探蝶逍遥記

キリシマミドリシジミの探索(7/28)

 昨年から虜になってしまったキリシマ探索、今シーズンのスタートです。昨年、4回も遠征した鈴鹿山脈のマイポイントに出かけました。今回の狙いはズバリ新鮮な♀の撮影。昨年の反省から午前1時55分自宅発、ポイントには午前4時50分着。早速長竿でペシペシ叩くと何と飛び出すのはトンボばかり(^^;; どうも昨年と様子が異なります。大岩が転がる渓谷をサーカスのように渡りながら、昨年一番蝶影の濃かった株を叩くとようやく1頭が飛び立ちます。どうやら目的の♀のようですが、梢の上に逃げてしまいました。弱々しく飛び立つ別のゼフがいました。こいつも下に降りてきてくれず、400mmズームで見てみるとウラクロの♀でした。
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D70S-VR84@400mm, ISO=800, F5.6-1/160、-1.0EV、撮影時刻:7時31分

 渓谷にはマンサクの類が豊富にあるためでしょう、生き残りの♀が何頭か飛んでいました。しかし肝心のキリシマはどこに隠れているんでしょう? 昨年の経験から♂は6時過ぎから活動を開始します。しかし、8時まで待ちましたが、遠くの樹冠付近で1回だけ、それらしき銀白色のフラッシングを確認したのみ。昨年、「ご神木」 と小生が呼んだ開翅テリポイントには虚しくトンボが止まっているだけです。
 結局このポイントでの探索を早々と諦めました。そこで勝手に小生がポイント②と呼んでいる谷間に移動。ここでも全く静寂の世界です(爆)。諦めてお次はポイント①へ移動。ここの叩き出しでようやく1頭の♂が飛び出し、以後この♂を徹底的に追跡してみました。

 彼が逃げ込んだのはこんな茂みの中。
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D70S-VR84@210mm, ISO=640, F9-1/100、-0.7EV、内蔵ストロボ、調光補正-0.7EV、撮影時刻:9時50分

 派手なキリシマの裏面ですけど、意外と茂みの中では目立ちません。うっかりすると居場所を見失う位です。暫くして、この茂みに朝の光が差してきました。キリシマ♂裏面の銀白色が一番美しく輝く場面でしょう。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F9-1/125、-0.7EV、撮影時刻:10時03分

 この♂、かなりスレた個体ですが、「腐ってもキリシマ?」の諺通りです。斜光線に鈍く輝く銀色は何回見ても溜息が出ます。この後、不用意にカメラが枝に触れてしまい、別の梢に移動。こちらは光量がたっぷりで助かりました。
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D70S-VR84@400mm, ISO=500, F7.1-1/320、-0.3EV、撮影時刻:10時21分

 欠けた後翅の隙間から覗く緑色のチラリズム。これ、ゼフ撮影の醍醐味ですね。この後、この個体は岩の転がる渓流に。吸水行動か?と思いきや、単なる岩陰での休息だったようです。
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GX100@5.1mm, ISO=100, F4.6-1/21、-0.7EV、撮影時刻:10時25分

 鈴鹿渓谷の特徴は花崗岩。その花崗岩の色合いと♂裏面の銀白色もなかなかの取合せだと思いました。やはり広角での撮影は嫌いなのか?またまたこの個体は飛び立って葉上へ。ここは渓谷の情景を撮り入れて再び横位置広角。
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GX100@5.1mm, ISO=100, F5.1-1/36、+0.3EV、撮影時刻:10時40分

 昨年撮れなかった♂広角写真までサービスしてくれたこの個体。動きは大変不活発でした。空中戦バトルに敗れた歴戦の兵なのかもしれませんが、昨年も結構新鮮な個体が林内で静止している光景を見かけました。キリシマ♂は6月下旬~7月中旬に羽化した後、精細胞が成熟する7月下旬~8月上旬にようやく活発に探雌行動・テリ張りをスタートさせると言われています。さて、↑の個体、その成熟を待っている個体なのか?それとも単なる寿命末期の♂なのか?いろいろと疑問が沸いてきました。

 ところで、ポイント③にはえらく元気良く、銀白色のフラッシングで高速飛翔するシジミがいました。犯人?はこの子です。
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D70S-VR84@400mm, ISO=400, F7.1-1/640、-1.0EV、撮影時刻:9時20分

 本来はキリシマが陣取るアカガシの葉先でテリを張っています。右上隅にアカガシの休眠芽が観察できます。まだ十分に発育していない状態ですね。ウラギンと言えば、この日最後に探索した清流沿いには新鮮なウラギン♂が吸水に訪れていました。久しぶりに飛翔にトライ。渓谷の雰囲気を少しは出せたかな?
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D70, ISO=640, F5.6-1/2000、-1.3EV、撮影時刻:12時34分

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D70, ISO=640, F7.1-1/2000、-1.0EV、撮影時刻:12時34分

 この後、キリシマの影を求めて更に数箇所のポイントを探索。遠目にもアカガシがビッシリ生えている深い渓谷をじっと眺めていました、しかし、♂のチェーシングタイムになっても1頭も姿を見かけませんでした。キリシマの発生には隔年毎の波があると言われています。アカガシ休眠芽の発育の良否に隔年周期があるからだとの仮説です。今年はそのハズレ年なのでしょうか?昨年の♂乱舞を眺めているだけにちょっと心配です。♀だけに狙いを定めた今回の探索、♀はおろか、♂開翅も撮れない状況の中、♂閉翅の様々なシーンが撮れたのは収穫でした。
by fanseab | 2007-07-29 21:34 | | Comments(20)
Commented by nomusan at 2007-07-29 22:28 x
おお、久々の一番乗りぢゃ! 嬉しや嬉しや(笑)。
>、「腐ってもキリシマ?」の諺通りです。・・・
御意!御意! 何と言ってもキリシマだ、と私も思います。
この存在感はやっぱり強烈ですよね~・・。
う~ん、ウラクロもええですね~・・・九州のウラクロとっても珍です。
Commented by kenken at 2007-07-29 23:42 x
ひゃあ~凄い出発時刻ですねぇ。探索、お疲れさまでした。
なんと、キリシマ♂の静止画像のうち、2枚はGX100ではありませんかっ!露出設定がとても参考になります。
今年は、ハズレ年ですね。
Commented by 虫林 at 2007-07-30 06:07 x
今年もキリシマが確認できて、良かったですね。
キリシマの最後の写真(GX-100撮影)、これは素晴らしいですね。山梨県では、キリシマは南部に棲息するらしいので、いつか探しに行きたいと思っています。
ところで、「大岩が転がる渓谷をサーカスのように渡りながら」というフレーズは、とても羨ましく感じました。お元気ですな~。
Commented by maeda at 2007-07-30 07:20 x
今年はいろいろと難しい年ですね。
本州以南ではゼフは不作と聞こえてきています。
キリシマをGX100で撮れる距離とは、ヨダレが出てしまいそうです。
Commented by chochoensis at 2007-07-30 09:28 x
fanseabさん、「キリシマ」遠征お疲れ様でした・・・一年ごとに発生に差があるんですね・・・それにしても素晴らしい写真にため息が出ます・・・来年の豊作を祈っています・・・。
Commented by 空飛ぶyurika at 2007-07-30 21:18 x
fanseabさん、こんばんは。
私も部活中に木の上を(銀白色のフラッシングで高速飛翔するシジミ)に、気をとられることがあります。犯人にキラッキラッとされると、やっぱり見てしまうのです。(笑)
Commented by fanseab at 2007-07-30 21:34 x
nomusan、久々の一番乗り、有難うございます。
3枚目撮影中、翅をスリスリモードに入って、開翅の期待感を抱かせましたが、ちょっと元気がなかったみたいです。わずかに観察できた高速飛翔は胸をトキめかせるものがありますね。
Commented by fanseab at 2007-07-30 21:38 x
kenkenさん、張り切って深夜の出動でしたが、個体数が少なくて、気勢がそがれました。GX100は露光オーバー気味で白飛びしやすい傾向にあるので、基本的には-0.7EVを標準に使用しています。この日に限って言えば、確かにハズレでした。
Commented by fanseab at 2007-07-30 21:43 x
虫林さん、鈴鹿の山の神様も小生を見捨てず、今年も出会いを叶えてくれました。広角で撮影させてくれた♂個体には感謝です。
山梨のキリシマ、いつか貴殿のカメラアイでの力作、期待しております。渓谷で長竿を持つと、バランスを崩しそうになるので、はたからご覧になっていたら、いい笑いものかもしれません(^^)
Commented by fanseab at 2007-07-30 21:46 x
maedaさん、内地では確かに2月の高温と3月の低温気味の天候がすべての蝶の発生に影響を与えているようですね。キリシマの場合はそれに加えて梅雨明けの時期が遅れたことも発生に関わっていると思います。
GX100で撮れる距離に接近できる♂がいるとは小生もびっくりでした。
Commented by fanseab at 2007-07-30 21:49 x
chochoensisさん、お気遣い有難うございます。深夜出動の疲れが溜まって本日あたり、ピークになっています(^^;;
個体数が多いことを前提に撮影プランを組んでいましたが、この後の撮影戦略も変更を余儀なくされそうです。
Commented by fanseab at 2007-07-30 21:53 x
空飛ぶyurikaさん、炎天下での部活お疲れ様です。ランニング中に銀白色の飛翔を楽しむ余裕があっていいですね(笑)
こちら炎天下でキリシマに挑戦ですが、個体数が少ないと探索も部活以上に苦しいかも(^^;; どうしても沢沿いに探すので、水着で渓流にサブンとしたくなりますよ~!
Commented by thecla at 2007-07-30 22:38 x
今年も鈴鹿の神様が微笑んでくれたようですね。キリシマのGX100での広角接写ええなあ~。
夜明けから長竿でペシペシ、私には出来そうもありません(^^;
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-07-30 22:39
同じ頃別ポイントに出撃されておられましたか。どうもお疲れ様でした。ウラクロ撮影成功おめでとうございます。比較的新鮮な♀個体がまだいるとは驚きです。キリシマ♂も結構至近から撮影出来たようで良かったですね。来年は♂全開と♀表裏楽しみです。しかし、撮影者泣かせの蝶ですなあ。
Commented by ダンダラ at 2007-07-31 08:22 x
キリシマミドリ、探索にでたことはありませんけどなかなか大変そうですね。以前はヒルが多いというような話を聞いたこともありますが、ここはそうでもないんですか。
やはり裏面の銀が木漏れ日を浴びて輝いている1枚目(最初からだと2枚目)と3枚目が良いですね。
それにウラクロがまだいるんですね。新潟あたりでもまだいるのかな。気になる場所があるんで覗きに行ってみようかなという気になります。
Commented by banyan10 at 2007-07-31 14:47
キリシマの広角は見応えありますね。
今年は少ないようなのは残念ですね。
ウラギンの飛翔も背景も含めて素晴らしいです。
Commented by fanseab at 2007-07-31 22:16 x
ノゾピーさん、関西に住む者同士、この時期、鈴鹿に赴かないとお尻がムズムズしますよね。ウラクロ、撮影した個体以外はボロボロでした。キリシマ、本当に意地悪な?ゼフですねぇ!
Commented by fanseab at 2007-07-31 22:19 x
ダンダラさん、このポイントはヒルの心配は全く無用なので、撮影に専念できます。しかし、肝心のキリシマ、姿を見せてもなかなか至近距離の戦いに持ち込めず、手強い相手です。
ウラクロは昨年の同時期には見かけなかったので、ひょっとすると、キリシマの発生も昨年より遅れているのかもしれません。
Commented by fanseab at 2007-07-31 22:22 x
BANYANさん、広角以外にgyorome画像も撮っていますが、残念ながらブログではアップできません(^^;; 個体数が少ないと本当に撮影チャンスの減る相手ですね。ウラギンはあまり期待しないでの撮影でしたが、帰宅してPC上でモニターして、いい雰囲気に仕上がっているのには自分でもビックリしました。
Commented by fanseab at 2007-07-31 22:26 x
theclaさん、個体数が少ない時は本当に神頼みの世界です(爆)
GX100での撮影にもようやく慣れてきました。R社のコンデジはやや曇り気味の天候でいい発色をしますね。
夜明けのペシペシも、今回は単にトンボを叩き出す道具に終わったようでした(^^;;
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