探蝶逍遥記

フジミドリシジミとの出会い

 6月中旬が旬のゼフ、フジミドリを求めて但馬に遠征してきました(6/16)。午前1時25分自宅発、現地3時55分着。まだ暗い林道を熊除けの鈴、携帯ラジオを鳴らしながら登ります。5時15分ポイントに到着。ひっきりなしに通るガスの隙間から青空が覘く好天が望めそうな天気です。ブナの林床を1時間30分ほど丹念に探索。しかし全く影の形もありません。7時頃、ガスを通して林道に朝日が差し込んできました。
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GX100@5.1mm, ISO=100, F4.6-1/1410、-0.7EV

 素晴らしい光景に息を呑みますが、肝心の主役はいません。時期が早かったか?の疑念がよぎります。少し標高を下ったところで、新鮮なヒメキマダラヒカゲ♀に出会いました。
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D70, ISO=500, F6.3-1/1250、-0.3EV、撮影時刻:7時30分

 このヒカゲの後翅眼状紋は小生のお気に入りです。開翅シーンは撮りにくいのでまずはホッと一息。

 8時前、カメラマン2名に出会いました。「こんにちは!」と声かけすると、何と、懇意にして頂いているHP仲間のTさんとご友人のAさんでした。「もうこの時間帯だと下草にはいませんか?」と質問すると、Tさん曰く「いやいやまだ下草にいる筈です」と力強いコメント。そこで、3名で再度丹念に探索。

 そしてまもなく、発見したのです!!小生がさきほど探索し、いなかった筈の下草上に羽化したての♂が止まっているではないですか! 憧れのフジミドリとの初めての出会いでした。興奮してシャッターを切り、Tさん、Aさんを呼び寄せ、3名で交互にシャッターを切りました。
 既にピーカン状態の朝日が差し込んで体温が上がりすぎたのか、すぐに笹の葉下に潜りこんでしまいます。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F9-1/500、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:9時05分
 
 3名のカメラマンに囲まれて殺気を感じたのか、ヒラヒラと飛び立ち、いい感じの葉上に降り立ちました。飛翔中はルリシジミのように見えるんですね!ここはマクロで慎重にパチリ。
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D70, ISO=200, F5-1/800、+0.3EV、撮影時刻:9時22分

 涼しげな目元、裏面基部の淡いブルー、当然、縁毛も完璧な将に羽化直後の姿です。しかし図鑑から想像していた以上に大きいと感じました。閉翅を撮り終えると、当然カメラマンの期待は開翅シーンです。「開け~ゴマ!」と念仏を唱えてもなかなか開こうとしません。そうしているうちにちょっと高い潅木に移動してしまいます。枝を手繰り寄せて右手一本で撮影。 
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F9-1/320、-0.7EV、撮影時刻:9時37分

 この後、樹上、高い場所に舞い上がり、ジエンド。ちょっと開翅を狙うには時間が遅すぎたのかもしれません。とにかく、無事羽化したてホヤホヤのフジをゲットでき、3名とも満足して林道を降りました。途中、同じHP仲間のKさんも登場。しばし、但馬近辺の蝶情報談義。いや~最高の一時ですね。

 さて、小生はお三方とは別れ、次なるターゲット、ウラクロシジミの探索です。これまた下草をじっと見たり、時々長竿で根気よく叩きだしたりしましたが、坊主。キッパリ諦め、以前から地図上でヒサマツミドリが観察可能と狙んでいる渓谷に移動。ウラジロガシの枝ぶり等をチェックしながら、マンサクのある林道に車を止め、何げなく長竿で梢を叩くと白いものが飛びました。最初のポイントでさんざん誤魔化された白い昼蛾でなく、完璧にシジミの飛翔!ウラクロでした。試しに何箇所かで叩くと、いずれの株からも一度に3頭は飛び出します。どうやら、ウラクロの鉱脈?を探り当てたようです(^^)  ただ、殆どは梢の上に逃げていくばかり。10頭目がようやく食樹のマルバマンサクに降りてくれました。フジミドリ同様、これまた羽化直後のド完品でニンマリ(^^)。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F9-1/100、-0.3EV、撮影時刻:13時36分

 和名が「裏黒」ですから、茂みにいると目立たないシジミですね。風が吹き始めたので、マクロは風の合間を縫って慎重に撮影。
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D70, ISO=500, F6.3-1/400、-0.3EV、撮影時刻:13時37分

 やや明るい下草に降りた個体を今度は縦位置広角でこの日の晴天をポイントにしました。
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D70S-10.5-X1.4TC, ISO=500, F10-1/500、-0.7EV、外部ストロボ、調光補正1/4、撮影時刻:13時40分

 ただ、基本的に明るい環境は嫌いみたいで、撮影後、すぐに梢の暗い場所に潜りこんでしまいました。

 ウラクロもゲットできたので、大満足でしたが、さらに欲張ってミスジチョウポイントと睨む別の渓谷に再移動。既に15時を過ぎていたのか、ミスジは坊主。代わりに渓谷沿いにキラキラとウラクロ♂が乱舞していました。急に飛翔戦闘モードに意識を切り替え、飛翔に挑戦です。しかし、渓谷の向こう側はあまりにも遠い!400mmズームを240mmにセットして乱射。なんとかウラクロと判別できる画像をゲット。
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D70S-VR84@240mm, ISO=640, F5.3-1/1600、-1.0EV、撮影時刻:15時30分

 お次は卍飛行にも挑戦。
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D70S-VR84@240mm, ISO=640, F5.3-1/1600、-1.0EV、撮影時刻:15時33分

 強引なトリミングとレタッチで凌いだ酷い絵ですが、皆さん、キラキラと白く輝く雰囲気だけは味わって頂けると思います。とにかく、夕陽を浴びたウラクロの表翅の煌きは強烈で、飛翔撮影の露出設定難易度は高いですね(^^;;

 この日の活動時間はほぼ17時間。ヘトヘトに疲れたため、ブログ更新は2日遅れとなりました。当日、フジミドリの生態についていろいろとご教示頂いたTさん他お三方、情報有難うございました。この場を借りまして、御礼いたします。
by fanseab | 2007-06-18 07:15 | | Comments(24)
Commented by banyan10 at 2007-06-18 17:42
フジミドリ初撮影おめでとうございます。
擦れた個体しか撮影できていないので羨ましいです。
こんなに白い蝶なのですね。
ウラクロも遠くからしか撮影できていないので、下草に降りている個体をみつけたいです。
夕方の飛翔は幻想的ですよね。今年も見に行きたくなりました。
Commented by cactuss at 2007-06-18 21:19
フジミドリ、ウラクロと大収穫でしたね。
小生、両種ともいい写真がないので、うらやましいです。
今年はなんとか撮影したいものです。
Commented by 虫林 at 2007-06-18 21:39 x
フジミドリの撮影は小生も何時か達成したいと思っていますが、ハードルが高そうで、困っています。やりましたね!
さらにウラクロの撮影も飛翔までとは素晴らしいです。
かなり遠距離の遠征のようですが、しっかりと成果を挙げているところがさすがです。ご苦労様でした。
Commented by maeda at 2007-06-18 21:44 x
フジもウラクロも未撮影の蝶です。
早朝下草とは思っていても距離があると直ぐに日和っていた私には無理でした。
今なら大丈夫かな。
それにしても、フジといい、ウラクロといい、すばらしい絵です。
Commented by nomusan at 2007-06-18 21:57 x
う~ん、フジにウラクロ・・・。垂涎ものの画像が満載ですね~・・・。素晴らしいです。特にフジは玉砕したてなので、特に・・・(笑)。「開けゴマ!」はゴマシジミ用の念じ言葉だとkenkenさんに教わったような気がします。「開けフジ!」の方が良かったのかも(爆)?。
Commented by fanseab at 2007-06-18 22:16 x
BANYANさん、有難うございます。発生の本当の初期だったようで、ビギナーズラックでもありました。弱々しく飛ぶ羽化したての♂は色調もあいまって、とてもゼフとは思えないですね。初めてみたウラクロの真珠の舞は忘れられません。
Commented by fanseab at 2007-06-18 22:18 x
cactussさん、関西の6月は撮影種を絞らないと困るほどドバッと多くの魅力的な蝶が発生します。今年はフジとウラクロに賭けて万馬券が当ったようです。
Commented by fanseab at 2007-06-18 22:22 x
虫林さん、有難うございます。今回は道中、アドバイス頂いたTさんのお蔭で諦めずに下草を探索したのが正解でした。ウラクロの飛翔は想像以上に高速で飛ぶので苦労しました。但馬までの距離は大したことないのですが、深夜~早朝に行動のピークを合わせるのが辛いとこです。
Commented by fanseab at 2007-06-18 22:25 x
maedaさん、貴殿なら、両種とも撮影済みかと思いました。ミズナラならともかく、ブナ林は場所が限定されるのと、早朝暗い林道歩行は熊との遭遇が頭をよぎって、こちらの苦労が多いですね。ウラクロは至近距離から撮影できたので、満足しています。
Commented by kenken at 2007-06-18 22:25 x
ウラクロのしっとりした翅裏はいいですねぇ~
10.5mmの威力を感じます。
いつもながら青空の表現も素晴らしいもんです。
フジはちょっと新鮮すぎて開かなかったのかもしれませんね。
僅かな開翅のタイミングを数時間待つ・・・結果に関係なく、これこそ開翅撮影の醍醐味だと思います。その待っている間の心の高鳴りがなんともいえないのです。
Commented by fanseab at 2007-06-18 22:27 x
nomusan、九州のフジも難易度が高そうですね。次回の吉報をお待ちしております。そうかっ!「開け~ゴマ!」で♂が拗ねちゃったんですね。次回はアドバイスに従い、「開け~フジ!」を唱えてみます(笑)
Commented by 6422j-nozomu2 at 2007-06-18 22:58
フジとウラクロですか。こりゃ意表を突かれました。以前なら両種がいる滋賀県のフィールドも交通遮断され、指をくわえて、写真を拝見しています。静止全開写真見たかったなあ。特にウラクロ♂の真珠色。
Commented by fanseab at 2007-06-18 23:02 x
kenkenさん、いつもコメント有難うございます。この日はピーカンで、ウラクロ/フジと裏面色調が両極端の種で露出設定に大変苦労しました。フジ♂は薄日の条件だったらどうだろうか?等と後から考えるのも面白いですね。スリスリした時には本当に胸が高まりました。
Commented by fanseab at 2007-06-18 23:06 x
ノゾピーさん、発生時期が丁度揃うのでダブルで狙ってみました。両種開翅が撮れたらダブル役満ですが、そうは問屋が卸しませんネ。
もっともウラクロ開翅は撮れたのですが、豆粒状態なので、掲載を見送りました(^^;;
Commented by thecla at 2007-06-18 23:37 x
羽化直後のフジ、う~ん、綺麗ぢゃ。
青空の下のウラクロ広角は、中々撮れないシーンではないでしょうか。どうも薄暗い環境にいるという印象ばかりなので。
フジは、やっぱり5時15分ポイント着という根性が必要でしょうか、先日はその時間、まだ寝ておりました(^^;
Commented by 愛野緑 at 2007-06-18 23:42 x
フジもウラクロもまだ撮影できていないので羨ましいですね。
朝出ていくとお昼過ぎには帰ってきてしまうので、なかなかゼフの活動時間にフィールドにいないんです・・・。
Commented by kmkurobe at 2007-06-19 00:10
ウラクロにフジ最難関に近い種類をダブルですか・・・・・
言葉もないですね。
こうなりゃ挑戦しなければ・・・・・
すごいですね。恐れ入りました。
Commented by chochoensis at 2007-06-19 06:26 x
fanseabさん、「フジミドリシジミ」・「ウラクロシジミ」撮影おめでとうございます、未だに早朝の下草での観察が出来ないで居ますので、羨ましいです、写真も綺麗に撮影されていて素敵です・・おめでとうございました。それにしても=17時間の観察=というのは凄い体力の持ち主なんですね、驚きました・・・。
Commented by ダンダラ at 2007-06-19 15:00 x
フジミドリとウラクロですか、いいなー。今年狙っている蝶です。
どちらも独特の斑紋で個性にあふれていますよね。
もう少し先になりますけど撮りたいものです。
Commented by fanseab at 2007-06-19 23:10 x
theclaさん、羽化したてのシジミは全て美しいですが、フジは本当に気品があるように思えました。ウラクロ縦位置広角では、止まりながら、すぐに体の向きを太陽と平行に変える等、落ち着きがなかったです。やはり暗目の環境を好むのでしょう。この日は高温になる天気予報だったので早朝が勝負と見て、深夜の出発としました。
Commented by fanseab at 2007-06-19 23:12 x
愛野緑さん、コメント有難うございます。フジとウラクロ共、小生未撮影種だったので、ピカピカの個体が撮れて本当に嬉しかったです。小生も普段は昼過ぎに撤収するパターンですが、今回はウラクロの真珠の舞を眺めるため、長居をしました。
Commented by fanseab at 2007-06-19 23:15 x
kmkurobeさん、まいどどうも。そちら長野では両種共に発生はもう少し先と思いますが、是非チャレンジしてください。
Commented by fanseab at 2007-06-19 23:17 x
chochoensisさん、早朝の下草探索は辛気臭い作業ですが、目的のものが見つかれば疲れも吹き飛びます。17時間・・・このツケが来て、実は、まだ但馬遠征の疲れが抜けないのですよ。
Commented by fanseab at 2007-06-19 23:20 x
ダンダラさん、仰る通り、両種共に、非常に個性的なゼフなので、チャレンジしてみました。関西だと発生が梅雨の半ばなので、難易度が高いですが、天候に恵まれて探索が楽だったことが幸いしたようです。
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