきたので、スクランブル発進した様子。ただ、テリ張りと言うよりは、ノンビリと秋の穏やかな陽射しを楽しんでいるように見えました。
by fanseab | 2016-11-29 21:58 | | Comments(2)

季節外れの降雪の後で(11月下旬)

 昨日24日、東京都心で観測史上初めて、11月の降雪記録となりました。ビックリしましたね。一夜明けて、ようやく快晴の青空が拡がりました。ただ、強い寒気の影響で、空気は凍りついたままです。
 さて、今月中旬から最終盤のアオスジアゲハの幼虫を観察しております。マンション近くのクスノキの根元から生えている実生に当初、8頭程の初齢幼虫が付いているのを発見。餌不足が明らかだったので、2頭を別の株に避難させてあげました。今日、様子を覗いて見ると実生にいるべき(8-2=)6頭のうち、3頭のみ(いずれも3齢)葉上に付いておりました。その内の2頭が身を寄せ合って、静止しております。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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TG4@5.5mm(自動深度合成),ISO=100、F2.3-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:11月25日

 まるで仲の良い兄弟みたいですね(^^) 以下、兄弟の会話・・・。

兄:「昨日は参ったね、寒くて死ぬかと思った。」
弟:「俺もマジそう思ったよ。しかし、兄貴よう、俺達の母ちゃんは
なんでまたこんな寒い時期に俺達を産んだのかなぁ?ああ、6月頃
産まれたかったなぁ~」
兄:「母さんを恨んではいけないよ。母さんも本能で産んでるん
   だからねっ!時期を選べないんだよ!」
弟:「そんな物知り顔で言わないでよ。本当は兄ちゃんも母ちゃんを恨んで
   るんでしょ?」
兄:「・・・・・。それより俺達の餌足りるのかなぁ。お前ちょっと
   新しい葉を探してこいよ。」

 この兄弟の運命や如何に? 暫く継続観察することにします。また、この兄弟から10m程離れたクスノキの株にも小さな実生があり、葉裏に何と2齢幼虫が付いておりました。
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TG4@5.5mm,ISO=100、F2.3-1/640、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:11月25日

 この子も餌の確保には苦労しそうです。どうやら母蝶の産卵時期は今月初め頃と推定されます。10月中旬には元気に飛ぶ♂の姿を見かけた記憶がありますが、結構遅くまで母蝶は活動しているのですね。
by fanseab | 2016-11-25 20:57 | | Comments(6)

ミヤマチャバネセセリ越冬世代幼虫個体数の確認

 本年9月7日の記事(外部リンク)で、今シーズンはミヤマチャバネが不作であることを示唆しました。来シーズンの個体数は、越冬世代終齢幼虫の巣を確認すれば楽なので、10月下旬~11月上旬にかけて実施してみました。確認エリアはいつも定点観測している川崎市側多摩川河川敷の30mX800m。相当虱潰しに調査した結果、何と1頭のみ。虎の子の1頭につき、巣を開いてみた状況がこちら。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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TG4@5.5mm,ISO=100、F2.3-1/40、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時15分(10月下旬)

 これは明らかに寄生個体で、グッタリして動く気配がありません。念のため調査エリアを東側(下流側)に広げた結果、ようやくもう1個体を発見。その巣(黄矢印)です。
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TG4@4.5mm,ISO=200、F2.8-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時39分(10月下旬)

 この子は撮影の数日後、無事巣から離脱し、地上で蛹化した模様。結局、定点観測エリアでは、「越冬世代正常個体がゼロ」と異常事態であることが判明。これでは少なくとも来シーズン春に出現する第1化もあまり期待できない状況です。真面目に定点観測をスタートさせた過去6年間の個体数をまとめてみると以下の通り。
2011年 13頭
2012年 29頭
2013年 21頭
2014年 データなし(記憶が曖昧だが10頭は確認?)
2015年  4頭
2016年  1頭
このデータからだと、2014-15年から急激に個体数が減じたようにも思われます。ただ蝶の個体数推移では、10年レベルでの周期的増減もあり得るので、もう少し継続観察が必要です。気になっているのは、多摩川縁の植物相変化。生息地のスナップがこちら。
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TG4@8.4mm,ISO=100、F3.1-1/100、-0.7EV、撮影時刻:16時22分(10月下旬)

 食草のオギ群落は黄色破線で囲ったエリア。手前側の群落Aと向こう側の群落Cは10年前までは連続した群落でした。しかし、多摩川の河川工事で川崎市側の支流を堰き止め、東京都側に流れを一本化した影響で、川崎市側河川敷の乾燥化が進行しました。この結果、オギ群落の面積が著しく減少し、ギンイチモンジセセリの個体数は明らかに激減しました。ただ、ミヤマチャバネはオギ群落をそれほど必要としていない筈なので、今シーズンの個体数激減の主原因だとは考え難いのです。因みに図内Bは外来植物として有名なアレチハナガサ(Verbena brasiliensis)の群落。観察エリアの多摩川中流域では5年程前から急速に繁殖した印象があります。この植物は根茎が極めて頑丈で、洪水でもビクともしません。オギ群落の分断に一役買っていると思っています。果たして来シーズン、ミヤマチャバネはどうなるのか?目が離せません。
by fanseab | 2016-11-17 22:13 | | Comments(2)

野鳥に食われたアカボシゴマダラの蛹(11月上旬)

 拙宅玄関前にあるエノキには、ここ10年来アカボシゴマダラがよく産卵し、ほぼ一年を通じて全ステージの観察をすることができます。今年も秋口になって終齢幼虫の個体数が増加。10月1日~11月3日までに合計13頭が蛹化しました。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D71K-85VR,ISO=200、F10-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時43分

 この子は、11月3日に蛹化した個体。10月19日までに蛹化した8頭は無事羽化したのですが、10月20日以降に蛹化した5頭は11月7日までに全て野鳥に食われてしまいました。食害に気付いたのは11月5日。朝方確認したはずの2個体が見当たらず、何と、尾端だけが残っておりました。
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D71K-85VR(2コマ深度合成+トリミング), ,ISO=200、F10-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:13時45分

 尾端の尾鉤は相当強固なので食いちぎることができなかった模様。昼前に気になって玄関を開けると、目の前のエノキからシュジュウカラが慌てて飛び去る姿を目撃しました。10m程度離れた地点から管理人をじっと注視しており、暫し睨めっこした後、名残惜しそうに去って行きました。この時点でまだ3頭の個体が残っていたのですが、昼食後、更に2頭が食われたことが判明。慌てて虎の子の1頭(↑でアップした画像の個体)を護る為、蛹近くに威嚇用空のペットボトルをぶら下げて、様子を見ることに。2日間は退避効果があったようですが、11月7日になって、この1頭も食われてしまい、ガックリ(^^;

 これまで夏期間にも、継続観察中の蛹が忽然と消失する事件が発生しており、恐らく野鳥の仕業だろうと推測しておりました。但し、現行犯らしき鳥を目撃したのはこれが初めて。改めて野鳥の持つ、学習能力の高さを思い知らされました。実は最後の1頭のすぐ傍に4齢幼虫もいたのですが、野鳥はこの子には目もくれずに蛹を捕食したのです。やはり質量共に優る蛹を優先して食べたのでしょう。管理人は、玄関先のエノキを観察し、これまでの10年間で凡そ100頭近く、アカボシの蛹を確認してきましたが、寄生で羽化できなかった事例は皆無です。ゴマダラとアカボシの寄生率差に関するデータを持っておりませんが、寄生率の低さも、アカボシの急激な拡散に一役買っているのだと思います。エノキの葉が青々と茂る夏場は隠蔽効果が高いためか、野鳥による食害は低く、葉が落ちて黄ばんで来ると、緑色の蛹は野鳥に狙われやすいのでしょうね。
by fanseab | 2016-11-12 17:20 | | Comments(4)

コチャバネセセリ終齢幼虫の越冬準備

 8月下旬に山梨の高原でスジボソヤマキチョウ等を撮影した帰路、いつも立ち寄るクマザサ群落を訪れてみました。このポイントでは例年、8月下旬~9月にかけて、僅か5m四方の一角にコチャバネセセリの終齢幼虫が10頭以上確認できます。言わば、コチャバネのホットスポット。今回も相当数の巣を発見。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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TG4@5.5mm,ISO=100、F2.3-1/60、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時09分

 別の巣を開封した状況です。
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TG4@5.5mm,ISO=100、F2.3-1/30、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:14時06分

 丸々と太った幼虫が入っています。2頭をお持ちかえりし、拙宅で飼育を実施。拙宅近くにクマザサがないので、代用食としてメダケとオカメザサの2種を準備し、幼虫に与えたところ、メダケは全く見向きもせず、以後オカメザサで飼育を継続。終齢(5齢)幼虫の全景です。
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TG4@18mm(自動深度合成+トリミング),ISO=100、F3.8~4.9-1/100~1/60、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時55分

 全長23.5mm。背線はやや濃い緑色。気門線は白色で頭部はほぼ漆黒。次に頭部正面の拡大像です。
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TG4@18mm(自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時48分

 頭部には模様が全くなく、面白みに欠けます。幼虫は葉を食い尽くすと随時、新しい葉に移動し、葉を折り畳んで巣を造ります。造巣中の終齢幼虫です。
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D71K-1855改@24mm(トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ、撮影時刻9時21分(9月上旬) 

 頭部を左右に振りながら吐糸を繰り返し、気長に造巣していきます。前胸部背面(頭部のすぐ後ろ)に黒色リングがあるのが、本種終齢幼虫の最大の特徴。まるで黒いネックレスを付けているようですね。
 終齢幼虫は個体#2が8月30日、個体#1は9月2日に越冬巣を形成しました。
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D71K-85VR(トリミング),ISO=100、上段F10(下段F8)-1/250、上段-1.0EV(下段-0.3EV)、外部ストロボ、撮影時刻10時15分(9月上旬) 

 巣全長は#1で35mm、#2は39mm。中脈から葉を上手にピッタリ折り畳み、内部より隙間なく吐糸して周囲を閉じ込んでいます。#1の巣を白矢印方向から見込んだ絵がこちら。
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D71K-85VR(6コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F8-1/250、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻10時11分(9月上旬) 

 いつも参考にしている保育社の図鑑(※)には下記のような記載があります。
『巣が完成すると中脈を食い切って巣を地上に落下させる。(中略)地上に落下したあと老熟幼虫は巣から前半身をのり出し、巣を引きずって這いまわる・・・』
 まるで、ウラキンシジミの老熟幼虫が食樹のトネリコの葉を食い切って地表に降下する(所謂ウラキンパラシュート)習性とそっくりです。但し、今回の飼育では2頭共に中脈を食い切ることはなく、そのまま吐糸して巣を封じ切りました。管理人の蝶飼育経験は乏しいものですが、本図鑑記載と異なる挙動を示す事例は数多くあります。図鑑はあくまで「道しるべ」であって、記載された文言全てを盲信してはいけないと自戒しております。
※福田晴夫ほか,1984.原色日本蝶類生態図鑑(Ⅳ).保育社,大阪

 さて、越冬巣内の老熟幼虫は越冬後、翌春摂食することなく蛹化し、羽化する習性があります。日本のセセリチョウでは、コチャバネを除けばミヤマセセリ、ギンイチモンジセセリなど旧北区系の種に見られる特殊な越冬態様。従って飼育での最大のポイントは「人工的に越冬環境をどこまで実現できるか?」に尽きます。実は昨年もコチャバネ幼虫の越冬実験にトライし、見事失敗してしまいました。反省点としては幼虫周辺環境が湿度過多になったこと。そこで、今回は下記の方法をトライしてみることに。
 先ず越冬容器の準備です。
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TG4@4.5mm(トリミング),ISO=200、F2-1/40、-0.7EV、内蔵ストロボ

 百均で①台所の生ゴミ回収トラップ(画面左)と、②プラ製植木鉢(同右)を購入。植木鉢の底には鉢植用底石と川砂を鉢の高さ半分ほど敷き詰めます。
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TG4@4.5mm(トリミング),ISO=100、F2-1/30、-0.7EV、内蔵ストロボ

 ①には電子レンジで消毒したオカメザサの葉を敷詰め、越冬巣(黄矢印)を入れ、更にその上をオカメザサの葉で覆います。①の底面は鉢に入れた(底石+砂)と直接接触しないよう、ある程度の空間を持たせました。次に①を②の上に置き、これをナイロンストッキングでカバーした後、洗濯用ネットで一体化し、拙宅北側軒先に吊るし下げました。
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TG4@4.5mm(トリミング),ISO=200、F2-1/1250、-0.7EV、内蔵ストロボ

 植木鉢の底面は地上高90cmほど。昨年の反省から湿度過多防止目的で、風通しの良さを優先させた配置としました。これだと逆に乾燥過多になる可能性もあるので、時折、如雨露で水差しする計画です。果たして首尾よく越冬が成功するか、春まで上手く越冬できれば、また顛末記事でご紹介します。もちろん、意気揚々と記事が書けることを期待しているのですが・・・。
by fanseab | 2016-10-30 15:02 | | Comments(6)

オオヒカゲ♀の終焉(9月下旬)

 ブログ仲間のCさんよりオオヒカゲ♀産卵適期の情報を頂きました。ポイントの北関東までは拙宅から結構距離があり、躊躇したのですが、思い切って出かけてきました。蝶撮影目的で北関東へ出撃するのは初体験。東北自動車道を使うのも本当に久しぶりです。予想通り渋滞に嵌って現地附近には正午過ぎに到着。オオヒカゲの産卵は夕方なので、暫くは別ポイントをブラブラ・・・。しかし大した成果もなく、オオヒカゲポイントへは13時45分に到着。すぐに数頭のオオヒカゲが登場、先ずはホッとしました。 

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D71K-34VR(トリミング),ISO=400、F9-1/400、-0.3EV、撮影時刻:13時58分 

 羽ばたきは弱々しいですけど、高所を飛んで葉上や樹上に止まり、開翅日光浴をしておりました。吸水をしている個体もいてビックリ。
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D71K-34VR(トリミング),ISO=400、F9-1/400、-0.3EV、撮影時刻:14時04分 

 オオヒカゲの吸水シーンは♂♀問わず初体験です。当初♂と思いきや、後翅翅脈形状からやはり♀でした。産卵活動に必要な養分を吸収しているのでしょうか? 14時40分頃、♀個体がフラフラ上空から降りてきて、茎に掴まり翅を震えさせる動作を開始。
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D71K-34VR,ISO=400、F9-1/250、-0.7EV、撮影時刻:14時41分 

 さては産卵がスタートしたか!と色めき立ちましたが、止まっているのは枯茎。それに腹端も付けておりません。その後、葉上に移動し、今度こそ産卵かと思わせました。
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D71K-34VR,ISO=400、F9-1/250、-0.7EV、撮影時刻:15時11分 

 しかし、ここでも腹端を付けておらず、産卵はしない様子。暫く他の個体を探索した後、さきほどの個体を探すも姿がありません。どこへ隠れたのか、視線を動かした先に有った姿にビックリ。何と水面に翅を全開させて浮いておりました。
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GX7-P8,ISO=200、F14-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:15時37分 

 活動の最終盤で弱っており、誤って水面に落ちたのでしょう。水の表面張力に抗して必死に飛び上がろうとしても、その力が残っておらず、無残な姿を晒していたのだと思われます。撮影中、彼女はついに翅を閉じてしまいました。
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GX7-P8,ISO=200、F14-1/40、外部ストロボ、撮影時刻:15時42分

 完全にこと切れたかと思い、手で母蝶を掬い取ると、微かに未だ力が残っていたので、地上の茎に移して止まらせました。オオヒカゲの食草であるスゲ類が生えているのは基本的に湿地。母蝶は6月の羽化以降、凡そ3ヶ月以上生き延びて9月に産卵をします。最後の産卵を終え力尽きた母蝶は、沼の水面に浮かんで最後を迎える個体も多いのでしょう。丁度、10年前の9月。三重県鈴鹿山中でキリシマミドリシジミ♀の終焉を観察して感動した(外部リンク)ことを思いだしました。渓谷の水面に朽ち果てて浮かぶ、キリシマ♀のブルー班が未だに目に焼き付いております。

 今回は残念ながらオオヒカゲ♀の産卵シーンを撮影できませんでしたが、♀の最後を見届けることができて、満足しております。なお、オオヒカゲの産卵は通常16時前後らしいのですが、今回、現地気温の推移を持参した温度計測ロガーで確認したところ、14時30分で25℃、15時57分で22℃と夕方に向けて低下傾向を示しました。実際、14時過ぎから陽射しが急に弱まり、オオヒカゲの活動もパタッと止まったのです。恐らく産卵には最低25℃程度の気温が必要なのかもしれません。後日、情報提供頂いたCさんは13時30分頃の産卵シーンを撮影されています。恐らく残暑が残る9月中旬頃で、日照(照度)・気温が問題ない条件では16時頃に産卵時間帯のピークを迎え、そうでなければ、午後の比較的早い時間帯に産卵行動を開始するものと思われます。「オオヒカゲの産卵は夕刻16時頃・・・」の固定観念に囚われたことを反省しております。本種産卵シーン撮影は来シーズン以降の課題としましょう。
by fanseab | 2016-10-20 21:50 | | Comments(4)

アオスジアゲハの蛹

 ムラツ蛹殻を発見したマンション周辺にはクスノキ植栽が多数あり、今年5月上旬にはアオスジアゲハの産卵シーン(外部リンク)を撮影することができました。

 さて、この近辺を散歩する時は、クスノキに付いているアオスジ幼虫や蛹の探索もすることにしております。但し、幼虫に比較して蛹の発見は容易ではありません。そんな中、偶然目線より少し上で、運良く蛹を発見できました。蛹がどこに付いているか皆さん、お分かりですか?

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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GX7-P8,ISO=200、F16-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:15時12分(9月下旬)

 アオスジの蛹化は通常、頭部を葉の基部に向けて行われます。この葉は先端が切れている関係上、この体勢では尾端を固着できないことを嫌ったのでしょう、尾端を葉柄側に向けて蛹化しております。ミカドアゲハの蛹化挙動(外部リンク)と同じですね。尾端と葉の基部が一致しているため、擬態効果満点です。画面向かって左側からも完全逆光で撮影。
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GX7-P8,ISO=200、F16-1/100、外部ストロボ、撮影時刻:15時13分(9月下旬)

 蛹の黄色い条線はクスノキ葉脈を実に見事に真似ていますし、蛹表面のザラザラ感も葉裏の質感を忠実に再現しているように思えます。この完璧な擬態故、蛹の発見は相当難易度が高いのです。ただ、今回発見したような未寄生蛹は結構稀で、通常発見できるのは茶褐色に変色した寄生蛹である場合が多いのです。寄生蛹の事例もご紹介しておきましょう。
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TG4@18mm-gy8,ISO=200、F6.3-1/100、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時30分(10月上旬)

 この蛹は幹から非常に近いため、ミラーレス魚眼では撮影不可能。そこで、止む無く(コンデジ+魚露目)で撮影。なお、最初にご紹介した蛹は後日、無事羽化したことを確認でき、ホッといたしました。また、この蛹と同じ株の実生に終齢幼虫2頭がいるのを発見。蛹化挙動を楽しみしておったのですが、残念ながら剪定業者がバッサリ実生を除去したため、望みが叶いませんでした。観察成就の有無は定期的伐採のタイミングに依存しているのも、市街地ならではの厳しさです(^^;
by fanseab | 2016-10-14 21:51 | | Comments(2)

ムラサキツバメの蛹化場所(9月下旬)

 ビロードハマキを観察したマンション敷地にはマテバシイが数株あります。株数が少ないためか、ムラサキツバメは数年おきにしか確認できません。しかし、今年は当たり年なのでしょう、8月頃からマテバシイの樹冠を高速で飛び回る姿がしばしば目撃されました。実生をチェックすると卵や幼虫の姿も確認していたのですが、先日成葉表面に幼虫にしては黒味を帯びた個体を発見。数頭の蟻も群れておりました。直ぐに終齢幼虫ではなく、蛹と判明。本来なら蟻を付随した蛹の画像を写すべきでしたが、失念。後日訪れると既に羽化済でした。これがそのマテバシイの全景。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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TG4@5.5mm,ISO=400、F2.3-1/30、内蔵ストロボ、撮影時刻:16時01分

 矢印#1が蛹殻の位置。地上高約1.5m。実生から伸びた成葉上です。因みに矢印#2は別の実生株上にあった卵の位置。次に蛹殻の拡大像です。
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D71K-85VR(2コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F10-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時25分

 蛹殻の体長は14mm。この絵のようにムラツは蛹化の際、前後の葉上に太く吐糸して葉を湾曲させる習性があります。これまで屋外で管理人が観察できたムラツ蛹殻は全て「マテバシイ株根元にある枯葉裏」にありました。このように「成葉上に蛹化した事例」は管理人にとって初体験。念のため観察したマテバシイの根際にある枯葉を葉捲りしてみると、案の定、ムラサキツバメの羽化済蛹殻を発見。
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D71K-85VR(トリミング),ISO=200、F10-1/320、-1.0EV、撮影時刻:14時31分

 撮影の便宜上、枯葉を裏返しております。マンション構内の植栽に対しては、結構頻繁に剪定や枯葉掃除が実施されます。その影響か、当該株下にも枯葉は非常に少なく、僅かに残された枯葉を求めて複数の老熟幼虫が同一枯葉に集中して蛹化するのでしょう。
by fanseab | 2016-10-09 20:13 | | Comments(6)

オナガシジミの越冬卵(8月下旬)

 スジボソヤマキやキマダラモドキを撮影したポイントでは、いつもゼフ越冬卵探しもしています。特に2013,14年と2年連続で越冬卵を発見したミズナラの株は、よほどゼフが好むのか、何と50cmも離れていない枝先でジョウザン(2013年)とウラミスジ(2014年)の卵を見出しています。言わば、「ご神枝」ですね。で、今回も「大吉の御神籤」を引くべく付近の枝先を引っ張りましたが、残念ながら坊主。今年後半の運勢はあまり期待できないようです(^^;
 でも諦めきれず、今度は駄目元でオニグルミの枝先もチェック。このポイントは7-8年前、オナガシジミが多産していたのですが、ここ2-3年は全く見ることもできず、期待はしておりませんでした。ところが3株目で「大吉」を引きました。定番とも言える、低く伸びた枝先から3卵発見。その内2卵がこちら。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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TG4@18mm,ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時36分
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TG4@18mm(自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時35分

 ゼフ越冬卵の採卵は、飼育目的であれば落葉した冬場の探索が楽。但し撮影目的となれば話は別です。特に超拡大する場合は卵表面の汚染有無が重要なポイント。産卵直後に撮影するのがベストですが、いつもそうはいきません。そこでなるべく産卵後時間経過の少ない時点で採卵したいのです。オナガの場合、母蝶産卵時期は概ね8月上旬頃でしょうから、今回採卵品も産卵後1ヶ月以内とみなされます。拙宅に持ち帰り定番の超拡大撮影。
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GX7-P1442@42mm-P14R(上段4コマ/下段6コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F8~9-1/250、外部ストロボ

 期待通り、ほぼ汚れはありません。直径は0.8mm。高さ0.42mm。撮影した卵は精孔が2つあるように見え、僅かに楕円形をしております。こんな事例もあるのでしょうか?表面は正三角柱が整然と並んだ極めて対称性の高い構造。何度見ても綺麗な眺めです。ゼフ越冬卵の中でも管理人お気に入りのデザインですね。現在、卵は屋外保管しており、12月頃から冷蔵庫保管へ切替、来春3月頃室内に戻して飼育する予定です。
by fanseab | 2016-10-02 20:15 | | Comments(0)