探蝶逍遥記

「加古川のチョウを守ろう」シンポジウム出席(2月23日)

 管理人もこよなく愛する東播磨の自然と蝶を保全するため、首題シンポジウムが開催されました。管理人は加古川に住んではいませんが、同じ兵庫県民の責務として、趣旨に大いに賛同し、このキックオフミーティングに出席しました。また、管理人は日本チョウ類保全協会会員であるものの、これまで積極的な活動をしていない「不良会員?」でしたので、少しはお役に立ちたいとの思いに駆られての参画でもあります。
 第1部の「報告」では、但馬の蝶・播磨の蝶の管理人・T氏より「加古川のチョウ」の演題で加古川市域に特有の地形・自然とそこに棲む蝶類の関わりについて、平易な解説がなされました。
f0090680_9555715.jpg

 さらに、加古川の里山・ギフチョウ・ネットの管理人・t氏より、加古川市内のギフチョウの生態・保全活動の紹介がありました。特に吸蜜源に関する詳細な観察事例について興味深い報告がなされました。
 続いて、第2部は「特別講演」で、(NPO法人)日本チョウ類保全協会のNさんより、「減り行く日本のチョウと保全活動」の演題で、日本全国の絶滅危惧種の実態・保全活動の明快なレビューがなされました。会場には、加古川市民の方を中心に多くの参加者が以上の報告を真剣に聞かれている姿が印象的でした。
f0090680_9562383.jpg

 以上を受けて、第3部は「全体討論」に移りました。テーマは「ヒメヒカゲ成虫調査」です。東播磨のシンボルとも言うべき、この可憐なヒカゲチョウの生息に関して、本格的な実態調査を本年からスタートさせるにあたり、その方法論について参加者全員による熱いフリートーキングがなされました。蝶屋さんでない虫屋さんから貴重な提言がなされる等、意義深いものになりました。
 閉会後は、お楽しみの懇親会。講演された講師の方や、地域の皆さんといろいろと面白い話が聞けて、楽しい一時を過ごしました。Tさん、tさん、Nさん他の皆様、シンポ運営お疲れ様でした。
f0090680_9564073.jpg

<読者の皆さんへのお願い> 管理人は長野・愛知でのヒメヒカゲ探索経験もありますので、ここ加古川周辺の里山環境に生息する個体群は本当に貴重な財産であることを実感しています。ユーラシア大陸をルーツに持つCoenonympha属(ヒメヒカゲグループ)が何故このような温暖な低標高地域で生き残ってきたのか?貴重な自然遺産である、この生き物を大切に見守っていきたいと思います。この蝶を求めて全国から採集者が押しかけていると聞いていますが、どうか採集自粛・節度ある行動を望むものです。
by fanseab | 2008-02-24 10:01 | | Comments(14)
Commented by maeda at 2008-02-24 16:16 x
西日本のヒメヒは本当に貴重です。
わたしにとってはモドキ、クロツに次、採らなくなった蝶です。
これを一番に集めていたのですが、狭い環境に数頭しか飛んでいない、加古川の環境を見たら、採る気が失せてしまいました。
今も健在かどうか気になります。
Commented by 空飛ぶ父 at 2008-02-24 18:53 x
シンポジウムお疲れ様でした。
う~ん残念。私も東播磨には思いいれも強く、特にヒメヒカゲは大好きな蝶です。神戸にいたら絶対参加してました。
ヒメヒカゲ、減少にストップがかかるといいですね。
がんばってください。
Commented by fanseab at 2008-02-25 00:01 x
maedaさん、採集された実感のこもったコメント有難うございます。広島をはじめ、中国地方の個体群も東播磨以上にヤバイ状況かもしれません。緩慢な飛翔だけに採集圧の影響をモロに受ける点が心配です。
Commented by fanseab at 2008-02-25 00:04 x
空飛ぶ父さん、コメント有難うございます。今回はキックオフでこれから具体的に進める予定になっています。ヒメヒカゲはシンボル的存在で、シルビアやウラギンスジヒョウモン等、東播磨のファウナの素晴らしさを後世に伝えていきたいものです。
Commented by ダンダラ at 2008-02-25 11:41 x
私は広島でヒョウモンモドキ観察会のときに"ついで"という感じで撮影してきました。
私がついでのつもりだったのではなくて、観察会のテーマが違っていたので、かってのヒョウモンモドキの生息地に案内された時に、そこに生息していたわけですけど、fanseabさんの
>ユーラシア大陸をルーツに持つCoenonympha属(ヒメヒカゲグループ)が何故このような温暖な低標高地域で生き残ってきたのか?
というコメントにその貴重さがよくわかり、何でもっと真剣に観察・撮影してこなかったのかと残念でたまりません。
知識がないというのはどうにも仕方のないことですね。
Commented by fanseab at 2008-02-25 22:28 x
ダンダラさん、コメント有難うございます。北方系とも言うべきヒメヒカゲはほぼ南限。一方、南方系とも言うべきシルビアはほぼ北限。この両種がほぼ同一地域で見られる東播磨は特別な地域と認識されるべきでしょう。この地域も含めて日本の蝶相は想像以上に貴重なものだと思っています。中国地方のヒメシカゲ個体群も相当に危うい状況のようです。先ずはどの程度の個体数がいるのか?地道な調査がスタートしようとしています。
Commented by thecla at 2008-02-25 23:27 x
シンポ参加お疲れ様でした。
東播磨の里山環境は、本当に素敵なところなのですね。最近改めて保全のための情報が十分でない種類が多いことに気がつきました。
まずは、「地道な調査」遠回りのようでも王道はそれしかないのではないかと思っています。自分に出来ることは限られていますが、全国各地でちょっとづつ進んでいくことを願っています。
Commented by kenken at 2008-02-26 07:26 x
この日は、出勤していまして行けませんでしたが、シンポの様子が分かり、嬉しいですね。写真のUP、有り難うございます。
ヒメヒカゲを鬼採りする輩がいる現状では、「採集目的での生息地への立入禁止」もやむをえないと思います。同じ蝶屋として残念ですが。
Commented by chochoensis at 2008-02-26 09:27 x
fanseabさん、貴重なシンポジウム参加お疲れ様でした・・・貴重なヒメヒカゲが守られる事を祈っています。草原性のチョウは衰退し易いですね・・・是非守ってください。
Commented by nomusan at 2008-02-26 12:00 x
ヒメヒカゲは2回程広島に行きましたが、本当に狭いポイントが点在してる感じで、これは乱獲したらいなくなるなと思いました。この手の蝶は採集禁止はやむを得ないと思いますね。
 有意義なシンポジウムだったようですね。ご紹介ありがとういございました。 
Commented by fanseab at 2008-02-26 21:30 x
theclaさん、有難うございます。仰る通り、いつのまにかいなくなった・・・状況は避けたいですね。地道な調査は人数をかけなければならないので、今回は良いチャンスだと思っています。小生も肩肘はらずに、自分ができる範囲のお手伝いをしたいと思います。
Commented by fanseab at 2008-02-26 21:34 x
kenkenさん、休日出勤お疲れ様でした。群馬の様子も貴殿のレポートでよくわかりました。全国的に取り組みが進んでいる実感があります。一人が鬼採りしなくても、狭いポイントに10名以上が採集に来る場合も同じことになりますね。
Commented by fanseab at 2008-02-26 21:38 x
chochoensisさん、コメント有難うございます。東播磨の有する貴重な自然を地元の方が再認識して、活動を盛り上げる仕組みが大事だと思っています。草原性といっても東播磨には大草原があるわけでなく、本当にピンポイントで生息環境が保持されているようです。
Commented by fanseab at 2008-02-26 21:41 x
nomusan、maedaさんも指摘されている通り、中国地方の産地も相当に脆弱な環境にあると思います。特に低地の個体群は厳しいのではないでしょうか?先ずは地道な生息数調査からスタートです。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード