探蝶逍遥記

南紀探索(11月3日):その(4)

 この連載の冒頭にご紹介したように、現地に到着した頃は雲量が多く、蝶の活動は遅れ気味でした。そんな中、真っ先に元気な姿を見せたのはヤマトシジミでした。この時期、青♀に注目が集まり勝ち。しかし冬の装いに変身した♂も見逃せません。
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D70, ISO=200, F6.3-1/2500、-1.0EV、撮影時刻:8時56分

 ビロード状の光沢はカバイロシジミにも通じる渋さがあるような気がします。サツマシジミが活発に飛ぶ時刻になると、吸蜜に余念がないのがヤクシマルリシジミの♀。吸蜜の合間にご開帳してくれました。
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D70, ISO=200, F8-1/800、-0.3EV、撮影時刻:9時58分

 残念ながら♀の適期は過ぎていたようで、この個体も縁毛がかすれています。お次は飛翔。
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D70(トリミング), ISO=640, F5-1/2000、-0.3EV、撮影時刻:11時26分

 こちらも右前翅が欠けていますね。林縁の陽だまりで大きなシジミが舞い降りるのを目撃。ムラサキツバメの♀で、すぐに開翅してくれました。
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D70, ISO=200, F8-1/400、-0.3EV、撮影時刻:9時54分

 こちらもかなりくたびれた個体なので、これ以上の追跡は止めました。開翅日光浴の合間には地面に降りて吸水していました。ムラサキツバメが舞い降りたあたりに樹高6m程のウバメガシによく似た樹木がありました。そこから優雅に飛び立ったのが、アサギマダラ。その数は次第に増えて、最大7頭ばかりが舞っていました。どうやら彼らの狙いはこの花弁からの吸蜜。
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D70S-24, ISO=500, F9-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時53分

 しかし、ウバメガシの花期は5月頃のはず。変だな?と帰宅してから図鑑で調べると西日本の海岸線沿いに多いとされる「ナワシログミ」の花でした。近くにはツワブキやセンダングサ等、吸蜜源は他にもあるのですが、彼らはことのほか、この花にご執心でした。優雅な舞を見れば撮りたくなるのが飛翔シーンです。
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D70S-24, ISO=500, F8-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時49分

 トリミングなしで被写体が中央に来ると嬉しいですね。この画像、よく見ると、アサギマダラの左右にサツマシジミ♀が2頭舞っており、偶然とは言え、貴重な絵になりました。この日目指したテーマは「南紀の太陽をバックに優雅に舞うアサギマダラ」。しかし太陽とのツーショットは難しいものですね。青空バックのこの程度しか写せません(^^;; 
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D70S-24(トリミング), ISO=500, F9-1/1000、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:10時50分

 レンズのゴーストフレアが太陽を背にしていることの証拠になりましたが・・・。 また今回訪れたサツマポイントは、黒潮洗う岩礁地帯。岩場を探索すると、このような植物が生えておりました。
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GX100@5.1mm, ISO=100, F6.5-1/32、-0.3EV、撮影時刻:8時13分

 当然、海クロツ幼虫&成虫も探索しましたが、坊主でした。さて、南紀は知る人ぞ知る、「迷」の産地。黄色い蝶を見ると、つい追いかけたくなります。最近、ブログ上を賑わしているクロマダラなんちゃらとは比較にならない珍品、○シ○シキチョウの可能性を求めて思わずパチリ。
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D70, ISO=200, F8-1/400、-0.3EV、撮影時刻:11時41分

 しかし、煮ても焼いても、逆立ちしても(笑)、キタキチョウでございました。12時過ぎ、サツマポイントを後にして北上し、某市に転戦です。先月某マダラチョウが確認されているポイント付近で1時間ばかり探索しましたが、これまた坊主。そうそう旨い話は転がっておりません。「迷」の道は険しいですね。結局、この日の総走行距離525km。活動時間14時間。成果はともかく、さすがに疲れが残りました。次回は温泉に泊まり、黒潮で揉まれた海の幸をつまみながら、一泊二日の探索をしてみたいものです。 (了)
by fanseab | 2007-11-11 21:01 | | Comments(16)
Commented by banyan10 at 2007-11-11 21:15
逆光のアサギマダラの飛翔は素晴らしいですね。
太陽が入るとどんな絵になるんでしょうかね。来年は狙ってみたいです。
本州では迷蝶狙いは難しいですね。湘南もいろいろ記録はあるようなので、いつも淡い期待は持って行くのですが。(^^;
Commented by thecla at 2007-11-11 21:45 x
渡りのアサギマダラ君はちょうど南紀あたりまで行っているのですね。
青空バックの飛翔は、この時期とは思えない日差しの強さで、やっぱり南国ですね。
台風後は、つい迷がいないかと出歩きますが、もちろん一度も見たことありませんわ。
Commented by fanseab at 2007-11-11 22:17 x
BANYANさん、太陽入りの飛翔は10.5mm対角魚眼にテレコンをつけたレンズ系で狙うべきだったと反省しています。この時はサツマ飛翔狙いで24mmをつけていたので、これでアサギマダラも追まわしていました。迷狙いは、やはり台風の後とか狙わないと無理かもです。
Commented by fanseab at 2007-11-11 22:20 x
theclaさん、当地で観察されたアサギマダラは渡りの途中なのかもしれませんが、温暖なこの地ゆえ、ここで越冬する可能性もあるかな?と思った次第です。南紀の朝はそれなりに寒かったんですが、日差しの強さは強烈でした。
Commented by ma23 at 2007-11-11 23:15 x
南紀の蝶あそび、ほんとに楽しく拝見させていただきました。
さいごの2枚の写真についてですが、あの多肉植物のアイツは私も去年がんばりましたがダメでした。さらにキチョウですが、やっぱりアレが気になりますね。
とにかく、みんなおんなじ事を考えてしまうのものですね〜。
Commented by maeda at 2007-11-12 06:20 x
南紀の蝶たちはかつての宮崎みたいです。
そんな蝶たちが見られる南国でしたが、最近は、ツマベニも土着しており様相が変わってきました。
Commented by fanseab at 2007-11-12 22:36 x
ma23さん、こんばんは。初体験の南紀、お蔭様で天候に恵まれて楽しいひとときを味わえました。真夏だと、暑くて耐えられないかもしれませんね。そうですか?クロツとアレ(笑)貴殿も狙われましたかぁ!放蝶ではない、自然にまかせた「迷」にはロマンを感じますね。
Commented by fanseab at 2007-11-12 22:39 x
maedaさん、確かにこの10-20年で南方系のチョウ達の北限が大きく変化したようですね。サツマの場合も、紀伊半島からどこまで北上するか?楽しみでもあり、ちょっと複雑な気分でもあります。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-11-12 22:59
某市で発生しているカバマダラ行かれましたか。私も少し気になっていましたが、ヌルとは残念でした。下から4枚目の写真、狙われて撮影されたとすれば恐ろしいレベルですね。ムラツ開翅も私にとってはかなり刺激的です。どうもこの蝶とは相性がよくありませんから。
Commented by fanseab at 2007-11-12 23:44 x
ノゾピーさん、さすが某市の蝶探し、画策されていたのですね。サツマからの転戦で体力が十分ではなく、適当に探索したのが正直なところでした(^^;; 4枚目、アサギマダラ飛翔はとにかく蝶の下から狙うことにしています。その意味では狙って撮っていますが、サツマが入ったのは全くの偶然です。ムラツは例えボロでも♂だったらなあと残念しごくです。
Commented by 虫林 at 2007-11-13 10:10 x
南紀の暖かい海岸を思わせる画像が並んでいますね。
アサギマダラのストロボ逆光写真はさすがです。アサギマダラが7頭も集まっているとは意外でした。彼らは冬の深まりとともに、暖かい場所に移動してくるのですね。
Commented by ダンダラ at 2007-11-13 21:07 x
空を背景にしたアサギマダラ、ストロボが良く効いていますね。
そのまわりの小さなサツマシジミ、2頭とも見事に翅を開いて絶妙のタイミングになりましたね。
Commented by fanseab at 2007-11-13 23:08 x
虫林さん、まいどどうも。訪れたポイントは恐らく厳冬期でもそこそこ暖かいのではないかと推察されます。ひょっとするとここでアサギマダラがミニ集団越冬しているのでは?と思わせる場所でした。ムラツの集団越冬も期待できそうですが、何せ遠いので気軽に観察できないのが悩みです。
Commented by fanseab at 2007-11-13 23:10 x
ダンダラさん、有難うございます。アサギマダラの一枚目は帰宅してPC上でモニターするまでサツマが写っていることに気がつきませんでした。こんなことがあるから生態写真は止められませんね!
Commented by kenken at 2007-11-15 01:09 x
低温期のヤマト♂も独特の色でよろしいなぁ~
アサギ・・・私もサツマ撮影のときに撮りました。
しかし、サツマは写り込んでいませんでしたが。
ストロボを使っての青空の表現はさすがに素晴らしいですね。
このあたり、海クロツはおりまへんなぁ~
Commented by fanseab at 2007-11-16 01:08 x
kenkenさん、深夜のコメント有難うございます。低温期の♂、やっと新鮮な個体で撮影できました。アサギマダラの飛翔は簡単そうに見えて、意外と満足する画像が得られないものです。サツマとのツーショットは全くの偶然ですね。海クロツ、そうですか、いないのですか?
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