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探蝶逍遥記

山梨探索(7月5日)その(2):クロミドリシジミ他

 前回遠征で撮影に失敗したクロミ開翅と、できれば♂撮影を狙って早朝から出撃しました。自宅3時25分発、現地5時着。前回の探索でクロミが潜む「ご神木」を5本見出していたので、速攻で各ご神木を叩出す作戦です。ところが現地に着いて正直ヤバイと思いました。ムチャ蒸し暑く、この季節特有の「ヒンヤリ感」が全くありません。予想通りと言うか、クロミと思しき個体は全て梢の上方に舞い上がってしまいます。舞い降りてくるのはスレたウラナミアカシジミのみ。
山梨探索(7月5日)その(2):クロミドリシジミ他_f0090680_2250887.jpg
D70、ISO=400, F9-1/125、-0.7EV、撮影時刻:5時32分

 今シーズン初撮影なので、一応撮った・・・ウラナミ嬢?には申し訳ないが、そんな感じです。ただ2個体ほど、地上高2m程度まで降りてきて水平飛行してくれましたが、草地に下りる前に見失いました(^^;; やはり単独監視には限界があります。そこで阿呆な事を考えました。以下のコラムはお暇な方のみ、お読みくださいね。

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9人のブログ仲間に集合して頂き、各人が野球のポジションと同様にクヌギ林縁のフィールドに散らばり、叩出しで飛び出す個体をチームプレイで追跡する作戦。クロミを確実に撮影するための「Field of Dreams?」ですな。9人の歴戦の戦士が一致協力すれば、さしものクロミも軍門に下るのではないか?

先ず「プレイボール」でリーダー格が叩出し棒でクヌギを叩きます。
「オーイ、セカンドの左上に飛んでいったぞ~」
「センターとライトの中間をケアしてよ~」
てな按配で着地地点を正確に割り出す・・・
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 しかし、現実には・・・♂撮影も開翅も「フィールドに夢」と消えました(涙) ただ、今回の叩き出しの結果、2週連続でクロミが飛び出した「ほんまもんのご神木」3本を特定できたことは大きな収穫でした。オオムラサキ撮影に切り替えた午前8時30分過ぎ、駄目もとで、そのご神木の1本を叩くと、奇跡的に♀が飛び出して射程距離に止まりました。
山梨探索(7月5日)その(2):クロミドリシジミ他_f0090680_22505866.jpg
D70、ISO=320, F8-1/160、内蔵ストロボ、撮影時刻:8時43分

 足場が悪いので、400mmズームに切り替えた途端、葉陰に隠れましたが、何とか撮影に成功。
山梨探索(7月5日)その(2):クロミドリシジミ他_f0090680_22511499.jpg
D70S-VR84@400mm、ISO=400, F9-1/160、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時00分

 ご覧の通り、スリスリモードで、後翅表面の黒褐色が垣間見えます。ストローが見えませんが、吸水でもしているのでしょうか?先週撮ったクズの葉上のシーンよりも、生態写真としては、こちらの方が自然な姿なのかもしれません。ともかく、2週連続で♀が撮影できたので、満足しています。

 さて、オオムラサキが登場するまで、雑木林脇の草地を歩いてみると、ヤマトシジミが一斉に飛び立ちました。たおやかな飛翔イメージを写し取りたい一念で飛翔にトライ。
山梨探索(7月5日)その(2):クロミドリシジミ他_f0090680_22521786.jpg
D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=800, F8-1/2500、-2.3EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:7時34分

 結構、ヤマトも難しいです(^^;; オオムラサキ撮影が一段落した後は、メスアカミドリシジミのポイント探索です。地図上から抽出した3箇所の渓流沿いの候補地を順番に巡りました。最初の候補地は坊主。ただ、副産物としてミスジチョウを撮影できたのは収穫。吸水と飛翔です。
山梨探索(7月5日)その(2):クロミドリシジミ他_f0090680_22525539.jpg
D70、ISO=400, F10-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時55分
山梨探索(7月5日)その(2):クロミドリシジミ他_f0090680_22531387.jpg
D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=800, F5.6-1/2000、-2.0EV、外部ストロボ、調光補正1/32、撮影時刻:12時02分

 これまで、まともなミスジチョウ画像がなかっただけに吸水シーンは素直に嬉しかったです(飛翔は没画像レベルですが)。また新鮮なスジボソヤマキも登場。
山梨探索(7月5日)その(2):クロミドリシジミ他_f0090680_22534197.jpg
GX100@5.1mm、ISO=80, F9.1-1/380、-1.0EV、撮影時刻:12時40分

 しかし、陽射しが強いとこの蝶の質感を出すのは難しいですね。2番目の候補地は渓谷としては明るすぎ、おまけに枯沢なのには絶句です。最後のポイントは以前オオクワガタ探索で訪れた場所。いるとすればこんな渓谷なのに・・・としつこく叩出しをした結果、ようやく1頭のメスアカ♂が飛び出しました。
山梨探索(7月5日)その(2):クロミドリシジミ他_f0090680_22535721.jpg
D70S-VR84@400mm(トリミング)、ISO=500, F9-1/500、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:13時55分

 小生にとってのメスアカのファーストショットです。後翅の一部が破損しているため、表翅の金緑色が覗いています。しかし、活動時間帯が終了したのか?いくら待機しても開翅はしませんでした。この1頭以外の個体はゼロ。卍飛翔を狙うにはこのポイントは厳しいかもしれません。ボヤボヤしていると、メスアカの発生時期が終わってしまうので、次回は少し標高を上げて別のポイントを探索してみたいと思います。同時にジョウザンやアイノにも巡り会えればベストなのですが。。。。(了)
by fanseab | 2008-07-08 23:08 | | Comments(20)
Commented by Celastrina at 2008-07-09 00:50 x
クロミドリ、うらやましいです。
先週、金曜の夜から岩手へ南下して北限のクロミドリ早朝撮影にチャレンジしたのですが、彼方にとまった2♂を遠目にながめただけでした。
一応脚立に登りながら150ミリで撮影をしたものの、被写体は点にしか写らず、拡大してクロミドリなことが確認できたというものです。
その後はキマルリやウラキンがなぐさめてくれましたが、しばらくクロミドリの呪縛に苦しむことになりそうです。
Commented by fanseab at 2008-07-09 07:15 x
Celastrinaさん、おはようございます。♀はともかく、クロミ♂については他のゼフと異なり夜明け前にも活動タイムがあるせいか?早朝の叩出し作戦が通用しないようです。その意味では小生もクロミの呪縛に囚われているのかもしれません。
Commented by maeda at 2008-07-09 07:22 x
旅の助言、ありがとうございました。
機材は無事に移動させることが出来ました。
欲を言えばやっぱりデジ一3台を持っていけば良かったと思うシーンがあったことでした。重いのでちょっと今回は見送りでした。
地域によって充電に制限あるのが、要注意ですね。
Commented by mii at 2008-07-09 13:53 x
連続でクロミですか~すごいです! メスアカもおめでとうございます!
ところで、たたき棒は何をお使いでしょうか? 私は父からいらない釣竿(4m)をもらって使っているのですが、もっと長いほうがよいのでしょうか?
Commented by kmkurobe at 2008-07-09 19:49
チームプレイまさにゼフの撮影はこれです。ここのところ一人でシバキ棒とカメラ3台をもってフラフラしているので、確立がウント低くなります。やはり順光のサイドに誰か居れば絶対に見逃さないと思うのですが・・・・
クロミいいですね。メスアカはいくらでもいるのですが・・・・・・
さいごのチャンスを狙ってあしたもクロミを探してみます。
Commented by chochoensis at 2008-07-09 21:29 x
fanseabさん、=クロミ=撮影成功、おめでとうございました、シバキ棒の連携作戦・・・面白いですね、なるほど・・・とうなってしまいました。おもしろい!
Commented by fanseab at 2008-07-09 22:37 x
maedaさん、少しでもお役に立っていればよかったです。電源事情は現地に行かないと判明しないことが多く悩ましいですね。その意味でもデジカメの電池の持ちは海外遠征では極めて重要なファクターです。
Commented by fanseab at 2008-07-09 22:46 x
milさん、クロミは他のゼフと異なり♀の撮影チャンスが多いと思われます。長竿は6m位の比較的太い海釣り用を愛用しています。細いのは持運びに便利ですが折れやすいので、小生は使いません。
Commented by fanseab at 2008-07-10 00:17 x
kmkurobeさん、仰る通りで、逆光で「目くらまし状態」になっていつも見失いますね。ですから、叩き出し者以外に最低2人がお互いに斜光線を受けるように配置するのがベストだと思います。安曇野でのクロミ、ご武運を祈念します。
Commented by fanseab at 2008-07-10 00:20 x
chochoensisさん、阿呆らしい話におつきあい頂き、恐縮です。しかし、独りで叩き出す時、見失うのは深刻な問題で、つい愚痴の代わりに提案した訳です。どのみち、早朝の温度が低くないと成功確率は下がりますが・・・。
Commented by Noreen05 at 2008-07-10 04:56
いつもいつも参考になることが沢山!やはりゼフィルスは叩き出しですよね~。挑戦したい!と思いつつ未だ叩き出せないでいます。まずどんな棒で叩き出すのでしょう?と悩みます(爆)。チャンスを瞬時に活かせる撮影技術も・・・羨ましいです。もっと経験を積まなくては・・・
Commented by fanseab at 2008-07-10 07:22 x
Noreenさん、早朝コメント恐れ入ります。長竿については↓milさんコメントに対するレスもご覧下さい。先ずはお近くの釣道具屋さんに行くことをお勧めします。7ー8段式の釣竿が沢山置いてるはずなので、ご自分の体力に合った竿を選択することをお勧めします。あと、竿は消耗品と割り切ってあまり高価でない(≦1万円)ものがいいですね。
Commented by ダンダラ at 2008-07-10 12:17 x
山梨でのクロミドリシジミ探索、読んでいて引き込まれました。
やっぱり早朝のたたき出しでないと撮影は難しいんですね。
オオムラサキは山梨をフィールドとしているとついついおろそかにしがちですが、新鮮な個体はきれいだし迫力ありますね。
↓のオオムラサキ飛翔は迫力あって素晴らしいですね。お見事です。
Commented by cactuss at 2008-07-10 22:42
クロミドリは今まで、一度、撮影しただけなので、うらやましいです。
スジボソヤマキの写真は縦位置で夏の光が感じられていいですね。
メスアカミドリの撮影、おめでとうございます。
Commented by fanseab at 2008-07-10 22:54 x
ダンダラさん、貴殿のお膝元の山梨は小生のマイフィールドでもあります。これまでわずか2回のトライですが、クロミを撮るには相当な戦略を持って臨まければ相手にされない手強いゼフだと実感しております。オオムラサキ♂は銀塩時代でもいい写真がなかったので、今回は特に拘ってみました。「綺麗な♂を撮る」ことは小生のライフワークでもあるのです。
Commented by fanseab at 2008-07-10 22:57 x
cactussさん、いやいや貴殿のヒサマツ♂はもっと羨ましいですぞ!
スジボソヤマキは一度吸水場面を撮りたいですね。メスアカは何とか今シーズン中に開翅をゲットしたいです。
Commented by otsuka at 2008-07-13 19:03 x
密度の濃い一日ですね。うらやましいです。
オオムラサキの青もすばらしいですし、クロミドリもいいですね。
クロミドリのVR84@400mmって、こんなに寄れるんですか!!このレンズの使い勝手はいかがですか?こんなシャープな絵が撮れるのなら次シーズンに向けて検討してみます。
Commented by fanseab at 2008-07-13 20:54 x
otsukaさん、この時期の山梨は関西の但馬同様、体力の続く限り頑張れば、成果が挙げられます。但し、盆地周辺なので無茶苦茶暑いですよ。VR84はN社のVR機構搭載の第1号機なのでVR性能は最新機種に比べて余り良くありません。最短撮影距離も2.3mとマクロとして使用するにはちょっと長すぎる欠点があります。また5倍ズーム故のピントの甘さが感じられ、F5.6の開放域では眠い画像になるので、なるべくF8以上で使用するようにしています。本当はC社と同じスペックの単焦点VR300mmF4を期待しているのですが、なかなか発売してくれないのが悩みです。
Commented by otsuka at 2008-07-13 21:01 x
VR84情報ありがとうございました。C社の300mmF4ISはいいそうですね。300~400mmのVRの効く解像度のいいレンズが欲しいです。
Commented by fanseab at 2008-07-13 21:06 x
otsukaさん、300mmクラスをもしもお持ちでなければVR70-300mmが軽くてお財布にも優しいレンズだと思います。ショールームで試写した限りでは、かなりの解像度が期待できると思います。
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