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探蝶逍遥記

対角魚眼でムラシを撮る(12月1日)

 早いもので、もう12月。先週に引き続き、近場の東播磨~阪神地区でムラツの探索です。まずは、以前から航空写真で目星をつけていた神戸近郊のスポットへ参戦。現場についてみると、予想通りの豊かな森林地帯。しかし、マテバシイやシリブカガシは殆どないことが判明。集団越冬時は、これらの食樹から離れるとはいうものの、食樹が全くないのでは、さすがに厳しいですね。ただの1頭も見かけません。
 ここはしかし、野鳥撮影には絶好のポイントのようです。繁みで木の実をついばんでいたメジロを撮影。
対角魚眼でムラシを撮る(12月1日)_f0090680_19301589.jpg
D70S-VR84@400mm-X1.4TC, ISO=500, F8-1/200、-0.7EV、内蔵ストロボ、撮影時刻:9時17分

 今までのメジロ画像で最も鮮明のものが得られて個人的には満足です。暫く歩き回って、南東側に開けた畑地に出ました。ここは周囲をアラカシの林に囲まれていて、すぐにムラサキシジミが畑地に舞い降りました。まだきちんと撮影できていない♂でした。
対角魚眼でムラシを撮る(12月1日)_f0090680_19304538.jpg
D70, ISO=200, F10-1/250、-0.3EV、撮影時刻:9時48分

 ちょっとボロ品ですけど、朝日を浴びた深い紫色は綺麗ですね。畑地から吸水しているのか?暫く観察するも、どうも日光浴が目的だったようです。このポイントではムラツは期待できそうにないので、狙いをムラシ一本に絞りました。90mmマクロで撮影するのも芸がないので、ここは普段あまり使用しない、ワイコン無しの対角魚眼で「ムラシにいかに接近できるか?」をテーマに撮影に集中しました。

 先ずは♂の横広角。
対角魚眼でムラシを撮る(12月1日)_f0090680_19311936.jpg
D70-10.5, ISO=200, F10-1/200、-0.7EV、撮影時刻:10時15分

 この画像で左側のアラカシ林がムラシの溜まり場で、多くの個体が梢から降りてきて、日光浴を楽しんでいました。♂はどうも相性が悪いのか(笑)、完品に出会えませんね。お次は♀の横・縦広角。
対角魚眼でムラシを撮る(12月1日)_f0090680_1932893.jpg
D70-10.5, ISO=200, F10-1/400、-1.0EV、撮影時刻:10時23分
対角魚眼でムラシを撮る(12月1日)_f0090680_19323046.jpg
D70-10.5, ISO=200, F10-1/80、-0.7EV、撮影時刻:10時37分

 ♀はまずまずの個体に出会えたようです。同じ10.5mm対角魚眼を所有されている読者の方はお気づきかもしれませんが、♀横広角の画像では、本当にレンズが蝶に触れんばかりの距離での撮影です。いつもはX1.4テレコンの助けを借りて被写体とのワーキングディスタンスを稼ぐわけですけど、テレコン無しで接近する際、蝶との間合いを詰める緊張感は独特で、スリルがありました。

 柔らかな陽射しを浴びて、チラチラ飛ぶムラシを見ると、飛翔シーンも撮りたくなりました。それほど熱心に追跡したわけではないけれど、赤く色づいたナナカマドとのツーショットが何とかものにできました。
対角魚眼でムラシを撮る(12月1日)_f0090680_1941279.jpg
D70-10.5(トリミング), ISO=200, F11-1/400、-0.3EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時30分

 午後からは、場所を東に移動して阪神地区の海岸線近くにある公園でのムラツ探索。ここは結構マテバシイの植え込みがあり、公園にしては剪定もいい加減な管理状態だったので、かなり期待しました。しかし、ここでも1頭もムラツを見ることなく、敢え無く惨敗です(^^;; 唯一、救いだったのが野鳥での成果。ルリビタキ♀と思われる個体をかなり至近距離からゲットでき満足です。
対角魚眼でムラシを撮る(12月1日)_f0090680_1933853.jpg
D70S-VR84@400mm-X1.4TC, ISO=640, F8-1/800、撮影時刻:13時17分

 管理人の野鳥同定能力は素人並ですので、間違いあれば、指摘願います。ルリビタキの場合は♂の幼鳥も♀同様な色合いで、間違いやすい・・・と図鑑に記載がありました。どちらにせよ、尾のブルーがとてもシックな印象ですね。

 この日も結局、ムラツには出会えませんでした。ちょうど当日、ブログ仲間の Nさんは、奈良のポイントで♂♀開翅をダブルゲットされていたようで、羨ましい限りでした。やはりムラツの集団越冬は既知ポイント近傍の方が有利なのでしょうね。一度、奈良にでも遠征してみようかな?
by fanseab | 2007-12-03 19:42 | | Comments(14)
Commented by maeda at 2007-12-03 20:47 x
fanseabさん、テレコンなしの広角撮影も楽しいと思いませんか?
その超接近感が癖になっている私です。
良く逃げられますけど。
Commented by fanseab at 2007-12-03 22:55 x
maedaさん、最近、(GX100+魚露目)のコンビでお手軽に魚眼撮影することが多いので、原点に戻ってNIKONの名玉、10.5mmの世界に拘ってみました。仰るとおり、コンデジでの撮影とは異なる超接近感と背景描写が魅力です。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-12-03 23:19
ムラシは比較的ファミリーな蝶ですので、広角でもなかなか面白い写真が撮れましたね。ムラツはその点、凄く敏感で、多分1㍍以内には近づけないと思います。鳥もエエ写真です。メジロは大変愛くるしいし、私も多分ルリビの♀だと思いますが、実にシャープな写真です。次の土曜日はパソコン他の納品日ですので、出撃出来ませんが、日曜日はフリーですので、もし天気・気温がそこそこでしたら、御一緒いたしましょうか。よろしければ連絡くださいませ。
Commented by cactuss at 2007-12-03 23:22
小生も紅葉したモミジをバックに入れて、ムラシを至近距離で撮影しようとしましたが、逃げられてしまいました。魚眼でこの大きさに撮影できるとはすばらしいです。
Commented by 虫林 at 2007-12-04 19:33 x
広角で環境を入れての写真は、みていてとても興味深いです。
3枚目のオスの横広角は、僕は好きです。このくらい小さくても蝶の存在感は十分にありますね。
Commented by banyan10 at 2007-12-04 22:40
魚露目とはかなり印象が違う広角になりますね。
ムラシは♀の方が見る機会が多いので、綺麗な♂はなかなか見れない気がします。
Commented by fanseab at 2007-12-04 22:50 x
ノゾピーさん、ムラツは90mmマクロできちんと撮影したことがないので、魚眼で狙うのは先の話しですね(^^;;野鳥画像、貴殿に誉めて頂いて有難き幸せです。ルリビはヒタキ雌フェチの心をくすぐる洒落た鳥ですね。奈良出撃の件、別途私信入れさせて頂きます。
Commented by fanseab at 2007-12-04 22:52 x
cactussさん、先ほど貴サイトのモミジと♂ツーショット画像拝見しました。素晴らしいですね。魚眼での接近戦は緊張感があって、面白いです。もっとも初めて出会った珍品ではそんな余裕ないですけど。
Commented by fanseab at 2007-12-04 22:55 x
虫林さん、ご指摘の通り、撮影ポイントの環境を一番的確に表現できたのが、♂横広角画像です。敢えてロングショットで狙う撮影はある意味、勇気が要りますね。
Commented by fanseab at 2007-12-04 22:59 x
BANYANさん、デジ一魚眼での撮影は、魚露目と異なり、被写体に影が入りやすい欠点があります。今回の撮影でも、影を回避することに最大の神経を使いました。Nikonの10.5mmは歪曲収差以外の像面歪曲は非常に軽微で、美点の一つでもあります。
完品の♂、貴殿でも見つけがたいのですね。安心しました(^^)
Commented by chochoensis at 2007-12-05 08:27
fanseabさん、「ムラサキシジミ」雄・雌・・・綺麗に撮影されていますね・・・メジロもルリビタキも素晴らしいです。
「ルリビタキ」の雌と雄の若鳥の識別は難しいですね・・・=翼角(写真のオレンジ斑紋の右側の羽の付け根)に薄い青い色があれば雄の若鳥なのですが、拡大してみても、微妙ですね・・・青いような無い様な・・・。
また、胸のオレンジがオスの場合は、濃くなるのが普通ですからこの個体は雌かな???
Commented by fanseab at 2007-12-05 22:54 x
chochoensisさん、ムラシを拘って撮ろうとすると、やはり綺麗な個体を探してしまいます。魚眼撮影が可能な個体に限ってボロ品だったり、上手くいきませんね。
ルリビタキに関する詳細なコメント有難うございました。鳥は成長の過程で色が変化するので素人には難しいです。
Commented by kenken at 2007-12-06 22:07 x
こちらでもムラツの越冬軍団はなかなか見つかりまへんなぁ~
そんなときに遊んでくれるのがムラシですね。
アラカシの雰囲気がとてもよく出ています。10.5mmFisheyeですか。体ごと蝶に近づくと逃げられ易いので、結構大変な撮影だったのでは?
Commented by fanseab at 2007-12-06 23:43 x
kenkenさん、ムラツ越冬軍団撮影への道は険しいものがありますね。ムラシで癒しのひと時でした。テレコンなしの10.5mmでは、「いかに自然と一体化して蝶に近づくことができるか」なる貴HPのキャッチコピーそのものの世界で、難易度大ですが、嵌ると面白いです。余裕が出たらキマリンをこのレンズで狙ってみますね!
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