探蝶逍遥記

2017年 08月 12日 ( 1 )

オオムラサキの産卵行動を探る(8月上旬)

 3年振りに山梨・甲府盆地でオオムラサキ探索です。到着して驚いたのはポイント付近の環境変化。道路の舗装化進行や森林伐採が酷くて乾燥化が進み、憂慮すべき状況です。それでも台場クヌギの樹液ポイントには、いつもと変わらぬオオムラサキの姿があり、ホッと一安心。♀探索が目的のこの時期、♂はどの個体もボロボロ。一番まともな個体を選んで開翅をパチリ。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR、ISO=500、F8-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時36分

 樹液の出方が不十分なので、蝶もカナブンも樹肌から必死に樹液を吸い上げている感じ。目的の♀も登場。
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D500-34VR、ISO=500、F8-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:9時38分

 恐らく鳥に攻撃されたのでしょう。右前後翅共に大破状態。樹液酒場に集うオオムラサキを観察していると、時間経過と共に♀個体数が増加してきました。こちらは翅損傷の少ない大型の♀です。
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D500-34VR、ISO=500、F9-1/800、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時06分

 ♂の2倍はあろうかと思われる大きさ。将に女王の風格。いつもなら♀に言い寄る♂の姿をみかけますが、相手のあまりの貫禄に怖気づいているような・・・。この♀、♂を蹴散らす勢いで樹液の滲み出る好ポイントを占領してしまいました。そのうち、彼女の姿が急に視界から消えました。さては産卵行動か?と思いきや、樹上で暫し開翅休息しておりました。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=500、F9-1/1000、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時09分

 ♀を継続観察していると、どうやら午前中は樹液吸汁と休息を繰り返しており、休息時は樹液酒場から敢えて距離を置いているようです。♂からの(無駄な?)求愛を意図的に避けているかもしれません。独りでじっくり吸蜜する♀の姿を広角でもパチリ。
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EM12-Z12、ISO=200、F10-1/30、外部ストロボ、撮影時刻:11時09分

 正午過ぎ、急に樹液酒場が静かになりました。1-2頭の♂を除き、大半がどこかに雲隠れ。♂は探♀パトロール飛翔している様子。恐らく近くの小ピークあたりでテリ張りに集中しているのでしょう。一方、♀は産卵時間帯に入ったと想定し、産みそうなエノキを数本マークし、午後2時半頃まで巡回観察しましたが、結局産卵シーンには出会えませんでした。やはり産卵シーン撮影はハードルが高そうです。

 この日、驚いたのは環境変化だけではありません。あの「忌まわしき」アカボシゴマダラ(外来種)が、とうとうオオムラサキポイントにやって来たこと。♀の産卵シーンです。
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D500-34VR、ISO=500、F9-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時43分

 次は台場クヌギに集うオオムラサキ(左下)とその周りを飛ぶアカボシの♂(右上)。
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EM12-Z12(トリミング)、ISO=640、F8-1/250、外部ストロボ、撮影時刻:11時58分

 証拠写真レベルですが、見たくなかった絵です。山梨県のアカボシゴマダラに関しては、管理人の記録では、2012年6月に都留市で1♂を撮影しております。当時、笹子峠を越えて甲府盆地に入るのは時間の問題だと思っておりました。但し今回のオオムラサキ観察ポイントでは、2014年5月のアカボシ第1化発生時に未確認。ですから恐らく2015年以降、甲府盆地での安定発生状況になったのでしょう。

 一方、在来種ゴマダラチョウも第2化の盛期でした。オオムラサキのボロ個体♂とのツーショットです。
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D500-34VR、ISO=500、F9-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時25分

 オオムラサキの産卵については、もう少し♀の行動パターンを詳細に把握するなどして、再挑戦してみたいです

<8月14日追記>
youtubeに♀樹液吸汁シーンの動画をアップしました。視聴環境にもよりますが、できれば画面右下、
画質(歯車マーク)を「720pHD」に設定して頂くと、より鮮明にご覧頂けます。

by fanseab | 2017-08-12 22:25 | | Comments(6)