探蝶逍遥記

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ムラサキツバメの産卵(7月下旬)

 東京都下へ某タテハチョウ産卵シーン撮影狙いで出撃。しかし、母蝶の姿は皆無。ホストも全く発見できず、ポイント再探索が必要とわかり、ガッカリ。肩を落として駐車場に向かう途中、ムラツの産卵現場に出会いました。ムラツ産卵シーンは昨年最終化で初撮影に成功しております。ホストは定番のマテバシイ実生。しかし、実生の若葉が少なく成葉裏への産卵が殆ど。葉裏への産卵事例は初めて観察しました。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR,ISO=500、F9-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時10分

 しかし、・・・ご覧のような失敗画像を量産しました(^^; スジグロの産卵同様、葉軸に垂直に向いて産卵するため、カメラアングルを確保するのが非常に難しい!翅面にレンズを平行に向けると確実に葉被りするので、処置なし! 葉裏でも縁に近い場所に産んでくれれば、何とか対応策がありますが、真ん中近いとお手上げです。母蝶は数回産卵すると、樹冠に一旦引き上げて数分間の休憩を取る様子。5分程度待機していると、いつの間にか樹冠から舞い戻り産卵を再スタートさせます。何とか粘って、ようやく実生若葉への産卵シーンをゲット。
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D71K-34VR,ISO=500、F9-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時20分

 産卵の途中、アブラムシと蟻が密集する茎近くの葉上で暫し吸汁。
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D71K-34VR,ISO=500、F9-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時11分

 昨年もみかけた光景です。エネルギーを消耗する産卵行動を持続するため、アブラムシの排泄物を栄養源としているのでしょう。実生に産附された卵をお持ちかえりしてTG4で拡大撮影。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:20時22分

 ムラツ卵の直径は0.70mm。母蝶の図体に比較して極めて小さいサイズです。以前の記事(外部リンク)でご紹介した通り、ムラシ卵と直径・微構造がそっくりで肉眼・低倍ルーペでの種判定が難しい対象です。
by fanseab | 2016-08-19 22:18 | | Comments(2)

コミスジの産卵(7月下旬)

 ヒメウラナミジャノメ交尾ペアを撮影した日、コミスジの産卵シーンにも遭遇。

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D71K-85VR,ISO=400、F9-1/500、-0.7EV、撮影時刻:10時52分

 地上高15cmの低い位置での産卵。つい不精して地面に這いつくばっての撮影を回避したため、母蝶腹端が翅に隠れてB級ショットになってしまいました。クズ葉上への産卵シーンは昨年、撮影済です。記事こちら外部リンク
 産卵状況も撮影。矢印#1が卵、TG4で撮影した超拡大像を右下隅に貼っておきました。
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D71K-85VR,ISO=400、F9-1/500、-0.7EV、撮影時刻:10時52分:【右下囲み】TG4@18mm(9コマ手動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、内蔵ストロボ

 クズ葉上に産む場合、産附場所として、多いのは葉先端付近(破線矢印#2)ですが、今回は葉のほぼ真ん中に産んでいます。それと、昨年の観察では薄暗い場所にある葉を好んで産んでいた記憶がありますが、今回は陽光の燦々と降り注ぐ場所でした。異なる母蝶・季節により、産附場所選択は様々であることがわかります。図中囲みに入れた超拡大像撮影で、タテハの卵ならご覧のようにTG4で問題なく解像できちゃいます。ただ自動深度合成では往々にして深度ステップ不具合の問題が発生するので、ここではブラケットモードで撮影し、別途PC上で深度合成処理をかけています。TG4の性能を最大限に発揮するためには、多少の一工夫が必須ですね。
by fanseab | 2016-08-13 20:37 | | Comments(2)

ヒメウラナミジャノメの交尾(7月下旬)

 多摩川縁でアカハネナガウンカを撮影した同じ日、ヒメウラナミジャノメの交尾ペアを発見(左が♀)。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR,ISO=200、F9-1/160、-1.0EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時12分

 普通種でも交尾ペアに常時出会える訳ではありません。拙ブログで記事にしたのは、いつだったか? ちょっと調べてみたら・・・、4年振りでした。以前のブログ記事はこちら外部リンク

 ヤマトシジミ、モンシロチョウ、イチモンジセセリ・・・いずれもフィールドで偶然交尾ペアに出会うと、なんだかお神籤で大吉を引いた気分になりますね。
by fanseab | 2016-08-11 22:36 | | Comments(0)

ルリシジミの飼育メモ

 イタドリに産卵するルリシジミ(外部リンク)」の画像を撮影した日、採卵を実施し、フルステージ飼育をしましたので、その時の記録をまとめます。餌は野外同様、イタドリの花穂を与えました。6月20日に孵化(卵期5日)。孵化間もない初齢幼虫です。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-1855改@55mm(上段のみ2コマ深度合成、トリミング),ISO=100、F10-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:6月20日

 体長は1.1mm。体毛が長く、まるでヤマアラシのようです。以下初齢含め幼生期画像は全て「頭部を左」に配置して作図しております。孵化2日後、眠に入りました。眠状態の初齢幼虫です。
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D71K-1855改@55mm(上段4コマ/下段3コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:6月22日

 体長1.7mm。少し体色が緑色を呈してきています。体長も小さいし、体色もイタドリの花穂そっくりで、どこに幼虫が居るのか?戸惑う場面もしばしばです。23日に2齢へ。
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D71K-1855改@35mm(上段3コマ/下段2コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:6月24日

 体長は2.3mm。体毛の分布が密になりました。この時期、幼虫の体長・体色が丁度イタドリの花穂と類似し、巧妙な擬態を呈しています。恐らく、野外で初齢・2齢幼虫を探索するのは相当苦労するでしょうね。6月25日に3齢到達。
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D71K-1855改@35mm(上段5コマ/下段3コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:6月27日

 体長は4.9mm。体は淡緑色を帯び、体毛の長さは2齢に比較して相対的に短くなっております。28日に眠、翌29日に4齢(終齢)に到達。
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D71K-1855改@26mm(4コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:7月4日

 体長10mm。2-3齢まで、ほぼ無地で顕著な特徴の無い体色が、体節毎に微妙に色彩が変化する姿に変わりました。また幼虫を真上から見込んだ時、多くのシジミチョウ終齢幼虫がそうであるように、体節に「ハの字」型模様が出現しております。第一腹節にある「ハの字」模様(矢印)は格段に濃色で、よく目立ちます。イタドリの花穂に巻き付いて静止している終齢幼虫の全体像もアップしましょう。
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D71K-1855改@34mm(5コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:6月29日

 図体がデカくなり、体色もやや緑色を帯びてきたので、イタドリの花穂とは識別可能ですが、遠目から眺めると、未だに擬態の巧妙さが際立ちます。クズの花を食う場合は体色がちゃんと紫色に変化しますし、まるでカメレオンのような幼虫です。
 7月6日、無事前蛹になりました。
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D71K-1855改@35mm(5コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:7月6日

 体長7.3mm。他のシジミチョウ終齢幼虫は通常老熟すると、ピンク色を帯びるものですが、ルリシジミは前蛹になっても殆ど体色が変化しません。翌7日に蛹化。
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D71K-1855改@35mm(上段5コマ/下段4コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:7月8日

 体長は6.7mm。褐色を帯びた全体像は他のシジミチョウ蛹と同様の外観です。面白いのは終齢幼虫時代に目立った第1腹節背面の「ハの字」模様が蛹になっても残っている点。蛹化から8日経過した7月9日、翅が黒化、腹節が緩み、羽化間近のサインです。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影月日:7月15日

 湿気の多い環境で蛹を保管したため、蛹はカビまみれ(^^;  ↑の画像撮影直後にどうやら羽化した模様。いつものように羽化瞬間を捉えることができずガッカリです。仕方なく、味気ない背景で成虫を撮影。♀でした。
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D71K-85VR,ISO=100、F13-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影月日:7月15日

 前翅長12mm程度のやや小さい個体。今回のフルステージ飼育とは別にフィールドで3齢幼虫2個体を採幼し、これも飼育、1♂1♀が羽化しました。フルステージ飼育した個体(下図上段)含め、蛹の斑紋比較をしてみました。
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D71K-1855改@35mm(上段5コマ/中・下段6コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F10-1/250、-1.0EV、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影月日:7月8日(中・下段は6月27日)

 前述した背面にある「ハの字」模様(矢印)は安定的に出現する斑紋のようです。また♂と♀で腹端の窄まり方が異なるように見えます。♂の方がより尖っているように思えますが、一般的にシジミチョウ蛹で同様な傾向を示すのか? 管理人は知見不足です。
by fanseab | 2016-08-02 21:11 | | Comments(2)

スジグロシロチョウの産卵(7月中旬)

 カラスアゲハ第2化でも撮ろうと東京都下の里山公園に出向きました。結果は坊主。黒系アゲハはナガサキ♂のみでガッカリ。暑さの中、日陰の遊歩道でスジグロシロの♀が盛んに食草探しをしておりました。そのうち、イヌガラシに産卵。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-34VR(トリミング),ISO=400、F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時29分

 フォーカスポイントを間違えピンボケの酷い画像(^^; 恥ずかしながら証拠画像として貼っておきます。この後も母蝶は必死にホスト探しをしているので、こちらもイヌガラシ探しを手伝い(?)ますが、簡単ではありません。凡そ5X15mの範囲を少なくとも10分以上、母蝶は探し続けておりました。産卵状況です。
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TG4@5.5mm,ISO=100、F2.3-1/250、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時55分

 ↑の産卵シーンで産附された卵を黒矢印で示します(見難いですが)。別の葉に3卵(白矢印)確認できます。ホストの数が限定されるので、特定の株に集中産卵するのでしょう。

 卵はお持ち帰りし、超拡大撮影を実施。
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GX7-P1442@42mm-P14R(上段4コマ/下段5コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F13-1/250、内蔵ストロボ+スレーブ2灯

 スジグロ卵の正面像(卵を真上から覗くアングルで撮影)は初撮影。縦隆起は16本で、先端は鋭角に尖っています。卵の高さは1.2mm、最大直径は0.48mm。TG4でも撮影したので、マイクロフォーサーズ拡大システムで撮影した絵と比較もしてみました。
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左画像のみTG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ

 スジグロ卵の大きさだと、TG4でも専用拡大システム撮影画像と遜色ない絵が得られます。ついでに、別途TG4で撮影したモンシロチョウ卵拡大像と比較をしてみました。
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右画像のみTG4@18mm(5コマ手動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ(撮影は7月下旬)

 2種卵の形状特徴・微構造差がきちんと把握できます。因みにモンシロ卵の高さは0.96mm、最大直径は0.42mmで、スジグロより一回り小さいサイズ。モンシロ卵の撮影では自動深度合成(テントウムシ印に設定したカメラおまかせモード)に失敗するケースが多く、ここではブラケットモード(FocusBKTモード)で10コマ撮影し、任意の5コマでマニュアル深度合成しております。自動深度合成ではフォーカスステップ巾、撮影コマ数を任意選択できないのが、悩みの種で、次回TG4ファームウエア更新では、考慮して頂きたい点です。
by fanseab | 2016-07-26 21:36 | | Comments(2)

雑踏の片隅で命を育むアオスジアゲハ(7月中旬)

 先日、買い物先の川崎市内で、クスノキ葉裏に付いたアオスジアゲハの蛹を偶然発見しました。「偶然」と書いたのは嘘でして、実は5年前位からビルを背景にしたアオスジ蛹の絵を撮りたくて機会を伺っていたのです。残念ながら発見した日はカメラの持ち合わせが無く、後日再訪することに。ところが翌日は土砂降りで断念。2日後に勇躍現場を訪れてガックリ。既に中身は無く、無事大空に飛び立った後でした。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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GX7-P8,ISO=200、F22-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時18分

 発見時に黒化は確認できなかったので、数日間は羽化しないと見込んでいたのですけど、読みが甘かった(^^; 蛹殻が付いている場所は高さ3mほどあり、一脚にミラーレス一眼を付けてのリモート撮影です。撮影時には気が付かなかったのですが、注目していた中央左の蛹殻の右上に、もう1頭の蛹殻が付いておりました。反対側からも撮影。
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GX7-P8,ISO=200、F22-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時21分

 ムチャクチャ人通りの多い場所でして、一脚を伸ばしながら撮影している管理人に訝しげの視線を向けながら、皆さん通り過ぎていきます。こうした厳しい視線にもめげず、泰然自若な姿勢で臨まねば、街角での画像採集はできません。↑の絵から少し引き気味の絵を撮ってみました。
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GX7-P8,ISO=200、F16-1/100、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時22分

 何と、3頭目の蛹殻(矢印#1)と2齢と思しき幼虫(同#2)も写っておりました。この実生はアオスジの蛹化にとってよほど好都合な場所だったのでしょう。
 中身の無い蛹殻だけでは悔しいので、同じようなクスノキ10株ほどをチェックしてみたのですが、結果は坊主。この手の蛹は真面目に探索しようとすると意外と発見できないものですね。仕方なく、腰の高さにあった実生に付いていた初齢幼虫を撮影。
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GX7-P8,ISO=320、F14-1/60、-0.7EV、撮影時刻:11時40分

 排気ガスまみれの環境ですが、アオスジは問題なく、生活できます。ついでに昨年秋に同一ポイントで撮影した終齢幼虫の姿もアップしておきましょう。
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D71K-10.5,ISO=100、F13-1/320、-0.7EV、撮影時刻:11時05分(2015年10月下旬)

 地面から約30cmに生えている実生に付いておりました。自らの台座とした葉以外は殆ど全て爆食した状態です。この時期は越冬世代の幼虫ですから、これから蛹化までに必要な葉は株の上部に戻って摂らねばならないでしょう。撮影の数日後、現場を訪問したところ、実生毎全て無くなっておりました。定期的な剪定で除去された様子。
 市街地に植えられた街路樹で、概ね高さ2m以内に出てくる実生は「美観上の観点から」悉く剪定で除去される傾向にあります。4枚目でご紹介した初齢幼虫も、何齢まで生き延びることができるのか?全て剪定のタイミングとの勝負になります。どんなに排気ガスまみれの環境でも、どれだけ雑踏や赤提灯の中であっても、クスノキさえあれば、アオスジは逞しく生きていくことができます。ただ彼ら、特に幼生期にとって、一番の大敵は剪定行為と言えましょう。
by fanseab | 2016-07-19 20:55 | | Comments(4)

ヤマトシジミ卵の拡大像(7月上旬)

 前々回、ツバメシジミ卵の拡大像をご紹介したついでに、ヤマトシジミ卵も撮影してみました。目的はTG4での解像力限界チェック。ヤマト卵は直径が0.5mmを僅かに切るレベルです(正確には0.496mm)。ルリシジミ・ツバメシジミよりも更に小さいサイズでどの程度、卵表面の微構造を描写できるのかが確認ポイント。例によって、(マイクロフォーサーズ+専用拡大システム)での作例と比較してみました。

+++画像はクリックで拡大されます+++
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上段:TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、下段:GX7-P1442@42mm-P14R(3コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F13-1/250、内蔵ストロボ+スレーブ2灯

 やはり解像度は明らかに違います。特に精孔部付近の細かい構造がTG4では潰れています。それと、ヤマトシジミ並に小さい卵だと、現行マイクロフォーサーズシステムでも未だ拡大率が低く、もう一段拡大したくなります。↑の画像は共に手持ちで頑張って撮影しておりますが、そろそろ手持ち撮影での限界レベルでもあります。拡大率を上げるには、やはりボディをガッチリ固定し、卵の方もマイクロメーター微動ステージ上に保持する等、より細かい工夫が必要となるでしょう。現在はちょっとそこまで実施する体力がありませんが、いつか、チャレンジしてみたいものです。
by fanseab | 2016-07-13 21:24 | | Comments(0)

ベニシジミ♂の暗化型(6月中旬)

 多摩川縁で極普通に見かけるベニシジミの話題です。夏型は全般に紅色(橙赤色)部が縮退することが知られております。今回出会った個体は、一目見た時から「こいつは黒いな~!」と思いました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR,ISO=100、F8-1/320、-0.7EV、撮影時刻:10時55分

 前翅の紅色部は僅かに残るだけのレベル。「フィールドガイド日本のチョウ」、p.136中段真ん中に図示されている個体よりも更に一段黒化が進んでいます。管理人がこれまで出会った「黒いベニシジミ」の中でも最上級にランクされる個体でしょう。真正面からも撮ってみました。
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D71K-85VR,ISO=200、F5-1/800、-1.0EV、撮影時刻:10時59分

 このアングルの方がより「黒さ」が強調され、後翅の紅色帯が引き立つ感じです。とてもシックな印象ですね。念のため平均的レベルの夏型個体も撮っておきました。
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D71K-85VR,ISO=320、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時49分

 最初の個体を見た後では、やけに赤く感じられます。ところで、この手の黒化個体としては、ブログ仲間のダンダラさん(外部リンクが以前、撮影された事例が凄いと思います。この記事の最後の絵をご覧下さい。紅色部の縮退程度はそれほどではないのですが、黒色班がほぼ消失し、紋流れ状態との相乗効果で、独特な雰囲気を醸し出しております。こんな個体にも一度出会ってみたいものですね。
by fanseab | 2016-07-08 22:23 | | Comments(4)

ツバメシジミの産卵(6月上旬)

 ルリシジミと同じ時期に多摩川縁で撮影した画像紹介です。路傍のアカツメクサにはキマダラセセリの他、ツバメシジミの個体数も大変多く、吸蜜の合間に行われる♀産卵シーンも比較的容易に撮影できました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR,ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時45分

 アカツメクサの未だ色づいていない花穂の頂部に産卵しております。次に産卵状況。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ

 かなり入り組んだ場所に産まれています。毛先のフンワリとしたベッドに包み込まれた幸せな卵かも・・・。でも、これでは卵の微構造は見難いので、別途分かりやすい場所に産附されている卵を撮影。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ

 直径は0.54mmで、ここまで小さいとTG4での微構造表現もちょっと苦しい感じ。そこで、以前APS-C一眼拡大専用システムで撮った絵と比較してみました。
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下段:D7K-85VR-24R(2コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F29-1/320、-1.0EV、外部ストロボ、撮影:2012年10月

 ルリシジミではあまり感じませんでしたが、明らかな有意差が認められます。0.5mmクラスの卵拡大撮影にはTG4はちょっと、役不足なのかもしれません。
by fanseab | 2016-07-06 21:07 | | Comments(0)

イタドリに産卵するルリシジミ(6月初・中旬)

 多摩川縁のマイポイントで、ヒメジャノメ♀を追跡していた際、林縁でルリシジミ♀が緩やかに舞っておりました。どうやら産卵モード。産み付けた植物は、タデ科のイタドリ(Polygonum cuspidatum)。その淡いベージュ色の花穂に多数の卵を産んでおりました。

+++横位置画像はクリックで拡大されます+++
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時10分(6月初旬)
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時43分(6月中旬)
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D71K-85VR(トリミング),ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:14時45分(6月中旬)

 1枚目に黄矢印で示した卵はどうやら、別の鱗翅類のものと推定されます。イタドリは既に1963年、ルリシジミの「新食草」として認定されています。文献(外部リンクを参照願います。

 上記文献によれば、「飼育時にイタドリの新芽と花穂を同時に幼虫に与えたところ、新芽は食わず、花穂のみ食した・・・」とあります。イタドリの葉・茎にはシュウ酸が多量に含有されており、昆虫の摂食には適さないのです。同属のヤナギタデ(P. hydropiper)には辛味成分のタデオナールが入っていたり、タデ科植物の多くは昆虫忌避成分を含有して、食害を防いでいるのです。『タデ食う虫も好き好き・・・』の諺にも謂れがあるのですが、ルリシジミ幼虫は有害成分含有の葉や茎をきちんと避け、花穂のみ食べる智慧者のようです。同幼虫はクララの花穂も食べる事例が知られていて、オオルリシジミ生息地ではホストの競合関係にあります。彼らは猛毒(キノリチジンアルカロイド)を含有するクララであっても、花穂の毒性は低いことを知っているのでしょうね。

 イタドリは河原の至る所に生えていますが、ルリシジミはやや暗い環境に生えている株を好むようです。産卵状況です。
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TG4@13.5mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.2-1/80、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影:6月初旬

 少し見難いですが、矢印部に合計4卵確認できます。完全に花弁が開くと幼虫は摂食しないので、母蝶はまだ淡緑色の蕾を付けた花穂を念入りに選択し、産卵するようです。例によって、卵の超拡大像撮影にチャレンジ。最初はTG4にて。
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TG4@18mm(9コマ自動深度合成+トリミング),ISO=100、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影:6月初旬

 ルリシジミ卵は1mmを切るサイズですが、TG4は素晴らしい絵を叩き出してくれました。比較の意味で、マイクロフォーサーズによる超拡大システムでも撮影。なお、撮影した卵は↑とは別の個体です。
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GX7-P1442@42mm-P14R(上段4コマ/下段6コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F13-1/250、内蔵ストロボ+スレーブ2灯、撮影:6月中旬
 
 やはり専用システムでは、拡大率が高いこともあって、解像度には裕度があるようです。そこで以前、使用していたAPS-C一眼を用いた専用拡大システムも含めて、3方法の画質比較を行ってみました。
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上段のみD71K-85VR-24R(3コマ深度合成+トリミング),ISO=100、F29-1/320、-1.7EV、外部ストロボ、撮影:2013年7月

 卵直径が同一サイズになるよう、各画像の拡大率を変えております。使用機材のセンサーサイズも記載しておきました。各オリジナル画像の拡大率は(1)>(2)>(3)の順に低くなるので、TG4は流石に解像度の点では少し苦しいことは否めません。しかし、コンデジ一丁で、ここまで解像できるのは素晴らしいと思います。20-30年前までは、一眼レフに重たい拡大ベローズを装着し、三脚でガッチリ固定しながら、ケーブルレリーズで息を潜めてシャッターを押していた光景が思い出されます。今はフィールドでポケットからサッとTG4を出して、気楽に卵拡大撮影ができるようになりました。将に隔世の感がありますね。
by fanseab | 2016-06-28 20:57 | | Comments(0)