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探蝶逍遥記

キマルリ探索ダブルヘッダーの巻

 本日(6/20)、6月に入って初めて年休が取れました。社内での公式ミーティングが全く入らない「空白の一日」を関西のサラリーマン蝶屋が見逃す訳にはまいりません(笑) さて、ブログ仲間のkさんが素晴らしいキマダラルリツバメ開翅画像をアップされていたのに刺激され、小生もそれでは・・・と二番煎じ狙いでの探索です。但馬遠征の疲れが残っているため、午前中はゆっくりと所用を片付け、昼前に出発。最初のポイントである京都市内到着12時35分。自宅から1時間のアクセスタイムは有難いです。と言っても、小生、国内でキマを撮影するのはこれが初めて。吸蜜タイムが何時なのか?不安にかられながら、ヒメジョオンの花弁を精査していきます。13時頃、最初の吸蜜個体を発見。胸ドキドキで2コマ撮影したら、アララ・・・どこかに飛び去っていきました。将に小さな黒い弾丸で、すぐに見失ってしまいました(^^;;

 仕方ないので、本年初めてのキマダラセセリを撮影。
キマルリ探索ダブルヘッダーの巻_f0090680_053156.jpg
D70, ISO=200, F4.5-1/2000、+0.3EV、撮影時刻:13時25分

 おっ、黒い弾丸がやってきたわ!と喜んで覗き見ると、かなり黒化したこの子でした。今日は個人的に飛行禁止命令を下したい感じ(^^)
キマルリ探索ダブルヘッダーの巻_f0090680_0532966.jpg
D70, ISO=500, F5.6-1/1600、+0.3EV、撮影時刻:13時42分

 それから数分後、本物が再びヒメジョオンの前に姿を現してくれました。キマルリ撮影の権威、kさん曰く、『4本の尾状突起の先端の白を全て表現してこそ、この蝶を「美しく撮った」と言えるのではないでしょうか?』と極意を語っておられます。そこで、何とかその教えを忠実に守っての撮影でしたが、2本が1本に重なって見え、突起が3本に見えていますね。あ~難し!
キマルリ探索ダブルヘッダーの巻_f0090680_053509.jpg
D70, ISO=200, F3.5-1/1000、+0.3EV、撮影時刻:13時54分

 とにかく、小生、国内で初めてのSpindasis属撮影に成功し、ホッとしました。一枚撮ると、余裕が出て、広角といきたいとこですが、ポイントが明確になる構図も撮れず、苦労します。結局、ヒメジョオンに囲まれた雰囲気を出すのが精一杯。
キマルリ探索ダブルヘッダーの巻_f0090680_054732.jpg
GX100@5.1mm, ISO=100, F8.1-1/153、+0.3EV

 しかし、拡大して気がつきましたが、このシジミの複眼って、ムラサキシジミ同様、ちょっとドスの利いた感じですね。これは意外でした。

 さきほど、まぎわらしい!と苦言?を呈したベニシジミとのツーショットも撮れました。
キマルリ探索ダブルヘッダーの巻_f0090680_0543194.jpg
D70, ISO=500, F5.6-1/800、+0.7EV

 時計は14時を回り、このままこのポイントで夕方の開翅を待つ作戦もあったのですが、2年間空振りに終わっている播磨地方に転戦することにしました。このポイントを去る前、オオムラサキを思わす大型のタテハが出現。良く見ると、翅が淡いベージュ系のゴマダラチョウ♀でした。第1化の生き残り(それとも2化)かな?この日の京都は28℃の蒸し暑さ。苔から一生懸命に吸水していました。
キマルリ探索ダブルヘッダーの巻_f0090680_0545154.jpg
D70, ISO=500, F5.6-1/800、+0.3EV

 播磨のポイント到着は17時前。天気はピーカン状態ですので18時頃がテリ張りピークと睨み、じっと監視します。すると17時半頃、急に2頭の黒い塊が頭上を猛スピードで駆け抜けていきました。キマルリに間違いありません。高さ3m程の潅木の上を卍飛行したり、離れたりしています。全く止まる気配もないので、痺れを切らして、90mmマクロで飛翔狙い。
キマルリ探索ダブルヘッダーの巻_f0090680_055873.jpg
D70, ISO=640, F5-1/2000、+0.7EV、撮影時刻:17時34分

 原画像では複眼と触角もピントバッチリですが、いかんせん、夕空をバックの条件なんで、これが精一杯です。そのうち、小生から急に離れ、およそ30m先にある桜の樹冠上で激しい♂のバトルが始りました。夕陽を浴びて、黄金色に輝く彼らの舞は先日見たウラクロの真珠の舞とはまた別格の渋い美しさです。これを何とか表現できないか?と無茶を承知で、400mmズームの望遠端(400mm)で飛翔狙い。
 先ずは卍飛行。勿論、トリミングとレタッチし放題の絵です。
キマルリ探索ダブルヘッダーの巻_f0090680_0552624.jpg
D70S-VR84@400mm, ISO=640, F5.6-1/2000、撮影時刻:17時56分

 左側の個体を心眼?で見ると、キマルリ表翅のブルーが見えます(爆)。なお、もう1頭は右上に心霊写真状態で写っています。

 乱射した画像で一番まともだったのがこれ。
キマルリ探索ダブルヘッダーの巻_f0090680_0553941.jpg
D70S-VR84@400mm, ISO=640, F5.6-1/2000、+0.3EV撮影時刻:17時57分

 キマルリ裏面のトラ斑特徴がかすかに読み取れます。結局、低い位置に降りてくれないのか~と半ばガッカリしてきた18時頃、1頭の個体が小生の目の高さをグルグル周回飛行し始めました。さあ胸ドキドキ状態です。「止まれ~、止まれ~」と念じて見ると、やっとススキに止まってくれました。
キマルリ探索ダブルヘッダーの巻_f0090680_0555793.jpg
D70, ISO=400, F9-1/80、-0.3EV、撮影時刻:18時10分

 さて、今度は「開け~、開け~」と念じてみました。しかし、願いは通じず、あっという間にまた飛び立ってしまいます。どうも開翅をする雰囲気ではなく、ススキの葉裏を探るように歩いたり、探雌行動?に思えました。18時15分を過ぎると、パタッと彼らの動きが消えました。暫く粘りましたが、本日のテリタイム終了と判断し、18時30分に撤収です。

 キマルリのダブルヘッダー、彼らの生態を勉強する意味では成果が上った休暇となりました。来年こそは、開翅画像を撮るぞ!と気合を入れて、ポイントを後にしました。
by fanseab | 2007-06-21 01:00 | | Comments(24)
Commented by chochoensis at 2007-06-21 05:44 x
fanseabさん、憧れの「キマダラルリツバメ」、素晴らしい写真の数々にため息が出ました・・・素晴らしい!!!
シマシマ模様と後縁角のオレンジ・・・そして長い尾状突起・・・もう興奮してしまいました。撮影おめでとうございます。
Commented by banyan10 at 2007-06-21 15:55
キマルリの吸蜜、柔らかい背景の感じが素晴らしいですね。
もちろん、蝶も綺麗に撮れています。
テリ張りの飛翔なんて狙えるのですね。すごいです。
最初のキマダラセセリも綺麗です。こんなふうに撮りたいものです。
Commented by nomusan at 2007-06-21 20:44 x
キマルリ、綺麗です。初撮影なのですか? おめでとうございます。
飛翔画像も雰囲気でてますね~。う~ん、キマルリ見たい!!
Commented by cactuss at 2007-06-21 21:17
キマルリの吸蜜写真、いい感じですね。
小生はキマルリのいい写真がないので、うらやましいです。
今年は機会があったら、福島まで行って、撮影したいと思っています。
Commented by maeda at 2007-06-21 21:55 x
広角の絵が見られないのは残念ですが、致し方ないです。
キマルリにはいろいろ思い出があり、じっくりと撮り直したい蝶です。
Commented by fanseab at 2007-06-21 23:08 x
chochoensisさん、コメント有難うございます。やはり、このシジミは独特な斑紋と尾状突起で魅力タップリですね。ヒメジョオンに紛れると、意外と発見しにくいです。
Commented by fanseab at 2007-06-21 23:12 x
BANYANさん、何とか吸蜜シーンをゲットできてホッとしました。いつもはISO=500を常用するのですが、この場面では陽射しが強く、ヒメジョオンの花弁が白トビしやすいので、ISO=200に落としてラティチュードを拡大する作戦が成功し、滑らかな調子に仕上がりました。キマダラセセリ、実はキマルリよりも個人的にお気に入りの画像です。
Commented by fanseab at 2007-06-21 23:15 x
nomusan、有難うございます。東日本出身の小生にとって、やはりキマルリは憧れの対象でした。保育社の図鑑に記載されている産地を日本地図で確認しては、溜息をついていたものです。実物の飛翔スピードは想像以上で、飛翔シーンは厳しいものがありました(^^;;
Commented by fanseab at 2007-06-21 23:18 x
cactussさん、北関東エリアからだと、確かに福島が確実な産地なのでしょうね。寺社仏閣の多い京都に有名ポイントが多いのもこの蝶の生活史と関係があって面白いです。
Commented by fanseab at 2007-06-21 23:21 x
maedaさん、この蝶の場合は本当にピンポイントで産地が限定されているので、広角描写の件は仕方ないですね。絶滅したポイントの撮影ならともかくですが。産地毎に異なる表翅の色彩とか、いろいろと撮影のバリエーションが拡がって奥の深い楽しみ方ができそうです。
Commented by kenken at 2007-06-22 02:58 x
おっと、小生の画像が年休を誘発してしまいましたかな?(笑)
吸蜜シーン、ヒメジョンの白も綺麗に表現できていますね。
うむ、尾状突起の先の白も4本確認できますね。
しかし、簡単そうで、なかなか難しいもんでしょ。
風にたなびくと結構難儀したりします。
う~む、播磨はお天気が良すぎたようですな。
Commented by 愛野緑 at 2007-06-22 20:46 x
むか~し奥多摩で採集しました。ボロボロの個体でした。綺麗な奴を撮影したいです。今はもう居ないのかな?
400mmでの飛翔は無理でしょう!しかもキマルリですよ。でもしっかり卍飛行切り取られていますね。すごいです・・・。
Commented by fanseab at 2007-06-22 21:22 x
kenkenさん、実は年休取得は貴殿の画像がアップされる前に決まっていました。どこに行くか?天気予報との睨めっこしてキマルリに決めました。ヒメジョオン吸蜜シーンは、簡単そうに見えて、キマルリとの組合せは難易度高いことを実感いたしました。
Commented by fanseab at 2007-06-22 21:25 x
愛野緑さん、こんばんは。ほぉ~奥多摩とは珍ですね!現在の関東だと、神奈川県での探索になるのでしょうね?キマルリの卍はアイノやジョウザン等のゼフと異なり、卍の位置がさほど移動しないので、何とか400mmでも収まったようです。
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-06-22 21:34
平日に出撃とは気合い入っていますね。何と国内初撮影種とは意外でした。静止開翅個体は少し残念でしたが、楽しみは少し残しておかないとね。実は私も全開写真は未撮影です。明日は天気良さそうだし、迷うなあ。でも鮮度がなあ。
Commented by kmkurobe at 2007-06-23 18:43 x
GX-100の画像いいですね。ここまで近づくのはドキドキものですよね。しかも初撮影とは、同機種ユーザーとしてはびっくり・・・・恐れ入りました。
Commented by thecla at 2007-06-23 19:36 x
キマルリ撮影おめでとうございます。平日スクランブルの甲斐があったというものですね。
実は、私もキマルリ未撮影です。明日あたり狙ってみますかね。でも関東だと滅茶苦茶難しいのです。
Commented by 愛野緑 at 2007-06-23 22:35 x
昨日書き忘れましたが、ゴマダラは春型♀の生き残りのようです。
Commented by 虫林 at 2007-06-24 16:42 x
キマルリの撮影、おめでとうございます。こちらでは中々見ることができないので、羨ましく思います。山梨も分布しているのに出陣していないのが心苦しいです。
いつも皆さん達の画像を見ながら憧れています。
Commented by fanseab at 2007-06-25 00:06 x
ノゾピーさん、関東を拠点にしてきた小生にとって、キマルリは憧れでしたね。香港でSpindasisを撮ったからと言って、やはり国内産も抑えたい一心で頑張りました。昨日、キマルリ開翅再チャレンジしましたが、貴殿の予測通り、鮮度に問題がありました。
Commented by fanseab at 2007-06-25 00:09 x
kmkurobeさん、GX100画像、殆ど最近接距離のレンズ前面1cm位での撮影です。距離を離すとインパクトが無くなるので、何とかチャレンジしてみました。
Commented by fanseab at 2007-06-25 00:11 x
theclaさん、有難うございます。お蔭様で何とかキマルリゲットできました。関東の産地は小生も銀塩時代に辛酸を舐めていますので、難易度は関西の比ではないと思いますが、夕方のテリタイムに絞って遠征する勇気が必要でしょうね。
Commented by fanseab at 2007-06-25 00:13 x
愛野緑さん、追加コメントご丁寧に有難うございます。小生、京都での化数や発生時期の知見が不足していますので、目撃した瞬間は、時期から判断して「オオムラサキ?」と早トチリしてしまいました。
Commented by fanseab at 2007-06-25 00:16 x
虫林さん、コメント有難うございます。
キマルリのテリ張り時には、居ると信じて観察していないと見逃すことが多いと思います。生息地の新規開拓が進まないのも、こうした事情でしょうね。あと、時期的にトラフと見間違えないよう、注意が必要ですね。
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