探蝶逍遥記

ムラサキシジミ越冬集団の観察(1月13日)

 管理人はサラリーマンとして結構長年働いているほうだと思いますが、近年は成果主義なる恐ろしい制度がまかり通って、本来怠け者の管理人を悩ましております(^^;; これと平行して最近よく会社で話題になるのが「PDCA」なるキーワード。読者の皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれません。かいつまんでご説明すると、

(1)Plan:実績を踏まえて課題を想定し、業務計画(プラン)を練ること。
(2)Do :計画に従って実行すること。
(3)Check:計画通りに物事が進行しているかチェックをすること。
(4)Act:チェックの結果、問題がある場合は、その問題をよく分析し、改善点をは   っきりさせて処置すること。

 つまり、ぼや~っと仕事をしないで、(1)から(4)の順番で仕事をきちんと実施しなさい!ってことなんです。「PDCAはきちんと回しとるか!」とか「お前はPDはようやるけど、CAが弱いんやなぁ!」とか上司から繰言をよく言われたり、たまには部下に言ったりしております。上役にとっては便利なキーワードですな(苦笑)

 さて、蝶観察を成功させるにも実は↑のPDCAを回すことが大事だなって最近つくづく思います。この冬、管理人は「ムラサキツバメ越冬集団の観察」をメインテーマにして、何とか関西周辺で独自の越冬ポイントを発見すべく、探索しております。これまで候補地を絞って、「PD」を実施してきましたが、なかなか成果が上がりません。そこで、「CA」をきちんとフォローすべきだと思って、先日、関東に出向き、ブログ仲間のBさんの助けを借りて、彼らの越冬ポイントの必要条件を小生なりに分析して参りました。まあ、サラリーマン風に言えば、「Bさんを講師に研修してきた」わけであります。

 いや~、前置きが長くなってスミマセン。そこで、本日、『研修』の成果を問うべく、阪神地区にある自宅から程近い公園の観察に出向きました。昨晩から急に寒波がやってきて、六甲山頂には雪雲のような厚い雲が垂れ込めています。急に曇って俄雨が降るなど、不安定な天候でした。結局三箇所の公園を巡ったのですが、結果は坊主でした。理由は簡単でした。先日の千葉での観察結果からムラツの越冬に適したポイントは以下の4点が必須だとの結論を得たのですが、本日巡った公園は①、②を満足していなかったのです。

<ムラツ越冬集団ポイントの生息環境>
①越冬樹の北側もしくは西側に寒い季節風(北~西風)を防ぐ、密度の濃い林が存在すること。
②比較的、葉の面積が大(※)なる樹木が①の南側にあること。
※カクレミノ、アオキ、サンゴジュ、マテバシイ等
③②の葉の密度が濃く、雨が直接当たらないように庇となる葉が存在すること。
④昼間の一定時間帯は、②の樹木に陽が差すような方角配置であること。

 諦めムードが直ぐに漂いました。しかし折角公園に来たのだからと、暫くは野鳥で遊びました。別に珍鳥がいるわけでなく、普通種でしたが、結構ストレス発散になります。

<水浴びに来たヒヨドリ>
f0090680_2255576.jpg
D70S-VR84@400mm、ISO=500、F9-1/1250、-0.3EV、撮影時刻:10時31分
<満開のサザンカに紛れたメジロ>
f0090680_22551953.jpg
D70S-VR84@400mm、ISO=500、F9-1/160、+0.3EV、撮影時刻:10時58分
<餌を啄ばむハクセキレイ>
f0090680_22553512.jpg
D70S-VR84@400mm、ISO=500、F6.3-1/800、-0.7EV、撮影時刻:11時07分

 さて、野鳥撮影を終えて引き上げようと思い、車をUターンさせた時、何となく美味しそうな(笑)マテバシイを発見。急遽駐車してチェックしてみました。こんな場所です。
f0090680_22555270.jpg
GX100@5.1mm, ISO=80, F6.5-1/104、-0.7EV撮影時刻:11時14分

 北側が高い壁(歩道橋の一部)になっていて北風を完全に防いで陽射しも良好です。つまり、↑の条件①、②、④を満足しているのです!早速チェックすると↑画面黄色矢印に越冬集団を発見しました!先ずはマクロで一枚。
f0090680_2304836.jpg
D70-1855, ISO=200, F7.1-1/80、-0.3EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:11時31分

 といっても、ムラツではなくムラサキシジミの越冬集団で3頭が枯葉に潜んでいました。マテバシイの葉が庇になっています。ブログ仲間のレポートでは、「ムラシ越冬集団はムラツと異なり、殆どが枯葉を好む」とされています。↑でもマテバシイの葉に引っかかった大き目の枯葉を利用している点は全く同じです。いつものように魚露目で接近撮影ですが、崖状の石壁によじ登っての撮影なので、苦労しました(^^;;
f0090680_22561577.jpg
D70-1855-gy8, ISO=200, F29-1/100、外部ストロボ、調光補正1/2、撮影時刻:11時42分

 手前(上)の2頭は相当にボロ品で、3頭いずれも頭を北にしております。生息環境がわかるように、もう少し引き気味でパチリ。
f0090680_22563035.jpg
D70-1855-gy8, ISO=200, F22-1/100、外部ストロボ、調光補正1/2、撮影時刻:11時48分

 ご覧のように、このポイントは住宅街のど真ん中。「カメラを持った不審者が崖によじ登って、盗撮か何かを撮影している」と警察に連絡される恐れがあるので撮影は早めに終了です(笑)

 何とかムラシ越冬集団が観察できてヤレヤレでした。一方、ムラツ探索ですが、上記4条件を満足しそうな管理人の既知ポイントはあと2箇所位あります。千葉での研修の成果を早々に試したいと思っております。

 さて、撮影条件をきちんとご覧になった読者の方はお気づきになられたかもしれませんが、今回の魚露目はいつものGX100ではなく、デジ一眼のD70を使用しました。本日がフィールドでのファーストトライアルでしたが、出来栄えには満足しております。本件については、後日、詳細にレポートする予定です。
by fanseab | 2008-01-13 23:03 | | Comments(14)
Commented by 空飛ぶ父 at 2008-01-13 23:56 x
実は私も来週に研修形式の試験があって、問題解決を主とした勉強をしています。なかなか、すぐに向上するようなものではないのですが...
私は「ムラツ」も「ムラシ」も越冬集団にはお目にかかっていません。
こちらでもがんばって探してみようかなと思いました。
D70と魚露目の組み合わせのレポートも楽しみにしています。
Commented by fanseab at 2008-01-14 08:56 x
空飛ぶ父さん、早速のコメント有難うございます。石垣蝶旅行の後の研修お疲れ様です。ムラツに比べれば、ムラシの越冬集団は発見しやすいかもしれません。北~西をアラカシで囲まれた畑地の林縁あたりがポイントになるでしょう。ご家族3名で枯葉を丹念に探せば見つかると思いますよ!
Commented by maeda at 2008-01-14 09:06 x
良い環境ですね。
私も喜んで撮っていると思います。
ただ、最近は不審者が多いので、誤解ないように注意が必要ですね。
Commented by banyan10 at 2008-01-14 18:58
何とかムラツの集団見つかるといいですね。
今年は時期的に難しいかもしれないですが、早めに探しだせば必ず成果がありそうですね。
風を防ぐ林は意識したことありませんでしたが、他の場所でも気を付けてみる必要がありそうです。
やはり、近くに池や川がある場所というのも条件の1つではないかと思います。
Commented by fanseab at 2008-01-14 23:21 x
maedaさん、自宅から徒歩圏内なので、この先、楽しみが増えました。近所の方から質問されたら、素直に答えようと思っております。しかし、街中での撮影は冷や汗ものです。
Commented by fanseab at 2008-01-14 23:23 x
BANYANさん、冬の進行と共にムラツも数を減ずるでしょうから、早目に探索したいと思っています。例の公園ではマテバシイが発生木であると同時に越冬時の防風林の機能を果たしていると思い至りました。ムラシの場合は近くに池や川がなくても良さそうですね。
Commented by ダンダラ at 2008-01-15 09:21 x
ムラサキシジミの越冬集団発見、おめでとうございます。
この時期はかなり数が減っているので、12月に比べるとかなり難易度が高いと思いますが素晴らしいですね。
ムラツの方はおっしゃる4条件にある程度の湿度が必要で、banyanさんが書かれているように、近くに水場があることがかなり重要だと思います。
ただ距離的には50mくらい離れていても水源が大きいと大丈夫なようです。
Commented by 虫林 at 2008-01-15 22:41 x
PDCAサイクルでの蝶発見とは、なかなか面白い試みですね。はっきりと目的意識を持って見つけたときの喜びはさぞ大きかったと思います。ただぼんやりと探している僕は反省しなくては!
一眼でのGyorome写真はなかなか良いですね~。これからが楽しみです。小生の場合、E-3ですとかなりの露出補正が必要でしたが、その辺はいかがでしたか?
Commented by fanseab at 2008-01-15 23:50
ダンダラさん、コメント有難うございます。
ムラシの越冬集団観察経験が初めてなので、難易度についてそう仰って頂けると嬉しいですね。ムラツの湿度要件については、例の公園での状況検分で納得できました。
Commented by fanseab at 2008-01-15 23:56
虫林さん、ムラツ単体は特別撮影が困難な蝶ではないですが、越冬集団となった段階で難易度がウルトラC級になりますね。ですので冷静に彼らのねぐらとなる条件を分析しないと撮影は覚束ない・・・と考えてトライしているところです。これは一種の自然との駆け引きですから、こちらが勝った時の喜びは大きいですね。一眼gyoromeはまだ露出設定とか手探りです。外付けストロボのディフューザー設計を少し変えたので、これに関連した最適露出の探索をしているところです。
Commented by chochoensis at 2008-01-16 22:41
流石ですね・・・探し方にも計画性がないと効果がでにくいんですか・・・勉強になります、「ムラサキシジミ」越冬の撮影おめでとうございました、今度はムラサキツバメですね、期待しています。
Commented by fanseab at 2008-01-16 23:22 x
chochoensisさん、貴ブログの記事も参考にさせて頂いて、やっとムラシ越冬集団を探し出すことができました。探し方のヒントをブログ仲間の記事からご教示頂いたことで、ものすごく探索効率が上がっていると思います。感謝感激です。
Commented by kenken at 2008-01-17 00:57 x
PDCA、私と思考パターンが似ていますね。ナゼか嬉しい。
しかし、ムラツ越冬は見つかりませんねぇ~CAの精度をあげんといかんのかもです。
ところで、PDCAの最後のAは普通はActionですが、Actと書かれたのは意識してでしょうか?実は、私は、いつも動詞に揃えたくて、Actって書く主義なんですわ。(笑)
Commented by fanseab at 2008-01-18 00:00 x
kenkenさん、小生も通常の蝶探索でPDCAなんて意識せずやっています。しかし、ムラツ越冬集団については別次元の難しさを感じ、「CA」が重要との観点から、長々と書かせて頂きました。「A」の表記は意識せず、偶々あった近くの資料を参考にしたまでです。貴殿の拘りには納得です!
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