探蝶逍遥記

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ボルネオ・グヌンムル公園遠征記(24)コウモリ&エピローグ

 昆虫関係は一先ず終了。最後に登場するのはコウモリです。グヌンムル訪問の主目的は以前の記事で書いた通り、「アカエリトリバネアゲハをデジタルで撮り直すこと」でした。更にサブターゲットとして「コウモリの集団飛翔をこの目で観察すること」を目論んでおりました。この公園を有名にしているのは、アカエリではなく、何と言っても石灰岩の洞窟から夕方登場するコウモリ軍団なのです。これまでにNHKの番組等で度々紹介されてきておりますので、読者の方もどこかでご覧になったことでしょう。到着した初日は時間の余裕がなかったので、2日目(3/10)の夕刻、Deer Cave入口近くにあるコウモリ観測所に到着いたしました。これが観測所の全景。


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D5K-10.5-X1.4TC、ISO=200、F11-1/100、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、10時33分
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D90-10.5-X1.4TC、ISO=200、F10-1/200、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、16時15分

 1枚目は屋根付観測所の全景で、2枚目がこの反対側の光景です。コウモリ集団が飛び出す時間帯(16~18時)は雨季ですと、丁度スコールが降っている時間帯に相当します。しかも、コウモリは雨天でも飛び出してくるので、屋根付観測所が必須なのです。運良く晴れていれば、2枚目の右側に見えているベンチに座ってコウモリ見物ができる仕掛けになっています。2枚目の画面中央にぱっくりを口を開けているのがDeer Caveの入口で高さは優に100mは越えています。ここから右側に飛び出したコウモリはすぐに画面左上方に方向転換して飛び出していくため、右側のベンチが一等席になります。当日、15時過ぎ頃から急に空が暗くなり、ほどなくスコールが降ってきました。コウモリを期待する観光客は全員この屋根付観測所に避難して雨宿り(↓の絵は翌日撮影)。
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D7K-20、ISO=500、F3.5-1/20、-0.7EV、外部ストロボ、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、17時10分

 16時30過ぎになって、幸い少し小降りになりました。そして16時45分過ぎ、急に「waoo・・・o!」と歓声が上がりました。見ると最初の軍団が飛び出してきました。こちら「人間軍団(笑)」もコウモリに負けじと小雨の中、小躍りしてベンチの方に飛び出していきます。もちろん管理人も傘も差さずに「多少、カメラが濡れても・・・」と飛び出し、それからは当たり構わず連射・連射また連射。それでも尽きることなくコウモリの群れは続きます。以下、そのショット。
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D90-85VR、ISO=500、F5-1/2000、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、16時57分
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D90-85VR、ISO=500、F3.5-1/2000、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、16時59分
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D7K-34(トリミング)、ISO=500、F4-1/2500、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、16時56分
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D90-20、ISO=200、F3.5-1/3200、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月10日、17時07分

 3枚目のように超望遠で見ない限り黒い点がコウモリだとは俄かに信じられない光景で、うねるように空を駆けて行く様子は「Dragon fly or Dance(龍の舞とでも訳しときましょう)」と喩えられます。軍団総数は300万頭以上だとの説もありますが、軍団の光景を見た後では、決して誇張された数字でないと思われました。なお、この様子はきちんと動画で撮るべきでしたが、管理人はその余裕が無く、ちょっぴり残念。

 さて、翌日(3/11)は折角なので、Deer CaveとLang caveの鍾乳洞見物ツアーに参加しました(参加料:20RM≒520円/一人)。鍾乳洞内へはガイド同伴のツアーに参加しないと入場できない仕組みになっております。いずれもスケールのでかい鍾乳洞でしたが、このツアーは最後にコウモリ観察もする段取りになっています。鍾乳洞に入る前はギラギラと熱帯の太陽が輝いておりました。ところが鍾乳洞を出た途端、例によって強烈な豪雨に襲われました。ツアー客は逃げるようにしてコウモリ観測所に戻り、ここで待機。17時45分頃ようやく雨があがりました。しかし、前日とは異なりコウモリが出現する気配がありません。管理人の座ったベンチ脇には日本からやってきた熟年ツアー客もコウモリの姿を今か今か・・・と待機しておりましたが、結局、この日「Dragon fly」公演は中止となった模様。一般的なグヌンムルツアーのパッケージは2泊3日で、一日を別の鍾乳洞見物に充て、もう一日をこのDeer(&Lang) Cave見物に充てています。しかし、毎日必ずコウモリが飛び出すとは限らず、2泊3日コースではコウモリを見られないリスクが高いのです。そんな事情も知らず、本当にガッカリして、背中を落として宿舎に引き上げる熟年ツアー客の後姿が印象的でした。なお、この日、同じくベンチ脇に座っていた欧米バーダー(鳥屋さん)の方が「コウモリを襲う鷹:英名Bat Hawk(Macheiramphus alcinus)」の存在を教えてくれました。これがそのシルエット。
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D7K-34(トリミング)、ISO=200、F4-1/2000、-1.0EV、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、18時10分

 コウモリが飛ぶ高度の更に上空に出現し、軍団の飛来を待ち受けているのです。ムチャトリミングしておりますが、プロの方なら猛禽類の種類はシルエットからわかるのでしょうね。しかし、この鷹、コウモリ以外の獲物を捕らないとしたら、この日の夕食は無しですね。すきっ腹を抱えて夜をどう過ごすのでしょう。変な心配をしてしまいました。
 なお、管理人は公園到着の初日(3/9)、公園内食堂で早目の夕食を終えロッジに引き上げる途中、偶然、上空を舞うコウモリ軍団の姿を目撃しております。ロッジからDeer Caveまでは2km弱ありますが、軍団はその程度の距離は隊列を保ったまま、飛行していることになります。結局公園滞在中、2回も「Dragon fly」を見ることができたのは幸運でした。

 コウモリと出会ったは実はこの軍団だけではありませんでした。ロッジのベランダは常夜灯が灯っていて、そこに誘因される昆虫類を狙って、コウモリが飛来しておりました。公園滞在初日にアカエリ飛翔撮影の練習を兼ねて、コウモリの飛翔撮影にトライし、何とか成功したので、ご紹介しておきましょう。
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D5K-20(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月9日、19時26分
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D5K-20(トリミング)、ISO=400、F11-1/320、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月9日、19時28分

 アカエリよりは遥かにデカいので、置きピン位置をかなり離しての撮影。しかし、ご承知の通り、コウモリはカメラの存在を超音波レーダーで察知して回避して飛翔するので、結構苦労しました。当然ですが、コウモリの飛翔画像撮影は管理人初体験です。因みにここで撮影したコウモリは洞窟から飛び出すコウモリ(ヒダクチオヒキコウモリ:Chaerephon plicatus)とは別種で、日本の人家付近で見かけるコウモリの2倍程度の大きさがありました。また、最終日、遊歩道を歩いていると、欧米人夫婦が管理人を手招きします。「ご覧、コウモリの巣だよ!」とショウガ科のロール状に巻かれた筒先を指差しました。
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/32、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、10時35分

 「フラッシュを焚いたら駄目だよ!」と釘を刺されて何とか巣の内部を撮りましたが、コウモリはいかんせん黒い影(^^;
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GXR@5.1mm、ISO=200、F3.6-1/32、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月13日、10時35分

 しかし、この欧米人、恐らく哺乳類の専門家なのでしょう。普通の観光客はショウガの葉内にコウモリの巣があるなんて知識がないでしょうからね。管理人も一つ勉強になりました。これからはショウガ食いのセセリの巣だと思って不用意に葉を分解したら、コウモリが飛び出すリスクも考慮しなければなりません。熱帯のファウナは一体、どこまで不可思議なのでしょうね。

 さて、昨年秋から連載してきました「グヌンムル遠征記」も今回でひとまずお終いとします。ダラダラ更新に最後までお付き合い頂いた読者の方、有難うございました。これ以外にもご紹介したい画像ストックがありますが、それらはまた別の機会にでも記事にすることにしましょう。管理人にとってボルネオは今回で3回目ですが、来るたびに新しい発見があり、魅力の尽きない撮影スポットであることを実感します。最後にこの公園を有名にしているもう一つのシンボル、Deer Cave出口付近のシルエット画像をご紹介しておきましょう。
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D90-85VR、ISO=400、F4.5-1/320、-0.7EV、撮影年月日・時刻:2012年3月11日、16時14分

 右側の岩肌にご注目下さい。某歴史上有名人物の横顔だと直ぐに気が付いた方。貴方は既に「グヌンムル公園ファン倶楽部」の正会員に相応しい資格をお持ちですよ!
<おしまい>
by fanseab | 2013-04-05 23:45 | その他の動物類 | Comments(4)