探蝶逍遥記

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台湾台東縣遠征記(15)シジミチョウ科その2

 シジミチョウ科の8種目は、ホリイコシジミ(Zizuna hylax)♂。

 +++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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GX7-Z60(トリミング)、ISO=200、F5.6-1/250、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月12日、12時10分

 この子に会うのは本当に久しぶりで、北タイで撮影(外部リンクして以来、何と10年振り(^^;
午前中に降雨が激しくなり、知本温泉街近くのコンビニで雨宿りがてらランチ休憩を取っておりました。昼過ぎに少し小降りになった際、駐車場脇の植栽にやって来たシーンです。前方に垂れ下がったアンテナが本種のシンボル。このアンテナのお蔭で可愛らしさが際立つシジミなのだと思います。
 次はタイワンクロツバメシジミ(Tongeia hainani)♂。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F8-1/500、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月14日、8時41分
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F10-1/500、-1.0EV、撮影年月日・時刻:2015年5月13日、9時36分

 右手に今にも落石しそうな崖地を見上げながら、林道の左手傾斜地にある草地に見覚えのある裏面模様を持つシジミがおりました。タイワンクロツは初撮影ですが、Tongeia属であることは直ぐに分かりました。最近、愛知県で発生した話題になったムシャクロツバメシジミ(T.filicaudis mushanus)とは前翅中室基部に黒小斑が無いことで区別できます。因みにムシャは管理人未撮影。

 写真でお分かりの通り、もう少し新鮮な個体で撮影したいものです。なお、後翅裏面外中央斑紋列に橙色紋が混じっております。低温期型では、該斑紋列が全て橙色になることが知られており、5月中旬だと、まだ高温期型および低温期型の中間的な個体が出るのでしょう。撮影ポイントの風景もアップしておきましょう。
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TG2@4.5mm、ISO=100、F8-1/25、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2015年5月14日、8時38分

 日本だと、林道脇の崖地は落石対策で直ぐにコンクリ吹付処理がされてしまいますが、台湾では、そこまで手が回ら無いのでしょう。崖地が自然状態で残されていて、クロツ発生ポイントが点々とあるように思います。念のため、ベンケイソウ類が生えているか、確認したところ、多肉植物(種未同定)が見つかりました。
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TG2@4.5mm、ISO=200、F8-1/30、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2015年5月14日、8時43分

 残念ながら、卵・幼虫等は発見できず。崖上方に目的のホストが生えているのかもしれません。
 10種目は、タイワンクロボシシジミ(Megisba malaya shikkima)。先ずは♂の吸水シーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F9-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月12日、10時45分

 濡れた林道から吸水しております。縁毛もバッチリ揃った完品個体でした。次は初めて撮影できた♀吸蜜シーン。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/500、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月13日、14時32分

 吸蜜している木本の同定はできておりません。♀と言えば、初めて産卵シーンにも出会うことができました。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月12日、9時05分

 知本森林遊楽區には薬草類を集めた植物園があって、その一角に植えられているトウダイグサ科・ツルアカメガシワ(台湾名:杠香藤、Mallotus repandus)で♀産卵をジックリ観察することができました。一心不乱に産卵していたので、広角撮影にもチャレンジ。
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GX7-Z12(トリミング)、ISO=200、F13-1/250、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月12日、8時13分

 この絵のように葉の縁に掴まって、葉裏へ産卵するケースが多いように思います。次に産卵状況です。
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TG2@18mm-gy8、ISO=200、F4.9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月12日、9時23分

 撮影のため、葉裏を立てています。この葉には矢印で示した4卵が産附されておりました。卵の超拡大像撮影にもチャレンジ。
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GX7-P1442@42mm-P14R(上段2コマ/下段3コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F13-1/250、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月12日、8時51分

 直径0.53mm、高さ0.21mm。ヒメシジミ亜科の卵に共通する網目構造を有しております。網目交点から伸びる突起が比較的長いことが特徴と言えましょう。
<次回へ続く>
by fanseab | 2017-01-09 15:24 | | Comments(4)

台湾台東縣遠征記(14)シジミチョウ科その1

 シジミチョウ科のトップバッターはシロモンクロシジミ(Spalgis epius dilama)。これまで知本温泉付近で♀を撮影済ですが、今回初めて♂に出会うことができました。

 +++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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GX7-Z60、ISO=200、F4.5-1/50、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月13日、12時44分

 そろそろランチタイムにしよう・・・と公園のベンチに腰かけて一息付いている足元を見ると、地味なシジミが吸水しております。あやうく踏みつけるところでした。逃げる気配がないので、バリアングルモニターを使って地表面スレスレの構図を狙ってみました。新鮮なので、独特な質感を持つ本種翅面の特徴が出せたと思います。
 次は初撮影の台湾固有種、タイワンウラギンシジミ(Curetis brunnea)。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月13日、10時40分

 かなり遠目から狙ったショットなので、最初はタイワンウラギンかウラギンかの区別がつきませんでした。それにしても樹液から吸汁とは!! 国内外でCuretis属が樹液吸汁する姿を見たのはこれが初めて。ネットで調べてみると、何とブログ仲間のchochoensisさん(外部リンクが2009年4月にウラギン♀の吸汁シーンを撮影されていました。いずれにせよ、相当珍しい事例であることには違いないでしょう。

 さて、台湾にはウラギン(C.acuta formosana)とタイワンウラギンの2種が生息しています。翅表から区別するのが簡単ですが、裏面からでも何とか識別できそうですので、識別点を画像にまとめてみました(ウラギンは宜蘭縣で以前撮影した♂画像を使用、タイワンウラギンも翅形全体の特徴から♂と推定)。
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<裏面画像:ウラギンとタイワンウラギンシジミの識別点>
(1)後翅の翅形
 外縁部翅形はウラギンが第4脈(#1)および肛角部(#2)で突出し、全体として多角形状を呈す。反対にタイワンウラギンは丸みを帯びる。ウラギンでは#3で示した部分が直線状であることから、翅脈に相当する部分が僅かに突出し、波を打つ傾向が比較的顕著に出る。
(2)前翅の黒破線模様の平行度
 2種共に中央および亜外縁付近に細い黒色破線状紋が出現する。中央寄りの破線と亜外縁の破線を比較した時、ウラギンでは両者が前翅頂方向で交わる傾向が強く、タイワンウラギンでは比較的平行の傾向を示す。但し、この形質は個体差があるようで、鮮度が落ちると識別に使用できない。

 タイワンウラギン画像は、もう少し接近戦でまともな絵が撮れてから両種比較画像を作り直す予定です。
 3種目はイラウラフチベニシジミ(Heliophorus ila matsumurae)♀。
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D71K-34VR、ISO=400、F10-1/400、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2015年5月14日、9時10分
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D71K-34VR、ISO=400、F9-1/500、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2015年5月14日、9時11分

 これまで本種撮影はボロの♂のみ。今回やっと完品、かつ♀の撮影ができました。特別珍しい種類ではないのですが、意外と会えておりません。暗い林床に朝一番の陽光が差し込み、開翅日光浴している場面に出会えたのは幸い。でもすぐに翅を閉じてしまいました。
 お次はエグリシジミ(Mahathala ameria hainani)。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F6.3-1/640、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月14日、11時00分

 2011年に知本の林道で撮影済ですが、今回出会ったこの子はボロボロ(^^; 前回と併せ、このポイントでは個体数が少な目と推察されます。
 5種目はホリシャウラナミシジミ(Nacaduba beroe asakusa)♂。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=800、F11-1/640、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月11日、16時33分

 雨上がりの林道上に落ちていた鳥の糞から熱心に吸汁する姿がありました。日本の南西諸島にも棲むアマミウラナミシジミ(N.kurava)が台湾全土に分布するのに対し、本種は台東県以南に限定されます。このため、台湾名は「南方波紋小灰蝶」と「南部」が強調されております。次は東南アジアの広域分布種でもあるヒメウラナミシジミ(Prosotas nora formosana)♂。
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GX7-Z60、ISO=400、F11-1/250、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月12日、9時06分

 知本森林遊楽區のビジターセンター前で撮影中、朝一番の吸水活動をしている個体です。本種は昼過ぎから撮影の疲労が溜まって来ると、ハエみたいに感じられてレンズを向けません。朝一番、かつ綺麗な個体なので、丁寧に撮りました。真っ黒な眼の上下にある白い隈取が可愛いですね。また、別のポイントで開翅している♂個体に出会いました。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F11-1/800、-1.0EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月14日、8時39分

 この子の開翅シーンは初撮影。鈍く紫色に光る表翅ですが、ちょっと草臥れた個体。しかし、気になったのは無尾であること。ひょっとして同属・無尾のオナシウラナミシジミ(P.dubiosa asbolodes)かな?と疑いましたが、裏面模様は完璧、ヒメウラナミそのものでした。
可能性としては、下記の二つ。
①無尾型のヒメウラナミ
 台湾産は基本有尾ですが、稀に無尾型が混じっていても不思議ではありません。
②単に尾状突起が擦り切れた
 いずれにせよ、ヒメウラナミは普段、まともにレンズを向けないだけに無尾型の存在確率については、興味ある調査対象です。

 7種目はカクモンシジミ(Leptotes plinius)。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月15日、7時53分

 遠征最終日、台東飛行場近くの民宿付近を散歩しながらの撮影。マメ科の食草、恐らくタイワンヤマハギ(毛胡枝子:Lespedeza formosana)の周辺を活発に飛び回っておりました。ご覧のように頭が隠れたB級ショット(^^; 撮影後、この絵を良く見ると、花穂の付根に卵らしき物体(矢印)が写っておりました。もう少し真面目に観察すれば幼生期画像もゲットできたかもしれません。
 <次回へ続く>
by fanseab | 2017-01-04 22:15 | | Comments(0)

謹賀新年

 皆様新年明けましておめでとうございます。関東地方は昨年に引き続き、穏やかな元旦を迎えたようです。本年も拙ブログのご愛顧の程、よろしく申し上げます。コメントも沢山頂けると幸いです。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D7K-34、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2011年11月21日、11時04分、撮影地:台湾台東縣知本森林遊楽區

 さて、これまで新春恒例で開陳していた「撮らぬ蝶の翅算用」ですけど、今年は敢えて実施しません。昨年体調不良で懲りた体験から、翅算用などをせず、ノンビリと構えて蝶を探索することにします。ただ、おおまかな目標として、ここ数年来同様、「♀産卵シーン撮影」に注力して行きたいと思います。

 アップした画像は2011年の台湾遠征で撮影したツマベニチョウ(Hebomoia glaucippe formosana)♀の訪花シーン。ツマベニのように今年は力強く羽ばたきたいと思っております。
改めまして、本年もよろしくお願いします<(_ _)>
by fanseab | 2017-01-01 00:14 | | Comments(26)

年の瀬のご挨拶(2016年レビュー)

 2016年も残り僅かに2日。本年最後の記事更新は恒例の今シーズン総括。本年も年初に「撮らぬ蝶の翅算用」を宣言し、「産卵シーンに拘る」撮影を目論みました。しかし、1月末に予期せぬ体調不良を起こし、結局一年を通して消化不良の年に終わりました。結局、産卵行動初撮影は2種のみ。ブログに記載しなかった種含め、以下撮影に成功した全22種の種名のみ列挙します。新規撮影成功種のみ黄色字で表示しており、クリックすると関連記事に飛びます。お暇な方はご確認下さい。

<アゲハチョウ科>下記2種
(1)ウスバシロチョウ
(2)アオスジアゲハ
<シロチョウ科>下記4種
(1)キタキチョウ
(2)モンキチョウ(黄色型・白色型)
(3)モンシロチョウ
(4)スジグロシロチョウ
<シジミチョウ科>下記6種
(1)ムラサキツバメ
(2)ベニシジミ
(3)ウラナミシジミ
(4)ヤマトシジミ
(5)ルリシジミ
(6)ツバメシジミ
<タテハチョウ科>以下9種
(1)テングチョウ
(2)ツマグロヒョウモン
(3)コミスジ
(4)アカタテハ
(5)ヒメアカタテハ
(6)アカボシゴマダラ(外来種)
(7)ジャノメチョウ
(8)ヒカゲチョウ
(9)ヒメジャノメ
<セセリチョウ科>以下1種
(1)ダイミョウセセリ

 
 来シーズンは、先ずは健康第一に、無理せずに今季狙えなかった種を中心にトライしていきたいと思います。画像が全くないのも寂しいので、結構苦労したアオスジアゲハの産卵シーンを再掲載しておきます。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F9-1/800、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2016年5月2日、14時07分

 本年も拙ブログにお付き合い頂き、多くのコメントを頂戴いたしました。本当に有難うございます。それでは皆様、風邪など召しませんように、よいお年をお迎えください♪♪
by fanseab | 2016-12-29 22:17 | | Comments(6)

日本チョウ類保全協会関西地区写真展開催のお知らせ(速報版)

第1回 関西地区写真展『チョウが消えてゆく~絶滅の危機にあるチョウを守る~』

日本チョウ類保全協会の写真展を、関西地区では初めて、伊丹市昆虫館との共催により下記の要領で開催します。

 チョウの生態写真(約60点※)やチョウの保全に関するパネルを展示するとともに、期間中,展示室内の大型テレビで「関西の美しいチョウ」及び「ウスバシロチョウが消えた」などのテーマでデジタルスライドショーを行います。(※展示する生態写真は、当協会が2016年12月に東京・新宿御苑で開催した企画展で展示したものと同じものになります。)

 地元のチョウの魅力を知っていただくとともに、チョウが減少している状況、自然環境の現状や保全の課題について知るきっかけとなりましたら幸いです。お近くの方は、ご家族やご友人をお誘いの上、是非お越し下さい。(ミニ講演会も予定しており、詳細が決まり次第お知らせします。)

 名 称:プチ展示「チョウが消えてゆく~絶滅の危機にあるチョウを守る~」
 日 時:2017 年1月2日(月)~2月27日(月)9:00 ~ 16:30(入館受付は16:00まで,最終日は15:00 まで)
 場 所:伊丹市昆虫館 2階第2展示室
       伊丹市昆陽池3-1昆陽池公園内  電話 072-785-3582
       伊丹市昆虫館ホームページ: http://www.itakon.com/
 料 金:無料(ただし,昆虫館への入場料が必要です)
 休館日:火曜(祝日にあたるときは翌日,1月3日は開館)その他臨時休館日あり
by fanseab | 2016-12-25 21:17 | | Comments(0)

ムラサキツバメの越冬集団観察:その1

 毎年この時期恒例の集団探しです。今年は少し早めに11月中旬にスタート。昨年大集団を見出した川崎市内のアオキポイントを先ず見て回ります。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D71K-34VR(2コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F10-1/320、外部ストロボ、撮影時刻:14時13分(11月中旬)

 集団を形成する葉が少し東側に移動し、個体数も8頭と凄く少な目。対角魚眼でも撮影。
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GX7-P8,ISO=400、F10-1/30、外部ストロボ、撮影時刻:14時33分(11月中旬)

 気温は13℃程度ですが、かなり活発になっていて、広角撮影の途中、パーッと散ってジ・エンド(^^;  気温が高いとこの手の集団観察は難しいです。
 少し間を置いて、12月初旬に再訪。個体数増加を期待したのですが・・・。
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D71K-34VR,ISO=400、F10-1/320、-0.7EV、撮影時刻:9時21分(12月上旬)

 5頭に減っておりました。それと天気が良くて既に臨戦態勢。1頭また1頭と塒から出て、開翅日光浴を繰り広げ、30分程してほぼ全個体が塒から出て樹冠に向かっていきました。途中、仕方なく開翅撮影。♂と♀です。
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D71K-34VR(トリミング),ISO=400、F5.6-1/640、-1.0EV、撮影時刻:9時27分(12月上旬)
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D71K-34VR(トリミング),ISO=320、F8-1/500、撮影時刻:9時40分(12月上旬)

 いずれも新鮮な個体で絵になりました。
 さて、3回目は12月下旬、ブログ仲間のSippo5655さん(外部リンクをお誘いしての訪問。しかし、アオキポイントを見てビックリ! 塒は「蛻の殻」。鳥の食害でしょうか? 期待していたSippoさんもガックリ。これでは案内役の面目が立ちません。そこで以前、知人より得た情報を元に、比較的近い柑橘類(正確な樹種は不明)ポイントを探索。ここでやっと、15頭+1頭の集団を見つけ、ホッと一息。
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GX7-P8(トリミング),ISO=400、F11-1/30、内蔵ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:9時58分(12月下旬)

 15頭集団の手前に入りきれなかった?♀1頭が独り寂しく葉で寝ておりましたが、少し陽が差した時、開翅してくれました。右上隅には同じ株で冬眠中のウラギンシジミを何とか同一視野に捉えることができました。なお、ウラギンシジミはこの子を含め、全体で6頭おりました。この株は越冬に大変適した環境のようです。その後、また陽が翳り、手前の♀は翅を寝かせて再度休眠モードに入りました。
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GX7-P8(トリミング),ISO=400、F11-1/30、内蔵ストロボ+スレーブ1灯、撮影時刻:10時24分(12月下旬)

 奥の15頭集団の拡大像です。
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D71K-34VR(3コマ深度合成+トリミング),ISO=200、F9-1/200、外部ストロボ、撮影時刻:10時05分(11月中旬)

 この株にはムラツ、ウラギン以外にムラシの5頭集団もおりました。
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GX7-P8,ISO=400、F11-1/30、内蔵ストロボ、撮影時刻:10時17分(12月下旬)

 管理人はこれまで枯葉上の5頭集団を観察した経験がありますが、成葉上でムラツと同様な様態で越冬するムラシ集団は初めての出会いでした。

 この冬は気温の上昇・下降が顕著で、ムラツの集団保持にとっては好適な条件ではないように思われます。上記集団が何時まで集団を保持できるのか注目してきたいと思います。同行して頂いたSippoさん、色々と楽しいお話を有難うございました。またいつか撮影をご一緒しましょう。
by fanseab | 2016-12-24 21:49 | | Comments(10)

台湾台東縣遠征記(13)タテハチョウ科その7:コムラサキ亜科など

 本遠征記、実は本年1月に配信した「遠征記(12)(外部リンク」以降、管理人の体調不良もあって、中断しておりました。気の抜けた炭酸飲料のようで申し訳ないですが、シーズンオフに再開です。今回は、タテハチョウ科のラストとして、コムラサキ・フタオチョウ・テングチョウ各亜科のご紹介です。コムラサキ亜科のトップバッターはヒョウマダラ(Timelaea albescens formosana)♂。

+++原則画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F11-1/640、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月12日、7時44分

 知本森林遊樂區内の建物壁から栄養分を補給している個体です。前回4年前は林道沿いに相当数の個体を観察できましたが、今回出会ったのはこの♂のみ。化数の狭間か発生初期だったのでしょう。次は前回も多数の個体を観察できたタイワンコムラサキ(Chitolia chrysolola formosana)♂。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=200、F6.3-1/640、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2015年5月14日、9時36分

 本種も前回遠征に比較して個体数少な目でした。3種目は今回初めて出会えたシロタテハ(Helcyra superba takamukui)♂。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F6.3-1/800、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月14日、11時01分

 ある程度、期待はしていたものの、個人的には珍品だと思っていたので昂奮状態で撮影。最初、目撃した時はイシガケチョウと見間違えました。しかし、イシガケよりも遥かに俊敏かつ滑らかな滑空状態を保持する飛翔形態は明らかにコムラサキの仲間。予備知識がなければ、「どうせイシガケかぁ~」と見逃すところでした。世界中を見渡してみても、「白無垢」を基調とするタテハは珍しく、南米のシロモルフォ(Morpho polyphemus)など極少数に限られます。本種の裏面はほぼ真っ白。本来、白は膨張色のはずですが、前翅表のかなりの面積が黒色で覆われているため、飛翔中は実体より小さく見えます。アップした画像は今回遠征の「ご神木」の樹液に来た個体。残念ながら5月14日のみ出現し、接近戦での画像、および表翅は撮影できませんでした。

 お次は同じく初撮影のキゴマダラ(Sephisa chandra androdamas)♂。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=400、F8-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月11日、14時31分

 実は前回遠征で本種を目撃したものの撮影には失敗。リベンジが叶ったのですが、ご覧の通りの大破個体。位置も遠いし、光線状態も最悪。所謂証拠画像ですので、再リベンジの対象です。この子も5月11日限定で出現。シロタテハ同様、タイワンコムラサキよりは個体数が少ないと思われます。和名通り、ゴマダラチョウの地色の一部が橙色に変化したような独特な斑紋を有しております。
 次は久しぶりに出会ったフタオチョウ(Polyura eudamippus formosana)。タイワンコムラサキ♂と仲良く吸汁しておりました。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=640、F6.3-1/500、-0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月14日、10時55分

 本種を北タイで撮影したのは2006年(外部リンクですから9年振りの出会いです。
この個体も結構古びておりますが、前翅外縁がかなり直線性を有することから♀と推定されます。♀となれば、初撮影になります。これまたご神木での撮影で、遠目の樹液ポイントで吸汁しておりました。接近戦が狙える場所に何故来ないか!と歯軋りしながらシャッターを切っていたのですよ(笑) なお、前回撮影できたヒメフタオチョウ(P.narcaea)は今回目撃できず、ガックリ(^^;

 最後は日本でもお馴染みのテングチョウ(Libythea lepita formosana)。
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D71K-34VR(トリミング)、ISO=500、F10-1/500、+0.3EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2015年5月13日、8時20分

 高木上空で追尾飛翔している♂2頭と思われます。テングは終始樹冠近くを占有していて低い場所に降りてこないのが印象に残りました。

 今回遠征で目撃・撮影したコムラサキ・フタオチョウ・テングチョウ亜科の種をまとめます。黄色着色種は管理人の初撮影種。
(1)ヒョウマダラ(Timelaea albescens formosana)
(2)タイワンコムラサキ(Chitolia chrysolola formosana)
(3)シロタテハ(Helcyra superba takamukui)
(4)キゴマダラ(Sephisa chandra androdamas)
(5)フタオチョウ(Polyura eudamippus formosana)
(6)テングチョウ(Libythea lepita formosana)
 今回でタテハチョウ科は終了。本科の観察・撮影種は全39種(目撃のみ1種)、管理人の初撮影種は7種でした。次回からシジミチョウ科のご紹介です。
<次回へ続く>
by fanseab | 2016-12-19 22:11 | | Comments(0)

日本チョウ類保全協会企画展のお知らせ

12月18日まで本記事をトップに配置します。
通常記事は本記事の下にあります。

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★★企画展「チョウが消えてゆく~絶滅の危機にあるチョウを守る~」★★

 毎年、東京・新宿御苑にて開催しております首題協会企画展を、今年は、下記の日程で開催いたします。チョウの生態写真(約60点)、絵、保全に関するパネルなどの展示を行うほか、土日(17-18日)には、ミニ講演会も開催されます。
ぜひお友達とお誘いあわせの上、ご来場くださいますようにお願いいたします。


■日 時:2016 年12 月13 日(火)~ 12 月18 日(日)
      9:00 ~ 16:30(最終日は15:00 まで)

■場 所:新宿御苑インフォメーションセンター1F(新宿門左側)
     「アートギャラリー(外部リンク)」 
     ※入場無料
      
■アクセス:JR・京王・小田急線:新宿駅南口 より徒歩10 分
    東京メトロ副都心線:新宿三丁目駅より徒歩5 分
    東京メトロ丸の内線 ・都営地下鉄新宿線:新宿御苑前駅より徒歩5 分 

■内容:チョウの生態写真・絵・チョウの保全に関するパネル、ほか
 
<ミニ講演会:17 ~ 18 日(土・日)に開催>

17 日(土)  1 回目 11:00 ~ 11:30
          絶滅危機のチョウを守る 中村康弘(日本チョウ類保全協会事務局)
         2 回目 13:00 ~ 13:30
          幻のバッタ、再発見!  永幡嘉之(自然写真家)
         3 回目 15:00 ~ 15:30
          チョウの写真撮影法   佐々木幹夫(日本チョウ類保全協会会員)

18 日(日)  1 回目 11:00 ~ 11:30
          絶滅危機のチョウを守る 中村康弘(日本チョウ類保全協会事務局)
         2 回目 13:30 ~ 14:00
          幻のバッタ、再発見!  永幡嘉之(自然写真家)

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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by fanseab | 2016-12-18 15:05 | | Comments(0)

初冬のアオスジアゲハ幼虫

 11月25日付の記事で、ヒタヒタと忍び寄る冬を迎えながら、懸命に命を繋いでいるアオスジアゲハの2-3齢幼虫をご紹介しました。さて、その後の状況をご紹介しておきましょう。最初は記事内で「兄弟」と形容した、寄り添っていた2頭の状況。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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GX7-P8,ISO=200、F11-1/20、外部ストロボ、撮影時刻:14時23分(12月上旬)

 葉上には1頭のみ。兄?それとも弟? 相方は食草を探して何処へ? 葉上に残ったこの子も何となく「皮膚の張り」がありません。日中も日陰の時間帯が長く、温度が上がらないのが原因なのでしょう。続いて、リスク回避目的で、この場所から移動させた3頭の動向。
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GX7-P8,ISO=200、F10-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:14時26分(12月上旬)
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GX7-P8,ISO=200、F10-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:14時32分(12月上旬)
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GX7-P8,ISO=200、F14-1/125、外部ストロボ、撮影時刻:14時37分(12月上旬)

 3頭共に日照を確保して、「お肌の艶」もまずまずのようで。。。。順調にしかし、ゆっくりとした成長を続けておりました。特に3枚目の個体は最も発育が良さそうです。いずれも餌の葉には不足することはないでしょう。ただ、蛹化まで辿りつけるか、厳しい状況に変わりありません。
by fanseab | 2016-12-15 21:38 | | Comments(0)

ウラギンシジミの越冬態様(12月上旬)

 12月に入って、陽射しが恋しくなる寒さになりました。近所をブラブラしながら越冬中のウラギンシジミ探し。最初に見つけたのは定番の常緑樹葉裏。

+++画像は原則クリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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GX7-P8,ISO=320、F13-1/25、外部ストロボ、撮影時刻:14時09分

 葉はアオキのようです。翅面は北西方向を向いていて、午後のみ陽射しを受ける配置。画面左側は広大なお屋敷で、アオキのすぐ横には背の高い物置小屋があるため、北風を完全にシャットアウトできる理想的な環境です。流石、ウラギンシジミはお目が高い!冬眠にベストな環境を選んでおります。
 次に多摩川沿いをブラブラしている時、黄色く色づいたエノキに何やら光る物体を発見。初体験のエノキ葉上のウラギンでした。
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GX7-P8,ISO=320、F13-1/40、外部ストロボ、撮影時刻:14時52分

 既に落葉がスタートしているエノキなのに、必死に葉にしがみついていても仕方ないのに、どうして?・・・・って思います。反対側に回って撮影してみました。
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GX7-P8,ISO=320、F13-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:14時56分

 やはり、銀白色の裏面は大変目立ちます。画面をよく見るとカゲロウも2頭翅を休めております。右側が南なので、葉裏で暖をとっているのでしょう。もう少し左側に寄っても撮影。
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GX7-P8,ISO=320、F13-1/60、外部ストロボ、撮影時刻:14時56分

 ウラギンの姿にご注目下さい。ややこしい立ち位置を取っております。通常葉面に垂直にぶら下がる格好で越冬しますが、この子は葉面にほぼ平行な配置で静止しております。恐らく翅面に日光をほぼ垂直に当たるように調整しているように思います。まるで春先のモンキチョウが取るような、傾斜日光浴スタイル。こんな姿は見るのは初めてでした。もちろん、ここは仮の塒で、エノキが落葉したら新たな塒を探さねばなりません。手間暇かかる越冬準備をする個体もいるものですね。
by fanseab | 2016-12-12 20:48 | | Comments(2)