探蝶逍遥記

カテゴリ:蝶( 888 )

日本チョウ類保全協会企画展のお知らせ

 12月17日まで本記事をトップに配置します。
通常記事は本記事の下にあります。

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◇◇企画展「チョウが消えてゆく~絶滅の危機にあるチョウを守る~◇◇

 毎年、東京・新宿御苑にて開催しております保全協会企画展を、今年は、下記の日程で開催いたします。
チョウの生態写真(約65点)のほか、絵、保全に関するパネルなどの展示を行うほか、土日(16-17日)には、ミニ講演会も開催されます。
ぜひお友達とお誘いあわせの上、ご来場くださいますようにお願いいたします。

日 時:2017年12 月12 日(火)~ 12 月17 日(日)
      9:00 ~ 16:30(最終日は15:00 まで)
場 所:新宿御苑インフォメーションセンター1F(新宿門左側)
     「アートギャラリー(クリックでジャンプ) 
     ※入場無料
      
アクセス:JR・京王・小田急線:新宿駅南口 より徒歩10 分
     東京メトロ副都心線:新宿三丁目駅より徒歩5 分
     東京メトロ丸の内線 ・都営地下鉄新宿線:新宿御苑前駅より徒歩5 分 

内 容:チョウの生態写真・絵画・工芸品・チョウの保全に関するパネル、ほか
 
<ミニ講演会:16 ~ 17 日(土・日)に開催>

16 日(土) 1 回目 11:00 ~ 11:30
       「絶滅危機のチョウを守る」 中村康弘(日本チョウ類保全協会事務局)
       2 回目 13:00 ~ 13:30
       「フランスのチョウと自然」 永幡嘉之(自然写真家)
       3 回目 15:00 ~ 15:30
       「チョウの写真・動画撮影を楽しむ」 佐々木幹夫・清水晶(日本チョウ類保全協会会員)

17日(日)  1 回目 11:00 ~ 11:30
       「絶滅危機のチョウを守る」 中村康弘(日本チョウ類保全協会事務局)
       2 回目 13:30 ~ 14:00
       「フランスのチョウと自然」 永幡嘉之(自然写真家)
 

以上、皆さまのご来場をお待ちしております。

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特定非営利活動法人 日本チョウ類保全協会 事務局 井上晴子

   〒140-0014 東京都品川区大井4-1-5-201
TEL/FAX 03-3775-7006 携帯:090-5574-5433
   Email: jbutterflyconservation@gmail.com
   http://www.japan-inter.net/jbcs/
   協会ブログ:http://jbcs.blog.fc2.com/
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by fanseab | 2017-12-17 16:30 | | Comments(0)

ムラサキツバメ越冬集団の観察その1(11月中旬)

 最低気温が10℃を切るようになると、そろそろムラツ越冬個体も群れを作り始めます。いつものように川崎市内のポイントを訪ねてみました。先ずは柑橘類をチェック。直ぐに3頭集団が目に入ってきました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR(トリミング)、ISO=2000、F7.1-1/640、外部ストロボ、撮影時刻:15時13分

 当日、気温が高めだったので、夕方を狙って出かけたのですが、彼らは翅を立て、比較的覚醒状態にあることが分かります。持参した温度ロガーでチェックすると、外気温は19.1℃。この時期の夕方にしては、異例の高温であることが確認できました。当該木を更にチェックすると、見難いですが、6頭集団を見出しました。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=2000、F7.1-1/640、外部ストロボ、撮影時刻:15時20分

 先ほどの3頭集団が東向きの葉上であるのに対し、こちらは南向き。一通り、望遠で撮影した後、3頭集団を広角撮影しようと四苦八苦。想定外のショックを与えたようで、途中であっと言う間に飛び去ってしまいガックリ(^^;; 集団を再形成することを祈りましょう。この後、当該木からほど近いアオキも探索しましたが、こちらは坊主。このアオキ株には、2015/16年の両年、それなりの集団が観察されており、今年も期待していただけに残念です。
 
 今回見出した合計9頭が今後、どのように推移するか、継続観察したいと思います。因みに昨年12月下旬時点(クリックでジャンプで、同一樹上で15頭集団を観察しております。
by fanseab | 2017-11-19 21:15 | | Comments(1)

キタキチョウの仮宿(11月上旬)

 先日、帰宅する際、拙宅の小さな庭にキタキチョウ♂が飛び込んで行く様子を偶然観察できました。庭にマメ科植物を植えていないので、キタキチョウの飛来機会はあまり多くは有りません。念のため庭内をつぶさに調べてみても、姿を確認できず。どうせ庭を通過して、お隣の広い庭にでも逃げていったのだろう・・・と思っていました。ところが、ところがですよ! ある日、偶然、拙宅庭のエノキで休む彼の姿を再発見できたのです。きっかけは外来アカボシゴマダラの蛹観察。発見時の状況をアップしておきましょう。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=64、F7.1-1/125、撮影時刻:9時27分

 矢印はアカボシの蛹。さて、この絵の中に問題のキタキチョウが隠れています。読者の皆さん、どこにいるか分かりますか??

 正解は、この記事の末尾をご覧下さい。その前に自力で探す方のために、ヒントとして、ほぼ同じアングルから撮影した拡大像もご紹介しましょう。
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=64、F8-1/50、外部ストロボ、撮影時刻:9時30分

 ど真ん中で静止しているのが主人公です。このように、逆光条件だと、黄色に色付いたエノキの葉が眩しく光り、同系色のキタキチョウは背景と完全に同化してしまうのです。次に順光下でも撮影してみました。
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EM12-Z60、ISO=200、F7.1-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:9時31分

 順光でも、意外と発見は難しいのですよ。この子、3日間この場所にじっとしており、好天気の日中でも全く飛ぶ気配がありませんでした。そして、4日目、最高気温が20℃を越えた昼間、ようやく、どこに飛び去ったようです。エノキは落葉樹ですから、この場所はキタキチョウの越冬場所にはなり得ません。但し、秋口に気温が低下するにつれ、今回観察したような仮宿で暫く静止し、越冬に備えて体力を温存しているのでしょう。

<解答>
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矢印#1がアカボシゴマダラの蛹、矢印#2がキタキチョウです。
by fanseab | 2017-11-17 21:54 | | Comments(0)

ヤマトシジミの交尾(11月上旬)

 ウラナミシジミの飛翔を撮っていた現場で、ふと足元を見ると、ヤマトシジミのカップルが葉上に止まっていました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-40、ISO=200、F9-1/640、-0.7EV、撮影時刻:11時39分

 ♂(右側)がとびきり小さく、凸凹コンビ?に思わず笑ってしまいました。折角のチャンスなので、裏側に回って、逆光でも撮影。
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D500-40、ISO=200、F9-1/800、-1.0EV、撮影時刻:11時40分

 久しぶりの縁毛逆光ブルー幻光が撮れました。残念ながら♀個体の翅の向きが♂と一致しておらず、♀の縁毛まではブルーに光らせることができませんでした。♂も縁毛が擦り切れているので、幻光の鮮やかさもイマイチ(^^;;

 交尾飛翔のチャンスでもあるので、少し刺激を与えて飛んでもらいました。
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D500-40(トリミング)、ISO=1250、F9-1/6400、-1.0EV、撮影時刻:11時41分
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D500-40(トリミング)、ISO=1250、F9-1/6400、-1.0EV、撮影時刻:11時41分
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D500-40(トリミング)、ISO=1250、F9-1/6400、-1.0EV、撮影時刻:11時41分

 教科書通り、飛行形式は、「←♀+♂」でした。♀翅表に垣間見える濃いブルーがとても綺麗です。時期的に考えて、新生蝶の交尾シーンを撮影するのは、恐らく今シーズン最後かもしれません。ところでヤマトシジミ♀、晩秋は何時頃まで産卵するのでしょうかね?
by fanseab | 2017-11-13 21:17 | | Comments(2)

ウラナミシジミなど(11月上旬)

 40mmマクロでの飛翔撮影に習熟するため、日を改めて河川敷のセンダングサ群落へ。10月頃、雨の合間にクズ群落の上を飛び交うウラナミシジミを目撃しております。昨年秋と比較して個体数は非常に多い印象でした。但し、♂の殆どは飛び古した個体で、とても撮影する気になれなかったのです。11月に入ると、ウラナミの個体数は激減、でもこの日、1頭のそれなりに綺麗な個体が目に入ったので、この子と遊んで(遊ばれて?)みました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-40、ISO=100、F6.3-1/1000、-0.7EV、撮影時刻:11時32分

 縁毛が微妙にスレていることも考慮し、あまり接近せずに自然な雰囲気になるように仕上げました。と言うか、40mmマクロは意図せずとも、肉眼で見たままの情景を上手く切り取る描写をしてくれます。次いで飛翔。
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D500-40(トリミング)、ISO=2000、F9-1/6400、-0.7EV、撮影時刻:11時16分
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D500-40(トリミング)、ISO=2000、F9-1/6400、-0.7EV、撮影時刻:11時28分
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D500-40、ISO=100、F6.3-1/1600、-0.7EV、撮影時刻:11時31分

 ピンク色を帯びた独特なブルーは綺麗ですね! このポイントにはスジグロシロチョウ♀も緩やかに舞いながら、センダングサで吸蜜をしておりました。
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D500-40(トリミング)、ISO=2000、F9-1/6400、撮影時刻:11時25分
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D500-40(トリミング)、ISO=2000、F9-1/6400、-0.7EV、撮影時刻:11時26分

 ウラナミを追いかけた後で、この子の飛翔を撮ると、大きさに騙されて置きピン感覚が狂ってしまいます。結果、緩やかな飛翔の割にはピンが来ないコマが多くてガッカリでした。ここでアップしたコマはいずれも露出オーバー。しかし、ラチチュードが広いD500のセンサーに助けられ、問題無く補正処理ができました。特にISO=2000の高感度でのRAW現像時、γコントロールによるコントラスト調整でも色相が破綻しないので助かります。D90あたりの機種性能とは流石に一線を画した仕上がりに満足です。
by fanseab | 2017-11-10 21:24 | | Comments(2)

キタテハの飛翔など(11月上旬)

 11月に入ってから関東地方は、それまでの悪天候が嘘のように好天が続いております。この日も多摩川縁のセンダングサ群落で飛翔撮影。今回はD500とマイクロニッコール40mmF2.8Gの組合せでトライ。40mmレンズは4月のツマキチョウ飛翔撮影に使用して以来、久しぶりの登場。最初はキタテハ。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-40(トリミング)、ISO=1600、F8-1/8000、撮影時刻:11時11分
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D500-40(トリミング)、ISO=1600、F8-1/8000、撮影時刻:11時11分
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D500-40(トリミング)、ISO=1600、F8-1/6400、撮影時刻:11時19分

 追いかけ撮りになるので、思い描いたイメージが上手く得られません。それに、やはり慣れていないレンズだと、置きピン感覚が全くズレていて、殆どのコマはピンが来ていません。ここ数年、(マイクロフォーサーズ一眼+高速連射機能)で飛翔を撮っているので、APS一眼での焦点深度の浅さを改めて認識することに・・・。

 次は久しぶりのモンキチョウ。
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D500-40(トリミング)、ISO=1600、F8-1/8000、撮影時刻:11時16分
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D500-40(トリミング)、ISO=1600、F8-1/8000、撮影時刻:11時16分

 モンキって、追いかけてみると、やはり速いなぁ~って感じます。40mmレンズで最適置きピン位置を探ってみると、どうやら50~60cmにあることが判明。ところが、本レンズ距離環の刻印は「0.4(40cm)」の次はいきなり「∞(無限遠)」! 50もしくは60cmでスパッと設定ができないのが辛いところです。一方、利点としては、肉眼で見たままに近い自然な描写と適度な背景ボケが得られる点ですね。フルサイズ換算では60mm。銀塩時代の標準レンズ(50~55mm)に相当する画角は、やはり描写がナチュナル。今後、上手く使いこなしたいと思っております。

 さて、拙宅に戻ってみると、エノキの葉裏にアカボシゴマダラの前蛹準備個体を発見。
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D500-40、ISO=200、F7.1-1/1000、撮影時刻:12時07分

 皆さん、どこに前蛹がいるか分かりますか?画面中央右下で角状突起を下にしてぶら下がっている黒い影がその正体。この時期に蛹化すると、蛹期は概ね1ヶ月。早くても12月上旬になるでしょう。その頃、エノキの葉は大半が落ち、鮮やかな緑色の蛹は嫌でも目立ちます。例年の観察だと、シジュウカラの食害に遭う事例が多いのです。この子は果たして無事羽化できますでしょうか?
by fanseab | 2017-11-06 21:15 | | Comments(2)

秋晴れに翔る蝶(10月下旬)

 今日から早いもので、もう11月。10月を振り返ってみると、何だか毎日雨が降っていた感覚でしたね。週末には2週連続で台風も来襲。多摩川縁も水浸しで河川敷の景色が一変しました。ようやくカラッと晴れた正午前後に河川敷に出てみると、陽光を待ちわびた蝶達が澄み切った青空を翔け抜けておりました。最初は、モンシロチョウの♀。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z12(トリミング)、ISO=1250、F6.3-1/5000、撮影時刻:11時54分

 センダングサの群落は吸蜜に集う蝶達の楽園状態。しかし、この時期、センダングサの実がズボンにごっそりと付いて、落とすのに一苦労(^^;  次はモンシロの求愛シーン。
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EM12-Z12(トリミング)、ISO=800、F6.3-1/5000、撮影時刻:12時07分
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EM12-Z12(トリミング)、ISO=800、F6.3-1/5000、撮影時刻:12時07分

 久しぶりの置きピン飛翔撮影で、置きピン感覚が微妙にズレ気味です。まぁ、背景のオギの穂も垂れていて、秋らしい雰囲気は何とか出せたようです。
 セイタカアワダチソウにバタバタ吸蜜している蝶を発見。何とアオスジアゲハの♀!
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EM12-Z12、ISO=200、F7.1-1/400、撮影時刻:11時57分

 この黄色い花弁での吸蜜シーンは初体験です。例年、近所のマンション植え込みで観察できるアオスジの終見日は、10月中旬ですから、これまでの終見記録を更新しそうです。雨模様で吸蜜できなかったのでしょう、広角レンズを目一杯接近させても全く無関心で、無心に吸蜜しておりました。続いて飛翔。
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EM12-Z12、ISO=1250、F6.3-1/4000、撮影時刻:11時58分
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EM12-Z12、ISO=1250、F6.3-1/4000、撮影時刻:11時58分

 雲一つない青空を翔け抜けるアオスジの躍動感が堪りません。セイタカアワダチソウの後は、センダングサ食堂にも立ち寄ってくれました。
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EM12-Z12、ISO=200、F7.1-1/800、撮影時刻:12時02分

 アオスジの背景は、多摩川河川敷。オギなどの群落は全て濁流で下流側に曲げられ、平板状になっています。台風で水嵩が増えた時の流れの勢いには驚かされます。
 短い時間でしたが、ようやく訪れた秋晴れをチョウ共々楽しませて頂きました。
by fanseab | 2017-11-01 21:21 | | Comments(2)

フタスジチョウの飼育メモ:その2

 8月22日付記事(クリックでジャンプの続きです。
前回は、山梨県で採卵した4卵のうち、個体#Aを中心に各ステージの経過を述べました。今回は#B,#C,#Dについて、その後の経過です。
 先ず#C、こちらは、8月27日に無事♂が羽化。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:8月27日

 前翅長19mm。やはりサイズは小ぶりでした。さて、残りの個体#B,Dですが、こちらは越冬態勢のモードでゆっくりとした成長モードに入っておりました。8月上旬より両個体共に夜間は冷蔵庫保管、日中は室温保管としました。これは以前、Neptis属研究の権威、F氏よりご教授頂いた「ヒートショック管理法」に従った手法。この手法が効果があったようで、7月下旬~8月下旬にかけての糞量は両個体共に、数個/dayのレベルでした。ところが9月上旬に所用で、6日間ほど夜間冷蔵庫保管を怠ったためか、個体#Bは覚醒、一気に糞量が増加、9月9日には3齢に。その後糞量は20個/dayで推移し、9月21日に終齢到達。10月4日に蛹化、12日に無事♀が羽化しました。
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EM12-Z60、ISO=200、F7.1-1/160、外部ストロボ、撮影月日:10月12日

 前翅長25mm。8月13日に羽化した♀よりも僅かにサイズが大きい個体でした。
 一方、個体#Dは8月30日に糞1個を確認したのを最後に糞を出しておりませんでした。9月19日に巣を開封して確認すると、既に干からびており、残念ながら★様になっていました。やはり室温飼育では日中、空調の効いた20度近辺に温度管理しないと越冬モードを保持するのが難しいのかもしれません。ここで、今回飼育で羽化した♂1♀2個体と山梨県で野外観察した♀個体の開翅比較画像をアップしておきます。
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野外個体は7月7日撮影分

 今回飼育した3個体を検する限り、野外個体と比較して特別な斑紋変化はないように思われます。
 前回記事では比較できなかった、フタスジチョウ♂♀の蛹の形状比較についても述べておきます。♂1♀2、合計3個体の比較画像は以下の通り。「♀その2」とメモされた個体のみ羽化直前の撮影であることはご了解下さい。最初は側面画像
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 あくまで今回検した3個体の比較からですが、下記の♂♀形質差があると思います。
(1)前翅外縁と後縁のなす角度:α
 ♀はほぼ直角であるのに対し、♂は明らかに鈍角。
(2)「前翅長FWS」対「蛹の全長PL」比:FWS/PL
 ♂:0.43
 ♀1:0.54
 ♀2:0.53
 ♀は♂より20%ほど相対前翅長が長い。

 続いて背面画像。
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(3)L部分の形状
 側方への迫り出しは♀は台形状、♂はなだらかな一山形状。迫り出し巾が異なるため、
♂は♀に比較して腹部の長さが長く、細く感じられる。

 上記(2)については、成虫の(前翅長/胴体長さ)比に対応していると思います。既にアップした♂♀開翅画像と比較すると、♂♀の翅形差も確認できて興味深いものがあります。なお、♂♀交尾器形状を反映して、尾端構造も有意差があるのですけど、これについては、別の機会に記事にしたいと思います。
by fanseab | 2017-10-27 21:49 | | Comments(2)

ミヤマチャバネセセリ幼虫の生息数調査(10月中旬)

 多摩川中流域ではミヤチャは基本年3化。現在は第3化世代から育った幼虫が中齢~終齢状態になっています。11月上旬にはほぼ全ての老熟幼虫は地表に降りて蛹化・越冬態勢に入る予定。そこでこの時期、同種幼虫の生息数を簡易トランセクト法で調査しました。昨年も同様な調査をしております。過去6年間の結果は以下の通り(頭数には寄生個体も含む)。

2011年 13頭
2012年 29頭
2013年 21頭
2014年 データなし(記憶が曖昧だが10頭は確認?)
2015年  4頭
2016年  1頭
 
 昨年は僅か1頭で、今年が坊主だとヤバイなぁ~と思いつつ、いつもの調査領域:30mX800mを歩いてみました。その結果、

2017年 11頭

でした。ヤレヤレ何とか二桁達成です。この結果をどう見るか? 二通りの見解があるでしょう。

(1)ミヤチャは本来長周期の発生の波があり、個体数の少ない時期を脱して、これから増加傾向に向かう。
(2)長期的に減少傾向にあり、今年は偶発的に個体数が増加しただけである。

 もちろん、仮説(1)を信じたいところです。来年以降も同様な調査を継続し、事実確認をしていきたいと思います。ところで成虫は、春先の第1化以降、2・3化個体を目撃できておりません。本年夏場は真面目に多摩川沿いで観察していないので、成虫の撮影ができなかったのは残念でした。今回の調査で撮影した幼虫の画像を貼っておきましょう。先ずは寄生個体。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=64、F7.1-1/200、撮影時刻:11時16分
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=64、F6.3-1/200、外部ストロボ、撮影時刻:12時10分

 頭殻模様から判断して、一枚目は終齢、二枚目は3齢でしょう。次に正常個体。
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EM12-Z60(トリミング)、ISO=200、F7.1-1/160、撮影時刻:12時13分

 こちらは恐らく4齢。蛹化まで無事辿りつけることを期待しましょう。
さて、調査ルートを歩いていると、足元から体長2-3cmの小さなバッタが沢山飛び立ちます。結構敏感で、そっと接近して覗き込むと、腹部の鮮やかなサーモンピンクが目に飛び込んできました。思わずパチリ。。。。
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EM12-Z60、ISO=64、F5.6-1/320、撮影時刻:11時05分

 ヒナバッタ(Chorthippus biguttulus)の♂だと思います。間違っていたらご指摘願います。♀は腹部が赤くないようですが、どうやら♂でも赤色を帯びない個体がいるようです。とにかく個体数が多く、同所で観察できるトノサマバッタの個体数を1とすると、概ね100個体は生息している感覚。夏場から発生しているバッタですけど、これまで気に掛けなかったこともあって、これほど数が多いとは! 秋口(第2化?)に猛烈に個体数を増やしている可能性があります。このバッタをもうちょっと、観察してみようかと意気込んだら、急に寒気が入り込んで関東地方は連日雨模様。止む無く観察は中断しています。早く晴れてくれないかなぁ~!!
by fanseab | 2017-10-16 21:44 | | Comments(8)

コクサギ食いのアゲハ

 拙宅庭にはPapilio属の食うホストを3種類植えてあります。以前からあったサンショウ、本年新規に追加したカラスザンショウとコクサギです。カラスザンショウは将来ミヤマカラスやモンキ飼育目的のため、今年春先に種蒔きから育てた3株。コクサギは昨年秋、園芸ショップ経由でネット購入した5株です。コクサギは今年オナガ・カラスの飼育に活用できました。さて、拙宅に訪れるPapilioで最も多いのはもちろんアゲハ(P.xuthus)。これまではサンショウに産卵するのを観察してきました。今年はカラスザンショウとコクサギが加わったので、この両者に産卵するのか?注意深く観察しておりました。結果はカラスザンショウには産んだのですが、コクサギは皆無。本田計一博士の著書(※)にはアゲハの食草選好性に関して記載があります。

 これによれば調査対象のミカン科8種の中で、「カラスザンショウには産卵するが、コクサギには産まない」。さらに幼虫が摂食するかも同時に調査されており、ここでも「カラスザンショウは食うが、コクサギは食わない」とまとめられています。産卵選好性については拙宅の観察結果とよく一致します。
 さて、拙宅のサンショウ株は大小2株。小さな株に隣接してコクサギの鉢が置いてあります。この夏、偶然コクサギ葉上にPapilioの初齢幼虫がいるのを発見。アゲハにしては少し赤味を帯びた個体でした。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=64、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:8月13日

 ひょっとしてクロアゲハの初齢幼虫かなと思いつつ、そのまま経過観察すると、幼虫は順調に終齢まで育ち、この時点でアゲハの5齢幼虫と判明。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:9月10日

 因みにこの個体、背面腹節境界に白色条線(矢印)がある変わった幼虫。参考までに後日撮影した正常斑紋個体と比較してみました。
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下段は10月13日撮影。

 コクサギ上で育ったこの子は無事蛹化、♀が羽化しました。
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EM12-Z60(自動深度合成+トリミング)、ISO=320、F6.3-1/100、撮影月日:9月24日

 拙宅庭内で蛹化したアゲハは9割がた寄生されているので、成虫が無事羽化した時は嬉しかったですね。先にご紹介した本田博士の実験結果とは異なり、コクサギでも摂食、羽化まで至ることが証明されました。ただこの子の出自を辿ると、母蝶がコクサギに産卵していたかは不明です。実はサンショウは、8月中旬時点で前の世代のアゲハ幼虫が葉を食い尽くしていた状態でした。一方、このサンショウとコクサギ株は隣接していて、枝伝いに幼虫が行き来できる状態でしたので、もしかすると、サンショウ葉上で孵化した幼虫が餌不足で偶々コクサギに移動し、コクサギを食い始めたのかもしれません。

 一方、カラスザンショウの結果です。 サンショウに比較すると頻度は少ないものの、拙宅に飛来したアゲハは産卵してくれました。カラスザンショウ葉上の初齢幼虫です。
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EM12-Z60、ISO=320、F5.6-1/125、外部ストロボ、撮影月日:8月13日

 また、こんな実験もしてみました。サンショウ葉上で餌不足で餓死しそうな若齢~終齢幼虫を途中から強制的にカラスザンショウに移動させ、摂食挙動を確認しました。結果、移植した幼虫の約7割の個体は問題なく食いましたが、残りの個体は全く食いません。一方、サンショウからコクサギに移動させた実験では、100%食ってくれませんでした。
 結局、本田博士の実験結果は概ね妥当であるけれど、例外的にコクサギを食うアゲハ個体がいることが判明しました。

※<参考文献>
本田計一・村上忠幸,2005.ワンダフルバタフライ(不思議にみちたその世界).化学同人,京都.
by fanseab | 2017-10-13 21:52 | | Comments(4)