探蝶逍遥記

アカボシゴマダラの羽化(8月31日)

 神奈川県川崎市の自宅近傍では、昨年よりアカボシゴマダラが頻繁に観察されるようになりました。昨年~今年の継続観察の結果、当地での発生は概ね、以下の通りと推定しています。

第1化:5月初旬~中旬
第2化:6月下旬~7月中旬
第3化:8月下旬~9月中旬
(第4化:10月中旬~下旬)?

 以上は、幼虫観察例からの推定です。と言うか、恥ずかしながら、管理人は当地で成虫を一度も見たことがないのです。ところがこの日、思いもかけず、成虫を観察することができました。

 自宅にある貧弱なエノキの株に幼虫が3頭いるのを先々週気がつき、内1頭が蛹化しているのを8月30日に発見。蛹の体色はまだ緑色だったので、「羽化は当分先かな・・・」と油断しておりました。しかしこの日、戸を開けてビックリ。 ♂が羽化していたのです。
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D40-24、ISO=400, F3.5-1/60、-1.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:8時23分

 ご覧の通りの生息環境です。こんなエノキが一株あれば、十分に生育するのがアカボシの凄いところだと思います。続いて、90mmマクロで。
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D70、ISO=200, F3.5-1/60、-0.3EV、撮影時刻:8時52分

 この日の朝方は風が強く、被写体ブレに悩まされました。↑の絵は凡そ80コマ撮影の中から選び出した苦心の作例です。どんな種類でも、羽化シーンは感動しますね! コムラサキ亜科独特の黄色いストローも印象的でした。9時頃になって、蛹から離れ、エノキの上に移動した機会を捉え、半逆光での作例。
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D70、ISO=200, F5.6-1/400、撮影時刻:9時10分

 逆光で透けて見える斑紋の透明感はマダラチョウを連想させますね。飛び立つ前にせっかくのチャンスなので、手乗りに挑戦。
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GX100@5.1mm、ISO=100, F3.6-1/160、-0.7EV、撮影時刻:9時04分

 管理人の掌は居心地が良くなかったようで、すぐにエノキに戻してあげました。その後、10時過ぎには無事、飛び立っていったようです。

 今回の羽化を観察して思ったのですが、アカボシは羽化の前兆が極めて掴み難いと感じました。例えばシロチョウでは、蛹の翅部分の体色が緑→黄色に変化し、複眼が黒くなる・・・等、一連の予兆現象があります。しかし、アカボシでは突然、黒化して羽化に至るような気がしてなりません。今回もうっかり羽化直後のシーンを見逃すところでした。
by fanseab | 2008-09-02 22:18 | | Comments(14)
Commented by ダンダラ at 2008-09-02 23:30 x
ご自宅でアカボシゴマダラですか!
うーん、すごいというかうらやましいというか。
自然状態のもので、蛹が写っている羽化シーンというのはほんとに貴重ですよね。素晴らしいです。
Commented by fanseab at 2008-09-03 07:03 x
ダンダラさん、自宅の庭先のエノキで常に見られる状態になっています。もう1時間早起きしていれば、羽化の瞬間を観察できたかもしれません。
Commented by chochoensis at 2008-09-03 11:52 x
fanseabさん、ご自宅周辺での観察・・・なんとも羨ましい環境ですね・・羽化写真なんてなかなか観察出来ないと思っていましたので凄く新鮮です、すばらしい・・・。
Commented by おてんとう at 2008-09-03 21:13 x
こんばんは
今夏はゴマダラはよく見ましたが、アカボシはまだ見ぬ蝶です。
自宅でアカボシですか。羨ましいです。

ところで教えていただいた1.4TCを早速注文していたのですが、今日届きました。週末が楽しみです。
ありがとうございました。
Commented by cactuss at 2008-09-03 21:14
自宅のエノキでアカボシの羽化が観察できるとはすごいですね。
小生の家にもエノキがありますが、ゴマダラチョウすら来てくれません。
羽化直のアカボシはきれいですね。
Commented by maeda at 2008-09-04 05:57 x
自宅でアカボシ、そんな身近な蝶になったのですね。
良いのか悪いのか?
Commented by fanseab at 2008-09-04 07:22 x
chochoensisさん、アカボシの拡散はもう誰にも止められない状況です。埼玉県下全域に拡がるのも時間の問題かもしれません。羽化シーンは立ち会えてラッキーでした。
Commented by fanseab at 2008-09-04 07:29 x
おてんとうさん、アカボシの拡散は関東だけに限定して欲しいと思います。所詮、ブラックバス同様に固有の生態系を撹乱していることは事実です。テレコン装着しての傑作を期待しております。
Commented by fanseab at 2008-09-04 07:38 x
cactussさん、拙宅ではゴマダラも産卵してくれますが9月頃に限定されます。ところがアカボシはコンスタントに産むので、個体数が極めて多いのだと思います。タテハの羽化シーンは久し振りだったので、素直に嬉しかったです。
Commented by fanseab at 2008-09-04 07:50 x
maedaさん、拙宅近辺のフィールドてアカボシの幼虫は簡単に見つかります。逆にゴマダラの幼虫探索は苦労します。ただアカボシ成虫はそれほど見るチャンスが少ないのです。良いか悪いか?と問われれば、明らかに悪いでしょう。西のクマソ、東のアカボシといった塩梅ですね。
Commented by ainomidori443zeph at 2008-09-04 17:46
私はまだアカボシの幼虫を見つけられません。
私のフィールドではまだ、オオムラサキ、ゴマダラチョウの方が優勢のようです。
でも白化するアカボシを見てみたいですね~。
Commented by mii at 2008-09-04 19:25 x
家の中から観察できるとは、最高の観察ポイントですね!
広島にはいないのが少し残念ですが、それが本来の状態なのですよね。
Commented by fanseab at 2008-09-04 22:19 x
愛野緑さん、こんばんわ。横浜市南部~川崎市西北部の個体数に比較して、まだ埼玉県下では、個体数が少ないため、幼虫発見もちょっぴり困難なのかもしれませんね。オオムラサキ、ゴマダラが優勢なのは、生態系が健全な証拠でよい事だと思います。白化する第1化発生時期はヒメギフやウスバシロの追っかけで忙しくて、こちらでも撮影は後回しになりそうです。
Commented by fanseab at 2008-09-04 22:22 x
milさん、自宅で観察できる蝶は限られていて、ナミアゲハとヤマトシジミ、イチモンジセセリと、時々ヒメジャノメ程度です。これまで羽化した蛹殻は数個体見つけていましたが、なかなか撮影できるチャンスがなく、今回はラッキーでした。当然、このタテハの拡散は関東の一部に留めてほしいです。
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