南紀探索(11月3日):その(3)
朝8時半から活動を開始したサツマシジミを追って、閉翅・開翅・吸蜜の各場面が順調に撮影できたので、お次は飛翔にチャレンジです。サツマは吸蜜の合間に飛ぶ軌道がほぼ定まっているので、比較的飛翔シーンが撮影しやすいと思いました。まずは♀から。
D70(トリミング), ISO=640, F8-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:10時00分
D70(トリミング), ISO=640, F4.5-1/5000、-0.3EV、撮影時刻:11時13分
1枚目は急降下、2枚目は水平飛行の場面です。サツマ♀の前翅基部にはブルーの鱗粉が載っていて、ブルーの面積は翅全体に比較してほんの僅かに過ぎませんが、飛翔中は不思議なことに翅全体がブルーに観察されます。2枚目では条件操作を誤って1/5000のシャッター速度を切っています。しかし、結果的には1/2000の画像に比較すると、より鮮明に写っています。少しでもシャッター速度を上げると飛翔画像の質が上がることを再発見した思いで、今後の撮影条件設定のヒントにしたいと思います。
お次は♂。
D70(トリミング), ISO=640, F8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時32分
D70(トリミング), ISO=640, F8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時33分
いずれもコセンダングサ近傍で吸蜜前後のシーン。開翅シーンで苦労した♂独特のスカイブルーの再現性はむしろ飛翔画像のほうが優っているようです。しかし、何度見ても♂の白→スカイブルー→黒と続くグラデーションは本当に見事です。
♂撮影中に♀への求愛シーンも何回となく観察できました。♂の作戦はどうやら♀が吸蜜している最中に後側から忍び寄るパターン。
D70, ISO=200, F4.5-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:11時35分
このように♂開翅シーンは求愛中も撮影できることがわかりました。それにしても♂の行動はきまぐれです。♀(右)と一緒に異性には全く無関心を装って?吸蜜している(左が♂)時もあれば、
D70, ISO=500, F8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時28分
急に「その気になって(笑)」、猛烈に♀にアタックをかけたりします。
D70, ISO=200, F3.5-1/2000、-0.3EV、撮影時刻:11時51分
結局、↑の♂(右)は善戦虚しくあえなく♀にフラレました。それでも「隙あらば・・・・」と、猛烈なスピードで♀を追尾するシーンも奇跡的に撮れました。後ピンですが、仕方ないでしょう。
D70(トリミング), ISO=640, F7.1-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時55分
こうしてみると、♀(上)と♂(下)の色彩差がよくわかりますね。さて、サツマの生態写真としては♀産卵シーンが欲しいところ。ただ今回は♀は産卵のそぶりも見せず、また食樹として最も一般的なサンゴジュも近くになかったので、結局来シーズン以降の宿題となりました。次回はサツマシジミ以外の蝶についてご紹介したいと思います。 (次回に続く)
D70(トリミング), ISO=640, F8-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:10時00分
D70(トリミング), ISO=640, F4.5-1/5000、-0.3EV、撮影時刻:11時13分
1枚目は急降下、2枚目は水平飛行の場面です。サツマ♀の前翅基部にはブルーの鱗粉が載っていて、ブルーの面積は翅全体に比較してほんの僅かに過ぎませんが、飛翔中は不思議なことに翅全体がブルーに観察されます。2枚目では条件操作を誤って1/5000のシャッター速度を切っています。しかし、結果的には1/2000の画像に比較すると、より鮮明に写っています。少しでもシャッター速度を上げると飛翔画像の質が上がることを再発見した思いで、今後の撮影条件設定のヒントにしたいと思います。
お次は♂。
D70(トリミング), ISO=640, F8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時32分
D70(トリミング), ISO=640, F8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時33分
いずれもコセンダングサ近傍で吸蜜前後のシーン。開翅シーンで苦労した♂独特のスカイブルーの再現性はむしろ飛翔画像のほうが優っているようです。しかし、何度見ても♂の白→スカイブルー→黒と続くグラデーションは本当に見事です。
♂撮影中に♀への求愛シーンも何回となく観察できました。♂の作戦はどうやら♀が吸蜜している最中に後側から忍び寄るパターン。
D70, ISO=200, F4.5-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:11時35分
このように♂開翅シーンは求愛中も撮影できることがわかりました。それにしても♂の行動はきまぐれです。♀(右)と一緒に異性には全く無関心を装って?吸蜜している(左が♂)時もあれば、
D70, ISO=500, F8-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時28分
急に「その気になって(笑)」、猛烈に♀にアタックをかけたりします。
D70, ISO=200, F3.5-1/2000、-0.3EV、撮影時刻:11時51分
結局、↑の♂(右)は善戦虚しくあえなく♀にフラレました。それでも「隙あらば・・・・」と、猛烈なスピードで♀を追尾するシーンも奇跡的に撮れました。後ピンですが、仕方ないでしょう。
D70(トリミング), ISO=640, F7.1-1/2000、-0.7EV、撮影時刻:11時55分
こうしてみると、♀(上)と♂(下)の色彩差がよくわかりますね。さて、サツマの生態写真としては♀産卵シーンが欲しいところ。ただ今回は♀は産卵のそぶりも見せず、また食樹として最も一般的なサンゴジュも近くになかったので、結局来シーズン以降の宿題となりました。次回はサツマシジミ以外の蝶についてご紹介したいと思います。 (次回に続く)
by fanseab
| 2007-11-08 23:47
| 蝶
|
Comments(8)
毎回素晴らしい写真がでてきてうなってしまいます。
とくに、最後のペア飛翔は秀逸だと思います。
さすがですね。
サツマの撮影に行きたくなります。
とくに、最後のペア飛翔は秀逸だと思います。
さすがですね。
サツマの撮影に行きたくなります。
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kenken
at 2007-11-09 20:59
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う~む、唸る画像の連続ですなぁ~今シーズンはなかなか個体数が多かったのではと感じますね。なりほど、1/2000以上のTVかぁ~、さすがにばっちり止まりますね、飛翔シーン。サツマの食草・・・モチノキ、ビワなんて線はいかがでしょうか。
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6422j-nozomu2 at 2007-11-09 21:38
3部作拝見いたしました。とにもかくにも、サツマ撮影成功おめでとうございます。私レベルでは2作目の半開♂で大満足ですが、更に飛翔にチャレンジされるあたりただ者ではないと拝察いたしました。ラストの写真は涎ものですね。今年は残念ながら機会はありませんでしたが、来年こそは貴殿レベルの撮影にチャレンジしたいと思っています。無理かな?
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fanseab
at 2007-11-10 09:19
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虫林さん、普段はノンビリと飛翔するサツマですけど、♀を追尾する♂、逃げる♀のスピードはヤクルリ♂がテリ張り時に相手を蹴散らす時同様に凄かったです。約10コマしか写せなかった中、奇跡的に被写体が視野に入ってくれました。
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fanseab
at 2007-11-10 09:23
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kenkenさん、南紀のムードを出すため、広角飛翔にもチャレンジしたんですけど、そちらはすべて没画像となりました。最近は90mmマクロでの飛翔も結構歩留まりが上がってきました。飛翔シーンのシャッター速度は天気が申し分なければ1/3000~1/4000程度まで上げられるようです。サツマ食樹、ビワもあるんですか?幼虫の奇怪な姿を一度でも見たいものです。
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fanseab
at 2007-11-10 09:29
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ノゾピーさん、有難うございます。サツマ初トライで、何とか交尾・産卵を除くワンセットがものにできました。開翅は意外にあっけなく撮れたのにはビックリです。ただ全般に敏感な種であることは間違いなく、特に最初に出会った♀にはてこずりました。来年のご活躍、期待しております。
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kmkurobe at 2007-11-11 16:56
うーんすばらしい。飛翔撮影のテクニックはむろんですが、よくこんな隅々まで気を配ったフレーミングができますね。
すばらしい。おそれいりました。
すばらしい。おそれいりました。
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fanseab
at 2007-11-11 22:14
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kmkurobeさん、飛翔画像は蝶が画面のぎりぎり端になければトリミングで誤魔化しているのです。トリミングしたことを感じさせないのもテクニックの一つかもしれません(爆)