探蝶逍遥記

新ズームレンズで飛翔にトライ@伊丹市昆虫館(1月26日)

 今週末、日本列島は今冬一番の寒気に覆われ、関西もとびきりの寒さです。六甲山の山頂付近には先日降った残雪が朝日に白く光っています。こんな寒い日はつい引きこもりたくなりますね。寒さが嫌なら南国に行けばいいのですが・・・、スラウェシやボルネオに日帰りで行く訳には参りません。そこで、自宅から車で僅か30分の南国、伊丹市昆虫館(以下イタ昆と略)の温室に直行です。イタ昆は関西の蝶屋さんにとって真冬の聖地。最近は遠く北海道や九州からブログ仲間が撮影に訪れる等、人気は全国区とも言えるでしょう。

 さて、この日の目的は先日魚露目用マスターレンズとして購入した新ズームレンズ:AF-S DX Zoom Nikkor ED18-55mmF3.5-5.6GⅡ(以下1855と略記)で飛翔撮影し、その性能をチェックすることです。これまで、広角飛翔は対角魚眼の10.5mmにテレコンをつけるか、24mm単焦点で撮影してきましたが、ブログやHP仲間の皆さんが17-18mm程度の焦点域を好んで使用されているようなので、その実証テストです。温室の開館時間である10時から延々1時間半、18mmにフィックスして外部ストロボを装着。マニュアルフォーカス(MF)での置きピン位置と露出設定の最適化を図るべく、約800カット飛翔を撮り続けました。真冬の格好で、温室で奮闘するとムチャ汗かきますね(笑)。途中からセーターを脱いでもう一頑張りしました。

 50カット位撮影して画像をチェックすると、いつもの管理人の悪癖が出ていました。その悪癖とは、被写体が画面の下辺にズレる現象。典型的な失敗例が下の絵です。
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 本人は蝶を画面中央に入れているつもりなのに、人間の視線とレンズの視線のズレ(パララックス)によって、意図せず蝶の位置がズレるのです。解決策はレンズの向きを意図して下げることですが、下げ角度の調整がポイントになります。今回の18mmは、通常使用している10.5mmX1.4TCと同じ感覚で下向きにしたのでは角度が不足しており、微妙に「おじぎさせる」感覚を肌身に滲み込ませるため、長時間のトレーニングとなりました。さあ、それでは練習の成果はいかに????
なお、撮影条件は全て同一で、D70-1855@18mm、ISO=500、F6.3-1/500、外部ストロボ、調光補正1/4

 先ず、この温室一番の人気者とも言えるオオゴマダラ。
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 白飛びしやすい難しい被写体です。このマダラチョウの雄大なスケール感を出すのは意外と難しいものだと悟りました。この日は管理人以外にもデジ一を携えたカメラマンが多数詰め掛けていました。ピンク色の帽子を被った初老の貴婦人が蝶にカメラを向けていると、1頭のオオゴマダラが彼女の襟足付近にご執心?。
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 この1頭、結構しつこくつきまとい、急にご婦人の顔めがけて突撃したりするもんですから、ご婦人もビックリ・・・(^^)
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 どうやら、気品ある香水をフェロモンと勘違いしたのか?それにしても蝶の嗅覚は鋭いものです。空気中に漂うpptレベルの濃度を嗅ぎ分ける能力があるのでしょう。蝶の種類別に付ける香水があったら飛翔撮影の歩留まりが上がるかもしれません(笑)。

 お次はリュウキュウアサギマダラ
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(トリミングあり)

 オオゴマダラを見た後では、モンシロチョウのように小さく感じられます。鮮やかなスカイブルーを表現するのがポイントですね。ルリマダラ類(Euploea属)で最もポピュラーなツマムラサキマダラも数は少ないものの飛んでいました。シャッターチャンスは非常に少なく苦労させられました。先ずは♂
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(トリミングあり)

 予想以上に接近し過ぎてちょっとピンボケです(^^;; 複雑な斑紋が魅力的な♀も新鮮な個体がいて大喜び。
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(トリミングあり)

 オオゴマダラがこの温室のボスだとすると、地面スレスレを儚げに漂うクロテンシロチョウは小さな妖精でしょうか?オオゴマダラ以上に白飛びしやすい難易度の高いシロチョウです。
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(トリミングあり)

 ストロボ照射で淡いブルーの偽色が出ています。南アジアの現地でも綺麗に写すには、やはり自然光に限る蝶ですね。一方雄大に飛ぶツマベニチョウもこの温室ではドームの外壁側(実際のフィールドでは、やや明るめの林縁に相当)に固執する性質があるため、温室内通路では結構難易度高いです。緩やかに飛ぶ♀に狙いをつけ、撮影に成功。
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(トリミングあり)

 実際のフィールドでは♀の撮影は未体験。本物?を早く撮りたいですね!アゲハ類はナガサキ、クロ、シロオビ、ナミアゲハが飛んでおりました。結構ボロが多かったので、比較的鮮度の良かったシロオビの追尾飛翔を貼りましょう。
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 ホバリングしているとアゲハ類も楽です。1時間半のトレーニングで何とかこのレンズの使い方がマスターできたような気がします。なるほど18mm域(35mm換算28mm)は使い勝手が良さそうです。ただ、この日のトライではまだ置きピン位置がシックリこないので、もう何回かイタ昆でのトレーニングが必要と思いました。次回は魚露目で撮影した温室のスター達をご紹介しましょう。
by fanseab | 2008-01-27 14:11 | | Comments(14)
Commented by banyan10 at 2008-01-27 17:53
温室で飛翔撮影は大汗かきそうですね。(笑)
野外に出ると寒くて風邪をひきそうです。着替えが必要でしょうか。
僕は飛翔の場合はフレームに入ればとりあえずは良しとしていますが、ずれやすい方向はありますね。
そうそう、カウンターは2つ遅かったです。(^^;
Commented by 6422j-nozomu2 at 2008-01-27 21:05
新レンズ投入ですか。おめでとうございます。しかし、私と違って技術者肌の貴殿、色々と飛翔実験をされていますね。大変参考になりました。イタ昆もなかなか魅力的なフィールドですね。オバサマの驚いた顔最高です。〇ではなくて、匂いに引かれるところが人間とは違いますね。(笑)
Commented by fanseab at 2008-01-27 22:19 x
BANYANさん、温室では動ける範囲が制限されているので、実際のフィールドに比べると楽ですね。しかし真冬に来た場合はロッカーにでも着替えを準備すべきでしょうね。本体HPの件、次回頑張ってください。
Commented by fanseab at 2008-01-27 22:22 x
ノゾピーさん、魚露目と飛翔両方に使用可能と睨んで比較的お財布に優しい新レンズを購入しました。僅か200gのとっても軽いレンズなので、飛翔には最適です。オバサマの香水の匂い、小生は全く感じられませんでした。嗅覚は蝶にかないません。
Commented by maeda at 2008-01-28 06:23 x
レンズを変えると併せて撮影の感も調整が必要になりますね。
私は当分10.5mmで飛翔も撮影予定です。ただし、近づけない蝶をどうするかが問題です。17-70mmも使う時が出てきそうです。
Commented by chochoensis at 2008-01-28 08:24
fanseabさん、=伊丹市昆虫館=なかなか素晴らしい場所ですね・・・近ければ行ってみたい誘惑に駆られます。小生、「オオゴマダラ」の飛翔に憧れています・・・あの雄大な飛び方が大好きです・・・。
Commented by nomusan at 2008-01-28 21:16 x
伊丹昆虫館、行かれたのですね~。
私たちが行ったときもカメラ持った人達が沢山いて驚きました(笑)。
なる程、香水に反応するのですね、私にとまったのは前日のアルコホルの残り香かな?
Commented by fanseab at 2008-01-28 22:06 x
maedaさん、仰る通りで、小生の場合、90mmマクロで長く飛翔をやった感覚が抜けないため、広角での感の調整が難しくなっています。10.5mmだとシジミ類が苦しく、今回の18mmに期待しています。
Commented by fanseab at 2008-01-28 22:09 x
chochoensisさん、真冬の一時、南の蝶と戯れるのは楽しいものです。そちらからですと、多摩動物公園の蝶園が一倍近いのでしょうか?オオゴマダラは実際のフィールドでは結構撮影難しいのですが、イタ昆では気軽に撮れますね。
Commented by fanseab at 2008-01-28 22:12 x
nomusan、イタ昆は結構カメラマンで溢れていますね。確かにアルコホルの匂いでも誘引されるかも。スジグロカバマダラの飛翔が撮れなかったのが残念でした。スジカバも意外と遊歩道に登場してくれませんね。
Commented by ダンダラ at 2008-01-29 11:19 x
野外の蝶以外は興味ないので、温室には随分行っていませんが、飛翔の感をつかむのには良いかなと思っていたところです。
このオフシーズンに一度足を伸ばすのも良いですね。でも多摩動物園まで1時間半位かかるのでちょっと面倒です。
Commented by kenken at 2008-01-29 20:59 x
なるほど、昆虫館での試し撮りとはよろしいねぇ~
私もオープン戦気分で行ってみようかしらん・・・
1855、なかなかよさそうな画像ですね、これで飛翔写真だと蝶が結構大きく表現されてかっこよいです!
Commented by fanseab at 2008-01-29 21:37 x
ダンダラさん、もちろん小生もここでまっとうなマクロ写真等、撮る気は毛頭ありません。練習用のフィールドと割り切っての利用です。多摩動物園よりも建屋が小規模なことが幸いして、多摩よりも空間あたりの蝶密度は高く、練習には好適です。
Commented by fanseab at 2008-01-29 21:42 x
kenkenさん、イタ昆はブログ開設当初に10.5mm飛翔の練習に訪れた思い出の場所で、新レンズ導入時には便利な場所ですね。同じマスターレンズの焦点域で、貴殿の所有されているEF-S18-55mm F3.5-5.6 Ⅱ USMでも問題なく魚露目とマッチすると思いますよ。お試しあれ!越冬卵撮影等には、最近でた同焦点域でIS付きEF-Sレンズも良さそうです。
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