探蝶逍遥記

2017年 08月 06日 ( 1 )

カラスアゲハの産卵(7月下旬)

 サカハチチョウ第2化の産卵シーン撮影目的で、東京都下の渓谷沿いにある林道を探索。9時半頃、サカハチ♂が開翅日光浴を始めました。

+++画像はクリックで拡大されます(モニター環境に依存)+++
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D500-34VR、ISO=200、F4.5-1/320、-0.7EV、撮影時刻:9時44分

 この一角で♂を都合3頭目撃したのですが、肝心の♀がいません。5月に同じポイントで観察した時と同様、10時前後の日光浴を除くと、♂が日光浴ポイントを離れて雲隠れしてしまうのです。恐らく探♀行動での場所移動なのでしょう。♀がホストのイラクサ類に登場するはずだ・・・と睨んでホスト周辺で待機するも結局出現せず。結局、この日もサカハチ産卵シーン撮影はお預けになりました。ガックリです(^^;

 一方、この林道では黒系アゲハ類第2化の盛期だったようで、時折豪快に飛ぶカラスアゲハ♂の姿が目撃できました。そこでサカハチと両睨みでカラスアゲハ産卵シーンも狙ってみることに。既に5月にカラス産卵ポイント・時間帯の下見を終わっているので、今回は労せず産卵現場に出会いました。しかも登場したのはとびきりの別嬪さん!
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D500-34VR、ISO=800、F8-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:10時59分

 かなり薄暗い崖地に群生するコクサギの実生を緩やかに舞いながら、産卵場所を探っています。そして産卵。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=800、F8-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時00分

 母蝶はコクサギ葉の縁に掴まり、腹端を葉裏に曲げて産卵します。この時、母蝶の体はコクサギ葉主脈に平行に向いており、かなり不自然な態勢でもあります。次は、ほぼ葉の真上に止まっての産卵シーン。
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D500-34VR、ISO=800、F8-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時00分

 産卵直後に飛び上がったシーンも撮れておりました。
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D500-34VR、ISO=800、F8-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時00分

 産卵後、確認してみると、↑の画像・矢印で示した葉裏に産み付けられていました。
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TG4@4.5mm、ISO=200、F2.8-1/320、-0.7EV、撮影時刻:11時00分

 淡いブルーを帯びているのが、カラス卵の特徴。虫食いで空いた穴の縁を「葉の縁」と思って産み付けたようです。その後、やや高い位置に移動して産卵。
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D500-34VR、ISO=800、F8-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時16分

 翅全体にピントが来ていい感じですが、腹端は葉被り。腹端・卵の同時写し込みはかなり難易度高いと痛感。お次は今回のベストショット。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=800、F8-1/640、-0.3EV、外部ストロボ、撮影時刻:11時16分

 カラスアゲハ♀後翅の煌びやかな輝きも写し込めて満足すべき絵に仕上がりました。惜しむらくは手前の枯葉が右後翅尾状突起を隠したこと。この後、ランチ休憩していると、かなり飛び古した別個体が出現、結構明るい環境のコクサギ、しかも地上高3.5mの相当高い位置に産卵しました。
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D500-34VR(トリミング)、ISO=500、F7.1-1/200、-0.7EV、外部ストロボ、撮影時刻:12時22分

 産卵高さ、環境共に、少し例外的な産み方のように思いました。カラス♀に出会う前、時間潰しにコクサギ実生の葉捲りを暫くやって、1卵見出しました。これは淡いレモンイエローでカラスの卵と異なり、オナガアゲハの卵でした。両者卵の比較画像を示します。
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EM12-Z60(6コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月28日


 色調差・サイズ差がご理解頂けると思います。カラスアゲハ卵は拙宅に持ち帰り、超拡大撮影。
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EM12-P1442@42mm-P14R(上段23コマ/下段26コマ深度合成+トリミング)、ISO=200、F5.6-1/50、外部ストロボ、撮影月日:7月28日

 最大直径1.38mm、高さ1.30mm。ほぼ真球状です。Papilio属の卵表面はほぼ平滑で、面白みに欠けます。一方、表面のデリケートな「ザラザラ感」を的確に描写することの難しさも痛感します。完璧な描写には、的確なライティングが不可欠で、この画像でも手前側に光が回っておらず、球表面全面の描写ができておりません。それと真球状の卵を深度合成する場合、どうも縁部分の合成が破綻してしまいます。当初、深度ステップ数が少ないことが原因と考えていましたが、合成枚数を25コマ程度まで増大しても、合成破綻は改善されず、ちょっと悩んでおります。合成ソフトに問題があるのか?もう少し検討が必要です。
 それはともかく、数年越しの課題だったカラスアゲハ産卵シーンが首尾よく撮影でき、ホッといたしました。
by fanseab | 2017-08-06 21:03 | | Comments(2)