探蝶逍遥記

多摩川縁を歩く(5月18日)

 所用で遠征はできず、近場の多摩川で遊びました。草地に踏み込むと、ヒメウラナミジャノメの最盛期。そこで、これまであまり真剣に撮影しなかった、彼らの飛翔に拘ってみることに。♂の探雌行動は草地を縫うように飛び回ります。そこで、「草地を縫うような飛翔」を上手く表現することを本日のテーマにしました。

 飛翔スピードはのんびりしていますから、単に画面の中に入れるだけなら、難易度は低いです。ただし、イネ科を含めて垂直に伸びる茎が邪魔して、「茎被り」状態で翅が隠され、当然、歩留まりは落ちます。また、ボルネオで高速ストロボ条件設定に失敗した教訓を活かして、今回は外部ストロボの閃光速度を最大限に調整し、1/4000までのシャッター速度に対応させました。

 先ずは単独飛翔。
f0090680_2251798.jpg
D40-1855@18mm(ノートリ)、ISO=1600, F9-1/2500、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:10時15分 
f0090680_22512936.jpg
D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=1600, F13-1/2500、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:10時36分 
f0090680_2251472.jpg
D40-1855@18mm(トリミング)、ISO=1600, F8-1/3200、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:11時06分

 1枚目は、管理人に追跡されて草地に潜り込む直前の場面。全般に開翅状態で撮影されたコマは少なく、殆どが閉翅状態であることに気がつきます。恐らくピョンピョン飛び跳ねるような独特な飛翔モードは翅を閉じた状態での保持時間が長く、閉翅状態での撮影確率が相対的に高いのでしょう。このあたり例のEX-F1の動画モードで確認したくなります。2枚目は閉翅での典型例。茎と茎の間にギリギリ被写体が収まった事例でもあります。わずかなタイムラグで葉被りを起こして没画像が沢山できてしまいます(^^;; 3枚目は翅を打ち下ろした時の翅の「しなり」状況がよくわかる事例。前翅がアーチ状に撓って、空気を抱き込んだ感じが出ています。競泳の達人は「水を掴む」ような表現をしますが、ヒメウラナミジャノメも「空気を掴む」感覚があるのかもしれません。

 個体数が多いと2頭の絡みもよく起きます。2枚共にトリミングしています。
f0090680_2252755.jpg
D40-1855@18mm、ISO=1600, F10-1/3200、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:11時05分 
f0090680_22522273.jpg
D40-1855@18mm、ISO=1600, F11-1/3200、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:11時09分 

 高速シャッターを切る作戦はまずまずの成果を挙げたと思います。昼頃になって、土手を歩いているとジャコウアゲハ♀も登場。これまた草地を縫うようにウマノスズクサを探索しておりました。
f0090680_22523986.jpg
D40-1855@18mm(ノートリ)、ISO=1600, F6.3-1/3200、-1.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:11時54分

 ヒメウラナミジャノメを撮影した後ではジャコウがえらく巨大に感じます。また嬉しかったのは、ボロとは言え、ミヤマチャバネセセリを撮影できたこと。
f0090680_22525615.jpg
D40-1855@55mm、ISO=200, F5.6-1/4000、-1.0EV、撮影時刻:10時40分

 慌ててシャッター優先のまま撮影した失敗作ですが、証拠写真としては十分でしょう。さらにこの日の最大の収穫は↓の画像。
f0090680_22531594.jpg
D40-1855@19mm、ISO=400, F13-1/160、-2.0EV、外部ストロボ、調光補正1/16、撮影時刻:9時39分

 群居したヒオドシチョウ幼虫です。管理人は当地で20年以上、観察を続けていますが、ヒオドシは成虫も含めて目撃事例はこれまでなく、発見した時は本当にビックリしました。平地での記録があるとは言え、神奈川県ではもう少し標高を上げた地域に生息するものと思っておりました。画面中央の集団とは別に画面左下に別の集団も確認できます。ドアップにするとグロい絵になるので、控え目のアップ画像も貼りましょう。
f0090680_22533586.jpg
D70、ISO=400, F11-1/400、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時55分

 蝶屋を自認する管理人にとっても気持ち悪い眺めですね(^^;; 寄生率がかなり高いと聞いているので、果たして何頭が無事羽化することができるのでしょうか?蛹化直前、終齢幼虫がエノキの幹を一斉に降りる行動も含め、様子を見守りたいと思います。
by fanseab | 2008-05-19 23:05 | | Comments(14)
Commented by maeda at 2008-05-20 06:11 x
ヒメウラナミのバトルが良い感じですね。
実はこの蝶の飛翔をほとんど狙っていませんでした。何時も居るからと言う理由と、白い♀の広角を狙っていたからです。今年は私も真似してみます。
軍団幼虫は好きにはなれません、撮りますけど。
Commented by 空飛ぶhaha at 2008-05-20 16:54 x
ああ、よかった~。 fanseabさんやmaedaさんでも軍団幼虫は気持ち悪いと思われるのですね?(笑)
でもなんか恐る恐る見てしまうんですよね。不思議です。
↓のトラップにくるキナバルミカドアゲハを拝見して、「私もミカドさんにトラップを仕掛けてみよう!」と思い、トベラの横に晩御飯の残飯を置いたのですが...ダメでした~。(笑)
Commented by banyan10 at 2008-05-20 18:53
ここの幼虫はかなり大きくなるまで集団でいますね。
僕も大きくなった幼虫を探そうと思っています。
ヒメウラナミの絡んだ飛翔は見事です。
Commented by fanseab at 2008-05-20 21:33 x
maedaさん、種類によらず2頭のバトルが写しこめると嬉しいものですね。狙って撮ろうと思っても、思い通りの絵はなかなか得られません。ヒオドシを始め軍団を形成する幼虫達は塊として鳥達を驚かす生存戦略なのでしょうが、人間にも効果があるようです(笑)
Commented by fanseab at 2008-05-20 21:40 x
空飛ぶhaha様、「軍団が大好きだ」という人は稀でしょう(笑)
一応、記録として撮影しているだけです。怖いもの見たさ・・・、わかります。好奇心が無くなったら人間おしまいです。ミカドのトラップ、晩御飯の残飯でもOKなのですが、海老や蟹を火に通していませんか?生でないとトラップの効果は全くありません。スーパーで、haha様お得意の?タイムサービス品を買って、室温で腐らせれば、寄ってくると思います。とにかく臭くなるまで、腐らせてください。それがコツです。
Commented by fanseab at 2008-05-20 21:42 x
BANYANさん、ヒオドシ幼虫を見るのは、殆ど始めてなので、集団がバラけるタイミングの知識がありません。アップしたのは少なくとも4齢に達しているものがいると思います。このまま成長すれば、6月中旬頃に羽化でしょうか?
Commented by furu at 2008-05-20 22:17 x
ヒメウラナミジャノメの飛翔は私も挑戦した事がありますが、上下動+意外なコース変更のために苦戦した記憶があります。仰る通り、閉翅状態の画像が多かったです。
↓去年フタオチョウやコノハチョウのトラップにナンプラーのスポーツドリンク割りを霧吹きで飛散させましたが、効果があったような無かったような・・・
Commented by ダンダラ at 2008-05-20 22:19 x
ヒメウラナミジャノメの飛翔はかなり難易度が高いものだと思っていますが、いずれも見事に撮影されていますね。
D40の高感度でのノイズの少なさと、外部ストロボの成果でしょうか、高速シャッターとかなり絞り込んだ絞り値での広角撮影。
普段あまり試していない組み合わせなので、ストロボはともかく今度試してみたくなりました。
Commented by fanseab at 2008-05-20 22:28 x
furuさん、こんばんは。ヒメウラナミジャノメ、「簡単じゃないか」と高をくくって挑戦しましたが、仰るように苦戦しました。道路脇だと水平飛行するので難易度が下がりますが、それでは「草地を縫う」表現ができないので、難しい点です。それとレンズも草地を縫うので、レンズが結構汚れました(^^;; トラップの件、コノハチョウにはパイナップルのほうが効くのではないでしょうか?ナンプラーのスポーツドリンク割りはむしろpapilioに効果があるような。
Commented by fanseab at 2008-05-20 22:34 x
ダンダラさん、furuさんのコメント↑に書いたとおり、結構苦戦しました。この日の日照条件ではストロボ不要で、ISO=1600&1/2500は切れたと思います。ただ草地の日陰に入り込んだ時にストロボが効果を発揮する→RAW現像でのレタッチが簡単になる→結果的に歩留まりが上がる効果があったと思います。D300だと秒間コマ数が稼げる分、大変有利でしょう。
Commented by cactuss at 2008-05-20 23:17
ヒメウラナミジャノメはよく見るので、飛翔写真をねらってみますが、なかなかうまく撮影できません。採集しやすい蝶と撮影しやすい蝶が違う様に飛翔を撮影しやすい蝶も違う様ですね。ヒオドシの幼虫軍団はまだ、見たことがありません。これが目の前にあったら、引くでしょうね。
Commented by kenken at 2008-05-21 00:38 x
私もそろそろストロボ買わねば・・・
飛翔写真もさることながら、ミヤマチャバネセセリ、いいなぁ~
実は、私、滋賀県にミヤマチャバネの探索に行ったのですが、いつの間にかウスバシロの飛翔撮影に化けてしまったような。(笑)
Commented by fanseab at 2008-05-21 23:35 x
cactussさん、このジャノメが芝草状草原を飛ぶのなら、飛翔は簡単でしょう。とにかく草に潜りこむのが曲者です。ススキを縫うように飛ぶギンイチ飛翔の難しさに相通ずるものがありますね。
Commented by fanseab at 2008-05-21 23:37 x
kenkenさん、ミヤマチャバネはギンイチよりも個体維持の生息条件が緩いのか、しぶとく生き残っておりました。関西では意外とこのセセリの探索、苦労しているようですね。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード